(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190841
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】乗物用スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20221220BHJP
B60J 1/17 20060101ALI20221220BHJP
B60R 1/06 20060101ALI20221220BHJP
H01H 25/00 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B60R16/02 630J
B60J1/17 A
B60R1/06 D
H01H25/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099303
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000201814
【氏名又は名称】双葉電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 篤彦
(72)【発明者】
【氏名】茶座 聖始
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 知也
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 光由
【テーマコード(参考)】
3D053
3D127
5G031
【Fターム(参考)】
3D053FF17
3D053FF28
3D053FF29
3D053MM13
3D127AA09
3D127AA17
3D127DF34
5G031AS52H
5G031GS23
5G031GS25
(57)【要約】
【課題】比較的コンパクトで、操作性を高めるとともに、デザインの自由度を向上させることが可能な斬新な構造の乗物用スイッチ装置を提供する。
【解決手段】複数の窓ガラス12を有する乗物11に搭載され、複数の窓ガラス12の開閉を操作するものであって、乗物11が備える乗物用内装材17に配されてその乗物用内装材17の面上を移動可能とされたスイッチベース30と、スイッチベース30に設けられて複数の窓ガラス12のうちから対応する窓ガラス12の開閉操作を行うためのウィンドウスイッチ40R,40Lと、を備え、スイッチベース30を、乗物用内装材17において乗物室内側に向かって突出した板状の台座部24上を移動可能とし、その位置している場所に応じて、ウィンドウスイッチ40R,40Lによって開閉操作される窓ガラス12が変更されるように構成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の窓ガラスを有する乗物に搭載され、前記複数の窓ガラスの開閉を操作する乗物用スイッチ装置であって、
前記乗物が備える乗物用内装材に配され、その乗物用内装材の面上を移動可能とされたスイッチベースと、
前記スイッチベースに設けられ、前記複数の窓ガラスのうちから対応する前記窓ガラスの開閉操作を行うためのウィンドウスイッチと、
を備え、
前記スイッチベースが位置している場所に応じて、前記ウィンドウスイッチによって開閉操作される前記窓ガラスが変更されるように構成され、
前記乗物用内装材には、乗物室に向かって突出して板面が概して上下方向を向く姿勢で設けられた板状の台座部が設けられており、
前記スイッチベースは、前記台座部の上側の面上において移動可能とされたことを特徴とする乗物用スイッチ装置。
【請求項2】
前記スイッチベースは、本体部と、前記本体部の外縁に可撓性を有する樹脂によって成形された薄板状の片部とを有し、
前記片部の内部には、自身が弾性変形したことを検知する撓みセンサが設けられており、
前記ウィンドウスイッチは、前記片部と前記撓みセンサとを含んで構成され、乗員による前記片部の押し下げ・引き上げを前記撓みセンサによって検知して、前記窓ガラスの開閉操作を行うものとされた請求項1に記載の乗物用スイッチ装置。
【請求項3】
当該乗物用スイッチ装置は、前記ウィンドウスイッチが電気的に接続される制御基板を備え、
前記スイッチベースは、上下方向に二分割された第1ハウジング部材および第2ハウジング部材を含んで構成され、前記第1ハウジング部材および前記第2ハウジング部材によって前記制御基板を収容する構成とされ、
前記第1ハウジング部材は、概して板状の部材とされ、
前記第2ハウジング部材は、前記ウィンドウスイッチが設けられるとともに、下面側が窪んだ蓋状の部材とされ、
前記制御基板は、前記第1ハウジング部材の上面に固定され、前記第1ハウジング部材と前記第2ハウジング部材によって形成された空間に収容されている請求項1または請求項2に記載の乗物用スイッチ装置。
【請求項4】
前記スイッチベースは、前記第1ハウジング部材の下方に延び出して前記台座部に移動可能に保持される被保持部を有し、
前記第1ハウジング部材は、上下方向に貫通する貫通孔を有し、
前記台座部は、上方に向かって突出して前記貫通孔に臨み入る突出部を有し、
前記突出部の先端と前記制御基板の下面との間に、前記突出部に対する前記スイッチベースの位置を検出するための位置センサを備えた請求項3に記載の乗物用スイッチ装置。
【請求項5】
前記乗物には、前記窓ガラスが前後方向に並んで設けられるとともに、
前記スイッチベースは、前記乗物用内装材上を前後方向にスライド可能に配されており、
前記スイッチベースの前後方向における位置に応じて、前記ウィンドウスイッチによって開閉操作される前記窓ガラスが変更される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乗物用スイッチ装置。
【請求項6】
前記スイッチベースは、前記ウィンドウスイッチが設けられるベース本体と、そのベース本体の下側に固定されたスライダと、を備え、
前記台座部は、前記ベース本体の少なくとも上部が自身の上面より上方に位置する状態で、かつ、前記スライダを自身の下面より下方に突出させることなく前後方向にスライド可能に保持するガイド溝を備える請求項5に記載の乗物用スイッチ装置。
【請求項7】
前記台座部の内部で、かつ、前記スライダに対して前後方向に並んで設けられ、前記スライダを前方に向かって付勢する付勢機構を備えている請求項6に記載の乗物用スイッチ装置。
【請求項8】
当該乗物用スイッチ装置が搭載される前記乗物は、サイドミラーを備え、
前記スイッチベースは、上面に前記サイドミラーの角度を調整するためのミラーコントロールスイッチを備えている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の乗物用スイッチ装置。
【請求項9】
前記ミラーコントロールスイッチは、乗員の身体の一部が接触したことあるいは近接したことを検出するタッチセンサ式のものである請求項8に記載の乗物用スイッチ装置。
【請求項10】
前記ウィンドウスイッチは、前記スイッチベースの外縁部に設けられる請求項8または請求項9に記載の乗物用スイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載されているように、従来から、乗物が備える窓ガラスの開閉操作を行うためのスイッチ装置に関し、操作性を向上させる技術が検討されている。下記特許文献1に記載のスイッチ装置は、パワーウインドスイッチ群を、スイッチケースの上面に配設し、ミラーコントロールスイッチ群を、スイッチケースの車室内側の側面に配設した構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のスイッチ装置を含め、従来から存在するスイッチ装置は、窓ガラスの数と同数のスイッチが配されるとともに、窓ガラスの開閉操作を行うスイッチ以外にも、多くのスイッチも近接して配されており、押し間違い等の誤操作が生じる場合がある。また、従来のスイッチ装置は、多数のスイッチを設けるために、装置自体が大型化してしまうという問題がある。さらに、複数のスイッチの配置に関しても、自由度が低く、デザイン性の向上が難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、比較的コンパクトで、操作性を高めるとともに、デザインの自由度を向上させることが可能な斬新な構造の乗物用スイッチ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の乗物用スイッチ装置は、
複数の窓ガラスを有する乗物に搭載され、前記複数の窓ガラスの開閉を操作する乗物用スイッチ装置であって、
前記乗物が備える乗物用内装材に配され、その乗物用内装材の面上を移動可能とされたスイッチベースと、
前記スイッチベースに設けられ、前記複数の窓ガラスのうちから対応する前記窓ガラスの開閉操作を行うためのウィンドウスイッチと、
を備え、
前記スイッチベースが位置している場所に応じて、前記ウィンドウスイッチによって開閉操作される前記窓ガラスが変更されるように構成され、
前記乗物用内装材には、乗物室に向かって突出して板面が概して上下方向を向く姿勢で設けられた板状の台座部が設けられており、
前記スイッチベースは、前記台座部の上側の面上において移動可能とされたことを特徴とする。
【0007】
この構成の乗物用スイッチ装置によれば、乗員は、開閉したい窓ガラスに応じた位置にスイッチベースを移動させて、ウィンドウスイッチを操作することにより、その窓ガラスを開閉することができる。そして、スイッチベースを移動可能な構成としたことにより、そのスイッチベースを移動可能に保持する部分は、大きな厚みを必要とせず、上記のような構成で、斬新な乗物用スイッチ装置が実現する。また、この構成の乗物用スイッチ装置は、窓ガラスの数と同数のスイッチを設ける必要がなく、比較的シンプルな外観とすることができる。さらに、この構成の乗物用スイッチ装置によれば、スイッチベースの動作範囲の自由度、スイッチベースの形状の自由度、スイッチベースへのスイッチ配置の自由度など、乗物用スイッチ装置のデザイン自由度を高めることができる。したがって、スイッチベース自体の薄型化も図ることで、当該乗物用スイッチ装置は、さらに薄型化され、デザイン性の高いものとなる。
【0008】
なお、この構成における「スイッチベース」は、前後方向や左右方向など、特定の方向にスライド可能なものであってもよい。また、スイッチベースに設けられるウィンドウスイッチの数は、1つに限定されず複数でもよいが、乗員がウィンドウスイッチを間違えないようにするという観点からすれば、2つ程度までであることが望ましい。詳しく言えば、そのような構成である場合には、乗員がスイッチベースを一度握れば、操作したい窓ガラスに対応するウィンドウスイッチの位置を探る必要がないため、窓ガラスの開閉操作の誤操作等を軽減することが可能である。
【0009】
また、この構成における「ウィンドウスイッチ」は、その構成・構造が特に限定されないが、従来から存在するスイッチ装置と同様に、押し下げることで窓ガラスを開くとともに、引き上げることで窓ガラスを閉じる構成のものを採用すれば、誤操作を軽減することが可能である。
【0010】
上記構成において、前記スイッチベースは、本体部と、前記本体部の外縁に可撓性を有する樹脂によって成形された薄板状の片部とを有し、前記片部の内部には、自身が弾性変形したことを検知する撓みセンサが設けられており、前記ウィンドウスイッチは、前記片部と前記撓みセンサとを含んで構成され、乗員による前記片部の押し下げ・引き上げを前記撓みセンサによって検知して、前記窓ガラスの開閉操作を行うものとすることができる。
【0011】
この構成の乗物用スイッチ装置は、従来のスイッチ装置のように、乗員の押し下げ・引き上げを許容するための回動軸が必要ないため、ウィンドウスイッチの厚みを小さくすることができる。つまり、この構成の乗物用スイッチ装置によれば、スイッチベースの薄型化を図ることができ、ひいては、当該乗物用スイッチ装置自体の薄型化を図ることができる。
【0012】
上記構成において、当該乗物用スイッチ装置は、前記ウィンドウスイッチが電気的に接続される制御基板を備え、前記スイッチベースは、上下方向に二分割された第1ハウジング部材および第2ハウジング部材を含み、前記第1ハウジング部材および前記第2ハウジング部材によって前記制御基板を収容する構成とされ、前記第1ハウジング部材は、概して板状の部材とされ、前記第2ハウジング部材は、前記ウィンドウスイッチが設けられるとともに、下面側が窪んだ蓋状の部材とされ、前記制御基板は、前記第1ハウジング部材の上面に固定され、前記第1ハウジング部材と前記第2ハウジング部材によって形成された空間に収容されている構成とすることができる。
【0013】
この構成における乗物用スイッチ装置においては、制御基板が移動可能なスイッチベース内に設けられており、その制御基板の上方に近接してウィンドウスイッチが設けられるため、ウィンドウスイッチの制御基板への接続を容易に行え、構成を単純化することができる。また、スイッチベースの外郭をなす第1ハウジング部材および第2ハウジング部材を厚みが薄い部材で成形することで、スイッチベースの薄型化を図ることができる。
【0014】
上記構成において、前記スイッチベースは、前記第1ハウジング部材の下方に延び出して前記台座部に移動可能に保持される被保持部を有し、前記第1ハウジング部材は、上下方向に貫通する貫通孔を有し、前記台座部は、上方に向かって突出して前記貫通孔に臨み入る突出部を有し、前記突出部の先端と前記制御基板の下面との間に、前記突出部に対する前記スイッチベースの位置を検出するための位置センサを備えた構成とすることができる。
【0015】
この構成の乗物用スイッチ装置は、位置センサが、スイッチベースの被保持部に対して、水平方向に並ぶ状態で配されている。つまり、この構成の乗物用スイッチ装置によれば、被保持部と台座部との間に位置センサを設ける場合に比較して、上下方向の寸法を小さくすることができる。
【0016】
上記構成おいて、前記乗物には、前記窓ガラスが前後方向に並んで設けられるとともに、前記スイッチベースは、前記乗物用内装材上を前後方向にスライド可能に配されており、前記スイッチベースの前後方向における位置に応じて、前記ウィンドウスイッチによって開閉操作される前記窓ガラスが変更される構成とすることができる。
【0017】
この構成の乗物用スイッチ装置は、スイッチベースの前後方向における位置が、前後に並ぶ窓ガラスに対応するように構成されている。したがって、この構成の乗物用スイッチ装置によれば、開閉したい窓ガラスに合わせて、スイッチベースを前後に移動させればよいため、斬新な構成のスイッチ装置でありながら、乗員は直感的に窓ガラスの開閉操作を行うことができる。
【0018】
上記構成において、前記スイッチベースは、前記ウィンドウスイッチが設けられるベース本体と、そのベース本体の下側に固定されたスライダと、を備え、前記台座部は、前記ベース本体の少なくとも上部が自身の上面より上方に位置する状態で、かつ、前記スライダを自身の下面より下方に突出させることなく前後方向にスライド可能に保持するガイド溝を備える構成とすることができる。
【0019】
この構成の乗物用スイッチ装置は、スイッチベースのスライドを許容する機構が、板状の台座部の内部に設けられているため、この付勢機構によって、当該乗物用スイッチ装置の厚み方向の寸法が大きくなることを回避できる。
【0020】
上記構成において、前記台座部の内部で、かつ、前記スライダに対して前後方向に並んで設けられ、前記スライダを前方に向かって付勢する付勢機構を備えている構成とすることができる。
【0021】
この構成の乗物用スイッチ装置は、例えば、普通自動車等の構成の乗物において、後方の窓ガラスの開閉操作を行った後でも、スイッチベースが前方側の定位置に戻るように構成されている。この構成の乗物用スイッチ装置によれば、次回の窓ガラスの開閉操作の際に、スイッチベースの位置を確認する必要がなく、誤操作を軽減することが可能である。また、この構成の乗物用スイッチ装置によれば、付勢機構が台座部内において、スライダと並んで設けられるため、台座部の厚みの増大が抑えられ、当該乗物用スイッチ装置の薄型化が図られている。なお、この構成における「付勢機構」は、その構造,構成が特に限定されず、弾性材や磁石等を用いた種々の構成を採用することができる。
【0022】
上記構成において、当該乗物用スイッチ装置が搭載される前記乗物は、サイドミラーを備え、前記スイッチベースは、上面に前記サイドミラーの角度を調整するためのミラーコントロールスイッチを備えている構成とすることができる。
【0023】
この構成の乗物用スイッチ装置は、ウィンドウスイッチの主体となるスイッチベース上に、ミラーコントロールスイッチが設けられているため、スイッチベースとは別の個所にミラーコントロールスイッチを設けた場合に比較して、乗物用スイッチ装置のコンパクト化が可能である。
【0024】
上記構成において、前記ミラーコントロールスイッチは、乗員の身体の一部が接触したことあるいは近接したことを検出するタッチセンサ式のものとすることができる。
【0025】
この構成の乗物用スイッチ装置は、ミラーコントロールスイッチが動作する部分を有しないため、よりシンプルな構成とすることが可能である。つまり、この構成の乗物用スイッチ装置によれば、スイッチベースの薄型化を図ることができ、ひいては、当該乗物用スイッチ装置の薄型化を図ることができる。なお、この構成において、スイッチベースが、先に述べた第1ハウジング部材,第2ハウジング部材および制御基板を含んで構成される場合には、制御基板上にタッチセンサを配して、そのタッチセンサを第2ハウジング部材によって収容する構成とすれば、タッチセンサと制御基板とを直接接続できるため、配線等が必要なく、シンプルな構成とすることができる。
【0026】
上記構成において、前記ウィンドウスイッチは、前記スイッチベースの外縁部に設けられる構成とすることができる。
【0027】
この構成の乗物用スイッチ装置は、ウィンドウスイッチとミラーコントロールスイッチとが水平方向に並ぶ配置とされており、スイッチベースの薄型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、比較的コンパクトで、操作性を高めるとともに、デザインの自由度を向上させることが可能な斬新な構造の乗物用スイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1実施例である乗物用スイッチ装置が搭載される自動車の平面図
【
図2】第1実施例である乗物用スイッチ装置に関する自動車の構成を概略的に示すブロック図
【
図4】第1実施例の乗物用スイッチ装置を拡大して示す斜視図
【
図6】第1実施例の乗物用スイッチ装置においてスライドする機構を示す平面図
【
図7】第1実施例の乗物用スイッチ装置の側面断面図(
図6におけるA-A断面)
【
図8】第1実施例の乗物用スイッチ装置の断面図(
図6におけるB-B断面)
【
図9】第1実施例の乗物用スイッチ装置の断面図(
図6におけるC-C断面)
【
図10】第1実施例の乗物用スイッチ装置においてスイッチベースを移動させた状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
【0031】
本発明の実施例である乗物用スイッチ装置は、車両用スイッチ装置10(以下、単に「スイッチ装置10」と呼ぶ場合がある)であり、乗物としての自動車11に搭載される。自動車11は、
図1に示すように、前後左右4枚のサイドウィンドウ12FR,12FL,12RR,12RLと、左右に一対のサイドミラー13R,13Lと、を備えている。また、自動車11は、各サイドウィンドウ12FR,12FL,12RR,12RLを昇降させる4つのウィンドウ昇降装置14FR,14FL,14RR,14RLと、各サイドミラー13R,13Lの鏡面の角度調整を行うミラーコントロール装置15R,15Lと、を備えている。それらウィンドウ昇降装置14とミラーコントロール装置15とは、本スイッチ装置10に関する自動車11の構成を概略的に示すブロック図である
図2に示している。この
図2に示すように、本スイッチ装置10に操作が加えられると、その信号が、自動車11が備える制御装置16に送信され、制御装置16は、その受け取った信号に基づいてウィンドウ昇降装置14およびミラーコントロール装置15への制御信号を送信するようになっている。
【0032】
そして、本実施例のスイッチ装置10は、
図1に示す、自動車11の乗物用内装材である運転席側のドアトリム17に搭載される。なお、各図面の一部において、車両前方および車両後方をFrおよびRrの矢印でそれぞれ示し、上方および下方をUおよびDの矢印でそれぞれ示し、左方および右方をLおよびRの矢印でそれぞれ示している。
【0033】
ドアトリム17は、
図3に示すように、複数のボード部材が互いに組み付けられた概して板状のトリムボード20を主体として構成されている。また、ドアトリム17は、アームレスト21、インサイドハンドル22、プルハンドル23等の各種機能部品を備えている。具体的には、ドアトリム17の上下方向における中間部には、後方側から順に、アームレスト21、プルハンドル23が設けられている。詳しく言えば、トリムボード20が、下側部分が上側部分より車室内側に膨出して段付形状となっており、段付状となった部分に、上方を向くアームレスト21の肘掛け面21Aが設けられている。また、その肘掛け面21Aの前方は、上方に向けて大きく開口しており、その部分がプルハンドル23として機能する。さらに、そのトリムボード20におけるプルハンドル23の上方には、
図4にも示すように、車室内側に向かって突出して板面が概して上下方向を向く姿勢で設けられた板状の台座部24が設けられており、その台座部24に本実施例の車両用スイッチ装置10が設けられている。
【0034】
本実施例のスイッチ装置10は、後述する複数のスイッチを有するスイッチベース30を主体とするものであり、そのスイッチベース30は、台座部24の上面を移動可能に設けられている。スイッチベース30は、
図5に示すように、前側の部分が、前方に向かって先細りする形状で、後側の部分が、概して矩形状とされていることで、平面視で概して五角形状のものとなっている。詳しく言えば、スイッチベース30は、前端から車室内側(車幅方向左側)に傾斜する左側傾斜外縁部31と、前端から車室外側(車幅方向右側)に傾斜する右側傾斜外縁部32と、左側傾斜外縁部31の後端から後方に延びる左側外縁部33と、右側傾斜外縁部32の後端から後方に延びる右側外縁部34と、左側外縁部33の後端と右側外縁部34の後端とを繋ぐ後側外縁部35と、それらに囲まれた平坦な本体部36と、からなる。なお、右側傾斜外縁部32は、左側傾斜外縁部31より大きくされている。スイッチベース30は、このような形状とされていることで、運転者の右手によって把持される場合に、左側傾斜外縁部31に親指が、右側傾斜外縁部32に人差し指および中指が位置し易くされている。
【0035】
スイッチベース30には、4枚のサイドウィンドウ12の開閉操作を行うための2つのウィンドウスイッチ40R,40Lと、一対のサイドミラー13の角度調整の操作を行うためのミラーコントロールスイッチ42(以下、「ミラコンスイッチ42」と呼ぶ場合がある)と、一対のサイドミラー13のうちからミラコンスイッチ42によって操作を行うものを選択する一対の選択スイッチ44R,44Lとが設けられている。
【0036】
2つのウィンドウスイッチ40R,40Lは、スイッチベース30の右側傾斜外縁部32に設けられており、その右側傾斜外縁部32の外縁に沿う方向に並んで、互いに隣接して設けられている。なお、2つのウィンドウスイッチ40のうち相対的に右側に位置する右側ウィンドウスイッチ40Rには、その先端における表面側に突起41が形成されており、乗員は触れるだけで、ウィンドウスイッチ40R,40Lのいずれかを認識できるようになっている。
【0037】
ウィンドウスイッチ40R,40Lは、後に詳しく説明するが、外縁側を押し下げ、あるいは、引き上げることが可能な構成とされており、押し下げられた場合に、対応するサイドウィンドウ12のウィンドウ昇降装置14が制御されて、サイドウィンドウ12が開かれ、引き上げられた場合に、対応するサイドウィンドウ12のウィンドウ昇降装置14が制御されて、サイドウィンドウ12が閉じられるようになっている。
【0038】
また、スイッチベース30は、台座部24上を移動可能に構成されている。その構成について、
図5から
図9を参照しつつ詳しく説明する。スイッチベース30は、上述した各種スイッチが設けられて乗員が把持可能なベース本体50と、台座部24に対してスライド移動可能に保持されるスライダ51と、ベース本体50とスライダ51とを連結する連結部52と、からなる。また、台座部24は、台座部本体60と、その台座部本体60におけるスイッチベース30のスライダ51の下方側に取り付けられる下方側カバー部材61と、その台座部本体60におけるスライダ51の前方側に取り付けられる前方側カバー部材62とからなる。
【0039】
台座部本体60には、
図4や
図5等に示すように、上下方向に貫通する開口60Aが設けられており、台座部24は、その開口60Aの後方側の開口縁部において、スイッチベース30を保持する構成となっている。
図7に示すように、台座部本体60に対して、開口60Aにおける後方の下面側に、下方側カバー部材61が取り付けられている。また、前方側カバー部材62は、下方側カバー部材61の上方かつ前端側に取り付けられ、開口60Aの開口縁の一部を形成するものとなっている。
【0040】
下方側カバー部材61には、スライダ51の前後方向の移動を案内するガイド溝61Aが形成されており、被保持部としてのスライダ51を、スライド可能に保持するものとなっている。なお、
図7に示すように、そのガイド溝61Aの左右の壁部には、内側に向かって突出して前後方向に延びる一対の突条61Bが形成されるとともに、スライダ51には、左右両側の側面に前後方向に延びるスライド溝51Aが形成されており、それら一対の突条61Bとスライド溝51Aとが係合することで、スライダ51は、前後方向にスライド移動可能となっている。なお、前方側カバー部材62は、後方側からスライダ51の前端が当接するようになっており、スライダ51の前方側の移動を規制するストッパとして機能するものとなっている。
【0041】
また、スライダ51の後方には、スライダ51を前方に向かって付勢する付勢機構70が設けられている。その付勢機構70は、
図6および
図7に示すように、エラストマー製のバンド72を主体とするものであり、バンド72は、下方側カバー部材61に上方に突出した状態で形成されたバンド取付部74に巻き回されて取り付けられている。そのバンド取付部74は、前方側の中央に窪み74Aを有しており、バンド72の前側の部分72A(前側部72A)が、窪み74Aに入り込むようにして後方に撓むことが可能とされている。そして、スライダ51は、最も前方に位置している状態、換言すれば、前方側カバー部材62に当接している状態において、後端がバンド72の前側部72Aに当接している。そして、スライダ51が後方側にスライドさせられると、
図10に示すように、スライダ51は、バンド72を撓ませつつ、バンド取付部74の窪み74Aに入り込むようになっている。つまり、付勢機構70は、そのバンド72が撓むことによって生じる弾性力によって、スライダ51を前方に付勢する構成となっており、スイッチベース30を前方側の基準位置に位置させるようになっている。
【0042】
なお、台座部本体60には、前述した開口60Aが形成されているため、
図4および
図5に示すように、スイッチベース30の前方(ベース本体50の前方)に沿って、詳しく言えば、左側傾斜外縁部31と右側傾斜外縁部32との前方に沿って開口することになる。この構成によって、スイッチベース30のベース本体50を乗員が把持する際、指先が台座部24に当たらないようになっており、把持し易くされている。
【0043】
続いて、
図6から
図9を参照しつつ、スイッチベース30の構造について詳しく説明する。スイッチベース30は、ウィンドウスイッチ40R,40L、ミラーコントロールスイッチ42および一対の選択スイッチ44R,44Lが電気的に接続される制御基板80を備えている。この制御基板80は、ベース本体50内に収容されている。詳しく言えば、ベース本体50は、上下方向に二分割された第1ハウジング部材81と第2ハウジング部材82とを含んで構成されており、それら第1ハウジング部材81と第2ハウジング部材82によって形成される内部の空間に収容されている。なお、下側の第1ハウジング部材81は、概して板状のハウジング部84を主体とするものであり、
図7に示すように、下面側に、前述した連結部52およびスライダ51が一体的に形成されている。そして、その第1ハウジング部材81のハウジング部84の上面に、制御基板80が固定されている。
【0044】
一方、第2ハウジング部材82は、下面側が窪んだ蓋状の部材であり、第1ハウジング部材81に対して取り付けた状態において、その第1ハウジング部材81との間に空間が形成される。制御基板80の上方と第2ハウジング部材82との間にも、空間が形成されており、制御基板80上には、各種の電極や、後に説明するセンサ類が配される。また、
図6~
図8に示すように、ベース本体50は、さらに、可撓性を有する樹脂によって成形された薄板状の片部材86を含んで構成される。ちなみに、第2ハウジング部材82も、この片部材86と同じ樹脂によって成形されたものである。片部材86は、ベース本体50における右側傾斜外縁部32を形成する部材であり、上下方向に撓むことが可能とされている。つまり、この片部材86は、2つのウィンドウスイッチ40R,40Lとして機能する部分となっている。この片部材86の内部には、自身が撓んだことを検出する撓みセンサ88が設けられており、乗員による押し下げ・引き上げによる片部材86の弾性変形を撓みセンサ88によって検知するように構成されている。なお、詳細な説明は省略するが、この撓みセンサ88は、制御基板80上に実装された複数の電極を含んで構成されるものである。
【0045】
また、制御基板80上には、
図7および
図9に示すように、タッチセンサ90が配されている。このタッチセンサ90は、前述したミラコンスイッチ42の主体となるものである。
図5に示すように、スイッチベース30の本体部36には、上下左右に対応する十字マーク42Aが配されており、その十字マーク42Aの直下に、タッチセンサ90が配されている。つまり、ミラコンスイッチ42は、タッチセンサ90が十字マーク42Aに乗員の指が触れたことを検出し、その方向にサイドミラー13の角度が変更されるようになっている。
【0046】
また、このミラコンスイッチ42は、一対の選択スイッチ44R,44Lのいずれかが押された場合にのみ、操作できるようになっている。つまり、右側選択スイッチ44Rが押されたことを条件として、右側サイドミラー13Rの右側ミラーコントロール装置15Rが作動し、左側選択スイッチ44Lが押されたことを条件として、左側サイドミラー13Lのミラーコントロール装置15Lが作動するようになっている。なお、これら一対の選択スイッチ44R,44Lは、スイッチベース30における後側外縁部35に設けられている。
【0047】
さらに、制御基板80には、スイッチベース30の前後方向の位置を検出するための前後位置センサ92が接続されている。
図9に示すように、第1ハウジング部材81には、上下方向に貫通する貫通孔81Aが形成されている。その貫通孔81Aは、前後方向に延びる長孔であり、スイッチベース30の前後方向のスライド移動可能な距離より長い寸法とされている。そして、前述の前方側カバー部材62は、上方に向かって突出する突出部62Aを有しており、その突出部62Aが、上記第1ハウジング部材81の貫通孔81Aに臨み入る状態となっている。その突出部62Aの上端に前後位置センサ92が設けられており、制御基板80の下面に当接した状態となっている。そして、突出部62Aと制御基板80との相対位置を検出することで、スイッチベース30の前後方向における位置を検出することが可能な構成となっている。
【0048】
上述したように、本スイッチ装置10は、スイッチベース30が台座部24上を移動可能とされており、スイッチベース30が位置している場所に応じて、ウィンドウスイッチ40R,40Lによって開閉操作されるサイドウィンドウ12が変更されるように構成されている。詳しく言えば、スイッチベース30は、台座部24上を前後方向にスライド可能に配されており、スイッチベース30の前後方向における位置に応じて、ウィンドウスイッチ40R,40Lによって開閉操作されるサイドウィンドウ12が変更される。
【0049】
具体的に言えば、スイッチベース30が前方側に位置している場合(
図6参照)、つまり、基準位置に位置している場合には、2つのウィンドウスイッチ40R,40Lは、それぞれ、4枚のサイドウィンドウ12のうち前側の2枚のサイドウィンドウ12FR,12FLを開閉操作することが可能とされている。一方、スイッチベース30が後方側に位置している場合(
図10参照)、つまり、付勢機構70の付勢力に抗って基準位置から後退させた状態では、2つのウィンドウスイッチ40R,40Lは、それぞれ、4枚のサイドウィンドウ12のうちの後側の2枚のサイドウィンドウ12RR,12RLを開閉操作することが可能とされている。つまり、本スイッチ装置10が搭載される自動車11は、左右に配された2枚のサイドウィンドウ12によって対をなす窓ガラス対を前後に並んで複数対(二対)備えており、スイッチベース30には、2つのウィンドウスイッチ40R,40Lが設けられ、それら2つのウィンドウスイッチ40R,40Lの各々が、窓ガラス対を構成する左右2枚のサイドウィンドウ12の各々の開閉操作を行うものとされ、スイッチベース30の前後方向における位置に応じて、2つのウィンドウスイッチ40R,40Lによって開閉操作される窓ガラス対が変更されるように構成されているのである。
【0050】
以上のような構成とされた本スイッチ装置10によれば、乗員は、開閉したいサイドウィンドウ12に応じた位置にスイッチベース30を移動させて、ウィンドウスイッチ40R,40Lを操作することにより、そのサイドウィンドウ12を開閉することができる。つまり、本スイッチ装置10は、斬新な乗物用スイッチ装置となっている。また、本スイッチ装置10は、台座部24およびスイッチベース30が薄型化されており、デザイン性に優れた乗物用スイッチ装置となっている。
【0051】
本スイッチ装置10は、ウィンドウスイッチ40の数がサイドウィンドウ12の数より少なく、シンプルな構成なものとなっている。さらに、本スイッチ装置10によれば、開閉したいサイドウィンドウ12に合わせて、スイッチベース30を前後に移動させればよいため、斬新な構成のスイッチ装置でありながら、乗員は直感的にサイドウィンドウ12の開閉操作を行うことができる。
【0052】
また、本スイッチ装置10は、ウィンドウスイッチ40R,40Lが、従来から存在するスイッチ装置と同様に、押し下げることでサイドウィンドウ12を開くとともに、引き上げることでサイドウィンドウ12を閉じる構成のものであるため、斬新な構成ではあるものの、誤操作を抑えることができる。そして、本スイッチ装置10は、スイッチベース30は、可撓性を有する樹脂によって成形された薄板状の片部材86を有し、片部材86の内部には、自身が弾性変形したことを検知する撓みセンサ88が設けられて、ウィンドウスイッチ40R,40Lは、乗員による片部材86の押し下げ・引き上げを撓みセンサ88によって検知して、サイドウィンドウ12の開閉操作を行う構成とされている。このような構成により、本スイッチ装置10は、従来のスイッチ装置のように、乗員の押し下げ・引き上げを許容するための回動軸が必要ないため、ウィンドウスイッチ40R,40Lの厚みが小さくなっており、スイッチベース30の薄型化、ひいては、本スイッチ装置10自体の薄型化が図られている。
【0053】
また、本スイッチ装置10は、制御基板80が移動可能なスイッチベース30内に設けられており、その制御基板80の上方に近接して各種スイッチ類が設けられるため、各スイッチの制御基板80への接続を容易に行え、構成を単純化することができる。また、スイッチベース30の外郭をなす第1ハウジング部材81および第2ハウジング部材82は厚みが薄い部材で成形されており、スイッチベース30の薄型化が図られている。
【0054】
また、本スイッチ装置10は、第1ハウジング部材81が、上下方向に貫通する貫通孔81Aを有し、台座部24が、上方に向かって突出して貫通孔81Aに臨み入る突出部62Aを有し、突出部62Aの先端と制御基板80の下面との間に、突出部62Aに対するスイッチベース30の位置を検出するための位置センサ92を備えた構成となっている。つまり、本スイッチ装置10は、位置センサ92が、スイッチベース30のスライダ(被保持部)51に対して、水平方向に並ぶ状態で配されているため、スライダ51と台座部24との間に位置センサを設ける場合に比較して、上下方向の寸法を小さくすることができ、薄型化が図られている。
【0055】
また、本スイッチ装置10は、スライダ51を前方に向かって付勢する付勢機構70を備えているため、スイッチベース30が前方側の定位置に戻るように構成されており、次回のサイドウィンドウ12の開閉操作の際に、スイッチベース30の位置を確認する必要がなく、誤操作を軽減することできる。なお、本スイッチ装置10において、付勢機構70は、台座部24の内部で、かつ、スライダ51に対して前後方向に並んで設けられており、台座部24の厚みの増大が抑えられて本スイッチ装置10の薄型化が図られている。
【0056】
また、本スイッチ装置10は、スイッチベース30が前後方向に移動可能とされているのに対して、ウィンドウスイッチ40R,40Lが前後方向に対して傾斜した方向の力によってサイドウィンドウ12の開閉操作を行う構成とされている。したがって、本スイッチ装置10によれば、スイッチベース30の移動のために加える力の方向と、ウィンドウスイッチ40R,40Lへの操作入力の方向とが異なっていることで、ウィンドウスイッチ40R,40Lの操作の際にスイッチベース30がスライド移動してしまうことを抑制することができる。
【0057】
さらに、本スイッチ装置10は、スイッチベース30上にミラコンスイッチ42およびそのミラコンスイッチ42が操作するサイドミラー13を選択するための選択スイッチ44R,44Lも設けられているため、コンパクトなものとなっている。そのミラコンスイッチ42は、タッチセンサ式のものとされており、スイッチベース30は、シンプルな構成とされている。
【0058】
さらにまた、本スイッチ装置10は、スイッチベース30上にタッチセンサ式のミラコンスイッチ42が設けられているものの、選択スイッチ44R,44Lのいずれかが操作された場合しかミラコンスイッチ42が作動しないため、ミラーコントロール装置15R,15Lの誤作動を抑えることができる。
【0059】
<他の実施形態>
上記の実施例では、複数の窓ガラスとして4枚のサイドウィンドウを備える自動車を例示したが、それ以上の数の窓ガラスを備える車両に採用することもできる。また、サイドウィンドウ以外の窓ガラスの開閉操作を可能な構成とすることもできる。また、上記実施例では、車両用スイッチ装置が、運転席側のドアトリムに設けられたものを例示したが、これに限定されず、種々の乗物用内装材に採用することができる。
【0060】
さらに言えば、本発明の乗物用スイッチ装置は、乗物用内装材の面上を移動可能とされたスイッチベースと、そのスイッチベースに設けられたウィンドウスイッチと、を備え、スイッチベースが位置している場所に応じて、ウィンドウスイッチによって開閉操作される窓ガラスが変更されるような構成であればよい。したがって、本発明の乗物用スイッチ装置は、斬新な構造・構成のものとなり、スイッチベースの動作範囲の自由度、スイッチベースの形状の自由度、スイッチベースへのスイッチ配置の自由度など、乗物用スイッチ装置のデザイン自由度が高いものとなる。
【0061】
なお、本発明の乗物用スイッチ装置は、車両用に提供されるものに限定されず、種々の乗物において提供されるものに適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
10…車両用スイッチ装置〔乗物用スイッチ装置〕、11…自動車〔乗物〕、12FR,12FL,12RR,12RL…サイドウィンドウ〔窓ガラス〕、13R,13L…サイドミラー、17…ドアトリム〔乗物用内装材〕、24…台座部、30…スイッチベース、31…左側傾斜外縁部、32…右側傾斜外縁部、36…本体部、40R…右側ウィンドウスイッチ、40L…左側ウィンドウスイッチ、41…突起、42…ミラーコントロールスイッチ、44R…右側選択スイッチ、44L…左側選択スイッチ、50…ベース本体、51…スライダ、61…下方側カバー部材、61A…ガイド溝、62…前方側カバー部材、62A…突出部、70…付勢機構、80…制御基板、81…第1ハウジング部材、81A…貫通孔、82…第2ハウジング部材、86…片部材〔片部〕、88…撓みセンサ、90…タッチセンサ、92…前後位置センサ〔位置センサ〕