(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191051
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】航路計画装置、航路計画システム、航路計画方法、及び航路計画支援をコンピュータに実行させるプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/22 20060101AFI20221220BHJP
B63B 49/00 20060101ALI20221220BHJP
B63B 79/40 20200101ALI20221220BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G01C21/22
B63B49/00
B63B79/40
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099670
(22)【出願日】2021-06-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥田 将斗
(72)【発明者】
【氏名】石原 眞次
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA14
2F129BB03
2F129DD69
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE95
2F129FF12
2F129HH02
2F129HH12
(57)【要約】
【課題】 船舶の航路の設定において、より正確かつ効率的にウェイポイントを設定することができる航路計画装置を提供する。
【解決手段】 航路計画装置は、チャートデータを受信するチャートデータ受信部と、航路の設定済のウェイポイントの位置を受信する設定済ウェイポイント受信部と、設定済のウェイポイントのうち先端に位置する先端ウェイポイントに続く次のウェイポイントとして、移動体が通過すべき位置が未定でこの位置を移動させて位置決めするポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を受信するポテンシャルウェイポイント受信部と、先端ウェイポイントの位置とポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を結ぶ第1のバーとポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置と1の目標物の位置を結ぶ第2のバーとがなす角度が所定の角度に等しいとき活性化信号を出力する位置特定部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の航路を海図上で計画する航路計画装置であって、
前記海図の情報、及び該海図上にある1つまたは複数の目標物の位置を含むチャートデータを受信するチャートデータ受信部と、
前記航路の少なくとも一部を示す設定済のウェイポイントの位置を受信する設定済ウェイポイント受信部と、
前記設定済のウェイポイントのうち先端に位置する先端ウェイポイントに続く次のウェイポイントとして、前記移動体が通過すべき位置が未定で該位置を移動させて位置決めするポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を受信するポテンシャルウェイポイント受信部と、
前記先端ウェイポイントの位置と前記ポテンシャルウェイポイントの前記暫定的な位置を結ぶ第1のバーと、前記ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置と1の目標物の位置を結ぶ第2のバーとがなす角度が所定の角度に等しいことを示す活性化信号を出力する、位置特定部と、
を備える航路計画装置。
【請求項2】
請求項1に記載の航路計画装置であって、
前記位置特定部は、さらに、
前記暫定的な位置と前記1又は複数の目標物のうちの1の目標物の位置に基づいて、該ポテンシャルウェイポイントと該目標物との間の距離をそれぞれ算出し、前記1又は複数の目標物から前記ポテンシャルウェイポイントに最も近接する目標物を選定して前記角度を算出する、航路計画装置。
【請求項3】
請求項1に記載の航路計画装置であって、
前記位置特定部は、さらに、
前記暫定的な位置と前記1又は複数の目標物のうちの1の目標物の位置に基づいて、該ポテンシャルウェイポイントと該目標物との間の距離をそれぞれ算出し、前記1又は複数の目標物から前記ポテンシャルウェイポイントから所定の範囲内にある目標物を選定して前記角度をそれぞれ算出する、航路計画装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記角度所定値は、予め設定されているか、又は動的に設定される航路計画装置 。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記角度所定値は90度である、航路計画装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記位置特定部は、さらに、前記1の目標物と前記先端ウェイポイントを結ぶ線を直径とするポテンシャルウェイポイント円の円弧の一部又は全部を示すデータを出力する、航路計画装置。
【請求項7】
請求項6に記載の航路計画装置であって、
前記位置特定部は、さらに、前記1の目標物を中心に所定の距離を半径とする目標物円の円弧の全部又は一部を示すデータを出力する、航路計画装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の航路計画装置であって、
前記位置特定部は、前記ポテンシャルウェイポイントの前記暫定的な位置が前記ポテンシャルウェイポイント円の円弧の上に位置するとき、前記活性化信号を出力する、航路計画装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、さらに、
前記チャートデータに基づいて、前記海図、前記1又は複数の目標物、及び前記設定済ウェイポイントの位置を表示する表示画面を備える、航路計画装置。
【請求項10】
請求項9に記載の航路計画装置であって、
前記表示画面は、前記活性化信号を受信すると前記第1のバー、前記第2のバー又は前記1の目標物の少なくともいずれかの表示を変更させる、航路計画装置。
【請求項11】
請求項10に記載の航路計画装置であって、
前記第1のバー、前記第2のバー又は前記1の目標物の少なくともいずれかの表示は、前記活性化信号の受信の前後において、輝度、色彩のいずれかが変更される、航路計画装置。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記位置特定部は、前記活性化信号を受信して前記ポテンシャルウェイポイントを前記航路の一部を構成するウェイポイントに設定するウェイポイント設定部を有する、航路計画装置。
【請求項13】
請求項9乃至請求項11のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記位置特定部は、前記ポテンシャルウェイポイントを前記航路の一部に設定する設定信号を受信して該ウェイポイントに設定するウェイポイント設定部を有する、航路計画装置。
【請求項14】
請求項9乃至請求項13のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記1又は複数の目標物にその位置が固定されている固定目標物を含む、航路計画装置。
【請求項15】
請求項9乃至請求項13のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記1又は複数の目標物にその位置が移動する移動目標物を含む、航路計画装置。
【請求項16】
請求項9乃至請求項15のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記表示画面は、さらに、前記1又は複数の目標物のうち少なくともいずれかの位置を中心とし、所定の半径の円の全部または一部を表示する、航路計画装置。
【請求項17】
請求項9乃至請求項16のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記表示画面は、さらに、前記ポテンシャルウェイポイントの前記暫定的な位置を中心とし、所定の半径の円の全部または一部を表示する、航路計画装置。
【請求項18】
請求項9乃至請求項17のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
前記表示画面は、画面のタッチ、又は画面に表示されるカーソルにより、前記ポテンシャルウェイポイントの前記暫定的な位置の入力をする、航路計画装置。
【請求項19】
請求項1に記載の航路計画装置において、
前記位置特定部は、前記第1のバーと前記第2のバーとがなす角度が所定の角度に等しいとき活性化信号を出力することに代えて、
前記1の目標物と前記先端ウェイポイントを結ぶ線を直径とするポテンシャルウェイポイント円と、前記1の目標物を中心に所定の距離を半径とする目標物円との交点の位置を算出し、該交点の位置を前記航路の一部を構成するウェイポイントに設定する、航路計画装置。
【請求項20】
移動体の航路を海図上で計画する航路計画方法であって、
前記海図の情報、及び該海図上にある1つまたは複数の目標物の位置を含むチャートデータを受信し、
前記航路の少なくとも一部を示す設定済のウェイポイントの位置を受信し、
前記チャートデータに基づいて、前記海図、前記1又は複数の目標物、及び前記設定済ウェイポイントの位置を表示画面に表示させ、
前記移動体が通過すべきであって、前記設定済のウェイポイントのうち次に位置するウェイポイントが未定の先端ウェイポイントに続き、その位置が可動なポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を受信し、
前記先端ウェイポイントの位置と前記ポテンシャルウェイポイントの前記暫定的な位置を結ぶ第1のバーと、前記ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置と前記1の目標物の位置を結ぶ第2のバーとがなす角度を算出し、前記角度が予め定められた角度所定値に等しいとき、活性化信号を出力し、
前記表示画面に表示される、前記第1のバー、前記第2のバー又は前記1の目標物の少なくともいずれかの表示を前記活性化信号の出力により変更させる、航路計画方法。
【請求項21】
請求項20に記載の航路計画方法であって、
前記角度所定値は90度である、航路計画方法。
【請求項22】
請求項20に記載の航路計画方法であって、さらに、
前記位置特定部は、
前記1の目標物と前記先端ウェイポイントを結ぶ線を直径とするポテンシャルウェイポイント円の円弧の一部又は全部と、前記1の目標物を中心に所定の距離を半径とする目標物円の円弧の全部又は一部を前記表示画面に表示させ、
前記ポテンシャルウェイポイントの前記暫定的な位置が前記ポテンシャルウェイポイント円の円弧の上に位置するとき、前記活性化信号を出力する、航路計画方法。
【請求項23】
移動体の航路を海図上で計画する航路計画プログラムであって、コンピュータによって実行されると、
前記海図の情報、及び該海図上にある1つまたは複数の目標物の位置を含むチャートデータを受信させて記憶させ、
前記航路の少なくとも一部を示す設定済のウェイポイントの位置を受信させて記憶させ、
前記チャートデータに基づいて、前記海図、前記1又は複数の目標物、及び前記設定済ウェイポイントの位置を表示画面に表示させ、
前記移動体が通過すべきであって、前記設定済のウェイポイントのうち次に位置するウェイポイントが未定の先端ウェイポイントに続き、その位置が可動なポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を受信させて記憶させ、
前記先端ウェイポイントの位置と前記ポテンシャルウェイポイントの前記暫定的な位置を結ぶ第1のバーと、前記ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置と前記1の目標物の位置を結ぶ第2のバーとがなす角度を算出し、前記角度が90度に等しいとき、活性化信号を出力させ、
前記表示画面に表示される、前記第1のバー、前記第2のバー又は前記1の目標物の少なくともいずれかの表示を前記活性化信号により変更させる、
航路計画プログラム。
【請求項24】
請求項23に記載の航路計画プログラムであって、コンピュータによって実行されると、
前記1の目標物と前記先端ウェイポイントを結ぶ線を直径とするポテンシャルウェイポイント円の円弧の一部又は全部と、前記1の目標物を中心に所定の距離を半径とする目標物円の円弧の全部又は一部を前記表示画面に表示させ、
前記ポテンシャルウェイポイントの前記暫定的な位置が前記ポテンシャルウェイポイント円の円弧の上に位置するとき、前記活性化信号により前記表示画面に表示される、前記第1のバー、前記第2のバー又は前記1の目標物の少なくともいずれかの表示を変更させる、航路計画プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に航路を計画するための航路計画装置及びシステム、並びに航路を計画するための方法、コンピュータに航路計画支援を実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
チャート表示情報システム(ECDIS:Electronic Chart Display and Information System、以下「ECDIS」という。)は、1又は複数の船舶などの移動体が河川や湖、海洋などの海域を航行している場合に、航行海域の海図とこれらの船舶等の航路情報を表示する。ECDISは、チャートデータをソフトウェア処理して所望の海域の海図を画面(表示画面)に表示する。
【0003】
ECDISは、いわゆるタッチセンサを有するタッチ画面による操作が可能な表示スクリーンが用いられる場合もある。このようなシステムでは、航路はタッチ画面に表示されたチャート上の所望の位置をタッチすることにより後述するウェイポイントの位置等を設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
航行経路は、船舶の航行の開始地点及び目的地点を定め、その間に船舶が通過すべきウェイポイントと呼ばれる地点を1つ以上定めることにより設定される。航路上で船舶に障害を与えないように、これらのウェイポイントは正確に定められていなければならない。ウェイポイントの位置を設定するとき、船舶の航路付近にブイや灯台等や陸地、浅瀬などの危険区域がないことを確認しなければならない。航路付近に灯台やブイ等の障害物(ここでは、「目標物」という)がある場合には、目標物からの距離と方位に基づいてウェイポイントの位置を設定することで、陸上や浅瀬等の危険区域を避けて安全に航路を設定することができる。
【0006】
従来の航路計画装置では、目標物から設定すべきウェイポイントの距離や方向を計測する際に、表示画面上にスケール付きのガイドラインを表示させウェイポイントの位置を変更する毎に距離や位置を確認しながら航路を設定する必要がある。例えば、特許文献1の記載によれば、航路計画システムは、連続的に選択された前のウェイポイントと、位置を決定しようとしている現在のウェイポイントとを接続することにより、ルートラインを生成する。この際、直近に設定されたウェイポイント、すなわち現在のウェイポイントから次のウェイポイントを設定するために、この直近の設定ウェイポイントの位置において方位とともにスケール付きのガイドラインが表示される。
【0007】
ところが、従来の航路計画装置では、次のウェイポイントを見つけるために、直近に設定したウェイポイントを基準にチャート上に表示されるガイドラインを手掛かりに、チャート上にある目標物に対する距離と方位を確認しながら当該ウェイポイントの位置を移動させなければならない。従って、所望の方位に沿った目標物の距離を測ろうとするとガイドラインを目視しなければならずリアルタイムで求めることが困難であった。さらに、従来技術では、ユーザが目標物の方位を示す線や距離を示す目盛を操作して、その線を目標物に重ね合わせる手段がなく、煩雑でもあった。
【0008】
このため、次のウェイポイントの位置が目標から所定の角度及び距離以内になるようにウェイポイントの位置を決定し、船舶の安全な航行経路を効率的に設定することができる航路計画装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の航路計画装置は、上記課題を解決するために、移動体の航路を海図上で計画する航路計画装置であって、海図の情報及び海図上にある1つまたは複数の目標物の位置を含むチャートデータを受信するチャートデータ受信部と、航路の少なくとも一部を示す設定済のウェイポイントの位置を受信する設定済ウェイポイント受信部と、設定済のウェイポイントのうち先端に位置する先端ウェイポイントに配列上続き、移動体が通過すべき位置が未定で係る位置を移動させて位置決めするポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を受信するポテンシャルウェイポイント受信部と、ポテンシャルウェイポイントの位置を航路の一部を構成するウェイポイントとして特定し固定する位置特定部とを有する。
【0010】
ここで、位置特定部は、先端ウェイポイントの位置とポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を結ぶ第1のバーとポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置と1の目標物の位置を結ぶ第2のバーとがなす角度が所定の角度に等しいとき、活性化信号を出力する。
【0011】
位置特定部は、さらに、暫定的な位置と1又は複数の目標物のうちの1の目標物の位置に基づいて、このポテンシャルウェイポイントと上記1又は複数の目標物との間の距離をそれぞれ算出しポテンシャルウェイポイントに最も近接する目標物を選定して角度を算出し、所望の活性化信号を送出するようにしてもよい。或いは、位置特定部は、さらに、暫定的な位置と上記1又は複数の目標物のうちの1の目標物の位置に基づいて、このポテンシャルウェイポイントと1又は複数の目標物との間の距離をそれぞれ算出し、1又は複数の目標物からポテンシャルウェイポイントから所定の範囲内にある目標物を選定して角度をそれぞれ算出し、所望の活性化信号を送出するようにしてもよい。
【0012】
上記角度所定値は、予め設定されているか、又は動的に設定されてもよい。特に、角度所定値を90度としてもよい。
【0013】
また、本発明の航路計画装置は、位置特定部が、さらに1の目標物と先端ウェイポイントを結ぶ線を直径とするポテンシャルウェイポイント円の円弧の一部又は全部を示すデータを出力するようにしてもよいし、1の目標物を中心に所定の距離を半径とする目標物円の円弧の全部又は一部を示すデータを出力するようにしてもよい。そして、位置特定部は、ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置がポテンシャルウェイポイント円の円弧の上に位置するとき活性化信号を出力するようにしてもよい。
【0014】
さらに、本発明の航路計画装置は、チャートデータに基づいて、上述の海図、1又は複数の目標物、及び設定済ウェイポイントの位置を表示する表示画面を備えるように構成してもよい。そして、表示画面は、活性化信号を受信すると第1のバー、第2のバー又は1の目標物の少なくともいずれかの表示を変更させるとうに構成することもできる。より具体的には、第1のバー、第2のバー又は1の目標物の少なくともいずれかの表示が活性化信号の受信の前後において、輝度、色彩のいずれかが変更されるように構成することもできる。
【0015】
本発明の航路計画装置の位置特定部は、活性化信号を受信してポテンシャルウェイポイントを航路の一部を構成するウェイポイントに設定するウェイポイント設定部を有し、或いは、位置特定部は、ポテンシャルウェイポイントを航路の一部を構成するウェイポイントに設定する設定信号を受信して該ウェイポイントに設定するウェイポイント設定部を有し、ポテンシャルウェイポイントの航路としての条件が確認されれば、先端ウェイポイントに続くウェイポイントとして設定することができる。
【0016】
なお、上述した1又は複数の目標物は、その位置が固定されている固定目標物を含んでもよいし、その位置が移動する移動目標物を含んでもよい。
【0017】
また、表示画面は、上記1又は複数の目標物のうち少なくともいずれかの位置を中心とし所定の半径の円の全部または一部を表示する、或いは、ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を中心とし所定の半径の円の全部または一部を表示するようにしてもよい。さらに、表示画面は、画面のタッチ、又は画面に表示されるカーソルにより、ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置が入力されるようにしてもよい。
【0018】
位置特定部は、第1のバーと第2のバーとがなす角度が所定の角度に等しいとき活性化信号を出力することに代えて、1の目標物と先端ウェイポイントを結ぶ線を直径とするポテンシャルウェイポイント円と、1の目標物を中心に所定の距離を半径とする目標物円との交点の位置を算出し、これら両円の交点の位置を航路の一部を構成するウェイポイントに設定するようにしてもよい。
【0019】
本発明の航路計画方法は、移動体の航路を海図上で計画する方法であって、海図の情報、及びこの海図上にある1つまたは複数の目標物の位置を含むチャートデータを受信し、航路の少なくとも一部を示す設定済のウェイポイントの位置を受信し、チャートデータに基づいて、海図、1又は複数の目標物、及び設定済ウェイポイントの位置を表示画面に表示させ、移動体が通過すべきであって設定済のウェイポイントのうち次に位置するウェイポイントが未定の先端ウェイポイントに続き、その位置が可動なポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を受信する。そして、先端ウェイポイントの位置とポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を結ぶ第1のバーと、ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置と1の目標物の位置を結ぶ第2のバーとがなす角度を算出し、角度が予め定められた角度所定値に等しいとき活性化信号を出力し、表示画面に表示される、第1のバー、第2のバー又は1の目標物の少なくともいずれかの表示を活性化信号の出力により変更させる。角度所定値は任意に設定できるが、目標物との最短距離を測るために90度とすることもできる。
【0020】
上記1の目標物と先端ウェイポイントを結ぶ線を直径とするポテンシャルウェイポイント円の円弧の一部又は全部と、1の目標物を中心に所定の距離を半径とする目標物円の円弧の全部又は一部を表示画面に表示させ、ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置がポテンシャルウェイポイント円の円弧の上に位置するとき、上記の活性化信号を出力するようにしてもよい。
【0021】
さらに、本発明は、移動体の航路を海図上で計画する航路計画プログラムであって、コンピュータによって実行されると、海図の情報、及び海図上にある1つまたは複数の目標物の位置を含むチャートデータを受信させて記憶させ、航路の少なくとも一部を示す設定済のウェイポイントの位置を受信させて記憶させ、チャートデータに基づいて海図、1又は複数の目標物、及び設定済ウェイポイントの位置を表示画面に表示させ、移動体が通過すべきであって、記設定済のウェイポイントのうち次に位置するウェイポイントが未定の先端ウェイポイントに続き、その位置が可動なポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を受信させて記憶させ、先端ウェイポイントの位置とポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置を結ぶ第1のバーと、ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置と1の目標物の位置を結ぶ第2のバーとがなす角度を算出し、角度が90度に等しいとき活性化信号を出力させ、表示画面に表示される第1のバー、第2のバー又は1の目標物の少なくともいずれかの表示を活性化信号により変更させる。
【0022】
本発明の航路計画プログラムでは、コンピュータによって実行されると、1の目標物と前記先端ウェイポイントを結ぶ線を直径とするポテンシャルウェイポイント円の円弧の一部又は全部と、前記1の目標物を中心に所定の距離を半径とする目標物円の円弧の全部又は一部を前記表示画面に表示させ、ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置がポテンシャルウェイポイント円の円弧の上に位置するとき、活性化信号により表示画面に表示される第1のバー、第2のバー又は1の目標物の少なくともいずれかの表示を変更させる。
【0023】
なお、上記の要約は例示のみであり、いかなる点においても限定することを意図していない。上述の本一態様、実施形態、及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、及び特徴は、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0024】
本発明の航路計画装置等によれば、船舶又は航空機のための航路を計画するにおいて、航路における目標物から所定の角度及び距離に位置するウェイポイントを効率的に決定することができ、これにより船舶又は航空機の安全な航路を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解することができる。ここで、同様の部分は全体を通して同様の数字で示される。以下の説明は、一例としてのみ意図されており、本明細書に請求される主題と一致するデバイス、システム、方法、及びプログラムの選定の選定された実施形態を単に例示するものである。
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態による、航路計画システムの作業環境を例示的に示す概略図である。
【
図2】
図1に示す航路計画システムを示すブロック図である。
【
図3】
図3Aは、表示画面上に表示されたチャート(2つの灯台を含む。)と先端ウェイポイント、及び位置が移動可能なポテンシャルウェイポイントを示す図である。
図3Bは、
図3Aにおいて、先端ウェイポイントとポテンシャルウェイポイントを結ぶ線と、ポテンシャルウェイポイントと目標物を結ぶ線が所定の角度(90度)になったときに、活性化信号が送出されて2本の線の表示が変化した様子を示す図である。
【
図4】
図4Aは、各目標物(灯台)の位置を中心に同心円の一部が表示されていることを示す図である。
図4Bは、
図4Aにおいて、先端ウェイポイントとポテンシャルウェイポイントを結ぶ線と、ポテンシャルウェイポイントと目標物を結ぶ線がなす角が所定の角度(90度)になったときに、活性化信号が送出されて2本の線の表示が変化した様子を示す図である。
【
図5】
図5Aは、ポテンシャルウェイポイントの位置を中心に同心円が表示されていることを示す図である。
図5Bは、
図5Aにおいて、先端ウェイポイントとポテンシャルウェイポイントを結ぶ線と、ポテンシャルウェイポイントと目標物を結ぶ線がなす角が所定の角度(90度)になったときに、活性化信号が送出されて2本の線の表示が変化した様子を示す図である。
【
図6】
図6Aは、各目標物を中心に同心円が表示されるとともに、先端ウェイポイントと一の目標物とを結ぶ線を直径とする円が表示されている様子を示す図である。
図6Bは、ポテンシャルウェイポイントが円弧上に位置したことによって、先端ウェイポイントとポテンシャルウェイポイントを結ぶ線と、ポテンシャルウェイポイントと目標物を結ぶ線がなす角が90度となり、両線の表示が変化したことを示す図である。
【
図7】航路計画装置によって実行される航路計画方法のステップを示すフローチャートである。
【
図8】位置特定部によって実行されるポテンシャルウェイポイントの位置を決定するためのステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書に提示される主題の本質又は範囲から逸脱することなく、他の本一実施形態又は特徴をさらに利用し、他の変更を行ってもよい。以下の詳細な説明では、その一部を構成する図を参照する。図では本発明のいくつかの実施形態が示されているが、すべてではない。
【0028】
実際、本発明の様々な実施形態は多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本発明が適用可能な法的要件を満たすように提供される。
【0029】
本発明の目的の1つは、航行中の船舶又は航空機の安全な経路を決定することである。本発明の航路計画装置は、船舶や航空機など広く移動体の航路計画に適用することができるが、以下の本発明の実施形態では、船舶を取り上げて説明する。従って、移動体は適宜「船舶」と記載して説明する。また、移動体が移動する領域は、海洋や湖、河川などの水域、さらには空域も含まれるが、海洋或いは海域を航行する船舶を例に挙げて説明する。
【0030】
船舶の航行で用いられる電子海図はチャートと呼ぶことが多いことから本明細書でもチャートと呼ぶことにする。また、船舶が寄港する港湾の位置は海域上にあるが、海域か陸上かによらずある位置を示すのに「地点」ということにする。
【0031】
安全な航路とは、船舶同士の衝突を防止することのほか、航路上の船舶が浅瀬や海域への着水や座礁を避ける航路のことである。海域を航行する船舶が浅瀬や陸地等を避けて航行するためには、複数の目標物から一定距離離れた航路を設定することが重要である。また、航路は、付近の灯台やブイ等のウェイポイント設定のためのターゲットとなる目標物を参照してチャート上でウェイポイントの位置を設定することにより、航路計画装置により決定される。なお、チャートは、目標物に関する位置情報を含む。
【0032】
以下、本発明のいくつかの実施形態について図を参照してより詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態による航路計画装置101の作業環境100aを例示する概略図である。
【0034】
本一実施形態では、航路計画装置101は、海域を航行する船舶に設置される。本一実施形態では、航路計画装置101は、上述のように船舶に代えて航空機に設置されてもよい。船舶に設置された航路計画装置101は、海域内の安全な航行経路を決定するために使用することができる。
【0035】
航路計画装置101は、ユーザ105から、あるいは通信手段を通じて他の装置から位置情報の入力を得ることができる。入力される情報としては、対象とする船舶が航行しようとする海域のチャート、船舶の航行の開始地点と目的地点、すでに航路を定めるウェイポイントが設定されている場合にはそれら設定済ウェイポイントの位置を含めることができる。
【0036】
位置情報は、経度又は緯度、方向データ、又はGPS座標などの位置データ、先端ウェイポイントからの距離、目標物からの距離などを含むことができる。航路計画装置101は、ネットワーク107を介してユーザ装置103及びデータベース109と通信可能に結合される。
【0037】
ユーザ装置103には、アプリケーション103aがインストールされており、ユーザ装置103を操作するユーザ105に対して航路に関する異なる情報を表示する。ユーザ装置103は、スマートフォン、ポータブルコンピュータ、表示画面部などの任意のユーザアクセス可能な装置であってよい。
【0038】
本一実施形態では、ユーザ装置103は、電子チャート表示及び情報システム(ECDIS)を含むことができる。ユーザ装置103は、アプリケーション103aを用いて、チャートの他、海流等の異なる航路情報をユーザ装置103の表示画面に表示する。一実施形態では、ユーザ装置103は、タッチスクリーン表示画面で構成されてもよい。
【0039】
さらに、データベース109は、更新された航路マップ、天気予報に関する最新情報、潮流に関する情報、船体内を航行し、安全な航路を決定するために船舶によって使用され得る海図を記憶することができる。データベース109は、渦、浅水、泥、土地等の位置のような、海域内の危険な位置をさらに含むことができる。データベース109は、ブイ、灯台等の複数の目標に関する情報、塩分、水温、気温、気圧、風(速度、突風、方向)に関する情報、船舶の経度・緯度に基づく地理的位置等の航法データを含んでいてもよい。データベース109はまた、航空機によって使用され得る更新された航路マップ、天気予報に関する最新情報などを含んでもよい。
【0040】
データベース109は、地図データベースであってもよく、航路及び/又は地図関連機能をユーザ105に提供するためにユーザ装置103において、或いはユーザ装置と共に使用され得るコンパイルされた航路データベースであってもよい。このような場合には、ユーザ装置103はデータベース109をダウンロード又は格納してもよい。
【0041】
ネットワーク107は、航行の開始地点S、目的地点D、設定済ウェイポイントの位置を示すデータのような、データの送受信のための複数のネットワークポート及び複数の通信チャネルを提供するように構成され得る適切な論理、回路、及びインタフェースを含むことができる。
【0042】
ところで、安全のために最適化された航路を決定するためには、ウェイポイントは航路中に浅瀬及び陸地が含まれることを避けながら目標物から所定の角度及び所望の距離に位置しなければならない。そのために、航路計画装置101は、設定済みのウェイポイントのうち、配列上その先端に位置する先端ウェイポイントに続く次のウェイポイントとして、ユーザ105にポテンシャルウェイポイントと呼ぶ未設定のウェイポイントの位置を選定させる。航路計画装置101は、ポテンシャルウェイポイントを受信し、或いは画面のタッチによって入力され、ポテンシャルウェイポイントの位置を先端ウェイポイントに続く次のウェイポイントとして決定する。
【0043】
ポテンシャルウェイポイント、設定済ウェイポイント、目標物の具体的な関係については、
図2以下を参照して詳細に述べるが、このポテンシャルウェイポイントは、目標物に対する方位と距離に基づいてその位置を設定する。そうすることで、陸地や浅瀬など危険な場所から離れた目的地に向かう安全なルートであることが確認できる。ポテンシャルウェイポイントは、その後、複数のウェイポイントを含む航路に追加される。
【0044】
ポテンシャルウェイポイントはチャート上で位置を移動させることができ、その位置を暫定的に選択或いは設定する。ポテンシャルウェイポイントの暫定的な位置は、単純なドラッグアンドドロップ又は表示画面上を前後に移動することによって航路を最適化するために移動又は調整することができる。
【0045】
また、ポテンシャルウェイポイントの位置は、複数の目標物を基準として、ポテンシャルウェイポイントがその近傍の目標物から所定の角度及び距離になるように設定される。すなわち、直近に設定された先端ウェイポイントとポテンシャルウェイポイントとを結ぶ第1のバーと、ポテンシャルウェイポイントと目標物とを結ぶ第2のバーがなす角を確認しながら適切なポテンシャルウェイポイントの位置が探索される。
【0046】
ポテンシャルウェイポイントの位置が変更されると、第1のバー及び第2のバーも一緒に移動するように構成される。そして、ポテンシャルウェイポイントが所定の位置にあると、航路計画装置は、第1のバー及び第2のバーの視覚表示が、ポテンシャルウェイポイントが目標物から所定の角度及び距離にあることを示す活性化信号を出力する。
【0047】
ここで、航路計画装置は、活性化信号を受信すると、ポテンシャルウェイポイントを船舶の航路へ追加することを促すウェイポイント固定化信号を送出する。このようにして、航路計画装置は、ウェイポイントを正確に決定し、その結果、安全で最適な航路を決定することができる。
【0048】
なお、ポテンシャルウェイポイントの位置は、航路計画装置101のユーザ装置103のユーザインターフェース上でユーザ105により調整される。或いは、その位置は、ネットワーク107を介して航路計画装置101に接続されたユーザ装置103を使用してユーザ105によって遠隔的に調整されてもよい。
【0049】
例えば、地図を表示するタッチスクリーン表示画面を備えたユーザ装置103では、タッチスクリーン表示画面を用いて地図上のポテンシャルウェイポイントの位置をドラッグアンドドロップすることにより、ポテンシャルウェイポイントの位置を調整する。
【0050】
次に、
図2を参照して、本一実施形態の航路計画装置101の詳細な構成を説明する。
図2は、本一実施形態として、
図1に例示した航路計画装置101のブロック図を示す。
【0051】
航路計画装置101は、記憶された命令を実行するように構成された処理部113と、処理部113によって実行可能な命令を記憶するメモリ111とを含む。メモリ111はさらに、航路のためのチャートデータを記憶するように構成されている。
【0052】
チャートデータは、海域のマップ、複数の目標物に関連する位置情報、及び他の航路情報を含んでいる。メモリ111は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、又は任意の他の適切なメモリシステムを含むことができる。処理部113は、バス117を介してメモリ111に接続されている。
【0053】
チャートデータは、ユーザ装置103に存在してもよく、また、航路の開始(出発)地点Sと、目的地点Dとを含み、さらに、航路の一部がすでに固定されている場合には、1又は複数の設定済ウェイポイントを含んでもよい。これらは航路計画の都度、外部から受信してもよいし、内部にあるメモリ111から受信してもよい。
【0054】
さらに、航路計画装置101は表示画面115を備えており、表示画面115は1つ又は複数の目標物のチャート情報及び位置情報を表示するように構成されている。表示画面115は、タッチスクリーン表示画面、及びタッチベース入力及びマウスベース入力の少なくとも一方を受信するように構成された電子チャート表示情報システム(ECDIS)を構成している。
【0055】
なお、
図2では表示画面115とユーザ装置103は分離して描かれているが、ユーザ装置の中に表示画面115が含まれていてもよい。以下の説明では、表示画面115がユーザ装置103として構成されるものとする。
【0056】
処理部113は、チャートデータ受信部119を用いて1つ又は複数の目標物の位置情報を含むチャートデータをメモリ111からバス117を介して受信する。複数の目標物には、灯台、ブイ等のランドマーク等が想定される。
【0057】
表示画面115は、タッチスクリーンの機能を備えており、スクリーンのタッチにより航路の開始地点Sと目的地点Dとの間の1又は複数のウェイポイント(103b、103c、・・・、103f)のうち、設定済みのウェイポイントの位置情報を受信する。一実施形態では、ウェイポイント103bは設定済みであり、指がタッチしているウェイポイント103cはまだ位置を設定中であるポテンシャルウェイポイントとして描かれている。
【0058】
表示画面115は、航路の開始地点S、目的地点D、1又は複数の設定済みのウェイポイント等のデータを、ユーザ装置103を介してユーザ105から取得しバス117を介して処理部113に出力する。
【0059】
処理部113は、チャートデータ受信部119と、ウェイポイント受信部121と、ポテンシャルウェイポイント受信部123と、位置特定部125と、ウェイポイント固定部127と、航路を出力する航路設定部129とを含んでいる。処理部113を構成するこれらの構成要素はユーザ装置103に接続されている。なお、処理部113は、ユーザ装置103でアプリケーション103aを実行してユーザ装置103の表示画面にチャートを表示するようにしてもよい。
【0060】
処理部113は、ウェイポイント受信部121を用いて、先端ウェイポイント103bを含む1又は複数のウェイポイントを、船舶や航空機などの移動体の航行経路に対して受信するように構成されている。開始地点S、1又は複数のウェイポイント、及び航路目的地Dの位置は、ユーザ105が、表示画面のタッチパネル表示パネルに表示された地図上の特定位置に直接タッチしたり、表示パネル上のカーソルを移動させたり、地図上に数値データを入力したり、これらをリモートコントロールによって操作したりして特定する。
【0061】
処理部113は、また、ポテンシャルウェイポイント受信部123を用いてポテンシャルウェイポイントを受け付ける。ポテンシャルウェイポイントはチャートが表示される表示画面上で移動可能であり、本一実施形態ではタッチパネルに表示された地図上の関心領域にタッチすることにより、ユーザ105がユーザ装置103を介して提供する。開始地点S又は既に設定済みのウェイポイント、すなわち先端ウェイポイント(ここでは、ウェイポイント103bが該当する。)と複数の目標物(図示せず)とポテンシャルウェイポイント(指がタッチしている位置にある103cが該当する。)との位置関係を知ることが必要となる。
【0062】
ポテンシャルウェイポイント受信部123は、ポテンシャルウェイポイントが移動中である場合に、ポテンシャルウェイポイントの位置情報を受信するように構成されている。
【0063】
ところで、最も安全な航路を決定するためには、開始地点S、又は先端ウェイポイントを含む設定済みのウェイポイントと複数の目標物(
図2では図示せず)とポテンシャルウェイポイントとの位置関係を知ることが必要となる。そこで、位置特定部125は、ポテンシャルウェイポイント受信部123からポテンシャルウェイポイント103cの現在の位置を示すデータを受け付ける。そして、位置特定部125は、チャートデータ受信部119から、ポテンシャルウェイポイントの所定距離内に位置する複数の目標物の位置情報を受信する。
【0064】
次に、位置特定部125は、ポテンシャルウェイポイントと複数の目標物との距離を算出し、先端ウェイポイント103bとポテンシャルウェイポイント103cとがなす角度、及びポテンシャルウェイポイント103cと複数の目標物(
図2では図示せず)との角度を算出する。位置特定部125は、角度が所定の角度に等しい場合(通常は、90度である。)に活性化信号を出力する。
【0065】
ウェイポイント固定部127は、活性化信号を受信するとウェイポイント固定化信号を生成する。ウェイポイント固定化信号は位置特定部125を経て航路設定部129に送信される。
【0066】
ここでは、所定の条件が成就し活性化信号が送出されると、自動的にポテンシャルウェイポイント103cが先端ウェイポイントに続く次のウェイポイントとして設定される。他方、条件が整い活性化信号が送出されても、これによりスクリーンの表示を変え、或いはメッセージを出すことによって条件が整ったことをユーザに表示により知らせるだけで、ユーザ105の確認と確定操作を待ってウェイポイントに固定してもよい。
【0067】
次に、
図3A及び
図3Bを参照して、実際にポテンシャルウェイポイントの位置を入力して、目標物等との距離と方位を確認しながらその位置を設定していく様子について説明する。
【0068】
ユーザ105は、航路計画装置101の表示画面115を介してポテンシャルウェイポイントの位置を移動可能な状態で暫定的に入力する。ユーザ105は、ユーザ装置103を介して、ポテンシャルウェイポイントに関連付けられた位置データを入力することもできる。いずれの場合も、位置データを受信するためにユーザ105に示されるユーザインタフェースは同じままである。
【0069】
まず、ユーザ105が航路に関連付けられたポテンシャルウェイポイントの異なる位置データを入力するために使用するユーザインタフェースについて以下に説明をする。
【0070】
図3Aは、本一実施形態によるユーザインタフェース上でポテンシャルウェイポイント204aの位置が変更される様子を示す。ユーザインタフェースは、複数のウェイポイントの一部である先端ウェイポイント202と、ポテンシャルウェイポイント204bと、複数の目標物206b、206c(本一実施形態では2つ)がその表示画面上に表示されている。
【0071】
先端ウェイポイント204aは、
図2の先端ウェイポイント103bに対応する。ユーザ105は、表示画面上の所望の位置にタッチしたり、表示画面上でカーソルを移動させたり、ユーザインタフェースに表示される航路マップに数値データを入力してポテンシャルウェイポイント204aの位置を暫定的に入力する。
【0072】
図3Aにおいて、表示画面上には、第1のバー208aと第2のバー210aが表示される。第1のバー208aは、先端ウェイポイント202とポテンシャルウェイポイント204aとを結ぶ線である。第2のバー210aは、ポテンシャルウェイポイントと目標物206aとを結ぶ線である。
【0073】
ポテンシャルウェイポイント204aが移動すると、第1のバー208aと第2のバー210aがポテンシャルウェイポイント204aの動きに従って移動する。第1のバー208aと第2のバー210aとがなす角は、位置特定部125によって算出される。位置特定部125は、第1のバー208aと第2のバー210aとのなす角度が所定の角度に等しいか否かを判定する。所定の角度は予め設定されていてもよいし、動的に設定されてもよい。本一実施形態では、所定の角度は90度としている。船舶が先端ウェイポイントからポテンシャルウェイポイントがある位置に向けて航行するときの目標物との最短距離を測るためである。
【0074】
位置特定部125は、ポテンシャルウェイポイント204aと目標物206aとの距離を算出する。位置特定部125は、第1のバー208aと第2のバー210aとがなす角が所定の角度に等しくなる位置にポテンシャルウェイポイント204aが来ると活性化信号を出力する。
【0075】
図3Bは、本一実施形態による、ポテンシャルウェイポイント204bの位置が決定されたときに活性化信号を表示する表示画面115を示す。位置特定部125は、第1のバー208aと第2のバー210aとの角度が閾値90度に等しい場合に活性化信号を出力する。
【0076】
この活性化信号により、表示画面115は、第1のバーの表示を208aから208bに、第2のバーの表示を210aから210bにそれぞれ変更する。表示画面115は、208b及び210bに示すように、活性化信号に基づいて、第1のバー(208)及び第2のバー(210)の色、コントラスト、厚さ又はアスペクトの一つ以上を変更する。この変化はユーザ105が見やすければよく、表示画面上の表示を明るくしたり、色彩を変えたりすればよい。このほか、具体的な表示を表示画面上に表すなどでもよい。
【0077】
位置特定部125は、さらにポテンシャルウェイポイント204bと目標物206aとの距離を算出する。距離は、船舶、海洋の分野では一般的に海里(NM:nautical mile)単位で算出される。算出された距離は、表示画面115において、例えば、ポテンシャルウェイポイント204bに近い場所にポップアップ212により表示される。
【0078】
図4Aは、
図3Aと同様の図であるが、ポテンシャルウェイポイント204aから所定の範囲内にある目標物をすべて選定し、各目標物との間で距離と方位の関係を算出する。
【0079】
また、ここでは、
図3Aにおける表示に加え、各目標物206a、206bの位置を中心とする同心円の一部302a、302bがそれぞれ表示される。この表示により、ポテンシャルウェイポイント204の位置がおよそ各目標物から見てどのくらいの距離を隔てているかを視覚的に容易に知ることができる。
【0080】
例えば、複数の同心円状の半円302a、302bの各半円において、距離を1NMだけ増加させてもよい。ユーザ105は、複数の目標物206a、206bの周囲に配置された同心円状の半円の数に基づいて、複数の目標物206a、206bからのおおよその距離を知ることができる。なお、同心円は、
図4Aに示すように、海域に向けてその一部だけ表示されるようにしてもよい。
【0081】
図4Bに示されるように、ユーザ105によりポテンシャルウェイポイント204bが選択されると、処理部113は、ポテンシャルウェイポイント204bの位置近傍に存在する複数の目標物206a、206bを検索する。処理部113は、複数の目標物206a、206bのポテンシャルウェイポイント204aからの距離と角度を算出し、活性化信号を出力する。
【0082】
本一実施形態では、ポテンシャルウェイポイントの位置が、別の目標物206bに近くなると、目標物206aに加えて目標物206bも選択の対象として選定される。ここでは陸地にある二つの灯台206a、206bが対象となり、目標物206bとの間にも破線で示される第2のバー304が表示される。
【0083】
図5Aは、基本構成は
図4Aと同じであるが、ポテンシャルウェイポイント204aの位置を中心に同心円402aが表示されるところが異なる。表示画面115には、チャート上に先端ウェイポイント202、ポテンシャルウェイポイント204a、複数の目標物206a、206bが表示されている。ポテンシャルウェイポイント204aの位置情報は、ポテンシャルウェイポイント204aからの距離を示すようにポテンシャルウェイポイント204aの周囲に配置された複数の同心円402aからなる。例えば、複数の同心円状の全円402aの各円において、距離を1NMずつだけ増加させる。ユーザ105は、ポテンシャルウェイポイント204aの周囲に配置された同心円の数に基づいて、ポテンシャルウェイポイント204aからのおおよその距離を知ることができる。
【0084】
ユーザ105がポテンシャルウェイポイント204aの位置を選択すると、処理部113の位置特定部125は、チャートデータから、複数の目標物206a、206bを含め、ポテンシャルウェイポイント204aから所定距離内に位置する静止目標物、具体的にはこれまでに例示した灯台、及びブイのような海上浮遊物を対象として一つ又は複数の目標物を検索する。
【0085】
位置特定部125は、複数の目標物206a、206bのそれぞれからのポテンシャルウェイポイント204bの距離を角度とともに算出する。そして、
図5Bに示すように、ポテンシャルウェイポイント204bと目標物206bとを結ぶ破線404が表示画面115に表示される。位置特定部125がポテンシャルウェイポイント204bと目標物206aとの距離及び角度に加え、ポテンシャルウェイポイント204bと目標物206aとの距離及び角度を考慮したことを示す。
【0086】
処理部113は、
図5Aに示すように、複数の目標物206a、206bのポテンシャルウェイポイント204aからの距離を角度とともに算出し、活性化信号を出力する。
【0087】
この計算に基づいて、位置特定部125は、複数の目標物206a、206bからのポテンシャルウェイポイント204dの距離が最小となるように、かつ、複数の目標物206a、206bからのポテンシャルウェイポイント204bの角度が所定の角度の90度と等しくなるように、複数の目標物206a、206bのいずれかから目標物を選択する。これらの両方の基準を満たす目標物206aを、複数の目標物206a、206bのいずれかから選択する。
【0088】
位置特定部125は、算出された角度が所定の角度の90度に等しく、かつ算出された距離が最小となる目標を選択する活性化信号を出力する。
図5Aと
図5B両図の対比によりわかるように、活性化信号を受けて第1のバーと第2のバーの表示画面の表示が変更される。この表示の変更は、色、コントラスト、厚さ又はアスペクトの一つ以上を変化させることにより行われる。
【0089】
図6Aは、ポテンシャルウェイポイントと目標物を結ぶ線(
図4Aを参照して説明した第2のバー)が先端ウェイポイントとポテンシャルウェイポイントを結ぶ線(同じく第1のバー)に対して垂直になる位置を容易に認知しやすい一実施形態を示す図である。また、この一実施形態は、ポテンシャルウェイポイントと目標物からの距離が所定の値になる位置が容易に予測できる。
【0090】
図6Aを参照して、本一実施形態では、先端ウェイポイント202と目標物206aを結ぶ線504を直径とする円502が破線で表示される。
図6Bに示されるように、この円502の円周上にポテンシャルウェイポイント204があるとき、第1のバー208bと第2のバー210bがなす角506はタレスの定理(円周角の定理)により垂直になる。従って、ユーザ105は、ポテンシャルウェイポイント204を任意に移動させて活性化信号が送出する位置を探してもよいが、円502の円周上にポテンシャルウェイポイント204があるするように位置決めしてもよい。
【0091】
さらに、
図6Bに示されるように、各目標物206a、206bを中心として予め所定の距離に対応する半径の同心円302a、302bを表示させる。そうすると、例えば目標物206aを中心とする同心円302aが上述の円502と交わる位置がポテンシャルウェイポイント204と目標物206aとの距離となる。従って、目標物から所定の距離にある位置を容易に把握することができ、ポテンシャルウェイポイントを先端ウェイポイントに続くウェイポイントとして設定しやすくなる。
【0092】
図7は、本一実施形態による、航路計画装置101によって実行される航路計画方法600のステップを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、適宜に
図2、
図3等を参照する。
【0093】
ステップ602において、チャートデータ受信部119は、チャートデータを受信する。チャートデータは、1つ又は複数の目標物206a、206bの位置情報を含む。チャートデータには、複数の目標物206b、206cがプリロードされている。
【0094】
また、ユーザ105は、航路中に複数の目標物206a、206bに関する情報を入力してもよい。チャートデータはデータベース109に格納され、航路計画装置101に通信可能に結合される。本一実施形態では、チャートデータは、航路計画装置101のメモリ111に格納することができる。
【0095】
ステップ604では、移動体の航路のための複数のウェイポイント(103b、103c、・・・、103f)が受信される。可動体は、船舶又は航空機である。複数のウェイポイント(103b、103c、・・・、103f)は、先端ウェイポイント202を含む。複数のウェイポイント(103b、103c、・・・、103f)は、ウェイポイント受信部121によって受け付けられる。
【0096】
ステップ606では、ポテンシャルウェイポイント204がポテンシャルウェイポイント受信部123によって受信される。ポテンシャルウェイポイント204は、チャート上で移動可能であり、ポテンシャルウェイポイント204は、ユーザ105によって、チャート内の関心のある位置にタッチすることによって、チャート上で移動される。
【0097】
ステップ608では、ポテンシャルウェイポイント204の位置を、先端ウェイポイント202に続く次のウェイポイントとして位置特定部125により決定する。ポテンシャルウェイポイント204の位置の決定については、
図12を参照して説明する。
【0098】
ステップ610では、算出された角度が閾値に等しく、かつ、算出された距離が最小である場合に、位置特定部125から活性化信号が出力される。この活性化信号により、船舶や航空機などの移動体の航行経路にポテンシャルウェイポイントが確実に付加される。
【0099】
図8は、位置特定部125によって実行されるポテンシャルウェイポイント204の位置を決定する処理を示すフローチャートである。
【0100】
ステップ702では、ポテンシャルウェイポイント204の現在位置データを、位置特定部125がポテンシャルウェイポイント受信部123から受け付ける。
【0101】
ステップ704では、ポテンシャルウェイポイント206の現在位置から所定距離内に位置する複数の目標物206a、204bの位置情報を、位置特定部125がチャートデータ受信部119から受信する。
【0102】
ステップ706では、ポテンシャルウェイポイント204と複数の目標物206a、206bとの距離を位置特定部125により算出する。
【0103】
ステップ708では、位置特定部125によって、チャート上の第1のバー208と第2のバー210との間の角度が計算され、第1のバー208は、先端ウェイポイント202をポテンシャルウェイポイント204に接続し、第2のバー210は、ポテンシャルウェイポイント202を複数の目標物206a、206bに接続する。ポテンシャルウェイポイント204と目標物206aとの間の角度は、タレス定理(円周角の定理)を実行することによって計算される。
【0104】
このように、本発明の実施例は、安全のために最適化された船舶又は航空機などの移動体のための航路を決定するために、ポテンシャルウェイポイント204の正確かつ容易な選択を保証する航路計画装置101及び航路計画方法600を提供することができる。そのため、航路計画装置101は、1つ又は複数の目標物206a、206bの位置情報を含むチャートデータを受信する。
【0105】
航路計画装置101は、移動体の航路に対する先端ウェイポイント202を含む複数のウェイポイント(103b、103c、・・・、103f)を受信する。さらに、航路計画装置101は、チャート上で204移動可能なポテンシャルウェイポイント204を受信するが、航路計画装置101は、ポテンシャルウェイポイント204の位置を、移動可能なポテンシャルウェイポイント204が直近のウェイポイント202に続く次のウェイポイントとして決定することを特徴とする。
【0106】
ポテンシャルウェイポイント204は、ポテンシャルウェイポイント204の現在位置データを受信し、ポテンシャルウェイポイント204の現在位置から所定の距離内に位置する複数の目標物206a、206bの位置情報を受信する。ポテンシャルウェイポイント204と複数の目標物206a、206bのそれぞれとの間の距離を計算し、先端ウェイポイント202をポテンシャルウェイポイント204に接続する第1のバー208と第2のバー210との間の角度506をチャート上で計算し、第2のバー210がポテンシャルウェイポイント204を複数の目標物206a、206bに接続するとともに、計算された角度が閾値に等しくかつ計算された距離が最小である場合に活性化信号を出力することにより決定される。
【0107】
以上が本発明の実施形態の例示であるが、すべての目的又は効果、利点が、本明細書に記載される任意の選定の実施形態に従って達成され得るわけではない。従って、例えば、当業者は選定の実施形態が、本明細書で教示又は示唆されるような他の目的又は効果/利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されることを理解するであろう。1つ以上の効果或いは利点を達成又は最適化するように構成されていることが必要である。
【0108】
そして、本明細書に記載される本一実施形態は、一実施形態に示したものに限定されるものではない。本明細書に一般的に記載され、図面に例示されている本開示の態様は、本明細書で明示的に意図されているように、多種多様な異なる構成で配列され、置換され、結合され、分離され、設計され得ることは説明するまでもない。
【0109】
上述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の選定の本一組み合わせに関連して本一実施形態を説明しているが、要素及び/又は機能の異なる組み合わせが、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、代替の実施形態によって提供され得ることを理解されたい。この点に関して、例えば、上記に明示的に記載されたものとは異なる要素及び/又は機能の組み合わせもまた、添付の特許請求の範囲のいくつかに記載され得るように企図される。本明細書では選定の用語を使用するが、それらは、限定の目的ではなく、一般的かつ記述的な意味でのみ使用される。
【0110】
上記各実施例において、例えば、
図1に示されるデータベース109は、更新された航行マップ、天気予報に関する最新情報、潮流に関する情報、船体内を航行し、最適化された航路を決定するために船舶によって使用され得るチャートを記憶してもよい。データベース109は渦の位置など、海域内の危険な位置や、塩分、水温及び気温、気圧及び風(速度、突風、方向)、船舶の経度及び緯度に関する地理的位置等の情報のような航法データを含むことができる。データベース109はさらに、航空機によって得られるアップデイトされた航行マップ、天気予報に関する最新情報などを含んでもよい。
【0111】
別の実施形態として、データベース109は、チャートが保存されたデータベースとして実施することもでき、また、航行及び/又はチャート関連機能をユーザ105に提供するために、ユーザ装置103において、ユーザ装置とともに使用され得るように調製された航行データベースであってもよい。このような場合には、ユーザ装置103にデータベースをダウンロードするようにしてもよいし、或いはユーザ装置103にデータベースを格納してもよい。本明細書に記載されるすべてのプロセスは、1つ以上のコンピュータ又はプロセッサを含み、完全に自動化され得るコンピューティングシステムによって実行されるソフトウェアコードモジュールによって具現化され得る。コードモジュールは、任意のタイプの非1過性コンピュータ可読媒体又は他のコンピュータ記憶装置に記憶することができる。一部又は全ての方法は、専用のコンピュータ・ハードウェア内で具体化され得る。
【0112】
本一実施形態から明らかなように、本明細書に記載したもの以外にも多くの変形がある。例えば、実施形態に依存して、本明細書に記載されたアルゴリズムのいずれかの選定のアクション、イベント、又は機能は、異なるシーケンスで実行されてもよく、追加されてもよく、併合されてもよく、又は完全に除外されてもよい。(たとえば、説明されているすべてのアクション又はイベントがアルゴリズムの実行に必要なわけではない。)
【0113】
各ネットワークポートは、通信データを送受信するための仮想アドレス(又は物理マシンアドレス)に対応してもよい。例えば、仮想アドレスはインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)(又はIPv6アドレス)であってもよく、物理アドレスはメディアアクセス制御(MAC)アドレスであってもよい。ネットワーク107は、一以上の通信装置のうちの少なくとも一つからの一以上の通信要求に基づいて通信プロトコルを実施するためのアプリケーション層に関連付けられる。通信データは、通信プロトコルを介して送受信することができる。
【0114】
このような有線及び無線通信プロトコルの例としては、伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ZigBee、EDGE、赤外線(IR)、IEEE802.11、802.16、セルラー通信プロトコル、及び/又はBluetooth(BT)通信プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
図1を用いて説明した、本発明の航路計画装置の作業環境において、ネットワーク107の例としては、無線チャネル、有線チャネル、無線チャネルと有線チャネルの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。無線又は有線チャネルは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線センサネットワーク(WSN)、無線エリアネットワーク(WAN)、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、一般電話サービス(POTS)、及びメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)のうちの1つによって定義され得るネットワーク標準に関連付けられ得る。さらに、有線チャネルは、帯域幅基準に基づいて選択されてもよい。例えば、光ファイバチャネルを高帯域幅通信に使用することができる。さらに、同軸ケーブルベース又はイーサネットベースの通信チャネルを、中程度の帯域幅の通信に使用することができる。
【0116】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的論理ブロック及びモジュールは、プロセッサなどのマシンによって実施又は実行され得る。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代わりに、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、状態マシン、又はそれらの組み合わせであってもよい。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の実施形態では、プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理することなく論理演算を実行する選定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサはまた、デジタル信号プロセッサ(デジタル信号処理装置)及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又はそれらの任意の他のものなどのコンピューティングデバイスの組み合わせであってもよい。このような構成として実装できます。本明細書では主にデジタル技術に関して説明するが、プロセッサは主にアナログデバイスを含んでもよい。例えば、本明細書に記載される信号処理アルゴリズムのいくつか又はすべては、アナログ回路又は混合アナログ及びデジタル回路によって実施することができる。コンピューティング環境には、マイクロプロセッサ、メインフレーム・コンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブル・コンピューティング・デバイス、デバイス・コントローラ、又はデバイス内のコンピューティング・エンジンに基づく任意のタイプのコンピュータ・システムが含まれるが、これらに限定されない。
【0117】
ネットワーク107は、航行開始地点、航行目的地点、複数のポテンシャルウェイポイントのポテンシャル位置に関するデータの送受信のための複数のネットワークポート及び複数の通信チャネルを提供するように構成され得る適切な論理、回路、及びインターフェースを含み得る。各ネットワークポートは、通信データを送受信するための仮想アドレス(又は物理マシンアドレス)に対応してもよい。例えば、仮想アドレスは、インターネットプロトコルバージョン4(IPv4)(又はIPv6アドレス)であり得、物理アドレスは、メディアアクセス制御(MAC)アドレスであり得る。ネットワーク107は、1以上の通信装置のうちの少なくとも1つからの1以上の通信要求に基づいて通信プロトコルを実施するためのアプリケーション層に関連付けられる。
【0118】
通信データは、通信プロトコルを介して送受信することができる。このような有線及び無線通信プロトコルの例としては、伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ZigBee、EDGE、赤外線(IR)、IEEE802.11、802.16、セルラー通信プロトコル、及び/又はBluetooth(BT)通信プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
ネットワーク107の例は、無線チャネル、有線チャネル、その無線及び有線チャネルの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。無線又は有線チャネルは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線センサネットワーク(WSN)、無線エリアネットワーク(WAN)、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、1般電話サービス(POTS)、及びメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)のうちの1つによって定義され得るネットワーク標準に関連付けられ得る。さらに、有線チャネルは、帯域幅基準に基づいて選択されてもよい。例えば、光ファイバチャネルを高帯域幅通信に使用することができる。さらに、同軸ケーブルベース又はイーサネットベースの通信チャネルを、中程度の帯域幅の通信に使用することができる。
【0120】
幾つかの実施形態は、最適化された航路を決定するために、複数のポテンシャルウェイポイントが航路に障害を引き起こさないように正確に配置されなければならないという認識に基づいている。
【0121】
本明細書に記載され、かつ/又は添付の図面に示されるフロー図における任意のプロセス記述、要素又はブロックは、プロセスにおける選定の論理機能又は要素を実装するための1つ以上の実行可能な命令である。を含む、モジュール、セグメント、又はコードの一部を潜在的に表していると理解する必要があります。代替的な実施形態は、本明細書に記載された実施形態の範囲内に含まれ、ここで、要素又は機能は、当業者に理解されるように、関与する機能性に応じて実質的である。
【0122】
特段の記載がない限り、「1」のような数字は、1般に、1つ以上の記載項目を含むものと解釈されるべきである。したがって、「~するように構成された1つの装置」などの用語は、1つ以上のリストされたデバイスを含むことを意図している。このような列挙された装置のうちの1つ以上は、記載された引用を実行するように集合的に構成することもできる。例えば、「以下のA、B、Cを実行するように構成されたプロセッサー」は、Aを実行するように構成された第1のプロセッサ、及びBとCを実行するように構成された第2のプロセッサと解釈できる。さらに、導入された例の具体的な数の列挙が明示的に列挙される場合であっても、そのような列挙が典型的には少なくとも列挙された数であることを意味する。「2つの列挙」の単なる列挙は、少なくとも2つの列挙又は2つ以上の列挙を意味するものと解釈されるべきである。
【0123】
上述の実施形態に多くの修正及び修正を加えることができ、それらの要素は、他の許容可能な例の中にあるものとして理解されるべきである。このようなすべての変更及び修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図され、以下の特許請求の範囲によって保護される。
【符号の説明】
【0124】
100a 航路計画装置の作業環境
100b 航路計画装置とその周辺の構成
101 航路計画装置
103 ユーザ装置
103a アプリケーション
103b 先端ウェイポイント
103c ポテンシャルウェイポイント
103d-103f ウェイポイント(未設定のウェイポイント)
105 ユーザ
107 ネットワーク
109 データベース
111 記憶部(メモリ)
113 処理回路
115 表示画面(表示器、ディスプレイ、タッチスクリーン)
117 通信回線(バス)
119 チャートデータ受信部
121 設定ウェイポイント受信部
123 ポテンシャルウェイポイント受信部
125 位置特定部
127 ウェイポイント固定部
129 航路設定部
S 開始地点
D 目的地点
202 先端ウェイポイント
204a、204b ポテンシャルウェイポイント
206a 第1の目標物(ターゲット)
206b 第2の目標物(ターゲット)
208a 第1のバー(活性化信号受信前)
208b 第1のバー(活性化信号受信後)
210a 第2のバー(活性化信号受信前)
210b 第2のバー(活性化信号受信後)
212 ポテンシャルウェイポイントと第1の目標物との間の距離のポップアップ表示
302a 第1の目標物からの距離を示す円(第1の目標物円)
302b 第2の目標物からの距離を示す円(第2の目標物円)
402 ポテンシャルウェイポイントからの距離を示す円(ポテンシャルウェイポイント円)
404 ポテンシャルウェイポイントと第2の目標物を結ぶ破線
502 先端ウェイポイントと第1の目標物を結ぶ線を直径とする円
504 先端ウェイポイントと第1の目標物を結ぶ線
506 第1のバーと第2のバーがなす角