(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190913
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1339 20060101AFI20221220BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20221220BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20221220BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20221220BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G02F1/1339 505
G02F1/1343
G02F1/13357
H01H36/00 J
H01H36/00 L
G06F3/02 F
G06F3/02 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099444
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 雅延
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
2H391
5B020
5G046
【Fターム(参考)】
2H092GA33
2H092GA35
2H092GA50
2H092GA62
2H092HA05
2H092JA24
2H092JA46
2H092JB58
2H092NA26
2H189AA72
2H189DA34
2H189DA77
2H189DA79
2H189FA81
2H189HA11
2H189HA12
2H189LA20
2H189LA25
2H189MA15
2H189NA05
2H391AA21
2H391AA25
2H391AA27
2H391AB04
2H391AB21
2H391AC09
2H391AC32
2H391CA03
2H391CB22
2H391EA22
2H391EB08
5B020CC12
5B020GG02
5G046AA01
5G046AB02
5G046AC24
5G046AD02
5G046AD13
5G046AE03
(57)【要約】
【課題】外光強度が弱い環境での視認性を向上させ、かつ、機器サイズの肥大化を抑制することが可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】一実施形態に係る表示装置は、第1基板と、第1基板と対向して配置される第2基板と、第1基板と第2基板との間に配置される液晶層と、第1基板と第2基板とを接着し、液晶層を封止するシールと、を備え、第1基板は、平面視において、シールと重なる位置に配置される光源を含み、光源は、シールによって封止されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板と対向して配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層と、
前記第1基板と前記第2基板とを接着し、前記液晶層を封止するシールと、を具備し、
前記第1基板は、平面視において、前記シールと重なる位置に配置される光源を備え、
前記光源は、前記シールによって封止されている、
表示装置。
【請求項2】
前記第2基板は、平面視において、前記シールおよび前記光源と重なる位置に配置される検出電極を備え、
前記光源は、前記検出電極により外部オブジェクトの接触または近接が検出された場合に点灯される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1基板、前記第2基板および前記シールの側面を覆うように配置される反射部をさらに備える、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板は、平板状の第1透明基板を備え、
前記第2基板は、前記第1基板側に突出した段差を含む第2透明基板を備える、
請求項2または請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1透明基板は、第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有し、
前記第2透明基板は、前記第2主面に対向する第3主面と、前記第3主面に対向する第4主面と、基板厚さ方向において前記第3主面と前記第4主面の間に位置し、前記第4主面に対向し前記第3主面に対向しない第5主面とを有する、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第5主面は、平面視において、前記シール、前記光源および前記検出電極と重なっている、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2基板は、前記第5主面の上に配置される遮光膜を備え、
前記遮光膜は、平面視において、前記光源と重なる位置に開口を有する、
請求項5または請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記検出電極は、前記シールに含まれる導通材を介して前記第1基板側の構成と電気的に接続され、
前記導通材は、平面視において、前記光源と重なる位置には配置されない、
請求項2~請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2基板は、共通電極を備え、
前記共通電極と前記検出電極とは同層に配置される、
請求項2~請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2基板は、平面視において、前記共通電極と前記検出電極の間に配置されるシールド電極を備え、
前記共通電極と、前記検出電極と、前記シールド電極とは同層に配置される、
請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチ検出機能付きのウェアラブルデバイス(例えば腕時計型のウェアラブルデバイス等)が徐々に普及してきている。このようなウェアラブルデバイスには、反射型の液晶表示パネルが設けられることが多い。反射型の液晶表示パネルは、外光強度が強い環境では視認性に優れているが、外光強度が弱い環境では視認性が低下するという問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、液晶表示パネル上方から、当該液晶表示パネルに向かって光を出射するフロントライトを設ける構成が提案されている。しかしながら、この構成においては、液晶表示パネルとは別にフロントライト用の基板を設ける必要があるため、機器サイズが肥大化してしまい、ウェアラブルデバイスには適していないという別の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-85938号公報
【特許文献2】特開2020-187179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、外光強度が弱い環境での視認性を向上させ、かつ、機器サイズの肥大化を抑制することが可能な表示装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る表示装置は、第1基板と、前記第1基板と対向して配置される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層と、前記第1基板と前記第2基板とを接着し、前記液晶層を封止するシールと、を具備し、前記第1基板は、平面視において、前記シールと重なる位置に配置される光源を備え、前記光源は、前記シールによって封止されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は一実施形態に係る表示装置の一構成例を示す平面図である。
【
図2】
図2は同実施形態に係る表示パネルの一構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は同実施形態に係る透明基板の形状を示す斜視図である。
【
図4】
図4は同実施形態に係る検出電極に関わる構成を示す断面図である。
【
図5】
図5は同実施形態に係る光源から出射される光の光路を説明するための図である。
【
図6】
図6は同実施形態に係る光源の点灯処理を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は同実施形態の変形例を説明するための図である。
【
図8】
図8は同実施形態に係る表示装置の適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
本実施形態においては、表示装置の一例として、タッチ検出機能付きの表示装置について説明する。タッチ検出方式には、光学式、抵抗式、静電容量方式、電磁誘導方式、等の種々の方式がある。上記した各種検出方式のうちの静電容量方式は、物体(例えば指等)の近接または接触に起因して静電容量が変化することを利用する検出方式であり、比較的単純な構造で実現可能である、消費電力が少ない、等の利点を有している。本実施形態では、主に、静電容量方式を利用したタッチ検出機能付きの表示装置について説明する。
【0010】
なお、静電容量方式は、互いに離間した状態で配置された一対の送信電極(駆動電極)と受信電極(検出電極)との間に電界を発生させ、物体の近接または接触に伴う当該電界の変化を検出する相互容量方式と、単一の電極を用いて、物体の近接または接触に伴う静電容量の変化を検出する自己容量方式とを含む。本実施形態では、主に、自己容量方式を利用したタッチ検出機能付きの表示装置について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、および第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向Xおよび第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書においては、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方向、当該矢印の先端から反対に向かう方向を下方向と称することもある。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向Xおよび第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視と言う。
【0012】
図1に示すように、表示装置DSPは、表示パネルPNLと、フレキシブル配線基板FPCと、回路基板PCBと、を備えている。表示パネルPNLと、回路基板PCBとは、フレキシブル配線基板FPCを介して電気的に接続されている。より詳しくは、表示パネルPNLの端子部Tと、回路基板PCBの接続部CNとは、フレキシブル配線基板FPCを介して電気的に接続されている。
【0013】
表示パネルPNLは、画像を表示するための表示領域DAと、表示領域DAを囲む額縁状の周辺領域SAと、を備えている。表示領域DAには画素PXが配置されている。具体的には、表示領域DAには、多数の画素PXが第1方向Xおよび第2方向Yに沿ってマトリクス状に配列されている。本実施形態において、画素PXは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の副画素SPを含む。また、各副画素SPは、複数のセグメント画素SGを有する。各セグメント画素SGは、面積の異なる画素電極を有しており、これら複数のセグメント画素SGの表示/非表示を切り替えることで、副画素SPごとに階調が形成される。
【0014】
図1において拡大して示すように、セグメント画素SGは、スイッチング素子SW、画素回路PC、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gおよび信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだセグメント画素SGの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだセグメント画素SGの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEには、画素回路PCからの出力に基づいた所定の電位が与えられる。画素電極PEの各々は、表示領域DAの全面に亘って配置された共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。
【0015】
なお、本実施形態では、各副画素SPが複数のセグメント画素SGを有するとしたが、これに限定されず、各副画素SPは1つのセグメント画素SGを有するとしてもよい。この場合、副画素SPが、
図1において拡大して示したセグメント画素SGに相当し、スイッチング素子SW、画素回路PCおよび画素電極PEは、副画素SPごとに形成される。
【0016】
図1に示す複数の同心円のうち、最も内側に位置する円の領域が表示領域DAに相当し、最も外側に位置する円から最も内側に位置する円を除いた領域が周辺領域SAに相当する。なお、本実施形態では、表示領域DAが円形状であり、かつ、表示領域DAを囲む周辺領域SAもまた同系統の形状である場合を例示しているが、これに限定されず、表示領域DAは円形状でなくてもよいし、周辺領域SAは表示領域DAとは異なる系統の形状であってもよい。例えば、表示領域DAおよび周辺領域SAは多角形状であってもよい。さらに、表示領域DAが多角形状の場合に、周辺領域SAが表示領域DAとは異なる系統の形状である円形状であってもよい。
【0017】
図1に示すように、周辺領域SAには、液晶層LCを封止するためのシールSEが配置されている。シールSEと平面視において重なる位置には、複数の検出電極(センサ電極)RXが島状に配置されている。換言すると、複数の検出電極RXは、周辺領域SAにおいて、表示領域DAを囲むようにして島状に配置されている。
【0018】
詳細については後述するが、複数の検出電極RXは、それぞれ、シールSEに含まれる導通材(金属でコーティングされた導電ビーズ)を介して検出電極端子部RTと電気的に接続される。各検出電極端子部RTからは、検出配線RLが端子部Tに向けて延出している。検出配線RLは、検出電極RXへの駆動信号の供給、および、検出電極RXからの検出信号の出力のために使用される。
【0019】
なお、
図1では、説明の便宜上、1本の検出配線RLのみを示しているが、実際には、各検出電極端子部RTから端子部Tに向けて検出配線RLが延出している。また、
図1では、複数の検出電極RXとして12個の検出電極RXが配置された構成を示しているが、検出電極RXの個数はこれに限定されず、任意の個数の検出電極RXが配置されて構わない。
【0020】
図1に示すように、シールSEと平面視において重なる位置には、複数の光源LSが配置されており、複数の光源LSはシールSEによって封止されている。つまり、シールSEは、液晶層LCを封止すると共に複数の光源LSを封止している。光源LSはLED(Light Emitting Diode)であり、例えばマイクロLEDやmini LEDである。光源LSは、検出電極RXにより物体の近接または接触が検出されると点灯する。このため、光源LSは、例えば検出電極RXと同数だけ配置される。
図1に示すように、光源LSは平面視において検出電極RXとは重なるように配置される一方で、検出電極RXと導電ビーズを介して電気的に接続される検出電極端子部RTとは重ならないように配置されている。
【0021】
図1に示すように、シールド電極E1は、平面視において、共通電極CEと複数の検出電極RXとの間に位置するように配置されている。シールド電極E1には、図示しない配線を介して所定の固定電位またはグランド電位が与えられる。あるいは、シールド電極E1は、どことも電気的に接続されていないフローティング状態に設定される。これによれば、シールド電極E1は、検出電極RXに対する共通電極CEの影響を遮断することができる。
【0022】
図1に示すように、回路基板PCBには、タッチコントローラTCと、ディスプレイコントローラDCと、CPU1と、等が配置される。タッチコントローラTCは、表示パネルPNLに配置される複数の検出電極RXに対して駆動信号を出力し、かつ、検出電極RXからの検出信号の入力を受け付ける(つまり、外部オブジェクトの近接または接触を検出する)。タッチコントローラTCは検出部と称されてもよい。ディスプレイコントローラDCは、表示パネルPNLの表示領域DAに表示される画像を示す映像信号を出力する。CPU1は、タッチコントローラTCとディスプレイコントローラDCの動作タイミングを規定する同期信号の出力や、タッチコントローラTCにより検出されたタッチに応じた動作(例えば光源LSの点灯処理)の実行、等を行う。
【0023】
なお、
図1では、タッチコントローラTCと、ディスプレイコントローラDCと、CPU1とが1つの半導体チップにより実現されている場合を例示しているが、これらの実装形態はこれに限定されず、タッチコントローラTCのみを別体として分けた上で各部を回路基板PCB上に実装するとしてもよいし、回路基板PCB上にタッチコントローラTCとCPU1とを分けて実装し、表示パネルPNL上にディスプレイコントローラDCをCOG(Chip On Glass)により実装するとしてもよいし、回路基板PCB上にCPU1のみを実装し、表示パネルPNL上にタッチコントローラTCとディスプレイコントローラDCとをCOGにより実装するとしてもよい。
【0024】
図2は、本実施形態に係る表示パネルPNLの概略構成例を示す断面図である。以下では、表示領域DA側の構成と、周辺領域SA側の構成とのそれぞれについて説明する。
表示装置PNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、シールSEと、液晶層LCと、反射部RUと、偏光板PLZとを備えている。
【0025】
第1基板SUB1および第2基板SUB2は、平面視において重畳し、シールSEによって接着されている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持され、シールSEによって封止されている。シールSEには、ここでは図示しない導電ビーズが含まれており、これにより、第1基板SUB1側の構成と、第2基板SUB2側の構成とが電気的に接続される。シールSEは、上記したように、光源LSの封止層としても機能している。反射部RUは、反射特性を有する材料によって形成されており、第1基板SUB1、第2基板SUB2およびシールSEの側面を覆っている。偏光板PLZは、第2基板SUB2および反射部RUの上に配置されている。
【0026】
表示領域DA側において、第1基板SUB1は、
図2に示すように、透明基板10と、画素回路PCと、平坦化膜11と、画素電極PEと、配向膜AL1とを備えている。第1基板SUB1は、上記した構成の他に、
図1に示した走査線Gや信号線S、スイッチング素子SW等を備えているが、
図2ではこれらの図示を省略している。
【0027】
透明基板10は、X-Y平面と平行な平板状に形成されている。透明基板10は、主面(下面)10Aと、主面10Aの反対側の主面(上面)10Bと、を備えている。画素回路PCは、主面10B側に配置されている。平坦化膜11は、少なくとも1つ以上の絶縁膜によって構成されており、画素回路PCを覆っている。画素電極PEは、平坦化膜11の上に配置され、平坦化膜11に形成されたコンタクトホールCH1を通じて画素回路PCに接続されている。配向膜AL1は、画素電極PEを覆い、液晶層LCに接している。
【0028】
表示領域DA側において、第2基板SUB2は、
図2に示すように、透明基板20と、カラーフィルタCFと、オーバーコート層OCと、共通電極CEと、配向膜AL2とを備えている。以下では、まず、
図3を参照して透明基板20の形状について説明する。その後、再度
図2を参照して第2基板SUB2の上記した構成について説明する。
【0029】
図3は、本実施形態に係る透明基板20の形状を示す斜視図である。
図3に示すように、透明基板20は、段差を含む形状を有している。より詳しくは、透明基板20は、底面の大きさが異なる円柱と円錐台が組み合わされた形状を有している。透明基板20は、円錐台の上面に相当する主面20Aと、円柱の底面に相当し主面20Aと対向する主面20Bと、基板厚さ方向(第3方向Z)において主面20Aと主面20Bの間に位置する主面20Cと、を備えている。主面20A~20Cは、主面20A、主面20C、主面20Bの順に第3方向Zに沿って並んでいる。
【0030】
主面20Aから主面20Cまでの第3方向Zに沿った距離D1(つまり、円錐台の高さD1)が段差に相当する。距離D1は、第1基板SUB1に実装される光源LSと、第1基板SUB1と第2基板SUB2の間に配置される液晶層LCとのギャップを平坦化するための距離に相当する。なお、本実施形態では、透明基板20が底面の大きさが異なる円柱と円錐台が組み合わされた形状を有し、テーパ状の段差を含む場合を示しているが、透明基板20は、底面の大きさが異なる2種類の円柱が組み合わされた形状を有し、第3方向Zに沿って延びる段差を含んでいても構わない。
【0031】
再度
図2の説明に戻る。
上記したように、透明基板20は、第1基板SUB1に向かって突出した段差を有している。表示領域DAにおいて、透明基板20の主面20Aは、透明基板10の主面10Bと対向している。カラーフィルタCFは透明基板20の主面20A側に配置されている。カラーフィルタCFは、赤色カラーフィルタCFR、緑色カラーフィルタCFG、青色カラーフィルタCFB、等を含む。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置され、第3方向Zにおいて複数の画素電極PEと対向している。共通電極CEはオーバーコート層OCの上に配置されている。配向膜AL2は、共通電極CEを覆い、液晶層LCに接している。
【0032】
なお、
図2では、表示領域DA側の第2基板SUB2の構成として、各セグメント画素SGを区画する遮光膜が設けられていない構成を説明したが、各セグメント画素SGを区画するために遮光膜が設けられ、この遮光膜がカラーフィルタCFの一部と重なる構成であってもよい。
液晶層LCは、配向膜AL1と配向膜AL2の間に配置されている。
【0033】
透明基板10および20は、例えばガラス基材やプラスチック基板などの絶縁基板である。平坦化膜11は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物またはアクリル樹脂などの透明な絶縁材料によって形成されている。一例では、平坦化膜11は、無機絶縁膜および有機絶縁膜を含んでいる。画素電極PEは、反射電極として形成され、例えば、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、銀(Ag)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)の三層積層構造になっている。共通電極CEは、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。配向膜AL1およびAL2は、X-Y平面にほぼ平行な配向規制力を有する水平配向膜である。配向規制力は、ラビング処理により付与されてもよいし、光配向処理により付与されてもよい。
【0034】
周辺領域SA側において、第1基板SUB1は、
図2に示すように、透明基板10と、第1給電線FL1と、第2給電線FL2と、平坦化膜11と、光源LSと、配向膜AL1とを備えている。光源LSは、発光部LUと、第1端子電極(第1パッド)PD1と、第2端子電極(第2パッド)PD2とを備えている。第1端子電極PD1は、光源LSのアノード電極またはカソード電極として機能する電極である。第2端子電極PD2は、光源LSのカソード電極またはアノード電極として機能する電極である。以下では、表示領域DA側において既に説明した構成については、その詳しい説明を省略する。
【0035】
透明基板10の上には、第1給電線FL1と第2給電線FL2とが配置されている。第1給電線FL1および第2給電線FL2は、平坦化膜11により覆われている。平坦化膜11の上であって、平面視においてシールSEと重なる位置には、光源LSが配置されている。光源LSの第1端子電極PD1は、平坦化膜11に形成されたコンタクトホールCH2内の導電層および当該導電層の上に設けられるはんだ(図示せず)を介して、第1給電線FL1と電気的に接続される。光源LSの第2端子電極PD2は、平坦化膜11に形成されたコンタクトホールCH3内の導電層および当該導電層の上に設けられるはんだ(図示せず)を介して、第2給電線FL2と電気的に接続される。
【0036】
発光部LUは、第1端子電極PD1および第2端子電極PD2と接触している面(下面)とは反対側に、光を出射する出射面(上面)を有している。発光部LUの出射面は、透明基板20の主面20Cと対向する。発光部LUからは、例えば白色(W)の光が出射される。なお、発光部LUから出射される光の色は、上記した白色に限られず、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)であっても構わない。また、発光部LUは、上記した出射面に限らず側面や下面等からもさらに光を出射しても構わない。なお、本実施形態では、1つの検出電極RXに対して1つの光源LSが設けられる場合を想定しているが、例えば1つの検出電極RXに対して3つの光源LSが設けられるとしてもよい。この場合、3つの光源LSから出射される光の色をRGBの3色に分けて実装し、これらRGBの強度を調整可能にすることで、種々様々な色の光を出射することが可能となる。
【0037】
周辺領域SA側において、第2基板SUB2は、
図2に示すように、透明基板20と、遮光膜BMと、オーバーコート層OCと、シールド電極E1と、配向膜AL2と、検出電極RXとを備えている。以下では、表示領域DA側において既に説明した構成については、その詳しい説明を省略する。
【0038】
透明基板20の主面20Cには、遮光膜BMが配置されている。遮光膜BMは、主面20Cのほぼ全面に亘って配置されている。但し、遮光膜BMは、光源LSの出射面と対向する位置に開口OPを有している。これによれば、光源LSの真上に向けて出射された光を開口OPから外部に取り出すことが可能となる。開口OPから取り出された光は、周辺領域SAの一部を光らせ、高級感を演出することが可能なため、表示装置DSPの意匠性を向上させることができる。
【0039】
オーバーコート層OCは、周辺領域SAにおける透明基板20の主面20Aと、第3方向Zに沿った距離D1を有する段差と、遮光膜BMとを覆っている。オーバーコート層OCの上には、シールド電極E1および検出電極RXが配置されている。シールド電極E1は透明基板20の主面20A側に配置され、検出電極RXは透明基板20の主面20C側に配置されている。
図2に示す構成においては、シールド電極E1および検出電極RXは、表示領域DA側の共通電極CEと同層に配置されており、例えば共通電極CEと同じ透明導電材料によって形成されている。配向膜AL2はシールド電極E1を覆い、液晶層LCに接している。
【0040】
検出電極RXは、平面視においてシールSEと重なる位置に配置されている。検出電極RXは、第2基板SUB2の側面を覆っている反射部RUからは離れて配置されている。つまり、検出電極RXは反射部RUとは接触しないように配置されている。これによれば、反射部RUが、反射特性を有する材料の1つである金属材料により形成されていたとしても、検出電極RXが反射部RUと電気的に接続されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0041】
図4は、
図2に示した断面とは異なる断面を示し、主に、検出電極RXに関わる構成を示す断面図である。
図4に示すように、検出電極RXに関わる構成として、透明基板10の上には、検出配線RLが配置されている。検出配線RLは平坦化膜11によって覆われている。平坦化膜11の上には、検出電極端子部RTが配置されている。検出電極端子部RTは、平坦化膜11に形成されたコンタクトホールCH4を通じて検出配線RLに接続されている。検出電極端子部RTは、シールSEに含まれる導電ビーズCBを介して検出電極RXと電気的に接続されている。検出電極RXに関わる構成、具体的には、検出電極RX、検出電極端子部RTおよび検出配線RLは、反射部RUと接触しないように配置されており、検出電極RXに関わる構成と反射部RUとの間には所定の間隔が空いている。これによれば、上記したように、反射部RUが金属材料により形成されていたとしても、検出電極RXに関わる構成と反射部RUとが電気的に接続されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0042】
図4に示すように、検出電極RXは、平面視において光源LSと重なる位置に配置される一方で、検出電極端子部RTおよび検出配線RLは、平面視において光源LSとは重ならない位置に配置される。つまり、シールSEに含まれる導電ビーズCBは、平面視において光源LSと重なる位置には配置されない。これによれば、シールSEに含まれる導電ビーズCBと、光源LSを構成する第1端子電極PD1および第2端子電極PD2とが接触し、ショートしてしまうことを防ぐことが可能である。
【0043】
図5は、光源LSから出射される光の光路を説明するための図である。
図5において実線で示されるように、光源LSから真上に向けて出射される光は、遮光膜BMに形成された開口OPを透過し、外部に取り出される。また、
図5において破線で示されるように、光源LSから出射された光の一部は、検出電極RXと、光源LSの出射面との間で反射を繰り返した後に、透明基板20に入射する。透明基板20に入射した光の一部は、偏光板PLZで反射した後に、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、共通電極CE、液晶層LCを透過して、反射電極として機能する画素電極PEに照射される。画素電極PEに照射された光は画素電極PEで反射して外部に取り出される。このように、光源LSから出射される光の一部は、画像の表示に寄与する光として表示領域DAから外部に取り出される。
【0044】
さらに、
図5において一点鎖線で示されるように、光源LSから出射された光の一部は、反射部RUで反射された後に、検出電極RXと光源LSの出射面との間で反射を繰り返し、透明基板20に入射する。このように、反射部RUが設けられていることにより、第2基板SUB2の側面から抜けてしまう光を反射部RUにより反射し、透明基板20に入射させることが可能である。これによれば、このような光も画像の表示に寄与する光として表示領域DAから外部に取り出すことが可能である。
【0045】
図6は、光源LSの点灯処理を説明するためのフォローチャートである。まず、ディスプレイコントローラDCは、表示パネルPNLの表示領域DAに表示される画像を示す映像信号を出力する(ステップS1)。これによれば、表示領域DAには映像信号に対応した画像(例えばコンテンツ画像等)が表示される。
【0046】
続いて、タッチコントローラTCは、表示パネルPNLに配置される複数の検出電極RXに対して駆動信号を出力し、これに対する応答として各検出電極RXからの検出信号の入力を受け付ける。タッチコントローラTCは各検出電極RXからそれぞれ入力された検出信号に基づいてタッチを検出する。タッチコントローラTCによりタッチが検出されると(ステップS2のYES)、CPU1は、検出されたタッチに対応する箇所に配置された光源LSを点灯させる(ステップS3)。これによれば、タッチ箇所に対応した光源LSを点灯させることができ、光源LSから出射される光を、表示領域DAに表示される画像のために利用することが可能である。
【0047】
なお、ここでは、光源LSの点灯処理の一例として、タッチ箇所に対応した光源LSが点灯される場合を示したが、これに限定されず、例えばタッチコントローラTCによりタッチが検出された時に、周辺領域SAに配置された全ての光源LSが点灯されるとしても構わない。
【0048】
以上説明した一実施形態に係る表示パネルPNLは、周辺領域SAに配置されたシールSEと平面視において重なる位置に配置された複数の光源LSを備えている。これによれば、液晶表示パネルの上方にフロントライトが設置される、いわゆるフロントライト方式のように、光源LSのために別途基板を設ける必要がないため、機器サイズの肥大化を抑制することが可能である。その一方で、光源LSが配置されたことにより、当該光源LSからの光を表示領域DAに表示される画像のために利用することが可能になるため、外光強度の弱い環境においても、十分な輝度を担保することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態に係る表示パネルPNLにおいて、光源LSは、上記したように、周辺領域SAに配置されたシールSEと平面視において重なる位置に配置されているため、シールSEを、液晶層LCを封止するための封止層として機能させるだけでなく、光源LSを封止するための封止層としても機能させることが可能である。つまり、光源LSのための封止層を別途設ける必要がないため、製造工程数を減らすことができ、低コスト化を図ることが可能である。
【0050】
さらに、本実施形態に係る表示装置DSPにおいて、光源LSは、周辺領域SAに配置された検出電極RXによりタッチが検出された時にのみ点灯され、常時点灯しているわけではないため、省電力化を図ることが可能である。
【0051】
また、本実施形態に係る表示パネルPNLは、第1基板SUB1側に突出した段差を含む透明基板20と、当該透明基板20の主面20A側に配置された共通電極CEと、当該透明基板20の主面20C側に配置された検出電極RXとを備えている。これによれば、共通電極CEと検出電極RXとを異なる高さに配置することが可能なため、共通電極CEと検出電極RXとが同じ高さに配置されている場合に比べて、距離が離れるために検出電極RXは共通電極CEからの影響を受けにくくなる。つまり、共通電極CEが検出電極RXに影響することにより発生し得るタッチの誤検出を抑制することが可能である。また、本実施形態に係る構成によれば、検出電極RXが共通電極CEに合わせて同じ高さに配置されている場合に比べて、検出電極RXを表示パネルPNLのパネル表面付近に配置することが可能であり、検出電極RXと外部オブジェクトの距離を近くすることが可能なため、タッチ感度を向上させることが可能である。
【0052】
図7は、本実施形態の変形例を説明するための図である。
図7に示す変形例は、光源LSが表示領域DA側に傾けて配置され、出射面が表示領域DA側を向いている点で、
図2に示した構成と相違している。この構成によれば、光源LSから出射される光を、より表示領域DA側に集めることが可能なため、より多くの光を画像の表示に寄与させることが可能となる。これによれば、外光強度の弱い環境においても高輝度な画像を表示することが可能となる。
【0053】
図8は、本実施形態に係る表示装置DSPの適用例を示している。
図8に示すように、表示装置DSPは、例えば腕時計100に適用される。この場合、表示装置DSPの表示領域DAには、時刻や各種コンテンツ画像等が表示される。表示装置DSPは、周辺領域SAに配置された検出電極RXがタッチされることにより光源LSを点灯させ、光源LSから出射される光を、表示領域DAにおける画像の表示に寄与させることが可能である。
【0054】
以上説明した一実施形態によれば、外光強度が弱い環境での視認性を向上させ、かつ、機器サイズの肥大化を抑制することが可能な表示装置DSPを提供することが可能である。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、DA…表示領域、SA…周辺領域、SE…シール、LS…光源、RX…検出電極、RT…検出電極端子部。