(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190930
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】煙突内部点検方法
(51)【国際特許分類】
F23J 13/02 20060101AFI20221220BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20221220BHJP
B64C 27/04 20060101ALI20221220BHJP
B64C 13/18 20060101ALI20221220BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20221220BHJP
G01B 11/06 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
F23J13/02
B64C39/02
B64C27/04
B64C13/18 Z
G01B11/24 B
G01B11/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099472
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518200282
【氏名又は名称】テクノドローン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宿野 啓太
(72)【発明者】
【氏名】槇元 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】関元 祐介
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 英喜
(72)【発明者】
【氏名】杉本 望
【テーマコード(参考)】
2F065
3K070
【Fターム(参考)】
2F065AA30
2F065AA55
2F065AA60
2F065CC14
2F065FF41
2F065MM06
2F065PP22
3K070BA28
(57)【要約】
【課題】煙突の筒身内面の状態をより高精度に検出可能な煙突内部点検方法を提供する。
【解決手段】煙突内部点検方法は、光センサを搭載する飛行体を煙突の内部で飛行させ、飛行体を飛行させつつ光センサにより煙突の内周面までの距離を内周面の所定の測定対象範囲について測定し、測定結果に基づいて、内周面の測定対象範囲における凹凸の分布を示す分布図を生成する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光センサを搭載する飛行体を煙突の内部で飛行させ、
前記飛行体を飛行させつつ前記光センサにより前記煙突の内周面までの距離を前記内周面の所定の測定対象範囲について測定し、
測定結果に基づいて、前記内周面の前記測定対象範囲における凹凸の分布を示す分布図を生成する
煙突内部点検方法。
【請求項2】
前記煙突は、筒身内面にライニングが形成された構成であり、
生成した前記分布図に基づいて、前記筒身内面に形成される前記ライニングの厚さを算出する
請求項1に記載の煙突内部点検方法。
【請求項3】
前記内周面は、前記ライニングの表面及び前記筒身内面が露出した露出部分を含み、
前記筒身内面は、円筒状であり、
前記煙突の中心軸の位置を算出し、前記中心軸と前記筒身内面との距離である第1距離から、前記中心軸と前記内周面との距離である第2距離を差し引いた差分を前記ライニングの厚さとして算出する
請求項2に記載の煙突内部点検方法。
【請求項4】
前記内周面の任意の対象位置において前記ライニングの厚さを実測し、実測結果と前記対象位置における前記光センサの検出結果とを比較することで前記中心軸の位置を算出する
請求項3に記載の煙突内部点検方法。
【請求項5】
前記露出部分における前記光センサの検出結果に基づいて前記中心軸の位置を算出する
請求項3又は請求項4に記載の煙突内部点検方法。
【請求項6】
前記露出部分は、前記筒身内面の頂部に沿った部分及び前記煙突におけるマンホール形成部分の少なくとも1つを含む
請求項5に記載の煙突内部点検方法。
【請求項7】
前記飛行体を飛行させる際、前記光センサを用いて前記飛行体の姿勢を自律制御させる
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の煙突内部点検方法。
【請求項8】
前記煙突は、筒身内面にライニングが形成されない構成であり、
生成した分布図に基づいて、前記筒身内面を構成する鋼板の露出部の板厚を算出する
請求項1に記載の煙突内部点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、煙突内部点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローン等の飛行体を煙突の筒身の内部で飛行させて昇降移動させつつ撮像装置により内周面を撮像し、撮像した画像に基づいて点検を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、撮像した画像に基づいて内周面の外観については点検可能である。しかしながら、例えば煙突の筒身内面に形成されるライニング材の腐食による影響等については画像では十分に点検できず、実際にライニング材の厚さを測定する必要がある。このため、煙突の内周面の状態をより高精度に検出可能な手法が求められている。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、煙突の内部の状態を高精度に検出することが可能な煙突内部点検方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る煙突内部点検方法は、光センサを搭載する飛行体を煙突の内部で飛行させ、前記飛行体を飛行させつつ前記光センサにより前記煙突の内周面までの距離を前記内周面の所定の測定対象範囲について測定し、測定結果に基づいて、前記内周面の前記測定対象範囲における凹凸の分布を示す分布図を生成する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、煙突の筒身内面の状態をより高精度に検出可能な煙突内部点検方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る煙突内部点検方法に用いられる装置機器等の構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る煙突内部点検方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る煙突内部点検方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
図1は、本実施形態に係る煙突内部点検方法に用いられる装置機器等の構成の一例を示す図である。本実施形態に係る煙突内部点検方法は、例えば円筒状の煙突100の筒身内面101に施されたライニング102について、剥離や亀裂、異物の堆積等の変状部分の有無を点検し、変状部分の範囲を撮影装置で撮影する。
図1に示すように、煙突内部点検方法では、飛行体10と、処理装置20とが用いられる。
【0011】
飛行体10は、煙突100の内部の空中にて上下に飛行可能に構成される。飛行体10としては、例えばドローン等が用いられる。飛行体10は、本体部11と、プロペラ12と、プロペラ駆動部13とを有する。プロペラ12及びプロペラ駆動部13は、本体部11に設けられる。飛行体10は、プロペラ駆動部13によりプロペラ12が回転することで、煙突100の内部を昇降可能である。飛行体10は、不図示の回転検出センサを有する。回転検出センサは、飛行体10の水平方向における向きを検出する。
【0012】
本実施形態において、飛行体10は、例えば操縦者の操縦に従って水平方向及び鉛直方向に移動する構成であるが、自立飛行が可能な構成であってもよい。飛行体10は、煙突100の底部に配置される発着台104において浮上及び着地を行う。発着台104は、煙突100の中心軸AX上に配置される。したがって、飛行体10は、中心軸AX上の位置から浮上し、中心軸AX上の位置に着地することになる。
【0013】
飛行体10には、光センサ30が搭載される。光センサ30は、当該光センサ30を中心として球体状に数十m以下に存在する対象物に光を照射し、対象物で散乱された散乱光を検出することにより、対象物までの距離を測定する。光センサ30の検出可能範囲は、光センサ30を中心とした球面内の範囲とすることができる。当該球面は、中心軸AXを中心とした内周面103の径よりも大きい範囲に設定される。光センサ30は、対象物までの距離を三次元データとして測定可能である。
【0014】
本実施形態において、光センサ30は、煙突100の内周面103までの距離を測定する。内周面103は、ライニング102の表面102a及び筒身内面101が露出した露出部分101aを含む。光センサ30は、当該検出可能範囲内に含まれる内周面103の全体に亘って距離を三次元データとして測定する。検出可能範囲内の内周面103に凹凸が形成されている場合、光センサ30は、凹部までの距離と凸部までの距離とをそれぞれ測定する。本実施形態において、光センサ30は、例えば煙突100の内周面103の周方向及び高さ方向について所定の測定対象範囲に亘って距離の三次元データを測定する。当該測定対象範囲は、内周面103の周方向及び高さ方向の一部であってもよいし全体であってもよい。
【0015】
飛行体10は、光センサ30の測定結果に基づいてプロペラ駆動部13を制御することにより、内周面103と干渉しないように、煙突100の内部における位置及び姿勢の自律制御を行うことが可能である。
【0016】
処理装置20は、例えばパーソナルコンピュータ等の装置が用いられる。処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の記憶装置を有する。処理装置20は、光センサ30で測定された三次元データを取得し、当該三次元データに基づいて、測定対象範囲における内周面103の凹凸の分布を算出する。
【0017】
処理装置20は、測定対象範囲における凹凸の分布図を生成した後、当該分布図に基づいて、ライニング102の厚さtを算出することができる。処理装置20は、煙突100の中心軸AXの位置を算出し、中心軸AXと筒身内面101との距離である第1距離R1から、中心軸AXと内周面103との距離である第2距離R2を差し引いた差分をライニング102の厚さtとして算出する。
【0018】
処理装置20は、筒身内面101の露出部分101aにおける光センサ30の検出結果に基づいて中心軸AXの位置を算出することができる。また、処理装置20は、内周面103の任意の対象位置においてライニング102の厚さtを実測し、実測結果と対象位置における光センサ30の検出結果とを比較することで中心軸AXの位置を算出することができる。本実施形態において、露出部分101aは、例えば筒身内面101の頂部に沿った上縁部101b及び煙突100におけるマンホール形成部分105の少なくとも1つを含む。
【0019】
次に、本実施形態に係る煙突内部点検方法の一例を説明する。まず、光センサ30を搭載する飛行体10を煙突100の内部で飛行させ、飛行体10を飛行させつつ光センサ30により煙突100の内周面103までの距離を内周面103の所定の測定対象範囲について測定し、測定結果に基づいて、内周面103の測定対象範囲における凹凸の分布を示す分布図を生成する。
【0020】
飛行体10における光センサ30の検出可能範囲は、光センサ30を中心として球体状に数十m以下の範囲となる。飛行体10を飛行させる際、操縦者は、発着台104の中心軸AX上の位置から飛行体10を浮上させる。飛行体10を中心に球体状の検出可能範囲の感知距離内に障害物がある場合には、回避しながら飛行体10を飛行させることが可能となる。よって、操縦者は、中心軸AX上を飛行させるのみとなる。例えば、飛行体10がライニング102に近づいた場合、光センサ30によってライニング102が検出され、回避するように飛行するため、自動的に干渉が回避される。
【0021】
その後、操縦者は、中心軸AXに沿って一定の速度で飛行体10を上昇させる。この場合、光センサ30により、煙突100の内周面103の高さ方向の三次元データが取得される。
【0022】
処理装置20は、光センサ30が測定した三次元データに基づいて、凹凸の分布図を生成する。処理装置20は、生成した分布図を不図示の表示部等に表示させることができる。
【0023】
図2は、分布図の一例を示す図である。
図2に示すように、内周面103の高さ方向及び周方向の三次元データに基づく凹凸の分布
図Fが形成される。例えば
図2の分布
図Fにおいて、白色から黒色のグラデーションが形成されており、白色に近づくほど凸状であり、黒色に近づくほど凹状であることを示している。
図2において黒色に表示される領域F1は、上記したマンホール形成部105に対応する部分である。
【0024】
処理装置20は、凹凸の分布
図Fを生成した後、当該分布
図Fに基づいて、ライニング102の厚さを算出することができる。
図3から
図5は、
図1に示す煙突100の横断面図である。
図3はA-A断面、
図4はB-B断面、
図5はC-C断面に沿った構成をそれぞれ示している。
【0025】
図3から
図5に示すように、処理装置20は、煙突100の中心軸AXの位置を算出し、中心軸AXと筒身内面101との距離である第1距離R1から、中心軸AXと内周面103との距離である第2距離R2を差し引いた差分をライニング102の厚さとして算出する。第1距離R1については、例えば筒身内面101の設計値等を用いることができる。
【0026】
また、処理装置20は、内周面103の任意の対象位置においてライニング102の厚さを実測し、実測結果と対象位置における光センサ30の検出結果とを比較することで中心軸AXの位置を算出することができる。例えば、煙突100のうちマンホール形成部分105(
図3参照)から近い底部近傍の対象位置のライニング102の厚さを実測することで、実測値を容易に取得することが可能となる。
【0027】
また、処理装置20は、筒身内面101の露出部分101aにおける光センサ30の検出結果に基づいて中心軸AXの位置を算出することができる。本実施形態において、露出部分101aは、例えば筒身内面101の頂部に沿った部分(
図5参照)、及び煙突100におけるマンホール形成部分105(
図3参照)の少なくとも1つを含む。
図4に示す高さ位置においては、筒身内面101が露出する露出部分101aが存在しない。このため、光センサ30に露出部分101aを含むようにすることで、中心軸AXの位置を容易に算出することができる。例えば、
図3に示すように煙突100の底部近傍を含む高さ位置、
図5に示すように煙突100の頂部近傍を含む高さ位置を含むようにすればよい。また、筒身内面101での光センサ30の検出結果と、光センサ30を筒身の外側に持ち出して筒身外面の三次元データを検出し、筒身外面の三次元データの検出結果を任意の点で一致させることにより、中心軸AXの位置を算出する。
【0028】
なお、光センサ30で露出部分101aを検出した結果は、分布
図Fにおいて、筒身内面101の高さ位置に対応する。ライニング102の厚さは、露出部分101aとの間の相対的な高さ位置であると考えることができる。処理装置20は、凹凸の分布について、露出部分101aの位置を基準とした場合の値を算出する。この算出結果は、露出部分101aに対する高さ位置(厚さ)に相当する。したがって、処理装置20は、この算出結果をライニング102の厚さとして算出してもよい。同様に、処理装置20は、測定対象範囲AR全体の凹凸の分布について、対象位置における実測結果を基準とした場合の値を算出し、算出結果に基づいてライニング102の厚さを算出してもよい。
【0029】
図6は、本実施形態に係る煙突内部点検方法の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、操縦者の操縦により、煙突100の内部に飛行体10を飛行させる(ステップS10)。飛行体10を飛行させる間、光センサ30は、煙突100の内周面103までの距離に基づいて三次元データを作成する(ステップS20)。操縦者が飛行体10を煙突高さまで上昇飛行させることで、光センサ30は、煙突100の全体の高さ分の三次元データを作成する(ステップS30)。
【0030】
処理装置20は、光センサ30の測定結果に基づいて、内周面103の凹凸の分布を示す分布
図Fを生成する(ステップS40)。処理装置20は、分布
図Fを生成した後、当該分布図に基づいて、筒身内面101に形成されるライニング102の厚さを算出する(ステップS50)。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る煙突内部点検方法は、光センサ30を搭載する飛行体10を煙突100の内部で飛行させ、飛行体10を飛行させつつ光センサ30により煙突100の内周面103までの距離を測定し、測定結果に基づいて、内周面103の凹凸の分布を示す分布
図Fを生成する。
【0032】
この構成では、煙突100の内周面103の凹凸の分布
図Fを生成することで、内周面103の凹部、つまり腐食等による減肉部分を容易に把握することができる。これにより、内周面103を撮像した画像を点検する場合に比べて、煙突100の内周面の状態を高精度に点検することが可能となる。
【0033】
本実施形態に係る煙突内部点検方法において、煙突100は、筒身内面101にライニング102が形成された構成であり、生成した分布
図Fに基づいて、筒身内面101に形成されるライニング102の厚さを算出する。したがって、煙突100の筒身内面101に形成されるライニング102の厚さを高精度に検出することが可能となる。
【0034】
本実施形態に係る煙突内部点検方法において、内周面103は、ライニング102の表面102a及び筒身内面101が露出した露出部分101aを含み、煙突100の中心軸AXの位置を算出し、中心軸AXと筒身内面101との距離である第1距離R1から、中心軸AXと内周面103との距離である第2距離R2を差し引いた差分をライニング102の厚さとして算出する。したがって、煙突100が円筒である特性を利用して中心軸AXの位置を算出し、算出した中心軸AXの位置に基づいてライニング102の厚さを高精度に算出できる。
【0035】
本実施形態に係る煙突内部点検方法において、内周面103の任意の対象位置においてライニング102の厚さを実測し、実測結果と対象位置における光センサ30の検出結果とを比較することで中心軸AXの位置を算出する。したがって、煙突100の内周面103の相対的な厚さ位置に対して実測値を与えることにより、実測値を基準としたライニング102の厚さを効率的に算出できる。
【0036】
本実施形態に係る煙突内部点検方法において、露出部分101aにおける光センサ30の検出結果に基づいて中心軸AXの位置を算出する。中心軸AXと露出部分101aとの距離は、第1距離R1に相当する。したがって、測定対象範囲ARに露出部分101aを含む場合には、露出部分101aにおける光センサ30の検出結果に基づいて中心軸AXの位置を容易に算出できる。
【0037】
本実施形態に係る煙突内部点検方法において、露出部分101aは、筒身内面101の頂部に沿った部分及び煙突100におけるマンホール形成部分の少なくとも1つを含む。したがって、測定対象範囲ARに筒身内面101の頂部に沿った部分及び煙突100におけるマンホール形成部分を含む場合、これらの部分の光センサ30の検出結果に基づいて中心軸AXの位置を容易に算出できる。
【0038】
本実施形態に係る煙突内部点検方法において、飛行体10を飛行させる際、光センサ30を用いて飛行体10の姿勢を自律制御させる。したがって、安定した測定を行うことができる。
【0039】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、飛行体10にカメラ等の撮像装置が設けられない構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、飛行体10にカメラを設けた構成としてもよい。この場合、飛行体10を飛行させつつ、上記の光センサ30により測定及びカメラでの撮像を行うことにより、さらに高精度の点検を行うことが可能となる。
【0040】
また、上記実施形態では、煙突100は、中心軸AXが鉛直方向に沿うように設置された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。煙突100は、中心軸AXが鉛直方向に対して傾いた状態で設定される場合においても、上記の説明を適用することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、飛行体10が自律制御を行う場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば煙突100にガイドロープが設けられ、飛行体10がガイドロープに沿って昇降等の移動を行う構成であってもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、煙突100の内部にライニング102が形成されている形態を例に挙げて説明したが、これに限定されない。煙突100にライニングが形成されず、筒身内面101が露出する構成において、筒身内面101を構成する鋼板の腐食減肉の状況における板厚測定に対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 飛行体
11 本体部
12 プロペラ
13 プロペラ駆動部
20 処理装置
30 光センサ
100 煙突
101 筒身内面
101a 露出部分
101b 上縁部
102 ライニング
102a 表面
103 内周面
104 発着台
105 マンホール形成部分
AR 測定対象範囲
AX 中心軸
F 分布図
F1 領域
R 検出可能範囲
R1 第1距離
R2 第2距離