(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191130
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】針分離搬送装置
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20221220BHJP
B65G 47/248 20060101ALI20221220BHJP
A61L 27/36 20060101ALN20221220BHJP
【FI】
C12M1/00 A
B65G47/248 F
A61L27/36 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209817
(22)【出願日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2021099158
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】リカルド ロドリゲス ロペス
【テーマコード(参考)】
3F081
4B029
4C081
【Fターム(参考)】
3F081AA04
3F081BA01
3F081CA06
3F081CA28
3F081CC20
4B029AA27
4B029BB11
4B029HA09
4B029HA10
4C081CD34
(57)【要約】
【課題】多数の針から1本ずつ針を自動的に連続的に分離し、それらの針の姿勢を自動的に連続的に変更する針分離搬送装置を提供する。
【解決手段】針分離搬送装置は、針箱と移動板と移動板駆動機構と針立て機構を有する。針箱は複数の真っ直ぐな針を収容する。移動板は、少なくとも1つの針受け溝が形成された上面と、傾斜した上部コーナーと、側面を有し、上面の各針受け溝に針箱から1本ずつ針を受ける。上部コーナーと側面には、針受け溝から連続して延びる針受け溝が形成されている。針立て機構は、針が移動板の上面の針受け溝に支持された状態から、移動板の上部コーナーの針受け溝に支持された状態を経て、移動板の側面の針受け溝に沿って立ち上がるように、針を押圧する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の真っ直ぐな針を収容する針箱と、
少なくとも1つの針受け溝が形成された上面と、傾斜した上部コーナーと、前記上部コーナーに連なる側面を有し、前記上部コーナーと前記側面に前記針受け溝から連続して延びる針受け溝が形成されており、前記上面の前記針受け溝に前記針箱から1本ずつ針を受ける移動板と、
前記移動板を移動させる移動板駆動機構と、
前記移動板の近傍に配置され、前記針が前記移動板の前記上面の前記針受け溝に支持された状態から、前記移動板の前記上部コーナーの前記針受け溝に支持された状態を経て、前記移動板の前記側面の前記針受け溝に沿って立ち上がるように、前記針を押圧する針立て機構と
を有する針分離搬送装置。
【請求項2】
前記移動板は回転板であり、前記側面は前記回転板の外周面であり、前記回転板の上面には放射状に延びる複数の針受け溝が形成され、前記上部コーナーと前記外周面に前記上面の前記針受け溝から連続して延びる針受け溝が形成され、
前記移動板駆動機構は、前記回転板を回転させる回転板駆動機構である
ことを特徴とする請求項1に記載の針分離搬送装置。
【請求項3】
前記移動板は直動板であり、前記直動板の上面には、前記直動板の直動方向に垂直に延びる針受け溝が形成され、前記上部コーナーと前記側面に前記上面の前記針受け溝から連続して延びる針受け溝が形成され、
前記移動板駆動機構は、前記直動板を往復させる直動板駆動機構である
ことを特徴とする請求項1に記載の針分離搬送装置。
【請求項4】
前記針箱は、前記移動板の上方に配置されており、少なくとも1つの針が前記移動板の前記上面に載置されるように、前記針箱の下部が開放されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の針分離搬送装置。
【請求項5】
前記針箱は、前記移動板の前記上面に対向する底壁を有し、前記底壁は、第1の端部と第2の端部を有し、
前記第1の端部には、前記針が通過するための前記底壁を貫通する針出口が形成されており、
前記底壁の上面は、前記第2の端部が高く、前記第1の端部が低くなるように、傾斜している
ことを特徴とする請求項4に記載の針分離搬送装置。
【請求項6】
前記針箱と前記移動板の間に針が詰まりかけた場合、前記移動板駆動機構を停止する停止機構をさらに有する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の針分離搬送装置。
【請求項7】
前記針箱と前記移動板の間に針が詰まりかけた場合、前記針箱は前記移動板とともに移動し、前記停止機構は、前記針箱の位置が一定範囲を超えて変化すると、前記移動板駆動機構を停止するスイッチまたはセンサーを有する
ことを特徴とする請求項6に記載の針分離搬送装置。
【請求項8】
前記停止機構は、前記移動板の移動抵抗力を計測する抵抗力計を有し、前記移動抵抗力が閾値を超えると、前記移動板駆動機構を停止する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の針分離搬送装置。
【請求項9】
前記停止機構は、前記移動板の変位を計測する変位計を有し、一定時間内の前記変位が閾値未満であると、前記移動板駆動機構を停止する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の針分離搬送装置。
【請求項10】
前記移動板の前記上面の前記針受け溝が前記針箱の直下にある時、前記針箱内の針を上から押圧する押圧機構をさらに有する
ことを特徴とする請求項4から9のいずれか1項に記載の針分離搬送装置。
【請求項11】
前記移動板の前記上面の前記針受け溝が前記針箱の直下にある時、前記押圧機構は、前記針箱内の針を上から間欠的に押圧する
ことを特徴とする請求項10に記載の針分離搬送装置。
【請求項12】
前記針箱内の針の静電気を除去する除電装置をさらに有する
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の針分離搬送装置。
【請求項13】
前記移動板の前記上面の前記針受け溝が前記針箱の直下にある時、前記移動板駆動機構は、前記移動板に振動を与えることにより、前記針箱内の針に振動を与え、前記針箱内の針の向きが前記移動板の前記上面の前記針受け溝に揃いやすくする
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の針分離搬送装置。
【請求項14】
前記移動板の移動抵抗力を計測する抵抗力計を有し、
前記移動板の前記上面の前記針受け溝が前記針箱の直下にある位置から前記移動板が前記針立て機構に向けて移動する時、前記移動抵抗力が閾値を超えると、移動板駆動機構は、前記移動板に振動を与える
ことを特徴とする請求項13に記載の針分離搬送装置。
【請求項15】
前記針箱と前記移動板の間の間隙を調整するための機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の針分離搬送装置。
【請求項16】
前記針立て機構は、上下に移動する支持部と、前記支持部に回転可能に支持されたレバーと、前記レバーに回転可能に支持されたローラーを有し、
前記支持部が下降する間に、前記ローラーが前記移動板の前記上面の前記針受け溝に支持された前記針に接触し、前記針を前記移動板の前記上部コーナーの前記針受け溝に支持されるように傾け、さらに前記針を前記移動板の前記側面の前記針受け溝に沿って立ち上げる
ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の針分離搬送装置。
【請求項17】
前記針立て機構は、前記ローラーが前記針を押すために、前記レバーにバネ力を与えるバネをさらに有する
ことを特徴とする請求項16に記載の針分離搬送装置。
【請求項18】
前記針立て機構は、前記バネ力を調整する機構をさらに有する
ことを特徴とする請求項17に記載の針分離搬送装置。
【請求項19】
前記移動板の前記上部コーナーは、円弧状の断面形状を有するよう傾斜している
ことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の針分離搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針分離搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、再生医療または創薬のためにスフェロイドの積層が行われている。スフェロイドの積層では、針の周囲にスフェロイドを固定してゆく。例えば
図1に示すような多数の針Nを有する針のアレイに3次元プリンターでスフェロイドSを供給し、
図2に示すような立体的な組織を作る三次元細胞積層技術も開発されている。針のアレイを設けるには、多数の針Nをピックアップして、定位置に固定しなければならない。
【0003】
このため特許文献1に記載の技術を応用することが考えられる。特許文献1に記載の技術では、外周面に多数の凹部を有するホィールを回転させ、各凹部に針を嵌め込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、針の姿勢を変更することができない。
【0006】
そこで、本発明は、多数の針から1本ずつ針を自動的に連続的に分離し、それらの針の姿勢を自動的に連続的に変更する針分離搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、複数の真っ直ぐな針を収容する針箱と、少なくとも1つの針受け溝が形成された上面と、傾斜した上部コーナーと、前記上部コーナーに連なる側面を有し、前記上部コーナーと前記側面に前記針受け溝から連続して延びる針受け溝が形成されており、前記上面の各針受け溝に前記針箱から1本ずつ針を受ける移動板と、前記移動板を移動させる移動板駆動機構と、前記移動板の近傍に配置され、前記針が前記移動板の前記上面の前記針受け溝に支持された状態から、前記移動板の前記上部コーナーの前記針受け溝に支持された状態を経て、前記移動板の前記側面の前記針受け溝に沿って立ち上がるように、前記針を押圧する針立て機構とを有する針分離搬送装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様においては、移動板が針箱から針受け溝に1本ずつ針を受け取り、針立て機構まで搬送する。針立て機構は、針を押圧して、移動板の側面に沿うように針を立ち上げる。したがって、多数の針から1本ずつ針を自動的に連続的に分離し、それらの針の姿勢を自動的に連続的に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る針分離搬送装置が利用される一分野で使用される針のアレイを示す斜視図である。
【
図2】
図1の針のアレイに固定されたスフェロイドを示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る針分離搬送装置の一部を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る針分離搬送装置の平面図である。
【
図5】第1実施形態に係る針分離搬送装置の針箱の斜視図である。
【
図6】
図5の針箱とその付近を示す断面図であり、1つの針が回転板の針受け溝に受けられた状態を示す。
【
図7】
図5の針箱とその付近を示す断面図であり、回転板の針受け溝に受けられた1つの針が搬送される状態を示す。
【
図8】
図5の針箱とその付近を示す断面図であり、回転板と針箱の間に余分な針が詰まりかけた望ましくない状態を示す。
【
図9】第1実施形態に係る針分離搬送装置の一部を示す側面断面図である。
【
図10】第1実施形態に係る針分離搬送装置の針立て機構の全体を示す側面図である。
【
図11】針立て機構の一部を示す拡大側面図である。
【
図12】第1実施形態に係る針分離搬送装置の針立て機構の一部を示す拡大側面図であり、針立て機構が回転板に支持された針を傾けている状態を示す。
【
図13】第1実施形態に係る針分離搬送装置の針立て機構の一部を示す拡大側面図であり、針立て機構が回転板に支持された針を直立させている状態を示す。
【
図14】第1実施形態に係る針分離搬送装置の制御系統のブロック図である。
【
図15】第1実施形態に係る針分離搬送装置の制御系統の動作を示すタイムチャートである。
【
図16】第1実施形態の変形例に係る針分離搬送装置の制御系統のブロック図である。
【
図17】第1実施形態のさらに他の変形例に係る針分離搬送装置の制御系統のブロック図である。
【
図18】本発明の第2実施形態に係る針分離搬送装置を示す斜視図である。
【
図19】第2実施形態に係る針分離搬送装置の平面図である。
【
図20】第2実施形態に係る針分離搬送装置の正面図である。
【
図21】第2実施形態に係る針分離搬送装置の針箱アセンブリの斜視図である。
【
図23】
図21の針箱アセンブリとその付近を示す断面図であり、1つの針が直動板の針受け溝に受けられた状態を示す。
【
図24】変形例に係る針箱アセンブリとその付近を示す断面図であり、1つの針が直動板の針受け溝に受けられた状態を示す。
【
図25】第2実施形態に係る針分離搬送装置の針立て機構の一部を示す拡大分解斜視図である。
【
図28】第2実施形態に係る直動板の斜視図である。
【
図29】
図28の直動板のXXIX-XXIX矢視断面図である。
【
図30】第2実施形態に係る針分離搬送装置の分解斜視図である。
【
図31】第2実施形態に係る針分離搬送装置の制御系統のブロック図である。
【
図32】第2実施形態に係る針分離搬送装置の動作のフローチャートである。
【
図33】直動板に針を供給する時の第2実施形態に係る針分離搬送装置を示す斜視図である。
【
図34】
図33の時の第2実施形態に係る針分離搬送装置の平面図である。
【
図35】
図33の時の第2実施形態に係る針分離搬送装置の正面図である。
【
図36】針を針立て機構に搬送した時の第2実施形態に係る針分離搬送装置を示す斜視図である。
【
図37】針立て機構が直動板に支持された針を傾けている状態を示す第2実施形態に係る針分離搬送装置を示す斜視図である。
【
図38】
図37の時の第2実施形態に係る針分離搬送装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る複数の実施形態を説明する。図面の縮尺は必ずしも正確ではなく、一部の特徴は誇張または省略されることもある。
【0011】
第1実施形態
図3および
図4に示すように、第1実施形態に係る針分離搬送装置1は、ステージ2、回転板(移動板)10、針箱20、回転板駆動機構(移動板駆動機構)30および針立て機構40を有する。
【0012】
図示しないが、針分離搬送装置1の全体は、クリーンな気密のチャンバー内に配置されており、ダストおよび汚染物質から保護されている。チャンバー内の湿度は通常の湿度であってよい。
【0013】
ステージ2は、水平な上面を有する剛的な材料、例えば金属から形成されたテーブルである。
【0014】
針箱20は複数の真っ直ぐな針を貯蔵する。
【0015】
回転板10は、剛的な材料、例えば金属または硬質樹脂から形成された回転可能な円板であって、ステージ2に水平に支持されている。回転板10は、上面11、上部コーナー12および上部コーナー12に連なる外周面(側面)13を有する。上面11は水平に配置されている。外周面13は円柱面であり、上面11に対して垂直である。上部コーナー12は、外側に向かうほど小さい高さを有するよう傾斜している。この実施形態では、上部コーナー12は、回転板10の中心軸線を含む平面で切断した場合、円弧状の断面形状を有する。
【0016】
上面11には、放射状に延びる複数の針受け溝11aが形成されている。針受け溝11aは回転板10の中心軸線の周囲に等角間隔をおいて配置されている。上部コーナー12と外周面13にも、針受け溝11aから連続して延びる針受け溝12a,13aが形成されている。針受け溝11a,12a,13aの数は図示の実施形態に限定されない。
【0017】
回転板10は、針箱20の下方に配置されており、上面11の各針受け溝11aは、針箱20から1本ずつ針を受ける。したがって、針受け溝11a,12a,13aの各々は、1本の針だけを収容可能な寸法、すなわち1本の針の直径よりわずかに大きい幅と深さを有するように設計されている。
【0018】
回転板駆動機構30は、回転板10を回転させる。回転板駆動機構30は、この実施形態では、ステップモーター31、駆動プーリー32、タイミングベルト33および被駆動プーリー34(
図9参照)を有する。ステップモーター31は、ボルトによって、ステージ2に固定されている。駆動プーリー32はステップモーター31の回転軸に固定され、被駆動プーリー34は回転板10に固定されている。タイミングベルト33は、プーリー32,34の周囲に巻かれている。
【0019】
さらに回転板駆動機構30は、さらにタイミングベルト33に接触して、タイミングベルト33に適切な張力を与えるテンションプーリー35を有する。テンションプーリー35はステージ2に固定されている。但し、張力を調整するため、テンションプーリー35の固定を緩めて、ステージ2に形成された溝36に沿ってテンションプーリー35を移動することができる。
【0020】
回転板駆動機構30は、図示の実施形態に限定されず、回転板10を直接的に回転させるモーターであってもよいし、歯車機構、その他の機構であってもよい。
【0021】
細長い真っ直ぐな針を針受け溝11aに嵌め入れるため、回転板駆動機構30の回転停止精度は高いことが望ましい。例えば、直径170μmの針に対して、回転板10の針受け溝11aを所望位置に対して20μmの誤差以内に停止することができると好ましい。例えば、回転板駆動機構30のステップモーター31は、回転板10の1回転につき、50,000ステップの高い精度を有する。
【0022】
回転板駆動機構30は、矢印RDに示す方向に回転板10を回転させ、針箱20から針受け溝11aに受けた針を針立て機構40に搬送する。
【0023】
針立て機構40は、回転板10の周囲に配置されている。針立て機構40は、針が回転板10の上面11の針受け溝11aに支持された状態から、回転板10の上部コーナー12の針受け溝12aに支持された状態を経て、回転板10の外周面13の針受け溝13aに沿って立ち上がるように、針の端部を押圧する。
【0024】
回転板10の上には、剛的な材料、例えば金属または硬質樹脂から形成された円板21が配置されている。円板21は回転板10と同軸に配置されており、回転板10の軸線を中心にして回転可能である。しかし、通常の使用状態では、円板21は回転しない。延長部22を含む円板21の下面は回転板10の上面11に接触しない。
【0025】
円板21から延長部22が径方向外側に向けて延びている。延長部22に針箱20が設けられている。したがって、針箱20は、円板21と同材料から形成され、回転板10上に配置されている。
【0026】
針箱20を含む延長部22の外側端部は、直方体の台23に載置されている。台23は、図示しないボルトによってステージ2に固定されている。台23の高さは、回転板10の上面11の高さとほぼ等しい。
【0027】
図5および
図6に示すように、針箱20は、細長い直方体の貯蔵空間24を有する。貯蔵空間24の長手方向は、延長部22の長手方向、すなわち回転板10および円板21の径方向に延びている。貯蔵空間24には、多数の針50が貯蔵される。
【0028】
貯蔵空間24は針箱20を貫通している。したがって、針箱20の上部は開放されており、貯蔵空間24には上方から多数の針50を容易に供給することができる。また、針箱20の下部も開放されており、複数の針50が回転板10の上面11および台23に載置される。したがって、上方の針箱20から下方の回転板10に容易に針50を供給することができる。
【0029】
貯蔵空間24は、シンプルな直方体形状であるが、下方に向かうほど断面積が狭くなるテーパー形状であってもよい。いずれの場合も、貯蔵空間24の長手方向は、延長部22の長手方向、すなわち回転板10および円板21の径方向に延びている。
【0030】
貯蔵空間24内には、貯蔵空間24内の針50の静電気を除去する除電装置26が配置されている。貯蔵空間24内には多数の針50が貯蔵され、互いに摩擦することにより静電気が発生し、針50が帯電する。針50は、非常に軽いため、帯電した状態では、回転板10の針受け溝11aに入りにくいおそれがある。除電装置26が針50の静電気を除去することにより、多数の針50から1本ずつ針50を回転板10の針受け溝11aに渡すことが容易になる。
【0031】
除電装置26は、好ましくは針分離搬送装置1の使用中、継続的に稼働させられる。除電装置26は、例えばイオナイザーである。好ましくは、このイオナイザーは気流を発生させない。
【0032】
針分離搬送装置1は、針箱20の貯蔵空間24内の針50を上から押圧する押圧機構をさらに有する。この押圧機構は、回転板10の上面11の針受け溝11aの1つが針箱20の直下にある時、針箱20内の針50を上から押圧することにより、針箱20内の複数の針50のうち1本の針50が回転板10の上面11の針受け溝11aに入りやすくする。
【0033】
押圧機構としては、例えばソレノイドを有するリニアアクチュエーターまたは油圧ピストンでもよいが、この実施形態はハンマー60を使用する。ハンマー60は、L字形状を有し、長尺なロッド61と、ロッド61の一端に形成されたヘッド62を有する。ロッド61の他端は、剛的な材料、例えば金属から形成された固定具63に取り付けられて、さらに剛的な材料、例えば金属から形成された固定具64によって、ステップモーター65の回転軸に固定されている。ハンマー60のヘッド62はロッド61の先端から下方に突出しており、針箱20の貯蔵空間24内に延びている。ステップモーター65は、図示しないボルトによってステージ2に固定されている。
【0034】
ハンマー60の駆動時には、回転板駆動機構30は回転板10の回転を停止する。具体的には、回転板10の上面11の針受け溝11aの1つが針箱20の直下に到着する直前に、回転板駆動機構30は回転板10の回転を減速し、針受け溝11aの1つが針箱20の直下に到着すると、回転板駆動機構30は回転板10の回転を停止する。すると、回転板駆動機構30は、回転板10に回転角振動を与える。すなわち、
図5の矢印Vで示すように、小さい角度範囲で回転板10の正転と逆転を繰り返す。これにより、針箱20内の針50の堆積52に振動を与え、針箱20内の針50の向きが回転板10の放射方向に揃いやすくなる。針50の堆積52は、回転板10の上面11に接触しているので、回転板10が振動する時、針50の堆積52も振動する。
【0035】
その後、ステップモーター65は、
図6の矢印Aに示すように、ハンマー60を揺動し、ハンマー60のヘッド62が針箱20の貯蔵空間24内の針50の堆積52を小さい力で叩く。好ましくは、ハンマー60は、針50の堆積52を繰り返し叩く。このように、針箱20の貯蔵空間24内の針50を上から間欠的に押圧することにより、針箱20内の複数の針50のうち1本の針50が回転板10の上面11の針受け溝11aに入りやすくなる。したがって、針50の表面が粗くても、針50の堆積52から1本の針を分離して回転板10に渡すことが可能である。
図6は、1つの針50が回転板10の針受け溝11aに受けられた状態を示す。
【0036】
この後、回転板駆動機構30は回転板10の矢印RDの方向への回転を再開する。
図7に示すように、針受け溝11aに受けられた針50は、回転板10の回転に伴って、針箱20の下を通過し、針箱20から離れてゆき、針立て機構40まで搬送される。
【0037】
図8は、針箱20とその直下の回転板10の間に余分な針50が詰まりかけた望ましくない状態を示す。針分離搬送装置1は、針箱20と回転板10の間に針50が詰まりかけた場合、回転板駆動機構30を停止する停止機構をさらに有する。したがって、この実施形態では、回転板10と針箱20の間に余分な針が完全に詰まる状態を防止することができる。
【0038】
具体的には、通常の使用状態では、針箱20を有する円板21は回転しないが、針箱20と回転板10の間に針50が詰まりかけた場合、針箱20を有する円板21は回転板10とともに回転する。停止機構は、針箱20の位置が一定範囲を超えて変化すると、回転板駆動機構30を停止するスイッチ67またはセンサーを有する。
【0039】
この実施形態では、
図3および
図4に示すように、スイッチ67は、針箱20にとって、回転板10の通常の回転方向(矢印RDの方向)の下流側に配置されて、台23に固定されている。
図7に示すように、針50が順調に針箱20の下を通過する場合には、針箱20を有する円板21は回転せず、針箱20はスイッチ67に接触しない。
【0040】
他方、
図8に示すように、余分な針50が針箱20と回転板10の間に詰まりかけた場合には、回転板10の回転と共に針箱20が下流に移動し、スイッチ67に接触する。すると、回転板駆動機構30が直ちに回転板10の回転を停止する。このようにして、針箱20と回転板10の間に余分な針50が詰まりかけた場合、迅速に回転板10を停止することができ、回転板10と針箱20の間に余分な針が完全に詰まる状態を防止することができる。したがって、他の針50および円板21の損傷を防止することができる。
【0041】
図示の実施形態において、スイッチ67はメカニカルスイッチであるが、停止機構は、メカニカルスイッチの代わりに近接スイッチまたは近接センサーを有してもよい。また、針箱20が接近または接触すると反応するスイッチまたはセンサーの代わりに、針箱20との距離が所定値より大きくなると反応するスイッチまたはセンサーを針箱20にとって回転板10の通常の回転方向の上流側に配置してもよい。
【0042】
図3および
図4に示すように、ストッパーピン68が図示しないボルトによって台23に固定されている。余分な針50が針箱20と回転板10の間に詰まりかけて回転板10の回転が停止した場合には、針分離搬送装置1を監視する人間が円板21を、回転板10の通常の回転方向と逆方向に回転させて、針箱20と回転板10の間に詰まりかけた針50を針箱20に戻す。ストッパーピン68は、円板21を逆方向に回転させすぎないように、延長部22の移動を規制する。
【0043】
針箱20を有する円板21に対して独立して回転板10が回転することができるように、
図9に示すように、ステージ2に回転板10と円板21は取り付けられている。
【0044】
ステージ2に形成された貫通孔に、鉛直に延びるコア70が挿入されている。コア70の周囲には、ラジアル軸受71が配置され、ラジアル軸受71は回転板10の中央に形成された貫通孔に挿入されている。したがって、回転板10は、コア70を中心にして、コア70に対して回転可能である。
【0045】
コア70は、さらに円板21の中央に形成された貫通孔に挿入されており、円板21も、コア70を中心にして、コア70に対して回転可能である。円板21の上部には、スラスト軸受72とワッシャー73が配置され、コア70はスラスト軸受72とワッシャー73に挿入されている。コア70の上端には、オネジが形成され、オネジにナット74が取り付けられている。
【0046】
ステージ2と回転板10の間にはスラスト軸受75が配置され、回転板10と円板21の間にもスラスト軸受76が配置されている。つまり、回転板10は、ステージ2に面接触せず、円板21も回転板10に面接触しない。したがって、回転板駆動機構30は、小さい駆動トルクで回転板10を回転させることができる。また、円板21は、針箱20と回転板10の間に針50が詰まりかけると、簡単に円板21に従動して回転する。
【0047】
また、このアセンブリは、必要に応じて滅菌のために簡単に分解することができる。ナット74をコア70から取り外せば、回転板10と円板21は、ステージ2から簡単に取り外すことができる。ステップモーター65も、図示しないボルトを緩めることによって、ステージ2から取り外すことができる。回転板10を駆動するステップモーター31も、図示しないボルトを緩めることによって、ステージ2から取り外すことができる。この実施形態では、ステップモーター31の回転は、タイミングベルト33で回転板10に伝達されるが、ステップモーター31の回転軸を回転板10に連結して、ステップモーター31が回転板10を直接回転させてもよい。この場合、分解がさらに容易になりうる。滅菌は、高温(例えば、摂氏約120度)または紫外線滅菌処理を使用して行うことができる。
【0048】
回転板10の針受け溝11aに受けられた針50は、回転板10の回転に伴って、針立て機構40まで搬送される。針立て機構40に針50が到着する直前に、回転板駆動機構30は回転板10の回転を減速し、針立て機構40に針50が到着すると、回転板駆動機構30は回転板10の回転を停止する。
【0049】
図10に示すように、針立て機構40は、支持部41、レバー42、ローラー43、ガイド44、ステップモーター45、コネクター46、カップリング47、回転・直線運動変換機構48を有する。
【0050】
支持部41は、剛的な材料、例えば金属または硬質樹脂から形成されており、長尺で鉛直方向に沿って延びるロッド部41a、ロッド部41aの上端に形成されたヘッド部41b、およびヘッド部41bから回転板10に向けて延びるアーム部41cを有する。アーム部41cは、ほぼ回転板10の径方向に沿って延びている。
【0051】
レバー42はヘッド部41bに回転可能に支持されており、ローラー43はレバー42に回転可能に支持されている。レバー42は、回転板10の径方向に沿って延びている。
【0052】
支持部41は、鉛直に設けられたガイド44に沿って上下に移動可能である。ガイド44の下端はコネクター46に固定され、コネクター46はステップモーター45に固定されている。ステップモーター45の回転軸は、カップリング47を介して、回転・直線運動変換機構48に連結されている。回転・直線運動変換機構48は、ステップモーター45の回転軸の回転運動を鉛直方向の直線運動に変換する。回転・直線運動変換機構48は、例えばボールネジ機構を有する。支持部41のロッド部41aは回転・直線運動変換機構48に取り付けられている。したがって、ステップモーター45が回転することにより、例えば図示の状態から矢印Dwで示すように、支持部41はガイド44に沿って下降させられる。ステップモーター45が逆に回転することにより、支持部41はガイド44に沿って上昇させられる。この機構に代えて、リニアモーターまたはラック・ピニオン式のリニアアクチュエーターで支持部41を上下に移動させてもよい。
【0053】
図11は針立て機構40の一部を拡大して示す。レバー42の一端はボルト80によって支持部41のヘッド部41bに取り付けられている。ボルト80には緩み止めの割りピン81が取り付けられている。レバー42の他端にはボルト82によって、円柱形のローラー43が回転可能に取り付けられている。ボルト82には緩み止めの割りピン83が取り付けられている。
【0054】
ボルト80の周囲にはトーションバネ85が巻き付けられている。支持部41のヘッド部41bには、複数のピン86が固定されている。ピン86は、ボルト80を中心にした円弧上に等角間隔をおいて配置されている。トーションバネ85の一端部85aは、いずれかのピン86の間に挟まれている。トーションバネ85の他端部(図示せず)はレバー42に接触しており、レバー42に図中反時計方向のバネ力を与える。
【0055】
ステップモーター45が駆動されて支持部41が下降する間に、
図12に示すように、ローラー43が回転板10の上面11の針受け溝11aに支持された針50に接触し、矢印ROの方向に沿って図中時計方向に回転しながら、針50を回転板10の上部コーナー12の針受け溝12aに支持されるように傾ける。さらに支持部41が下降すると、
図13に示すように、ローラー43は、矢印ROの方向に沿って図中時計方向に回転しながら、針50を回転板10の外周面13の針受け溝13aに沿って立ち上げる。このようにして、簡単かつ高精度に針50の姿勢を、回転板10の上面11に沿った水平状態から回転板10の外周面13に沿って直立した姿勢に変更することができる。
【0056】
回転板10の上部コーナー12は、直線状に傾斜していてもよいが、この実施形態では、回転板10の上部コーナー12は、円弧状の断面形状を有するよう傾斜している。ローラー43は、円弧状の上部コーナー12に連続的に接触しながら、上部コーナー12の円弧に沿って移動する。したがって、針50は、上部コーナー12の接線方向かつローラー43の接線方向に延びるように状態を維持する。したがって、針立て機構40は、円滑に針50の姿勢を変更することができる。
【0057】
針立て機構40は、ローラー43が針50を押すために、レバー42にバネ力を与えるトーションバネ85を有する。したがって、針50を立てる時に、トーションバネ85のバネ力によって、ローラー43は、回転しながら針50に接触し続け、針50を回転板10に押し付けながら、針50の姿勢を変更することができる。
【0058】
針立て機構40は、トーションバネ85のバネ力を調整する機構をさらに有する。具体的には、トーションバネ85の周囲に配置された多数のピン86のうち、どの2つのピン86の間にトーションバネ85の端部85aを差し込むかに応じて、トーションバネ85のバネ力を調整することができる。トーションバネ85の端部85aを移動する作業は人間の手で行うことができる。
【0059】
ローラー43で針50に与える力は、針50の姿勢を変更する間に針50が落下しない程度に大きく、針50の塑性変形および/または破壊を防止することができる程度に小さいことが好ましい。トーションバネ85のバネ力を調整することにより、針50の太さ、曲げ強度および/または脆性に応じて、バネ力を調整することができる。
【0060】
回転板駆動機構30は、針立て機構40の正常な動作を保証するため、針受け溝11aに嵌められた針50がレバー42およびローラー43に揃う角度位置で回転板10を停止させる。上下動する支持部41のストロークは、針50の高精度な姿勢変更を可能にするよう設計されている。
【0061】
針50が
図13に示す鉛直姿勢に到達すると、針立て機構40はその姿勢を一定時間保持する。この針分離搬送装置1は、三次元細胞積層技術のための針のアレイ(
図1参照)を製造する装置(図示せず)のために設けられており、針立て機構40で鉛直に立てられた針50は、図示しないクランプ装置で針立て機構40と回転板10の間からピックアップされて、針のアレイを製造する装置まで搬送される。使用される針50は、三次元細胞積層技術のための中実な針である。
【0062】
一定時間の経過後、ステップモーター45が駆動されて支持部41が上昇する。すると、ローラー43は回転板10から遠ざかり、レバー42はトーションバネ85のバネ力により、図中反時計方向に回転する。支持部41のレバー42に設けられたストッパー88に、レバー42は接触して停止する。このようにして、レバー42とローラー43は
図11に示す初期状態に復帰する。
【0063】
この実施形態においては、回転板10が針箱20から針受け溝11aに1本ずつ針50を受け取り、針立て機構40まで搬送する。針立て機構40は、針を押圧して、回転板10の外周面13に沿うように針50を立ち上げる。したがって、多数の針50の堆積52から1本ずつ針50を自動的に連続的に分離し、それらの針50の姿勢を自動的に連続的に変更することができる。回転板10は、回転する間に複数の針受け溝11aで複数の針50を針箱20から針立て機構40に搬送することができるので、効率的に針50を搬送することができる。
【0064】
図14は、実施形態に係る針分離搬送装置1の制御系統のブロック図である。
図14において、メイン制御装置90は、例えばCPUであり、記憶装置91に記憶されたコンピュータプログラムに従って動作し、針分離搬送装置1の回転板駆動機構30、ハンマー(押圧機構)60、および針立て機構40の動作に関する制御を実行する。具体的には、メイン制御装置90は、回転板10のためのステップモーター31、ハンマー60のためのステップモーター65、針立て機構40のためのステップモーター45の動作を制御する。
【0065】
記憶装置91は、メイン制御装置90が準拠するコンピュータプログラムを記憶する。記憶装置91は、例えばROM、ハードディスク、SSDである。
【0066】
メイン制御装置90には、回転板10と針箱20の間に針50が詰まりかけた時に反応するスイッチ67が接続されている。針箱20と回転板10の間に針50が詰まりかけた場合、スイッチ67は、ステップモーター31を停止させると同時に、異常信号をメイン制御装置90に送信する。異常信号を受信すると、メイン制御装置90はステップモーター45とステップモーター65が動作しないよう非作動状態にする。
【0067】
図15は、実施形態に係る針分離搬送装置1の制御系統の動作を示すタイムチャートである。
【0068】
1つの制御サイクルにおいて、回転板駆動機構30は回転板10を一旦加速した後、定常速度で回転させる。
【0069】
回転板10の上面11の針受け溝11aの1つが針箱20の直下に到着する直前に、回転板駆動機構30は回転板10の回転を減速し、針受け溝11aの1つが針箱20の直下に到着すると、回転板駆動機構30は回転板10の回転を停止する。
【0070】
そして、回転板駆動機構30は、回転板10に回転角振動を与え、針箱20内の針50の向きを回転板10の放射方向に揃える。
【0071】
この後、ハンマー60のステップモーター65は、ハンマー60を繰り返し揺動し、ハンマー60は、針箱20内の針50の堆積52を繰り返し叩く。この結果、針箱20内の針50の堆積52から1本の針が回転板10の針受け溝11aに受けられる。
【0072】
その後、次の制御サイクルにおいて、回転板駆動機構30は回転板10を一旦加速した後、定常速度で回転させる。この結果、針受け溝11aに受けられた針50は、回転板10の回転に伴って、針箱20の下を通過し、針箱20から離れてゆき、針立て機構40まで搬送される。そして、他の針受け溝11aが針箱20に近づいてゆく。
【0073】
ハンマー60が繰り返し揺動している時、針立て機構40のステップモーター45が支持部41を定常位置から針立て位置まで下降させる。この結果、針立て機構40において、既に針立て機構40に到達した針50が鉛直姿勢に立ち上げられる。針立て位置は所定期間持続し、この期間内で、上記のクランプ装置が針立て機構40と回転板10の間から針50をピックアップする。所定時間の経過後、ステップモーター45は支持部41を針立て位置から定常位置まで上昇させる。
【0074】
図16は、第1実施形態の変形例に係る針分離搬送装置の制御系統のブロック図である。
【0075】
上記の実施形態では、回転板10と針箱20の間に針50が詰まりかけたことをスイッチ67で検出する。しかし、この変形例では、スイッチ67の代わりに、停止機構は、回転板10のトルク(移動抵抗力)を計測するトルク計(抵抗力計)92を有する。停止機構を構成するメイン制御装置90は、トルク計92が計測するトルクが閾値を超えると、回転板駆動機構30を停止するとともに、ステップモーター45とステップモーター65が動作しないよう非作動状態にする。この場合、針箱20の移動を検出するスイッチ67を省略することができ、針箱20は静止していてもよい。但し、トルク計92に加えて、スイッチ67を設けてもよい。
【0076】
図17は、第1実施形態のさらに他の変形例に係る針分離搬送装置の制御系統のブロック図である。この変形例では、トルク計92の代わりに、停止機構は、回転板10の回転角度(変位)を計測する角度計(変位計)94を有する。角度計94はロータリーエンコーダーのカウンターであってよい。停止機構を構成するメイン制御装置90は、一定時間内の角度計94が計測する回転角度が閾値未満であると、回転板駆動機構30を停止するとともに、ステップモーター45とステップモーター65が動作しないよう非作動状態にする。この場合、針箱20の移動を検出するスイッチ67を省略することができ、針箱20は静止していてもよい。但し、角度計94に加えて、スイッチ67を設けてもよい。
【0077】
第2実施形態
図18から
図20に示すように、第2実施形態に係る針分離搬送装置101は、ステージ102、直動板(移動板)110、針箱120、直動板駆動機構(移動板駆動機構)130および針立て機構140を有する。
【0078】
図18から
図20は、針立て機構140が直動板110に支持された針50を直立させている状態を示す。
【0079】
図示しないが、針分離搬送装置101の全体は、クリーンな気密のチャンバー内に配置されており、ダストおよび汚染物質から保護されている。チャンバー内の湿度は通常の湿度であってよい。
【0080】
ステージ102は、水平な上面を有する剛的な材料、例えば金属から形成されたテーブルである。
【0081】
針箱120は複数の真っ直ぐな針を貯蔵する。
【0082】
直動板110は、剛的な材料、例えば金属または硬質樹脂から形成されたほぼ矩形の板であって、ステージ102に水平移動可能に支持されている。直動板110は、上面111、上部コーナー112および側面113を有する。上面111は水平に配置されている。側面113は、直動板119の一側面であり、上部コーナー112に連なっており、上面11に対して垂直であって、鉛直面である。上部コーナー112は、外側に向かうほど小さい高さを有するよう傾斜している。この実施形態では、上部コーナー112は、直動板110の中心軸線を含む平面で切断した場合、円弧状の断面形状を有する。
【0083】
上面111には、直動板110の直動方向LDに垂直に延びる針受け溝111aが形成されている。上部コーナー112と側面113にも、針受け溝111aから連続して延びる針受け溝112a,113aが形成されている。
【0084】
直動板110は、針箱120の下方に配置されており、上面111の針受け溝111aは、針箱120から1本ずつ針を受ける。したがって、針受け溝111aは、1本の針50だけを収容可能な寸法、すなわち1本の針50の直径よりわずかに大きい幅と深さを有するように設計されている。
【0085】
直動板駆動機構130は、直動板110を直動方向LDに往復させる。直動板駆動機構130は、この実施形態では、ステップモーターの回転を直線運動に変換するラック・ピニオンを有するリニアアクチュエーターである。但し、直動板駆動機構130は、リニアモーターでもよいし、ステップモーターの回転を直線運動に変換するボールネジ機構であってもよい。
【0086】
図20に示すように、直動板駆動機構130は、固定部131と可動部132を有する。固定部131はステージ102に固定されている。可動部132は固定部131に対して直動方向LDに往復移動可能である。可動部132には、剛的な材料、例えば金属または硬質樹脂から形成されたベッド133が固定され、ベッド133には直動板110が固定されている。
【0087】
細長い真っ直ぐな針を針受け溝111aに嵌め入れるため、直動板駆動機構130の停止精度は高いことが望ましい。例えば、直径170μmの針に対して、直動板110の針受け溝111aを所望位置に対して20μmの誤差以内に停止することができると好ましい。
【0088】
直動板駆動機構130は、直動方向LDに直動板110を移動させ、針箱120から針受け溝111aに受けた針を針立て機構140に搬送する。
【0089】
針立て機構140は、直動板110の近傍に配置されている。針立て機構140は、針50が直動板110の上面111の針受け溝111aに支持された状態から、直動板110の上部コーナー112の針受け溝112aに支持された状態を経て、直動板110の側面113の針受け溝113aに沿って立ち上がるように、針50の端部を押圧する。
【0090】
直動板110の上方に配置された針箱120は、直動板110の針受け溝111aと平行に延びている。針箱120は、三角形の輪郭を有する基部120dを有しており、基部120dは、三角形の輪郭を有するスペーサーすなわちシム121に固定され、さらにネジ123によってブロック122に堅固に固定されている。ブロック122はステージ102に固定されている。
【0091】
図21から
図23は、針箱120を有する針箱アセンブリ120Aを示す。針箱アセンブリ120Aは、長尺部材120b、壁部材120c、シム121、ネジ123、針ストッパー124を有する。針箱アセンブリ120Aの構成要素は、剛的な材料、例えば金属または硬質樹脂から形成されている。
【0092】
長尺部材120bと壁部材120cが針箱120を構成する。長尺部材120bは、矩形断面を有する長尺な側壁120bA、側壁120bAの両端から側方に延びる2つの端壁120bB,120bC、および上記の基部120dを有する。端壁120bB,120bCは、側壁120bAに一体に結合され、基部120dは端壁120bBと側壁120bAに一体に結合されている。
【0093】
壁部材120cは、長尺な側壁120cAと長尺な底壁120cBを有する。側壁120cAは底壁120cに一体に結合されている。壁部材120cの側壁120cAは、長尺部材120bの端壁120bB,120bCに複数のネジ125で固定されている。
【0094】
このようにして、長尺部材120bの側壁120bA、端壁120bB,120bC、および壁部材120cで画定された貯蔵空間126(
図21、
図23参照)を有する針箱120が構成されている。針箱120がブロック122に固定された後、細長い直方体の貯蔵空間126の長手方向は直動板110の針受け溝111aと平行に延びる。貯蔵空間126には、多数の針50が貯蔵される。
【0095】
シム121は、複数のネジ127によって針箱120の基部120dに固定されている。シム121には、ネジ127の頭部がそれぞれ嵌まる貫通孔121aが形成されており、基部120dにはネジ127のネジ部がそれぞれ締結されるメネジ120dAが形成されている。
【0096】
ネジ123は、互いに同軸に配列されたハンドルヘッド123a、ステム123b、およびオネジ部123cを有する。ステム123bは、針箱120の基部120dの貫通孔120dBと、シム121の貫通孔121bに挿入される。針箱120の基部120dの上面からは、貫通孔120dBを包囲するスペーサーすなわちカラー120dCが突出する。
【0097】
ネジ123のステム123bを貫通孔120dBと貫通孔121bに挿入すると、オネジ部123cがシム121の下面から突出する。オネジ部123cは、ブロック122に形成されたメネジ(図示せず)にネジ止めされる。カラー120dCは、ハンドルヘッド123aが針箱120の基部120dの上面に接触することを防止する。
【0098】
このように、針箱120はネジ123によってブロック122に堅固に固定されている。
図23に示すように、針箱120の下面(長尺部材120bの下面と壁部材120cの底壁120cBの下面)は、直動板110の上面111に対向し、針箱120の下面と上面111の間にはわずかな間隙Cが設けられている。このように針箱120は直動板110と接触しないので、直動板110が直動方向LDに移動する時、針箱120は動かない。
【0099】
間隙Cは、例えば20μmから40μmであり、針50の直径(例えば170μm)より小さい。したがって、針受け溝111aに収容された針50以外の針50が間隙Cに挟まれる(詰まる)おそれが少ない。
【0100】
針箱120の下面と直動板110の上面111の間の間隙Cは、ネジ127によって調整することができる。具体的には、ネジ127を締め付けると、シム121と針箱120の基部120dの隙間が減少し、その結果、間隙Cが減少する。逆に、ネジ127を緩めると、シム121と針箱120の基部120dの隙間が増加し、その結果、間隙Cが増加する。このように、針箱120と直動板110の間の間隙Cを調整するための機構が設けられているので、間隙Cを調整することができ、針受け溝111aに収容された針50以外の針50が間隙Cに挟まれるおそれを低減することができる。
【0101】
図23に示すように、針箱120の底壁120cBは、第1の端部120cB1と第2の端部120cB2を有する。第1の端部120cB1と第2の端部120cB2は、直動板110の上面111の針受け溝111aと平行に延びる。第1の端部120cB1は側壁120bAの近傍にあり、第2の端部120cB2は側壁120cAに一体に結合されている。
【0102】
第1の端部120cB1には、底壁120cBを貫通する直線状の針出口128が形成されている。針出口128の幅は、少なくとも1本の針50が通過することを許容するよう決定されている。
図19に示すように、針出口128は、直動板110の上面111の針受け溝111aと平行に延びる。
【0103】
底壁120cBの上面は、第2の端部120cB2が高く、第1の端部120cB1が低くなるように、傾斜している。したがって、針箱120の貯蔵空間126に貯蔵された針50は、重力の作用によって、底壁120cB上を第1の端部120cB1に向けて移動し、針出口128を通過して、直動板110の上面111に落下する。そして、上面111に形成された針受け溝111aに1本の針50が収容される。
【0104】
底壁120cBの上面が傾斜していることにより、各針50は底壁120cB上を移動する間に、直動板110の上面111の針受け溝111aと平行に揃えられる。したがって、1本の針50が針受け溝111aに容易に受け入れられる。また、1本の針50の上に他の針50が交差することが防止または低減されるので、針受け溝111aに収容された針50以外の針50が間隙Cに挟まれるおそれを低減することができる。
【0105】
図23に示す例では、底壁120cBの上面は、2つの平面を有し、各平面が第2の端部120cB2側が高く、第1の端部120cB1側が低くなるに傾斜している。但し、
図24に示すように、底壁120cBの上面は、断面が円弧状の曲面であってもよい。この場合、円弧の曲率半径は15mm未満であると好ましい。
【0106】
図22から
図24に示すように、針ストッパー124は、天井板124a、側板124b、2つの側板124cを有する。天井板124aは長尺な矩形である。側板124bも長尺な矩形であって、天井板124aの幅方向の一端から天井板124aに対して垂直に下方に向けて延びる。2つの側板124cは、針ストッパー124の長手方向の両端に形成され、天井板124aの他端から側板124bに平行に下方に向けて延びる。
【0107】
図21に示すように、針ストッパー124は針箱120の長尺部材120bに載置され、
図22に示すように、天井板124aは長尺部材120bの側壁120bAに重ねられる。
図23および
図24の仮想線で示すように、針箱120の側壁120bAは、針ストッパー124の2つの側板124cと1つの側板124bの間に挟まれる。また、針ストッパー124の側板124bは、針箱120の端壁120bBと端壁120bCの間に挟まれる。したがって、針ストッパー124が針箱120の長尺部材120bに載置された状態では、針ストッパー124は針箱120に対して動かないよう規制されている。
【0108】
図23および
図24の仮想線で示すように、針ストッパー124が針箱120の長尺部材120bに載置された状態では、側板124bの下端が針出口128を閉塞する。一方、針箱120の貯蔵空間126の上部は開放されており、貯蔵空間126には上方から多数の針50を容易に供給することができる。貯蔵空間126に多数の針50が収容された後、針箱アセンブリ120Aは、ネジ123によってブロック122に固定される。
【0109】
この後、
図23および
図24の実線で示すように、針ストッパー124を上方Upに移動させることにより、針ストッパー124は針箱120から取り外される。すると、針出口128が開放され、貯蔵空間126の内部の針50の少なくとも1本が針出口128を通過し、直動板110の上面111に載置される。したがって、上方の針箱120から下方の直動板110に容易に針50を供給することができる。
【0110】
図示しないが、貯蔵空間126内には、貯蔵空間126内の針50の静電気を除去する除電装置が配置されてもよい(第1実施形態に関する
図5の除電装置26と同様)。貯蔵空間126内には多数の針50が貯蔵され、互いに摩擦することにより静電気が発生し、針50が帯電する。針50は、非常に軽いため、帯電した状態では、直動板110の針受け溝111aに入りにくいおそれがある。除電装置が針50の静電気を除去することにより、多数の針50から1本の針50を直動板110の針受け溝111aに渡すことが容易になる。
【0111】
但し、この実施形態では、針箱120の底壁120cBの上面が傾斜していることにより、各針50は底壁120cB上を移動する間に、直動板110の上面111の針受け溝111aと平行に揃えられ、多数の針50から1本の針50が直動板110の針受け溝111aに容易に受け入れられる。また、針受け溝111aに収容された針50以外の針50が間隙Cに挟まれるおそれが小さい。したがって、この実施形態では、除電装置を省略することができる。
【0112】
第1実施形態と同様に、針分離搬送装置101は、針箱120の貯蔵空間126内の針50を上から押圧する押圧機構をさらに有してもよい(例えば、第1実施形態に関するハンマー60)。この押圧機構は、直動板110の上面111の針受け溝111aの1つが針箱120の直下にある時、針箱120内の針50を上から押圧することにより、針箱120内の複数の針50のうち1本の針50が直動板110の上面111の針受け溝111aに入りやすくする。
【0113】
但し、この実施形態では、針箱120の底壁120cBの上面が傾斜していることにより、各針50は底壁120cB上を移動する間に、直動板110の上面111の針受け溝111aと平行に揃えられ、多数の針50から1本の針50が直動板110の針受け溝111aに容易に受け入れられる。また、針受け溝111aに収容された針50以外の針50が間隙Cに挟まれるおそれが小さい。したがって、この実施形態では、押圧機構を省略することができる。
【0114】
直動板110の針受け溝111aに受けられた針50は、直動板110の移動に伴って、針立て機構140まで搬送される。針立て機構140に針50が到着する直前に、直動板駆動機構130は直動板110の移動を減速し、針立て機構140に針50が到着すると、直動板駆動機構130は直動板110の移動を停止する。
【0115】
図18から
図20、
図25および
図27に示すように、針立て機構140は、支持部141、レバー142およびローラー143を有する。針立て機構140は、針立て駆動機構144によって上下に移動可能である。
【0116】
図18から
図20に示すように、支持部141は、長尺で水平方向に延びる水平ロッド部141aと、水平ロッド部141aの一端に固定され鉛直方向に沿って延びる鉛直ロッド部141bを有する。水平ロッド部141aと鉛直ロッド部141bは、剛的な材料、例えば金属または硬質樹脂から形成されている。
【0117】
鉛直ロッド部141bの上端には、レバー142が回転可能に支持されており、ローラー143はレバー142に回転可能に支持されている。レバー142は、直動板110の針受け溝111aを含む鉛直面に平行な鉛直面内を回転可能である。
【0118】
針立て駆動機構144は、支持部141を上下に往復させる。針立て駆動機構144は、この実施形態では、ステップモーターの回転を直線運動に変換するラック・ピニオンを有するリニアアクチュエーターである。但し、針立て駆動機構144は、リニアモーターでもよいし、ステップモーターの回転を直線運動に変換するボールネジ機構であってもよい。
【0119】
針立て駆動機構144は、固定部145と可動部146を有する。固定部145はステージ102に固定されている。可動部146は固定部145に対して上下に往復移動可能である。可動部146には、ネジ149によって支持部141の水平ロッド部141aが固定されている。
【0120】
図25に示すように、鉛直ロッド部141bの上端は、2つのブランチ141cを有するよう分岐しており、各ブランチ141cには貫通孔141dが形成されている。2つのブランチ141cの間には、例えば金属または硬質樹脂から形成された固定片141eが配置されている。固定片141eは、鉛直ロッド部141bに固定されている。固定片141eには、鉛直方向に延びる孔141fが形成されている。
【0121】
レバー142の一端部142aは、ピンシャフト147によって鉛直ロッド部141bの上端に取り付けられており、レバー142はピンシャフト147を中心として回転可能である。具体的には、ピンシャフト147は、互いに同軸に配列されたヘッド部147aとステム147bを有し、ステム147bには周溝147cが形成されている。ステム147bは、鉛直ロッド部141bの上端の2つのブランチ141cの貫通孔141dとレバー142の端部142aの貫通孔142cに挿入され、ピンシャフト147の緩み止めのC型ワッシャー148が周溝147cに取り付けられている。
【0122】
レバー142の他端部142bにはボルト150によって、円柱形のローラー143が回転可能に取り付けられている。具体的には、ボルト150は、互いに同軸に配列されたヘッド部150a、ステム150b、およびオネジ部150cを有する。ステム150bは、ローラー43と円柱形のスペーサー152に挿入され、オネジ部150cはレバー142の端部142bのネジ孔142dにネジ止めされている。
【0123】
ピンシャフト147の周囲にはトーションバネ154が巻き付けられている(ピンシャフト147のステム147bは、トーションバネ154に挿入されている)。トーションバネ154の一端部154aは、支持部141の上部に固定された固定片141eの孔141fに挿入されている。
【0124】
図26に示すように、レバー142の片面には、トーションバネ154の他端部154bが嵌め込まれる直線溝155と、トーションバネ154のコイル部分が嵌め込まれる円形溝156が形成されている。したがって、トーションバネ154の端部154bとコイル部分はレバー42に埋設されている。
【0125】
したがって、トーションバネ154の端部154bはレバー142に埋設されており、レバー142に外力が与えられない限り、
図27および
図35に示す初期角度(初期姿勢)にレバー142を維持する。後述するように、ローラー143が直動板110上の針50に接触させられる時、トーションバネ154は、レバー142に図中反時計方向のバネ力を与える。
【0126】
図27は、組み立てられた針立て機構140の上部の正面図である。
図27の状態では、支持部141がその上方の移動限度にあり、ローラー143は、直動板110の上方にあって、直動板110上の針50に接触させられていない。
【0127】
図28に示すように、上記の通り、直動板110は、上面111、上部コーナー112および側面113を有し、上面111、上部コーナー112および側面113は、それぞれ針受け溝111a,112a,113aを有する。直動板110は、さらに側面113の下方に傾斜面114と下部鉛直面115を有する。針受け溝113aは、側面113から傾斜面114と下部鉛直面115に延びている。
【0128】
針受け溝11aの深さは針50の直径よりわずかに大きく、針受け溝112aの深さは針50の直径よりわずかに小さい。側面113においては針受け溝113aの深さは針受け溝112aの深さと同じである。針受け溝113aは鉛直に形成されており、傾斜面114では針受け溝113aの深さは徐々に大きくなり、下部鉛直面115では針受け溝113aの深さは針50の直径よりわずかに大きい。
【0129】
図29は、
図28の直動板110のXXIX-XXIX矢視断面図であり、針立て機構140のローラー143と針50の位置関係を示す。支持部141がその上方の移動限度にある時、ローラー143は
図29の位置143aにあり、直動板110の上面111の針受け溝111aに水平に支持され位置50aにある針50に接触させられない。
【0130】
針立て駆動機構144によって、支持部141が下降する時、ローラー143が位置143bに下降しながら、直動板110の上面111の針受け溝111aに支持された針50に接触し、矢印ROの方向に沿って図中時計方向に回転しながら、針50を直動板110の上部コーナー112の針受け溝112aに支持される位置50bに傾ける。さらに支持部141が下降すると、ローラー143は位置143cに下降しながら、かつ矢印ROの方向に沿って図中時計方向に回転しながら、針50を直動板110の側面113の針受け溝113aに沿って立ち上げ、位置50cに配備する。このようにして、簡単かつ高精度に針50の姿勢を、直動板110の上面111に沿った水平状態から直動板110の側面113に沿って直立した姿勢に変更することができる。
【0131】
針受け溝112aの深さは針50の直径よりわずかに小さく、側面113においては針受け溝113aの深さは針50の直径よりわずかに小さいため、ローラー143は回転しながら針50に接触し続け、針50を直動板110に押し続けることができる。
【0132】
さらに支持部141が下降してローラー143が位置143dに下降すると、ローラー143は直動板110の傾斜面114に接触する。傾斜面114では針受け溝113aの深さは徐々に大きくなるので、ローラー143は針50から離れる。ローラー143が針50から離れる直前に、図示しないクランプ装置がローラー143と直動板110の間から針50をピックアップする。
【0133】
この針分離搬送装置101は、三次元細胞積層技術のための針のアレイ(
図1参照)を製造する装置(図示せず)のために設けられており、針立て機構140で鉛直に立てられた針50は、図示しないクランプ装置で針立て機構140と直動板110の間からピックアップされて、針のアレイを製造する装置まで搬送される。使用される針50は、三次元細胞積層技術のための中実な針である。
【0134】
直動板110の上部コーナー112は、直線状に傾斜していてもよいが、この実施形態では、直動板110の上部コーナー112は、円弧状の断面形状を有するよう傾斜している。ローラー143は、円弧状の上部コーナー112に連続的に接触しながら、上部コーナー112の円弧に沿って移動する。したがって、針50は、上部コーナー112の接線方向かつローラー143の接線方向に延びるように状態を維持する。したがって、針立て機構140は、円滑に針50の姿勢を変更することができる。
【0135】
針立て機構140は、ローラー143が針50を押すために、レバー142にバネ力を与えるトーションバネ154を有する。したがって、針50を立てる時に、トーションバネ154のバネ力によって、ローラー143は、回転しながら針50に接触し続け、針50を直動板110に押し付けながら、針50の姿勢を変更することができる。
【0136】
ローラー143で針50に与える力は、針50の姿勢を変更する間に針50が落下しない程度に大きく、針50の塑性変形および/または破壊を防止することができる程度に小さいことが好ましい。したがって、トーションバネ154の適切なバネ力は、針50の太さ、曲げ強度および/または脆性に応じて、異なりうる。
【0137】
図示しないが、針立て機構140は、トーションバネ154のバネ力を調整する機構をさらに有してもよい。具体的には、トーションバネ154の端部154b(
図25、
図27参照)が嵌め込まれる直線溝155(
図26参照)に相当する複数の直線溝をレバー142に複数形成してもよい。トーションバネ154の周囲に配置された複数の直線溝のうち、どの直線溝にトーションバネ154の端部154bを配置するかに応じて、トーションバネ154のバネ力を調整することができる。トーションバネ154の端部154bを移動する作業は人間の手で行うことができる。
【0138】
但し、この実施形態では、トーションバネ154が適切なバネ力を発揮するトーションバネ154の端部154bの適切な位置に直線溝155が形成されている。したがって、バネ力を調整する機構を省略することができる。
【0139】
直動板駆動機構130は、針立て機構140の正常な動作を保証するため、針受け溝111aに嵌められた針50がローラー143に揃う角度位置で直動板110を停止させる。針立て駆動機構144によって上下動する支持部141のストロークは、針50の高精度な姿勢変更を可能にするよう設計されている。
【0140】
図30に示すように、このアセンブリは、必要に応じて滅菌のために簡単に分解することができる。滅菌は、高温(例えば、摂氏約120度)または紫外線滅菌処理を使用して行うことができる。ネジ123をブロック122から取り外せば、針箱アセンブリ120Aは、ステージ102から簡単に取り外すことができる。
図22に示すように、針箱アセンブリ120Aは分解可能である。
【0141】
ネジ149を針立て駆動機構144の可動部146から取り外せば、針立て機構140を針立て駆動機構144から簡単に取り外すことができる。
図25に示すように、針立て機構140は分解可能である。
【0142】
直動板110はベッド133にネジ(図示せず)で固定され、ベッド133から取り外すことができる。ベッド133も直動板駆動機構130の可動部132にネジ(図示せず)で固定され、可動部132から取り外すことができる。
【0143】
ブロック122、直動板駆動機構130、針立て駆動機構144はステージ102に、ネジ(図示せず)で固定され、ステージ102から取り外すことができる。
【0144】
図31は、実施形態に係る針分離搬送装置101の制御系統のブロック図である。
図31において、メイン制御装置160は、例えばCPUであり、記憶装置161に記憶されたコンピュータプログラムに従って動作し、針分離搬送装置101の直動板110のための直動板駆動機構130、および針立て機構140のための針立て駆動機構144の動作を制御する。
【0145】
記憶装置161は、メイン制御装置160が準拠するコンピュータプログラムを記憶する。記憶装置161は、例えばROM、ハードディスク、SSDである。
【0146】
また針分離搬送装置101の制御系統は、直動板110の移動抵抗力を計測する抵抗力計162を有する。抵抗力計162は、例えば直動板駆動機構130のステップモーターのトルクを計測するトルク計であってよい。直動板駆動機構130がリニアモーターである場合には、抵抗力計162はリニアモーターの駆動電力、駆動電圧、または駆動電流を計測する電力計、電圧計または電流計であってもよい。
【0147】
上面111の針受け溝111aが針箱20の針出口128の直下にある位置から直動板110が針立て機構140に向けて移動する時、抵抗力計162で計測された直動板110の移動抵抗力が閾値を超えると、メイン制御装置160は、直動板駆動機構130を制御して、直動板駆動機構130は直動板110に振動を与える。
【0148】
図32は、実施形態に係る針分離搬送装置101の動作を示すフローチャートである。以下、針分離搬送装置101の動作を説明する。
【0149】
まずステップS11で、メイン制御装置160は、直動板駆動機構130を制御して、
図33および
図34に示すように、直動板110を針箱120まで水平移動させる。具体的には、直動板駆動機構130は、直動板110の上面111の針受け溝111aが針箱20の針出口128の直下にある位置に直動板110を移動させる。この時、
図35に示すように、針立て機構140の支持部141がその上方の移動限度にあり、レバー142は初期角度にあり、針立て機構140のローラー143は直動板110の上方にある。
【0150】
図23または
図24に示すように、針受け溝111aが針箱20の針出口128の直下にある場合、針出口128を通過した針50の1本が針受け溝111aに受け入れられる。
【0151】
ステップS12で、メイン制御装置160は、直動板駆動機構130を制御して、直動板110を針立て位置に向けてわずかに(例えば1mm)水平移動させる。針立て位置とは、針受け溝111aが針立て機構140のローラー143に揃う位置である。
【0152】
ステップS13で、メイン制御装置160は、抵抗力計162で計測された直動板110の移動抵抗力を閾値と比較する。閾値は、固定でもよいし、温度に応じて可変でもよい。
【0153】
直動板110の移動抵抗力が閾値より大きい場合、ステップS13の判断が肯定的になり、動作はステップS14に進む。
【0154】
ステップS14で、メイン制御装置160は、直動板駆動機構130を制御して、直動板110を水平方向に振動させる。すなわち短い区間(例えば0.1mm)において、直動板110を直動方向LDに数回往復させる。直動板110の移動抵抗力が閾値より大きいことは、直動板110と針箱120の間の間隙C(
図23および
図24参照)に、針受け溝111a内の針50とは別の針50が詰まりかけているとみなすことができる。ステップS14で直動板110を振動させることにより、直動板110と針箱120の間の間隙Cに詰まりかけた針50が間隙Cから解放されうる。
【0155】
ステップS14の後、動作はS11に戻る。
【0156】
ステップS13の判断が否定的である場合、つまり直動板110の移動抵抗力が閾値以下である場合、動作はステップS15に進む。
【0157】
ステップS15で、メイン制御装置160は、直動板駆動機構130を制御して、直動板110を針立て位置まで移動させる。つまり、針受け溝111aに受け入れられた針50が針立て機構140のローラー143に揃えられる。この時、直動板駆動機構130は直動板110を一旦加速した後、定常速度で移動させ。直動板110の上面111の針受け溝111aが針立て位置に到着する直前に、直動板駆動機構130は直動板110の移動を減速し、針受け溝111aが針立て位置に到着すると、直動板駆動機構130は直動板110の移動を停止する。
【0158】
図36は、ステップS15の直後、針50が針立て機構140に搬送された状態を示す。この時、平面図はレバー142とローラー143の位置以外は
図19と同じである。また、この時、正面図は
図35と同じである(針立て機構140は移動していない)。ローラー143は
図29の位置143aにあり、針50は
図29の位置50aにある。
【0159】
ステップS16で、メイン制御装置160は、針立て駆動機構144を制御して、針立て機構140を下降させる。下降の途中で、
図37および
図38に示すように、針50は傾けられる。
図29に示すように、支持部141が下降する時、ローラー143が位置143bに下降しながら、直動板110の上面111の針受け溝111aに支持された針50に接触し、回転しながら、針50を直動板110の上部コーナー112の針受け溝112aに支持される位置50bに傾ける。この時、平面図はレバー142とローラー143の位置以外は
図19と同じである。
【0160】
さらに支持部141が下降すると、
図29に示すように、ローラー143は位置143cに下降しながら、かつ回転しながら、針50を直動板110の側面113の針受け溝113aに沿って立ち上げ、位置50cに配備する。こうして、
図18から
図20に示すように、針50は鉛直に立てられる。
【0161】
ステップS17で、メイン制御装置160は、針立て駆動機構144を制御して、針立て機構140をさらに下降させる。支持部141が下降してローラー143が
図29に示す位置143dに下降すると、ローラー143は直動板110の傾斜面114に接触し、針50から離れる。ローラー143が針50から離れる直前に、図示しないクランプ装置がローラー143と直動板110の間から針50をピックアップする。
【0162】
ステップS18で、メイン制御装置160は、針立て駆動機構144を制御して、針立て機構140を上方の移動限度まで上昇させ、レバー142を初期角度に復帰させる(
図35参照)。これにより、ローラー143は直動板110の上方に離れる。針受け溝111aに針50はないが、針分離搬送装置101はステップS15の直後と同じ状態になる。
【0163】
この後、動作はステップS11に戻り、メイン制御装置160は、直動板駆動機構130を制御して、
図33および
図34に示すように、直動板110を針箱120まで水平移動させる。この時、直動板駆動機構130は直動板110を一旦加速した後、定常速度で移動させ。直動板110の上面111の針受け溝111aが針箱120の真下に到着する直前に、直動板駆動機構130は直動板110の移動を減速し、針受け溝111aが針箱120の真下に到着すると、直動板駆動機構130は直動板110の移動を停止する。
【0164】
この実施形態においては、直動板110が針箱120から針受け溝111aに1本ずつ針50を受け取り、針立て機構140まで搬送する。針立て機構140は、針を押圧して、直動板110の側面113に沿うように針50を立ち上げる。したがって、多数の針50から1本ずつ針50を自動的に連続的に分離し、それらの針50の姿勢を自動的に連続的に変更することができる。直動板駆動機構130は、直動板110は往復させるので、次々と針50を針箱120から針立て機構140まで搬送することができる。この実施形態では、回転板10の代わりに直動板110が使用されているので、針分離搬送装置101のサイズを小さくすることができる。
【0165】
第1実施形態では、針箱20と回転板10の間に針が詰まりかけた場合、回転板駆動機構30を停止する停止機構が設けられている(メイン制御装置90、針箱20の移動を検出するスイッチ67、回転板10のトルク(移動抵抗力)を計測するトルク計(抵抗力計)92、および回転板10の回転角度(変位)を計測する角度計(変位計)94)。この実施形態においても、針箱120と直動板110の間に針が詰まりかけた場合、直動板駆動機構130を停止する停止機構を設けてもよい。例えば、針箱120を移動可能にして針箱120の移動を検出するセンサーまたはスイッチを設けて、センサーまたはスイッチの検出に応じて、メイン制御装置160(停止機構)は、直動板駆動機構130を停止してもよい。これに加えてあるいはこれに代えて、抵抗力計162が計測する直動板110の移動抵抗力が閾値を超えると、メイン制御装置160は直動板駆動機構130を停止してもよい。これに加えてあるいはこれに代えて、直動板110の変位を計測する変位計を設け、一定時間内の直動板110の変位が閾値未満であると、メイン制御装置160は直動板駆動機構130を停止してもよい。
【0166】
但し、この実施形態では、針箱120の底壁120cBの上面が傾斜していることにより(
図23および
図24参照)、1本の針50の上に他の針50が交差することが防止または低減されるので、針受け溝111aに収容された針50以外の針50が間隙Cに挟まれるおそれを低減することができる。また、針箱120と直動板110の間の間隙Cを調整するための機構が設けられているので、間隙Cを調整することができ、針受け溝111aに収容された針50以外の針50が間隙Cに挟まれるおそれを低減することができる。さらに、針分離搬送装置101の動作(
図32)において、抵抗力計162で計測された直動板110の移動抵抗力が閾値より大きい場合、ステップS14で、メイン制御装置160は、直動板駆動機構130を制御して、直動板110を水平方向に振動させ、直動板110と針箱120の間の間隙Cに詰まりかけた針50を間隙Cから解放することを試み、再度、直動板110の移動抵抗力が閾値より大きい場合、ステップS14が実行される。
【0167】
したがって、この実施形態では、針受け溝111aに収容された針50以外の針50が間隙Cに挟まれるおそれが最小限化されている。このため、上記の停止機構を省略することができる。
【0168】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照しながら本発明を図示して説明したが、当業者にとって特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、形式および詳細の変更が可能であることが理解されるであろう。このような変更、改変および修正は本発明の範囲に包含されるはずである。
【0169】
例えば、上記の実施形態においては、針立て機構40または140は、回転板10の外周面13または直動板110の側面113を利用して、針50を鉛直な姿勢に立ち上げる。しかし、針50の目標姿勢は必ずしも鉛直でなくてもよい。例えば、回転板10の外周面13は円錐台状の傾斜面であってよく、直動板110の側面113も傾斜面であってよく、針50の目標姿勢は傾いた姿勢であってもよい。
【0170】
上記の実施形態では、針分離搬送装置1および101は、三次元細胞積層技術のための針Nのアレイ(
図1参照)を製造する装置のために使用されるが、針分離搬送装置1または101は他の用途のために使用されてもよい。
【0171】
上記の実施形態では、針50は中実な針であるが、中空な管状の針であってもよい。
【0172】
針分離搬送装置1または101に、閉ループ制御でプロセスを監視するためのカメラを装備してよい。
【0173】
メイン制御装置90または160が実行する機能は、CPUの代わりに、ハードウェアで実行してもよいし、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array),DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルロジックデバイスで実行してもよい。
【0174】
第1実施形態において、針箱20を第2実施形態の針箱120のように、上面が傾斜して一端に針出口が形成された底壁を有するように変形してもよい。この場合、各針50は底壁上を移動する間に、回転板10の上面11の針受け溝11aと平行に揃えられ、多数の針50から1本の針50が回転板10の針受け溝11aに容易に受け入れられる。また、1本の針50の上に他の針50が交差することが防止または低減されるので、針受け溝11aに収容された針50以外の針50が針箱20と回転板10の間の間隙に挟まれるおそれを低減することができる。この場合、針50を針受け溝11aの方向に揃える除電装置26および/または押圧機構(例えばハンマー60)を省略してもよい。
【0175】
第1実施形態において、針立て機構40は、トーションバネ85のバネ力を調整する機構(複数のピン86)を有する。しかし、トーションバネ85が適切なバネ力を発揮するためのトーションバネ85の端部85aの適切な位置が既知であれば、その位置にトーションバネ85の端部85aを配置し、バネ力を調整する機構を省略してもよい。
【0176】
第1実施形態において、回転板10の縦断面は、
図29に示す直動板110の縦断面と同じでもよい。
【0177】
第1実施形態では、針箱20と回転板10の間に針が詰まりかけた場合、回転板駆動機構30を停止する停止機構が設けられている(メイン制御装置90、針箱20の移動を検出するスイッチ67、回転板10のトルク(移動抵抗力)を計測するトルク計(抵抗力計)92、および回転板10の回転角度(変位)を計測する角度計(変位計)94)。しかし、針箱20を第2実施形態の針箱120のように、上面が傾斜して一端に針出口が形成された底壁を有するように変形してもよい。また、針箱20の下面と回転板10の上面の間の間隙を調整してもよい。さらに、回転板10の上面11の針受け溝11aが針箱20の直下にある位置から回転板10が針立て機構40に向けて回転する時、トルク計92で計測された直動板110のトルクが閾値より大きい場合、メイン制御装置90は、回転板駆動機構30を制御して、回転板10を水平方向に振動させ、回転板10と針箱20の間の間隙に詰まりかけた針50を間隙から解放してもよい。これらの改善により、針受け溝11aに収容された針50以外の針50が間隙に挟まれるおそれが最小限化される。このため、上記の停止機構を省略してもよい。
【符号の説明】
【0178】
1 針分離搬送装置
2 ステージ
10 回転板(移動板)
11 上面
12 上部コーナー
13 外周面(側面)
11a,12a,13a 針受け溝
20 針箱
26 除電装置
30 回転板駆動機構(移動板駆動機構)
40 針立て機構
50 針
52 針50の堆積
60 ハンマー(押圧機構)
67 スイッチ(停止機構)
68 ストッパーピン
41 支持部
42 レバー
43 ローラー
85 トーションバネ
86 ピン(バネ力を調整する機構)
90 メイン制御装置(停止機構)
92 トルク計(停止機構、抵抗力計)
94 角度計(停止機構、変位計)
101 針分離搬送装置
102 ステージ
110 直動板(移動板)
111 上面
112 上部コーナー
113 側面
111a,112a,113a 針受け溝
120 針箱
120A 針箱アセンブリ
120cB 底壁
120cB1 第1の端部
120cB2 第2の端部
128 針出口
130 直動板駆動機構(移動板駆動機構)
140 針立て機構
141 支持部
142 レバー
143 ローラー
144 針立て駆動機構
154 トーションバネ
160 メイン制御装置(停止機構)
162 抵抗力計