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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191017
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 18/06 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
B25J18/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099620
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 澄玲
(72)【発明者】
【氏名】千葉 玄明
(72)【発明者】
【氏名】勅使河原 誠一
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707AS06
3C707AS34
3C707AS35
3C707BS09
3C707CU01
3C707CU07
3C707CX01
3C707CY32
3C707HS27
(57)【要約】
【課題】可搬重量や可動範囲の影響および組立工数の増加を生じることなく、緩衝機能を得ると共に強度を確保すること。
【解決手段】ロボット1は、可動機構を構成する内骨格部2と、内骨格部2の周囲を覆う筒形状の外骨格部3と、内骨格部2と外骨格部3の間に形成された空間部4と、空間部4に配置され、筒形状の長さ方向に沿って延びる複数の空洞部を組み合わせた緩衝部5と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動機構を構成する内骨格部と、
前記内骨格部の周囲を覆う筒形状の外骨格部と、
前記内骨格部と前記外骨格部の間に形成された空間部と、
前記空間部に配置され、前記筒形状の長さ方向に沿って延びる複数の空洞部を組み合わせた緩衝部と、
を備える、ロボット。
【請求項2】
前記緩衝部は、前記空間部の全体に充填される、請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記緩衝部は、少なくとも前記内骨格部の外面との間、または前記外骨格部の内面との間に前記空間部を介して間隔を置いて設けられる、請求項1に記載のロボット。
【請求項4】
前記外骨格部は、多重の筒形状から構成されており、前記緩衝部は、多重の前記外骨格部の間、または、最も内側の前記外骨格部と前記内骨格部との間に配置される、請求項1に記載のロボット。
【請求項5】
前記緩衝部は、外表面が湾曲面で形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項6】
前記緩衝部は、外表面が平面で形成される、請求項1から5のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項7】
前記緩衝部は、前記空洞部が三角形、四角形、または六角形による平面充填構造からなる、請求項1から6のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項8】
前記緩衝部は、筒形状に形成されて前記内骨格部を挿通可能に設けられる、請求項1から7のいずれか1項に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2には、衝撃吸収構造を備えるロボットについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-125531号公報
【特許文献2】特開2005-103751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なロボットは、アクチュエータやリンク部を覆う外装材にも強度を維持するように剛性をもたせるため、人との衝突時において人に危害が生じるおそれがある。そこで、従来のロボットは、緩衝材が既存の外装材の表面に取り付けられる。このため、従来のロボットは、既存のロボットに緩衝材の重量が加わって可搬重量が増すことや、外装材の表面から突出する緩衝材の厚さにより可動範囲に影響を与える問題がある。しかも、従来のロボットは、緩衝材を取り付ける作業に手間がかかる。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、可搬重量や可動範囲の影響および組立工数の増加を生じることなく、緩衝機能を得ると共に強度を確保することのできるロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示の一態様のロボットは、可動機構を構成する内骨格部と、前記内骨格部の周囲を覆う筒形状の外骨格部と、前記内骨格部と前記外骨格部の間に形成された空間部と、前記空間部に配置され、前記筒形状の長さ方向に沿って延びる複数の空洞部を組み合わせた緩衝部と、を備える。
【0007】
上記ロボットの望ましい態様として、前記緩衝部は、前記空間部の全体に充填される。
【0008】
上記ロボットの望ましい態様として、前記緩衝部は、少なくとも前記内骨格部の外面との間、または前記外骨格部の内面との間に前記空間部を介して間隔を置いて設けられる。
【0009】
上記ロボットの望ましい態様として、前記外骨格部は、多重の筒形状から構成されており、前記緩衝部は、多重の前記外骨格部の間、または、最も内側の前記外骨格部と前記内骨格部との間に配置される。
【0010】
上記ロボットの望ましい態様として、前記緩衝部は、外表面が湾曲面で形成される。
【0011】
上記ロボットの望ましい態様として、前記緩衝部は、外表面が平面で形成される。
【0012】
上記ロボットの望ましい態様として、前記緩衝部は、前記空洞部が三角形、四角形、または六角形による平面充填構造からなる。
【0013】
上記ロボットの望ましい態様として、前記緩衝部は、筒形状に形成されて前記内骨格部を挿通可能に設けられる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、可搬重量や可動範囲の影響および組立工数の増加を生じることなく、緩衝機能を得ると共に強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態のロボットの構成例を表す斜視図である。
図2図2は、実施形態のロボットの断面図である。
図3図3は、実施形態のロボットの分解断面図である。
図4図4は、実施形態のロボットの要部概略側断面図である。
図5図5は、実施形態のロボットの要部概略平断面図である。
図6図6は、実施形態のロボットの他の例の要部概略平断面図である。
図7図7は、実施形態のロボットの他の例の要部概略平断面図である。
図8図8は、実施形態のロボットの他の例の要部概略平断面図である。
図9図9は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。
図10図10は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。
図11図11は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。
図12図12は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。
図13図13は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照して、本開示に係る好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0017】
図1は、実施形態のロボットの構成例を表す斜視図である。図2は、実施形態のロボットの断面図である。図3は、実施形態のロボットの分解断面図である。図4は、実施形態のロボットの要部概略側断面図である。図5は、実施形態のロボットの要部概略平断面図である。図6は、実施形態のロボットの他の例の要部概略平断面図である。図7は、実施形態のロボットの他の例の要部概略平断面図である。図8は、実施形態のロボットの他の例の要部概略平断面図である。
【0018】
図1から図3において、ロボット1は、多関節のロボットアームの一部を示している。ロボット1は、例えば、主に公共空間や家庭などで働くサービスロボットや、主に工場などで働く産業用ロボットや、医療分野で働く医療ロボットや、人間と協力して働く協働ロボットに適用が可能である。
【0019】
実施形態のロボット1は、可動機構を構成する内骨格部2と、内骨格部2の周囲を覆う外骨格部3と、内骨格部2と外骨格部3の間に形成された空間部4と、緩衝部5と、を備える。
【0020】
内骨格部2は、本実施形態では、第一内骨格部2A、第二内骨格部2B、第三内骨格部2C、第四内骨格部2D、および第五内骨格部2Eを有する。第一内骨格部2A、第二内骨格部2B、第三内骨格部2C、第四内骨格部2D、および第五内骨格部2Eは、それぞれ可動部として構成される。
【0021】
第一内骨格部2Aは、アクチュエータによって構成される。第一内骨格部2Aは、実施形態ではサーボモータを有する本体部2Aaを有する。本体部2Aaは、軸S1を中心とした円柱形状に形成されている。第一内骨格部2Aは、本体部2Aaのサーボモータによって軸S1の廻りに回転可能に設けられた回転軸部2Abを有する。第一内骨格部2Aは、本体部2Aaの側部に設けられて他の内骨格部(図示省略)に固定される固定部2Acを有する。
【0022】
第二内骨格部2Bは、軸S1が延びる方向、および軸S1と交差(直交)する軸S2が延びる方向に延びるように折れ曲がって形成された円筒曲管状の本体部2Baを有する。本体部2Baは、アルミ合金やステンレス合金や炭素鋼などによって剛構造に構成される。本体部2Baの各端部は、一方が第一内骨格部2Aの回転軸部2Abに固定される固定部2Bbとして構成され、他方が第三内骨格部2Cに固定される固定部2Bcとして構成される。固定部2Bbは、複数のネジR2によって回転軸部2Abに固定される。固定部2Bcは、複数のネジR3によって第三内骨格部2Cに固定される。従って、第二内骨格部2Bは、第一内骨格部2Aの回転軸部2Abの回転に伴って軸S1の廻りに回転する。
【0023】
第三内骨格部2Cは、軸S2が延びる方向に延びる円筒直管状の本体部2Caを有する。本体部2Caは、アルミ合金やステンレス合金や炭素鋼などによって剛構造に構成される。本体部2Caの各端部は、一方が第二内骨格部2Bの固定部2Bcに固定される固定部2Cbとして構成され、他方が第四内骨格部2Dに固定される固定部2Ccとして構成される。固定部2Cbは、複数のネジR3によって第二内骨格部2Bの固定部2Bcに固定される。固定部2Ccは、複数のネジR6によって第四内骨格部2Dに固定される。従って、第三内骨格部2Cは、第二内骨格部2Bと共に、第一内骨格部2Aの回転軸部2Abの回転に伴って軸S1の廻りに回転する。
【0024】
第四内骨格部2Dは、アクチュエータによって構成される。第四内骨格部2Dは、実施形態ではサーボモータを有する円柱形状の本体部2Daを有する。本体部2Daは、軸S2と交差(直交)する軸S3を中心とした円柱形状に形成されている。第四内骨格部2Dは、本体部2Daのサーボモータによって軸S3の廻りに回転可能に設けられた回転軸部2Dbを有する。第四内骨格部2Dは、本体部2Daの側部に設けられて第三内骨格部2Cの固定部2Ccに固定される固定部2Dcを有する。回転軸部2Dbは、第五内骨格部2Eに複数のネジR9によって固定される。固定部2Dcは、複数のネジR6によって第三内骨格部2Cの固定部2Ccに固定される。従って、第四内骨格部2Dは、第二内骨格部2Bおよび第三内骨格部2Cと共に、第一内骨格部2Aの回転軸部2Abの回転に伴って軸S1の廻りに回転する。
【0025】
第五内骨格部2Eは、アクチュエータによって構成される。第五内骨格部2Eは、実施形態ではサーボモータを有する円柱形状の本体部2Eaを有する。本体部2Eaは、軸S3と交差(直交)する軸S4を中心とした円柱形状に形成されている。第五内骨格部2Eは、本体部2Eaのサーボモータによって軸S4の廻りに回転可能に設けられた回転軸部2Ebを有する。第五内骨格部2Eは、本体部2Eaの側部に設けられて第四内骨格部2Dの回転軸部2Dbに固定される固定部2Ecを有する。回転軸部2Ebは、他の内骨格部(図示省略)に固定される。固定部2Ecは、複数のネジR9によって第四内骨格部2Dの回転軸部2Dbに固定される。従って、第五内骨格部2Eは、第二内骨格部2B、第三内骨格部2Cおよび第四内骨格部2Dと共に、第一内骨格部2Aの回転軸部2Abの回転に伴って軸S1の廻りに回転する。しかも、第五内骨格部2Eは、第四内骨格部2Dの回転軸部2Dbの回転に伴って軸S3の廻りに回転する。さらに、第五内骨格部2Eは、自身の回転軸部2Ebの回転によって他の内骨格部(図示省略)を軸S4の廻りに回転させる。
【0026】
外骨格部3は、本実施形態では、第一外骨格部3A、第二外骨格部3B、第三外骨格部3C、第四外骨格部3D、第五外骨格部3E、第六外骨格部3F、および第七外骨格部3Gを有する。第一外骨格部3A、第二外骨格部3B、第三外骨格部3C、第四外骨格部3D、および第五外骨格部3Eは、筒状外骨格部ともいう。第六外骨格部3Fおよび第七外骨格部3Gは、連結外骨格部ともいう。
【0027】
第一外骨格部3Aは、第一内骨格部2Aの外周を覆う。第一外骨格部3Aは、第一内骨格部2Aにおいて円柱形状の本体部2Aaの外周を覆うように、軸S1を中心とした円筒形状の筒本体部3Aaを有する。筒本体部3Aaは、円筒形状に限らず例えば多角形筒など筒形状であればよい。筒本体部3Aaは、ポリエチレンテレフタレートなどによって構成される。筒本体部3Aaは、軸S1の延びる方向では形状を維持する一方で、軸S1に交差する径方向では変形することが可能に構成される。筒本体部3Aaは、軸S1が延びる方向の一端が閉塞され、他端が開放して構成される。従って、筒本体部3Aaは、第一内骨格部2Aを軸S1に沿って挿入して内装する一方で、第一内骨格部2Aを軸S1に沿って取り出して分離する。第一外骨格部3Aは、筒本体部3Aaの開放した他端に、第一筒固定部3Abを有する。第一筒固定部3Abは、環状に形成され、第一内骨格部2Aにおいて回転軸部2Abが設けられた本体部2Aaの端部外周に複数のネジR1によって固定される。また、第一外骨格部3Aは、筒本体部3Aaの側部に設けられて第一内骨格部2Aの固定部2Acを表出する第二筒固定部3Acを有する。第二筒固定部3Acは、他の内骨格部(図示省略)の外周を覆う他の外骨格部(図示省略)が連結される。
【0028】
第二外骨格部3Bは、第二内骨格部2Bの外周を覆う。第二外骨格部3Bは、軸S1を中心とした円筒形状の筒本体部3Baを有する。筒本体部3Baは、円筒形状に限らず例えば多角形筒など筒形状であればよい。筒本体部3Baは、ポリエチレンテレフタレートなどによって構成される。筒本体部3Baは、軸S1の延びる方向では形状を維持する一方で、軸S1に交差する径方向では変形することが可能に構成される。筒本体部3Baは、軸S1が延びる方向の一端が閉塞され、他端が開放して構成される。従って、筒本体部3Baは、第二内骨格部2Bを軸S1に沿って挿入して内装する一方で、第二内骨格部2Bを軸S1に沿って取り出して分離する。第二外骨格部3Bは、筒本体部3Baの開放した他端に、第一筒固定部3Bbを有する。第一筒固定部3Bbは、環状に形成され、第一内骨格部2Aの回転軸部2Abに対し、第二内骨格部2Bと共に複数のネジR2によって固定される。従って、第二外骨格部3Bは、第二内骨格部2Bと共に、第一内骨格部2Aの回転軸部2Abの回転に伴って軸S1の廻りに回転する。また、第二外骨格部3Bは、筒本体部3Baの側部に、第二筒固定部3Bcを有する。第二筒固定部3Bcは、環状に形成され、第三内骨格部2Cの固定部2Cbに対して複数のネジR4によって固定される。
【0029】
第三外骨格部3Cは、第三内骨格部2Cの外周を覆う。第三外骨格部3Cは、軸S2を中心とした円筒形状の筒本体部3Caを有する。筒本体部3Caは、円筒形状に限らず例えば多角形筒など筒形状であればよい。筒本体部3Caは、ポリエチレンテレフタレートなどによって構成される。筒本体部3Caは、軸S2の延びる方向では形状を維持する一方で、軸S2に交差する径方向では変形することが可能に構成される。筒本体部3Caは、ポリエチレンテレフタレートなどによって構成され、円筒形状を維持する一方で変形することが可能に設けられる。筒本体部3Caは、軸S2が延びる方向の両端が開放して構成される。従って、筒本体部3Caは、第三内骨格部2Cを軸S2に沿って挿入して内装する一方で、第三内骨格部2Cを軸S2に沿って取り出して分離する。第三外骨格部3Cは、筒本体部3Caの開放した一端に、第一筒固定部3Cbを有する。第一筒固定部3Cbは、環状に形成され、第二外骨格部3Bの第二筒固定部3Bcと共に、第三内骨格部2Cの固定部2Cbに対して複数のネジR4によって固定される。また、第三外骨格部3Cは、筒本体部3Caの開放した他端に、第二筒固定部3Ccを有する。第二筒固定部3Ccは、環状に形成され、第三内骨格部2Cの固定部2Ccに対して複数のネジR5によって固定される。従って、第三外骨格部3Cは、第三内骨格部2C、第二内骨格部2B、および第二外骨格部3Bと共に、第一内骨格部2Aの回転軸部2Abの回転に伴って軸S1の廻りに回転する。
【0030】
第四外骨格部3Dは、第四内骨格部2Dの外周を覆う。第四外骨格部3Dは、軸S3を中心とした円筒形状の筒本体部3Daを有する。筒本体部3Daは、円筒形状に限らず例えば多角形筒など筒形状であればよい。筒本体部3Daは、ポリエチレンテレフタレートなどによって構成される。筒本体部3Daは、軸S3の延びる方向では形状を維持する一方で、軸S3に交差する径方向では変形することが可能に構成される。筒本体部3Daは、軸S3が延びる方向の一端が閉塞され、他端が開放して構成される。従って、筒本体部3Daは、第四内骨格部2Dを軸S3に沿って挿入して内装する一方で、第四内骨格部2Dを軸S3に沿って取り出して分離する。第四外骨格部3Dは、筒本体部3Daの開放した他端に、第一筒固定部3Dbを有する。第一筒固定部3Dbは、環状に形成され、第四内骨格部2Dにおいて回転軸部2Dbが設けられた本体部2Daの端部外周に複数のネジR7によって固定される。また、第四外骨格部3Dは、筒本体部3Daの側部に設けられた第二筒固定部3Dcを有する。第二筒固定部3Dcは、環状に形成され、第四内骨格部2Dの固定部2Dcに対して複数のネジR6で固定された第六外骨格部3Fに対して嵌め合いにより固定される。従って、第四外骨格部3Dは、第四内骨格部2D、第三外骨格部3C、第三内骨格部2C、第二内骨格部2B、および第二外骨格部3Bと共に、第一内骨格部2Aの回転軸部2Abの回転に伴って軸S1の廻りに回転する。
【0031】
第五外骨格部3Eは、第五内骨格部2Eの外周を覆う。第五外骨格部3Eは、軸S4を中心とした円筒形状の筒本体部3Eaを有する。筒本体部3Eaは、円筒形状に限らず例えば多角形筒など筒形状であればよい。筒本体部3Eaは、ポリエチレンテレフタレートなどによって構成される。筒本体部3Eaは、軸S4の延びる方向では形状を維持する一方で、軸S4に交差する径方向では変形することが可能に構成される。筒本体部3Eaは、軸S4が延びる方向の一端が閉塞され、他端が開放して構成される。従って、筒本体部3Eaは、第五内骨格部2Eを軸S4に沿って挿入して内装する一方で、第五内骨格部2Eを軸S4に沿って取り出して分離する。第五外骨格部3Eは、筒本体部3Eaの開放した他端に、第一筒固定部3Ebを有する。第一筒固定部3Ebは、環状に形成され、第五内骨格部2Eにおいて回転軸部2Ebが設けられた本体部2Eaの端部外周に複数のネジR8によって固定される。また、第五外骨格部3Eは、筒本体部3Eaの側部に設けられた第二筒固定部3Ecを有する。第二筒固定部3Ecは、環状に形成され、第四内骨格部2Dの回転軸部2Dbに対して複数のネジR9で固定される。従って、第五外骨格部3Eは、第五内骨格部2E、第四内骨格部2D、第三外骨格部3C、第三内骨格部2C、第二内骨格部2B、および第二外骨格部3Bと共に、第一内骨格部2Aの回転軸部2Abの回転に伴って軸S1の廻りに回転する。しかも、第五外骨格部3Eは、第五内骨格部2Eと共に、第四内骨格部2Dの回転軸部2Dbの回転に伴って軸S3の廻りに回転する。
【0032】
第六外骨格部3Fは、第三外骨格部3Cと第四外骨格部3Dとの間に設けられ、第三内骨格部2Cの固定部2Ccおよび第四内骨格部2Dの固定部2Dcの外周を覆う。第六外骨格部3Fは、軸S2を中心とした環状に形成される。第六外骨格部3Fは、ポリエチレンテレフタレートなどによって構成される。第六外骨格部3Fは、周方向で複数(少なくとも2つ)に分割して形成される。第六外骨格部3Fは、第三外骨格部3Cの第二筒固定部3Ccと共に、第三内骨格部2Cの固定部2Ccに対して複数のネジR5によって固定される。また、第六外骨格部3Fは、第四内骨格部2Dの固定部2Dcに対して複数のネジR6によって固定される。さらに、第六外骨格部3Fは、第四内骨格部2Dの固定部2Dcに固定された状態で、第四外骨格部3Dの第二筒固定部3Dcが嵌め合いにより固定される。従って、第六外骨格部3Fは、第三外骨格部3Cと第四外骨格部3Dとを連結する。また、筒状外骨格部である第三外骨格部3Cと第四外骨格部3Dは、連結外骨格部である第六外骨格部3Fよりも外側に突出して設けられる。
【0033】
第七外骨格部3Gは、第四外骨格部3Dと第四内骨格部2Dとの間に設けられ、第四内骨格部2Dの一部を覆う。第七外骨格部3Gは、軸S3を中心とした環状に形成される。第七外骨格部3Gは、ポリエチレンテレフタレートなどによって構成される。第七外骨格部3Gは、周方向で複数(少なくとも2つ)に分割して形成される。第七外骨格部3Gは、第四外骨格部3Dの第一筒固定部3Dbと共に、第四内骨格部2Dの本体部2Daの外周に複数のネジR7によって固定される。従って、第七外骨格部3Gは、第四外骨格部3Dと第四内骨格部2Dとを連結する。また、筒状外骨格部である第四外骨格部3Dは、連結外骨格部である第七外骨格部3Gよりも外側に突出して設けられる。
【0034】
空間部4は、本実施形態では、第一空間部4A、第二空間部4B、第三空間部4C、第四空間部4D、および第五空間部4Eを有する。第一空間部4Aは、第一内骨格部2Aの本体部2Aaと第一外骨格部3Aの筒本体部3Aaとの間に形成された間隔により構成される。第一空間部4Aは、第一外骨格部3Aによって密閉された空間であってもよい。第二空間部4Bは、第二内骨格部2Bの本体部2Baと第二外骨格部3Bの筒本体部3Baとの間に形成された間隔により構成される。第二空間部4Bは、第二外骨格部3Bによって密閉された空間であってもよい。第三空間部4Cは、第三内骨格部2Cの本体部2Caと第三外骨格部3Cの筒本体部3Caとの間に形成された間隔により構成される。第三空間部4Cは、第三外骨格部3Cによって密閉された空間であってもよい。第四空間部4Dは、第四内骨格部2Dの本体部2Daと第四外骨格部3Dの筒本体部3Daとの間に形成された間隔により構成される。第四空間部4Dは、第四外骨格部3Dによって密閉された空間であってもよい。第五空間部4Eは、第五内骨格部2Eの本体部2Eaと第五外骨格部3Eの筒本体部3Eaとの間に形成された間隔により構成される。第五空間部4Eは、第五外骨格部3Eによって密閉された空間であってもよい。
【0035】
上述したロボット1は、図2に示す組立状態と図3に示す分解状態とに構成される。
【0036】
組立状態から分解状態にするにあたり、ロボット1は、ネジR1を外すことで、第一内骨格部2Aに対して第一外骨格部3Aを軸S1が延びる方向に沿って取り外せる。また、ロボット1は、ネジR3およびネジR4を外すことで、第二内骨格部2Bと第三内骨格部2Cとを分離できると共に、第二外骨格部3Bと第三外骨格部3Cとを分離できる。そして、ロボット1は、ネジR2を外すことで、第二内骨格部2Bに対して第二外骨格部3Bを軸S1が延びる方向に沿って取り外せる。一方、ロボット1は、ネジR5を外すことで、第三内骨格部2Cに対して第三外骨格部3Cを軸S2が延びる方向に沿って取り外せる。また、ロボット1は、ネジR6およびネジR7を外すことで、第六外骨格部3Fおよび第七外骨格部3Gが分割して取り外され、同時に、第四内骨格部2Dに対して第四外骨格部3Dを軸S3が延びる方向に沿って取り外せる。また、ロボット1は、ネジR9を外すことで、第四内骨格部2Dと第五内骨格部2Eとを分離できる。そして、ロボット1は、ネジR8を外すことで、第五内骨格部2Eに対して第五外骨格部3Eを軸S4が延びる方向に沿って取り外せる。なお、分離状態から組立状態にするには、上記と逆の手順を行う。従って、ロボット1は、内骨格部2や外骨格部(筒状内骨格部)3を連結する外骨格部(連結外骨格部)3を分割し、内骨格部2に対して外骨格部(筒状内骨格部)3を軸が延びる方向に移動することで組立状態および分離状態にすることができる。
【0037】
緩衝部5は、図4から図8に示すように、空間部4に配置される。図4から図8では、内骨格部2、外骨格部3、および空間部4を概略的に示している。実施形態において、緩衝部5は、上述した空間部4A,4B,4C,4D,4Eにそれぞれ配置される。または、緩衝部5は、上述した空間部4A,4B,4C,4D,4Eの少なくとも1つに配置される。図4から図8では、緩衝部5は、図2で示す第三内骨格部2Cと第三外骨格部3Cとの間の空間部4Cに配置された構成を一例として示している。
【0038】
緩衝部5は、内骨格部2の外周を囲むように形成され、外骨格部3の内側に配置される。緩衝部5は、外骨格部3の筒形状と同じく軸Sの延びる方向に沿って筒形状に配置される。緩衝部5は、図5から図8に示すように、筒形状の長さ方向である軸Sの延びる方向に沿って延びる複数の空洞部5A,5B,5Cを組み合わせた構造とされる。具体的に緩衝部5は、図5および図8で示すように、軸Sに直交する断面において六角形の空洞部5Aによる平面充填構造(ハニカム構造)や、図6で示すように、軸Sに直交する断面において四角形の空洞部5Bによる平面充填構造や、図7で示すように、軸Sに直交する断面において三角形の空洞部5Cによる平面充填構造がある。緩衝部5は、複数の空洞部5A,5B,5Cを組み合わせた構造によって、軸Sの延びる方向では形状(強度)を維持する一方で、軸Sに交差する径方向では変形することが可能に構成される。
【0039】
このように、実施形態のロボット1は、可動機構を構成する内骨格部2と、内骨格部2の周囲を覆う筒形状の外骨格部3と、内骨格部2と外骨格部3の間に形成された空間部4と、空間部4に配置され、外骨格部3の筒形状の長さ方向に沿って延びる複数の空洞部5A,5B,5Cを組み合わせた緩衝部5と、を備える。
【0040】
実施形態のロボット1によれば、内骨格部2の周囲を覆う筒形状の外骨格部3との間の空間部4に複数の空洞部5A,5B,5Cを組み合わせた構造の緩衝部5を備えることで、外力が付与された場合に干渉機能が得られる。このため、実施形態のロボット1は、人とロボット1とが衝突しても、人に危害を与えることを防ぎ、かつロボット1の故障も防ぐ緩衝機能を得ることができる。しかも、実施形態のロボット1によれば、複数の空洞部5A,5B,5Cを組み合わせた構造の緩衝部5は、軸Sの延びる方向に沿う外力に対して強度を確保する強度部材として機能する。さらに、実施形態のロボット1によれば、可動機構を内骨格部2に委ね、緩衝機能を外骨格部3、空間部4および緩衝部5に委ねて機能分離することで、既存の可動部に後から緩衝部材を付けることと比較して可搬重量や可動範囲の影響や組立工数の増加を防ぐ。さらに、実施形態のロボット1によれば、緩衝部5は空洞部5A,5B,5Cを有する構成のため、緩衝機能を得つつ軽量化を図れる。
【0041】
実施形態のロボット1では、緩衝部5は、空洞部5A,5B,5Cが三角形、四角形、または六角形による平面充填構造からなる。
【0042】
緩衝部5は、平面充填の角数が少ないほど、軸Sの延びる方向に対して比較的強く、かつ軸Sに交差する径方向の曲げ応力に対して比較的強くなり、平面充填の角数が多いほど、軸Sの延びる方向に対して比較的弱く、かつ軸Sに交差する径方向の曲げ応力に対して比較的弱くなる。従って、実施形態のロボット1によれば、緩衝部5の空洞部5A,5B,5Cの構造を、人との衝突の機会などのロボット1を使用する環境に応じて選択することができる。実施形態のロボット1では、空洞部5Aが六角形の平面充填構造(ハニカム構造)は、強度向上および軽量化の双方が得られる好ましい形態である。
【0043】
実施形態のロボット1では、緩衝部5は、図5から図7に示すように、外表面51が湾曲面で形成され、実施形態では、全体として円筒形状に形成される。また、実施形態のロボット1では、緩衝部5は、図8に示すように、外表面51が平面で形成され、実施形態では、全体として角筒形状に形成される。
【0044】
緩衝部5は、外表面51が湾曲面で形成されると、径方向の曲げ応力に対して比較的強く、外表面51が平面で形成されると径方向の曲げ応力に対して強度が比較的弱い。また、緩衝部5は、図5から図7に示すように外表面51全体が湾曲面で形成された円筒形状の場合、径方向の曲げ応力に対して強さが全周でほぼ均等になり、図8に示すように、外表面51が平面で形成された角筒形状の場合は、径方向の曲げ応力に対して角部において比較的強く、平面部において比較的弱い。かかる緩衝部5の外表面51の形状は、人との衝突の機会などのロボット1を使用する環境に応じて選択することができる。なお、緩衝部5は、図には明示しないが、例えば、円筒形状の外表面の一部が平坦に形成されているように、外表面が湾曲面および平面で形成されてもよい。
【0045】
実施形態のロボット1では、図4から図8に示すように、緩衝部5は、空間部4の全体に充填される。
【0046】
実施形態のロボット1によれば、空間部4の全体に緩衝部5を充填することで、径方向の曲げ応力に対して比較的強くなる。従って、実施形態のロボット1によれば、強度の向上を図れる。
【0047】
図9は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。図10は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。図11は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。
【0048】
実施形態のロボット1では、図9に示すように、緩衝部5は、外骨格部3の内面に取り付けられて内骨格部2の外面との間に空間部4を介して間隔を置いて設けられる。または、実施形態のロボット1では、図10に示すように、緩衝部5は、内骨格部2の外面に取り付けられて外骨格部3の内面との間に空間部4を介して間隔を置いて設けられる。または、実施形態のロボット1では、図11に示すように、緩衝部5は、内骨格部2の外面との間、および外骨格部3の内面との間に空間部4を介して間隔を置いて設けられる。即ち、実施形態のロボット1では、緩衝部5は、少なくとも内骨格部2の外面との間、または外骨格部3の内面との間に空間部4を介して間隔を置いて設けられる。
【0049】
実施形態のロボット1によれば、緩衝部5によって剛性を最低限確保しつつ空間部4を介した間隔によって衝撃を和らげる衝撃緩和機能を向上できる。例えば、図9に示すように、緩衝部5を外骨格部3の内面に取り付けて内骨格部2の外面との間に空間部4を介して間隔を置いて設けると、衝撃があった直後に緩衝部5によって緩衝機能を生じ、その後空間部4によって衝撃を和らげる。また、図10に示すように、緩衝部5を内骨格部2の外面に取り付け外骨格部3の内面との間に空間部4を介して間隔を置いて設けると、衝撃があって外骨格部32が押されて変形して衝撃を和らげた後に緩衝部5によって緩衝機能を生じる。また、図11に示すように、緩衝部5を内骨格部2の外面との間、および外骨格部3の内面との間に空間部4を介して間隔を置いて設けると、衝撃があって外骨格部32が押されて変形して衝撃を和らげた後に緩衝部5によって緩衝機能を生じ、その後空間部4によってさらに衝撃を和らげる。従って、実施形態のロボット1によれば、緩衝部5の配置を、人との衝突の機会などのロボット1を使用する環境に応じて選択することができる。なお、実施形態のロボット1によれば、図9および図11に示すように、緩衝部5を内骨格部2の外面に取り付けないように構成することで、緩衝部5の分解および組立が容易であり、交換を容易に行える。
【0050】
図12は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。図13は、実施形態のロボットの他の例の要部概略側断面図である。
【0051】
実施形態のロボット1では、図12および図13に示すように、外骨格部3は、多重(実施形態では2重)の筒形状の外骨格部31,32から構成されている。これにより、実施形態のロボット1では、複数に区画された空間部4(41,42)が形成される。そして、このロボット1では、緩衝部5は、図12に示すように、多重の外骨格部31,32の間の空間部41に配置される。または、このロボット1では、緩衝部5は、図13に示すように、最も内側の外骨格部32と内骨格部2との間の空間部42に配置される。
【0052】
実施形態のロボット1によれば、図12に示すように、緩衝部5を多重の外骨格部31,32の間の空間部41に配置することで、衝撃があった直後に緩衝部5によって緩衝機能を生じ、その後空間部42によって衝撃を和らげる。一方、実施形態のロボット1によれば、図13に示すように、緩衝部5を最も内側の外骨格部32と内骨格部2との間の空間部42に配置することで、衝撃があって外骨格部32が押されて変形して衝撃を和らげた後に緩衝部5によって緩衝機能を生じる。従って、実施形態のロボット1によれば、緩衝部5の配置を、人との衝突の機会などのロボット1を使用する環境に応じて選択することができる。なお、実施形態のロボット1によれば、図12に示すように、緩衝部5を多重の外骨格部31,32の間の空間部41に配置することで、外骨格部31,32と緩衝部5を一体の外骨格部として構成でき、緩衝部5の分解および組立が容易であり、交換を容易に行える。
【0053】
また、実施形態のロボット1では、緩衝部5は、筒形状に形成されて内骨格部2を挿通可能に設けられる。従って、実施形態のロボット1によれば、緩衝部5に内骨格部2を挿通して組立や分解を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0054】
1 ロボット
2 内骨格部
3(31,32) 外骨格部
4(41,42) 空間部
5 緩衝部
5A,5B,5C 空洞部
51 外表面
図1
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