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特開2022-191069画像形成システム及び画像形成装置並びに画像形成システムの制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191069
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】画像形成システム及び画像形成装置並びに画像形成システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20221220BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221220BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B41J29/38
H04N1/00 127Z
G06F3/12 305
G06F3/12 385
G06F3/12 367
G06F3/12 331
G06F3/12 361
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099693
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉本 和弘
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HK05
2C061HN04
2C061HN15
2C061HQ17
2C061HR07
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
(57)【要約】
【課題】所定の設定情報を設定する際に使用者の設定操作により使用者が複数台の画像形成装置の全てに対して設定しなければならない不都合を解消することができる画像形成システム及び画像形成装置並びに画像形成システムの制御方法を提供する。
【解決手段】画像形成システム100は、ネットワークNTを介して互いに接続される複数台の画像形成装置10を備え、端末装置200から送信されるプリントデータPDに基づいて画像形成装置10で画像を形成する。複数台の画像形成装置10のうち、登録画像形成装置10(i)として何れか1台の画像形成装置10(1)に所定の設定情報(識別情報ID)が予め登録された状態において、他の画像形成装置10(j)は、設定情報(ID)を予め登録した登録画像形成装置10(i)から設定情報(ID)を取得し、取得した設定情報(ID)を設定する。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して互いに接続される複数台の画像形成装置を備え、端末装置から送信されるプリントデータに基づいて前記画像形成装置で画像を形成する画像形成システムであって、
前記複数台の画像形成装置のうち、登録画像形成装置として何れか1台の画像形成装置に所定の設定情報が予め登録された状態において、他の画像形成装置は、前記設定情報を予め登録した前記登録画像形成装置から前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報を設定することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記他の画像形成装置は、それぞれ、前記登録画像形成装置から前記設定情報を取得することを前記登録画像形成装置に要求し、前記登録画像形成装置から前記設定情報をそれぞれ取得することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成システムであって、
前記複数台の画像形成装置は、親機の画像形成装置と、前記親機の画像形成装置以外の子機の画像形成装置とで構成されており、
前記親機の画像形成装置は、前記端末装置から送信される前記プリントデータを蓄積する蓄積制御手段を備え、
前記複数台の画像形成装置のうちの少なくとも1台の画像形成装置は、
前記設定情報として前記ネットワーク内で前記親機の画像形成装置を特定するための識別情報を受け付ける受付制御手段と、
前記受付制御手段にて受け付けた前記識別情報を予め登録する登録制御手段と、
を備え、
前記複数台の画像形成装置は、
前記登録画像形成装置に前記識別情報が予め登録された状態において、前記登録画像形成装置に予め登録した前記識別情報を前記登録画像形成装置から取得する取得制御手段と、
前記取得制御手段にて取得した前記識別情報を設定する設定制御手段と、
設定した前記識別情報にて前記親機の画像形成装置を特定する特定制御手段と、
前記特定制御手段にて特定した前記親機の画像形成装置から前記プリントデータを受信する受信制御手段と、
を備え
前記受信制御手段にて受信した前記プリントデータに基づいて画像を形成することを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成システムであって、
前記親機の画像形成装置を複数台含んでいることを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の画像形成システムであって、
前記複数台の画像形成装置は、前記親機の画像形成装置と前記子機の画像形成装置とをそれぞれ含む複数群のグループに分類可能な構成とされていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成システムであって、
前記複数群のグループのうちの少なくとも1つのグループにおける前記親機の画像形成装置を複数台含んでいることを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の画像形成システムであって、
前記複数台の画像形成装置は、前記複数群のグループのうちの通常使うグループの既定値を変更可能とされていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までの何れか1つに記載の画像形成システムに備えられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
ネットワークを介して互いに接続される複数台の画像形成装置を備え、端末装置から送信されるプリントデータに基づいて前記画像形成装置で画像を形成する画像形成システムの制御方法であって、
前記複数台の画像形成装置のうち、登録画像形成装置として何れか1台の画像形成装置に所定の設定情報が予め登録された状態において、他の画像形成装置は、前記設定情報を予め登録した前記登録画像形成装置から前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報を設定することを特徴とする画像形成システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム及び複写機、複合機、プリンタ装置等の画像形成装置並びに画像形成システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して互いに接続される複数台の画像形成装置を備え、端末装置から送信されるプリントデータに基づいて画像形成装置で画像を形成する画像形成システムは、従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような、従来の画像形成システムでは、複数台の画像形成装置に所定の設定情報を設定する際には、使用者の設定操作により使用者が複数台(例えば100台程度)の画像形成装置の全てに対して設定しなければならず、非常に手間がかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-178738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像形成システムでは、所定の設定情報を設定する際に使用者の設定操作により使用者が複数台の画像形成装置の全てに対して設定しなければならない不都合を解消するような構成になっていない。
【0006】
そこで、本発明は、所定の設定情報を設定する際に使用者の設定操作により使用者が複数台の画像形成装置の全てに対して設定しなければならない不都合を解消することができる画像形成システム及び画像形成装置並びに画像形成システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る画像形成システム及び画像形成システムの制御方法は、ネットワークを介して互いに接続される複数台の画像形成装置を備え、端末装置から送信されるプリントデータに基づいて前記画像形成装置で画像を形成する画像形成システムであって、前記複数台の画像形成装置のうち、登録画像形成装置として何れか1台の画像形成装置に所定の設定情報が予め登録された状態において、他の画像形成装置は、前記設定情報を予め登録した前記登録画像形成装置から前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報を設定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記本発明に係る画像形成システムに備えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、所定の設定情報を設定する際に使用者の設定操作により使用者が複数台の画像形成装置の全てに対して設定しなければならない不都合を解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本実施の形態に係る画像形成システムの制御方法を実施する画像形成システムの一例の概念構成を示す模式図である。
図1B】本実施の形態に係る画像形成システムの制御方法を実施する画像形成システムの他の例の概念構成を示す模式図である。
図2】親機の画像形成装置の動作を制御するための制御構成を示す概略ブロック図である。
図3】子機の画像形成装置の動作を制御するための制御構成を示す概略ブロック図である。
図4】印刷すべき画像形成装置において表示部の印刷操作画面の一例を示す平面図である。
図5A】グループ毎に分類された複数台の画像形成装置の表示部の設定操作画面の一例を示す平面図である。
図5B】グループ毎に分類された複数台の画像形成装置の表示部の設定操作画面の一例を示す平面図である。
図5C】グループ毎に分類された複数台の画像形成装置の表示部の設定操作画面の一例を示す平面図である。
図6A】画像形成システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。
図6B】他の画像形成装置において、登録画像形成装置から識別情報としてIPアドレスを取得して設定するためのコピー操作画像を示す平面図である。
図6C】他の画像形成装置が識別情報としてIPアドレスを登録画像形成装置から取得して設定する様子を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
図1Aは、本実施の形態に係る画像形成システム100の制御方法を実施する画像形成システム100の一例の概念構成を示す模式図である。
【0013】
図1Aに示すように、画像形成システム100は、ネットワークNTを介して互いに接続される複数台の画像形成装置10(1)~10(n)(nは2以上の整数)を備えている。ネットワークNTには、1台又は複数台(この例では1台)の端末装置200も接続される。画像形成システム100は、端末装置200から送信されるプリントデータPD(印刷データ)に基づいて画像形成装置10(1)~10(n)で画像を形成する。
【0014】
ここでネットワークNTとしては、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、インターネット、公衆回線のうち何れか1つ又はこれらのうち少なくとも2つの組み合わせを挙げることができる。画像形成装置10としては、複写機、複合機、プリンタ装置を例示できる。端末装置200としては、パーソナルコンピュータ、多機能型携帯端末装置(所謂スマートフォン)、タブレット型端末装置等の情報処理装置を例示できる。
【0015】
画像形成装置10(1)~10(n)及び端末装置200は、ネットワークNTを介して互いに通信できるようになっている。
【0016】
詳しくは、複数台の画像形成装置10(1)~10(n)は、親機の画像形成装置10(1)~10(m)〔mは1以上n未満(例えばn/3未満)の整数〕と、1台又は複数台の親機の画像形成装置10(1)~10(m)以外の1台又は複数台の子機10(m+1)~10(n)の画像形成装置とで構成されている。
【0017】
画像形成システム100は、親機の画像形成装置10(1)~10(m)を複数台含んでいる。ここで、mは1であってもよいが、mは2以上n未満(例えばn/3未満)の整数であることが好ましい。
【0018】
この例では、nは10、mは3とされている。具体的には、10台の画像形成装置10(1)~10(10)は、3台の親機の画像形成装置10(1)~10(3)(10A)と7台の子機の画像形成装置(4)~10(10)(10B)とで構成されている。
【0019】
図1Bは、本実施の形態に係る画像形成システム100の制御方法を実施する画像形成システム100の他の例の概念構成を示す模式図である。
【0020】
図1Bに示すように、複数台の画像形成装置10(1)~10(n)は、複数群のグループG(1)~G(g)(gは2以上の整数)に分類可能とされている。
【0021】
グループG(1)~G(g)は、親機の画像形成装置G(1){10(1)~10〔m(1)〕}~G(g){10(1)~10〔m(g)〕}(10A)〔m(1)~m(g)は1以上n未満(例えばn/3未満)の整数〕をそれぞれ含んでいる。
【0022】
また、グループG(1)~G(g)は、子機の画像形成装置G(1){10〔m(1)+1〕~10〔n(1)〕}~G(g){10〔m(g)+1〕~10〔n(g)〕}(10B)をそれぞれ含んでいる。ここで、n(1)~n(g)の合計はnである。
【0023】
画像形成システム100は、複数群のグループG(1)~G(g)のうちの少なくとも1つのグループG(1)~G(k)(kは1以上g以下の整数)における親機の画像形成装置10(1)~10〔m(1)〕~10(1)~10〔m(k)〕(10A)を複数台含んでいる。ここで、m(1)~m(k)は1であってもよいが、m(1)~m(k)は2以上n未満(例えばn/3未満)の整数であることが好ましい。
【0024】
なお、m(1)~m(g)、n(1)~n(g)は、各グループで同じ値であってもよいし、異なった値であってもよい。ここで、m(1)~m(g)は1であってもよいが、m(1)~m(g)は2以上n未満(例えばn/3未満)の整数であることが好ましい。
【0025】
この例では、g=10、k=g、n(1)~n(g)は、各グループで何れも同じ台数の10とされている。また、m(1)~m(g)は、各グループで何れも同じ台数の3とされている。
【0026】
具体的には、nは10グループ×10台=100台とされており、第1グループG(1)から第10グループG(10)の各グループにおいて、10台の画像形成装置10(1)~10(10)は、何れも3台の親機の画像形成装置10(1)~10(3)(10A)と7台の子機の画像形成装置(4)~10(10)(10B)とで構成されている。グループG(1)の画像形成装置10(1)~10[n(1)]は、第8工場6階に設置され、グループG(2)の画像形成装置10(1)~10[n(2)]は、第8工場5階に設置され、グループG(g)の画像形成装置10(1)~10[n(g)]は、第p工場q階(pは2以上の整数、qは1以上の整数)に設置されている。
【0027】
以下、「親機の画像形成装置」及び「子機の画像形成装置」の符号は、単に10A及び10Bと言うことがある。
【0028】
<画像形成装置の制御部>
図2は、親機の画像形成装置10Aの動作を制御するための制御構成を示す概略ブロック図である。図3は、子機の画像形成装置10Bの動作を制御するための制御構成を示す概略ブロック図である。
【0029】
図2に示すように、親機の画像形成装置10Aは、制御部11a、蓄積部12、画像形成部13、操作表示部14を備えている。子機の画像形成装置10Bは、制御部11b、画像形成部13、操作表示部14を備えている。
【0030】
制御部11a,11bは、CPU(Central Processing Unit)等のコンピュータからなる処理部11a1,11b1と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む記憶部11a2,11b2と、を有している。
【0031】
制御部11a,11bでは、処理部11a1,11b1によって、記憶部11a2,11b2のROMに予め格納された制御プログラムが呼び出され、記憶部11a2,11b2のRAM上にロードされると、各種構成要素の作動の制御が実行される。
【0032】
画像形成部13は、プリントデータPDに基づいて記録用紙等の記録材に画像を形成する。画像形成装置(10A,10B)は、電子写真方式のものであってもよいし、昇華型のものであっても、インクジェット型のものであってもよい。画像形成部13は、制御部11a,11bに電気的に接続されている。
【0033】
操作表示部14は、受付部141(この例ではタッチパネル)と、表示部142(この例では表示パネル)と、を備えている。受付部141は、制御部11a,11bの入力系に電気的に接続されている。受付部141は、使用者による入力操作情報を受け付ける。表示部142は、制御部11a,11bの出力系に電気的に接続されている。表示部142は、表示データに基づいて各種情報を表示画面に表示する。受付部141は、表示部142上に設けられている。操作表示部14は、表示部142に表示される各種ソフトウェアキーへの使用者によるタッチ操作情報を受付部141で受け付ける。
【0034】
<親機の画像形成装置>
親機の画像形成装置10Aにおいて、蓄積部12は、端末装置200から送られてくるプリントデータPDを蓄積するソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)等の大容量記憶装置である。蓄積部12は、親機の画像形成装置10Aの制御部11aに電気的に接続されている。制御部11aは、蓄積制御手段P1を備える。
【0035】
蓄積制御手段P1は、端末装置200(この例ではパーソナルコンピュータ)から送信されるプリントデータPDを蓄積部12に蓄積する。
【0036】
<設定情報を受け付けて予め登録可能な画像形成装置>
複数台の画像形成装置10(1)~10(n),G(1){10(1)~10[n(1)]}~G(g){10(1)~10[n(g)]}のうちの少なくとも1台(この例では全て)の画像形成装置において、制御部11a,11bは、受付制御手段P2と、登録制御手段P3とを備える。
【0037】
受付制御手段P2は、設定情報としてネットワークNT内で親機の画像形成装置10Aを特定するための識別情報IDを操作表示部14の受付部141にて受け付ける。ここで、識別情報IDとしては、IP(Internet Protocol)アドレス、プリンタ名、MAC(Media Access Control)アドレス等を例示できる。この例では、識別情報IDは、IPアドレスとされている。
【0038】
登録制御手段P3は、受付制御手段P2にて受け付けた識別情報ID(この例ではIPアドレス)を予め登録する。識別情報ID(この例ではIPアドレス)は記憶部11a2,11b2に予め登録される。
【0039】
ここで、設定情報を受け付けて予め登録可能な構成となっている画像形成装置は、この例では、全ての画像形成装置であるが、設定情報を受け付けて予め登録される画像形成装置は1台のみの登録画像形成装置10(i)(iは1~nのうちの何れか1つの整数)である。
【0040】
<画像形成装置共通の構成>
複数台の画像形成装置10(1)~10(n),G(1){10(1)~10[n(1)]}~G(g){10(1)~10[n(g)]}(以下、単に、複数台の画像形成装置10という。)において、制御部11a,11bは、取得制御手段P4、設定制御手段P5、特定制御手段P6及び受信制御手段P7を備える。
【0041】
取得制御手段P4は、登録画像形成装置10(i)に識別情報IDが予め登録された状態において、登録画像形成装置10(i)に予め登録した識別情報IDを登録画像形成装置10(i)からネットワークNTを介して取得する。
【0042】
設定制御手段P5は、取得制御手段P4にて取得した識別情報ID(この例ではIPアドレス)を設定する。識別情報ID(この例ではIPアドレス)は記憶部11b2,11a2に記憶される。
【0043】
特定制御手段P6は、プリントデータPDに基づいて画像を形成するために、登録制御手段P3にて登録した識別情報ID又は設定制御手段P5にて設定した識別情報IDにて親機の画像形成装置10Aを特定する。この例では、特定制御手段P6は、識別情報IDであるIPアドレスによりネットワークNT上の親機の画像形成装置10Aを特定する。
【0044】
受信制御手段P7は、特定制御手段P6にて特定した親機の画像形成装置10Aの蓄積部12からネットワークNTを介してプリントデータPDを受信する。
【0045】
複数台の画像形成装置10は、受信制御手段P7にて受信したプリントデータPDに基づいて画像を形成する。
【0046】
(本実施の形態について)
ところで、従来の画像形成システムでは、複数台の画像形成装置に所定の設定情報(例えば識別情報)を設定する際には、使用者の設定操作により使用者が複数台(例えば100台程度)の画像形成装置の全てに対して設定しなければならず、非常に手間がかかっていた。
【0047】
この点、本実施の形態に係る画像形成システム100では、複数台の画像形成装置10のうち、登録画像形成装置として何れか1台の画像形成装置10(i)に所定の設定情報〔この例では識別情報ID(IPアドレス)〕が予め登録された状態において、他の画像形成装置10(j)(jはiを除く1~nの整数)は、設定情報(ID)を予め登録した登録画像形成装置10(i)から設定情報(ID)を取得し、取得した設定情報(ID)を設定する。
【0048】
こうすることで、複数台の画像形成装置10に設定情報(ID)を設定する際に使用者が何れか1台の登録画像形成装置10(i)のみに設定情報(ID)を設定し、他の画像形成装置10(j)は、設定情報(ID)を登録した何れか1台の登録画像形成装置10(i)のみから設定情報(ID)を取得し、取得した設定情報(ID)を設定することができる。これにより、設定情報(ID)を設定する際に使用者の設定操作により使用者が複数台の画像形成装置10の全てに対して設定しなければならない不都合を解消することができる。
【0049】
詳しくは、画像形成装置10のうちの少なくとも1台の画像形成装置は、受付制御手段P2と、登録制御手段P3と、を備える。こうすることで、設定情報として識別情報IDを受け付けて記憶部11a2,11b2に予め登録することができる。画像形成装置10は、特定制御手段P6と、受信制御手段P7と、をさらに備える。こうすることで、予め登録した識別情報IDからプリントデータPDが蓄積部12に蓄積されている親機の画像形成装置10Aを特定し、特定した親機の画像形成装置10AからプリントデータPDを受信し、受信したプリントデータPDに基づいて画像を形成することができる。
【0050】
また、画像形成装置10は、取得制御手段P4と、設定制御手段P5と、特定制御手段P6と、受信制御手段P7と、を備える。こうすることで、設定情報として識別情報IDを予め登録した登録画像形成装置10(i)から識別情報IDを取得し、取得した識別情報IDを記憶部11a2,11b2に設定(記憶)し、設定した識別情報IDからプリントデータPDが蓄積部12に蓄積されている親機の画像形成装置10Aを特定し、特定した親機の画像形成装置10AからプリントデータPDを受信し、受信したプリントデータPDに基づいて画像を形成することができる。
【0051】
(第1実施形態)
本実施の形態において、他の画像形成装置10(j)は、それぞれ、登録画像形成装置10(i)から設定情報(ID)を取得することを登録画像形成装置10(i)に要求し、登録画像形成装置10(i)から設定情報(ID)をそれぞれ取得する。
【0052】
こうすることで、他の画像形成装置10(j)は、設定情報(ID)が予め登録された何れか1台の登録画像形成装置10(i)にそれぞれ要求し、登録画像形成装置10(i)から設定情報(ID)を個々に取得することができる。これにより、他の画像形成装置10(j)において、設定情報(ID)を1台ずつ確実に設定することができる。
【0053】
(第2実施形態)
本実施の形態において、複数台の画像形成装置10は、親機の画像形成装置10Aと、親機の画像形成装置10A以外の子機の画像形成装置10Bとで構成され、親機の画像形成装置10Aが蓄積制御手段P1を備えることで、親機の画像形成装置10Aは、端末装置200から送信されるプリントデータPDを蓄積することができる。従って、親機の画像形成装置10Aをプリントサーバとして利用することができる。これにより、プリントサーバを用いない画像形成システムを実現させることができる。
【0054】
例えば、端末装置200は、親機の画像形成装置10AにプリントデータPDを蓄積するにあたり、端末装置200のプリンタドライバにおいて親機の画像形成装置10A〔親機の名称(具体的にはグループ1の親機1のプリンタ名やグループ2の親機3のプリンタ名)〕を選択し、選択した親機の画像形成装置10AにプリントデータPDを蓄積する。使用者は、親機、子機の画像形成装置10A,10Bに拘わらず、複数台の画像形成装置10のうちの使用者が印刷すべき画像形成装置10C{図1Aの例では、親機の画像形成装置10A〔10(2)〕、図1Bの例では、グループG(2)の子機の画像形成装置10B〔10〔n(2)〕〕}に対して印刷(画像形成)操作を行う。
【0055】
図4は、印刷すべき画像形成装置10Cにおいて表示部142の印刷操作画面D1の一例を示す平面図である。
【0056】
図4に示すように、印刷すべき画像形成装置10Cは、印刷操作画面D1において、一のグループG(h)(hは1~gのうちの何れか1つの整数)内の親機の画像形成装置10A(複数台の親機全て)に蓄積されたプリントデータPD(ジョブ)(図示例ではファイル名)を選択操作(タッチ操作)可能に一覧表示する。なお、印刷すべき画像形成装置10Cが使用者に対する認証機能を有する場合には、認証された使用者のプリントデータPDのみ一覧表示する。
【0057】
使用者は、印刷操作画面D1の各種のプリントデータPD(ファイル名)の中から、印刷すべきプリントデータPDを選択し(この例ではファイル名「BBBBBB」)、印刷キーK1をオン操作(タッチ操作)する。印刷すべき画像形成装置10Cは、使用者により選択されたプリントデータPDを選択されたプリントデータPDに対応する親機の画像形成装置10AからネットワークNTを介して取得し、取得したプリントデータPDを印刷する。なお、図4に示す印刷操作画面D1において、部数が変更可能とされ、白黒での印刷の有無、印刷後のプリントデータPDの削除の有無が選択操作可能とされている。
【0058】
本実施の形態では、複数台の画像形成装置10全体〔図1Bに示す例では複数群のグループG(1)~G(g)を含めた全体〕において、識別情報IDを受け付けて予め登録可能な画像形成装置10のうちの何れか1台の登録画像形成装置10(i)において、使用者の設定操作により設定情報として識別情報IDを受け付け、受け付けた識別情報IDが予め登録される。複数台の画像形成装置10のうちの他の画像形成装置10(j)は、登録画像形成装置10(i)に識別情報IDが予め登録された状態において、登録画像形成装置10(i)に予め登録された識別情報IDを登録画像形成装置10(i)から取得し、取得した識別情報IDを設定する。プリントデータPDを印刷すべき画像形成装置10C〔図1Bに示す例では一のグループG(h)の画像形成装置10C〕は、設定した識別情報IDにてプリントデータPDを蓄積した親機の画像形成装置10Aを特定する。プリントデータPDを印刷すべき画像形成装置10Cは、特定した親機の画像形成装置10AからプリントデータPDを受信し、受信したプリントデータPDに基づいて画像を形成する。これにより、複数台の画像形成装置10に識別情報IDを設定する際に使用者が何れか1台の登録画像形成装置10(i)のみに識別情報IDを予め登録し、他の画像形成装置10(j)は、識別情報IDを予め登録した登録画像形成装置10(i)から識別情報IDを取得し、取得した識別情報IDを設定することができる。
【0059】
(第3実施形態)
ところで、親機の画像形成装置10Aが1台である場合、1台の親機の画像形成装置10Aに負荷が集中する。また、親機の画像形成装置10Aに対してメンテナンスを行う場合、親機の画像形成装置10Aの稼働を停止させる必要があり、この場合、プリントデータPDを印刷することができない。
【0060】
この点、本実施の形態において、画像形成システム100は、親機の画像形成装置10Aを複数台含んでいることで、複数台の親機の画像形成装置10Aに負荷を分散させることができる。また、親機の画像形成装置10Aに対してメンテナンスを行う場合において、親機の画像形成装置10Aのうち何れかの稼働を停止させる必要があっても、他の親機の画像形成装置10Aにおいて、プリントデータPDを印刷(画像形成)することができる。
【0061】
ところで、企業、団体等の施設において複数台の画像形成装置10を設置する場合に、複数台の画像形成装置10を複数群のグループに分類したい場合がある。
【0062】
この点、本実施の形態において、複数台の画像形成装置10は、親機の画像形成装置10Aと子機の画像形成装置10Bとをそれぞれ含む複数群のグループG(1)~G(g)(この例ではg=10)に分類されている。
【0063】
こうすることで、企業、団体等の施設において複数台の画像形成装置10を複数群のグループG(1)~G(g)に分類して設置することができる。
【0064】
図4に示すように、印刷すべき画像形成装置10Cは、印刷操作画面D1において、グループG(1)~G(g)を切り替えるプルダウンメニューキーK2を選択可能に表示する。使用者は、プルダウンメニューキーK2によりグループG(1)~G(g)の中から、印刷すべきプリントデータPDを蓄積した親機の画像形成装置10Aを含むグループ〔例えばG(1)〕(第8工場6階)を選択する。そうすると、印刷すべき画像形成装置10Cは、印刷操作画面D1において、使用者により選択されたグループ〔例えばG(1)〕における親機の画像形成装置10A(複数台の親機全て)に蓄積されたプリントデータPD(ジョブ)を選択操作(タッチ操作)可能に一覧表示する。
【0065】
また、本実施の形態において、画像形成システム100は、複数群のグループG(1)~G(g)のうちの少なくとも1つのグループG(1)~G(k)における親機の画像形成装置10A{10(1)~10〔m(1)〕~10(1)~10〔m(k)〕}を複数台含んでいる。
【0066】
こうすることで、各グループG(1)~G(k)において、複数台の親機の画像形成装置10Aに負荷を分散させることができる。また、親機の画像形成装置10Aに対してメンテナンスを行う場合において、親機の画像形成装置10Aのうち何れかの稼働を停止させる必要があっても、他の親機の画像形成装置10Aにおいて、プリントデータを印刷(画像形成)することができる。
【0067】
ところで、複数台の画像形成装置10には、複数群のグループG(1)~G(g)のうちの一のグループ〔例えばG(1)〕の親機の画像形成装置10Aが予め設定される。
【0068】
例えば、印刷すべき画像形成装置10Cは、図4に示すように、印刷操作画面D1において、一のグループG(h)〔例えばG(1)〕の親機の画像形成装置10A(複数台の親機全て)に蓄積されたプリントデータPD(ジョブ)を選択操作(タッチ操作)可能に一覧表示するが、このとき、通常使うグループとして複数群のグループのうちの特定のグループが予め設定されている。具体的には、使用者が複数群のグループG(1)~G(g)のうちの一のグループ〔G(1)〕に所属している場合、一のグループ〔G(1)〕の親機の画像形成装置10AにプリントデータPDが蓄積されるが、通常は、複数群のグループのうちの一のグループ〔G(1)〕が通常使うグループとして予め設定されており、一のグループ〔G(1)〕の親機の画像形成装置10Aに蓄積されたプリントデータPDを選択操作可能に一覧表示する。図4に示す例では、グループG(1)の第8工場6階の全ての親機の画像形成装置10Aに蓄積されたプリントデータPD(ジョブ)を選択操作(タッチ操作)可能に一覧表示する。
【0069】
図5Aから図5Cは、グループ毎に分類された複数台の画像形成装置10の表示部142の設定操作画面D2の一例を示す平面図である。例えば、g群(10群)のグループG(1)~G(g)において何れも同じ台数(3台)の親機の画像形成装置10(1)~10〔m(1)〕~10(1)~10〔m(g)〕(10A)が設置される。この例では、登録画像形成装置10(i)は、グループG(1)の親機の画像形成装置10(1)とされている。
【0070】
図5A図5B及び図5Cでは、それぞれ、通常使うグループとしてグループG(1),G(2),G(g)が設定されている状態を示している。
【0071】
識別情報IDを受け付けて予め登録可能な1台のグループG(1)の親機の画像形成装置10(1)は、全てのグループG(1)~G(g)の親機の画像形成装置10Aの識別情報IDが使用者により入力されて記憶部11a2に予め登録される。使用者は、図5Aに示すように、通常使うグループとしてグループG(1)を設定する。
【0072】
ここで、一のグループ〔G(1)〕において登録画像形成装置10(i)に識別情報IDが予め登録された状態において、他の画像形成装置10(j)が識別情報IDを予め登録した登録画像形成装置(i)から識別情報IDを取得するが、この場合、通常使うグループとして設定されているグループ〔この例ではG(1)〕も取得する。
【0073】
詳しくは、識別情報IDを予め登録したグループG(1)の登録画像形成装置10(1)以外のグループG(1)の各画像形成装置{10(2)~10〔n(1)〕}及びグループ(2)~10(g)の各画像形成装置{10(1)~10〔n(1)〕}~{10(1)~10〔n(g)〕}は、識別情報IDを予め登録したグループG(1)の登録画像形成装置(1)から識別情報IDを取得するが、この場合、通常使うグループとして設定されているグループG(1)も取得する。
【0074】
そうすると、識別情報IDを予め登録したグループ〔この例ではG(1)〕以外のグループ〔この例ではG(2)~G(g)〕では、通常使うグループとして所属するグループ〔この例ではG(2)~G(g)〕とは異なるグループ〔この例ではG(1)〕を取得し、従って、通常使うグループとして所属するグループとは異なるグループが設定されてしまう。
【0075】
この点、本実施の形態において、複数台の画像形成装置10は、複数群のグループG(1)~G(g)のうちの通常使うグループの既定値を変更可能とされている。
【0076】
グループ(2)~10(g)の各画像形成装置{10(1)~10〔n(2)〕}~{10(1)~10〔n(g)〕}において、使用者は、図5B及び図5Cに示すように、それぞれ、通常使うグループとしてグループG(2)~10(g)を設定することができる。
【0077】
こうすることで、他の画像形成装置10(j)が設定情報として識別情報IDを設定すると共に通常使うグループを設定した登録画像形成装置10(i)から識別情報IDを通常使うグループと共に取得し、取得した識別情報ID及び通常使うグループを設定した後、通常使うグループとしてたとえ所属するグループとは異なるグループが設定されても、所属するグループに設定し直すことができる。
【0078】
<画像形成システムの制御例>
図6Aは、画像形成システム100の制御動作の一例を示すフローチャートである。図6Bは、他の画像形成装置10(j)において、登録画像形成装置10(i)から識別情報IDとしてIPアドレスを取得して設定(コピー)するためのコピー操作画像D3を示す平面図である。図6Cは、他の画像形成装置G(j)が識別情報IDとしてIPアドレスを登録画像形成装置10(i)から取得して設定(コピー)する様子を模式的に示す模式図である。
【0079】
この例では、特定の1台の画像形成装置である登録画像形成装置10(i)は、グループG(1)の親機の画像形成装置10(1)とされている。
【0080】
画像形成システム100において、まず、ステップS1では、使用者は、登録画像形成装置10(i){特定の1台の画像形成装置G(1)〔10(1)〕}に全ての親機の画像形成装置G(1){10(1)~10〔m(1)〕}~G(g){10(1)~10〔m(g)〕}のIPアドレス(識別情報ID)を入力操作により予め登録する。
【0081】
次に、ステップS2では、図6Bに示すように、使用者は、他の画像形成装置G(1)〔10(2)〕~G(g)〔10(n)〕〔G(j)〕における表示部142のコピー操作画像D3において、IPアドレス入力欄Mに登録画像形成装置10(i)のIPアドレスを入力し、コピーキーK3をオン操作(タッチ操作)する。
【0082】
次に、ステップS3では、図6Cに示すように、他の画像形成装置G(1)〔10(2)〕~G(g)〔10(n)〕〔G(j)〕において、登録画像形成装置10(i)に予め登録された全ての親機の画像形成装置G(1){10(1)~10〔m(1)〕}~G(g){10(1)~10〔m(g)〕}のIPアドレスを登録画像形成装置10(i)から取得して設定(コピー)する。
【0083】
次に、ステップS4では、図5B及び図5Cに示すように、登録画像形成装置10(i)とは別のグループG(2)~G(g)の画像形成装置G(2){10(1)~10〔n(1)〕}~G(g){10(1)~10〔n(g)〕}の場合には「通常使うグループ」の設定を変更する。
【0084】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0085】
10 画像形成装置
10(i) 登録画像形成装置
10(j) 他の画像形成装置
100 画像形成システム
10A 親機の画像形成装置
10B 子機の画像形成装置
10C 印刷すべき画像形成装置
11a 制御部
11a1 処理部
11a2 記憶部
11b 制御部
11b2 記憶部
12 蓄積部
13 画像形成部
14 操作表示部
141 受付部
142 表示部
200 端末装置
D1 印刷操作画面
D2 設定操作画面
D3 コピー操作画像
G グループ
ID 識別情報(設定情報の一例)
K1 印刷キー
K2 プルダウンメニューキー
K3 コピーキー
M IPアドレス入力欄
NT ネットワーク
P1 蓄積制御手段
P2 受付制御手段
P3 登録制御手段
P4 取得制御手段
P5 設定制御手段
P6 特定制御手段
P7 受信制御手段
PD プリントデータ
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C