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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190943
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20221220BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20221220BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20221220BHJP
【FI】
G06F3/16 630
G06F3/16 670
G06F3/16 650
G06F3/16 680
G10L13/00 100M
G10L15/00 200Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099486
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩史
(57)【要約】
【課題】ユーザの発話音声に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む場合に、画面の操作に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む際に選択される方の設定で処理が行われるようにする構成に比較して、ユーザが意図した設定で処理が行われる可能性を高める。
【解決手段】プロセッサを備え、プロセッサは、ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付け、要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、発話音声において第1の設定が第2の設定よりも先に発話されていれば、第1の設定で処理が行われるように制御することを特徴とする情報処理装置。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付け、
前記要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、前記発話音声において当該第1の設定が当該第2の設定よりも先に発話されていれば、当該第1の設定で前記処理が行われるように制御する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第1の設定で前記処理が行われることを示す応答音声が出力されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記発話音声において前記第1の設定が前記第2の設定よりも先に発話されていても、当該第1の設定を含む第1の発話単位と当該第2の設定を含む第2の発話単位とが異なることを条件として、当該第2の設定で前記処理が行われるように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1の設定及び当該第1の設定の要求を含む発話単位を前記第1の発話単位として特定し、前記第2の設定及び当該第2の設定の要求を含む発話単位を前記第2の発話単位として特定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の発話単位に応答して出力された応答音声よりも後に前記第2の発話単位が発話されたことを更に条件として、前記第2の設定で前記処理が行われるように制御することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記発話音声において、前記第1の設定が前記第2の設定よりも先に発話され、かつ、当該第1の設定及び当該第2の設定が1つの発話単位内で発話されていても、当該第2の設定が当該第1の設定と区別可能に発話されていれば、当該第2の設定で処理が行われるように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2の設定が前記第1の設定とは区別可能に発話されていることは、当該第2の設定が予め定められた文言が付加されて発話されていることを含むことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付け、
前記要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、当該第1の設定及び当該第2の設定のうち、画面の操作に基づく前記処理の要求を受け付けた際に選択される方とは異なる方の設定で当該処理が行われるように制御する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付ける機能と、
前記要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、前記発話音声において当該第1の設定が当該第2の設定よりも先に発話されていれば、当該第1の設定で前記処理が行われるように制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付ける機能と、
前記要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、当該第1の設定及び当該第2の設定のうち、画面の操作に基づく前記処理の要求を受け付けた際に選択される方とは異なる方の設定で当該処理が行われるように制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、音声による発話機能を備えた発話装置であって、発話可能な期間が予め設定されている発話データについて、発話時に発話可能な2つ以上の発話データがあるかを判定する判定手段と、判定手段によって発話時に発話可能な2つ以上の発話データがあると判定されると、発話時に発話可能な2つ以上の発話データの各々に予め対応付けられている優先度が高い発話データを優先して発話する発話手段と、を備える発話装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-227951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの発話音声に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む場合がある。この場合に、画面の操作に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む際に選択される方の設定で処理が行われるようにしたのでは、ユーザが意図した設定で処理が行われない可能性がある。例えば、画面の操作に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む場合は、一般に、後に設定した設定が選択される。これに対し、ユーザの発話音声に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む場合は、先に発話した設定が重要であることが多いので、後に発話した設定を選択したのでは、必ずしもユーザが意図した設定が選択されていない可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザの発話音声に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む場合に、画面の操作に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む際に選択される方の設定で処理が行われるようにする構成に比較して、ユーザが意図した設定で処理が行われる可能性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付け、前記要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、前記発話音声において当該第1の設定が当該第2の設定よりも先に発話されていれば、当該第1の設定で前記処理が行われるように制御することを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1の設定で前記処理が行われることを示す応答音声が出力されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記発話音声において前記第1の設定が前記第2の設定よりも先に発話されていても、当該第1の設定を含む第1の発話単位と当該第2の設定を含む第2の発話単位とが異なることを条件として、当該第2の設定で前記処理が行われるように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1の設定及び当該第1の設定の要求を含む発話単位を前記第1の発話単位として特定し、前記第2の設定及び当該第2の設定の要求を含む発話単位を前記第2の発話単位として特定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1の発話単位に応答して出力された応答音声よりも後に前記第2の発話単位が発話されたことを更に条件として、前記第2の設定で前記処理が行われるように制御することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記発話音声において、前記第1の設定が前記第2の設定よりも先に発話され、かつ、当該第1の設定及び当該第2の設定が1つの発話単位内で発話されていても、当該第2の設定が当該第1の設定と区別可能に発話されていれば、当該第2の設定で処理が行われるように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記第2の設定が前記第1の設定とは区別可能に発話されていることは、当該第2の設定が予め定められた文言が付加されて発話されていることを含むことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付け、前記要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、当該第1の設定及び当該第2の設定のうち、画面の操作に基づく前記処理の要求を受け付けた際に選択される方とは異なる方の設定で当該処理が行われるように制御することを特徴とする情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付ける機能と、前記要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、前記発話音声において当該第1の設定が当該第2の設定よりも先に発話されていれば、当該第1の設定で前記処理が行われるように制御する機能とを実現させるためのプログラムである。
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付ける機能と、前記要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、当該第1の設定及び当該第2の設定のうち、画面の操作に基づく前記処理の要求を受け付けた際に選択される方とは異なる方の設定で当該処理が行われるように制御する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、ユーザの発話音声に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む場合に、先に発話した設定で処理が行われるようにできる。
請求項2の発明によれば、先に発話した設定で処理が行われることをユーザに知らせることができる。
請求項3の発明によれば、先に発話した設定と後に発話した設定とが異なる発話単位に分かれている場合は、後に発話した設定で処理が行われるようにできる。
請求項4の発明によれば、先に発話した設定と後に発話した設定とが異なる発話単位に分かれていることを容易に特定することができる。
請求項5の発明によれば、先に発話した設定と後に発話した設定とが応答によって異なる発話単位に分かれている場合は、後に発話した設定で処理が行われるようにできる。
請求項6の発明によれば、先に発話した設定と後に発話した設定とが1つの発話単位内にあっても、後に発話した設定で処理が行われるようにできる。
請求項7の発明によれば、先に発話した設定と後に発話した設定とが1つの発話単位内にある場合に、後に発話した設定で処理が行われるようにすることが容易になる。
請求項8の発明によれば、ユーザの発話音声に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む場合に、画面の操作に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む際に選択される方の設定で処理が行われるようにする構成に比較して、ユーザが意図した設定で処理が行われる可能性が高まる。
請求項9の発明によれば、ユーザの発話音声に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む場合に、先に発話した設定で処理が行われるようにできる。
請求項10の発明によれば、ユーザの発話音声に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む場合に、画面の操作に基づく処理の要求が禁則関係にある設定を含む際に選択される方の設定で処理が行われるようにする構成に比較して、ユーザが意図した設定で処理が行われる可能性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態における印刷システムの全体構成例を示した図である。
図2】本発明の実施の形態におけるスマートスピーカのハードウェア構成例を示した図である。
図3】本発明の実施の形態におけるサーバのハードウェア構成例を示した図である。
図4】本発明の実施の形態における印刷装置のハードウェア構成例を示した図である。
図5】本発明の実施の形態の第1の概略動作について説明するための図である。
図6】本発明の実施の形態の第2の概略動作について説明するための図である。
図7】本発明の実施の形態の第3の概略動作について説明するための図である。
図8】本発明の実施の形態におけるサーバの機能構成例を示したブロック図である。
図9】本発明の実施の形態におけるサーバの動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態は、ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付け、要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、発話音声において第1の設定が第2の設定よりも先に発話されていれば、第1の設定で処理が行われるように制御する情報処理装置を提供する。
【0011】
一方で、情報処理装置は、画面の操作により第1の設定が第2の設定よりも先に行われた場合は、一般に、第2の設定で処理が行われるように制御する。即ち、本実施の形態は、ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付け、要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、第1の設定及び第2の設定のうち、画面の操作に基づく処理の要求を受け付けた際に選択される方とは異なる方の設定で処理が行われるように制御する情報処理装置も提供する。
【0012】
ここで、処理とは、コンピュータ等の各種機器により実行されるものであれば、如何なるものでもよいが、以下では、処理として、印刷を例にとって説明する。設定とは、処理を実行する際の条件のことである。処理が印刷である場合、設定は印刷設定である。
【0013】
また、2つの設定が禁則関係にあるとは、2つの設定が互いに競合する関係にあること、つまり、2つの設定が両立できない関係にあることをいう。ここでは、禁則関係にある2つの設定に着目しているが、禁則関係にある3つ以上の設定のうちの2つの設定に着目してもよい。
【0014】
更に、情報処理装置は、ユーザの音声を収集するスマートスピーカと、スマートスピーカからの指示により印刷を行う印刷装置とを含む印刷システムにおいて、スマートスピーカであっても印刷装置であってもよい。但し、以下では、スマートスピーカと印刷装置とを中継するサーバを設け、情報処理装置としては、このサーバを例にとって説明する。
【0015】
[印刷システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における印刷システム1の全体構成例を示した図である。図示するように、この印刷システム1は、スマートスピーカ10と、サーバ20と、印刷装置40とが通信回線80に接続されることにより構成されている。尚、図では、スマートスピーカ10、サーバ20、印刷装置40を1つずつしか示していないが、各装置は2つ以上設けられていてもよい。
【0016】
スマートスピーカ10は、ユーザからの音声による問いかけに応じて、通信回線80を介して種々の情報を得て回答したり、各種機器の動作を制御したりすることができる音声アシスタント機能付きスピーカである。スマートスピーカ10は、AIスピーカとも呼ばれる。特に、本実施の形態において、スマートスピーカ10は、ユーザが音声で印刷要求を行うと、その印刷要求を音声認識し、その結果に基づき印刷を要求する要求情報を生成してサーバ20へ送信する。
【0017】
サーバ20は、スマートスピーカ10から送信された情報に基づいて各種処理を行う。特に、本実施の形態において、サーバ20は、スマートスピーカ10から印刷を要求する要求情報を受信し、この要求情報に基づく印刷指示を印刷装置40へ送信する。本実施の形態では、情報処理装置の一例として、サーバ20を設けている。
【0018】
印刷装置40は、紙等の記録媒体に画像を印刷する。特に、本実施の形態において、印刷装置40は、サーバ20から送信された印刷指示に基づいて、記録媒体への画像の印刷を行う。
【0019】
通信回線80は、スマートスピーカ10とサーバ20との間、サーバ20と印刷装置40との間の情報通信に用いられる回線である。通信回線80としては、例えば、インターネットを用いるとよい。
【0020】
[スマートスピーカのハードウェア構成]
図2は、本実施の形態におけるスマートスピーカ10のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、スマートスピーカ10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、通信インターフェース(以下、「通信I/F」と表記する)14と、スピーカ15と、マイクロフォン16とを備える。
【0021】
プロセッサ11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、音声の入出力のための処理を実現する。そのような処理には、例えば、スピーカ15で音声を出力するための音声データを生成する処理や、マイクロフォン16で集音した印刷要求の音声を音声認識して要求情報に変換する処理がある。
【0022】
RAM12は、プロセッサ11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。ROM13は、プロセッサ11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
【0023】
通信I/F14は、通信回線80を介してサーバ20との間で各種情報の送受信を行う。
【0024】
スピーカ15は、プロセッサ11で生成された音声データに基づく音声を外部に出力する。マイクロフォン16は、外部で発せられた音声を集音する。
【0025】
[サーバのハードウェア構成]
図3は、本実施の形態におけるサーバ20のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、サーバ20は、プロセッサ21と、RAM22と、HDD(Hard Disk Drive)23と、通信I/F24と、表示デバイス25と、入力デバイス26とを備える。
【0026】
プロセッサ21は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。
【0027】
RAM22は、プロセッサ21の作業用メモリ等として用いられるメモリである。HDD23は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
【0028】
通信I/F24は、通信回線80を介してスマートスピーカ10又は印刷装置40との間で各種情報の送受信を行う。
【0029】
表示デバイス25は、各種情報を表示する例えばディスプレイである。入力デバイス26は、ユーザが情報を入力するために用いる例えばキーボードやマウスである。
【0030】
[印刷装置のハードウェア構成]
図4は、本実施の形態における印刷装置40のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、印刷装置40は、プロセッサ41と、RAM42と、ROM43と、HDD44と、操作パネル45と、印刷部46と、通信I/F47とを備える。
【0031】
プロセッサ41は、ROM43等に記憶された各種プログラムをRAM42にロードして実行することにより、印刷部46における印刷のための処理を実現する。
【0032】
RAM42は、プロセッサ41の作業用メモリ等として用いられるメモリである。ROM43は、プロセッサ41が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。HDD44は、印刷部46における印刷にて用いる印刷データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
【0033】
操作パネル45は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。ここで、操作パネル45は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等の指示手段で指示された位置を検出する位置検出シートとからなる。或いは、タッチパネルに代えて、ディスプレイ及びキーボードを用いてもよい。
【0034】
印刷部46は、紙等の記録媒体に画像を印刷する。ここで、印刷部46は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0035】
通信I/F47は、通信回線80を介してサーバ20との間で各種情報の送受信を行う。
【0036】
[本実施の形態の概略動作]
図5図7は、本実施の形態の概略動作について説明するための図である。但し、これらの図は、サーバ20を含んでおらず、スマートスピーカ10から印刷装置40へ直接印刷指示が送信されるように示している。また、ユーザは、スマートスピーカ10に問いかける際、一般に、スマートスピーカ10の音声アシスタント機能の利用を開始するための呼びかけを行うが、図では、この呼びかけは省略している。
【0037】
尚、本明細書では、印刷装置40で最終的に印刷する際の設定を印刷設定と称し、ユーザが印刷要求を行った際に印刷要求に含めた印刷の設定を要求設定と称することとする。
【0038】
図5に、印刷システム1の第1の概略動作を示す。この第1の概略動作は、ユーザが印刷要求を発話し、禁則関係にある2つの要求設定が印刷要求に含まれる場合に、発話順を優先順位として禁則を解決して、つまり、発話順が先の要求設定を印刷設定に決定して、印刷を行うものである。
【0039】
図では、まず、ユーザUが、スマートスピーカ10に対し、印刷装置40で文書をステープル、二つ折りに設定して印刷するように要求している(ステップ111)。ここで、ステープルと二つ折りとは禁則関係にあるとする。この場合は、発話順が先のステープルが印刷設定として選択される。そこで、スマートスピーカ10が、ステープルと二つ折りは同時指定できないのでステープルのみで印刷する、という旨を、ユーザUに伝えている(ステップ112)。そして、スマートスピーカ10から印刷装置40へ、ステープルでの印刷を指示する印刷指示が送信されている(ステップ113)。これにより、印刷装置40が、ステープルされた印刷物Pを印刷している(ステップ114)。
【0040】
尚、上記では、ステップ112でスマートスピーカ10がステープルのみで印刷する旨をユーザUに伝えた後、ユーザの応答を待たずにステップ113で印刷装置40へ印刷指示が送信されるようにしたが、これには限らない。ステップ112でスマートスピーカ10がステープルのみで印刷してよいかをユーザUに問い合わせ、ユーザUがステープルのみで印刷してよいと応答した場合に、ステップ113で印刷装置40へ印刷指示が送信されることとしてもよい。但し、以下では、ユーザの応答を待たずに印刷装置40へ印刷指示が送信される場合を例にとって説明する。
【0041】
また、上記では、ユーザが発話音声で印刷要求を行った場合に、発話順が先の要求設定を印刷設定に決定することとしたが、これには限らない。ユーザが発話音声で印刷要求を行った場合であっても、発話順が後の要求設定を優先する旨が予め設定されていれば、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定することとしてよい。但し、以下では、ユーザが発話音声で印刷要求を行った場合には、発話順が先の要求設定を印刷設定に決定することを基本として説明する。
【0042】
図6に、印刷システム1の第2の概略動作を示す。この第2の概略動作は、第1の概略動作に変形例の動作を追加したものである。ここでの変形例の動作は、ユーザが2つの発話単位に分けて印刷要求を発話し、禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれる場合に、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定して印刷を行う、という動作である。また、禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれることに加え、2つの発話単位の間にスマートスピーカ10が応答したことを、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定するための条件としている。
【0043】
図では、まず、ユーザUが、スマートスピーカ10に対し、印刷装置40で文書をステープルに設定して印刷するように要求しようとしている(ステップ121)。これに対し、スマートスピーカ10が、短く応答している(ステップ122)。その後、ユーザUは、二つ折りに設定して印刷するように要求している(ステップ123)。ここで、ステープルと二つ折りとは禁則関係にあるとする。この場合は、発話順が後の二つ折りが印刷設定として選択される。そこで、スマートスピーカ10は、ステープルと二つ折りは同時指定できないので二つ折りのみで印刷する、という旨を、ユーザUに伝えている(ステップ124)。そして、スマートスピーカ10から印刷装置40へ、二つ折りでの印刷を指示する印刷指示が送信されている(ステップ125)。これにより、印刷装置40が、二つ折りされた印刷物Pを印刷している(ステップ126)。
【0044】
尚、上記では、禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれ、発話単位間でスマートスピーカ10が応答した場合に、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定することしたが、これには限らない。禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれる場合には、発話単位間でスマートスピーカ10が応答していなくても、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定することしてよい。例えば、禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれ、発話単位間の時間の長さが基準以上である場合に、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定することとしてもよい。但し、以下では、禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれ、発話単位間でスマートスピーカ10が応答した場合に、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定することを例にとって説明する。
【0045】
また、上記では、禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれている場合に、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定することとしたが、これには限らない。禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれている場合であっても、発話順が先の要求設定を優先する旨が予め設定されていれば、発話順が先の要求設定を印刷設定に決定することとしてよい。但し、以下では、禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれている場合には、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定することを例にとって説明する。
【0046】
更に、上記では、ユーザが発話する発話単位の個数を2つとしたが、これには限らない。ユーザが発話する発話単位の個数は3つ以上であってもよい。但し、以下では、ユーザが発話する発話単位の個数が2つである場合を例にとって説明する。
【0047】
図7に、印刷システム1の第3の概略動作を示す。この第3の概略動作も、第1の概略動作に変形例の動作を追加したものである。ここでの変形例の動作は、ユーザが印刷要求を発話し、禁則関係にある複数の要求設定が印刷要求に含まれる場合に、要求設定にキーワードを付加することで優先順位を変更し、禁則を解決して印刷を行う、という動作である。
【0048】
この場合、キーワードは発話順が先の要求設定に付加しても発話順が後の要求設定に付加してもよいが、以下では、後者を例にとって説明する。また、キーワードは要求設定の前に付加しても後に付してもよいが、以下では、要求設定の前に付加する場合を例にとって説明する。更に、キーワードを付加することで優先順位を下げてもよいし上げてもよい。例えば、発話順が後の要求設定の前に「必須で」を付加することで優先順位を上げることが考えられる。例えば、発話順が後の要求設定の前に「あと」を付加することで優先順位を下げることが考えられる。尚、このようなキーワードは、予め定めて記憶しておけばよい。
【0049】
図では、まず、ユーザUが、スマートスピーカ10に対し、印刷装置40で文書をステープルと必須で二つ折りに設定して印刷するように要求している(ステップ131)。ここで、ステープルと二つ折りとは禁則関係にあるとする。この場合は、「必須で」が付加された二つ折りが印刷設定として選択される。そこで、スマートスピーカ10が、ステープルと二つ折りは同時指定できないので二つ折りのみで印刷する、という旨を、ユーザUに伝えている(ステップ132)。そして、スマートスピーカ10から印刷装置40へ、二つ折りでの印刷を指示する印刷指示が送信されている(ステップ133)。これにより、印刷装置40が、二つ折りされた印刷物Pを印刷している(ステップ134)。
【0050】
尚、上記では、要求設定にキーワードを付加することで優先順位を変更することとしたが、これには限らない。発話順が先の要求設定と発話順が後の要求設定とを区別可能に発話することで優先順位を変更することとしてもよい。例えば、発話順が先の要求設定よりも発話順が後の要求設定を強調して発話した場合に、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定することとするとよい。ここで、要求設定を強調して発話することとしては、要求設定を大きな音声で発話することが例示される。
【0051】
また、上記では、発話順が先の要求設定を強調して発話しても発話順が後の要求設定を強調して発話してもよいこととしたが、以下では、発話順が後の要求設定を強調して発話することにより、発話順が後の要求設定を印刷設定に決定する場合を例にとって説明する。
【0052】
[サーバの機能構成]
図8は、本実施の形態におけるサーバ20の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、サーバ20は、受信部31と、禁則関係記憶部32と、要求情報解析部33と、印刷設定決定部34と、文書ファイル取得部35と、印刷データ生成部36と、送信部37とを備えている。
【0053】
受信部31は、スマートスピーカ10から要求情報を受信する。ここで、要求情報は、ユーザが音声で印刷要求を行うと、スマートスピーカ10が、その印刷要求を音声認識し、その結果に基づき印刷を要求する情報として生成し、送信したものである。本実施の形態では、ユーザの発話音声に基づく処理の要求の一例として、要求情報を用いており、この処理の要求を受け付けることの一例として、受信部31の処理を行っている。
【0054】
禁則関係記憶部32は、印刷設定間の禁則関係に関する情報を記憶する。例えば、禁則関係記憶部32は、図5図7に例示したステープルと二つ折りとが禁則関係にあることを記憶する。
【0055】
要求情報解析部33は、受信部31が受信した要求情報を受け取り、要求情報を解析する。
【0056】
具体的には、まず、要求情報解析部33は、要求情報が複数の要求設定を含み、かつ、その複数の要求設定が禁則関係にある2つの要求設定を含むかどうかを判定する。本実施の形態では、要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含むと判定することの一例として、要求情報解析部33のこの処理を行っている。
【0057】
また、要求情報解析部33は、要求情報が複数の要求設定を含み、かつ、その複数の要求設定が禁則関係にある2つの要求設定を含むと判定した場合に、その禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれているかどうかを判定する。ここで、発話単位とは、ユーザが発した一まとまりの発話のことをいう。例えば、要求情報解析部33は、要求設定の内容を示す音声と要求設定を行う要求を示す音声とを含む発話を、発話単位として扱えばよい。図5図7では、要求設定の内容とは、例えば、「ステープル」、「二つ折り」であり、要求設定を行う要求とは、例えば、「設定して」である。本実施の形態では、第1の設定を含む第1の発話単位と第2の設定を含む第2の発話単位とが異なると判定することの一例として、また、第1の設定及び第1の設定の要求を含む発話単位を第1の発話単位として特定し、第2の設定及び第2の設定の要求を含む発話単位を第2の発話単位として特定することの一例として、要求情報解析部33のこの処理を行っている。
【0058】
更に、要求情報解析部33は、要求情報が複数の要求設定を含み、その複数の要求設定が禁則関係にある2つの要求設定を含み、その禁則関係にある2つの要求設定が1つの発話単位内にある判定した場合に、後に発話された要求設定が強調して発話されたかどうかを判定する。本実施の形態では、第1の設定及び第2の設定が1つの発話単位内で発話されており、第2の設定が第1の設定と区別可能に発話されていると判定することの一例として、要求情報解析部33のこの処理を行っている。ここで、後に発話された要求設定が強調して発話されたことは、例えば、後に発話された要求設定にキーワードが付加されて発話されたことを含む。この場合、後に発話された要求設定にキーワードが付加されて発話されたことは、第2の設定が予め定められた文言が付加されて発話されていることの一例である。
【0059】
印刷設定決定部34は、要求情報解析部33からの解析結果と、要求情報における要求設定の発話順と、送信部37からの情報とに基づいて、何れかの要求設定を印刷設定に決定する。
【0060】
具体的には、まず、要求情報解析部33からの解析結果が、要求情報が複数の要求設定を含み、かつ、その複数の要求設定が禁則関係にある2つの要求設定を含む、というものであった場合を考える。この場合、印刷設定決定部34は、禁則関係にある2つの要求設定のうち、先に発話された要求設定を印刷設定に決定する。本実施の形態では、要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、発話音声において第1の設定が第2の設定よりも先に発話されていれば、第1の設定で処理が行われるように制御することの一例として、印刷設定決定部34のこの処理を行っている。
【0061】
また、要求情報解析部33からの解析結果が、要求情報が複数の要求設定を含み、その複数の要求設定が禁則関係にある2つの要求設定を含み、かつ、その禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれている、というものであった場合を考える。この場合、印刷設定決定部34は、禁則関係にある2つの要求設定のうち、後に発話された要求設定を印刷設定に決定する。本実施の形態では、発話音声において第1の設定が第2の設定よりも先に発話されていても、第1の設定を含む第1の発話単位と第2の設定を含む第2の発話単位とが異なることを条件として、第2の設定で処理が行われるように制御することの一例として、印刷設定決定部34のこの処理を行っている。或いは、印刷設定決定部34は、上記に加え、先の発話単位と後の発話単位との間にスマートスピーカ10が応答した場合に、禁則関係にある2つの要求設定のうち、後に発話された要求設定を印刷設定に決定してもよい。ここで、先の発話単位と後の発話単位との間にスマートスピーカ10が応答したことは、送信部37から通知されるようにするとよい。本実施の形態では、第1の発話単位に応答して出力された応答音声よりも後に第2の発話単位が発話されたことを更に条件として、第2の設定で処理が行われるように制御することの一例として、印刷設定決定部34のこの処理を行っている。尚、印刷設定決定部34は、先の発話単位と後の発話単位との間にスマートスピーカ10が応答していない場合は、禁則関係にある2つの要求設定のうち、先に発話された要求設定を印刷設定に決定することとなる。
【0062】
更に、要求情報解析部33からの解析結果が、要求情報が複数の要求設定を含み、その複数の要求設定が禁則関係にある2つの要求設定を含み、その禁則関係にある2つの要求設定が1つの発話単位内にあり、後に発話された要求設定が強調して発話された、というものであった場合を考える。この場合、印刷設定決定部34は、禁則関係にある2つの要求設定のうち、後に発話された要求設定を印刷設定に決定する。本実施の形態では、発話音声において、第1の設定が第2の設定よりも先に発話され、かつ、第1の設定及び第2の設定が1つの発話単位内で発話されていても、第2の設定が第1の設定と区別可能に発話されていれば、第2の設定で処理が行われるように制御することの一例として、印刷設定決定部34のこの処理を行っている。尚、印刷設定決定部34は、後に発話された要求設定が強調して発話されていない場合は、禁則関係にある2つの要求設定のうち、先に発話された要求設定を印刷設定に決定することとなる。
【0063】
文書ファイル取得部35は、受信部31が受信した要求情報を受け取り、要求情報に含まれる印刷対象の文書を取得する。
【0064】
印刷データ生成部36は、印刷設定決定部34が印刷設定を決定し、文書ファイル取得部35が文書ファイルを取得すると、その印刷設定でその文書ファイルを印刷することを指示するデータである印刷データを生成する。
【0065】
送信部37は、印刷データ生成部36が印刷データを生成すると、印刷設定決定部34が決定した印刷設定で、文書ファイル取得部35が取得した文書ファイルを印刷する、という旨の応答を指示する応答情報をスマートスピーカ10へ送信する。本実施の形態では、第1の設定で処理が行われることを示す応答音声が出力されるように制御することの一例として、送信部37の処理を行っている。
【0066】
また、送信部37は、印刷データ生成部36が印刷データを生成すると、その印刷データを印刷装置40へ送信する。
【0067】
更に、送信部37は、受信部31が要求情報を受信した際に、その要求情報に対する応答を指示する応答情報をスマートスピーカ10へ送信することもある。そして、この場合は、応答情報をスマートスピーカ10へ送信した旨を印刷設定決定部34に通知する。
【0068】
[サーバ20の動作]
図9は、本実施の形態におけるサーバ20の動作例を示したフローチャートである。
【0069】
図示するように、サーバ20では、まず、受信部31が、スマートスピーカ10から要求情報を受信する(ステップ201)。
【0070】
次に、要求情報解析部33が、ステップ201で受信された要求情報が、複数の要求設定を含むかどうかを判定する(ステップ202)。
【0071】
ステップ202で要求情報が複数の要求設定を含むと判定されれば、要求情報解析部33は、その複数の要求設定が禁則関係にある2つの要求設定を含むかどうかを判定する(ステップ203)。
【0072】
ステップ203で複数の要求設定が禁則関係にある2つの要求設定を含むと判定されれば、要求情報解析部33は、その禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれているかどうかを判定する(ステップ204)。
【0073】
ステップ204で禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれていないと判定されたとする。つまり、禁則関係にある2つの要求設定が1つの発話単位に含まれていると判定されたとする。すると、要求情報解析部33は、後に発話された要求設定が強調して発話されたかどうかを判定する(ステップ205)。例えば、要求情報解析部33は、後に発話された要求情報がキーワードが付加されて発話されたかどうかを判定する。
【0074】
ステップ205で後に発話された要求設定が強調して発話されていないと判定されれば、印刷設定決定部34が、先に発話された要求設定を含む印刷設定を決定する(ステップ206)。つまり、印刷設定決定部34は、先に発話された要求設定と、禁則関係にない他の要求設定とを含み、後に発話された要求設定を含まない印刷設定を決定する。
【0075】
ステップ205で後に発話された要求設定が強調して発話されたと判定されれば、印刷設定決定部34が、後に発話された要求設定を含む印刷設定を決定する(ステップ208)。つまり、印刷設定決定部34は、後に発話された要求設定と、禁則関係にない他の要求設定とを含み、先に発話された要求設定を含まない印刷設定を決定する。
【0076】
ステップ204で禁則関係にある2つの要求設定がそれぞれ異なる発話単位に含まれていると判定されれば、印刷設定決定部34が、先の発話単位と後の発話単位との間にスマートスピーカ10が応答したかどうかを判定する(ステップ207)。そして、先の発話単位と後の発話単位との間にスマートスピーカ10が応答したと判定されれば、印刷設定決定部34は、後に発話された要求設定を含む印刷設定を決定する(ステップ208)。また、先の発話単位と後の発話単位との間にスマートスピーカ10が応答しなかったと判定されれば、印刷設定決定部34は、先に発話された要求設定を含む印刷設定を決定する(ステップ206)。
【0077】
ステップ202で要求情報が複数の要求設定を含まないと判定された場合、印刷設定決定部34は、全ての要求設定を含む印刷設定を決定する(ステップ209)。つまり、要求情報が1つの要求設定を含むと判定された場合、印刷設定決定部34は、その要求設定を含む印刷設定を決定する、また、ステップ203で複数の要求設定が禁則関係にある2つの要求設定を含まないと判定された場合も、印刷設定決定部34は、全ての要求設定を含む印刷設定を決定する(ステップ209)。
【0078】
次に、文書ファイル取得部35が、ステップ201で受信された要求情報によって特定される文書ファイルを取得する(ステップ210)。
【0079】
これにより、印刷データ生成部36が、ステップ206、ステップ208、又はステップ209で決定された印刷設定と、ステップ210で取得された文書ファイルとから、印刷データを生成する(ステップ211)。
【0080】
その後、送信部37が、その印刷設定でその文書ファイルを印刷する旨の応答を指示する応答情報をスマートスピーカ10へ送信する(ステップ212)。また、送信部37は、ステップ211で生成された印刷データを印刷装置40へ送信する(ステップ213)。これにより、印刷装置40では、印刷データに基づく画像が記録媒体に印刷される。
【0081】
[プロセッサ]
本実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0082】
また、本実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0083】
[プログラム]
本実施の形態におけるサーバ20が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0084】
即ち、本実施の形態を実現する第1のプログラムは、コンピュータに、ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付ける機能と、要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、発話音声において第1の設定が第2の設定よりも先に発話されていれば、第1の設定で処理が行われるように制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0085】
また、本実施の形態を実現する第2のプログラムは、コンピュータに、ユーザの発話音声に基づく処理の要求を受け付ける機能と、要求が禁則関係にある第1の設定及び第2の設定を含む場合に、第1の設定及び第2の設定のうち、画面の操作に基づく処理の要求を受け付けた際に選択される方とは異なる方の設定で処理が行われるように制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0086】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0087】
10…スマートスピーカ、20…サーバ、31…受信部、32…禁則関係記憶部、33…要求情報解析部、34…印刷設定決定部、35…文書ファイル取得部、36…印刷データ生成部、37…送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9