(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191124
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】駆動制御装置、作業機械、および駆動制御方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/22 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
E02F9/22 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162988
(22)【出願日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】P 2021099360
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(72)【発明者】
【氏名】志垣 富雄
(72)【発明者】
【氏名】勝又 亮太
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB05
2D003BA07
2D003DA04
2D003DB02
2D003DB03
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で安定して作業することができる駆動制御装置、作業機械、および駆動制御方法を提供する。
【解決手段】実施形態の駆動伝達装置は、流体機械の動作を示す動作情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記動作情報に基づいて、前記流体機械とともに回転可能な電動モータの回転を制御するモータ制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体機械の動作を示す動作情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記動作情報に基づいて、前記流体機械とともに動作可能な電動モータを制御するモータ制御部と、
を備える駆動制御装置。
【請求項2】
前記動作情報は、前記流体機械の回転数である、
請求項1に記載の駆動制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記回転数の検出結果を示す検出値を取得し、
前記モータ制御部は、前記取得部によって取得された前記検出値に基づいて、前記電動モータの回転を制御する、
請求項2に記載の駆動制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記回転数の指令値を取得し、
前記モータ制御部は、前記取得部によって取得された前記指令値に基づいて、前記電動モータの回転を制御する、
請求項2または3に記載の駆動制御装置。
【請求項5】
前記モータ制御部は、前記動作情報に基づいて、前記電動モータに給電する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項6】
前記モータ制御部は、前記動作情報に基づいて、前記電動モータに回生電力を発生させる、
請求項1~5のいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項7】
前記流体機械の動力を前記電動モータに伝達させ又は当該伝達を遮断するクラッチを備え、
前記モータ制御部は、前記動作情報に基づいて、前記クラッチを制御する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項8】
原動機の駆動力を用いてアクチュエータを動作させる流体機械の動作を示す動作情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記動作情報に基づいて、前記流体機械とともに回転可能な電動モータの回転を制御するモータ制御部と、
を備え、
前記動作情報は、前記流体機械の回転数であり、
前記取得部は、前記回転数の検出結果を示す検出値を取得し、
前記モータ制御部は、前記取得部によって取得された前記検出値に基づいて、前記電動モータに給電する、または、前記電動モータに回生電力を発生させる、
駆動制御装置。
【請求項9】
原動機と、
前記原動機の駆動力を用いてアクチュエータを動作させる流体機械と、
前記流体機械の動作を示す動作情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記動作情報に基づいて、前記流体機械とともに回転可能な電動モータの回転を制御するモータ制御部と、
を備える作業機械。
【請求項10】
駆動制御装置のコンピュータが、
流体機械の動作を示す動作情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記動作情報に基づいて、前記流体機械とともに回転可能な電動モータの回転を制御するモータ制御ステップと、
を含む処理を実行する駆動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動制御装置、作業機械、および駆動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧ショベル等のエンジンを用いた建設機械が普及している。このような建設機械では、過負荷によってエンジンの失速が発生したとすると、作動油圧の供給が停止し、建設機械の動きが制限されてしまう。これにより、例えば、不整地で使用される建設機械では、当該建設機械がバランスを失ってしまい、転倒事故が生じてしまうおそれがある。
【0003】
エンジンの急激な失速の低下を防止するために、エンジンの回転速度が、操作量に応じた目標回転速度よりも低く設定した設定回転速度以下で、エンジンの最大トルク回転速度よりも低い所定回転速度以下となったときに、目標回転速度に応じた制御信号を低減させるようにした作業車両が知られている(下記、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、エンジンの出力を制限させたり、指令値の制限によりエンジンに掛かる負荷を直接低減させたりしていたため、安定して作業することができないことがある。仮に、安定した作業を行うために、バッテリやインバータを増設してエンジンを制御したとすると、装置が複雑化したり、大型化したりしてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、簡単な構成で安定して作業することができる駆動制御装置、作業機械、および駆動制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る駆動制御装置は、流体機械の動作を示す動作情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記動作情報に基づいて、前記流体機械とともに回転可能な電動モータの回転を制御するモータ制御部と、を備える。
【0008】
このように構成することで、急激な負荷変動を一時的に緩和することができる。したがって、流体機械に電動モータを追加するといった簡単な構成で、原動機の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。
【0009】
上記構成で、前記動作情報は、前記流体機械の回転数であってもよい。
【0010】
上記構成で、前記取得部は、前記回転数の検出結果を示す検出値を取得し、前記モータ制御部は、前記取得部によって取得された前記検出値に基づいて、前記電動モータの回転を制御してもよい。
【0011】
上記構成で、前記取得部は、前記回転数の指令値を取得し、前記モータ制御部は、前記取得部によって取得された前記指令値に基づいて、前記電動モータの回転を制御してもよい。
【0012】
上記構成で、前記モータ制御部は、前記動作情報に基づいて、前記電動モータに給電してもよい。
【0013】
上記構成で、前記モータ制御部は、前記動作情報に基づいて、前記電動モータに回生電力を発生させてもよい。
【0014】
上記構成で、前記流体機械の動力を前記電動モータに伝達させ又は当該伝達を遮断するクラッチを備え、前記モータ制御部は、前記動作情報に基づいて、前記クラッチを制御してもよい。
【0015】
本発明の他の態様に係る駆動制御装置は、原動機の駆動力を用いてアクチュエータを動作させる流体機械の動作を示す動作情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記動作情報に基づいて、前記流体機械とともに回転可能な電動モータの回転を制御するモータ制御部と、を備え、前記動作情報は、前記流体機械の回転数であり、前記取得部は、前記回転数の検出結果を示す検出値を取得し、前記モータ制御部は、前記取得部によって取得された前記検出値に基づいて、前記電動モータに給電する、または、前記電動モータに回生電力を発生させる。
【0016】
このように構成することで、原動機の出力だけではカバーできない急激な負荷変動を一時的に緩和することができる。したがって、流体機械に電動モータを追加するといった簡単な構成で、原動機の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。
【0017】
本発明の他の態様に係る作業機械は、原動機と、前記原動機の駆動力を用いてアクチュエータを動作させる流体機械と、前記流体機械の動作を示す動作情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記動作情報に基づいて、前記流体機械とともに回転可能な電動モータの回転を制御するモータ制御部と、を備える。
【0018】
このように構成することで、原動機の出力だけではカバーできない急激な負荷変動を一時的に緩和することができる。したがって、流体機械に電動モータを追加するといった簡単な構成で、原動機の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。これにより、作業機械の動きが制限されてしまうことを抑え、例えば、不整地で使用される作業機械がバランスを失ってしまい、転倒事故が生じてしまうことを抑えることができる。
【0019】
本発明の他の態様に係る駆動制御方法は、駆動制御装置のコンピュータが、流体機械の動作を示す動作情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記動作情報に基づいて、前記流体機械とともに回転可能な電動モータの回転を制御するモータ制御ステップと、を含む処理を実行する。
【0020】
このように構成することで、急激な負荷変動を一時的に緩和することができる。したがって、電動モータを制御するといった簡単な方法で、原動機の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
上述の駆動制御装置、作業機械、および駆動制御方法は、簡単な構成で安定して作業することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態の駆動制御装置100が搭載される作業機械110の説明図。
【
図3】駆動制御装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図。
【
図4】作業機械110の機能的構成の一例を示す説明図。
【
図5】油圧ポンプ201の回転数と、駆動制御装置100の制御との関係の一例を示す説明図。
【
図6】駆動制御装置100が行う駆動制御処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】変形例2に係る作業機械110の機能的構成の一例を示す説明図。
【
図8】変形例2に係る駆動制御装置100が行う駆動制御処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
<実施形態>
図1は、本実施形態の駆動制御装置100が搭載される作業機械110の説明図を示す。例えば、作業機械110は、油圧ショベルである。なお、駆動制御装置100を搭載する作業機械110は、油圧ショベルに限らない。例えば、作業機械110は、伐倒機、造材機、トラクタ、林内作業車、集材機などの農業機械とすることも可能であるし、ホイールローダ、ブルドーザ、クレーン車などの建設機械とすることも可能である。また、本実施形態では作業機械110、油圧によってアクチュエータを動作させることとするが、これに限らない。例えば、作業機械110は、水圧によってアクチュエータを動作させるものでもよいし、空圧によってアクチュエータを動作させるものでもよい。また、作業機械110は、油圧、水圧および空圧の3種類のうち、複数種類を併用してアクチュエータを動作させるものでもよい。
【0025】
図1に示すように、作業機械110は、旋回体120と、走行体130とを備える。旋回体120は、走行体130の上に旋回可能に設けられる。旋回体120は、走行体130に対して旋回する。旋回体120は、操作者が搭乗可能なキャブ121と、油圧によって駆動されるブーム122とを備える。ブーム122の先端には、アーム123が回動可能に連結される。アーム123の先端には、バケット124が設けられる。
【0026】
図2は、作業機械110の構成の一例を示す説明図である。
図2に示すように、作業機械110は、アクチュエータACと、駆動制御部200と、操作部220とを備える。アクチュエータACは、旋回体120を走行体130に対して旋回駆動する回転系アクチュエータや、ブーム122、アーム123およびバケット124を駆動する油圧シリンダ等のアクチュエータを含む。作業機械110は、アクチュエータACを駆動することにより、走行体130に対して旋回体120を旋回運動させたり、ブーム122、アーム123およびバケット124を揺動させたりすることが可能である。
【0027】
操作部220は、操作レバー221と、パイロット弁222とを含む。パイロット弁222は、操作レバー221の操作に応じたパイロット信号(圧力信号)を切換え弁215に送る。これにより、操作部220は、操作レバー221の操作に応じて切換え弁215を制御する。また、操作部220は、配線S1を介して駆動制御装置100に接続される。操作部220は、操作レバー221の操作内容(例えば、操作方向)を検出可能な検出部223を有する。操作部220は、検出部223が検出した内容に応じた電気信号を駆動制御装置100に送る。すなわち、操作部220は、操作者の操作内容を駆動制御装置100に送出する。
【0028】
駆動制御部200は、駆動制御装置100と、油圧ポンプ201と、ポンプ制御部202と、原動機203と、回転速度検出器205と、圧力検出器206と、電動モータ210と、蓄電部212とを含む。
【0029】
油圧ポンプ201は、圧油供給ラインL1を介してアクチュエータACに接続される。油圧ポンプ201は、駆動用の圧油をアクチュエータACに供給する。油圧ポンプ201は、圧油の吐出量を増加させることで、圧油の圧力を増加させる。例えば、油圧ポンプ201は、可変容量ポンプである。油圧ポンプ201には、油圧ポンプ201の容量を制御するポンプ制御部202が設けられる。ポンプ制御部202は、駆動制御装置100から受け取る制御信号に基づいて油圧ポンプ201の容量を変更する。例えば、油圧ポンプ201は、油圧ポンプ201の回転数を増加させることで、圧油の吐出量を増加させ、圧油の圧力を増加させる。なお、これに代えて、油圧ポンプ201は、油圧ポンプ201の容量を増加させることで、圧油の吐出量を増加させ、圧油の圧力を増加させるものでもよい。
【0030】
原動機203は、駆動軸204を介して油圧ポンプ201に接続される。原動機203は、ガソリンや軽油などの化石燃料を燃焼させることで、油圧ポンプ201を駆動する。原動機203は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンである。
【0031】
切換え弁215は、油圧ポンプ201とアクチュエータACとを接続する圧油供給ラインL1の途中に設けられる。切換え弁215は、パイロットラインL2を介して操作部220に接続される。切換え弁215は、操作部220からのパイロット信号に基づいて切り換わり、圧油供給ラインL1を開閉する。
【0032】
圧力検出器206は、例えば、油圧ポンプ201と切換え弁215との間で圧油供給ラインL1に接続される。圧力検出器206は、油圧ポンプ201が吐出した圧油の圧力を検出する。圧力検出器206は、配線S2を介して駆動制御装置100に接続される。圧力検出器206は、圧力の検出結果を駆動制御装置100に送る。例えば、圧力検出器206は、油/電変換器である。すなわち、圧力検出器206は、圧力の検出結果を電気信号に変換して駆動制御装置100に送る。
【0033】
回転速度検出器205は、油圧ポンプ201もしくは回転軸211、電動モータ210のいずれかの近傍に設けられる。回転速度検出器205は、油圧ポンプ201の回転速度を検出する。
【0034】
電動モータ210は、回転軸211を介して、油圧ポンプ201に接続される。電動モータ210は、油圧ポンプ201の回転をアシストするために駆動回転することが可能である。すなわち、電動モータ210は、アクチュエータACを動作させるトルクの少なくとも一部のトルクを出力可能である。また、電動モータ210は、油圧ポンプ201の回転から回生電力を得るために回転することが可能である。電動モータ210は、駆動制御装置100の制御により、回転数の増減が可能である。
【0035】
蓄電部212は、駆動制御装置100を介して電動モータ210に電気的に接続される。蓄電部212は、バッテリである。蓄電部212は、電動モータ210に駆動用の電力を供給する。また、蓄電部212は、電動モータ210によって生成された回生電力を蓄電する。
【0036】
駆動制御装置100は、配線S1を介して、検出部223が検出する検出結果を得る。また、駆動制御装置100は、配線S2を介して、圧力検出器206が検出する検出結果を得る。駆動制御装置100は、これらの検出結果に基づき、電動モータ210の駆動を制御することも可能である。
【0037】
油圧ポンプ201の駆動制御について具体的に説明すると、駆動制御装置100は、配線S4と、流量制御電磁比例弁207と、制御ラインL3とを介して、油圧ポンプ201のポンプ制御部202に接続される。駆動制御装置100は、アクチュエータACの目標トルクに応じた油圧ポンプ201の目標圧力を設定する。そして、駆動制御装置100は、圧力検出器206から受け取る油圧ポンプ201の圧力が目標圧力となるように、ポンプ制御部202に制御信号を送り、油圧ポンプ201の容量を調整する。これにより、駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の圧力を増減させることができる。言い換えると、駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の圧力を増減させることで、アクチュエータACに出力する出力トルクを増減させることができる。
【0038】
また、駆動制御装置100は、配線S3を介して、回転速度検出器205が検出する検出結果を得る。駆動制御装置100は、この検出結果に基づき、電動モータ210の駆動を制御する。電動モータ210の駆動制御について具体的に説明すると、駆動制御装置100は、配線S5を介して電動モータ210に接続される。駆動制御装置100は、回転速度検出器205によって検出される油圧ポンプ201の回転数に基づいて、電動モータ210の目標回転トルクを決定する。そして、駆動制御装置100は、決定した目標回転トルクに応じた制御値を電動モータ210に送る。これにより、駆動制御装置100は、電動モータ210の回転トルクを増減することができる。
【0039】
(駆動制御装置100のハードウェア構成例)
図3は、駆動制御装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図3に示すように、駆動制御装置100は、AD(アナログデジタル)コンバータ301と、RAM(Random access memory)302と、ROM(Read only memory)303と、CPU(Central Processing Unit)304と、DA(デジタルアナログ)コンバータ305と、モータ制御部402とを備える。モータ制御部402は、モータードライバ及び回生制御回路を備える。
【0040】
ADコンバータ301は、操作部220と、圧力検出器206と、回転速度検出器205との少なくとも一つから駆動制御装置100が受け取るアナログ信号をデジタル信号に変換する。RAM302は、電動モータ210の制御値や油圧ポンプ201の目標圧力、計測された各種データを格納可能なメモリである。ROM303は、CPU304を動作させるためのプログラムを格納する。CPU304は、電動モータ210および油圧ポンプ201を駆動するための制御信号を、ROM303に格納されるプログラムに従って算出する。DAコンバータ305は、CPU304が算出したデジタル値である制御信号をアナログ信号に変換する。
【0041】
ここで、原動機203は、操作者によって設定された回転数で一定に回転する。作業機械110では、原動機203の出力が一定に保たれており、走行、旋回、掘削等の作業割合に応じて出力が配分される。ここで、原動機203が作業中に失速してしまうことがある。失速の主な原因としては、原動機203の最大出力に対する過負荷である。過負荷には大きく分けて以下の3種類がある。
【0042】
(1)原動機203の絶対出力以上の負荷となった場合。
(2)急激な負荷の増加に伴い、原動機203の出力の上昇が間に合わない場合。
(3)極低負荷領域等で燃料噴射装置のばらつきや、不感帯(燃料未噴射領域)の影響による場合(主に応答の遅れ等)。
【0043】
(1)や(2)に対する一般的な対策として、油圧ポンプ201側の出力や、油圧ポンプ201への出力指令の制限によって、原動機203の不慮の失速防止を行うといった対策が知られている。これに対して、本実施形態では、油圧ポンプ201に電動モータ210を付加し、油圧ポンプ201で得られる信号のみを用いて、電動モータ210を補助する。これにより、急激な過負荷の一部を電動モータ210の出力によって肩代りし、原動機203の出力上昇が間に合わない部分を補完するようにする。さらに、本実施形態では、(3)に対して、極低負荷の不安定な状況下では、電動モータ210に回生電力を発生させることによって、原動機203の最低負荷を保証し、燃料噴射量を安定させるようにし、原動機203の不慮の失速を防止することとする。以下、本実施形態に係る駆動制御装置100の機能的構成について説明する。
【0044】
(作業機械110の機能的構成の一例)
図4は、作業機械110の機能的構成の一例を示す説明図である。
図4に示すように、駆動制御装置100は、取得部401と、モータ制御部402とを備える。取得部401は、原動機203の駆動力を用いて、流体機械の動作を示す動作情報を取得する。本実施形態において、流体機械は、油圧ポンプ201である。なお、油圧ポンプ201は、回転型であるが、往復型であってもよい。動作情報は、油圧ポンプ201の回転数である。また、作業機械110が水圧によってアクチュエータACを動作させるタイプのものであれば、流体機械は、水圧ポンプとすればよい。また、作業機械110が空圧によってアクチュエータACを動作させるタイプのものであれば、流体機械は、空圧ポンプ(コンプレッサ)とすればよい。
【0045】
モータ制御部402は、取得部401によって取得された動作情報に基づいて、油圧ポンプ201とともに動作可能な電動モータ210を制御する。本実施形態において、電動モータ210は、油圧ポンプの態様と同様の態様であるため、回転型であるが、往復型であってもよい。すなわち、モータ制御部402は、電動モータ210の回転を制御する。電動モータ210の回転の制御は、電動モータ210に給電して油圧ポンプ201にアシスト力を付与する制御を含む。また、モータ制御部402は、蓄電部212に接続されており、電動モータ210に回生電力を発生させて蓄電部212に蓄電させる。
【0046】
取得部401は、油圧ポンプ201の回転数の検出結果を示す検出値を取得する。検出値は、例えば、回転速度検出器205によって検出される。モータ制御部402は、取得部401によって取得された検出値と、予め設定される閾値とに基づいて、電動モータ210の回転を制御する。閾値は、下限値および上限値を含む範囲としてもよいし、一の値によって定められる値としてもよい。なお、以下において、閾値を「通常値」という。
【0047】
モータ制御部402は、油圧ポンプ201の回転数を示す検出値が通常値よりも小さくなると、すなわち、油圧ポンプ201の回転数が落ちたときは、電動モータ210を給電し、油圧ポンプ201の回転をアシストする。一方、モータ制御部402は、検出値が通常値よりも大きくなると、すなわち、油圧ポンプ201の回転数が上がったとき(油圧ポンプ201に掛かる負荷がなくなったとき)は、電動モータ210に回生電力を発生させて蓄電する。ここで、
図5を用いて、油圧ポンプ201の回転数と、電動モータ210の給電および充電との関係について説明する。
【0048】
ここで、
図5を用いて、油圧ポンプ201の回転数と、電動モータ210の給電および回生電力との関係について説明する。
図5は、油圧ポンプ201の回転数と、駆動制御装置100の制御との関係の一例を示す説明図である。
図5において、検出値は、回転速度検出器205によって検出される、油圧ポンプ201の回転数の検出値を示す。検出値が通常値500を下回ると、通常値500を下回った量に応じて、電動モータ210を給電して、油圧ポンプ201の回転をアシストする。一方で、検出値が通常値500を上回ると、通常値500を上回った量に応じて、電動モータ210に回生電力を発生させて、当該回生電力を蓄電部212に蓄電(充電)する。
【0049】
また、原動機203は、操作者によって設定された回転数(低回転または高回転)で一定に回転する。モータ制御部402は、原動機203の回転数(低回転または高回転)に応じて、電動モータ210の回転を制御する。例えば、モータ制御部402は、油圧ポンプ201の回転数が落ちて検出値が通常値を下回ると、原動機203が高回転のときの方が低回転のときに比べて、電動モータ210の給電を高くし、油圧ポンプ201の回転のアシスト力を高くする。また、モータ制御部402は、油圧ポンプ201の回転数が上がって通常値を上回ると、原動機203の回転数が高回転のときの方が低回転のときに比べて、回生電力を高くし、すなわち、蓄電量を多くする。
【0050】
上記の駆動制御装置100の各機能部(取得部401およびモータ制御部402)のうちの一部又は全部は、CPU304等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め駆動制御装置100のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(不図示)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで駆動制御装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0051】
(駆動制御装置100の動作例)
図6は、駆動制御装置100が行う駆動制御処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、駆動制御装置100(CPU304)は、油圧ポンプ201の回転数の検出値(回転速度検出器205によって検出される検出値)を取得する(ステップS601)。そして、駆動制御装置100は、検出値から得られる油圧ポンプ201の回転数が通常値であるか否かを判断する(ステップS602)。
【0052】
検出値から得られる油圧ポンプ201の回転数が通常値ではない場合(ステップS602:NO)、駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の回転数が通常値未満であるか否かを判断する(ステップS603)。油圧ポンプ201の回転数が通常値未満である場合(ステップS603:YES)、駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の回転をアシストするために電動モータ210を駆動回転させるべく、電動モータ210に給電し(ステップS604)、一連の処理を終了する。
【0053】
ステップS603において、検出値から得られる油圧ポンプ201の回転数が通常値未満ではない場合(ステップS603:NO)、すなわち、油圧ポンプ201の回転数が通常値を超えた場合、駆動制御装置100は、電動モータ210の回生電力を蓄電部212に蓄電するために、電動モータ210に回生電力を発生させて(ステップS605)、一連の処理を終了する。ステップS602において、油圧ポンプ201の回転数が通常値である場合(ステップS602:YES)、駆動制御装置100は、給電および回生電力の発生のいずれも行わずに、すなわち、電動モータ210を油圧ポンプ201の回転に単に追従して回転させるように、そのまま一連の処理を終了する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態に係る駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の動作を示す動作情報に基づいて、電動モータ210の回転を制御するようにした。これにより、原動機203の出力だけではカバーできない急激な負荷変動を一時的に緩和することができる。したがって、油圧ポンプ201に電動モータ210を付加するといった簡単な構成で、原動機203の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。また、燃料の噴射量が急激に上がることがないので、燃費を向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態に係る駆動制御装置100は、動作情報を油圧ポンプ201の回転数とした。このため、動作情報を簡単に得ることができるため、より簡単な構成で、原動機203の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。
【0056】
また、本実施形態に係る駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の回転数の検出結果を示す検出値に基づいて、電動モータ210の回転を制御するようにした。これにより、回転速度検出器205を付加するといった簡単な構成で、油圧ポンプ201の回転数を得ることができる。したがって、より簡単な構成で、原動機203の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の回転数に基づいて、電動モータ210に給電するようにした。これにより、油圧ポンプ201の回転数が落ちたときに、電動モータ210によるアシスト力を付与することができる。したがって、原動機203の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。
【0058】
また、本実施形態に係る駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の回転数に基づいて、電動モータ210に回生電力を発生させるようにした。これにより、油圧ポンプ201の回転数が上がったときに、回生電力を蓄電部212に充電することができる。したがって、原動機203の最低負荷を保証し、燃料噴射量を安定させることができるため、原動機203の不慮の失速を防止することができる。
【0059】
また、作業機械110をクレーン車とした場合、荷を下ろす際に、マイナス負荷となり、原動機203の出力が極端に低下して、荷下ろしを止めた際の急激な負荷に、原動機203の出力が追い付かず、エンストが発生するおそれがある。これに対して、クレーン車で荷を下ろす際には、本実施形態のように、電動モータ210に回生電力を発生させることにより、原動機203のマイナス負荷を防止することができるため、エンストを防止することができる。
【0060】
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の各変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、以下の各変形例、および上述した実施形態は、それぞれ組み合わせることも可能である。
【0061】
(変形例1)
まず、実施形態の変形例1について説明する。上述した実施形態では、油圧ポンプ201の回転数として、回転速度検出器205の検出結果である検出値を取得する構成について説明した。変形例1では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、油圧ポンプ201の回転数として、回転数の指令値を取得する構成について説明する。
【0062】
変形例1において、取得部401は、油圧ポンプ201の回転数の指令値を取得する。指令値は、操作レバー221の操作内容を検出可能な検出部223の検出結果から得られる。具体的には、取得部401は、検出部223が検出した内容に応じた電気信号に基づいて、当該指令値を取得する。
【0063】
より具体的に説明すると、駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の回転数と、操作部220における操作内容(動作内容)とを対応付けた情報を予め記憶している。駆動制御装置100は、旋回動作を示す電気信号を検出部223から受信すると、取得部401は、旋回動作に対応付けられている回転数を指令値として取得する。
【0064】
モータ制御部402は、取得部401によって取得された指令値と、予め設定される閾値(通常値)とに基づいて、電動モータ210の回転を制御する。具体的には、モータ制御部402は、油圧ポンプ201の回転数を示す指令値が通常値よりも小さくなると、すなわち、油圧ポンプ201の回転数が落ちたときは、電動モータ210を給電し、油圧ポンプ201の回転をアシストする。一方、モータ制御部402は、指令値が通常値よりも大きくなると、すなわち、油圧ポンプ201の回転数が上がったとき(油圧ポンプ201に掛かる負荷がなくなったとき)は、電動モータ210に回生電力を発生させて蓄電する。
【0065】
このように、変形例1に係る駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の回転数の指令値に基づいて、電動モータ210の回転を制御するようにした。これにより、操作レバー221の操作内容から回転数を得るための情報(操作内容と回転数とを対応付けた情報)を記憶するといった簡単な構成で、油圧ポンプ201の回転数を得ることができる。したがって、変形例1のような構成としたとしても、簡単な構成で、原動機203の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。
【0066】
(変形例2)
次に、実施形態の変形例2について説明する。上述した実施形態では、電動モータ210の給電および回生電力の発生のいずれも行わない場合、電動モータ210を油圧ポンプ201の回転に単に追従して回転させるようした。変形例2では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、電動モータ210の給電および回生電力の発生のいずれも行わない場合、電動モータ210を回転さないようにする構成について説明する。
【0067】
図7は、変形例2に係る作業機械110の機能的構成の一例を示す説明図である。
図7に示すように、作業機械110は、クラッチ700を備える。クラッチ700は、油圧ポンプ201の動力を電動モータ210に伝達させる、または当該伝達を遮断する。モータ制御部402は、動作情報に基づいて、クラッチ700を制御する。具体的には、モータ制御部402は、給電時および回生電力の発生時では、油圧ポンプ201の動力を電動モータ210に伝達させるようにクラッチ700を制御する。これにより、モータ制御部402は、給電時に油圧ポンプ201の回転をアシストさせ、また、回生電力の発生時に蓄電部212へ蓄電させることが可能である。一方、モータ制御部402は、給電時と回生電力の発生時とを除いたときには、油圧ポンプ201から電動モータ210への動力の伝達を遮断するようにクラッチ700を制御する。
【0068】
(変形例2に係る駆動制御装置100の動作例)
図8は、変形例2に係る駆動制御装置100が行う駆動制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図8では、クラッチ700を備えたことによる処理とともに、変形例1に示した、油圧ポンプ201の回転数として、回転数の指令値を取得する構成とした際の処理について説明する。
【0069】
図8に示すように、駆動制御装置100(CPU304)は、油圧ポンプ201の回転数の指令値(検出部223の検出結果に基づく指令値)を取得する(ステップS801)。そして、駆動制御装置100は、指令値から得られる油圧ポンプ201の回転数が通常値であるか否かを判断する(ステップS802)。
【0070】
指令値から得られる油圧ポンプ201の回転数が通常値ではない場合(ステップS802:NO)、駆動制御装置100は、指令値から得られる油圧ポンプ201の回転数が通常値未満であるか否かを判断する(ステップS803)。指令値から得られる油圧ポンプ201の回転数が通常値未満である場合(ステップS803:YES)、駆動制御装置100は、クラッチ700を制御して、油圧ポンプ201の動力を電動モータ210に伝達させる(ステップS804)。そして、駆動制御装置100は、油圧ポンプ201の回転をアシストするために電動モータ210を駆動回転させるべく、電動モータ210に給電し(ステップS805)、一連の処理を終了する。
【0071】
ステップS803において、指令値から得られる油圧ポンプ201の回転数が通常値未満ではない場合(ステップS803:NO)、すなわち、油圧ポンプ201の回転数が通常値を超える場合、駆動制御装置100は、クラッチ700を制御して、油圧ポンプ201の動力を電動モータ210に伝達させる(ステップS806)。そして、駆動制御装置100は、電動モータ210の回生電力を蓄電部212に蓄電するために、電動モータ210に回生電力を発生させて(ステップS805)、一連の処理を終了する。
【0072】
ステップS802において、指令値から得られる油圧ポンプ201の回転数が通常値である場合(ステップS802:YES)、駆動制御装置100は、クラッチ700を制御して、油圧ポンプ201から電動モータ210への動力の伝達を遮断し(ステップS808)、そのまま一連の処理を終了する。
【0073】
このように、変形例2に係る駆動制御装置100は、クラッチ700を備え、動作情報に基づいて、クラッチ700を制御するようにした。これにより、油圧ポンプ201の回転数が通常値である場合に、油圧ポンプ201の回転に伴って電動モータ210を回転させないようにすることができる。したがって、油圧ポンプ201による回転効率を向上させることができ、燃費をより向上させることができる。
【0074】
(変形例3)
次に、実施形態の変形例3について説明する。上述した実施形態では、電動モータ210の回転を制御に用いられる、油圧ポンプ201の動作を示す動作情報を、油圧ポンプ201の回転数とした。変形例3では、当該動作情報を、油圧ポンプ201の回転数以外の情報とすることも可能である。例えば、変形例3において、動作情報は、油圧ポンプ201の吐出量に基づく情報としてもよい。吐出量に基づく情報とは、例えば、吐出量を力に変換した情報である。
【0075】
また、変形例3において、動作情報は、油圧ポンプ201の回転数の時間変化としてもよい。油圧ポンプ201の回転数の時間変化を用いることにより、モータ制御部402は、原動機203の急激な負荷変動の有無を得ることができる。
【0076】
変形例3の構成としたとしても、動作情報を簡単に得ることができる。したがって、より簡単な構成で、原動機203の失速を防止でき、安定した作業を行うことができる。
【0077】
なお、以上に説明した駆動制御装置100を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0078】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0079】
本明細書で開示した実施形態及び変形例において、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0080】
100…駆動制御装置、110…作業機械、200…駆動制御部、201…油圧ポンプ(流体機械)、202…ポンプ制御部、203…原動機、205…回転速度検出器、206…圧力検出器、210…電動モータ、212…蓄電部、220…操作部、221…操作レバー、223…検出部、302…RAM、303…ROM、304…CPU、401…取得部、402…モータ制御部、500…通常値、700…クラッチ