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特開2022-190954表情判定プログラム、表情判定装置、および表情判定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190954
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】表情判定プログラム、表情判定装置、および表情判定方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/20 20170101AFI20221220BHJP
【FI】
G06T7/20 300B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099500
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 昭嘉
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096DA02
5L096FA66
5L096FA72
5L096GA51
5L096HA02
5L096HA08
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】AUの推定のための訓練データを生成することが困難な場合があるという問題がある。
【解決手段】表情判定プログラムは、複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、複数のマーカのうち第1のマーカの撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、複数のマーカのうち第2のマーカの撮像画像における第2の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上であり、第2のマーカの第2の方向への移動量が第2の閾値以上であると判定された場合、第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する、処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、
前記複数のマーカのうち第1のマーカの前記撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて前記第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、前記複数のマーカのうち第2のマーカの前記撮像画像における第2の位置と前記第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、
前記第2のマーカの第2の方向への移動量が前記第2の閾値以上であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表情判定プログラム。
【請求項2】
前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定する処理は、前記第1のマーカの第1の方向への移動量に応じて、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を判定する処理を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の表情判定プログラム。
【請求項3】
前記撮像画像から前記第1のマーカおよび前記第2のマーカを除去した画像と、前記発生の強度とに基づいて、機械学習用の訓練データを生成する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項2に記載の表情判定プログラム。
【請求項4】
前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する処理は、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を発生なしに対応する度数に決定する処理を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の表情判定プログラム。
【請求項5】
前記複数のマーカのうち第3のマーカの前記撮像画像における第3の位置と第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、前記第3のマーカの第3の方向への移動量が第3の閾値以上か判定し、
前記複数のマーカのうち第4のマーカの前記撮像画像における第4の位置と前記第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、前記第4のマーカの第4の方向への移動量が第4の閾値以上か判定し、
前記第3のマーカの第3の方向への移動量が前記第3の閾値以上であり、前記第4のマーカの第4の方向への移動量が前記第4の閾値以上であると判定された場合、前記第2の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、前記第3のマーカの第3の方向への移動量と前記第4のマーカの第4の方向への移動量とのうち前記第3のマーカの第3の方向への移動量のみに応じて、前記第2の表情筋の動きの発生状態について、発生の強度を判定する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載の表情判定プログラム。
【請求項6】
前記顔が無表情の時の前記複数のマーカの位置に応じて、前記第1の閾値および前記第2の閾値を決定する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載の表情判定プログラム。
【請求項7】
複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、
前記複数のマーカのうち第1のマーカの前記撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて前記第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、前記複数のマーカのうち第2のマーカの前記撮像画像における第2の位置と前記第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、
前記第2のマーカの第2の方向への移動量が前記第2の閾値以上であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする表情判定装置。
【請求項8】
複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、
前記複数のマーカのうち第1のマーカの前記撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて前記第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、前記複数のマーカのうち第2のマーカの前記撮像画像における第2の位置と前記第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、
前記第2のマーカの第2の方向への移動量が前記第2の閾値以上であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする表情判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表情判定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ノンバーバルコミュニケーションにおいて、表情は重要な役割を果たしている。人を理解し人を支援するコンピュータを開発する上で、表情推定は必須の技術である。表情を推定するには、まず表情の記述方法を規定しなければならない。表情の記述方法として、AU(Action Unit:アクションユニット)が知られている。AUは、顔面筋の解剖学的知見に基づき定義された、表情表出に関与する顔面上の動作を示す。これまでAUを推定する技術も提案されている。
【0003】
AUを推定するAU推定エンジンの代表的な形態は、大量の訓練データに基づく機械学習をベースとし、訓練データとして、顔表情の画像データと、表情の判定結果である各AUのOccurrence(発生の有無)やIntensity(発生強度)が用いられる。また、訓練データのOccurrenceやIntensityは、Coder(コーダ)と呼ばれる専門家によりAnnotation(アノテーション)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-036734号公報
【特許文献2】特開2020-057111号公報
【特許文献3】米国特許第10339369号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2019/213403号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の手法には、表情推定のための訓練データを生成することが困難な場合があるという問題がある。例えば、コーダによるアノテーションでは、費用および時間のコストがかかるため、データを大量に作成することが困難である。また、顔画像の画像処理による顔の各部位の移動計測では、小さな変化を正確に捉えるのが困難であり、コンピュータが人の判断を介さずに顔画像から表情の判定を行うことは難しい。
【0006】
1つの側面では、顔画像から表情の判定を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様において、表情判定プログラムは、複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、複数のマーカのうち第1のマーカの撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、複数のマーカのうち第2のマーカの撮像画像における第2の位置と表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上であり、第2のマーカの第2の方向への移動量が第2の閾値以上であると判定された場合、第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
1つの側面では、顔画像から表情の判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態にかかる判定システムの構成例を示す図である。
図2図2は、本実施形態にかかるカメラの配置例を示す図である。
図3図3は、本実施形態にかかるマーカ移動の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態にかかる発生強度の判定方法の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態にかかる発生強度の判定方法の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態にかかる規定ベクトルに対する移動ベクトルの一例を示す図である。
図7図7は、AU発生の誤検知の一例を示す図である。
図8図8は、AU判定のための境界および領域の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態にかかる分離境界を用いたAU判定結果の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態にかかる判定装置の構成例を示すブロック図である。
図11図11は、本実施形態にかかるAU12の規定マーカおよびベクトルの一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態にかかるAU12のキャンセルマーカおよびベクトルの一例を示す図である。
図13図13は、本実施形態にかかるAU12発生時の移動ベクトルの一例を示す図である。
図14図14は、本実施形態にかかるAU12発生キャンセル時の移動ベクトルの一例を示す図である。
図15図15は、本実施形態にかかるAU09発生時の移動ベクトルの一例を示す図である。
図16図16は、本実施形態にかかるAU09発生キャンセル時の移動ベクトルの一例を示す図である。
図17図17は、本実施形態にかかるマーカ除去のためのマスク画像の生成方法の一例を示す図である。
図18図18は、本実施形態にかかるマーカの除去方法の一例を示す図である。
図19図19は、本実施形態にかかる判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図20図20は、本実施形態にかかる判定装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本実施形態に係る表情判定プログラム、表情判定装置、および表情判定方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本実施形態が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。実施例は、AUを一例に説明されるが、これに限られるものではない。
【0011】
図1を用いて、本実施形態に係る判定システムの構成を説明する。図1は、本実施形態にかかる判定システムの構成例を示す図である。図1に示すように、判定システム1は、RGB(Red Green Blue)カメラ31、IR(infrared:赤外線)カメラ32、判定装置10および機械学習装置20を有する。
【0012】
図1に示すように、まず、RGBカメラ31およびIRカメラ32は、マーカが付された人物の顔に向けられる。例えば、RGBカメラ31は一般的なデジタルカメラであり、可視光を受光し画像を生成する。また、例えば、IRカメラ32は、赤外線を感知する。また、マーカは、例えばIR反射(再帰性反射)マーカである。IRカメラ32は、マーカによるIR反射を利用してモーションキャプチャを行うことができる。また、以降の説明では、撮像対象の人物を被験者と呼ぶ。
【0013】
判定装置10は、RGBカメラ31によって撮像された画像やIRカメラ32によるモーションキャプチャの結果を取得する。そして、判定装置10は、AUの発生強度121を判定し、発生強度121と、撮像画像から画像処理によりマーカを削除した画像122とを機械学習装置20に対し出力する。例えば、発生強度121は、各AUの発生強度0~5の6段階評価で表現され、「AU1:2、AU2:5、AU4:0、…」のようにアノテーションが行われたデータであってもよい。また、発生強度121は、各AUの発生強度が、発生なしを意味する0と、AからEの5段階評価で表現され、「AU1:B、AU2:E、AU4:0、…」のようにアノテーションが行われたデータであってもよい。さらに、発生強度は、6段階評価で表現されるものに限られるものではなく、例えば2段階評価(発生の有無)によって表現されても良い。
【0014】
機械学習装置20は、判定装置10から出力された画像122およびAUの発生強度121を訓練データとして用いて機械学習を行い、画像からAUの発生強度の推定値を算出するための機械学習モデルを生成する。機械学習装置20は、AUの発生強度をラベルとして用いることができる。なお、機械学習装置20の処理は、判定装置10で行ってもよい。この場合、機械学習装置20は、判定システム1に含まれなくてよい。
【0015】
ここで、図2を用いて、カメラの配置について説明する。図2は、本実施形態にかかるカメラの配置例を示す図である。図2に示すように、複数のIRカメラ32がマーカトラッキングシステムに含まれていてもよい。その場合、マーカトラッキングシステムは、ステレオ撮像によりIR反射マーカの位置を検出することができる。また、複数のIRカメラ32のそれぞれの間の相対位置関係は、カメラキャリブレーションにより補正されているものとする。
【0016】
また、撮像される被験者の顔には、対象とするAU(例:AU1からAU28)をカバーするように、複数のマーカが付される。マーカの位置は、被験者の表情の変化に応じて変化する。例えば、マーカ401は、眉の根元付近に配置される。また、マーカ402およびマーカ403は、豊麗線の付近に配置される。マーカは、1つ以上のAUおよび表情筋の動きに対応した皮膚の上に配置されてもよい。また、マーカは、しわの寄りなどにより、テクスチャ変化が大きくなる皮膚の上を避けて配置されてもよい。
【0017】
さらに、被験者は、基準マーカが付された器具40を装着する。被験者の表情が変化しても、器具40に付された基準マーカの位置は変化しないものとする。このため、判定装置10は、基準マーカからの相対的な位置の変化により、顔に付されたマーカの位置の変化を検出することができる。また、判定装置10は、基準マーカとの位置関係を基に、各マーカの平面上または空間上の座標を特定することができる。なお、判定装置10は、マーカ位置を、基準座標系から定めてもよいし、基準面の投影位置から定めてもよい。また、基準マーカの数を3つ以上にすることで、判定装置10は、3次元空間におけるマーカ位置を特定することができる。
【0018】
器具40は、例えばヘッドバンドであり、顔の輪郭外に基準マーカを配置する。また、器具40は、VRヘッドセットおよび固い素材のマスクなどであってもよい。その場合、判定装置10は、器具40のリジッド表面を基準マーカとして利用することができる。
【0019】
判定装置10は、AUの判定基準と複数のマーカの位置とに基づいて、複数のAUのそれぞれの発生の有無を判定する。また、判定装置10は、複数のAUのうち、発生したと判定された1つ以上のAUに対して、発生強度を判定する。
【0020】
例えば、判定装置10は、判定基準に含まれる第1のAUが発生している場合に必ず動きのある第1のマーカの基準位置と、第1のマーカの位置との距離に基づいて算出した第1のマーカの移動量を基に、第1のAUの発生強度を判定する。なお、第1のマーカは、特定のAUに対応する1つ、あるいは複数マーカということができる。また、第1のマーカは、AUの発生および発生強度を決定するために使用するマーカと、AUの発生強度には影響を与えずAUの発生の判定のみに使用されるマーカとがあり得る。この場合、AUの発生および発生強度を決定するために使用するマーカと、AUの発生強度には影響を与えずAUの発生の判定のみに使用されるマーカとの両方が閾値以上の動きがある場合に、AUが発生していると判定されてよい。そして、AUの発生および発生強度を決定するために使用するマーカの動きの量のみに基づいてAUの発生強度が決定されてよい。
【0021】
AUの判定基準は、例えば、複数のマーカのうち、AU毎にAUの発生強度を判定するために使用される1つまたは複数のマーカを示す。AUの判定基準は、複数のマーカの基準位置を含んでもよい。AUの判定基準は、複数のAUのそれぞれについて、発生強度の判定に使用されるマーカの移動量と発生強度との関係(換算ルール)を含んでもよい。なお、マーカの基準位置は、被験者が無表情な状態(いずれのAUも発生していない)の撮像画像における複数のマーカの各位置に応じて定められてもよい。
【0022】
ここで、図3を用いて、マーカの移動について説明する。図3は、本実施形態にかかるマーカ移動の一例を示す図である。図3の(a)、(b)、(c)は、RGBカメラ31によって撮像された画像である。また、画像は、(a)、(b)、(c)の順で撮像されたものとする。例えば、(a)は、被験者が無表情であるときの画像である。判定装置10は、(a)の画像のマーカの位置を、移動量が0の基準位置とみなすことができる。
【0023】
図3に示すように、被験者は、眉を寄せるような表情を取っている。このとき、表情の変化に従い、マーカ401の位置は下方向に移動している。その際、マーカ401の位置と、器具40に付された基準マーカとの間の距離は大きくなっている。
【0024】
また、マーカ401の基準マーカからのX方向およびY方向の距離の変動値は、図4のように表される。図4は、本実施形態にかかる発生強度の判定方法の一例を示す図である。図4に示すように、判定装置10は、マーカ401の基準マーカからのX方向およびY方向の距離の変動値を発生強度に換算することができる。なお、発生強度は、FACS(Facial Action Coding System)に準じて5段階に量子化されたものであってもよいし、変動量に基づく連続量として定義されたものであってもよい。
【0025】
なお、判定装置10が変動量を発生強度に換算するルールとしては、様々なものが考えられる。判定装置10は、定められた1つのルールに従って換算を行ってもよいし、複数のルールで換算を行い、最も発生強度が大きいものを採用するようにしてもよい。
【0026】
例えば、判定装置10は、被験者が最大限表情を変化させたときの変動量である最大変動量を取得しておき、変動量の最大変動量に対する割合に基づいて発生強度を換算してもよい。また、判定装置10は、従来手法によりコーダがタグ付けしたデータを用いて最大変動量を定めておいてもよい。また、判定装置10は、変動量を発生強度にリニアに換算してもよい。また、判定装置10は、複数の被験者の事前測定から作成された近似式を用いて換算を行ってもよい。
【0027】
また、例えば、判定装置10は、判定基準として設定された位置と、第1のマーカの位置とに基づいて算出した第1のマーカの移動ベクトルを基に発生強度を判定することができる。この場合、判定装置10は、第1のマーカの移動ベクトルと、第1のAUに対して対応付けられた規定ベクトルとの合致度合いを基に、第1のAUの発生強度を判定する。また、判定装置10は、既存のAU推定エンジンを使って、ベクトルの大きさと発生強度の対応を補正してもよい。
【0028】
AUの発生強度の判定方法をより具体的に説明する。図5は、本実施形態にかかる発生強度の判定方法の一例を示す図である。例えば、AU4に対応する規定ベクトルが(X,Y)=(-2mm,-6mm)のように定められているものとする。このとき、判定装置10は、マーカ401の移動ベクトルと規定ベクトルとの内積を算出し、規定ベクトルの大きさで規格化する。ここで、内積がAU4の規定ベクトルの大きさと一致すれば、判定装置10は、AU4の発生強度を5段階中の5と判定する。一方、内積がAU4の規定ベクトルの半分であれば、例えば、前述のリニアな換算ルールの場合は、判定装置10は、AU4の発生強度を5段階中の3と判定する。
【0029】
また、例えば、図5において、AU11に対応する規定ベクトルの大きさが3mmのように定められているものとする。このとき、判定装置10は、マーカ402とマーカ403の間の距離の変動量がAU11の規定ベクトルの大きさと一致すれば、AU11の発生強度を5段階中の5と判定する。一方、距離の変動量がAU11の規定ベクトルの半分であれば、例えば、前述のリニアな換算ルールの場合は、判定装置10は、AU11の発生強度を5段階中の3と判定する。このように、判定装置10は、第1のマーカの位置および第2のマーカの位置との間の距離の変化を基に、発生強度を判定することもできる。
【0030】
ところで、各マーカの移動ベクトルには分散が発生し得、規定ベクトルの判定方向と完全には一致しない場合がある。図6は、本実施形態にかかる規定ベクトルに対する移動ベクトルの一例を示す図である。図6の例では、マーカ404に対応付けられたAU4の規定ベクトル411と、マーカ404の移動ベクトル421および422とが示されている。
【0031】
図6に示すように、例えば、AU4の規定ベクトル411に対し、マーカ404の移動ベクトル421や422によって示される方向にはズレが生じている。あくまでも一例であるが、このように、マーカ404の移動ベクトルは、分散範囲501内で分散し得る。
【0032】
しかしながら、移動ベクトルの分散が発生しても、移動ベクトルと規定ベクトルとの内積を算出することで、規定ベクトルに対応したAUの発生強度を判定できる。図6では、内積431が移動ベクトル421と規定ベクトル411との内積である。図5を用いて具体的に説明したように、内積431によって規定ベクトル411に対応したAU4の発生強度を判定できる。なお、図6では、内積431を便宜上、規定ベクトル411と若干ずらして示しているが、実際には重なっている。
【0033】
このように、AUの規定ベクトルと移動ベクトルとの内積やマーカ間距離の変動量に基づいてAUの発生強度を判定できる。しかしながら、対象とするAUが発生している場合に必ず動きのあるマーカが、対象とするAUが発生してない時にも他の表情、すなわち他のAUの発生時に対応して動いてしまうことがある。そのため、実際には発生していないAUの発生を誤検知してしまうことがある。
【0034】
図7は、AU発生の誤検知の一例を示す図である。図7の例は、AU12が発生している場合に必ず動きのあるマーカ405がAU20発生時の表情筋の動きにより移動し、移動ベクトル424が発生したことを示している。移動ベクトル424の発生により、判定装置10は、マーカ405に対するAU12の規定ベクトル412と、移動ベクトル424との内積433を算出し発生強度を判定するため、実際には発生していないAU12の発生を誤検知してしまう。
【0035】
このようなAU発生の誤検知を回避するため、例えば、ベクトル空間内に分離境界を設け、移動ベクトルを含む領域によってAUの判定を試みる。図8は、AU判定のための境界および領域の一例を示す図である。図8に示すように、AU12に対応付けられたマーカ405に対し、判定領域502および503に分かれるように境界を設ける。そして、判定装置10は、移動ベクトルが判定領域502に含まれる場合はAU12の発生あり、判定領域503に含まれる場合はAU12の発生なしと判定する。
【0036】
図9は、本実施形態にかかる分離境界を用いたAU判定結果の一例を示す図である。図9は、時間経過と共に表情を様々に変化させた場合のAU12の発生強度の判定結果であり、上のグラフは判定領域502による判定結果、下のグラフは判定領域503による判定結果をそれぞれ示す。また、それぞれのグラフには正解と思われるAU12の発生強度を重ねて示している。
【0037】
図9の判定結果を参照すると破線枠内に示した部分の判定結果に正解との大きな誤差が生じており、分離境界をずらし判定領域502および503の範囲を調整しても、これらの誤差のいずれかは残ってしまう。または、新たに大きな誤差が生じてしまう可能性もある。このように、対象のAUに対する分離境界を用いた判定、延いては図7に示したような対象のAUが発生している場合に必ず動きのあるマーカの動きのみによる判定では、対象のAUを過不足なく検知することが困難な場合がある。
【0038】
そこで、本実施形態では、対象のAUの判定を行うために、対象のAUが発生している場合に必ず動きのあるマーカのみならず、それ以外のマーカの動きによってAUの判定を行う。
【0039】
[判定装置10の機能構成]
図10を用いて、本実施形態にかかる判定装置10の機能構成を説明する。図10は、本実施形態にかかる判定装置の構成例を示すブロック図である。図10に示すように、判定装置10は、入力部11、出力部12、記憶部13、および制御部14を有する。
【0040】
入力部11は、例えば、RGBカメラ31、IRカメラ32、マウス、およびキーボードなどの入力装置を介してデータの入力を受け付ける。例えば、RGBカメラ31によって撮像された画像およびIRカメラ32によるモーションキャプチャの結果を入力する。また、出力部12は、例えば、ディスプレイなどの出力装置にデータを出力する。例えば、AUの発生強度121と、撮像画像から画像処理によりマーカを削除した画像122とを出力する。
【0041】
記憶部13は、データや制御部14が実行するプログラムなどを記憶する機能を有し、例えばハードディスクやメモリなどの記憶装置により実現される。記憶部13は、AU情報131、およびAU発生強度推定モデル132を記憶する。
【0042】
AU情報131は、マーカとAUの対応関係を表す情報である。例えば、各マーカの基準位置、各マーカに対応する1つまたは複数のAU、各AUの規定ベクトルの方向と大きさを対応付けて格納する。
【0043】
AU発生強度推定モデル132は、マーカを除去した撮像画像を特徴量とし、AUの発生強度を正解ラベルとして機械学習により生成した機械学習モデルである。
【0044】
制御部14は、判定装置10全体を司る処理部であり、取得部141、算出部142、判定部143、および生成部144を有する。
【0045】
取得部141は、顔を含む撮像画像を取得する。例えば、取得部141は、複数のAUに対応する複数の基準位置にマーカを付した被験者の顔を含む連続で撮像された撮像画像群を取得する。取得部141によって取得される撮像画像は、上述したようにRGBカメラ31やIRカメラ32によって撮像される。
【0046】
ここで、RGBカメラ31およびIRカメラ32による撮像が行われる際、被験者は表情を変化させていく。この際、被験者は、自由に表情を変化させてもよいし、定められたシナリオに沿って表情を変化させてもよい。これにより、RGBカメラ31およびIRカメラ32は、時系列に沿って表情が変化していく様子を画像として撮像することができる。また、RGBカメラ31は、動画による撮影を行うこともできる。すなわち、動画は、時系列に並べられた複数の静止画とみなすことができる。
【0047】
算出部142は、撮像画像に含まれるマーカの位置に基づいて移動ベクトルを算出する。例えば、算出部142は、撮像画像のマーカの基準位置から、被験者の表情変化によって移動したマーカの移動量と移動方向を導出する。また、算出部142は、移動ベクトルと、AUの判定方向を示す規定ベクトルとの内積を算出する。
【0048】
判定部143は、上述したように、各規定ベクトルに基づいて、それぞれに対応するAUの発生強度を判定する。また、判定部143は、発生強度のみならず、移動ベクトルまたは移動ベクトルと規定ベクトルとの内積により示されるマーカの移動量が所定の閾値を超過するかに基づいて、AUの発生の有無を判定することもできる。この点について図11を用いて具体例を挙げて説明する。
【0049】
図11は、本実施形態にかかるAU12の規定マーカおよびベクトルの一例を示す図である。図11に示すように、判定部143は、AU12に対応付けられたマーカ405の移動ベクトル423とAU12の規定ベクトル412との内積432が所定の閾値をどれくらい超過するかに基づいてAU12の発生強度を判定する。
【0050】
また、上述したように、対象のAUが発生している場合に必ず動きのあるマーカの動きのみでは対象のAUの判定が正しく行われない場合があり得る。そのため、判定部143は、対象のAUが発生している場合に必ず動きのあるマーカのみならず、当該マーカ以外の他のマーカ(以下、「キャンセルマーカ」という場合がある)の動きによって対象のAUの判定を行う。具体的には後述するが、判定部143は、キャンセルマーカの動きによって、対象のAUの発生有無を判定する。
【0051】
図12は、本実施形態にかかるAU12のキャンセルマーカおよびベクトルの一例を示す図である。図12は、AU12が発生している場合に必ず動きのあるマーカ405以外のキャンセルマーカ441を示している。キャンセルマーカ441の場合もAUの規定マーカ同様、キャンセルマーカ441の移動ベクトル425と、AU12の発生キャンセルを規定するキャンセルベクトル451との内積434が算出される。そして、判定部143は、例えば、内積434が所定の閾値以上の場合、AU12の発生はなしと判定する。これは、例えば、AU12に対応付けられたマーカ405の動きによってAU12の発生強度が1以上あり、AU12が発生したと判定された場合であっても、AU12の発生はなしと判定するものである。この場合、判定部143は、AU12の発生強度を0とすることができる。
【0052】
キャンセルマーカを用いたAU判定について、図13および図14を用いてより具体的に説明する。図13は、本実施形態にかかるAU12発生時の移動ベクトルの一例を示す図である。AU12は、被験者が笑った場合に発生するAUであり、図13の例は、被験者が笑顔をした際のAU12が発生している場合に必ず動きのあるマーカ405とAU12のキャンセルマーカ441との動きを示している。
【0053】
図13の例では、マーカ405の移動に伴い発生した、規定ベクトル412に対する内積432が所定の閾値以上あるため、判定部143は、AU12が発生したと判定する。一方、キャンセルマーカ441の移動に伴い発生したキャンセルベクトル451に対する内積435は、キャンセルベクトル451と真逆の方向に発生しており、内積435は0となる。この場合、AU12の発生をキャンセルするようなキャンセルマーカ441の動きは発生していないため、判定部143は、マーカ405の動きによる判定結果、すなわち、AU12が発生したという判定結果を維持する。
【0054】
なお、図13の例では、説明を解り易くするために、キャンセルマーカ441の動きについて極端な例を示したが、AU12の発生時は、キャンセルマーカ441の動きがほぼない場合もあり得る。また、図13の例では、内積435が0の場合を示したが、判定部143は、例えば、内積435が所定の閾値未満の場合に、AU12の発生をキャンセルするようなキャンセルマーカ441の動きは発生していないと判定できる。
【0055】
次に、AU12の発生をキャンセルする場合の例を説明する。図14は、本実施形態にかかるAU12発生キャンセル時の移動ベクトルの一例を示す図である。図14の例は、被験者が唇を押さえつけるような表情、または口角を外側に引っ張るような表情をした際のAU12が発生している場合に必ず動きのあるマーカ405と、マーカ408との動きを示している。なお、被験者が唇を押さえつけるような表情の場合はAU16、口角を外側に引っ張るような表情の場合はAU20が発生し、いずれの場合もAU12の発生はなしが正しい判定結果である。
【0056】
まず、図14の例でも、マーカ405の移動ベクトル424によって規定ベクトル412に対する内積432が所定の閾値以上あるため、判定部143は、AU12が発生したと判定する。しかしながら、マーカ408の移動に伴い発生した規定ベクトル414に対する内積434も所定の閾値以上あるため、判定部143は、AU12の発生はなしと判定する。また、各表情によるマーカの移動量や顔の大きさは被験者によって異なるため、各閾値は、例えば、被験者ごとに無表情時の各マーカの位置に応じて決定されてよい。また、特定のAUに対して2つ以上のキャンセルマーカが設定されてもよい。なお、特定のAUに対して2つ以上のキャンセルマーカが設定されている場合、少なくとも1つのキャンセルマーカが閾値以上であれば特定のAUの発生はなしと判定されてよい。または、特定のAUに対して設定された全てのキャンセルマーカが閾値以上であれば特定のAUの発生はなしと判定されてもよい。
【0057】
図13および図14を用いてキャンセルマーカを用いたAU判定について説明したが、次にマーカ間距離によるAU判定についても具体的に説明する。図15は、本実施形態にかかるAU09発生時の移動ベクトルの一例を示す図である。AU09は、被験者が顔をしかめた場合に発生するAUであり、図15の例は、被験者がしかめっ面をした際のAU09に対応付けられたマーカ406と他のマーカ407との動きを示している。
【0058】
図15の例では、マーカ406の移動に伴い発生した、規定ベクトル413に対する内積436が所定の閾値以上あるため、判定部143は、AU09が発生したと判定する。また、マーカ406の移動に伴い、マーカ406とマーカ407との間の距離が無表情時と比較して短くなったため、判定部143は、マーカ406の動きによる判定結果、すなわち、AU09が発生したという判定結果を維持する。
【0059】
なお、マーカ406とマーカ407との間の距離の判定に対して所定の閾値を設け、マーカ間の距離が当該閾値以下になった場合に、判定部143は、マーカ間距離が短くなったと判定してもよい。また、当該閾値も、AUの規定ベクトルに対する内積の閾値と異なる値であってよいし、被験者ごとに無表情時の各マーカの位置に応じて決定されてよい。
【0060】
次に、AU09の発生をキャンセルする場合の例を説明する。図16は、本実施形態にかかるAU09発生キャンセル時の移動ベクトルの一例を示す図である。図16の例は、被験者が驚いた表情をした際のAU09に対応付けられたマーカ406と他のマーカ407との動きを示している。なお、被験者が驚いた表情場合、AU09の発生はなしが正しい判定結果である。
【0061】
まず、図16の例でも、マーカ406の移動に伴い発生した、規定ベクトル413に対する内積436が所定の閾値以上あるため、判定部143は、AU09が発生したと判定する。しかしながら、マーカ406が移動に伴い、マーカ406とマーカ407との間の距離が無表情時と比較して長くなった、または変わらないため、判定部143は、AU09の発生はなしと判定する。また、ここでのマーカ間距離の判定も所定の閾値を用いて行われてもよい。
【0062】
図10に戻り、生成部144は、撮像画像群とAUの発生強度とを対応付けたデータセットを作成する。当該データセットを用いた機械学習を行うことにより、撮像画像群からAUの発生強度の推定値を算出するための機械学習モデルであるAU発生強度推定モデル132が生成される。また、生成部144は、撮像画像群から画像処理によりマーカを除去する。
【0063】
生成部144は、マスク画像を用いてマーカを除去することができる。図17は、本実施形態にかかるマーカ除去のためのマスク画像の生成方法を説明する説明図である。図17の(a)は、RGBカメラ31によって撮像された画像である。まず、生成部144は、意図的に付けられたマーカの色を抽出して代表色として定義する。そして、図17の(b)のように、生成部144は、代表色近傍の色の領域画像を生成する。さらに、図17の(c)のように、生成部144は、代表色近傍の色の領域に対し収縮、膨張などの処理を行い、マーカ除去用のマスク画像を生成する。また、マーカの色を顔の色としては存在しにくい色に設定しておくことで、マーカの色の抽出精度を向上させてもよい。
【0064】
図18は、本実施形態にかかるマーカの除去方法を説明する説明図である。図18に示すように、まず、生成部144は、動画から取得した静止画に対し、マスク画像を適用する。さらに、生成部144は、マスク画像を適用した画像を例えばニューラルネットワークに入力し、処理済みの画像を得る。なお、ニューラルネットワークは、被験者のマスクありの画像およびマスクなしの画像などを用いて訓練済みであるものとする。なお、動画から静止画を取得することにより、表情変化の途中データが得られることや、短時間で大量のデータが得られることがメリットとして生じる。また、ニューラルネットワークとして、GMCNN(Generative Multi-column Convolutional Neural Networks)やGAN(Generative Adversarial Networks)が用いられてもよい。
【0065】
なお、生成部144がマーカを除去する方法は、上記のものに限られない。例えば、生成部144は、定められたマーカの形状を基にマーカの位置を検出し、マスク画像を生成してもよい。また、IRカメラ32とRGBカメラ31の相対位置のキャリブレーションを事前に行うようにしてもよい。この場合、生成部144は、IRカメラ32によるマーカトラッキングの情報からマーカの位置を検出してもよい。
【0066】
また、生成部144は、マーカにより異なる検出方法を採用してもよい。例えば、鼻上のマーカは動きが少なく、形状を認識しやすいため、生成部144は、形状認識により位置を検出してもよい。また、口横のマーカは動きが大きく、形状を認識しにくいため、生成部144は、代表色を抽出する方法で位置を検出してもよい。
【0067】
[処理の流れ]
次に、図19を用いて、判定装置10によるAUの発生強度の判定処理の流れを説明する。図19は、本実施形態にかかる判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0068】
図19に示すように、まず、判定装置10は、複数のAUのそれぞれに対応する各基準位置にマーカを付した被験者の顔を含む撮像画像群を取得する(ステップS101)。
【0069】
次に、判定装置10は、ステップS101で取得した撮像画像に含まれるマーカの位置に基づいて移動ベクトルを算出する(ステップS102)。
【0070】
次に、判定装置10は、ステップS102で取得した移動ベクトルと、対応する規定ベクトルとの内積を算出する(ステップS103)。なお、内積の算出は、各AUについて実行される。
【0071】
次に、判定装置10は、AU発生のキャンセルについて判定する(ステップS104)。AU発生キャンセルの判定について、図12~14を用いて説明したように、例えば、発生していると判定されたAUに対応するキャンセルマーカの移動ベクトルと規定ベクトルとの内積が所定の閾値以上であるか否かを判定する。または、図15および16を用いて説明したように、例えば、発生していると判定されたAUが発生している場合に必ず動きのあるマーカと他のマーカとのマーカ間距離が所定の閾値未満であるか否かを判定する。
【0072】
AU発生のキャンセルが発生していると判定された場合(ステップS104:Yes)、判定装置10は、対象のAUの発生はなしとする(ステップS105)。ステップS105の実行後、図19に示す判定処理は終了する。
【0073】
一方、AU発生のキャンセルは発生していないと判定された場合(ステップS104:No)、ステップS103で算出した内積に基づいて、対象のAUの発生有無について判定する(ステップS106)。ステップS103で算出した内積が所定の閾値未満であり対象のAUは発生していないと判定される場合(ステップS106:No)、判定装置10は、対象のAUの発生はなしとしステップS105)、図19に示す判定処理は終了する。なお、対象のAUの発生有無についての判定は、ステップS104のAU発生のキャンセルについての判定より先に行われてもよい。この場合、対象のAUが発生していると判定された場合に、当該AU発生のキャンセルについて判定が行われてよい。
【0074】
一方、対象のAUが発生していると判定される場合(ステップS106:Yes)、判定装置10は、ステップS103で算出した内積に基づいて対象のAUの発生強度を算出する(ステップS107)。なお、ステップS107におけるAUの発生強度の算出は、内積でなく、マーカ間距離に基づいて実行されてもよい。ステップS107の実行後、図19に示す判定処理は終了する。
【0075】
[効果]
上述したように、判定装置10は、複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、複数のマーカのうち第1のマーカの撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、複数のマーカのうち第2のマーカの撮像画像における第2の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上であり、第2のマーカの第2の方向への移動量が第2の閾値以上であると判定された場合、第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する。
【0076】
これにより、判定装置10は、対象のAUが発生している場合に必ず動きのあるマーカの動きのみによる判定では、対象のAUを過不足なく検知することは困難な場合であっても顔画像から表情の判定をより正確に行うことができる。
【0077】
また、判定装置10は、第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定する処理は、第1のマーカの第1の方向への移動量に応じて、第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を判定する。
【0078】
これにより、判定装置10は、顔画像から表情の判定をより正確に行うことができる。
【0079】
また、判定装置10は、撮像画像から第1のマーカおよび第2のマーカを除去した画像と、発生の強度とに基づいて、機械学習用の訓練データを生成する。
【0080】
これにより、判定装置10は、顔画像から表情の判定をより正確に行うことができる機械学習モデルのための訓練データを生成できる。
【0081】
また、判定装置10は、第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する処理は、第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を発生なしに対応する度数に決定する処理を含む。
【0082】
これにより、判定装置10は、顔画像から表情の判定をより正確に行うことができる。
【0083】
また、判定装置10は、複数のマーカのうち第3のマーカの撮像画像における第3の位置と第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、第3のマーカの第3の方向への移動量が第3の閾値以上か判定し、複数のマーカのうち第4のマーカの撮像画像における第4の位置と第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、第4のマーカの第4の方向への移動量が第4の閾値以上か判定し、第3のマーカの第3の方向への移動量が第3の閾値以上であり、第4のマーカの第4の方向への移動量が第4の閾値以上であると判定された場合、第2の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、第3のマーカの第3の方向への移動量と第4のマーカの第4の方向への移動量とのうち第3のマーカの第3の方向への移動量のみに応じて、第2の表情筋の動きの発生状態について、発生の強度を判定する。
【0084】
これにより、判定装置10は、顔画像から表情の判定をより正確に行うことができる。
【0085】
また、判定装置10は、複数のマーカのうち第3のマーカと第4のマーカと間の距離に基づいて、表情筋の動きの発生有無を判定する。
【0086】
これにより、判定装置10は、対象のAUが発生している場合に必ず動きのあるマーカの動きのみによる判定では、対象のAUを過不足なく検知することは困難な場合であっても顔画像から表情の判定をより正確に行うことができる。
【0087】
また、判定装置10は、顔が無表情の時の複数のマーカの位置に応じて、第1の閾値および第2の閾値を決定する。
【0088】
これにより、判定装置10は、個々に顔の大きさが異なる被験者に対しても、顔画像から表情の判定をより正確に行うことができる。
【0089】
[システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更されてもよい。また、実施例で説明した具体例、分布、数値などは、あくまで一例であり、任意に変更されてもよい。
【0090】
また、各装置の構成要素の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。例えば、判定装置10の算出部142が複数の処理部に分散されたり、判定装置10の算出部142と判定部143とが1つの処理部に統合されたりしてもよい。つまり、その構成要素の全部または一部は、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合されてもよい。さらに、各装置の各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0091】
図20は、本実施形態にかかる判定装置のハードウェア構成例を示す図である。図20に示すように、判定装置10は、通信インタフェース10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図15に示した各部は、バスなどで相互に接続される。
【0092】
通信インタフェース10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図9などに示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0093】
プロセッサ10dは、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などである。また、プロセッサ10dは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されるようにしてもよい。プロセッサ10dは、図9などに示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10bなどから読み出してメモリ10cに展開することで、図10などで説明した各機能を実現するプロセスを実行するハードウェア回路である。
【0094】
また、判定装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、判定装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、上記実施例が同様に適用されてよい。
【0095】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布されてもよい。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行されてもよい。
【0096】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0097】
(付記1)複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、
前記複数のマーカのうち第1のマーカの前記撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、前記第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、
前記複数のマーカのうち第2のマーカの前記撮像画像における第2の位置と前記第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、
前記第2のマーカの第2の方向への移動量が前記第2の閾値以上であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表情判定プログラム。
【0098】
(付記2)前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定する処理は、前記第1のマーカの第1の方向への移動量に応じて、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を判定する処理を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の表情判定プログラム。
【0099】
(付記3)前記撮像画像から前記第1のマーカおよび前記第2のマーカを除去した画像と、前記発生の強度とに基づいて、機械学習用の訓練データを生成する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする付記2に記載の表情判定プログラム。
【0100】
(付記4)前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する処理は、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を発生なしに対応する度数に決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の表情判定プログラム。
【0101】
(付記5)前記複数のマーカのうち第3のマーカの前記撮像画像における第3の位置と第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、前記第3のマーカの第3の方向への移動量が第3の閾値以上か判定し、
前記複数のマーカのうち第4のマーカの前記撮像画像における第4の位置と前記第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、前記第4のマーカの第4の方向への移動量が第4の閾値以上か判定し、
前記第3のマーカの第3の方向への移動量が前記第3の閾値以上であり、前記第4のマーカの第4の方向への移動量が前記第4の閾値以上であると判定された場合、前記第2の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、前記第3のマーカの第3の方向への移動量と前記第4のマーカの第4の方向への移動量とのうち前記第3のマーカの第3の方向への移動量のみに応じて、前記第2の表情筋の動きの発生状態について、発生の強度を判定する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする付記1に記載の表情判定プログラム。
【0102】
(付記6)前記複数のマーカのうち第3のマーカと第4のマーカと間の距離に基づいて、前記表情筋の動きの発生有無を判定する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする付記1に記載の表情判定プログラム。
【0103】
(付記7)前記顔が無表情の時の前記複数のマーカの位置に応じて、前記第1の閾値および前記第2の閾値を決定する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする付記1に記載の表情判定プログラム。
【0104】
(付記8)複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、
前記複数のマーカのうち第1のマーカの前記撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて前記第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、前記複数のマーカのうち第2のマーカの前記撮像画像における第2の位置と前記第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、
前記第2のマーカの第2の方向への移動量が前記第2の閾値以上であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする表情判定装置。
【0105】
(付記9)前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定する処理は、前記第1のマーカの第1の方向への移動量に応じて、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を判定する処理を含む、
ことを特徴とする付記8に記載の表情判定装置。
【0106】
(付記10)前記撮像画像から前記第1のマーカおよび前記第2のマーカを除去した画像と、前記発生の強度とに基づいて、機械学習用の訓練データを生成する、
処理を前記制御部にさらに実行させることを特徴とする付記9に記載の表情判定装置。
【0107】
(付記11)前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する処理は、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を発生なしに対応する度数に決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記8に記載の表情判定装置。
【0108】
(付記12)前記複数のマーカのうち第3のマーカの前記撮像画像における第3の位置と第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、前記第3のマーカの第3の方向への移動量が第3の閾値以上か判定し、
前記複数のマーカのうち第4のマーカの前記撮像画像における第4の位置と前記第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、前記第4のマーカの第4の方向への移動量が第4の閾値以上か判定し、
前記第3のマーカの第3の方向への移動量が前記第3の閾値以上であり、前記第4のマーカの第4の方向への移動量が前記第4の閾値以上であると判定された場合、前記第2の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、前記第3のマーカの第3の方向への移動量と前記第4のマーカの第4の方向への移動量とのうち前記第3のマーカの第3の方向への移動量のみに応じて、前記第2の表情筋の動きの発生状態について、発生の強度を判定する、
処理を前記制御部にさらに実行させることを特徴とする付記8に記載の表情判定装置。
【0109】
(付記13)前記複数のマーカのうち第3のマーカと第4のマーカと間の距離に基づいて、前記表情筋の動きの発生有無を判定する、
処理を前記制御部にさらに実行させることを特徴とする付記8に記載の表情判定装置。
【0110】
(付記14)前記顔が無表情の時の前記複数のマーカの位置に応じて、前記第1の閾値および前記第2の閾値を決定する、
処理を前記制御部にさらに実行させることを特徴とする付記8に記載の表情判定装置。
【0111】
(付記15)複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、
前記複数のマーカのうち第1のマーカの前記撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて前記第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、前記複数のマーカのうち第2のマーカの前記撮像画像における第2の位置と前記第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、
前記第2のマーカの第2の方向への移動量が前記第2の閾値以上であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする表情判定方法。
【0112】
(付記16)前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定する処理は、前記第1のマーカの第1の方向への移動量に応じて、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を判定する処理を含む、
ことを特徴とする付記15に記載の表情判定方法。
【0113】
(付記17)前記撮像画像から前記第1のマーカおよび前記第2のマーカを除去した画像と、前記発生の強度とに基づいて、機械学習用の訓練データを生成する、
処理を前記コンピュータがさらに実行することを特徴とする付記16に記載の表情判定方法。
【0114】
(付記18)前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する処理は、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生の強度を発生なしに対応する度数に決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記17に記載の表情判定方法。
【0115】
(付記19)前記複数のマーカのうち第3のマーカの前記撮像画像における第3の位置と第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、前記第3のマーカの第3の方向への移動量が第3の閾値以上か判定し、
前記複数のマーカのうち第4のマーカの前記撮像画像における第4の位置と前記第2の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて、前記第4のマーカの第4の方向への移動量が第4の閾値以上か判定し、
前記第3のマーカの第3の方向への移動量が前記第3の閾値以上であり、前記第4のマーカの第4の方向への移動量が前記第4の閾値以下であると判定された場合、前記第2の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、前記第3のマーカの第3の方向への移動量と前記第4のマーカの第4の方向への移動量とのうち前記第3のマーカの第3の方向への移動量のみに応じて、前記第2の表情筋の動きの発生状態について、発生の強度を判定する、
処理を前記コンピュータがさらに実行することを特徴とする付記15に記載の表情判定方法。
【0116】
(付記20)前記複数のマーカのうち第3のマーカと第4のマーカと間の距離に基づいて、前記表情筋の動きの発生有無を判定する、
処理を前記コンピュータがさらに実行することを特徴とする付記15に記載の表情判定方法。
【0117】
(付記21)前記顔が無表情の時の前記複数のマーカの位置に応じて、前記第1の閾値および前記第2の閾値を決定する、
処理を前記コンピュータがさらに実行することを特徴とする付記15に記載の表情判定方法。
【0118】
(付記22)プロセッサと、
前記プロセッサに動作可能に接続されたメモリと
を備えた表情判定装置であって、前記プロセッサは、
複数のマーカを付した顔を含む撮像画像を取得し、
前記複数のマーカのうち第1のマーカの前記撮像画像における第1の位置と第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて前記第1のマーカの第1の方向への移動量が第1の閾値以上か判定され、前記複数のマーカのうち第2のマーカの前記撮像画像における第2の位置と前記第1の表情筋の動きの発生状態の判定基準とに基づいて第2の方向への移動量が第2の閾値未満であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生ありと判定し、
前記第2のマーカの第2の方向への移動量が前記第2の閾値以上であると判定された場合、前記第1の表情筋の動きの発生状態について発生なしと判定する、
処理を実行することを特徴とする表情判定装置。
【符号の説明】
【0119】
1 判定システム
10 判定装置
10a 通信インタフェース
10b HDD
10c メモリ
10d プロセッサ
11 入力部
12 出力部
13 記憶部
14 制御部
20 機械学習装置
31 RGBカメラ
32 IRカメラ
40 器具
121 発生強度
122 画像
131 AU情報
132 AU発生強度推定モデル
141 取得部
142 算出部
143 判定部
144 生成部
401、402、403、404、405、406、407、408 マーカ
411、412、413、414 規定ベクトル
421、422、423、424、425 移動ベクトル
431、432、433、434、435、436 内積
441 キャンセルマーカ
451 キャンセルベクトル
501 分散範囲
502、503 判定領域
図1
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