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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191008
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】限流装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/34 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
H01H33/34 L
H01H33/34 C
H01H33/34 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099606
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸島 敬
(72)【発明者】
【氏名】網田 芳明
(72)【発明者】
【氏名】小川 慧
(72)【発明者】
【氏名】金谷 和長
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 暁斗
【テーマコード(参考)】
5G028
【Fターム(参考)】
5G028AA01
5G028AA06
5G028AA17
5G028BB04
5G028CB01
(57)【要約】
【課題】応答性が高い限流装置を提供すること。
【解決手段】実施形態の限流装置は、密閉容器と、固定電極と、可動電極と、操作機構と、を持つ。密閉容器は充填剤が充填される。固定電極は、前記密閉容器の内部に固設される。可動電極は、前記固定電極に対向配置される。操作機構は、前記可動電極を前記固定電極に対して離接させる。前記操作機構は、操作部と、制御部と、アキュムレータと、排液タンクと、ポンプと、を持つ。操作部とは、作動液の供給及び排出により、前記可動電極を開閉する。制御部は、前記作動液の供給を開始する電磁反発機構を有し、前記操作部に対する前記作動液の供給及び排出を制御する。アキュムレータは、前記作動液の圧力を保持する。排液タンクは、前記操作部により排出された前記作動液を貯蔵する。ポンプは、前記排液タンク内の作動液を前記アキュムレータに供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填剤が充填された密閉容器と、
前記密閉容器の内部に固設される固定電極と、
前記固定電極に対向配置される可動電極と、
前記可動電極を前記固定電極に対して離接させる操作機構と、を備え、
前記操作機構は、
作動液の供給及び排出により、前記可動電極を開閉する操作部と、
前記作動液の供給を開始する電磁反発機構を有し、前記操作部に対する前記作動液の供給及び排出を制御する制御部と、
前記作動液の圧力を保持するアキュムレータと、
前記操作部により排出された前記作動液を貯蔵する排液タンクと、
前記排液タンク内の作動液を前記アキュムレータに供給するポンプと、を備える、
限流装置。
【請求項2】
前記操作部は、
前記作動液が充填されるシリンダと、
前記シリンダの内部に摺動可能に挿入されたピストンと、
前記ピストンと前記可動電極を連結するロッドと、
前記シリンダ内における前記ピストンの前記ロッド側に形成された第1の駆動液室と、前記シリンダ内における前記ピストンの前記ロッドの反対側に形成された第2の駆動液室と、を備え、
前記制御部は、
排液流路を介して前記排液タンクに接続された第1の制御液室と、
制御流路を介して前記第2の駆動液室に接続された第2の制御液室と、
高圧流路を介して前記第2の駆動液室に接続された第3の制御液室と、
前記第1の制御液室及び前記第2の制御液室の間、または前記第2の制御液室及び前記第3の制御液室の間のうち少なくともいずれか一方に設けられた弁体と、を備え、
前記電磁反発機構は、前記弁体を駆動する、
請求項1に記載の限流装置。
【請求項3】
前記電磁反発機構は、
前記弁体を作動させる可動軸と、
前記可動軸を囲んで配置された開路用コイル及び閉路用コイルと、
前記可動軸に固着され、前記開路用コイルと前記閉路用コイルの間に配置された駆動板と、
前記駆動板に設けられ、前記開路用コイル及び前記閉路用コイルに対向する反発リングと、
開路動作終了時に制動力を発生させる開路ダンパと、
閉路動作終了時に制動力を発生させる閉路ダンパと、
前記可動軸に固着され、開路動作終了時に前記開路ダンパと当接する開路ダンパ受けと、
前記可動軸に固着され、閉路動作終了時に前記閉路ダンパと当接する閉路ダンパ受けと、を備える、
請求項2に記載の限流装置。
【請求項4】
前記電磁反発機構は、前記弁体の両側にそれぞれ設けられた単方向電磁反発機構を含み、
前記単方向電磁反発機構は、
前記弁体を作動させる可動軸と、
前記可動軸を囲んで配置されたコイルと、
前記可動軸に固着され、前記コイルよりも前記弁体側に配置された駆動板と、
前記駆動板に設けられ、前記コイルに対向する反発リングと、
動作終了時に制動力を発生させるダンパと、
前記可動軸に固着され、動作終了時に前記ダンパと当接するダンパ受けと、を備える、
請求項2に記載の限流装置。
【請求項5】
前記電磁反発機構は、
前記弁体を作動させた後の前記可動軸を、前記弁体を作動させる前の位置に復帰させる復帰バネを更に備える、
請求項3または4に記載の限流装置。
【請求項6】
前記第1の制御液室と前記第2の制御液室を連通させる第1の連通路と、
前記第2の制御液室と前記第3の制御液室を連通させる第2の連通路と、
前記第3の制御液室と前記制御部の外側を貫通する貫通部と、が形成され、
前記第2の制御液室における前記第1の連通路の流路断面積が、前記第3の制御液室における前記貫通部の開口断面積よりも大きく、
前記第3の制御液室における前記貫通部の開口断面積が、前記第2の制御液室における前記第2の連通路の流路断面積よりも大きい、
請求項2から5のうちいずれか1項に記載の限流装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記弁体の位置を保持する位置保持機構を更に備える、
請求項2から6のうちいずれか1項に記載の限流装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、限流装置に関する。
【背景技術】
【0002】
限流装置は、例えば、電力系統の電力供給線に流れる短絡電流を限流するため、系統事故時において事故の生じた系統を切り離す際に流れる電流を遮断するための遮断器とともに電力供給線に配置される。電力系統に設置される遮断器が開路状態とされる時には、遮断器内に配置された一対の電極が、機械的に切り離される。しかしながら、電力系統における電圧は高電圧であるため、一対の電極が機械的に切り離された後も、アーク電流が流れ続ける場合がある。限流装置は、このアーク電流を含め、系統事故で発生する大電流を制限するために用いられる。
【0003】
電力系統や配電系統に事故が起こった場合には、例えば、短絡電流が発生する。より安定化した電力供給を行うことを目的として、電力系統等は、広域にわたり系統連系される。しかし、広域にわたり系統連系された電力系統等では、系統のいずれかで短絡事故が発生した場合、より広域の電源から電流が集中して事故点に流れ込むため、短絡電流の最大値が大きくなる。
【0004】
さらに、短絡事故が発生したタイミングにより、短絡電流は、直流成分に交流成分が重畳したものとなる場合がある。直流成分に交流成分が重畳した短絡電流の最大電流値は、過大なものとなる。電力系統は抵抗成分を有するため、短絡電流発生後の第1波のピーク値が最大電流となり、その後、時間とともに直流成分は減衰することとなる。
【0005】
従来の限流装置は、例えば、対向配置された一対の電極を駆動機構によって駆動させて、の電極を接触および離間させる構造を有する。駆動機構の、駆動源には、例えば、ばねが用いられる。しかし、その場合、遮断指令から遮断部接点の動作が行われるまでに、複雑な動作が必要となるため、応答性が低く、限流装置の駆動機構としては不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-150752号公報
【特許文献2】特開2016-12398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、応答性が高い限流装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の限流装置は、密閉容器と、固定電極と、可動電極と、操作機構と、を持つ。密閉容器は充填剤が充填される。固定電極は、前記密閉容器の内部に固設される。可動電極は、前記固定電極に対向配置される。操作機構は、前記可動電極を前記固定電極に対して離接させる。前記操作機構は、操作部と、制御部と、アキュムレータと、排液タンクと、ポンプと、を持つ。操作部とは、作動液の供給及び排出により、前記可動電極を開閉する。制御部は、前記作動液の供給を開始する電磁反発機構を有し、前記操作部に対する前記作動液の供給及び排出を制御する。アキュムレータは、前記作動液の圧力を保持する。排液タンクは、前記操作部により排出された前記作動液を貯蔵する。ポンプは、前記排液タンク内の作動液を前記アキュムレータに供給する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態の限流装置1の構成図。
図2】第1の実施形態の限流装置1の構成図。
図3】第2の実施形態の限流装置における操作機構4の構成図。
図4】第3の実施形態の限流装置における操作機構4の構成図。
図5】第4の実施形態の限流装置における制御部60の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態の限流装置を、図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、第1の実施形態の限流装置1の構成図である。図1は、限流装置1の閉路状態を示し、図2は、限流装置1の開路状態を示す。限流装置1の閉路状態は、限流装置1の通電状態を含み、開路状態は、非通電状態を含む。限流装置1は、例えば、変電所等の電力供給設備に設置される。限流装置1は、例えば、可動電極2と、固定電極3と、操作機構4と、容器5、とを備える。
【0012】
容器5には、充填剤6が封入される。可動電極2には、第1の電力供給線7が接続され、固定電極3には、第2の電力供給線8が接続される。第1の電力供給線7及び第2の電力供給線8は、容器5の外側に延び出して、電力系統に接続される。以下の説明において、各部材の位置関係及び方向を説明するにあたり、限流装置1における容器5から見て操作機構4が配置された方向を機構方向、その反対側の方向を反機構方向と呼ぶことがある。
【0013】
可動電極2は、例えば、銅やタングステンを含有する導体金属により構成される。可動電極2は、例えば、中実の円筒形状の部材である。可動電極2は、例えば、削り出し等により形成される。可動電極2の反機構方向の端部は、例えば、面取り加工された曲面状に形成される。
【0014】
可動電極2は、絶縁物に支持されて容器5の内部に配置される。可動電極2は、容器5内における充填剤6中において、固定電極3と接触及び離間可能に、固定電極3に対向して配置される。可動電極2の機構方向の端部は、操作機構4に接続される。可動電極2は、操作機構4により駆動されて固定電極3と機械的に接触したり離間したりする。
【0015】
固定電極3は、例えば、銅やタングステンを含有する導体金属により構成される。固定電極3は、例えば、円筒形状の部材である。固定電極3は、例えば、削り出し等により形成される。固定電極3の機構方向の端部には、開口部11が形成される。固定電極3の反機構方向の端部には、底部12が設けられる。
【0016】
固定電極3は、絶縁物(図示せず)に支持されて容器5の内部に配置される。固定電極3は、容器5内における充填剤6中において、可動電極2と接触及び離間可能に、可動電極2に対向して配置される。固定電極3の開口部11は、限流装置1が閉路状態となるに可動電極2の外径部分と接触する。可動電極2は、限流装置1が開路状態となるときに開口部11に摺動して固定電極3の機械的に離間する。
【0017】
容器5は、例えば、金属や碍子等からなる円筒形状の密閉容器である。容器5の内部においては、絶縁物(図示せず)を介して可動電極2が移動可能に配置され、絶縁物(図示せず)を介して固定電極3が固定される。容器5の内部には、充填剤6が充填される。充填剤6としては、例えば水が用いられる。容器5は、金属製である場合、接地電位に接続される。離間した可動電極2と固定電極3の間の充填剤6が、電流を限流されるインピーダンスとして機能する。
【0018】
操作機構4は、液体を利用した液圧操作機構である。操作機構4は、可動電極2を機構方向または反機構方向に移動させることにより、可動電極2を固定電極3に対して離接させる。操作機構4は、例えば、操作部20と、アキュムレータ30と、排液タンク40と、ポンプユニット50と、制御部60と、を備える。
【0019】
操作部20は、可動電極2を開閉する。操作部20は、例えば、駆動シリンダ21と、駆動ピストン22と、駆動ロッド23と、を備える。駆動ピストン22は、駆動シリンダ21の内部に摺動可能に挿入される。駆動ロッド23は、駆動ピストン22と可動電極2を接続する。
【0020】
駆動シリンダ21の内部の空間には、駆動ピストン22により、第1の駆動液室24と、第2の駆動液室25が形成される。第1の駆動液室24は、駆動ピストン22に対する駆動ロッド23側(可動電極2側)の液室である。第2の駆動液室25は、駆動ピストン22を介した第1の駆動液室24と反対側の液室である。駆動シリンダ21は、シリンダの一例である。駆動ピストン22は、ピストンの一例である。駆動ロッド23は、ロッドの一例である。
【0021】
アキュムレータ30は、作動液の圧力を保持、ここでは高圧に保持する。アキュムレータ30は、例えば、アキュムレータ容器31と、アキュムレータピストン32と、を備える。アキュムレータピストン32は、アキュムレータ容器31に収容される。アキュムレータ容器31の内部は、アキュムレータピストン32によって窒素ガス室33と蓄液室34に仕切られる。窒素ガス室33は、アキュムレータ容器31の内部でアキュムレータピストン32の反機構方向の位置に形成され、高圧の窒素ガスが充填される。窒素ガス室33はどの位置に形成されていてもよく、例えば、アキュムレータピストン32の機構方向の位置に形成されていてもよい。蓄液室34は、アキュムレータ容器31の内部でアキュムレータピストン32の機構方向の位置に形成され、作動液が蓄えられる。
【0022】
排液タンク40は、操作部20により排出された作動液を貯蔵する。ポンプユニット50は、排液タンク40内の作動液を高圧化してアキュムレータ30に供給する。操作部20、制御部60、アキュムレータ30、排液タンク40、及びポンプユニット50の間には、第1の高圧流路52、第2の高圧流路53、制御流路54、及び排液流路55が配設される。これらの流路には、作動液が滞留したり流通したりする。これらの流路については、制御部60の説明した後に説明する。
【0023】
制御部60は、操作部20に対する作動液の供給及び排出を制御する。制御部60は、高圧の作動液を操作部20に供給したり、操作部20の作動液を排液タンク40に排出させたりする。制御部60には、例えば、第1の制御液室61と、第2の制御液室62と、第3の制御液室63と、が形成される。制御部60は、例えば、切替弁64と、電磁反発機構70と、位置保持機構80と、を備える。
【0024】
切替弁64は、接続部64Aと、弁体64Bと、閉塞部64Cと、軸部64Dと、を備える。接続部64A、弁体64B、及び閉塞部64Cは、軸部64Dにより一体的に形成される。接続部64Aは、電磁反発機構70に接続される。制御部60における反機構方向の端部には、第1の制御液室61から制御部60の外部に貫通する第1の貫通部65Aが形成される。第1の貫通部65Aは、第1の制御液室61と制御部60の外側とを連通させる。接続部64Aは、第1の貫通部65Aを閉塞して設けられる。接続部64Aは、第1の貫通部65Aを閉塞したまま第1の貫通部65Aに沿って移動可能である。
【0025】
弁体64Bは、第2の制御液室62内に配置される。弁体64Bは、第1の制御液室61と第2の制御液室62の間の形成される第1の連通路66A及び第2の制御液室62と第3の制御液室63の間の形成される第2の連通路66Bを開放したり閉塞したりする。第1の連通路66Aは、第1の制御液室61と第2の制御液室62とを連通させ、第2の連通路66Bは、第2の制御液室62と第3の制御液室63とを連通させる。切替弁64が最も反機構方向に寄った位置に移動した場合、弁体64Bは、第1の連通路66Aを閉塞し、第2の連通路66Bを開放する。切替弁64が最も機構方向に寄った位置に移動した場合、弁体64Bは、第2の連通路66Bを閉塞し、第1の連通路66Aを開放する。切替弁64がこれらの位置以外の位置にある場合、弁体64Bは、第1の連通路66A及び第2の連通路66Bを開放する。
【0026】
制御部60における機構方向の端部には、第3の制御液室63から制御部60の外部に貫通する第2の貫通部65Bが形成される。第2の貫通部65Bは、第3の制御液室63と制御部60の外側とを連通させる。閉塞部64Cは、第2の貫通部65Bを閉塞して設けられる。閉塞部64Cは、第2の貫通部65Bを閉塞したまま第2の貫通部65Bに沿って移動可能である。第2の貫通部65Bは、貫通部の一例である。
【0027】
操作部20における第1の駆動液室24は、第1の高圧流路52を介して制御部60における第3の制御液室63に接続される。アキュムレータ30における蓄液室34は、第2の高圧流路53を介して操作部20における第1の駆動液室24に接続される。第1の高圧流路52及び第2の高圧流路53には作動液が高圧で滞留する。
【0028】
制御部60における第2の制御液室62は、制御流路54を介して操作部20における第2の駆動液室25に接続される。限流装置1が閉路状態にあるときには、作動液が制御流路54に高圧で滞留する。限流装置1が閉路状態から開路状態になるときには、制御流路54を通じて第2の駆動液室25内の作動液が第2の制御液室62に流入する。
【0029】
制御部60における第1の制御液室61は、排液流路55を介して排液タンク40に接続される。限流装置1が閉路状態にあるときには、作動液が排液流路55に大気圧程度の低圧で滞留する。限流装置1が閉路状態から開路状態になるときには、第1の制御液室61と第2の制御液室62が連通し、第1の制御液室61を経由した第2の制御液室62内の作動液が、排液流路55を通じて排液タンク40に流入する。
【0030】
電磁反発機構70は、弁体64Bを移動させることにより、操作部20に対する作動液供給させたり排出させたりする。電磁反発機構70は、例えば、可動軸71と、開路用コイル72と、閉路用コイル73と、駆動板74と、反発リング75と、開路ダンパ76と、閉路ダンパ77と、開路ダンパ受け78と、閉路ダンパ受け79と、を備える。開路用コイル72、閉路用コイル73、駆動板74、反発リング75、開路ダンパ76、閉路ダンパ77、開路ダンパ受け78、及び閉路ダンパ受け79は、ケース70Aに収容される。
【0031】
可動軸71は、長尺の部材である。可動軸71の反機構方向の端部は、制御部60における切替弁64の接続部64Aに接続される。可動軸71は、切替弁64を作動させる。電磁反発機構70は、可動軸71により切替弁64を作動させることにより切替弁64を駆動する。
【0032】
開路用コイル72は、可動軸71に沿った軸を取り囲んで配置される。開路用コイル72は、例えば、ケース70Aに取り付けられた台座72Aを介してケース70Aに固定される。閉路用コイル73は、可動軸71に沿った軸を取り囲んで配置される。閉路用コイル73は、例えば、ケース70Aに取り付けられた台座73Aを介してケース70Aに固定される。
【0033】
駆動板74は、可動軸71に固着される。駆動板74は、例えば、円盤形状をした軽金属を含んで構成される。駆動板74は、開路用コイル72と閉路用コイル73の間(開路用コイル72よりも切替弁64側)に配置される。反発リング75は、駆動板74に固着された円環形状の良導体材料を含んで構成される。反発リング75は、開路用コイル72と閉路用コイル73のそれぞれに対して配置される。
【0034】
開路用コイル72は、電流を印加された際に、反発リング75に対して逆方向の誘導電流を発生させて、駆動板74に開路用コイル72から離反する方向に反発力を与える。こうして、開路用コイル72は、可動軸71を介して切替弁64を機構方向(開路動作方向)に移動させ、封鎖された第1の制御液室61と第2の制御液室62を連通させる。
【0035】
閉路用コイル73は、電流を印加された際に、反発リング75に対して逆方向の誘導電流を発生させて、駆動板74に閉路用コイル73から離反する方向に反発力を与える。こうして、閉路用コイル73は、可動軸71を介して切替弁64を機構方向に移動させ、封鎖された第2の制御液室62と第3の制御液室63を連通させる。
【0036】
開路ダンパ76は、開路動作終了時に制動力を発生させる。開路ダンパ76は、可動軸71が機構方向に向けて動作したときに、開路ダンパ受け78に接触して可動軸71を減速させる。開路ダンパ76は、例えばオイルダンパである。開路ダンパ76は、例えば、外筒76Aと、ピストンロッド76Bと、を含んで構成される。
【0037】
ピストンロッド76Bは、外筒76Aから開路ダンパ受け78に向かって突出する。限流装置1が閉路状態であるときには、ピストンロッド76Bの先端は、開路ダンパ受け78から離間している。開路ダンパ76は、更に、ピストンロッド76Bを開路ダンパ受け78に向けて付勢する付勢部材を備える。
【0038】
閉路ダンパ77は、閉路動作終了時に制動力を発生させる。閉路ダンパ77は、可動軸71が反機構方向(閉路動作方向)に向けて動作したときに、閉路ダンパ受け79に接触して可動軸71を減速させる。閉路ダンパ77は、例えばオイルダンパである。閉路ダンパ77は、例えば、外筒77Aと、ピストンロッド77Bと、を含んで構成される。
【0039】
ピストンロッド77Bは、外筒77Aから閉路ダンパ受け79に向かって突出する。限流装置1が開路状態であるときには、ピストンロッド77Bの先端は、閉路ダンパ受け79から離間している。閉路ダンパ77は、更に、ピストンロッド77Bを閉路ダンパ受け79に向けて付勢する付勢部材を備える。
【0040】
開路ダンパ受け78は、ゴムなどの弾性を有し、円盤形状をなす。開路ダンパ受け78は、可動軸71における駆動板74が固着された位置よりも機構方向に寄った位置に固着される。開路ダンパ受け78は、開路動作終了時に開路ダンパ76と当接する。開路ダンパ受け78は、例えば、弾性を有するゴムなどの部材により構成される。開路ダンパ受け78は、開路ダンパ76に接触する際に、開路ダンパ76との接触を緩衝する。
【0041】
閉路ダンパ受け79は、駆動板74における可動軸71が接続された面の反対側の面(反機構方向を向いた面)に固着される。閉路ダンパ受け79は、閉路動作終了時に前記開路ダンパと当接する。閉路ダンパ受け79は、例えば、弾性を有するゴムなどの部材により構成される。閉路ダンパ受け79は、閉路ダンパ77に接触する際に、閉路ダンパ77との接触を緩衝する。
【0042】
位置保持機構80は、切替弁64の位置、さらには、弁体64Bの位置を保持する。位置保持機構80は、例えば、揺動リンク81と、付勢部材82と、を備える。揺動リンク81は、可動軸71に移動に伴って揺動し、可動軸71の移動方向を規制する。付勢部材82は、弁体64Bが第1の連通路66Aを閉塞する位置にある場合に、可動軸71が反機構方向に付勢されるように揺動リンク81を付勢して、可動軸71の移動を阻止し、第1の連通路66Aが閉塞された状態を保持する。付勢部材82は、弁体64Bが第2の連通路66Bを閉塞する位置にある場合に、可動軸が機構方向に付勢されるように揺動リンク81を付勢して、可動軸71の移動を阻止し、第2の連通路66Bが閉塞された状態を保持する。
【0043】
限流装置1は、開路状態と閉路状態のいずれかの状態となる。限流装置1が閉路状態から開路状態になる動作を開路動作といい、限流装置1が開路状態から閉路状態になる動作を閉路動作という。さらに、反機構方向を開路動作方向、機構方向を閉路動作方向ともいう。続いて、限流装置1の状態及び状態変化について説明する。
【0044】
まず、限流装置1の閉路状態について説明する。
限流装置1が閉路状態であるとき、ポンプユニット50は、排液タンク40内の作動液を高圧化してアキュムレータ30における蓄液室34に供給する。蓄液室34には、窒素ガス室33内の窒素ガスの圧縮性がアキュムレータピストン32を介して作用するため、蓄液室34には、蓄圧されて高圧化された作動液が蓄液される。駆動ピストン22における第1の駆動液室24側の面には、蓄液室34からの液圧が第1の高圧流路52に滞留する作動液を介して常時作用する。
【0045】
一方、制御部60においては、位置保持機構80は、切替弁64の弁体64Bが第1の連通路66Aを閉塞するとともに第2の連通路66Bを開放する位置で電磁反発機構70の可動軸71を保持する。このため、第1の制御液室61と第2の制御液室62は遮断され、第2の制御液室62と第3の制御液室63は連通する。
【0046】
この状態で、蓄液室34からの液圧は、第2の高圧流路53、第1の高圧流路52、および制御流路54を介して駆動ピストン22における第2の駆動液室25側の面にも常時作用する。このように駆動ピストン22には、第1の駆動液室24側の面だけでなく、第2の駆動液室25側の面にも作動液の液圧が作用している。駆動ピストン22における両側の面では、作動液の液圧が作用する液圧作用面積差が生じ、第1の駆動液室24側の面積は、第2の駆動液室25側の面積よりも狭い。駆動ピストン22の両側の面における液圧作用面積差により、限流装置1は、図1に示すような閉路状態の位置に保持される。
【0047】
続いて、図1に示す閉路状態にある限流装置1が図2に示す開路状態に状態変化するまでの開路動作について説明する。
図1に示す閉路状態の限流装置1において、図示しない駆動電源からパルス電流を開路用コイル72に流すと開路用コイル72と、反発リング75の間に磁界が発生し、反発リング75に渦電流が発生する。
【0048】
発生した渦電流は反発リング75に流れる電流と逆向きに流れるため、反発リング75に電磁反発力が発生する。反発リング75に発生した電磁反発力は、位置保持機構80による切替弁64への開路動作方向とは逆向きの付勢力より大きい。このため、反発リング75、駆動板74、及び可動軸71が切替弁64の開路動作方向に移動を開始する。可動軸71の移動に伴い、切替弁64も開路動作方向へ移動する。
【0049】
切替弁64が移動することにより、第1の連通路66Aが開放されて、第1の制御液室61と第2の制御液室62が連通する。第1の制御液室61と第2の制御液室62が連通することにより、操作部20の第2の駆動液室25内の液圧が低下する。その結果、第1の駆動液室24における高圧の作動液の液圧によって駆動ピストン22が機構方向に駆動されて、駆動ロッド23を介して駆動ピストン22に連結された可動電極2が開路動作を行う。
【0050】
可動軸71がある一定距離変位すると、開路ダンパ受け78が開路ダンパ76のピストンロッド76Bに当接し、続いて、ピストンロッド76Bが外筒76Aに押し込まれて開路ダンパ76が可動軸71を制動する制動力が発生する。開路ダンパ76による制動力は、可動軸71および切替弁64を含む可動している部分の全体に作用される。
【0051】
切替弁64は、第2の制御液室62と第3の制御液室63を遮断する位置まで移動して停止する。その後、位置保持機構80は、可動軸71を介して、切替弁64の位置を保持する。開路動作中、駆動ピストン22の移動に伴い、第2の駆動液室25内の作動液の一部は排液となり、制御流路54と排液流路55を経由して排液タンク40により回収される。開路動作中は、切替弁64により第2の制御液室62と第3の制御液室63が遮断されている。したがって、高圧の作動液が排液流路55に流出することがないため、作動液の消費量を少なくすることができる。
【0052】
続いて、限流装置1の開路状態について説明する。
限流装置1が開路状態であるとき、ポンプユニット50は、限流装置1が閉路状態であるときと同様に、排液タンク40内の作動液を高圧化してアキュムレータ30における蓄液室34に供給する。このため、蓄液室34には、蓄圧されて高圧化された作動液が蓄液され、駆動ピストン22における第1の駆動液室24側の面には、蓄液室34からの高圧の液圧が第1の高圧流路52に滞留する作動液を介して常時作用する。
【0053】
一方、制御部60においては、切替弁64の弁体64Bが第1の連通路66Aを開放するとともに第2の連通路66Bを閉塞する位置で位置保持機構80が電磁反発機構70の可動軸71を保持する。このため、第1の制御液室61と第2の制御液室62は連通し、第2の制御液室62と第3の制御液室63とは遮断される。
【0054】
このため、制御流路54、排液流路55、及び第2の駆動液室25には、大気圧程度の作動液が滞留するので、駆動ピストン22における第2の駆動液室25側の面には、大気圧程度の低圧の液圧が常時作用する。したがって、駆動ピストン22の両側の面では、駆動ピストン22における第1の駆動液室24側にかかる圧力の方が、第2の駆動液室25側にかかる圧力よりも高くなる圧力差が生じるので、限流装置1は、図2に示すような開路状態の位置に保持される。
【0055】
続いて、図2に示す開路状態にある限流装置1が図1に示す閉路状態に状態変化するまでの閉路動作について説明する。
図2に示す開路状態の限流装置1において、図示しない駆動電源からパルス電流を閉路用コイル73に流すと、閉路用コイル73と反発リング75の間に磁界が発生し、反発リング75に渦電流が発生する。
【0056】
発生した渦電流は反発リング75に流れる電流と逆向きに流れるため、反発リング75に電磁反発力が発生する。反発リング75に発生した電磁反発力は、位置保持機構80による切替弁64への閉路動作方向とは逆向きの付勢力より大きい。このため、反発リング75、駆動板74、及び可動軸71が切替弁64の閉路動作方向に移動を開始する。可動軸71の移動に伴い、切替弁64も閉路動作方向に移動する。
【0057】
切替弁64が移動することにより、第2の連通路66Bが開放されて、第2の制御液室62と第3の制御液室63が連通する。第2の制御液室62と第3の制御液室63が連通することにより、駆動ピストン22における第1の駆動液室24の面だけでなく、第2の駆動液室25の面にも作動液による高圧の液圧が作用する。
【0058】
駆動ピストン22における両側に同様の高圧の液圧が作用すると、駆動ピストン22は、液圧作用面積の差により反機構方向に駆動される。駆動ピストン22が反機構方向に駆動されることにより、駆動ロッド23を介して駆動ピストン22に連結された可動電極2が、閉路動作方向に移動する閉路動作を行う。
【0059】
可動軸71がある一定距離変位すると、閉路ダンパ受け79が閉路ダンパ77のピストンロッド77Bに当接し、続いて、ピストンロッド77Bが外筒77Aに押し込まれて閉路ダンパ77が可動軸71を制動する制動力が発生する。閉路ダンパ77による制動力は、可動軸71および切替弁64を含む可動している部分の全体に作用される。
【0060】
切替弁64は、第1の制御液室61と第2の制御液室62を遮断する位置まで移動して停止する。その後、位置保持機構80は、可動軸71を介して、切替弁64の位置を保持する。この閉路動作中は、切替弁64が第1の制御液室61と第2の制御液室62を遮断しており、開路動作と同様に、高圧液が排液流路55に流出することがないため、高圧液の消費量を少なくすることができる。
【0061】
第1の実施形態の限流装置1においては、液体を利用した液圧操作機構である操作機構4を利用している。このため、操作機構4における可動軸71を移動させることによって閉路状態から開路状態の状態変化をさせようとする場合に、動作の応答性を高めることができる。
【0062】
第1の実施形態の限流装置1においては、電磁反発機構70を用いることにより、動作の応答性を高めている。しかしなら、限流装置1において用いられる可動電極2は、例えば、銅やタングステンを含有する導体金属で構成されるので、重量が嵩む。さらに、可動電極2を作動させるためには、ある程度のストローク長、例えば数百mm程度のストローク長が要求される。電磁反発機構70を用いた場合、動作の応答性を高めることができるが、可動電極2のストローク長を稼ぐことが難しくなる。
【0063】
この点、第1の実施形態の限流装置1は、液体を利用した液圧操作機構である操作機構4を用いて、可動電極2を移動させる。液圧操作機構である操作機構4を用いると、駆動シリンダ21のシリンダ径や軸方向の寸法を調整することにより、大出力化を容易に図ることができる。
【0064】
さらに、制御流路54を介して操作部20の第2の駆動液室25内の高圧の作動液を迅速に排出及び流入させることが可能となり、駆動ピストン22を高応答に移動させることができる。したがって、限流装置1は、大重量の可動電極2についても、素早く移動させることができる。操作機構4を備えることで、大出力、高応答、長ストローク化を図ることができる。
【0065】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の限流装置は、第1の実施形態と比較して、操作部における電磁反発機構の構成が主に異なる。以下の第2の実施形態以降の説明において、第1の実施形態と共通する要素等については、図面中に同一の番号を付してその説明を省略することがある。
【0066】
図3は、第2の実施形態の限流装置における操作機構4の構成図である。第2の実施形態の操作機構4は、制御部60において、第1の実施形態における電磁反発機構70に代えて、単一方向に駆動する第1の単方向電磁反発機構110及び第2の単方向電磁反発機構120を備える。第1の単方向電磁反発機構110及び第2の単方向電磁反発機構120は、切替弁64の両側のそれぞれに設けられる。
【0067】
第1の単方向電磁反発機構110は、例えば、可動軸111と、コイル112と、駆動板113と、反発リング114と、ダンパ115と、ダンパ受け116と、を備える。可動軸111は、切替弁64に接続される。第1の単方向電磁反発機構110における可動軸111を除く各要素は、ケース110Aに収容される。
【0068】
コイル112は、可動軸111を取り囲んで配置される。コイル112は、例えば、ケース110Aに取り付けられた台座112Aを介してケース110Aに固定される。駆動板113は、例えば、円盤形状をした軽金属を含んで構成され、可動軸111に固着される。駆動板113は、コイル112の機構方向に寄った位置に配置される。反発リング114は、駆動板113の反機構方向の面に固着された円環形状の良導体材料を含んで構成される。
【0069】
ダンパ115は、可動軸111が反機構方向に向けて動作したときに、ダンパ受け116に接触して可動軸111を減速させる。ダンパ115は、例えばオイルダンパである。ダンパ115は、例えば、外筒115Aと、ピストンロッド115Bと、を含んで構成される。ダンパ115は、第1の実施形態の開路ダンパ76と同様に構成され、制御部60との関係において、第1の実施形態の開路ダンパ76と反対側を向いて配置される。
【0070】
ダンパ受け116は、駆動板113における可動軸111が接続された面の反対側の面(反機構方向を向いた面)に接続される。ダンパ受け116は、例えば、弾性を有するゴムなどの部材により構成される。ダンパ受け116は、ダンパ115に接触する際に、ダンパ115との接触を緩衝する。
【0071】
第2の単方向電磁反発機構120は、例えば、可動軸121と、コイル122と、駆動板123と、反発リング124と、ダンパ125と、ダンパ受け126と、を備える。第2の単方向電磁反発機構120の各要素は、第1の単方向電磁反発機構110の各要素と同様に構成される。第2の単方向電磁反発機構120は、第1の単方向電磁反発機構110に対して、位置保持機構80及び制御部60を挟んで対称に配置される。
【0072】
続いて、第2の実施形態の限流装置における開路動作及び閉路動作について説明する。まず、第2の実施形態の限流装置の開路動作について説明する。
図示しない駆動電源からパルス電流をコイル112に流すとコイル112と、反発リング114の間に磁界が発生し、反発リング114に渦電流が発生する。
【0073】
発生した渦電流は反発リング114に流れる電流と逆向きに流れるため、反発リング114に電磁反発力が発生する。反発リング114に発生した電磁反発力は、位置保持機構80による切替弁64への開路動作方向とは逆向きの付勢力より大きい。このため、反発リング114、駆動板113、及び可動軸111が切替弁64の開路動作方向に移動を開始する。可動軸111の移動に伴い、切替弁64も開路動作方向へ移動する。
【0074】
切替弁64が移動することにより、第1の連通路66Aが開放されて、第1の制御液室61と第2の制御液室62が連通する。第1の制御液室61と第2の制御液室62が連通することにより、第1の実施形態と同様にして、可動電極2(図1参照)が開路動作を行う。
【0075】
可動軸111がある一定距離変位すると、ダンパ受け116がダンパ115のピストンロッド115Bに当接し、続いて、ピストンロッド115Bが外筒115Aに押し込まれてダンパ115が可動軸111を制動する制動力が発生する。ダンパ115による制動力は、可動軸111および切替弁64を含む可動している部分の全体に作用される。
【0076】
切替弁64は、第2の制御液室62と第3の制御液室63を遮断する位置まで移動して停止する。その後、位置保持機構80は、可動軸111を介して、切替弁64の位置を保持する。切替弁64の移動により、第1の実施形態と同様にして、限流装置の開路動作が実行される。
【0077】
続いて、第2の実施形態の限流装置の閉路動作について説明する。
図示しない駆動電源からパルス電流をコイル122に流すと、コイル122と反発リング124の間に磁界が発生し、反発リング124に渦電流が発生する。
【0078】
発生した渦電流は反発リング124に流れる電流と逆向きに流れるため、反発リング124に電磁反発力が発生する。反発リング124に発生した電磁反発力は、位置保持機構80による切替弁64への閉路動作方向とは逆向きの付勢力より大きい。このため、反発リング124、駆動板123、及び可動軸121が切替弁64の閉路動作方向に移動を開始する。可動軸121の移動に伴い、切替弁64も閉路動作方向に移動する。
【0079】
切替弁64が移動することにより、第2の連通路66Bが開放されて、第2の制御液室62と第3の制御液室63が連通する。第2の制御液室62と第3の制御液室63が連通することにより、第1の実施形態と同様にして、可動電極2(図1参照)が閉路動作を行う。
【0080】
可動軸121がある一定距離変位すると、ダンパ受け126がダンパ125のピストンロッド125Bに当接し、続いて、ピストンロッド125Bが外筒125Aに押し込まれてダンパ125が可動軸121を制動する制動力が発生する。ダンパ125による制動力は、可動軸121および切替弁64を含む可動している部分の全体に作用される。
【0081】
切替弁64は、第1の制御液室61と第2の制御液室62を遮断する位置まで移動して停止する。その後、位置保持機構80は、可動軸121を介して、切替弁64の位置を保持する。切替弁64の移動により、第1の実施形態と同様にして、限流装置の閉路動作が実行される。
【0082】
第2の実施形態の限流装置は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏し、閉路状態から開路状態の状態変化をさせようとする場合に、動作の応答性を高めることができる。さらに、第2の実施形態の限流装置は、第1の単方向電磁反発機構110及び第2の単方向電磁反発機構120を備える。このため、構成要素の簡素化及び低コスト化に寄与することができる。
【0083】
第2の実施形態において、制御部60の両側に第1の単方向電磁反発機構110及び第2の単方向電磁反発機構120を設けているが、切替弁64を閉路方向に移動させる機構については、第2の単方向電磁反発機構120以外の機構を用いてもよい。あるいは、切替弁64を閉路方向に移動させる機構を設けることなく、切替弁64を閉路方向に移動させる際に他の機構を接続したり人力等で移動させたりしてもよい。
【0084】
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の限流装置は、第1の実施形態と比較して、操作部における電磁反発機構の構成が主に異なる。
【0085】
図4は、第3の実施形態の限流装置における操作機構4の構成図である。第3の実施形態の操作機構4は、制御部60において、第1の実施形態における電磁反発機構70に代えて、単一方向に駆動する第1の自動復帰電磁反発機構130及び第2の自動復帰電磁反発機構140を備える。第1の自動復帰電磁反発機構130及び第2の自動復帰電磁反発機構140は、切替弁64の両側のそれぞれに設けられる。
【0086】
第1の自動復帰電磁反発機構130は、例えば、可動軸131と、コイル132と、駆動板133と、反発リング134と、ストッパ135と、閉路ダンパ136と、開路ダンパ受け137と、開路ダンパ138と、復帰バネ139と、を備える。第1の自動復帰電磁反発機構130における各要素は、ケース130Aに収容される。
【0087】
可動軸131は、長尺部材であり、限流装置が閉路状態のときに、切替弁64と距離を設けて配置され、機構方向の端部が切替弁64の反機構方向の端部の近傍に配置される。可動軸131は、機構方向に移動可能である、限流装置が閉路状態から開路状態に変化する際には、可動軸131は、ケース130Aの外側に突出する。
【0088】
コイル132は、可動軸131を取り囲んで配置される。コイル132は、例えば、ケース130Aに取り付けられた台座(図示せず)を介してケース130Aに固定される。駆動板133は、例えば、円盤形状をした軽金属を含んで構成され、可動軸131に固着される。駆動板133は、コイル132の機構方向に寄った位置に配置される。反発リング134は、駆動板133の反機構方向の面に固着された円環形状の良導体材料を含んで構成される。
【0089】
ストッパ135は、可動軸131の反機構方向の端部に設けられる。ストッパ135は、可動軸131の移動に伴って移動する。ストッパ135は、例えば、弾性を有するゴムなどの部材により構成される。ストッパ135は、閉路ダンパ136に接触する際に、閉路ダンパ136との接触を緩衝する。ストッパ135は、可動軸131が移動する際に、コイル132及び台座を避ける位置を通るように配置される。
【0090】
閉路ダンパ136は、可動軸131が反機構方向に向けて動作したときに、ストッパ135が接触して可動軸131を減速させる。閉路ダンパ136は、例えばオイルダンパである。閉路ダンパ136は、例えば、外筒136Aと、ピストンロッド136Bと、を含んで構成される。閉路ダンパ136は、第2の実施形態のダンパ115と同様に構成される。
【0091】
開路ダンパ受け137は、ゴムなどの弾性を有し、円盤形状をなす。開路ダンパ受け137は、可動軸131における駆動板133が固着された位置よりも機構方向に寄った位置に固着される。開路ダンパ受け137は、開路動作終了時に開路ダンパ138と当接する。開路ダンパ受け137は、開路ダンパ138に接触する際に、開路ダンパ138との接触を緩衝する。
【0092】
復帰バネ139は、開路ダンパ受け137と支持部材138Aの間にかけ渡される。復帰バネ139は、圧縮スプリングである。復帰バネ139は、可動軸131が機構方向に移動することにより、開路ダンパ受け137と支持部材138Aの間で収縮する。収縮した復帰バネ139は、開路ダンパ受け137を反機構方向(開路ダンパ受け137と支持部材138Aの間を広げる方向)に付勢する。
【0093】
第2の自動復帰電磁反発機構140は、例えば、可動軸141と、コイル142と、駆動板143と、反発リング144と、ストッパ145と、ダンパ146と、閉路ダンパ受け147と、閉路ダンパ148と、復帰バネ149と、を備える。第2の自動復帰電磁反発機構140の各要素は、第1の自動復帰電磁反発機構130の各要素と同様に構成される。第2の自動復帰電磁反発機構140は、第1の自動復帰電磁反発機構130に対して、位置保持機構80及び制御部60を挟んで対称に配置される。
【0094】
続いて、第3の実施形態の限流装置における開路動作及び閉路動作について説明する。まず、第3の実施形態の限流装置の開路動作について説明する。
図示しない駆動電源からパルス電流をコイル132に流すとコイル132と、反発リング134の間に磁界が発生し、反発リング134に渦電流が発生する。
【0095】
発生した渦電流は反発リング134に流れる電流と逆向きに流れるため、反発リング134に電磁反発力が発生する。反発リング134に発生した電磁反発力により、可動軸131が機構方向に移動し、可動軸131の機構方向端部が切替弁64の反機構方向の端部に当接する。反発リング134に発生した電磁反発力は、位置保持機構80による切替弁64への開路動作方向とは逆向きの付勢力より大きい。このため、可動軸131は、駆動板133、反発リング134、ストッパ135、及び開路ダンパ受け137とともに切替弁64の開路動作方向にさらに移動する。可動軸131の移動に伴い、切替弁64も開路動作方向へ移動する。
【0096】
可動軸131とともにストッパ135が移動することにより、ストッパ135は、閉路ダンパ136の外筒136Aに設けられたピストンロッド136Bから離反する。可動軸131とともに開路ダンパ受け137が移動することにより、復帰バネ139は、開路ダンパ受け137と支持部材138Aの間で収縮する。
【0097】
切替弁64が移動することにより、第1の連通路66Aが開放されて、第1の制御液室61と第2の制御液室62が連通する。第1の制御液室61と第2の制御液室62が連通することにより、第1の実施形態と同様にして、可動電極2(図1参照)が開路動作を行う。
【0098】
可動軸131がある一定距離変位すると、開路ダンパ受け137が開路ダンパ138に当接し、開路ダンパ138のピストンロッドが開路ダンパ138の外筒に押し込まれて開路ダンパ受け137が可動軸131を制動する制動力が発生する。開路ダンパ138による制動力は、可動軸131および切替弁64を含む可動している部分の全体に作用される。
【0099】
切替弁64は、第2の制御液室62と第3の制御液室63を遮断する位置まで移動して停止し、位置保持機構80は、切替弁64の位置を保持する。その後、第1の自動復帰電磁反発機構130では、駆動電源からコイル132に電流を流す操作が終了され、反発リング134による電磁反発力が消滅する。
【0100】
反発リング134による電磁反発力が消滅すると、復帰バネ139の付勢力が開路ダンパ受け137に対して作用し、可動軸131が反機構方向に移動する。その後、ストッパ135が閉路ダンパ136に当接することにより、可動軸131が動作前の位置に復帰する。以後、第1の実施形態と同様にして、限流装置の開路動作が実行される。
【0101】
続いて、第3の実施形態の限流装置の閉路動作について説明する。
図示しない駆動電源からパルス電流をコイル142に流すと、コイル142と反発リング144の間に磁界が発生し、反発リング144に渦電流が発生する。反発リング144に発生した電磁反発力により、可動軸141が反機構方向に移動し、可動軸141の反機構方向端部が切替弁64の機構方向の端部に当接する。反発リング144に発生した電磁反発力は、位置保持機構80による切替弁64への閉路動作方向とは逆向きの付勢力より大きい。このため、可動軸141は、駆動板143、反発リング144、ストッパ145、及び閉路ダンパ受け147とともに切替弁64の閉路動作方向にさらに移動する。可動軸141の移動に伴い、切替弁64も閉路動作方向へ移動する。
【0102】
可動軸141とともにストッパ145が移動することにより、ストッパ145は、ダンパ146の外筒146Aに設けられたピストンロッド146Bから離反する。可動軸141とともに閉路ダンパ受け147が移動することにより、復帰バネ149は、閉路ダンパ受け147と支持部材148Aの間で収縮する。
【0103】
切替弁64が移動することにより、第2の連通路66Bが開放されて、第2の制御液室62と第3の制御液室63が連通する。第2の制御液室62と第3の制御液室63が連通することにより、第1の実施形態と同様にして、可動電極2(図1参照)が閉路動作を行う。
【0104】
可動軸141がある一定距離変位すると、閉路ダンパ受け147が閉路ダンパ148に当接し、閉路ダンパ148のピストンロッドが閉路ダンパ148の外筒に押し込まれて閉路ダンパ受け147が可動軸141を制動する制動力が発生する。閉路ダンパ受け147による制動力は、可動軸141および切替弁64を含む可動している部分の全体に作用される。
【0105】
切替弁64は、第1の制御液室61と第2の制御液室62を遮断する位置まで移動して停止し、位置保持機構80は、切替弁64の位置を保持する。その後、第2の自動復帰電磁反発機構140では、駆動電源からコイル142に電流を流す操作が終了され、反発リング144による電磁反発力が消滅する。
【0106】
反発リング144による電磁反発力が消滅すると、復帰バネ149の付勢力が閉路ダンパ受け147に対して作用し、可動軸141が機構方向に移動する。その後、ストッパ145がダンパ146に当接することにより、可動軸141が動作前の位置に復帰する。以後、第1の実施形態と同様にして、限流装置の閉路動作が実行される。
【0107】
第3の実施形態の限流装置は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏し、閉路状態から開路状態の状態変化をさせようとする場合に、動作の応答性を高めることができる。さらに、第3の実施形態の限流装置は、第1の自動復帰電磁反発機構130及び第2の自動復帰電磁反発機構140を備える。このため、可動軸131,141を動作前の状態に迅速に復帰させることができる。さらに、可動軸131、141が動作する前に切替弁64との距離を設けている。このため、可動軸131,141が慣性力をもって切替弁64に当接できるため、応答性を向上させることができる。復帰バネやダンパなどの可動軸を復帰前の状態に復帰させる機構は、他の実施形態の限流装置に設けてもよい。
【0108】
(第4の実施形態)
続いて、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の限流装置は、第1の実施形態と比較して、操作部の構成が主に異なる。
【0109】
図5は、第4の実施形態の限流装置における制御部60の構成図である。第5の実施形態の制御部60は、第1の制御液室61、第2の制御液室62、及び第3の制御液室63の流路断面積が第1の実施形態の限流装置と異なる。以下、第4の実施形態の限流装置において、第2の制御液室62における第1の連通路の流路断面積を第1の断面積S1とする。第2の制御液室62における第3の制御液室63側の流路断面積を第2の断面積S2とする。第3の制御液室63における大気側の切替弁64の断面積(第2の貫通部65Bの開口断面積)を第3の断面積S3とする。
【0110】
第4の実施形態の限流装置では、第1の断面積S1が、第3の断面積S3よりも大きく、第3の断面積S3は、第2の断面積S2よりも大きい。このため、第1の断面積S1、第2の断面積S2、及び第3の断面積S3の間では、以下の(1)式が成り立つ。
S1>S3>S2 ・・・(2)
【0111】
続いて、第4の実施形態の限流装置の閉路状態及び開路状態について説明する。
第4の限流装置が閉路状態にあるとき、制御部60では、第2の制御液室62及び第3の制御液室63に高圧の作動液が充填された状態となる。このため、第2の制御液室62から切替弁64(弁体64B)に対して、閉路動作方向に液圧が作用し、第3の制御液室63から切替弁(閉塞部64C)に対して、開路動作方向に液圧が作用する。
【0112】
このとき、第1の断面積S1は、第3の断面積S3よりも大きい関係にある(S1>S3)。このため、弁体64Bにかかる液圧は閉塞部64Cにかかる液圧よりも大きくなるので、切替弁64には、常に閉路動作方向に付勢力が働く。したがって、弁体64Bが第1の連通路66Aを閉塞する位置で切替弁64が保持される。
【0113】
一方、第4の限流装置が開路状態にあるとき、制御部60では、第3の制御液室63に高圧の作動液が充填された状態となる。このため、第3の制御液室63から切替弁64(弁体64B)に対して、閉路動作方向に液圧が作用し、第3の制御液室63から切替弁(閉塞部64C)に対して、開路動作方向に液圧が作用する。
【0114】
このとき、第3の断面積S3は、第2の断面積S2よりも大きい関係にある(S3>S2)。このため、弁体64Bにかかる液圧は閉塞部64Cにかかる液圧よりも小さくなるので、切替弁64には、常に開路動作方向に付勢力が働く。したがって、弁体64Bが第2の連通路66Bを閉塞する位置で切替弁64が保持される。
【0115】
第4の実施形態の限流装置は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏し、閉路状態から開路状態の状態変化をさせようとする場合に、動作の応答性を高めることができる。さらに、第4の実施形態の限流装置は、第1の断面積S1は、第3の断面積S3よりも大きく、第3の断面積S3は、第2の断面積S2よりも大きい。このため、制御部60内に充填される高圧の作動液によって切替弁64の位置を保持することができる。したがって、限流装置における閉路状態及び開路状態の安定化を図ることができる。さらに、位置保持機構80が設けられていなくとも、切替弁64の位置を保持できるので、構成部品の点数の低減を図ることができる。
【0116】
上記の各実施形態において、容器5に封入される充填剤は水であるが、充填剤は水以外の物体でもよい。充填剤は、例えば、油、液体金属、フッ素系液体、超臨界状態の物質などでもよい。さらに、排液タンク40の排液流路55側の流入口やポンプユニット50側の流出口にフィルタなどを設けて、作動液に含まれる異物を除去できるようにしてもよい。
【0117】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、充填剤が充填された密閉容器と、前記密閉容器の内部に固設される固定電極と、前記固定電極に対向配置される可動電極と、前記可動電極を前記固定電極に対して離接させる操作機構と、持ち、前記操作機構は、作動液の供給及び排出により、前記可動電極を開閉する操作部と、前記作動液の供給を開始する電磁反発機構を有し、前記操作部に対する前記作動液の供給及び排出を制御する制御部と、前記作動液の圧力を保持するアキュムレータと、前記操作部により排出された前記作動液を貯蔵する排液タンクと、前記排液タンク内の作動液を前記アキュムレータに供給するポンプと、を持つことにより、応答性が高い限流装置を提供することができる。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0119】
1…限流装置、2…可動電極、3…固定電極、4…操作機構、5…容器、6…充填剤、7…第1の電力供給線、8…第2の電力供給線、11…開口部、12…底部、20…操作部、21…駆動シリンダ、22…駆動ピストン、23…駆動ロッド、24…第1の駆動液室、25…第2の駆動液室、30…アキュムレータ、31…アキュムレータ容器、32…アキュムレータピストン、33…窒素ガス室、34…蓄液室、40…排液タンク、50…ポンプユニット、52…第1の高圧流路、53…第2の高圧流路、54…制御流路、55…排液流路、60…制御部、61…第1の制御液室、62…第2の制御液室、63…第3の制御液室、64…切替弁、64A…接続部、64B…弁体、64C…閉塞部、64D…軸部、65A…第1の貫通部、65B…第2の貫通部、66A…第1の連通路、66B…第2の連通路、70…電磁反発機構、110…第1の単方向電磁反発機構、70A,110A,130A…ケース、71,111,121,131,141…可動軸、72…開路用コイル、72A,73A,112A…台座、73…閉路用コイル、73A…台座、74,113,123,133,143…駆動板、75,124,134,144…反発リング、76,138…開路ダンパ、76A,77A,115A,125A,136A,146A…外筒、76B,77B,115B,125B,136B,146B…ピストンロッド、77,136,148…閉路ダンパ、78,137…開路ダンパ受け、79,147…閉路ダンパ受け、80…位置保持機構、81…揺動リンク、82…付勢部材、110…第1の単方向電磁反発機構、112,122,132,142…コイル、115,125,146…ダンパ、116,126…ダンパ受け、120…第2の単方向電磁反発機構、130…第1の自動復帰電磁反発機構、135,145…ストッパ、138A,148A…支持部材、139,149…復帰バネ、140…第2の自動復帰電磁反発機構
図1
図2
図3
図4
図5