(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190978
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】オンライン店舗における商品情報管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221220BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099546
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】510280970
【氏名又は名称】ワークアップ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 周一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
(57)【要約】
【課題】複数のWEBサイトで商品を販売する場合であっても、容易に商品情報および在庫数量を更新することを可能にする、商品情報管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】商品情報を格納する、商品情報記憶手段と、商品指定手段と、商品情報記憶手段を検索して、商品指定手段によって指定された商品の商品情報を特定する、検索手段と、検索手段が特定した商品情報を、商品情報記憶手段から取得して出力する、情報出力手段と、商品情報記憶手段に格納された商品情報を変更する、商品情報変更手段とを備える、商品情報管理システムを提供する。さらに、商品情報と在庫数量情報とを関連付けて格納し、情報出力手段が商品情報を取得および出力する際に、対応する在庫数量情報も取得および出力することができる、商品情報管理システムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報を格納する、商品情報記憶手段と、
商品指定手段と、
前記商品情報記憶手段を検索して、前記商品指定手段によって指定された商品の商品情報を特定する、検索手段と、
前記検索手段が特定した商品情報を、前記商品情報記憶手段から取得して出力する、情報出力手段と、
前記商品情報記憶手段に格納された商品情報を変更する、商品情報変更手段とを備える、商品情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の商品情報管理システムであって、
前記商品情報記憶手段が、商品情報と在庫数量情報とを関連付けて格納し、
前記情報出力手段が商品情報を取得および出力する際に、対応する在庫数量情報も取得および出力することができる、商品情報管理システム。
【請求項3】
受発注処理手段をさらに備え、
前記受発注処理手段が、在庫数量の変動に伴う処理を行うと、前記商品情報記憶手段に格納された在庫数量が更新される、請求項2に記載の商品情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WEB上で商品を販売する際に、WEBサイトが複数ある場合でも商品情報管理が容易となる、商品情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンライン店舗を通じて、商品情報をWEB上で提供し、売買することは、日常的な行為となっている。しかし、オンライン店舗において、商品の在庫数量は必ずしも公開されているものではない。購入者が見ることができる場合であっても、在庫数量を表示させるための操作を要するなど、利便性が低いことがある。
【0003】
一方、オンライン店舗の運営者の観点では、商品情報の管理を効率化し、作業負担を低減することが求められる。特に、一店舗で多数の商品を販売する場合や、一企業が複数のWEBサイトを運営する場合には、商品情報の管理は複雑となる。商品に関する記載内容や在庫数量を変更するには、個別に情報を書き換える必要があり、大変な作業負担を要する。
【0004】
特許文献1には、複数のサイトサーバと接続し、各サイトサーバに表示させる在庫数を制御する在庫調整システムが開示されている。しかしながら、トリガー条件に応じたタイミングでサイト毎の在庫数および販売条件を調整するものであり、各サイトにおける情報を統一的に更新するためのものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1つの企業が複数のWEBサイトで同一商品を販売している場合、企業としての在庫数量は全店舗で合算したものとして考えることができる。この場合、1つのサイトで受注した場合、他のサイトの在庫数量も減少することになる。しかし、各サイトで表示する在庫数量を個別に更新するのは、作業負担を伴い、また煩雑である。従来一般的な方法では、受注があったサイトから在庫数量情報を在庫管理サーバへ送信し、さらに在庫管理サーバから他のサイトへ在庫数量情報を送信して、情報を同期するのが一般的であった。しかし、この方法ではサーバの負荷の状態によっては、一部のサイトにおいて情報の同期が遅れる場合があった。
【0007】
本発明は、複数のWEBサイトで商品を販売する場合であっても、容易に商品情報および在庫数量を更新することを可能にする、商品情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態では、
商品情報を格納する、商品情報記憶手段と、
商品指定手段と、
商品情報記憶手段を検索して、商品指定手段によって指定された商品の商品情報を特定する、検索手段と、
検索手段が特定した商品情報を、商品情報記憶手段から取得して出力する、情報出力手段と、
商品情報記憶手段に格納された商品情報を変更する、商品情報変更手段とを備える、商品情報管理システムを提供する。
【0009】
本発明のさらなる実施形態では、
商品情報記憶手段が、商品情報と在庫数量情報とを関連付けて格納し、
情報出力手段が商品情報を取得および出力する際に、対応する在庫数量情報も取得および出力することができる、商品情報管理システムを提供する。
【0010】
本発明の別のさらなる実施形態では、
受発注処理手段をさらに備え、
受発注処理手段が、在庫数量の変動に伴う処理を行うと、商品情報記憶手段に格納された在庫数量が更新される、商品情報管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数のWEBサイトを運営する場合であっても、情報を一括して更新することができる。また、オンライン店舗の運営上の負担を増加させることなく、最新の在庫数量を表示することができるため、購入者は、在庫切れを懸念することなく購入に関する意思決定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の商品情報管理システムを示す概略図である。
【
図2】本発明に用いる情報処理装置の例示的なハード構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の商品情報管理システムにおける、情報の送受信および処理のプロセスを示す図である。
【
図4】本発明の商品情報管理システムにおいて、ユーザ端末に表示される例示的な画面である。
【
図5】本発明の商品情報管理システムにおける、情報の送受信および処理のプロセスを示す図である。
【
図6】従来技術の商品情報管理システムにおける、情報の送受信および処理のプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は特許請求の範囲によって規定され、本明細書に記載する実施形態は、本発明を不当に限定することを意図するものではない。
【0014】
<システム構成>
図1は、本発明の商品情報管理システムを示す概略図である。情報提供データベース101には、商品情報および在庫数量情報を格納することができる。商品情報としては、例えば、商品の名称、販売価格、特徴やその説明などが挙げられる。在庫数量情報とは、当該商品に関する販売可能な数量である。すなわち、現時点で管理下に保管されている物品の個数であってもよく、所望により、直近の納入や生産を考慮した数量としてもよい。
【0015】
情報提供データベース101は、情報提供サーバ102と接続され、情報の送受信が可能である。接続の方法は、インターネットまたはイントラネットのような有線または無線通信であってもよく、あるいは、情報提供サーバ102がデータベース機能を備え、情報提供データベース101の全体または一部を内蔵してもよい。
【0016】
情報提供サーバ102は、ユーザ端末103からの商品指定指示に応じて、指定された商品に関する商品情報の検索および生成、ならびに生成した情報の提供などを行う。情報提供サーバ102とユーザ端末103とは、インターネットを介して、必要に応じて情報の送受信が可能となる。ユーザ端末103は、例えば、購入者となりうる個人または法人が保有するPC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット等の通信機器を指す。
【0017】
情報提供サーバ102はコンピュータプログラムを実行して、情報提供データベース101、およびユーザ端末103との間で情報を送受信し、その際に必要となる情報の処理を行う。このプログラムは、検索手段104、情報出力手段105、および商品情報変更手段106を備える。このプログラムはさらに、受発注処理手段107を備えてもよい。
【0018】
検索手段104とは、情報提供データベース101を検索して、要求される情報を特定する手段である。情報出力手段105とは、情報提供データベース101から情報を取得して、必要に応じて変換し、ユーザ端末103に出力する手段である。情報提供データベース101が、商品情報と関連付けられた在庫数量情報を格納している場合、情報出力手段105は、在庫数量情報も併せて出力することができる。商品情報変更手段106とは、情報提供データベース101に格納された商品情報の内容を変更する手段である。
【0019】
受発注処理手段107とは、商品の受注または発注が行われた場合、営業上要求される情報の記録、情報の生成、情報の変更などを行う手段である。好ましくは、商品の在庫数量の変動に伴う処理を行う場合、受発注処理手段107は、情報提供データベース101に格納された在庫数量情報を更新する。
【0020】
情報提供サーバ102またはユーザ端末103として用いられうる情報処理装置の例示的なハード構成を、
図2に示す。情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)201、入力装置202、主記憶装置203、出力装置204、補助記憶装置205、クロック装置206、および通信装置209を備える。
【0021】
CPU201は中央処理装置とも呼ばれ、システム内の各装置に命令を送り、その動作を制御する制御装置207と、デジタルデータの演算処理を行う演算装置208とを備える。
【0022】
CPU201は、主記憶装置203または補助記憶装置205に記憶されているプログラムと共働して、本発明の各手段として機能する。さらに、CPU201は、主記憶装置203や補助記憶装置205に情報を格納する格納手段や、これらに格納されている情報を更新する更新手段として機能する。
【0023】
制御装置207は、クロック装置206が発するクロックのタイミングに従い、入力装置202から入力されたデータ、または主記憶装置203に予め与えられた手順(例えばプログラムやソフトウエア)を読み込む。入力されたデータおよび読み込んだ内容は、演算装置208の制御に基づいて、主記憶装置203、出力装置204、および補助記憶装置205等の内部の機器や外部の機器等に送信される。
【0024】
入力装置202は、各種データを入力するための装置であり、例えばキーボード、マウス、ポインティングディバイス、タッチパネル、マウスパッド、CCDカメラ、各種記憶媒体の読み取り装置等が挙げられる。
【0025】
主記憶装置203は、一般にメモリと呼ばれる装置であり、処理装置および内部記憶装置において、命令を実行するために使われるアドレス可能な記憶空間を指す。主記憶装置203は、主として半導体記憶素子により構成され、入力したプログラムやデータを格納、保持する。また、制御装置207の指示に従って、この格納保持されているデータを、例えばレジスタに読み出す。主記憶装置203を構成する半導体記憶素子としては、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)が挙げられる。
【0026】
出力装置204は、演算装置208の演算結果等を出力するための装置であり、例えばPC用ディスプレイ装置、スマートフォンやタブレットが備える表示画面、プリンタなどの印刷装置、音声出力装置等が該当する。
【0027】
補助記憶装置205は、主記憶装置203の記憶容量を補うための装置であり、例えば磁気ディスク装置、光ディスク装置、半導体ディスク装置等による、フロッピーディスク、ハードディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO等が該当する。補助記憶装置205は、各種データベースを構築するためのデータを格納するための記憶手段として機能する。
【0028】
通信装置209は、外部装置と通信を行うための装置であり、接続されるネットワークに応じて適宜データの送受信やデジタル-アナログ変換等を行う。ここで、上記各装置は、アドレスバスまたはデータバスにより相互に接続されている。
【0029】
<商品情報の出力に関する情報処理プロセス>
本発明の商品情報管理システムにおける、情報の送受信および処理のプロセスを
図3に示す。ステップ301において、ユーザ端末103は情報提供サーバ102に対して、商品指定指示を送信する。このステップは、例えば、購入者がユーザ端末103を用いて、所定のWEBページにアクセスする操作によって実行される。
【0030】
ステップ302において、情報提供サーバ102は検索手段104によって、情報提供データベース101を検索し、指定された商品の商品情報を特定する。ステップ303において、情報提供サーバ102は情報出力手段105によって、検索手段104により特定された商品の商品情報を取得し、商品情報画面を構成する。この際、情報提供データベース101に在庫数量情報が格納されている場合、対応する商品情報と在庫数量情報とを併せて取得し、商品情報画面に表示することができる。
【0031】
ステップ304において、情報提供サーバ102はさらに情報出力手段105によって、構成した商品情報画面をユーザ端末103に出力する。ユーザ端末103に表示される商品情報画面の例を、
図4に示す。この例では、指定された商品の商品情報とともに、在庫数量401が表示されている。
【0032】
ステップ305において、ユーザ端末103が指定商品の購入手続きを行うと、ユーザ端末103から情報提供サーバ102に、商品購入情報が送信される。これに応じて、ステップ306において、情報提供サーバ102は受発注処理手段107によって、在庫数量変動情報を情報提供データベース101に送信する。情報提供データベース101は、この在庫数量変動情報に基づいて、格納された在庫数量情報を更新する。ステップ305およびステップ306によって、情報提供データベース101の在庫数量情報は、変動後速やかに、最新状態に更新される。
【0033】
なお、受発注処理手段107は、購入手続きが行われたときの他、商品を製造したとき、または商品が納入されたときなどに、在庫数量変動情報を情報提供データベース101に送信する。
【0034】
本発明の商品情報管理システムによって、複数のオンライン店舗を運営する場合の例を、
図5に示す。店舗511および店舗512は、情報提供サーバ102内に設けられたオンライン店舗サーバである。オンライン店舗サーバとは、ユーザ端末103にオンライン店舗を表示するための情報処理を行うサーバであり、WEBサイトを構成するHTMLデータ、画像、各商品ページの記載事項、運営者情報などのデータが格納されている。
【0035】
ステップ501~ステップ506は、それぞれステップ301~ステップ306と同等である。すなわち、ステップ501は、ユーザ端末103が店舗511(情報提供サーバ102)に対して、商品指定指示を送信するステップである。ステップ502は、店舗511が検索手段104によって、情報提供データベース101を検索し、指定された商品の商品情報を特定するステップである。ステップ503は、店舗511が情報出力手段105によって、商品情報および在庫数量情報を取得し、商品情報画面を構成するステップである。ステップ504は、ステップ503において構成された商品情報画面を、ユーザ端末103に出力するステップである。ステップ505は、ユーザ端末103が商品購入手続きを行い、ユーザ端末103から店舗511に、商品購入情報が送信されるステップである。ステップ506は、店舗511が受発注処理手段107によって、在庫数量の変動情報を情報提供データベース101に送信するステップである。
【0036】
この時点において、売買には関与しなかった店舗512では、情報の送受信が行われていないことに留意されたい。また、ユーザ端末103がアクセスした店舗511につては、ステップ503において商品情報および在庫数量情報が取得されている。すなわち、それ以前の店舗511のサーバには、商品情報および在庫数量情報は格納されていない。
【0037】
比較のため、従来技術における情報の送受信および処理のプロセスを
図6に示す。ステップ601において、ユーザ端末103は店舗611(情報提供サーバ102)に対して、商品指定指示を送信する。ステップ602において、店舗611は、オンライン店舗サーバ内に格納された商品情報および在庫数量情報を用いて、商品情報画面を構成する。ステップ603において、ステップ602において構成された商品情報画面を、ユーザ端末103に出力する。ステップ604において、ユーザ端末103が商品購入手続きを行い、ユーザ端末103から店舗611に、商品購入情報が送信される。これに応じて、店舗611では、在庫数量情報が更新される。ステップ605において、店舗611は在庫管理サーバ613に、在庫数量変動情報を送信する。ステップ606において、在庫管理サーバ613は、店舗612に在庫数量変動情報を送信する。これに応じて、店舗612の在庫数量情報が更新される。
【0038】
ステップ604の後、ステップ606よりも前では、店舗612の在庫数量にはステップ604による在庫数量変動が反映されていないことに留意されたい。
【0039】
<他の実施形態>
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出すことによっても、達成されることはいうまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実行されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
【0040】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
【0041】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した
図3および
図5に示すプロセスを実行するプログラムコード、ならびに
図4に示す画面のデータを作成するプログラムコードが格納されることになる。
【0042】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。