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特開2022-191012異物検査装置の調整方法、露光装置、および物品製造方法
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  • 特開-異物検査装置の調整方法、露光装置、および物品製造方法 図1
  • 特開-異物検査装置の調整方法、露光装置、および物品製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191012
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】異物検査装置の調整方法、露光装置、および物品製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20221220BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099614
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽根 加寿夫
【テーマコード(参考)】
2G051
2H197
【Fターム(参考)】
2G051AA42
2G051AA56
2G051AB01
2G051AC11
2G051BA20
2G051BB01
2G051BB05
2G051CA03
2G051CB05
2G051CC20
2H197AA05
2H197BA02
2H197BA09
2H197BA10
2H197CD12
2H197CD13
2H197HA03
2H197HA05
2H197JA18
(57)【要約】
【課題】コストの点で有利な異物検査装置の調整方法を提供する。
【解決手段】光学センサを移動させながら、保持部によって保持された物体の被検面上の異物を検査する異物検査装置の調整方法が提供される。該調整方法は、前記被検面の平坦度を計測する計測工程と、前記計測された平坦度に基づいて、前記光学センサの移動をガイドするガイド部の形状を調整する調整工程とを有する。前記調整工程は、前記ガイド部を支持するベース部と前記ガイド部との間にシムを介在させることにより前記ガイド部の形状を調整する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学センサを移動させながら、保持部によって保持された物体の被検面上の異物を検査する異物検査装置の調整方法であって、
前記被検面の平坦度を計測する計測工程と、
前記計測された平坦度に基づいて、前記光学センサの移動をガイドするガイド部の形状を調整する調整工程と、を有し、
前記調整工程は、前記ガイド部を支持するベース部と前記ガイド部との間にシムを介在させることにより前記ガイド部の形状を調整する、ことを特徴とする調整方法。
【請求項2】
前記計測工程は、前記被検面上の複数の位置で前記光学センサと前記被検面との距離の計測を行う工程を含み、
前記調整工程は、前記計測の結果に基づいて、前記複数の位置のそれぞれにおける前記光学センサと前記被検面との距離の差異が小さくなるように前記ガイド部の形状を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の調整方法。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記保持部の前記物体を保持する保持面と平行な方向への移動をガイドするように配置され、
前記ガイド部には、前記光学センサとの位置関係が固定された状態で計測器が装着されており、
前記計測工程は、前記光学センサと共に前記計測器が前記ガイド部によってガイドされながら前記計測器を走査駆動することにより、前記複数の位置で前記計測を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の調整方法。
【請求項4】
前記調整工程は、
前記計測の結果に応じた厚さのシムを選択する選択工程と、
前記選択されたシムを前記ベース部と前記ガイド部との間に挿入する挿入工程と、
を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の調整方法。
【請求項5】
前記選択工程は、複数の物体に対する前記計測工程による前記計測の結果に応じた厚さのシムを選択する、ことを特徴とする請求項4に記載の調整方法。
【請求項6】
前記保持部は、前記物体の周辺部または隅部のみを保持するように構成されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の調整方法。
【請求項7】
前記物体は、露光装置に用いられるマスクである、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の調整方法。
【請求項8】
マスクのパターンを基板に投影して前記基板を露光する露光装置であって、
前記マスク上の異物を検査する異物検査装置を含み、
請求項7に記載の調整方法に従い前記異物検査装置を調整する、ことを特徴とする露光装置。
【請求項9】
請求項8に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記露光された基板を現像する工程と、
を有し、前記現像された基板から物品を製造する、ことを特徴とする物品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物検査装置の調整方法、露光装置、および物品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスや液晶表示装置(ディスプレイ)等の製造工程であるフォトリソグラフィ工程においては、露光装置が使用される。露光装置は、原版(レチクル、マスク)のパターンを、投影光学系を介して感光性の基板(表面にレジスト層が形成されたウエハやガラスプレート等)に転写する。マスク上に異物(ゴミ)が付着した状態で露光装置によりフォトリソグラフィ工程が実行されると正確なパターン転写ができず不良品が生成される可能性がある。そのため、フォトリソグラフィ工程の前に異物検査が実施される。異物検査装置は、検査対象(原版または基板)の全面に対してセンサを走査して計測を行う。
【0003】
近年の原版および基板の大型化に伴い、異物検査においては検査対象である原版または基板の自重変形が無視できない。自重変形により被検面とセンサとの距離が許容範囲を超えた場合には検査不可となるため、走査中のセンサの位置を検査対象の形状に応じて適宜調整する必要がある。特許文献1には、トップテーブルの走査方向に対するリニアガイドの撓みを加圧により制御することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004―284000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された技術では、アクチュエータを使用してトップテーブルの走査方向に対するリニアガイドの撓みの制御を行うため、装置の構造が複雑になりコストが増加しうる。
【0006】
本発明は、例えば、コストの点で有利な異物検査装置の調整方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によれば、光学センサを移動させながら、保持部によって保持された物体の被検面上の異物を検査する異物検査装置の調整方法であって、前記被検面の平坦度を計測する計測工程と、前記計測された平坦度に基づいて、前記光学センサの移動をガイドするガイド部の形状を調整する調整工程と、を有し、前記調整工程は、前記ガイド部を支持するベース部と前記ガイド部との間にシムを介在させることにより前記ガイド部の形状を調整する、ことを特徴とする調整方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、コストの点で有利な異物検査装置の調整方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】異物検査装置の構成を示す図。
図2】異物検査装置の構成を示す図。
図3】異物検査装置のガイドレールの調整を説明する図。
図4】異物検査装置の調整方法を説明する図。
図5】調整方法によりシムが配置された後の異物検査装置を示す図。
図6】シムを選択するためのテーブルの例を示す図。
図7】異物検査装置を含む露光装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、実施形態に係る異物検査装置500の概略図である。本明細書および図面においては、水平面をXY平面とするXYZ座標系において方向が示される。一般には、検査対象の物体はその表面が水平面(XY平面)と平行になるようにステージ3の上に置かれる。よって以下では、物体が載置されるステージの表面に沿う平面内で互いに直交する方向をX軸およびY軸とし、X軸およびY軸に垂直な方向をZ軸とする。
【0012】
図1を参照して、実施形態に係る異物検査装置500の構成について説明する。図1は、X方向からみた異物検査装置500の側面図(Z-Y断面図)である。図1の異物検査装置500は、例えば、露光装置における原版(以下「マスク」という。)を検査対象とする異物検査装置である。
【0013】
実施形態における異物検査装置500は、光学センサを移動させながら、保持部によって保持された物体の被検面上の異物を検査するように構成される。図1において、異物検査装置500は、検査対象の物体であるマスク1を保持する保持部21と、センサ部4と、センサ部4を固定するトップテーブル5とを備えうる。また異物検査装置500は、センサ部4の移動を案内するガイドレール6(ガイド部)と、センサ部4を駆動する駆動部7と、ガイドレール6を支持するベースプレート8(ベース部)とを備えうる。保持部21は、マスク1を真空吸着力または静電吸着力によって固定するチャック2と、チャック2を支持するステージ3とを含みうる。ベースプレート8は、支柱9を介してステージ3と連結されている。
【0014】
センサ部4は、例えば被検面に検査光を照射する投光部と、異物からの反射光(散乱光)を受光する受光部とを含みうる。投光部は、例えば発光ダイオード(LED)を含み検査光としてLED光を照射する。なお、投光部は、被検面に対して検査光を斜入射する方向に検査光を投光するように配置された構成であってもよい。受光部は、イメージセンサ等の光学センサでありうる。受光部は、例えば検査光によって生じる異物からの散乱光をイメージセンサ上に結像させ、イメージセンサによって光を電気信号に変換しデータとして出力する。受光部は、カメラまたはラインセンサとして構成されうる。カメラは比較的構造が簡単である点で優れており、ラインセンサは高精度な測定ができる点で優れている。
【0015】
ガイドレール6は、保持部21のマスク1を保持する保持面2aと平行な方向(Y方向)への移動をガイドするように配置されており、センサ部4はこのガイドレール6に取り付けられている。ガイドレール6は、リニアガイドであってもよいし、エアスライドであってもよい。リニアガイドは入手性が好ましく比較的安価で購入できる点で優れており、エアスライドは高い駆動再現性を有する点で優れている。ガイドレール6と駆動部7とによって直動案内機構が構成される。駆動部7は、モータと、センサ部4に装着されたボールねじまたはエアシリンダとを含みうる。モータは、ステッピングモータまたはサーボモータでありうる。ステッピングモータは安価である点で優れており、サーボモータは精密な位置制御ができる点で優れている。駆動部7による駆動によってセンサ部4はガイドレール6に沿って移動することができ、これによりマスク1の全面を走査することができる。異物検査装置500の内部または外部にある制御部は、走査によって得られたデータに基づいて異物の大きさおよび個数を計算しうる。
【0016】
チャック2、ステージ3、トップテーブル5、ベースプレート8はそれぞれ、例えば、アルミニウムまたはセラミックスにより構成されうる。アルミニウムは入手容易で比較的安価で製作できる点で優れており、セラミックスは剛性が高く、変形を抑制できる点で優れている。
【0017】
図2は、Y方向からみた異物検査装置500の側面図(Z―X断面図)である。ここでは、マスク1の形状は、Y方向を長手方向、X方向を短手方向とする矩形の形状であることが想定されており、したがって、図2には短手方向に延在するマスク1が示されている。マスク1の短手方向(X方向)における変形量は長手方向における変化量に比べて微小でありうる。そのため、複数のマスク間での短手方向(X方向)における変形量の差も僅かであるため、マスク毎にX方向に関してセンサ部4の位置姿勢を制御する必要性は薄いといえる。
【0018】
異物検査装置500は、図2に示すように、センサ部4をX方向に沿って複数個備えうる。各センサ部は、走査方向(Y方向)と直交するZ-X平面内において、センサ部4の計測方向軸がマスク1の被検面の法線と平行になるように、かつ、センサ部4と被検面との距離が計測可能距離内に収まるように、トップテーブル5に取り付けられる。これにより、マスク1のX方向の変形に対し、マスク1の被検面とセンサ部4との距離を許容範囲内に収めることが可能となる。
【0019】
また、センサ部4を複数備えるのではなく1個だけ備える場合には、X方向に関する直動案内機構を追加し、該機構を、マスク1の形状に合わせた形状にするようにしてもよい。そうすることで、X方向に関して、センサ部4をマスク1の形状に倣って走査させることが可能となる。
【0020】
図1および図2において図示は省略されているが、マスク1の表面および裏面のそれぞれに対して異物検査を行うことができるように、センサ部4がマスク1の表面側と裏面側のそれぞれに配置されてもよい。マスク1の裏面を検査する都合上、保持部21を構成するチャック2は、マスク1の周辺部または隅部のみを保持するように構成されている。例えば、チャック2の形状は、マスク1の周辺部のみを保持する形状、マスク1の長手方向2辺の端部のみを保持する形状、あるいは、角部4箇所のみを保持する形状にされうる。このようなチャックの形状の場合、マスク1の自重変形が大きくなりうる。マスク1が自重変形により大きく撓むと、被検面のZ方向の変化量が焦点深度(DOF(Depth Of Focus))により決まる許容範囲から外れ、異物検査の精度が低下するおそれがある。
【0021】
この課題に対し、センサ部4のZ方向の位置をリアルタイムに制御する、あるいは、センサ部4の受光部のフォーカス動作をリアルタイムに制御するといった対処も考えられる。しかしこのような対処では装置の構造が複雑になりコストが増加しうる。
【0022】
これに対し、実施形態では、直動案内機構を固定するベースプレート8を、チャック2により保持されたマスク1の形状に応じた形状に変形させる。そして、表面形状がマスク1の形状に合うように調整されたベースプレート8にガイドレール6が固定される。これにより、センサ部4をマスク1の形状に倣って走査させることが可能となる。よって、異物検査装置500は、マスク1の検査面とセンサ部4との距離を許容範囲内に保ったまま、センサ部4を走査することができる。
【0023】
図3には、マスク1の形状に応じてガイドレール6を変形させる具体的な手段が示されている。図3は、図1と同様の、X方向からみた異物検査装置500の側面図(Z-Y断面図)である。図3においては、ベースプレート8の表面(ガイドレール6が搭載される面)は平坦面として描かれている。一例において、図3に示すように、ガイドレール6とベースプレート8との間にシムS1、S2を介在させることにより、ガイドレール6はマスク1の形状に合わせた形状にされる。本発明において、介在させるシムの個数は特定の数に限定はされない。使用されるシムS1、S2の厚みの選択については後述する。
【0024】
次に、図4を参照して、異物検査装置500の調整方法について説明する。図4は、図1と同様の、X方向からみた異物検査装置500の側面図(Z-Y断面図)である。図4においては、ベースプレート8の表面は平坦面であり、その上にガイドレール6が搭載されている。図4において、ガイドレール6には、センサ部4との位置関係が固定された状態で、計測器である変位センサ11が装着されている。例えば、変位センサ11は、図示の如く、トップテーブル5にセンサ部4(光学センサ)と並列に配置される。
【0025】
はじめに、計測工程として、マスク1の被検面の平坦度が計測される。平坦度の計測は、例えば、被検面上の複数の位置でセンサ部4と被検面との距離の計測を行うことを含みうる。具体的には、平坦度の計測は、センサ部4と共に変位センサ11がガイドレール6によってガイドされながら変位センサ11を走査駆動することにより、被検面上の複数の位置で計測を行うことを含みうる。複数の位置での計測値から、被検面の平坦度が計算されうる。
【0026】
次に、調整工程として、計測された平坦度に基づいて、ガイドレールの形状が調整される。この調整工程は例えば、平坦度の計測の結果に基づいて、上記複数の位置のそれぞれにおけるセンサ部4と被検面との距離の差異が小さくなるようにガイドレール6の形状を調整することを含みうる。一例において、事前計測により、図6に示すような、被検面の最大撓み量d(図4参照)と選択されるべきシムS1、S2の厚みに関する種類との対応関係が記述されたテーブルが予め作成される。図6において、TYPE1、TYPE2、TYPE3、TYPE4は、シムの厚みを規定する種類を示しており、各種類の厚みは以下の関係にあるものとする。
TYPE1<TYPE2<TYPE3<TYPE4
【0027】
このようなテーブルはマスクの事前計測により取得されうるが、一般的な撓み量を得るため、複数のマスクに対する事前計測によりテーブルが作成されてもよい。調整工程では、テーブルを参照することにより、平坦度の計測の結果から得られた最大撓み量dに対応する厚さのシムS1、S2が選択される。その後、選択されたシムS1、S2が、ベースプレート8とガイドレール6との間に挿入される。なお、上記の例は最大撓み量と各シムの厚みの対応関係を示すテーブルを参照するものであったが、テーブルを作成するかわりに、被検面の撓み量に対する各シムの厚みを特定する計算式を求めてその計算式を適用するようにしてもよい。
【0028】
図5は、上述の調整方法によりシムS1、S2が配置された後の異物検査装置500を示している。シムS1、S2が配置されたことにより、ガイドレール6はマスク1の形状に合わせた形状になる。それにより、センサ部4をマスク1の形状に倣って走査させることが可能となる。
【0029】
<第2実施形態>
以下の実施形態では、上述した異物検査装置500が適用される露光装置に関して説明する。露光装置は、基板に投影光学系を介して原版(マスク)のパターンを投影することによって基板を露光する装置である。
【0030】
図7は、露光装置の構成を示すブロック図である。この露光装置は、光源装置100と、照明光学系200と、マスク1を保持するマスクステージRSと、投影光学系300と、基板であるウエハWを保持するウエハステージWSと、制御部400とを含む。また、この露光装置は、上述した異物検査装置500を含む。マスク1は、異物検査装置500にて検査が行われ、正常である場合には、マスクステージRSに搬送される。
【0031】
照明光学系200は、不図示のレンズ、ミラー、オプティカルインテグレータ、絞り等を含み、これらによって光源装置100からの光を調整し、被照明領域であるマスク1を照明する。マスク1は、ウエハW上に転写されるべきパターン(例えば回路パターン)が形成された、例えば石英ガラス製の原版(マスク)である。マスクステージRSは、マスク1を保持して移動可能であり、不図示のリニアモータ等の駆動機構によって駆動される。投影光学系300は、マスク1を通過した光を所定の倍率でウエハW上に投影する。ウエハWは、表面上にフォトレジスト(感光性材料)が塗布された、例えば単結晶シリコンからなる基板である。ウエハステージWSは、不図示のウエハチャックを介してウエハWを保持して移動可能であり、不図示のリニアモータ等の駆動機構によって駆動される。
【0032】
制御部400は、例えば、CPU401、メモリ402、表示部403を含むコンピュータ装置によって構成され、異物検査装置500を含む、露光装置の各部を統括的に制御して、マスク1に形成されたパターンをウエハWに転写する露光処理を実行する。本実施形態では、制御部400が上述した異物検査装置500を制御する制御部として機能してもよい。
【0033】
<物品製造方法の実施形態>
本発明の実施形態に係る物品製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0034】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0035】
1:マスク、2:チャック、3:ステージ、4:センサ部、5:トップテーブル、6:ガイドレール、7:駆動部、8:ベースプレート、9:支柱、21:保持部、500:異物検査装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7