(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191024
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】洗掘防止装置、洋上風車用基礎構造および施工方法
(51)【国際特許分類】
E02B 3/14 20060101AFI20221220BHJP
E02D 27/52 20060101ALI20221220BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20221220BHJP
【FI】
E02B3/14 301
E02D27/52 Z
F03D13/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099628
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 加苗
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 和雄
(72)【発明者】
【氏名】金子 勝
【テーマコード(参考)】
2D046
2D118
3H178
【Fターム(参考)】
2D046DA61
2D118AA05
2D118BA04
2D118BA07
3H178AA03
3H178AA25
3H178AA43
3H178BB77
3H178CC23
3H178DD67X
(57)【要約】
【課題】施工中の波浪や潮流による流出を未然に防止することができる洗掘防止装置、洋上風車用基礎構造および施工方法を提供する。
【解決手段】海底、河底または湖底に設置される構造物14の周囲の地盤12において洗掘を防止するために設けられる洗掘防止装置10であって、構造物14の周囲の地盤12上に環状に配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材20が詰め込まれた網目状の可撓性の第一袋体16と、第一袋体16の径方向外側に隣接または一部重複しつつ、第一袋体16に沿う周方向に互いに隣接または一部重複して複数配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材20が詰め込まれた網目状の可撓性の第二袋体18とを備えるようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底、河底または湖底に設置される構造物の周囲の地盤において洗掘を防止するために設けられる洗掘防止装置であって、
構造物の周囲の地盤上に環状に配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材が詰め込まれた網目状の可撓性の第一袋体と、第一袋体の径方向外側に隣接または一部重複しつつ、第一袋体に沿う周方向に互いに隣接または一部重複して複数配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材が詰め込まれた網目状の可撓性の第二袋体とを備えることを特徴とする洗掘防止装置。
【請求項2】
洋上に設けられる風車用の基礎構造であって、
海底に設置される杭基礎型の構造物と、この構造物の周囲の地盤上に配置される請求項1に記載の洗掘防止装置とを備えることを特徴とする洋上風車用基礎構造。
【請求項3】
請求項2に記載の洋上風車用基礎構造を施工する方法であって、
洗掘防止装置の第一袋体を海底地盤上に設置した後、第一袋体の環状内部の海底地盤に杭基礎型の構造物を設置することを特徴とする洋上風車用基礎構造の施工方法。
【請求項4】
請求項2に記載の洋上風車用基礎構造を施工する方法であって、
杭基礎型の構造物を海底地盤に設置した後、構造物の周囲の海底地盤上に洗掘防止装置の第一袋体を設置することを特徴とする洋上風車用基礎構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗掘防止装置、洋上風車用基礎構造および施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洋上風力発電は再生可能エネルギーのなかでも二酸化炭素排出量が少なく、日本沿岸の複数の地域で国により促進され複数の事業者によって競争中であり、風車基礎として
図3に示すようなモノパイル型の基礎形式が多く採用されている。一般的に、このような大口径の杭基礎1(モノパイル)を海中に設けた場合、波浪や潮流によりその周囲に洗掘が発生することから、基礎1の外周に捨石2を投入して海底地盤3を被覆する洗掘対策がとられている。
図4は、この洗掘対策工の一例である。この図に示すように、洗掘対策工4は、粒度が細かいフィルター層5と、フィルター層5の流出を抑えるために粒度の大きいアーマー層6を設置したものである。
【0003】
フィルター層5は、粒径が10mm前後の小さい粒度のため、
図5に示すように作業船7から海中に投入すると波浪や潮流で流出する懸念があり、フィルター層5の施工後、早期にアーマー層6を施工しなければならない。加えて、フィルター層5の出来形確保のため、海中投入後に均し作業が発生し、工程を要する。
【0004】
なお、従来の杭基礎周辺の洗掘対策工を施工する方法として、例えば特許文献1、2に示すものが知られている。特許文献1は、アスファルトマットを下面に取付けた杭打設用のテンプレートを水底に沈設してテンプレートにより杭基礎を位置決めして杭基礎を打設し、その後、アスファルトマットをテンプレートから離脱させ、テンプレートを引き上げることにより、杭基礎の打設と同時にアスファルトマットの水底への敷設を行うものである。特許文献2は、単位ブロックを平面的に多数繋ぎ合わせたブロックマット構造体を基礎部周辺の河床表面に一層または複数の層に舗装するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-204863号公報
【特許文献2】特表2005-508464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、
図4において風車組立の工程を優先すると、モノパイル打設後に海底ケーブル接続の工程があるため、モノパイル打設後のフィルター層5・アーマー層6の2層の施工は工程上難しい。そのため、モノパイル打設前にフィルター層5を施工し、モノパイル打設後にアーマー層6を施工することが考えられる。この場合、モノパイル打設により周辺地盤が沈下することが予想され、先に施工されたフィルター層5が乱されることに加え、アーマー層6を施工するまでの期間において、フィルター層5が波浪や潮流により流出するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、施工中の波浪や潮流による流出を未然に防止することができる洗掘防止装置、洋上風車用基礎構造および施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る洗掘防止装置は、海底、河底または湖底に設置される構造物の周囲の地盤において洗掘を防止するために設けられる洗掘防止装置であって、構造物の周囲の地盤上に環状に配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材が詰め込まれた網目状の可撓性の第一袋体と、第一袋体の径方向外側に隣接または一部重複しつつ、第一袋体に沿う周方向に互いに隣接または一部重複して複数配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材が詰め込まれた網目状の可撓性の第二袋体とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る洋上風車用基礎構造は、洋上に設けられる風車用の基礎構造であって、海底に設置される杭基礎型の構造物と、この構造物の周囲の地盤上に配置される上記の洗掘防止装置とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る洋上風車用基礎構造の施工方法は、上述した洋上風車用基礎構造を施工する方法であって、洗掘防止装置の第一袋体を海底地盤上に設置した後、第一袋体の環状内部の海底地盤に杭基礎型の構造物を設置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る他の洋上風車用基礎構造の施工方法は、上述した洋上風車用基礎構造を施工する方法であって、杭基礎型の構造物を海底地盤に設置した後、構造物の周囲の海底地盤上に洗掘防止装置の第一袋体を設置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る洗掘防止装置によれば、海底、河底または湖底に設置される構造物の周囲の地盤において洗掘を防止するために設けられる洗掘防止装置であって、構造物の周囲の地盤上に環状に配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材が詰め込まれた網目状の可撓性の第一袋体と、第一袋体の径方向外側に隣接または一部重複しつつ、第一袋体に沿う周方向に互いに隣接または一部重複して複数配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材が詰め込まれた網目状の可撓性の第二袋体とを備えるので、袋体の内部のフィルター材は波浪や潮流によって外部に分離拡散しない。したがって、波浪や潮流によって施工中の洗掘防止装置が流出する事態を未然に防止することができるという効果を奏する。
【0013】
また、本発明に係る洋上風車用基礎構造によれば、洋上に設けられる風車用の基礎構造であって、海底に設置される杭基礎型の構造物と、この構造物の周囲の地盤上に配置される上記の洗掘防止装置とを備えるので、杭基礎型の構造物を設置した後でも洗掘防止装置を速やかに施工することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る洋上風車用基礎構造の施工方法によれば、上述した洋上風車用基礎構造を施工する方法であって、洗掘防止装置の第一袋体を海底地盤上に設置した後、第一袋体の環状内部の海底地盤に杭基礎型の構造物を設置するので、杭基礎型の構造物に先行して設置した洗掘防止装置が、波浪や潮流によって流出する事態を未然に防止することができるという効果を奏する。また、杭基礎型の構造物を設置したことで周辺地盤が沈下変形した場合でも、先に施工した第一袋体はこの変形に追従して変形することができる。
【0015】
また、本発明に係る他の洋上風車用基礎構造の施工方法によれば、上述した洋上風車用基礎構造を施工する方法であって、杭基礎型の構造物を海底地盤に設置した後、構造物の周囲の海底地盤上に洗掘防止装置の第一袋体を設置するので、杭基礎型の構造物を設置した後でも洗掘防止装置を速やかに施工することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明に係る洗掘防止装置、洋上風車用基礎構造および施工方法の実施の形態を示す概略平面図である。
【
図2】
図2(1)は第二袋体の位置を示す概略斜視図、(2)は第二袋体の平面図である。
【
図3】
図3は、従来の洋上風力発電(モノパイル式)を示す概略斜視図である。
【
図4】
図4は、従来のモノパイル周りの洗掘対策工の一例を示す側断面図である。
【
図5】
図5は、従来の洗掘対策工の施工状況工の一例を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る洗掘防止装置、洋上風車用基礎構造および施工方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
(洗掘防止装置)
まず、本発明に係る洗掘防止装置の実施の形態について説明する。
図1および
図2に示すように、本実施の形態に係る洗掘防止装置10は、海底地盤、河底地盤または湖底地盤12に設置されるモノパイル14の周囲の地盤12において洗掘を防止するために設けられるものであり、ドーナッツ状(円環状)の第一袋体16と、その外側周囲に配置され、周方向で複数個に分割されたセクター状(扇状)の第二袋体18とを備える。モノパイル14は、鉛直方向に立設した円形断面の杭状(杭基礎型)の構造物であり、下部は地盤12下の支持層に打ち込まれ、上部は海面、川面または湖面から上に延びている。
【0019】
第一袋体16は、モノパイル14の周囲の地盤12上にドーナッツ状(円環状)に配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材20が詰め込まれた網目状(ネット状)の可撓性の袋体である。より具体的には、第一袋体16は、中央に貫通孔22を有する円環24を平面視で同心円状に2分割した区画のうち、半径方向内側の区画に位置する。ドーナッツの環状内径Dは、モノパイル14が環状内部を貫通可能なようにモノパイル14の直径程度に設定することが望ましい。
【0020】
第二袋体18は、第一袋体16の径方向外側に隣接しつつ、第一袋体16に沿う周方向に互いに隣接して複数配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材20が詰め込まれた網目状(ネット状)の可撓性のセクター状(扇状)の袋体である。より具体的には、第二袋体18は、中央に貫通孔22を有する円環24を平面視で同心円状に2分割した区画のうち、半径方向外側の区画を放射状(扇形)に等分割した区画に位置する。なお、第二袋体18は第一袋体16に隣接して配置する代わりに、上下方向を一部重複して配置してもよい。また、複数の第二袋体18は周方向に互いに隣接して配置する代わりに、複数の第二袋体18を周方向に互いに上下方向を一部重複して配置してもよい。
【0021】
第一袋体16および第二袋体18のフィルター材20は、所定の洗掘防止機能を発揮可能な粒度のものを用いる。粒度は細かくてもよい。使用するフィルター材20の種類や粒度は、第一袋体16と第二袋体18のもので同じに設定してもよいし、異なってもよい。第一袋体16および第二袋体18の材質は、金属製、樹脂製などの所定の強度と可撓性を兼ね備えるものを用いることができる。第一袋体16と第二袋体18で同じ材質に設定してもよいし、異なる材質を用いてもよい。第一袋体16および第二袋体18の網目の大きさは、内部に詰め込んだフィルター材20が網目から漏れ出ないような大きさに設定する。すなわち、網目の大きさはフィルター材20の粒径よりも小さくする。こうすることで、波浪や潮流によるフィルター材20の流出を防止する。
【0022】
上記の洗掘防止装置10を施工する場合には、例えば、作業船から第一袋体16を水中(海中、河中または湖中)に沈降し、モノパイル14の施工位置に設置する。その後、作業船から複数の第二袋体18を分離独立した状態でそれぞれ水中に沈降し、第一袋体16の外側に周方向に設置する。これにより、モノパイル14周辺の地盤12上にネット式のフィルター層からなる洗掘防止装置10を迅速かつ簡易に築造することができる。
【0023】
第一袋体16および第二袋体18の内部のフィルター材20は、施工中の波浪や潮流によって外部に分離拡散しない。したがって、波浪や潮流によって施工中の洗掘防止装置10が流出する事態を未然に防止することができる。また、洗掘防止装置10は、可撓性の第一袋体16および第二袋体18で構成されており、容易に変形可能であることから、施工後の均しを行うことなく、所定の出来形を確保することができる。この洗掘防止装置10は広範囲に一括で施工できるため、モノパイル14打設後に設置しても工程を圧迫しない。
【0024】
なお、上記の実施の形態においては、第一袋体16と第二袋体18により構成した場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、モノパイル14周辺にドーナッツ状の袋体を配置し、最外周にセクター状の袋体を配置するものであればいかなる構成でもよい。例えば、上記の実施の形態において、第一袋体16と第二袋体18の間に別の袋体を配置してもよい。この袋体はドーナッツ状のものでもよいし、セクター状のものを周方向に配置してドーナッツ状に形成したものでもよい。また、第二袋体18の半径方向外側に別の袋体を配置してもよい。この袋体は、セクター状のものを周方向に配置してドーナッツ状に形成したものが望ましい。このようにしても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0025】
(洋上風車用基礎構造およびその施工方法)
次に、本発明に係る洋上風車用基礎構造およびその施工方法の実施の形態について説明する。
図1および
図2に示すように、本実施の形態に係る洋上風車用基礎構造100は、洋上に設けられる風車用の基礎構造であって、海底に設置されるモノパイル14(杭基礎型の構造物)と、このモノパイル14の周囲の地盤12上に配置される上記の洗掘防止装置10とを備える。
【0026】
洋上風車用基礎構造100を施工する場合には、例えば、(1)モノパイル14を設置する前に洗掘防止装置10を設置する方法、または、(2)モノパイル14を設置した後に洗掘防止装置10を設置する方法を適用することができる。
【0027】
(1)の場合、洗掘防止装置10の第一袋体16を海底地盤12上に設置し、その後、第一袋体16の環状内部の海底地盤12にモノパイル14を打ち込み設置する。その後、第一袋体16の外側に第二袋体18を設置する。これにより、モノパイル14に先行して設置した洗掘防止装置10が、波浪や潮流によって流出する事態を未然に防止することができる。また、モノパイル14を設置したことで周辺地盤12が沈下変形した場合でも、先に施工した第一袋体16はこの変形に追従して変形することができる。
【0028】
(2)の場合、モノパイル14を海底地盤12に打ち込み設置した後、モノパイル14の周囲の海底地盤12上に洗掘防止装置10の第一袋体16を設置する。その後、第一袋体16の外側に第二袋体18を設置する。このようにすることで、モノパイル14を設置した後でも洗掘防止装置10を速やかに施工することができる。
【0029】
さらに、場合によっては第一袋体16の設置前に第二袋体18を設置してもよい。最終的な形状として、杭基礎型の構造物の周囲に第一袋体16と第二袋体18が隣接する、または、一部上下方向を重複して配置されたような形状の洗掘防止装置が形成されればよい。
【0030】
以上説明したように、本発明に係る洗掘防止装置によれば、海底、河底または湖底に設置される構造物の周囲の地盤において洗掘を防止するために設けられる洗掘防止装置であって、構造物の周囲の地盤上に環状に配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材が詰め込まれた網目状の可撓性の第一袋体と、第一袋体の径方向外側に隣接または一部重複しつつ、第一袋体に沿う周方向に互いに隣接または一部重複して複数配置されるとともに、内部に所定の粒度のフィルター材が詰め込まれた網目状の可撓性の第二袋体とを備えるので、袋体の内部のフィルター材は波浪や潮流によって外部に分離拡散しない。したがって、波浪や潮流によって施工中の洗掘防止装置が流出する事態を未然に防止することができる。
【0031】
また、本発明に係る洋上風車用基礎構造によれば、洋上に設けられる風車用の基礎構造であって、海底に設置される杭基礎型の構造物と、この構造物の周囲の地盤上に配置される上記の洗掘防止装置とを備えるので、杭基礎型の構造物を設置した後でも洗掘防止装置を速やかに施工することができる。
【0032】
また、本発明に係る洋上風車用基礎構造の施工方法によれば、上述した洋上風車用基礎構造を施工する方法であって、洗掘防止装置の第一袋体を海底地盤上に設置した後、第一袋体の環状内部の海底地盤に杭基礎型の構造物を設置するので、杭基礎型の構造物に先行して設置した洗掘防止装置が、波浪や潮流によって流出する事態を未然に防止することができる。また、杭基礎型の構造物を設置したことで周辺地盤が沈下変形した場合でも、先に施工した第一袋体はこの変形に追従して変形することができる。
【0033】
また、本発明に係る他の洋上風車用基礎構造の施工方法によれば、上述した洋上風車用基礎構造を施工する方法であって、杭基礎型の構造物を海底地盤に設置した後、構造物の周囲の海底地盤上に洗掘防止装置の第一袋体を設置するので、杭基礎型の構造物を設置した後でも洗掘防止装置を速やかに施工することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明に係る洗掘防止装置、洋上風車用基礎構造および施工方法は、洋上風力発電の風車基礎の施工に有用であり、特に、波浪や潮流によって施工中の洗掘防止装置が流出する事態を未然に防止するのに適している。
【符号の説明】
【0035】
10 洗掘防止装置
12 地盤
14 モノパイル(構造物)
16 第一袋体
18 第二袋体
20 フィルター材
22 貫通孔
24 円環
100 洋上風車用基礎構造
D 環状内径