(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191113
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】外壁
(51)【国際特許分類】
E04B 2/90 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
E04B2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099793
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】高橋 政則
(72)【発明者】
【氏名】田中 直路
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 耕
(72)【発明者】
【氏名】中島 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】久栖 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】蓮沼 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 智之
(72)【発明者】
【氏名】駒田 力
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002NA01
2E002NB01
2E002NB02
2E002NC01
2E002PA04
2E002PA08
2E002RA03
2E002RB01
2E002UA02
2E002UB02
2E002UB04
2E002XA14
(57)【要約】
【課題】窓を備えた外壁において、施工性を向上させる。
【解決手段】建物外面に配置されるパネル体と、建物開口部に配置される窓とを備え、パネル体は、パネル芯材と、パネル芯材の室外側及び外周を覆う金属材料からなる表面材と、パネル芯材の外周と表面材との間に配置される気密材を有し、建物躯体に取り付けられており、窓は、窓の縦枠を建物躯体に固定する取付補助材を有し、取付補助材は、建物躯体に一端が固定されるとともに、他端が窓の縦枠の外周に固定されており、パネル体の気密材に当接する突出部が設けられている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物外面に配置されるパネル体と、建物開口部に配置される窓とを備え、
パネル体は、パネル芯材と、パネル芯材の室外側及び外周を覆う金属材料からなる表面材と、パネル芯材の外周と表面材との間に配置される気密材を有し、建物躯体に取り付けられており、
窓は、窓の縦枠を建物躯体に固定する取付補助材を有し、
取付補助材は、建物躯体に一端が固定されるとともに、他端が窓の縦枠の外周に固定されており、パネル体の気密材に当接する突出部が設けられている外壁。
【請求項2】
建物外面に配置されるパネル体と、建物開口部に配置される窓とを備え、
パネル体は、建物躯体に取り付けられており、
窓は、窓の縦枠を建物躯体に固定する取付補助材を有し、
取付補助材は、建物躯体に一端が固定されるとともに、他端が窓の縦枠の外周に固定されており、パネル体に当接する気密材が設けられている外壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物外面を覆う外壁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物外面を覆うパネル体と建物の開口部に配置される窓を備えた外壁が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
窓を備えた外壁において、施工性の向上が求められていた。
【0005】
本発明は、窓を備えた外壁において、施工性の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態の外壁は、建物外面に配置されるパネル体と、建物開口部に配置される窓とを備え、パネル体は、パネル芯材と、パネル芯材の室外側及び外周を覆う金属材料からなる表面材と、パネル芯材の外周と表面材との間に配置される気密材を有し、建物躯体に取り付けられており、窓は、窓の縦枠を建物躯体に固定する取付補助材を有し、取付補助材は、建物躯体に一端が固定されるとともに、他端が窓の縦枠の外周に固定されており、パネル体の気密材に当接する突出部が設けられている外壁である。
また、一実施形態の外壁は、建物外面に配置されるパネル体と、建物開口部に配置される窓とを備え、パネル体は、建物躯体に取り付けられており、窓は、窓の縦枠を建物躯体に固定する取付補助材を有し、取付補助材は、建物躯体に一端が固定されるとともに、他端が窓の縦枠の外周に固定されており、パネル体に当接する気密材が設けられている外壁である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、窓を備えた外壁において、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態の外壁を室外側から見た模式図である。
【
図2】一実施形態の外壁の一部縦断面(
図1のa-a縦断面)図である。
【
図3】一実施形態の外壁の一部横断面(
図1のb-b横断面)図である。
【
図4】一実施形態の外壁の一部横断面(
図1のc-c横断面)図である。
【
図5】一実施形態の外壁の一部縦断面(
図1のd-d縦断面)図である。
【
図6】一実施形態の外壁の一部縦断面(
図1のe-e縦断面)図である。
【
図7】一実施形態の外壁の一部横断面(
図1のf-f横断面)図である。
【
図8】一実施形態の外壁の窓の上角部(
図1のg部分)の一部部材の組み立て斜視図である。
【
図9】一実施形態の外壁の窓の上角部(
図1のg部分)の一部部材の分解斜視図である。
【
図10】一実施形態の外壁の窓の上角部(
図1のg部分)の一部部材の拡大横断面図である。
【
図11】(a)は、一実施形態の外壁の窓の上角部(
図1のg部分)の正面図であり、(b)は同上角部の拡大縦断面図である。
【
図12】一実施形態の外壁の一部縦断面(
図1のh-h縦断面)図であり、(b)は一実施形態の外壁の一部縦断面(
図1のi-i縦断面)図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施形態の外壁について、パネル体が取り付けられた建物外面の一部(建物開口部)に窓が設けられた外壁の例を用いて、図面を参考にして説明する。
【0010】
本実施形態の外壁は、
図1に示すように、ビル等の建物の外面にパネル体1が配置され、該外面の一部に左右に並ぶFIX窓2,2が配置されて形成されている。
【0011】
パネル体1は、
図4(a),
図5(a),
図6(a)に示すように、合成樹脂等のパネル芯材11と、ステンレス等の金属材料からなりパネル芯材11の室外側面を覆う表面材12及びパネル芯材11の室内側面を覆う裏面材13を有している。
【0012】
パネル体1は、
図6(a)に示すように、上端部分の厚さ寸法が小さく形成されて室外側に納まり部1aが設けられるとともに、パネル体1の上縁に沿って上方に開口する凹溝1bが設けられており、凹溝1bの内側に気密材s2が配置されている。
パネル体1は、
図5(a)に示すように、下端部分の室外側が下方に延びて延出部1cが設けられているとともに、パネル体1の下縁に沿って下方に突出する凸部1dが設けられている。
【0013】
パネル体1は、
図4(a)に示すように、表面材12がパネル芯材11の室外側を覆う室外側面部12aとパネル芯材11の外周を覆う外周部12bを有しており、パネル芯材11の外周面と表面材12の外周部12bとの間にパネル側気密材s1が配置されている。
【0014】
パネル体1は、
図2,
図3,
図4に示すように、上辺及び左右の縦辺がボルト等の固定手段b1によって建物躯体の縦部材A1,A2もしくは横部材A3に固定されて、建物躯体に固定されている。
【0015】
FIX窓2は、
図2,
図3に示すように、上枠21,下枠22及び左右の縦枠23,23を四周に組んでなる枠体の内周にガラス25が保持されて形成されている。
FIX窓2は、上枠21及び下枠22が建物躯体の横部材A3に固定され、縦枠23が建物躯体の縦部材A2に固定されて、建物躯体に固定されている。建物躯体の縦部材A2及び横部材A3は、必要に応じて断熱材Fが吹き付けられている。
本実施形態の建物の開口部に設けられた窓は、二つのFIX窓2,2が左右に並んで連結されており、連窓を構成している。
【0016】
(上下に配置されたパネル体の接続部:
図1のh-h断面)
上下に配置されたパネル体1の接続部では、
図12(a)に示すように、下方に配置されるパネル体1は、上辺部分の納まり部1aにおいて建物躯体の横部材A3に固定手段b1で固定されており、上方に配置されるパネル体1は、下方のパネル体1の上面に設けられた凹溝1bに下端部分の凸部1dを嵌め込んで接続されている。
【0017】
上方に配置されたパネル体1は、下端部分に設けられた延出部1cが下方に配置されたパネル体1の納まり部1aに収まることで、上下のパネル体1は上下に重複した状態で外周面を面一に連結されている。
【0018】
(パネル体の縦辺同士の接続部:
図1のc-c断面)
左右に配置されたパネル体1,1の接続部では、
図4に示すように、パネル体1は、左右の縦辺部分が建物躯体の縦部材A1の室外側に並べて配置され、固定手段b1,b1によってそれぞれ固定されている。
【0019】
縦部材A1は、左右にパネル体1,1が配置される部位の室外側面に、捨て板52及び断面略U字状のU字状部材5が長手方向に沿って取り付けられている。
U字状部材5は、底壁部5aと、底壁部5aの両側縁がそれぞれ直角に屈曲して延びる側壁部5b,5bを有している。
【0020】
捨て板52は、縦部材A1の室外側面に配置され、U字状部材5は、捨て板52の室外側面に底壁部5aを当接させ側壁部5b,5bを左右にして室外側に突出させるように配置されており、ビスb02によって縦部材A1に共締め固定されている。
捨て板52は、U字状部材5よりも左右に露出する部分にパネル体1との間をシールするシールテープs3が取り付けられている。
【0021】
縦部材A1に固定された左右のパネル体1は、パネル芯材11の左右の外周面と表面材12の外周部12bとの間に配置されたパネル側気密材s1がU字状部材5の側壁部5b,5bに強く当接している。
【0022】
縦部材A1に固定された左右のパネル体1,1の外周面間には、バックアップ材u1が配置され、シール材s4が充填されており、左右のパネル体1,1間でU字状部材5の左右の側壁部5b,5b間には、パネル体1の室内側に浸入した雨水等を排水する排水経路W1が形成されている。
【0023】
(FIX窓の上辺とパネル体の下辺との接続部:
図1のd-d断面)
FIX窓2の上枠21は、
図2,
図5に示すように、内周側にパネル間口21aを有しており、ガラス25が気密材を介して保持されている。
上枠21は、室内側面に取付ブラケット212が固定されており、建物躯体の横部材A3に固定されたアングル部材Bに取付ブラケット212が嵌合している。
【0024】
上枠21は、外周面(上面)に長尺で断面略L字状の取付補助材213が固定されている。
取付補助材213は、L字の一辺(見込壁部213a)が上枠21の上面にビスb11によって固定され、L字の他辺(見付壁部213b)が横部材A3の室外側面にビスb12によって固定されており、上枠21と横部材A3との間を塞いでいる。
【0025】
FIX窓2は、取付補助材213の見付壁部213bの室外側面に断面略U字状の補助金具214が固定されており、取付補助材213の見付壁部213bの室内側面と横部材A3とに亘って断面略L字状の補強部材215が固定されている。
補助金具214は、U字の両側辺(上側側辺214b,下側側辺214c)を上下にして室外側に延びるように配置され、底辺部214aが取付補助材213の見付壁部213bの室外側面に補強部材215を裏板としてビスb13で固定されている。
【0026】
取付補助材213と上枠21の上面との間の室外側には、両者の間を塞ぐシール材s11が充填されている。
取付補助材213の見付壁部213bの上端部分と横部材A3との間は、シールテープs13によってシールされており、補助金具214を固定するビスb23の頭部は、シール材s12によってシールされている。
【0027】
FIX窓2の上方に配置されるパネル体1は、下辺に設けられた凸部1dを補助金具214の上側側辺214bの上面に載置して配置されている。
上枠21とパネル体1との間は、補助金具214の下側側辺214cと上枠21の上面との間にバックアップ材u11が配置され、バックアップ材u11の室外側で補助金具214の下側側辺214c及びパネル体1と上枠21の上面との間にシール材s14が充填されている。
上枠21の外周面と取付補助材213,補助金具214との間には、パネル体1の室内側に浸入した雨水等を排水する排水経路W3が形成されている。
【0028】
(FIX窓の下辺とパネル体の上辺との接続部:
図1のe-e断面)
FIX窓2の下枠22は、
図2,
図6に示すように、室外側内周に押縁22bが取り付けられてパネル間口22aが形成されており、ガラス25等が気密材を介して保持されている。
【0029】
下枠22は、室内側面の下方位置に取付ブラケット222が取り付けられており、建物躯体の横部材A3に固定されたアングル部材Bに取付ブラケット222が嵌合している。
下枠22は、外周面(下面)に支持ボルト223が設けられており、支持ボルト223を介して横部材A3の上面に支持されている。
【0030】
下枠22は、下面に断面略L字状の取付補助材224及び位置決め部材225が固定されている。
位置決め部材225は、断面略L字状の部材であり、下枠22の室内側下面に取り付けられ、下枠22の下面から下方に延びる部分が取付補助材224の室内側端部に当接して取付補助材224の位置決めをしている。
【0031】
取付補助材224は、L字の一辺(見込壁部224a)が下枠22の下面にビスb21によって固定され、L字の他辺(見付壁部224b)が横部材A3の室外側面にビスb22によって固定されており、下枠22と横部材A3との間を塞いでいる。
【0032】
取付補助材224と下枠22の下面との間の室外側には、両者の間を塞ぐシール材s21が充填されており、取付補助材224の見付壁部224bの室外側面には、パネル体1との間をシールするシーリングテープs22が取り付けられている。
【0033】
FIX窓2の下方に配置されるパネル体1は、シーリングテープs22を挟んで取付補助材224の見付壁部224bの室外側に当接して配置され、固定手段b1によって横部材A3に固定されている。
【0034】
FIX窓2の下方には、横部材A3に固定されたパネル体1の上端部分を覆うように、水切り部材226が設けられている。
水切り部材226は、パネル体1の表面材12と同じ金属材料からなり、取付補助材224に固定される固定部226aと、固定部226aの下端から室外側にいくにしたがって下降する天板部226bと、天板部226bの室外側端から下方に伸びる室外側部226cを有している。
【0035】
水切り部材226は、固定部226aが取付補助材224の見付壁部224bの上方部分にビスb23により固定されて、下枠22とパネル体1の上端との間に取り付けられている。
取付補助材224に取り付けられた水切り部材226は、天板部226bがパネル体1の上面を覆い、室外側部226cがパネル体1の納まり部1aに収まるように表面材12の室外面を覆っており、水切り部材226の室外側部226cと表面材12の室外側面は面一となっている。
【0036】
水切り部材226とパネル体1との間には、バックアップ材u21が配置され、シール材s23が充填されており、下枠22と水切り部材226との間には、バックアップ材u22が配置され、シール材s24が充填されている。
【0037】
(FIX窓の縦辺とパネル体の縦辺との接続部:
図1のf-f断面)
FIX窓2の縦枠23は、
図3,
図7に示すように、室外側内周に押縁23bが取り付けられてパネル間口23aが形成されており、ガラス25等が気密材を介して保持されている。
縦枠23は、室内側端部が建物躯体の縦部材A2に固定されたアングル部材Bにビスb31によって固定されている。
【0038】
縦枠23は、外周面に取付補助材232が固定されている。
取付補助材232は、見込壁部232aと、見込壁部232aの一方側から直角に伸びる見付壁部232bと、見付壁部232bの反見込辺側の面から反見込壁部方向に延びる突出部232cと、突出部232cに隣接して突出部232cと同方向に向けて設けられる気密材保持部232dを有している。
【0039】
取付補助材232は、突出部232cが室外側に突出するように縦枠23と縦部材A2との間に配置され、見込壁部232aが縦枠23の外周面にビスb32により固定され、見付壁部232bが縦部材A2の室外側面にビスb33により固定されており、気密材保持部232dに枠側気密材s33が保持されている。
【0040】
取付補助材232と縦枠23の外周面との間の室外側部分には、両者の間を気密するシール材s31が充填されており、取付補助材232の見付壁部232bの端部に、見付壁部232bと縦部材A2との間をシールするシーリングテープs32が取り付けられている。
【0041】
FIX窓2に隣接して配置されるパネル体1は、縦辺部分が固定手段b1によって縦部材A2に固定されている。
パネル体1が縦部材A2に固定された状態では、パネル側気密材s1は、取付補助材232の突出部232cに当接しており、取付補助材232に取り付けられた枠側気密材s33は、パネル体1の表面材12の外周部12bに当接している。
【0042】
縦部材A2に固定されたパネル体1の表面材12とFIX窓2の縦枠23との間には、バックアップ材u31が配置され、シール材s34が充填されており、縦枠23の外周面と取付補助材232との間には、パネル体1の室内側に浸入した雨水等を排水する排水経路W2が形成されている。
【0043】
縦枠23の外周面と取付補助材232との間に形成される排水経路W2(及び、
図3に示すFIX窓2,2の縦枠23間に形成される排水経路)の下方には、
図12(b)に示すように、シール材sが充填されており、排水経路W2を伝わってきた水を室外側に排出する排水部品W4が配置されている。
【0044】
(FIX窓の上角部の排水経路の連絡)
本実施形態の外壁は、FIX窓2の上角部において、パネル体1,1が左右に隣接する接続部の排水経路W1と、パネル体1とFIX窓2が左右に隣接する接続部の排水経路W2が上下に並んで形成されている。
【0045】
外壁は、パネル体1,1が左右に隣接する接続部が上下に連続する場合には、パネル体1、1間の排水経路W1が比較的スムーズに上下の連続することができるが、パネル体1,1が左右に隣接する接続部の下方にパネル体1とFIX窓2が左右に隣接する接続部が配置されるFIX窓2の上角部などにおいては、上下に配置される排水経路の構成が異なるので、上方の排水経路W1と下方の排水経路W2をスムーズに連続させることが必要となる。
【0046】
以下に、パネル体1,1が左右に隣接する接続部の下方にパネル体1とFIX窓2が左右に隣接する接続部が配置されるFIX窓2の上角部などにおいて、上方の排水経路W1と下方の排水経路W2をスムーズに連絡させるための構成について説明する。
【0047】
外壁は、FIX窓2の上角部の上方において、左右のパネル体1,1は、縦辺部分が建物躯体の縦部材A1に支持されており(
図4)、FIX窓2の上角部の下方において、パネル体1及びFIX窓2は、パネル体1の縦辺部分及びFIX窓2の縦枠23が縦部材A2に支持されるとともに、FIX窓2の上枠21が横部材A3に支持されている(
図5,6)。
【0048】
そして、
図8,
図9に示すように、FIX窓2の上角部において、上角部の上方に配置されるパネル体1,1を支持する縦部材A1と、上角部の下方に配置されるパネル体1及びFIX窓2を支持する縦部材A2は、横部材A3を介して連結されている。
【0049】
FIX窓2の上角部の下方において、パネル体1と並ぶFIX窓2は、上枠21の上面に取付補助材213が取り付けられており、縦枠23の外周面に取付補助材232が取り付けられており、上角部において、縦枠23の内周面に上枠21の端面が突き合わされて連結されている。
なお、縦枠23は、上枠21を連結するに際して、上枠21の端面の当接に干渉する部分を適宜切り欠いている。
【0050】
縦枠23の取付補助材232は、
図8,
図9,
図11に示すように、見付壁部232b及び突出部232cが縦枠23の上端よりも上方に延設されている。
縦枠23の取付補助材232は、気密材保持部232dが縦枠23の上端と同程度の高さ位置で切除されており、縦枠23の上端よりも上方部分において枠側気密材s33は、気密材保持部232dに保持されていない。
【0051】
上枠21の取付補助材213は、上枠21の左右端よりも外周方向に突出するように上枠21に固定されている。
【0052】
FIX窓2は、縦枠23と上枠21が連結されることで、
図8,
図11に示すように、縦枠23の内周面に上枠21の端面が突き合わされるとともに、縦枠23の取付補助材232の見付壁部232bの上方に延設された部分と上枠21の取付補助材213の見付壁部213bが面一となるように突き合わされて配置され、縦部材A2及び横部材A3に固定されている。
【0053】
パネル体1,1が左右に隣接する接続部の縦部材A1は、室外側面に捨て板52及びU字状部材5が配置されており、捨て板52は、FIX窓2の上角部において、
図8に示すように、下端が縦部材A1の下方に連結された横部材A3の下辺よりも下方位置に至っており、FIX窓2の上枠21の取付補助材213の見付壁部213b及び縦枠23の取付補助材232の見付壁部232bの上方部分に重複している。
【0054】
なお、捨て板52は、
図9に示すように、上枠21の取付補助材213の突出部232cにあわせて下端辺から上方に向かって切欠き部52aが形成されており、縦枠23の取付補助材232の見付壁部232bに重複させるに際して、突出部232cとの干渉を防いでいる。そして、捨て板52は、枠側気密材s33の上端の室内側に入り込むように配置され、縦部材A1に固定されている。
【0055】
縦部材A1に固定された捨て板52は、
図11(a)に示すように、捨て板52の下端部分、捨て板52と取付補助材232の突出部232cとの取合い部分、捨て板52と上枠21との取合い部分にシール材s51が打たれている。
シール材s51は、上枠21と取付補助材213とのシール材s11及び縦枠23と取付補助材232とのシール材s31と連続しており、捨て板52の下方部分におけるシール処理が施されている。なお、捨て板52に設けられるシールテープs3は、シール材s51によるシール処理が行われた後に取付けられることが好ましい。
【0056】
U字状部材5は、シール材s51によりシール処理が行われた捨て枠52の室外側に配置される。
U字状部材5は、FIX窓2の上角部において、
図8に示すように、下端が横部材A3の下辺よりも下方に延びて縦枠23の取付補助材232及び上枠21の取付補助材213と重複する位置に至っている。
U字状部材5は、二つの側壁部5b,5bのうちFIX窓2から遠い側の側壁部5bが取付補助材232の突出部232cのFIX窓2側の面に当接し、底壁部5aが枠側気密材s33の室内側に入り込むように配置されている。
【0057】
外壁は、
図10,
図11に示すように、縦枠23の取付補助材232とU字状部材5との重複部分において、枠側気密材s33とU字状部材5との取合い部分に対して枠側気密材s33の小口を覆うようにシール材s52が打たれ、FIX窓2の上角部におけるシール処理が施されている。
【0058】
以上のように、外壁は、
図8,
図11に示すように、FIX窓2の上角部の上方に配置されたU字状部材5の下端が、FIX窓2の上角部の下方に配置されたFIX窓2の縦枠23の取付補助材232及び枠側気密材s33と重複して配置されることで、上下に形成された排水経路W1,W2がスムーズに連続している。
また、外壁は、U字状部材5の下端と上枠21の上面との間に隙間をあけることで、上枠21の上面の排水経路W3と下方の排水経路W2が連続している。
【0059】
-本実施形態の外壁の効果-
本実施形態の外壁は、窓を建物躯体に取り付けるための取付補助材にパネル体に設けられたパネル側気密材に当接する突出部が設けられているので、また、窓を建物躯体に取り付けるための取付補助材にパネル体の表面材に当接する枠側気密材が設けられているので、気密のための別部材を用いることなく、パネル体とFIX窓との気密を形成することができ、施工が容易である。
【0060】
そして、FIX窓2と隣接するパネル体1は、パネル体1の縦辺に設けられたパネル側気密材s1とFIX窓2の取付補助材232の突出部232cによる気密と、取付補助材232に設けられた枠側気密材s33とパネル体1の表面材12による気密が隣接させて形成されていることで、高い気密性を得ることができる。
【0061】
また、本実施形態の外壁は、左右に隣接するパネル体間の排水経路W1を形成するU字状部材と、パネル体と窓が左右に隣接する部位の排水経路W2を形成する取付補助材及び枠側気密材を重複させることによって、排水経路を連絡するための別部材を用いることで施工を煩雑にすることなく、左右に隣接するパネル体間の排水経路W1からパネル体と窓が左右に隣接する部位の排水経路W2への連絡をスムーズにして、パネル体の室内側に入り込んだ雨水等の水を確実に排水することができる。
また、FIX窓2の上枠21の上面を通る排水経路W3と排水経路W2を連続しているので、排水経路W3の水をスムーズに排水することができる。
【0062】
また、パネル体の上方位置に配置されるFIX窓の下枠を建物躯体に取り付けるための取付補助材に水切り部材を取付けることによって、水切り部材の施工を容易にするとともに、水切り部材の材料をパネル体の表面材の材料と同じ金属材料にすることで、煩雑な工程を加えることなく、違和感のない外観を形成することができ、意匠性に優れた外壁を提供することができる。
【0063】
-他の実施形態-
外壁に取付けられる窓は、二つのFIX窓による連窓に限定されるものではなく、FIX窓単窓でもよいし、外開き窓等の開き窓でもよい。
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0064】
1 :パネル体
11 :パネル芯材
12 :表面材
12a :室外側面部
12b :外周部
2 :FIX窓
21 :上枠
213 :取付補助材
22 :下枠
224 :取付補助材
226 :水切り部材
23 :縦枠
232 :取付補助材
232c :突出部
5 :U字状部材
5a :底壁部
5b :側壁部
52 :捨て板
A1 :縦部材(建物躯体)
A2 :縦部材(建物躯体)
A3 :横部材(建物躯体)
W1 :排水経路
W2 :排水経路
W3 :排水経路
s1 :パネル側気密材
s33 :枠側気密材