(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190976
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】検温消毒装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20221220BHJP
A47K 7/04 20060101ALI20221220BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20221220BHJP
G01J 5/48 20220101ALI20221220BHJP
A61B 5/01 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
A61L2/18
A47K7/04
A61L2/24
G01J5/48 A
A61B5/01 350
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099544
(22)【出願日】2021-06-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】506291313
【氏名又は名称】株式会社エーワン
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】福間 二郎
【テーマコード(参考)】
2D134
2G066
4C058
4C117
【Fターム(参考)】
2D134DA00
2G066AC13
2G066CA02
2G066CA15
2G066CA16
4C058AA29
4C058BB07
4C058DD01
4C058DD13
4C058JJ06
4C058JJ24
4C117XE48
(57)【要約】
【課題】 正確な検温及び効果的な手の消毒の両方を自動的かつ円滑に行うことができる検温消毒装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 制御部60は、第1の手検知部21が手を検知したという第1の条件と、第2の手検知部22が手を検知した後に一定時間内に第1の手検知部21が手を検知していないという第2の条件と、手Hが手挿入空間10a内で第1の手検知部21と手Hとの距離が所定範囲内である第3の条件との全てを満たしたことを条件に、手Hが所定位置にあると判断する。満たしたと判断すると、手Hが所定位置にあると判断して、検温動作及び消毒液噴射動作を行う。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井部と当該天井部と対向する底部とを有し、手を挿入するための正面側開口部と当該正面側開口部の反対側で当該正面側開口部と対向して位置する背面側開口部とを備えた手挿入空間を形成する手挿入空間形成部と、
前記手挿入空間内に配置された手との間の距離を検出する第1の手検知部と、
前記第1の手検知部より前記背面側開口部側の前記手挿入空間内の手の位置を検知する第2の手検知部と、
前記手挿入空間内の所定位置に配置された手の検温を行う検温部と、
前記所定位置に配置された手のひらに消毒液を噴射する消毒液噴射部と、
各部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の検知部が手を検知したという第1の条件と、前記第2の検知部が手を検知した後に前記第1の検知部が手を検知していないとい第2の条件とを満たしたことを条件に、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う
検温消毒装置。
【請求項2】
前記手挿入空間内の前記天井部と前記底部との間を高さ、前記正面側開口部と前記第2の開口後部との間を奥行きとした場合に、
前記制御部は、前記第1の手検知部からの検知信号を基に、前記手挿入空間内において、所定の奥行方向及び高さ方向の位置である前記所定位置に配置されたと判定したという第3の条件をさらに満たしたことを条件に、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う
請求項1に記載の検温消毒装置。
【請求項3】
前記検温部は、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする
請求項1又は請求項2に記載の検温消毒装置。
【請求項4】
前記天井部の前記正面側開口部付近に設けられ、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする第1の前記検温部と、
前記底部の前記正面側開口部付近に設けられ、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする第2の前記検温部と、
前記底部に設けられ、前記第2の検温部より前記手挿入空間内の前記背面側開口部側を検温範囲とする第3の前記検温部と
を有する検温消毒装置。
【請求項5】
前記第1の検温部、前記第2の検温部及び前記第3の検温部の各々は、マトリクス状に配置された複数の温度センサを備え、
前記制御部は、前記第1の検温部、前記第2の検温部及び前記第3の検温部の各々の前記複数の温度センサからの検温情報のうち予め決められた温度範囲を示す検温情報を抽出し、当該抽出した検温情報を基に前記手に係る人の体温が正常であるか否かを判断する
請求項4に記載の検温消毒装置。
【請求項6】
前記底部には、前記手挿入空間内で手を位置させる目印となる手の形をした案内パターンが形成されており、
前記第1の検温部は、前記案内パターンの手首付近に対応する部分に対向して前記天井部に設けられており、
前記第2の検温部及び前記第3の検温部は、前記正面側開口部付近で、且つ前記案内パターンに対向しない前記底部の位置に設けられている
請求項4又は請求項5に記載の検温消毒装置。
【請求項7】
第1の発光部と第2の発光部とをさらに備え、
前記制御部は、
前記第3の条件を満たした場合と、前記判断を行うために必要な前記検温情報を取得できた場合とのいずれかの場合に第4の条件を満たしたとして、前記第1の発光部を第1の発光状態にし、
前記第4の条件を満たさない場合に、前記第1の発光部を第2の発光状態にし、
前記制御部は、
前記手に係る人の体温が予め決められた正常範囲内にある場合に、前記第2の発光部を第3の発光状態にし、
前記手に係る人の体温が予め決められた正常範囲外にある場合に、前記第2の発光部を第4の発光状態にする
請求項5に記載の検温消毒装置。
【請求項8】
前記第1の発光部は、背面側にあり、
前記第2の発光部は、正面側にある
請求項7に記載の検温消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検温とともに手の消毒を行うことができる検温消毒装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
防疫や衛生上の観点から、施設・店舗などの建物の入口や入室前には、手の消毒とともに検温を行うことが多い。特許文献1には、手を挿入できる広さを有する収納部に、手を一度挿入する動作により、手を挿入したことを感知するセンサーが手を感知して手に送風して乾燥させるブロワーの作動と、消毒液を噴霧して消毒することをあわせて行えるような手消毒乾燥装置が開示される。
【0003】
また、特許文献2には、箱様筐体が、ユーザの手が消毒のために差し入れられる2つの開口部を持ち、手で接触することなく作動する噴霧ノズルによる消毒液自動噴霧機能を備える自動手洗装置が開示される。この自動手洗装置では、噴霧ノズルからの消毒液の噴射が正しい場所、すなわち、指先、指および手の平部分に正確に向けられ、開口部が卵型で縦長の楕円形であり、手を消毒中に正しい位置に促すよう実質的に均等に成形された凹部を含む構成になっている。
【0004】
特許文献3には、歩行者の手指に消毒液を供給する手指消毒器であって、上面と前面および後面とがそれぞれ開口して延在し、歩行者の手の通過を許容する雨樋状の本体部と、本体部の開口の近傍に設けられ、開口から本体部の消毒空間に侵入した手指を検出するセンサと、センサより歩行者の進行方向の前方側の本体部の側板部の内面に設けられ、センサの検出に応じて消毒液を噴射する噴射ノズルと、消毒液を噴射ノズルから噴射させるポンプと、を備える手指消毒器が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-031011号公報
【特許文献2】特表2012-501686号公報
【特許文献3】特開2020-025771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
建物や部屋に入ろうとする人に対して検温を行う場合、担当者が手持ちの温度測定器によって1人ずつ体温を測定したり、赤外線画像を取り込むことで人の体温を測定したりすることが行われる。また、手の消毒については、手動ポンプ式では手でポンプを作動させて消毒液を噴霧したり、電動ポンプ式では手をノズルの下にかざすことで消毒液を自動的に噴射したりすることが行われる。このような検温と手の消毒との両方を行う作業については、なるべく人員や時間をかけずに円滑に行うことが望まれる。
【0007】
本発明は、正確な検温及び効果的な手の消毒の両方を自動的かつ円滑に行うことができる検温消毒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の検温消毒装置は、天井部と当該天井部と対向する底部とを有し、手を挿入するための正面側開口部と当該正面側開口部の反対側で当該正面側開口部と対向して位置する背面側開口部とを備えた手挿入空間を形成する手挿入空間形成部と、前記手挿入空間内に配置された手との間の距離を検出する第1の手検知部と、前記第1の手検知部より前記背面側開口部側の前記手挿入空間内の手の位置を検知する第2の手検知部と、前記手挿入空間内の所定位置に配置された手の検温を行う検温部と、前記所定位置に配置された手のひらに消毒液を噴射する消毒液噴射部と、各部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1の検知部が手を検知したという第1の条件と、前記第2の検知部が手を検知した後に前記第1の検知部が手を検知していないとい第2の条件とを満たしたことを条件に、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う。
【0009】
好適には、前記手挿入空間内の前記天井部と前記底部との間を高さ、前記正面側開口部と前記第2の開口後部との間を奥行きとした場合に、前記制御部は、前記第1の手検知部からの検知信号を基に、前記手挿入空間内において、所定の奥行方向及び高さ方向の位置である前記所定位置に配置されたと判定したという第3の条件をさらに満たしたことを条件に、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う。
【0010】
好適には、前記検温部は、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする。
【0011】
好適には、前記天井部の前記正面側開口部付近に設けられ、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする第1の前記検温部と、前記底部の前記正面側開口部付近に設けられ、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする第2の前記検温部と、前記底部に設けられ、前記第2の検温部より前記手挿入空間内の前記背面側開口部側を検温範囲とする第3の前記検温部とを有する。
【0012】
好適には、前記第1の検温部、前記第2の検温部及び前記第3の検温部の各々は、マトリクス状に配置された複数の温度センサを備え、前記制御部は、前記第1の検温部、前記第2の検温部及び前記第3の検温部の各々の前記複数の温度センサからの検温情報のうち予め決められた温度範囲を示す検温情報を抽出し、当該抽出した検温情報を基に前記手に係る人の体温が正常であるか否かを判断する。
【0013】
好適には、前記底部には、前記手挿入空間内で手を位置させる目印となる手の形をした案内パターンが形成されており、前記第1の検温部は、前記案内パターンの手首付近に対応する部分に対向して前記天井部に設けられており、前記第2の検温部及び前記第3の検温部は、前記正面側開口部付近で、且つ前記案内パターンに対向しない前記底部の位置に設けられている。
【0014】
好適には、第1の発光部と第2の発光部とをさらに備え、前記制御部は、前記第3の条件を満たした場合と、前記判断を行うために必要な前記検温情報を取得できた場合とのいずれかの場合に第4の条件を満たしたとして、前記第1の発光部を第1の発光状態にし、前記第4の条件を満たさない場合に、前記第1の発光部を第2の発光状態にし、前記制御部は、前記手に係る人の体温が予め決められた正常範囲内にある場合に、前記第2の発光部を第3の発光状態にし、前記手に係る人の体温が予め決められた正常範囲外にある場合に、前記第2の発光部を第4の発光状態にする。
【0015】
好適には、前記第1の発光部は、背面側にあり、前記第2の発光部は、正面側にある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、正確な検温及び効果的な手の消毒の両方を自動的かつ円滑に行うことができる検温消毒装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る検温消毒装置を例示する斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す検温消毒装置を例示する背面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置の空間形成部よって形成される手を挿入して位置させる手挿入空間を説明するための斜め下方向から見た図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置の第1の手挿入空間の側面側の構成を説明するための図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置の第1の検温部、第2の検温部、第3の検温部、消毒液噴射部の配置及び機能を平面方向から見て説明するための図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置の第1の検温部、第2の検温部及び第3の検温部の検温範囲を斜め上から見て説明するための図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置の第1の検温部、第2の検温部及び第3の検温部の検温範囲を側面側から見て説明するための図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置の第1の手検知部、第2の手検知部、第1の検温部、第2の検温部、第3の検温部及び消毒液噴射部の側面方向から見た位置を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置の第1の発光部及び第2の発光部の平面方向から見た位置及び形状を説明するための図である。
【
図10】
図10は、
図9に示す第1の発光部及び第2の発光部の発光パターンを説明するための図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る検温消毒装置の全体動作を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置1を例示する斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置1を例示する背面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置1の空間形成部10によって形成される手を挿入して位置させる手挿入空間10aを説明するための斜め下方向から見た図である。
図4は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置1の第1の手挿入空間10aの側面側の構成を説明するための図である。
【0020】
図5は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置1の手検知部20、第1の手検知部21、第1の検温部31、第2の検温部32、第3の検温部33、消毒液噴射部40の配置及び機能を平面方向から見て説明するための図である。
図6は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置1の第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33の検温範囲を斜め上から見て説明するための図である。
図7は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置1の第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33の検温範囲を側面側から見て説明するための図である。
図8は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置1の第1の手検知部21、第2の手検知部22、第1の検温部31、第2の検温部32、第3の検温部33及び消毒液噴射部40の側面方向から見た位置を説明するための図である。
【0021】
図9は、本発明の実施形態に係る検温消毒装置1の第1の発光部51及び第2の発光部52の平面方向から見た位置及び形状を説明するための図である。
図10は、
図9に示す第1の発光部51及び第2の発光部52の発光パターンを説明するための図である。
図11は、検温消毒装置1の機能ブロック図である。
【0022】
本実施形態に係る検温消毒装置1は、手挿入空間10a内の所定位置に手を挿入することで検温と消毒とを自動的に行う装置である。
検温消毒装置1は、手Hを位置させる手挿入空間10aを形成する空間形成部10と、手Hを検知する第1の手検知部21及び第2の手検知部22と、手Hの甲の検温を行う第1の検温部31と、手Hの平の検温を行う第2の検温部32及び第3の検温部33と、手Hの平に消毒液を噴射する消毒液噴射部40と、第1の発光部51及び第2の発光部52と、各部の動作を制御する制御部60とを備える。
【0023】
空間形成部10は、正面側に手を挿入可能な正面側開口部71を有している。正面側開口部71のサイズは空間形成部10の手挿入空間10aに手Hを挿入しても空間形成部10の内側に接触しない大きさである。正面側開口部71は、大人の手Hは挿入できても、子供の頭は挿入できないサイズや形状になっている。
また、空間形成部10の背面側には、正面側開口部71に対向して背面側開口部72が形成されている。このように、背面側開口部72を設けたことで、ユーザが手Hを正面側開口部71から手挿入空間10a内に入れるときの違和感を視覚的に軽減できる。
【0024】
本実施形態では、空間形成部10は正面側が緩やかに曲線を描く略直方体形状の空間になっている。
手挿入空間10aの底部82は、手Hの挿入方向(奥行き方向)の手前から奥に向けて底部が水平に対して僅かに下がる方向としてもよい。傾斜の角度は、水平に対して約5度以上、45度以下程度、好ましくは約12度である。これにより、空間形成部10の手挿入空間10aに手Hを自然に挿入できるようになる。また、空間形成部10内に噴射された消毒液が手挿入空間10a内に留まらず、傾斜の下方へ流れやすくなる。
【0025】
底部82には、手挿入空間10a内で手を位置させる目印となる手の形をした案内パターン83が形成されている。
【0026】
空間形成部10は、例えば下支柱2の上端に配置される。下支柱2は床に設置可能であって上下方向に延在する。下支柱2の表面側に広告等が表示可能である。
空間形成部10の上には、表面側に広告等が表示可能な上支柱3が設けられている。
【0027】
図3及び
図4に示すように、手挿入空間10aの中央に対して背面側開口部72側の天井部81に、第1の手検知部21が設けられている。
第1の手検知部21は、手挿入空間10a内に配置された手との間の距離(高さ方向の距離)を検出するために用いられる。
【0028】
天井部81の第1の手検知部21より背面側開口部72側には第2の手検知部22が設けられている。第2の手検知部22は、手挿入空間10a内で第1の手検知部21より背面側開口部72側にある手を検知する。
【0029】
第1の検温部31は、天井部81の正面側開口部71付近に設けられている。
第1の検温部31は、
図5~
図7に示すように、手挿入空間10a内と正面側開口部71側の手挿入空間10aの外側との双方を検温範囲31aとする。
第1の検温部31は、手挿入空間10a内の所定位置にある手Hの甲を検温する。
【0030】
第2の検温部32は、底部82の正面側開口部71付近に設けられ、手挿入空間10a内と、正面側開口部71側の手挿入空間10aの外側との双方を検温範囲32aとする。
第2の検温部32は、手挿入空間10a内の所定位置にある手Hの平を検温する。
【0031】
第3の検温部33は、底部82に設けられ、第2の検温部32より手挿入空間10a内の背面側開口部72側を検温範囲33aとする。
第3の検温部33は、手挿入空間10a内の所定位置にある手Hの平を検温する。
【0032】
図5に示すように平面視において、第1の検温部31は、案内パターン83の手首付近に対応する部分に対向して天井部81に設けられている。
第2の検温部32及び第3の検温部33は、平面視において、正面側開口部71付近で、且つ前記案内パターンに対向しない底部82の位置に設けられている。
【0033】
第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33を、正面側開口部71付近に設けたことで、正面側開口部71から挿入された手Hを適切に検温できると共に、中央付近に設けられた噴射口40aとの距離を確保でき、第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33に消毒液が吹き付けられることを抑制できる。また、第1の検温部31及び第2の検温部32により手首付近まで検温することができる。
【0034】
第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33の各々は、マトリクス状に配置された複数の温度センサを備えている。例えば、8×8の合計64個の温度センサをそれぞれ備えている。当該温度センサは、例えば、赤外線センサである。
【0035】
図1及び
図5に示すように、手挿入空間10aの底部82には、消毒液噴射部40の噴射口40aが設けられている。噴射口40aから消毒液が天井部81に向けて所定の角度範囲で噴射される。消毒液は手Hの平の広い範囲に吹き付けられる。
このとき、噴射口40aと手Hの平とが所定距離範囲内にあることで、手Hの平全体に消毒液が吹き付けられる。手Hが噴射口40aに近すぎると吹き付け範囲が狭くなる。本実施形態では、第1の手検知部21からの検知信号を基に、手Hと第1の手検知部21とが所定の距離範囲内にあるときに、手が所定位置にあるとして検温及び消毒液噴射を行う。
【0036】
空間形成部10は、消毒液噴射部40から噴射され消毒を行ったあとの余剰の消毒液が手挿入空間10aの外側へ排出される排出構造を有している。
噴射口40aは複数設けてもよい。
【0037】
図1に示すように、検温消毒装置1の天井部5には、第1の発光部51及び第2の発光部52が設けられている。
第1の発光部51は天井部5の背面側の縁部に設けられ、第2の発光部52は天井部5の正面側の縁部に設けられている。
【0038】
制御部60は、第1の手検知部21が手を検知したという第1の条件と、第2の手検知部22が手を検知した後に一定時間内に第1の手検知部21が手を検知していないという第2の条件と、手Hが手挿入空間10a内で第1の手検知部21と手Hとの距離が所定範囲内である第3の条件との全てを満たしたことを条件に、手Hが所定位置にあると判断する。
制御部60は、手Hが所定位置にあると判断した場合に、第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33による手の検温を行い、その後、消毒液噴射部40を制御して噴射口40aから消毒液を手Hの平に噴射する制御を行う。
【0039】
すなわち、制御部60が上記判断をすることで、背面側開口部72から手が挿入された場合には、手Hが所定の位置にはないと判断される。また、手Hと第1の手検知部21との距離が所定範囲内(噴射口40aから噴射された消毒液が手Hの平の全体に噴射される距離範囲)ないにあることを条件に消毒液を噴射するので、手のひら全体を適切に消毒できる。
【0040】
制御部60は、第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33の各々の複数の温度センサからの検温情報を取得し、予め決められた温度範囲を示す検温情報を抽出し、当該抽出した検温情報を基に手に係る人の体温が正常であるか否かを判断する。
【0041】
制御部60は、上記第3の条件を満たした場合と、前記判断を行うために必要な前記検温情報を取得できた場合といずれかの場合に第4の条件を満たしたとして、第1の発光部51を第1の発光状態にする。
また、制御部60は、上記第4の条件を満たさない場合に、第1の発光部51を第2の発光状態にする。
【0042】
制御部60は、手に係る人の体温が予め決められた正常範囲内にある場合に、第2の発光部52を第3の発光状態にする。
制御部60は、手に係る人の体温が予め決められた正常範囲外にある場合に、第2の発光部52を第4の発光状態にする。
【0043】
ここで、本実施形態では手検知部および検温部を別体で設けているが、これらを一体型(1つのセンサによる共用や、1つのセンサモジュールによる共用)にしてもよい。これにより、手検知部と検温部とが一つの構成で済むことになる。
【0044】
底面10f上での消毒液噴射部、検温部、手検出部の位置は適宜変更可能である。
【0045】
上支柱3には、消毒液を収容するタンクと、タンクから消毒液噴射部40a,40bへ消毒液を供給するポンプとが設けられる。上支柱3の中にタンクおよびポンプが設けられることで、検温消毒装置1の意匠性が高められる。
【0046】
例えば、制御部60は、第1の手検知部21及び第2の手検知部22から取得した検知視を基に手Hが所定位置にあると判断した後、第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33で手Hの検温を行い、その後、ポンプ70に指示を与えてタンク80から消毒液噴射部40へ消毒液を供給し、噴射口から消毒液を噴射する制御を行う。制御部60によって、手Hの検温を行った後に消毒液を噴射するようにタイミングを制御することで、消毒液の噴射による検温への影響が抑制される。
【0047】
報知部90は、例えば、「Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)等の無線通信機能を備え、検温消毒装置1から離れた場所にいるスタッフの通信機器に無線による報知信号を送信する。当該通信機器は、スマートウォッチ等のウェアラブル端末やスマートフォン等の端末である。
無線通信機能を搭載した事により、近くで人間が監視をしなくてもスマートウォッチ等のバイブレーション機能で、体温が所定基準を超えた人がいたことを通知できる。これにより検温消毒装置1の周囲で働く方が、モニタなどを見ずに、他の仕事をしながら監視ができる。
【0048】
なお、検温消毒装置1の各種設定については、携帯端末などのアプリケーションソフトウェアによって行うようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェアで報知に関する一定条件(温度閾値)や報知の種類(発光色や音の種類など)、電源のON/OFFなどを行い、携帯端末の通信機能を用いて設定を制御部60に送るようにしてもよい。また、制御部60は、携帯端末に検温した値や消毒液の残量などの情報を携帯端末に送信し、アプリケーションソフトウェアで表示するようにしてもよい。アプリケーションソフトウェアに報知部90の機能を持たせてもよい。
【0049】
(検温消毒装置の動作)
図12は、実施形態に係る検温消毒装置の全体動作を例示するフローチャートである。
先ず、ステップS101に示すように、手Hが手挿入空間10a内の所定位置にあるか否かの判断を行う。当該ステップS101については、
図13を用いて説明する。
【0050】
制御部60は、第1の手検知部21からの検知信号を基に、手を検知したか否かを判定し、検知したという第1の条件を満たしたと判断するとステップS202に進む(ステップS201)。
ステップS202において、制御部60は、第1の手検知部21及び第2の手検知部22からの検知信号を基に、第2の手検知部22が手を検知した後に一定時間内に第1の手検知部21が手を検知していないという第2の条件を満たしたか否かを判断し、満たしたと判断するとステップS203に進む。
【0051】
制御部60は、第1の手検知部21からの検知信号を基に、手Hが手挿入空間10a内で第1の手検知部21と手Hとの距離が所定範囲内である第3の条件を満たしたか否かを判断し、満たしたと判断すると(ステップS203)、手Hが所定位置にあると判断する(ステップS204)。
制御部60は、手Hが所定位置にあると判断した場合に、第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33による手の検温を行う。
これにより、所定位置まで手Hが挿入されないと手検知部20による手Hの検知は行われない。これにより、不要な検温や消毒を行うことが回避される。
【0052】
手検知部20によって手Hを検知した場合、ステップS102に示すように、手Hの検温を行う。検温は、第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33によって行われる。
【0053】
次に、ステップS103に示すように、制御部60は、手検温は、第1の検温部31、第2の検温部32及び第3の検温部33から取得した検温情報を基に、一定条件を満たすか否かの判断を行う。
【0054】
次に、ステップS104へ進む。ステップS104では、消毒液噴射部40から手Hの平に向けて消毒液を噴射する。制御部60は、消毒液噴射部40から消毒液を噴射している間、時間を計数する。
制御部60によって、手Hの検温を行った後に消毒液を噴射するようにタイミングを制御することで、消毒液の噴射による検温への影響が抑制される。
【0055】
次に、ステップS105に示すように、制御部60は、消毒液噴射部40から消毒液を噴射している時間が一定時間経過したか否かを判断する。一定時間を経過していなかった場合(ステップS105でNo)、そのまま消毒液噴射部40からの消毒液の噴射を継続する。
【0056】
一定時間を経過した場合(ステップS105でYes)、ステップS106に示すように消毒液の噴射を停止する。その後、ステップS107に示すように報知部90から報知(完了)を行う。
【0057】
次に、ステップS108に示すように、処理終了か否かの判断を行い、終了しない場合(ステップS108でNo)、ステップS101へ戻り、以降の処理を繰り返す。一方、終了する場合(ステップS108でYes)、処理を終了する。
【0058】
制御部60は、上述した動作の過程で、
図10の条件に従って、第1の発光部51及び第2の発光部52の発光状態を制御する。
これにより、体温が高い人に対する対応を迅速に行うことができる。
第1の発光部51と第2の発光部52と配置を逆にしてもよし、他の位置に設けてもよい。
【0059】
このような検温消毒装置1では、、手挿入空間10aに手Hを位置させることで、第1の手検知部21及び第2の手検知部22により、正面側開口部71から所定位置に手が位置したことを検出した後に、検温及び消毒動作を自動的に行う。当該所定位置は、手挿入空間10a内の奥行及び高さ方向で検温及び消毒液噴射に予め適した位置に規定されている。そのため、検温を高精度に行えると共に、消毒液を手の平全体に吹き付けることができる。
【0060】
消毒液を噴射する際、手Hが手挿入空間10aに挿入されており、しかも手挿入空間10aが下支柱2及び上支柱3でカバーされるため、消毒液が空間形成部10の外側に漏れる(吹き出す)ことはない。したがって、消毒液が人の顔にかかることはない。
【0061】
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
上述した実施形態の空間形成部10及び手挿入空間10aの形状は特に限定されない。
また、消毒液噴射部40を複数異なる位置に設けてもよい。また、検温部の数、及び構造も前述したものに特に限定されない。
また、各温度計は、直下上の位置、又は角度を持たせた箇所の検温を行う。
【符号の説明】
【0062】
1…検温消毒装置
2…下支柱
3…上支柱
5…天井部
10…空間形成部
10a…手挿入空間
21…第1の手検知部
22…第2の手検知部
31…第1の検温部
32…第2の検温部
33…第3の検温部
40…消毒液噴射部
40a…噴射口
51…第1の発光部
52…第2の発光部
60…制御部
71…正面側開口部
72…背面側開口部
81…天井部
82…底部
【手続補正書】
【提出日】2021-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井部と当該天井部と対向する底部とを有し、手を挿入するための正面側開口部と当該正面側開口部の反対側で当該正面側開口部と対向して位置する背面側開口部とを備えた手挿入空間を形成する手挿入空間形成部と、
前記手挿入空間内に配置された手との間の距離を検出する第1の手検知部と、
前記第1の手検知部より前記背面側開口部側の前記手挿入空間内の手の位置を検知する第2の手検知部と、
前記手挿入空間内の所定位置に配置された手の検温を行う検温部と、
前記所定位置に配置された手のひらに消毒液を噴射する消毒液噴射部と、
各部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の手検知部が手を検知したという第1の条件と、前記第2の手検知部が手検知した後に前記第1の手検知部が手検知したという手の検知順番ではないという第2の条件とを満たしたことを条件に、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う
検温消毒装置。
【請求項2】
前記手挿入空間内の前記天井部と前記底部との間を高さ、前記正面側開口部と前記背面側開口部との間を奥行きとした場合に、
前記制御部は、前記第1の手検知部からの検知信号を基に、前記手挿入空間内において、所定の奥行方向及び高さ方向の位置である前記所定位置に配置されたと判定したという第3の条件をさらに満たしたことを条件に、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う
請求項1に記載の検温消毒装置。
【請求項3】
前記検温部は、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする
請求項1又は請求項2に記載の検温消毒装置。
【請求項4】
前記天井部の前記正面側開口部付近に設けられ、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする第1の前記検温部と、
前記底部の前記正面側開口部付近に設けられ、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする第2の前記検温部と、
前記底部に設けられ、前記検温部より前記手挿入空間内の前記背面側開口部側を検温範囲とする第3の前記検温部と
を有する検温消毒装置。
【請求項5】
前記第1の検温部、前記第2の検温部及び前記第3の検温部の各々は、マトリクス状に配置された複数の温度センサを備え、
前記制御部は、前記第1の検温部、前記第2の検温部及び前記第3の検温部の各々の前記複数の温度センサからの検温情報のうち予め決められた温度範囲を示す検温情報を抽出し、当該抽出した検温情報を基に前記手に係る人の体温が正常であるか否かを判断する
請求項4に記載の検温消毒装置。
【請求項6】
前記底部には、前記手挿入空間内で手を位置させる目印となる手の形をした案内パターンが形成されており、
前記第1の検温部は、前記案内パターンの手首付近に対応する部分に対向して前記天井部に設けられており、
前記第2の検温部及び前記第3の検温部は、前記正面側開口部付近で、且つ前記案内パターンに対向しない前記底部の位置に設けられている
請求項4又は請求項5に記載の検温消毒装置。
【請求項7】
第1の発光部と第2の発光部とをさらに備え、
前記制御部は、
前記第3の条件を満たした場合と、前記判断を行うために必要な前記検温情報を取得できた場合とのいずれかの場合に第4の条件を満たしたとして、前記第1の発光部を第1の発光状態にし、
前記第4の条件を満たさない場合に、前記第1の発光部を第2の発光状態にし、
前記制御部は、
前記手に係る人の体温が予め決められた正常範囲内にある場合に、前記第2の発光部を第3の発光状態にし、
前記手に係る人の体温が予め決められた正常範囲外にある場合に、前記第2の発光部を第4の発光状態にする
請求項5に記載の検温消毒装置。
【請求項8】
前記第1の発光部は、背面側にあり、
前記第2の発光部は、正面側にある
請求項7に記載の検温消毒装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、第1の部材と当該第1の部材と対向し当該第1の部材に対して上方に位置する第2の部材とを有し、手を挿入することが想定された第1の開口部と当該第1の開口部の反対側に当該第1の開口部と対向して位置する第2の開口部とを備えた空間を形成する空間形成部と、前記空間内の前記第2の開口部側に位置し前記第1の開口部から挿入された手が前記空間内で所定の位置に配置されたこと検知する手検知部と、前記所定位置に配置された手のひらに消毒液を噴射し、前記消毒液の噴射口が前記第1の部材に設けられた消毒液噴射部と、前記手検知部に対して前記第1の開口部側に配置され、前記所定位置に配置された手の甲の検温を行い、前記第2の部材に設けられた検温部と、各部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記手検知部が前記所定の位置に手が配置されたことを検知した後に前記検温部で手の甲の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行い、前記噴射口から前記消毒液を噴射すると前記第2の部材に当たることで人の顔にかからないように構成されている検温消毒装置である。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井部と当該天井部と対向する底部とを有し、手を挿入するための正面側開口部と当該正面側開口部の反対側で当該正面側開口部と対向して位置する背面側開口部とを備えた手挿入空間を形成する手挿入空間形成部と、
前記手挿入空間内に配置された手との間の距離を検出する第1の手検知部と、
前記第1の手検知部より前記背面側開口部側の前記手挿入空間内の手の位置を検知する第2の手検知部と、
前記手挿入空間内の所定位置に配置された手の検温を行う検温部と、
前記所定位置に配置された手のひらに消毒液を噴射する消毒液噴射部と、
各部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の手検知部が手を検知したという第1の条件と、前記第2の手検知部が手検知した後に前記第1の手検知部が手検知したという手の検知順番ではないという第2の条件とを満たしたことを条件に、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う
検温消毒装置。
【請求項2】
前記手挿入空間内の前記天井部と前記底部との間を高さ、前記正面側開口部と前記背面側開口部との間を奥行きとした場合に、
前記制御部は、前記第1の手検知部からの検知信号を基に、前記手挿入空間内において、所定の奥行方向及び高さ方向の位置である前記所定位置に配置されたと判定したという第3の条件をさらに満たしたことを条件に、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う
請求項1に記載の検温消毒装置。
【請求項3】
前記検温部は、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする
請求項1又は請求項2に記載の検温消毒装置。
【請求項4】
前記天井部の前記正面側開口部付近に設けられ、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする第1の前記検温部と、
前記底部の前記正面側開口部付近に設けられ、前記手挿入空間内と前記正面側開口部側の前記手挿入空間の外側との双方を検温範囲とする第2の前記検温部と、
前記底部に設けられ、前記第2の検温部より前記手挿入空間内の前記背面側開口部側を検温範囲とする第3の前記検温部と
を有する請求項3に記載の検温消毒装置。
【請求項5】
前記第1の検温部、前記第2の検温部及び前記第3の検温部の各々は、マトリクス状に配置された複数の温度センサを備え、
前記制御部は、前記第1の検温部、前記第2の検温部及び前記第3の検温部の各々の前記複数の温度センサからの検温情報のうち予め決められた温度範囲を示す検温情報を抽出し、当該抽出した検温情報を基に前記手に係る人の体温が正常であるか否かを判断する
請求項4に記載の検温消毒装置。
【請求項6】
前記底部には、前記手挿入空間内で手を位置させる目印となる手の形をした案内パターンが形成されており、
前記第1の検温部は、前記案内パターンの手首付近に対応する部分に対向して前記天井部に設けられており、
前記第2の検温部及び前記第3の検温部は、前記正面側開口部付近で、且つ前記案内パターン上ではない前記底部の位置に設けられている
請求項4又は請求項5に記載の検温消毒装置。
【請求項7】
第1の発光部と第2の発光部とをさらに備え、
前記制御部は、
前記第3の条件を満たした場合と、前記判断を行うために必要な前記検温情報を取得できた場合とのいずれかの場合に第4の条件を満たしたとして、前記第1の発光部を第1の発光状態にし、
前記第4の条件を満たさない場合に、前記第1の発光部を第2の発光状態にし、
前記制御部は、
前記手に係る人の体温が予め決められた正常範囲内にある場合に、前記第2の発光部を第3の発光状態にし、
前記手に係る人の体温が予め決められた正常範囲外にある場合に、前記第2の発光部を第4の発光状態にする
請求項5に記載の検温消毒装置。
【請求項8】
前記第1の発光部は、背面側にあり、
前記第2の発光部は、正面側にある
請求項7に記載の検温消毒装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
好適には、前記底部には、前記手挿入空間内で手を位置させる目印となる手の形をした案内パターンが形成されており、前記第1の検温部は、前記案内パターンの手首付近に対応する部分に対向して前記天井部に設けられており、前記第2の検温部及び前記第3の検温部は、前記正面側開口部付近で、且つ前記案内パターン上ではない前記底部の位置に設けられている。