(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019109
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】電子機器、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20220120BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20220120BHJP
G06F 1/3218 20190101ALI20220120BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20220120BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G09G5/00 550H
G06F3/14 350A
G06F1/3218
H04N5/66 D
G09G3/20 611A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122705
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】土橋 守幸
(72)【発明者】
【氏名】肖 利民
(72)【発明者】
【氏名】森 英俊
【テーマコード(参考)】
5B011
5B069
5C058
5C080
5C182
【Fターム(参考)】
5B011EA02
5B069AA01
5B069BA04
5B069BB07
5B069BB11
5B069HA09
5B069KA02
5C058AA12
5C058BA05
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5C080CC03
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5C080DD03
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5C080DD26
5C080EE01
5C080EE17
5C080EE21
5C080EE26
5C080EE28
5C080FF13
5C080GG02
5C080GG05
5C080GG13
5C080JJ01
5C080JJ02
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5C080JJ07
5C080KK04
5C080KK07
5C080KK25
5C080KK49
5C080KK50
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AB03
5C182AB08
5C182AB11
5C182AB13
5C182AB14
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA06
5C182BA29
5C182BA46
5C182BA75
5C182BB02
5C182BB03
5C182BB13
5C182BB15
5C182BB22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA01
5C182CB14
5C182DA04
5C182DA53
5C182DA66
(57)【要約】
【課題】消費電力を抑えつつ、複数の画面に対する表示の視認性を向上させること。
【解決手段】複数の表示装置に対する表示を制御する電子機器は、複数の表示装置それぞれの画面に表示させる画像データを出力する出力部と、複数の画面それぞれの画素発光率を、それぞれの画面の画素発光率に基づいて相対的に制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示装置に対する表示を制御する電子機器であって、
複数の表示装置それぞれの画面に表示させる画像データを出力する出力部と、
複数の画面それぞれの画素発光率を、それぞれの画面の画素発光率に基づいて相対的に制御する制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、
複数の画面それぞれの画素発光率の合計が一定値となるように、複数の画面それぞれの画素発光率を設定する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
2つの表示装置に対する表示を制御する場合、
前記制御部は、
2つの画面のうちいずれか一方の画面が前記一定値の半分以下の画素発光率である場合、前記一方の画面の画素発光率を前記一定値から減算した値に他方の画面の画素発光率を設定する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、
複数の画面それぞれの画素発光率を、それぞれの画面の表示サイズに応じた画素発光率に基づいて相対的に制御する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
2つの表示装置に対する表示を制御する場合、
前記制御部は、
2つの画面のうちいずれか一方の画面の表示サイズと他方の画面の表示サイズとの比率と、前記一方の画面の画素発光率と他方の画面の画素発光率との比率とが対応するように設定することで、それぞれの画面の画素発光率を相対的に制御する、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
複数の表示装置に対する表示を制御する電子機器における制御方法であって、
出力部が、複数の表示装置それぞれの画面に表示させる画像データを出力するステップと、
制御部が、複数の画面それぞれの画素発光率を、それぞれの画面の画素発光率に基づいて相対的に制御するステップと、
を有する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1台で複数の画面への表示を制御する電子機器がある。例えば、特許文献1には、2つのタッチスクリーン(表示面)が設けられたデュアル・スクリーン式のノートPC(Personal Computer)について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ノートPCのような携帯型の電子機器では、バッテリーで動作可能な時間を長くするために低消費電力化が望まれている。例えば、単数の画面を使用する場合でも、輝度の上限を80%程度に抑えて設定することで、消費電力を低減することも行われている。しかしながら、上述したように複数の画面を使用する場合には、単数の画面を使用する場合に比較して消費電力が高くなる傾向がある。2つの画面のそれぞれの輝度を単数の画面の輝度と同様になるように設定した場合には消費電力が2倍程度になる。そのため、複数の画面を使用する場合には、それぞれの輝度の上限を単数のときよりも低く設定することが求められるが、輝度が低くなると視認性が犠牲となる場合もある。
【0005】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、消費電力を抑えつつ、複数の画面に対する表示の視認性を向上させる電子機器、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る、複数の表示装置に対する表示を制御する電子機器は、複数の表示装置それぞれの画面に表示させる画像データを出力する出力部と、複数の画面それぞれの画素発光率を、それぞれの画面の画素発光率に基づいて相対的に制御する制御部と、を備える。
【0007】
上記電子機器において、前記制御部は、複数の画面それぞれの画素発光率の合計が一定値となるように、複数の画面それぞれの画素発光率を設定してもよい。
【0008】
上記電子機器において、2つの表示装置に対する表示を制御する場合、前記制御部は、2つの画面のうちいずれか一方の画面が前記一定値の半分以下の画素発光率である場合、前記一方の画面の画素発光率を前記一定値から減算した値に他方の画面の画素発光率を設定してもよい。
【0009】
上記電子機器において、前記制御部は、複数の画面それぞれの画素発光率を、それぞれの画面の表示サイズに応じた画素発光率に基づいて相対的に制御してもよい。
【0010】
上記電子機器において、2つの表示装置に対する表示を制御する場合、前記制御部は、2つの画面のうちいずれか一方の画面の表示サイズと他方の画面の表示サイズとの比率と、前記一方の画面の画素発光率と他方の画面の画素発光率との比率とが対応するように設定することで、それぞれの画面の画素発光率を相対的に制御してもよい。
【0011】
また、本発明の第2態様に係る、複数の表示装置に対する表示を制御する電子機器における制御方法は、出力部が、複数の表示装置それぞれの画面に表示させる画像データを出力するステップと、制御部が、複数の画面それぞれの画素発光率を、それぞれの画面の画素発光率に基づいて相対的に制御するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、消費電力を抑えつつ、複数の画面に対する表示の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】第1の実施形態に係るOPRの制御例の説明図。
【
図5】第1の実施形態に係る電子機器のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【
図6】第1の実施形態に係る電子機器の機能構成の一例を示すブロック図。
【
図7】第1の実施形態に係るOPR制御処理におけるコマンドの一例を示す図。
【
図8】第1の実施形態に係るOPR制御処理の一例を示すフローチャート。
【
図9】第2の実施形態に係るOPRの制御例の説明図。
【
図10】第2の実施形態に係るOPR制御処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係る電子機器の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る電子機器の外観図である。図示する電子機器10は、クラムシェル型(ノート型)のPC(パーソナルコンピュータ)である。電子機器10は、第1筐体11と第2筐体12とを備えている。第1筐体11は、Aカバー、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。一方、第2筐体12は、Cカバー、システム筐体とも呼ばれる。第1筐体11と第2筐体12とは、それぞれ略四角形の板状(例えば、平板状)の筐体であり、ヒンジ機構を介して相対的に回動(矢印が示す開閉方向に回動)可能に接合されている。第1筐体11には、第1表示部110と第2表示部120とが表裏の位置関係に配置されている。
【0015】
図1(A)は、通常、ユーザが使用する側から電子機器10を見た図である。一方、
図1(B)は、
図1(A)の反対側から電子機器10を見た図である。第1表示部110は、第1筐体11と第2筐体12とが閉じた状態で第2筐体12に対面する側の面に配置されている。第2表示部120は、第1表示部110が配置されている面の反対側の面に配置されている。例えば、電子機器10を使用するユーザが第1表示部110を視認可能であり、当該ユーザに対面している人物が第2表示部120を視認可能である。
【0016】
例えば、第1表示部110及び第2表示部120は、有機ELディスプレイを含んで構成されている。有機ELディスプレイは、電流を流すと発光するOLED(Organic Light Emitting Diode)素子を複数用いたディスプレイである。例えば、赤、緑、青の3色のOLEDを組み合わせて1つの画素を構成し、1画面に複数の画素が配列されている。ここでは、第1表示部110及び第2表示部120のそれぞれの画面における全画素が最大に発光している状態を、OPR(On Pixel Ratio)100%とする。OPRは、画面を構成する全画素のうちどの画素がどの位発光しているかを示す画素発光率に相当し、画面の輝度と相関のある値である。OPRの値が高いほど輝度が高くなり、消費電力も高くなる。例えば、1画面のOPRが100%のときの消費電力が10Wである場合には、1画面のOPRの上限を80%に設定することで、消費電力を8W以下に抑えることができる。なお、以下の説明では、1画面のOPRが100%のときの消費電力が10Wである場合を例として説明するが、一例であって10Wに限られるものではない。
【0017】
図2及び
図3を参照して、OPRの上限設定について説明する。
図2は、OPRの上限設定の第1例の説明図である。
図2(A)は、OPRの上限設定が無い場合(或いは、100%に設定)のOPRの変化を示している。
図2(B)は、OPRの上限設定が80%の場合のOPRの変化を示している。いずれも、横軸がユーザによるブライトネス調整範囲、縦軸がOLEDの消費電力(EL Power)を示している。なお、ブライトネス調整範囲は、図示で右端が明るさの最大、左端が明るさの最小である。左から右へ行くにつれOPRが上昇し、消費電力も増加する。
図2(A)では、右端の明るさが最大のときにOPR100%(消費電力10W)となる全白画像(All white screen)の変化(符号L1参照)と、OPR90%(消費電力9W)となる背景が白の画像の一例(White background)の変化(符号L2参照)と、OPR20%となる背景が黒の画像の一例(Black background)の変化(符号L3参照)を示している。OPRの上限を80%に設定すると、
図2(B)に示すように、左から右へ行くにつれOPRが上昇するものの、OPR80%(消費電力8W)に到達した時点でクリップされそれ以上は上昇しない。これにより、消費電力を8W以下に制御することができる。
【0018】
図3は、OPRの上限設定の第2例の説明図である。
図3(A)は、
図2(A)と同様にOPRの上限設定が無い場合(或いは、100%に設定)のOPRの変化を示している。
図3(B)は、OPRの上限設定が80%の場合のOPRの変化を示している。
図2(B)に示す例では、OPRの上限を80%に設定した場合、OPR80%に到達するまではOPRの制限が無い場合と同様にOPRが変化し、80%に到達した時点でクリップされそれ以上は上昇しない例を説明した。これに対し、
図3(B)に示す例では、OPRの上限を80%に設定した場合、OPR80%以上の画像はOPR80%の画像と同様の変化とすることで、80%以下に制限される(符号L1、L2参照)。この例の場合でも、OPR80%を超えることはないため、消費電力を8W以下に制御することができる。
【0019】
しかしながら、電子機器10は、第1表示部110と第2表示部120との2画面を有しているため、各画面のOPRの上限を80%に設定しても消費電力を8W以下に制御することはできない。以下、2画面の場合のOPRの制御例について説明する。
【0020】
図4は、本実施形態に係る2画面の場合のOPRの制御例の説明図である。図示する例では、先生(Teacher)は、電子機器10を使用しながら、その対面に座っている生徒(Student)に対して授業を行っている。例えば、先生は、第1表示部110及び第2表示部120に同じ画像を表示させ、第1表示部110に表示されている画像を見ながら説明をする。一方、生徒は、第2表示部120に表示されている画像を見ながら先生の説明を聞く。このような、使用形態が一例として想定される。
【0021】
例えば、
図4(A)に示すように、電子機器10は、第1表示部110と第2表示部120との2画面を有する。そのため、電子機器10は、2画面のそれぞれのOPRの上限を40%に設定することで、2画面のOPRの上限の合計を80%とし、消費電力を8W以下に制御する。
図4(A)では、第1表示部110及び第2表示部120には白色が少なく中間調が多く含まれている同一の画像が表示されている。白色が少ない画像を表示している場合、上限設定を設けなくとも、そもそもOPR40%を超えないことが多く、画像の中の白色の輝度もOPRの上限を80%に設定しているときに対して下がることが少ない。ここでは、2画面それぞれの中で最も高い輝度を発光している画素(即ち、白色を表示している画素)の輝度が400nitであるとする。例えば、OPRの上限が80%に設定されているときには、表示する画像の内容によって360nit~400nit、OPRの上限40%に設定されているときには、表示する画像の内容によって180nit~400nit程度になる。
【0022】
ところで、第1表示部110と第2表示部120とのそれぞれに異なる画像を表示させる場合もある。例えば、
図4(B)に示すように、生徒がテストを行っている間、生徒側の第2表示部120には時計の画像(全黒画像に近い画像)を表示させ、先生側の第1表示部110には他の生徒の答案の画像(全白画像に近い画像)を表示させて採点を行う使用形態も一例として想定される。この場合、第2表示部120に表示される時計の画像は、時刻などの白色の文字情報を除いてほとんどが黒色の画像であるため、時刻などの白色の文字情報の部分の画素の輝度が400nitであっても、実際のOPRは5%程度にとどまる。一方、第1表示部110に表示される答案の画像は、黒色の文字や図形の情報を除いてほとんどが白色の画像であるため、上限のOPR40%では十分な輝度が出ない(例えば、200nit)。このとき、第1表示部110と第2表示部120との合計のOPRが45%であり、想定している合計のOPR80%に対してかなり低い消費電力となる。
【0023】
そこで、本実施形態の電子機器10では、
図4(C)に示すように、2画面の合計のOPRの上限が80%になるように、第2表示部120の実際のOPRが5%のときには、第1表示部110のOPRの上限を75%(80%-5%)に設定する。これにより、消費電力を8W以下に抑えつつ、第1表示部110に表示されている画像の輝度も375nitに改善し、視認性を向上させることができる。
【0024】
(電子機器10の構成)
次に、電子機器10の具体的な構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る電子機器10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。電子機器10は、通信部101と、RAM(Random Access Memory)102と、Flashメモリ103と、CPU(Central Processing Unit)104と、スピーカ105と、加速度センサ106と、映像出力部107と、第1表示部110と、第2表示部120とを備えている。これらの各部は、バスなどを介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信部101は、例えば、複数のイーサネット(登録商標)ポートや複数のUSB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の無線通信を行う通信デバイス等を含んで構成される。
【0026】
RAM102には、CPU104が演算や制御、処理などを行うプログラムやデータが展開され、適宜、各種データの保存または消去が行われる。また、RAM102は、第1表示部110及び第2表示部120の表示用のビデオメモリ(V-RAM)としても機能する。
【0027】
Flashメモリ103は、Flash-ROM(Resad Only Memory)などの不揮発性メモリである。例えば、Flashメモリ103には、BIOS(Basic Input Output System)のプログラムや設定データ、OS(Operating System)やOS上で動作するアプリケーションのプログラム等が保存されている。
【0028】
CPU104は、BIOS、OS、またはOS上で動作する各種のアプリケーションなどのプログラムを実行することにより、各種の演算及び処理などを行う。例えば、CPU104は、上記プログラムの実行に応じて、RAM102、Flashメモリ103などに対してデータの読み書きや消去などのメモリ制御や、表示部15に対する表示制御や、映像出力部107に対する出力制御、スピーカ105から出力する音の制御などを行う。なお、CPU104は、GPU(Graphic Processing Unit)など特定の演算及び処理を行なう構成を内部または外部に含んで構成されてもよい。
【0029】
スピーカ105は、電子音や音声などを出力する。加速度センサ106は、電子機器10の向き及び向きの変化を検出する。映像出力部107は、外付けのディスプレイ装置と接続するための外部モニタ出力端子を含んで構成されている。例えば、外部モニタ出力端子は、HDMI(登録商標)端子、DVI端子、D-SUB端子、Display Port端子などである。
【0030】
第1表示部110及び第2表示部120のそれぞれは、前述したように、例えば有機ELディスプレイを含んで構成されている。第1表示部110及び第2表示部120は、CPU104が実行するBIOS、OS、またはOS上で動作する各種のアプリケーションの処理に応じた画像を表示する。なお、表示部15は、タッチパネル式のディスプレイ(タッチスクリーン)であってもよい。
【0031】
次に、CPU104が実行する機能のうち、第1表示部110及び第2表示部120の表示を制御する機能構成について説明する。
図6は、本実施形態に係る電子機器10の機能構成の一例を示すブロック図である。CPU104は、プログラムを実行することにより実現する上記機能構成として表示制御部140(制御部の一例)を備えている。表示制御部140は、画像データ出力部141(出力部の一例)とOPR設定部142とを備えている。
【0032】
画像データ出力部141は、第1表示部110及び第2表示部120のそれぞれの画面に表示させる画像データを出力する。例えば、画像データ出力部141は、複製画面モードでは、第1表示部110の画面と第2表示部120の画面とに同じ画像データを出力する。また、画像データ出力部141は、拡張画面モードでは、第1表示部110の画面と第2表示部120の画面とのそれぞれに、それぞれに対応する画像データを出力する。
【0033】
また、表示制御部140は、第1表示部110の画面と第2表示部120の画面とのそれぞれのOPRを、それぞれの画面のOPRに基づいて相対的に制御する。具体的には、OPR設定部142は、1表示部110の画面と第2表示部120の画面とのそれぞれのOPRの合計が一定値(例えば、80%)となるように、複数の画面それぞれのOPRを設定する。例えば、OPR設定部142は、
図4(C)に示すように、2画面の合計のOPRの上限が80%になるように、第2表示部120の実際のOPRが5%のときには、第1表示部110のOPRの上限を75%(80%-5%)に設定する。つまり、OPR設定部142は、2画面のうちいずれか一方の画面が上記一定値(例えば、80%)の半分以下のOPRである場合、一方の画面のOPRを上記一定値(例えば、80%)から減算した値に他方の画面のOPRを設定する。
【0034】
(OPR制御処理)
次に、
図7及び
図8を参照して、表示制御部140が第1表示部110の画面と第2表示部120の画面とのそれぞれのOPRを制御するOPR制御処理について、詳しく説明する。
【0035】
図7は、OPR制御処理におけるコマンドの一例を示す図である。表示制御部140は、第1表示部110に対して「Write」コマンドを実行することで、第1表示部110のOPRの上限値(OPR Setting #1)を設定する。また、表示制御部140は、第1表示部110に対して「Read」コマンドを実行することで、第1表示部110の実際のOPRの値(OPR Actual #1)を読み出す。同様に、表示制御部140は、第2表示部120に対して「Write」コマンドを実行することで、第2表示部120のOPRの上限値(OPR Setting #2)を設定する。また、表示制御部140は、第2表示部120に対して「Read」コマンドを実行することで、第2表示部120の実際のOPRの値(OPR Actual #2)を読み出す。
【0036】
次に、OPR制御処理の動作を説明する。
図8は、本実施形態に係るOPR制御処理の一例を示すフローチャートである。まず初めに、表示制御部140は、ステップS101、S103において、OPRの初期設定を行う。
(ステップS101)表示制御部140は、第1表示部110に対して「Write」コマンドを実行し、第1表示部110のOPRの上限値(OPR Setting #1)を「40%」に設定する。
(ステップS103)表示制御部140は、第2表示部120に対して「Write」コマンドを実行し、第2表示部120のOPRの上限値(OPR Setting #2)を「40%」に設定する。
【0037】
次に、表示制御部140は、ステップS105、S107において、実際のOPRを読み出す。
(ステップS105)表示制御部140は、第1表示部110に対して「Read」コマンドを実行し、第1表示部110に現在表示されている画像での実際のOPRの値(OPR Actual #1)を読み出す。
(ステップS107)表示制御部140は、第2表示部120に対して「Read」コマンドを実行し、第2表示部120に現在表示されている画像での実際のOPRの値(OPR Actual #2)を読み出す。
【0038】
(ステップS109)表示制御部140は、ステップS105で読み出した第1表示部110の実際のOPRの値(OPR Actual #1)が初期設定の「40%」未満であるか否かを判定する。表示制御部140は、第1表示部110の実際のOPRの値(OPR Actual #1)が「40%」未満であると判定した場合(YES)、ステップS111の処理へ進む。
【0039】
(ステップS111)表示制御部140は、第1表示部110に対して「Write」コマンドを実行し、第1表示部110のOPRの上限値(OPR Setting #1)を、ステップS105で読み出した実際のOPRの値(OPR Actual #1)に設定する。そして、ステップS113の処理へ進む。
【0040】
(ステップS113)表示制御部140は、第2表示部120に対して「Write」コマンドを実行し、第2表示部120のOPRの上限値(OPR Setting #2)を、ステップS105で読み出した実際のOPRの値(OPR Actual #1)を「80%」から減算した値に設定する。
【0041】
一方、表示制御部140は、ステップS109において、第1表示部110の実際のOPRの値(OPR Actual #1)が「40%」未満ではないと判定した場合(NO)、ステップS115の処理へ進む。
(ステップS115)表示制御部140は、ステップS107で読み出した第2表示部120の実際のOPRの値(OPR Actual #2)が初期設定の「40%」未満であるか否かを判定する。表示制御部140は、第2表示部120の実際のOPRの値(OPR Actual #2)が「40%」未満であると判定した場合(YES)、ステップS117の処理へ進む。
【0042】
(ステップS117)表示制御部140は、第2表示部120に対して「Write」コマンドを実行し、第2表示部120のOPRの上限値(OPR Setting #2)を、ステップS107で読み出した実際のOPRの値(OPR Actual #2)に設定する。そして、ステップS119の処理へ進む。
【0043】
(ステップS119)表示制御部140は、第1表示部110に対して「Write」コマンドを実行し、第1表示部110のOPRの上限値(OPR Setting #1)を、ステップS107で読み出した実際のOPRの値(OPR Actual #2)を「80%」から減算した値に設定する。
【0044】
一方、表示制御部140は、ステップS115において、第2表示部120の実際のOPRの値(OPR Actual #2)が「40%」未満ではないと判定した場合(NO)、OPRの設定を変更せずにステップS105の処理へ戻る。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る電子機器10は、第1表示部110及び第2表示部120(複数の表示装置の一例)に対する表示を制御する。例えば、電子機器10は、第1表示部110及び第2表示部120それぞれの画面に表示させる画像データを出力する。また、電子機器10は、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPR(画素発光率の一例)を、それぞれの画面のOPRに基づいて相対的に制御する。
【0046】
これにより、電子機器10は、それぞれの画面のOPRを相対的に制御することにより、消費電力を抑えつつ、複数の画面に対する表示の視認性を向上させることができる。
【0047】
例えば、電子機器10は、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPRの合計が一定値(例えば、80%)となるように、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPRを設定する。
【0048】
これにより、電子機器10は、2画面のOPRの合計が一定値を超えない範囲で各画面のOPRの上限を最大に設定することができるため、消費電力を抑えつつ、複数の画面に対する表示の視認性を向上させることができる。
【0049】
具体的には、電子機器10は、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面のうちいずれか一方(例えば、第2表示部120)の画面が上記一定値(例えば、80%)の半分以下のOPRである場合、一方(例えば、第2表示部120)の画面のOPRを上記一定値(例えば、80%)から減算した値に他方(例えば、第1表示部110)の画面のOPRを設定する。
【0050】
これにより、電子機器10は、2画面のうちいずれか一方の画面のOPRが低い場合には、その低い分だけ他方の画面のOPRを高く設定するため、消費電力を増加させることなく、複数の画面に対する表示の視認性を向上させることができる。
【0051】
なお上述の説明では、電子機器10は、2画面のうちいずれか一方の画面のOPRが低い場合、その低い分だけ他方の画面のOPRを高く設定したが、一方の画面のOPRが低い分と他方の画面のOPRが高い分とは一致しなくてもよい。例えば、
図4(C)に示す例では、第2表示部120の実際のOPRが5%であるため、40%からの差分の35%分が第1表示部110のOPRに加算されて75%となっているが、第1表示部110のOPRは、元の40%に対して少なくとも高い値に設定されればよく、40%以上75%未満のうちの任意の値(例えば、70%)に設定されてもよい。
【0052】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、一方の画面の実際のOPRが低いときに他方の画面のOPRを高く設定したが、これは、一方がOPRの低い画像で、他方がOPRの高い画像であるときに効果的である。しかしながら、両方の画面にOPRが同程度の画像が表示される場合もある。例えば、第2表示部120の画面が第1表示部110の複製画面である場合には、両方の画面にOPRが同一の画像が表示されることになる。比較的OPRの高い画像が両方の画面に表示される場合、それぞれの画面のOPRの上限を40%に設定していると、両方とも輝度が低下してしまい視認性が低下することがある。そこで、本実施形態では、比較的OPRの高い画像が両方の画面に表示される場合のOPRの制御について説明する。
【0053】
図9は、本実施形態に係るOPRの制御例の説明図である。図示する例では、販売員(Sales)が電子機器10の第1表示部110と第2表示部120とに同じ画像(販売の説明用の画像)を表示させ、その対面に座っている顧客(Client)に対して説明を行っている。例えば、電子機器10は、販売員の操作に応じてプレゼンテーション用のアプリケーションプログラムを起動し、説明用の画像を第1表示部110に表示させるとともに、第1表示部110の画面を複製して、第2表示部120の画面も同じ説明用の画像を表示させている。図示する例では、第1表示部110及び第2表示部120の画面には、制限のない状態でOPR70%になる画像(白色が多い画像)が表示されている。
【0054】
第1の実施形態と同様に、電子機器10は、第1表示部110と第2表示部120とのそれぞれの画面のOPRの上限を40%に設定することで、2画面のOPRの上限の合計を80%とし、消費電力を8W以下に制御する。このとき、
図9(A)に示すように、電子機器10は、2画面のいずれもOPR70%の画像をOPR40%で表示することになるため、いずれの画面でも十分な輝度が出ない(例えば、230nit)。販売員は、顧客には明るい画面を見せたいため、自分が見ている側の画面の表示サイズを小さくすることで画面輝度を抑えることを考える。このとき、第1の実施形態の制御を用いると、
図9(B)に示すようになる。例えば、第1表示部110の画面を1/2の面積に縮小すると、実際には、縮小した画面の周囲の黒表示部分も第1表示部110の画面のOPRの計算に含まれるため、OPR40%を超えない範囲でOPRは上昇し、意図に反して縮小画面(説明用の画像が表示されている部分)の輝度が中上がってしまう。例えば、第1表示部110の画面を1/2の面積に縮小したとき、OPRが35%となり、縮小画面の輝度(白色の輝度)が400nitまで上がってしまう。これにより、第2表示部120は、画面のOPRが45%(80%-35%)までしか上がらないため、輝度も230nitから260nitに上がるのみとなり、第1の実施形態の方法では効果が低い。
【0055】
そこで、本実施形態では、表示制御部140は、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPRを、それぞれの画面の表示サイズに応じたOPRに基づいて相対的に制御する。例えば、
図9(C)に示すように、第1表示部110の画面を縮小する場合には、OPR設定部142は、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPRの上限の設定比率と、第1表示部110の画面の表示サイズと第2表示部120の画面の表示サイズとの比率(以下、「画面表示比率」ともいう)とが概ね同一になるように設定する。なお、第1の実施形態と同様に、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面の合計のOPRの上限は80%とする。図示する例では、第1表示部110の画面を1/2に縮小しているため、第1表示部110と第2表示部120との画面表示比率は1:2である。そこで、OPR設定部142は、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPRの上限の設定比率が1:2で、且つ合計のOPRの上限が80%となるように、第1表示部110の画面のOPRの上限を27%、第2表示部120の画面のOPRの上限を53%に設定する。第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPRの上限の設定比率は27:53であり、約1:2である。このとき、第1表示部110及び第2表示部120の双方の輝度(白色の輝度)が302nitと明るくなり、視認性が改善される。
【0056】
この
図9(C)に示すOPR制御処理の動作について、
図10を参照して説明する。
図10は、本実施形態に係るOPR制御処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、例えば、第2表示部120の画面が第1表示部110の複製画面であることを条件としている。
【0057】
まず初めに、表示制御部140は、ステップS201、S203において、OPRの初期設定を行う。
(ステップS201)表示制御部140は、第1表示部110に対して「Write」コマンドを実行し、第1表示部110のOPRの上限値(OPR Setting #1)を「40%」に設定する。
(ステップS203)表示制御部140は、第2表示部120に対して「Write」コマンドを実行し、第2表示部120のOPRの上限値(OPR Setting #2)を「40%」に設定する。
【0058】
(ステップS205)表示制御部140は、第1表示部110の画面(表示画面1)が縮小されているか否かを判定する。表示制御部140は、第1表示部110の画面(表示画面1)が縮小されていると判定した場合(YES)、ステップS207の処理に進む。
【0059】
(ステップS207)表示制御部140は、第1表示部110の画面と第2表示部120との画面表示比率を算出する。ここでは、画面表示比率は1:2である。そして、表示制御部140は、ステップS209、S211において、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPRの上限の設定比率と、画面表示比率とが概ね同一に、且つそれぞれの合計のOPRが80%になるように設定する。
【0060】
(ステップS209)表示制御部140は、第1表示部110に対して「Write」コマンドを実行し、第1表示部110のOPRの上限値(OPR Setting #1)を、27%に設定する。
(ステップS211)表示制御部140は、第2表示部120に対して「Write」コマンドを実行し、第2表示部120のOPRの上限値(OPR Setting #2)を、53%に設定する。
【0061】
一方、表示制御部140は、ステップS205で第1表示部110の画面(表示画面1)が縮小されていないと判定した場合(NO)、ステップS213の処理に進む。
(ステップS213)表示制御部140は、第2表示部120の画面(表示画面2)が縮小されているか否かを判定する。表示制御部140は、第2表示部120の画面(表示画面2)が縮小されていると判定した場合(YES)、ステップS215の処理に進む。
【0062】
(ステップS215)表示制御部140は、第1表示部110の画面と第2表示部120との画面表示比率を算出する。ここでは、画面表示比率は2:1である。そして、表示制御部140は、ステップS217、S219において、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPRの上限の設定比率と、画面表示比率とが概ね同一に、且つそれぞれの合計のOPRが80%になるように設定する。
【0063】
(ステップS217)表示制御部140は、第1表示部110に対して「Write」コマンドを実行し、第1表示部110のOPRの上限値(OPR Setting #1)を、53%に設定する。
(ステップS219)表示制御部140は、第2表示部120に対して「Write」コマンドを実行し、第2表示部120のOPRの上限値(OPR Setting #2)を、27%に設定する。
【0064】
以上説明したように、本実施形態に係る電子機器10は、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面それぞれのOPRを、それぞれの画面の表示サイズに応じたOPRに基づいて相対的に制御する。
【0065】
これにより、電子機器10は、画面の表示サイズを変更することにより、それぞれの画面のOPRを相対的に制御するため、消費電力を抑えつつ、複数の画面に対する表示の視認性を向上させることができる。
【0066】
具体的には、電子機器10は、第1表示部110の画面及び第2表示部120の画面のうちいずれか一方の画面の表示サイズと他方の画面の表示サイズとの比率(画面表示比率)と、一方の画面のOPRと他方の画面のOPRとの比率とが対応するように設定することで、それぞれの画面のOPRを相対的に制御する。上記の画面表示比率と、一方の画面のOPRと他方の画面のOPRとの比率とが対応するとは、両者の比率が同一であること、あるいはおおよそ同一であることをいう。即ち、電子機器10は、上記の画面表示比率に基づいて、一方の画面のOPRと他方の画面のOPRとの比率とを決定する。
【0067】
これにより、電子機器10は、一方の画面の表示サイズを縮小することにより、2画面のOPRの合計が一定値を超えない範囲で他方の画面のOPRの上限を高くすることでき、他方の画面の輝度をあげて視認性を向上させることができる。
【0068】
なお、第2表示部120の画面が第1表示部110の複製画面である場合を例としたが、複製画面に限らず、第2表示部120が拡張画面であっても、第1表示部110と第2表示部120とに同一の画像が表示されていれば同様に適用できる。また、第1表示部110と第2表示部120とに同一の画像が表示されていなくても、同等のOPRの画像が表示されている場合も同様に適用できる。
【0069】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。例えば、上記の各実施形態で説明した構成は、任意に組み合わせてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、第1表示部110と第2表示部120とが電子機器10の第1筐体11に表裏の位置関係となるように配置されている例を説明したが、第1表示部110と第2表示部120との位置関係はこれに限られるものではない。例えば、第1表示部110と第2表示部120とは、並ぶ位置関係となるように配置されてもよいし、それぞれ第1筐体11と第2筐体12とに別々に配置されてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、第1表示部110と第2表示部120とが電子機器10に備えられている構成例を説明したが、第1表示部110と第2表示部120とのいずれか一方または両方は、映像出力部107又は通信部101などを介して接続される外付けの表示装置であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、第1表示部110と第2表示部120との2画面のOPRを制御する構成例について説明したが、2画面に限らず、3画面以上の複数の画面のそれぞれのOPRを制御する構成としてもよい。例えば、3画面以上の複数の画面の合計が一定値(例えば、80%)となるように、複数の画面それぞれのOPRを設定してもよい。
【0073】
なお、上述した表示制御部140は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した表示制御部140のそれぞれが備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した表示制御部140のそれぞれが備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0074】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に表示制御部140が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0075】
また、上述した実施形態における表示制御部140が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態では、電子機器10がクラムシェル型(ノート型)のPCである例を説明したが、タブレット型のPCやデスクトップ型のPCであってもよいし、さらにPCに限られるものではなく、スマートフォンやゲーム機などであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 電子機器、11 第1筐体、12 第2筐体、101 通信部、102 RAM、103 Flashメモリ、104 CPU、105 スピーカ、106 加速度センサ、107 映像出力部、110 第1表示部、120 第2表示部、140 表示制御部、141 画像データ出力部、142 OPR設定部