(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191135
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 333Z
A63F7/02 304D
A63F7/02 315A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022011456
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】天野 輝正
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 臣
(72)【発明者】
【氏名】奥田 康人
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA79
2C088BC16
2C333AA11
2C333CA08
2C333CA16
2C333CA26
2C333CA49
2C333CA79
(57)【要約】
【課題】興趣の低下を抑制すること。
【解決手段】低確非時短状態に比して第2始動口への遊技球の入球率が高い遊技状態には、大当り抽選で大当りに当選したことで制御可能な高確時短状態及び第1低確時短状態と、大当り抽選で大当りに当選しなくても特定条件が成立したことで制御可能な第2低確時短状態と、がある。演出には、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームのうち何れか一方の特別ゲームが実行されたときには実行されないものの、他方の特別ゲームが実行されたときには当該他方の特別ゲームの結果に関係なく実行可能な設定値演出と、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れの特別ゲームが実行されたときであっても実行可能であるものの、当該特別ゲームの結果が特定結果及び非特定結果のうち何れか一方の結果であるときには実行されない一方で他方の結果であるときには実行される状態移行演出と、がある。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段に記憶された情報に基づいて大当り抽選を実行可能であり、前記大当り抽選で大当りに当選した場合には変動ゲームの結果として特定結果を導出して大当り遊技を付与する遊技機において、
開閉部材を有する特定始動口と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
前記演出に関する制御を実行する演出制御手段と、を備え、
前記遊技状態には、非特定状態と、前記非特定状態に比して前記特定始動口への遊技球の入球率が高い特定状態と、が含まれ、
前記特定状態には、前記大当り抽選で大当りに当選したことで制御可能な第1特定状態と、前記大当り抽選で大当りに当選しなくても特定条件が成立したことで制御可能な第2特定状態と、があり、
前記第1特定状態は、当該第1特定状態に制御されてからの変動ゲームの実行回数が第1上限回数に達するまでを上限として制御可能であり、
前記第2特定状態は、当該第2特定状態に制御されてからの変動ゲームの実行回数が第2上限回数に達するまでを上限として制御可能であり、
前記第1特定状態に制御されてから前記第1上限回数目の変動ゲームを第1上限ゲームとする場合において、前記第1上限ゲームの結果として前記特定結果とは異なる非特定結果が導出されたときには当該第1上限ゲームの終了後に前記非特定状態に制御され、
前記第2特定状態に制御されてから前記第2上限回数目の変動ゲームを第2上限ゲームとする場合において、前記第2上限ゲームの結果として前記非特定結果が導出されたときには当該第2上限ゲームの終了後に前記非特定状態に制御され、
前記演出には、
前記第1上限ゲーム及び前記第2上限ゲームのうち何れか一方の変動ゲームが実行されたときには実行されないものの、他方の変動ゲームが実行されたときには当該他方の変動ゲームの結果に関係なく実行可能な特定演出と、
前記第1上限ゲーム及び前記第2上限ゲームの何れの変動ゲームが実行されたときであっても実行可能であるものの、当該変動ゲームの結果が前記特定結果及び前記非特定結果のうち何れか一方の結果であるときには実行されない一方で他方の結果であるときには実行される特別演出と、があることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定演出は、大当り遊技の付与に関する情報として記憶された値を示唆又は報知する演出であり、
前記特別演出は、前記特定状態の終了に関する情報を示唆又は報知する演出である請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定演出は、前記第1上限ゲームが実行されたときに実行される一方、前記第2上限ゲームが実行されたときに実行されない請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特定演出は、前記第1上限ゲームの結果によって実行期間が異なる請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第1上限ゲームの結果に関係なく前記第1特定状態は終了するが、前記第1上限ゲームの結果が前記非特定結果であるときには前記特別演出が実行される一方、前記第1上限ゲームの結果が前記特定結果であるときには前記特別演出が実行されず、
前記第2上限ゲームの結果に関係なく前記第2特定状態は終了するが、前記第2上限ゲームの結果が前記非特定結果であるときには前記特別演出が実行される一方、前記第2上限ゲームの結果が前記特定結果であるときには前記特別演出が実行されない請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機には、例えば、特許文献1に記載されたパチンコ遊技機のように、記憶手段に記憶された情報(一例として設定値)に基づいて大当り抽選が行われるものがある。また、パチンコ遊技機には、例えば、特許文献2に記載されたパチンコ遊技機のように、大当り抽選に当選して大当りとなることによって、通常状態に比して有利な状態に制御されるものがある。そして、今日では、大当りとならなくても通常状態から有利な状態に制御可能に構成されているものもある。例えば、通常状態から有利な状態に制御可能なパチンコ遊技機は、有利な状態における変動ゲームの実行回数が所定の上限回数に達すると通常状態に制御されるように構成されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-068904号公報
【特許文献2】特開2019-115547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遊技機において、遊技者は、有利な状態における変動ゲームの実行回数が所定の上限回数に近づくにつれて有利な状態が終了することに対する不安感を高めることが考えられる。そして、遊技者は、所定の上限回数目の変動ゲームにおいて更に不安感を高めることにより興趣を低下させることが考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、記憶手段に記憶された情報に基づいて大当り抽選を実行可能であり、前記大当り抽選で大当りに当選した場合には変動ゲームの結果として特定結果を導出して大当り遊技を付与する遊技機において、開閉部材を有する特定始動口と、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出に関する制御を実行する演出制御手段と、を備え、前記遊技状態には、非特定状態と、前記非特定状態に比して前記特定始動口への遊技球の入球率が高い特定状態と、が含まれ、前記特定状態には、前記大当り抽選で大当りに当選したことで制御可能な第1特定状態と、前記大当り抽選で大当りに当選しなくても特定条件が成立したことで制御可能な第2特定状態と、があり、前記第1特定状態は、当該第1特定状態に制御されてからの変動ゲームの実行回数が第1上限回数に達するまでを上限として制御可能であり、前記第2特定状態は、当該第2特定状態に制御されてからの変動ゲームの実行回数が第2上限回数に達するまでを上限として制御可能であり、前記第1特定状態に制御されてから前記第1上限回数目の変動ゲームを第1上限ゲームとする場合において、前記第1上限ゲームの結果として前記特定結果とは異なる非特定結果が導出されたときには当該第1上限ゲームの終了後に前記非特定状態に制御され、前記第2特定状態に制御されてから前記第2上限回数目の変動ゲームを第2上限ゲームとする場合において、前記第2上限ゲームの結果として前記非特定結果が導出されたときには当該第2上限ゲームの終了後に前記非特定状態に制御され、前記演出には、前記第1上限ゲーム及び前記第2上限ゲームのうち何れか一方の変動ゲームが実行されたときには実行されないものの、他方の変動ゲームが実行されたときには当該他方の変動ゲームの結果に関係なく実行可能な特定演出と、前記第1上限ゲーム及び前記第2上限ゲームの何れの変動ゲームが実行されたときであっても実行可能であるものの、当該変動ゲームの結果が前記特定結果及び前記非特定結果のうち何れか一方の結果であるときには実行されない一方で他方の結果であるときには実行される特別演出と、があることを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、前記特定演出は、大当り遊技の付与に関する情報として記憶された値を示唆又は報知する演出であり、前記特別演出は、前記特定状態の終了に関する情報を示唆又は報知する演出であるとよい。
【0007】
上記遊技機について、前記特定演出は、前記第1上限ゲームが実行されたときに実行される一方、前記第2上限ゲームが実行されたときに実行されないとよい。
上記遊技機について、前記特定演出は、前記第1上限ゲームの結果によって実行期間が異なるとよい。
【0008】
上記遊技機について、前記第1上限ゲームの結果に関係なく前記第1特定状態は終了するが、前記第1上限ゲームの結果が前記非特定結果であるときには前記特別演出が実行される一方、前記第1上限ゲームの結果が前記特定結果であるときには前記特別演出が実行されず、前記第2上限ゲームの結果に関係なく前記第2特定状態は終了するが、前記第2上限ゲームの結果が前記非特定結果であるときには前記特別演出が実行される一方、前記第2上限ゲームの結果が前記特定結果であるときには前記特別演出が実行されないとよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、興趣の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】パチンコ遊技機を模式的に示す斜視図である。
【
図4】設定値(設定情報)の一例を示す説明図である。
【
図5】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】(a)~(d)は、変動パターンの一例を示す説明図である。
【
図7】(a)及び(b)は、変動パターンの一例を示す説明図である。
【
図8】(a)及び(b)は、設定値演出の一例を示す模式図である。
【
図9】(a)及び(b)は、確率演出の一例を示す模式図である。
【
図10】(a)及び(b)は、状態移行演出の一例を示す模式図である。
【
図11】(a)及び(b)は、第1上限ゲームにおいて実行される演出の流れの一例を示すタイミングチャートである。
【
図12】(a)及び(b)は、第2上限ゲームにおいて実行される演出の流れの一例を示すタイミングチャートである。
【
図13】(a)及び(b)は、獲得演出の一例を示す模式図である。
【
図14】(a)~(f)は、設定値毎の設定値演出の種類の一例を示す説明図である。
【
図15】(a)及び(b)は、設定値演出が実行されたときにおける演出表示装置EHの表示の一例を示す模式図である。
【
図16】(a)~(f)は、設定値毎の確率演出の種類の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、パチンコ遊技機の実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示す。
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠と、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠と、を含んで構成される。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、枠体11に搭載される。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。パチンコ遊技機10では、発射ハンドルHDの操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技媒体としての遊技球が発射される。つまり、パチンコ遊技機10では、発射ハンドルHDの操作により発射強度が調整されることで、調整された発射強度で遊技球が発射される。
【0012】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、内蔵された発光体を点灯、点滅、及び消灯させる演出(以下、発光演出と示す)を実行する。一例として、装飾ランプLAは、枠体11に設けられる。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行する。一例として、スピーカSPは、枠体11に設けられる。
【0013】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別ゲームは、変動ゲームに相当する。特別図柄変動ゲームには、第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)と、第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)と、がある。第1特別ゲームは、第1変動ゲームの一例である。第2特別ゲームは、第2変動ゲームの一例である。第1特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄の一例である第1特別図柄が確定停止表示される。第2特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄の一例である第2特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、特別ゲームの結果として大当り抽選の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。
【0014】
特別図柄には、特別ゲームの結果として大当り表示結果の一例である大当り図柄と、非大当り表示結果の一例である非大当り図柄と、がある。大当り図柄は、特定結果の一例である。パチンコ遊技機10では、大当り抽選で大当りに当選すると、特別ゲームで大当り図柄が導出され、大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が生起(付与)される。このように、パチンコ遊技機10は、大当り抽選で大当りに当選した場合に特別ゲームの結果として大当り図柄を導出して大当り遊技を付与する。非大当り図柄には、はずれ図柄と、チャンス図柄と、がある。はずれ図柄は、非特定結果の一例である。チャンス図柄は、非特定結果の一例である。パチンコ遊技機10は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合には特別ゲームの結果としてはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかを導出する。
【0015】
パチンコ遊技機10は、第1特別保留表示部13cを備える。第1特別保留表示部13cは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。パチンコ遊技機10は、第2特別保留表示部13dを備える。第2特別保留表示部13dは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。一例として、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限値は、それぞれ4である。
【0016】
パチンコ遊技機10は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、普通ゲームの結果として普通抽選の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。パチンコ遊技機10では、普通抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が導出され、普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が生起(付与)される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、実行が保留されている普通ゲームの回数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。一例として、普通保留数の上限値は、4である。
【0017】
パチンコ遊技機10に備えられた遊技盤YBの前面側には、遊技媒体の一例である遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面視における略中央に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部GHを有する。画像表示部GHは、一例として、液晶パネル及び有機ELパネルなどである。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHの画像表示領域が遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行する。
【0018】
本実施形態において、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPは、それぞれ演出を実行する演出装置であるとともに、これらは演出実行手段の一例である演出装置群DEを構成する。演出実行手段は、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPの全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。
【0019】
パチンコ遊技機10は、入賞口の一例として、第1始動口15を備える。パチンコ遊技機10は、第1始動口15へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(
図5に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、予め定めた個数(一例として3個)の賞球の払出条件が成立する。第1始動口15は、遊技球を入球させることができるように常に開放されている。
【0020】
パチンコ遊技機10は、入賞口の一例として、第2始動口16を備える。第2始動口16は、特定始動口の一例である。パチンコ遊技機10は、第2始動口16へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(
図5に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、予め定めた個数(一例として3個)の賞球の払出条件が成立する。第2始動口16は、遊技球が第2始動口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第2始動口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材17を有する。普通可変部材17は、開閉部材の一例である。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(
図5に示す)。普通可変部材17は、普通当り遊技において開状態に動作される。
【0021】
パチンコ遊技機10は、入賞口の一例として、大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える(
図5に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数(一例として10個)の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な特別可変部材19を備える。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(
図5に示す)。特別可変部材19は、大当り遊技において、開状態に動作される。
【0022】
パチンコ遊技機10は、ゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知する普通始動センサSE4を備える(
図5に示す)。パチンコ遊技機10は、遊技球が普通始動センサSE4によって検知されると、普通ゲームの始動条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しない。パチンコ遊技機10は、入賞口の一例として、普通入賞口26を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口26へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサ(不図示)を備える。パチンコ遊技機10では、遊技球が普通入賞センサによって検知されると、予め定めた個数(一例として1個)の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、アウト口27を備える。アウト口27は、遊技領域YBaの下端部において形成されている。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口18、及び普通入賞口26の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口27から機外へと排出される。
【0023】
上述のように、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの操作量(回動量)に応じて、遊技球の発射強度を調整できる。パチンコ遊技機10では、センター枠Wの左側領域R1及びセンター枠Wの右側領域R2の何れかを流下するように、遊技球を打ち分けることができる。左側領域R1における遊技球の流下経路には、第1始動口15及び普通入賞口26が配設されている。このため、パチンコ遊技機10では、遊技領域YBaのうち、左側領域R1を流下するように遊技球を発射することで、第1始動口15及び普通入賞口26に入球させることが可能である。以下の説明では、遊技球の発射強度のうち遊技球が左側領域R1を流下するように発射される発射強度で遊技球を発射することを「左打ち」と示す。右側領域R2における遊技球の流下経路には、第2始動口16、大入賞口18、及びゲート25が配設されている。このため、パチンコ遊技機10では、遊技領域YBaのうち、右側領域R2を流下するように遊技球を発射することで、第2始動口16、大入賞口18、及びゲート25に入球させることが可能である。以下の説明では、遊技球の発射強度のうち遊技球が右側領域R2を流下するように発射される発射強度で遊技球を発射することを「右打ち」と示す。
【0024】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2始動口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
【0025】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、低確率状態に比して有利な状態となる。
【0026】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、第2始動口16への入球を補助する機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2始動口16への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球状態を備える。複数の入球状態には、非時短状態と、当該非時短状態に比して第2始動口16への単位時間あたりの遊技球の入球率が高い時短状態と、がある。時短状態は、所謂「電サポ状態」、「高ベース状態」である。非時短状態は、所謂「非電サポ状態」、「低ベース状態」である。時短状態及び非時短状態では、第1始動口15への単位時間あたりの遊技球の入球率が同じである。時短状態では、第2始動口16への単位時間あたりの遊技球の入球率が向上して、第1始動口15よりも第2始動口16へ遊技球が入球し易くなる。このため、時短状態では、第2始動口16に遊技球が入球し易いように右打ちすることが推奨される。一方、非時短状態では、第2始動口16への単位時間あたりの遊技球の入球率が時短状態に比して低く、第1始動口15よりも第2始動口16へ遊技球が入球し難いため、左打ちすることが推奨される。パチンコ遊技機10では、入球補助機能が作動すると、入球状態が非時短状態から時短状態に移行する。時短状態は、非時短状態に比して第2始動口16への単位時間あたりの遊技球の入球率が向上し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このように、時短状態は、非時短状態に比して第2始動口16への遊技球の入球に関する有利度が高い。このため、時短状態は、非時短状態に比して有利な状態となる。
【0027】
例えば、時短状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は、複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1制御は、普通ゲームの変動時間を、非時短状態のときよりも短くする制御である。第2制御は、普通抽選における普通当り確率を、非時短状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第3制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、非時短状態のときよりも長くする制御である。なお、第3制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、非時短状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、非時短状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0028】
また、時短状態は、次に説明する第4制御を組み合わせて実現してもよい。第4制御は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)を、非時短状態のときよりも短くする制御である。これにより、時短状態は、非時短状態に比して特別ゲームの平均変動時間が短くなる。特別ゲームの平均変動時間は、単位回数の特別ゲームが実行されたと仮定したときに、単位回数の特別ゲームにおける変動時間の積算時間を、単位回数で除算して求めることができる。時短状態では、非時短状態であるときよりも、単位時間あたりで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。
【0029】
本実施形態において時短状態には、第1時短状態と、第2時短状態と、がある。第1時短状態及び第2時短状態であるときは、第1制御が実行されることによって非時短状態であるときに比して普通ゲームの変動時間が短くなる。第1時短状態であるときは、第2制御が実行されることによって普通抽選における普通当り確率が高確率に変動される。一方、第2時短状態であるときは、普通抽選における普通当り確率が高確率に変動されない。第1時短状態及び第2時短状態であるときは、第3制御が実行されることによって非時短状態であるときに比して1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間が長くなる。第1時短状態及び第2時短状態であるときは、第4制御が実行されることによって非時短状態であるときに比して特別ゲームの平均変動時間が短くなる。
【0030】
図3に示すように、本実施形態において遊技状態には、低確非時短状態と、高確時短状態と、第1低確時短状態と、第2低確時短状態と、が含まれる。低確非時短状態は、確変機能及び入球補助機能の何れも作動しない遊技状態である。低確非時短状態は、非特定状態の一例である。高確時短状態は、確変機能及び入球補助機能の何れも作動する遊技状態である。高確時短状態は、特定状態の一例である。高確時短状態は、第1特定状態の一例である。第1低確時短状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能が作動する遊技状態である。第1低確時短状態は、特定状態の一例である。第1低確時短状態は、第1特定状態の一例である。第2低確時短状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能が作動する遊技状態である。第2低確時短状態は、特定状態の一例である。第2低確時短状態は、第2特定状態の一例である。これに限らず、遊技状態には、確変機能が作動する一方、入球補助機能が作動しない高確非時短状態があってもよい。
【0031】
低確非時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態であるときには、低確率状態に制御される。高確時短状態であるときには、高確率状態に制御される。このため、高確時短状態は、低確非時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態に比して大当りに当選する可能性が高く、有利な遊技状態となる。
【0032】
低確非時短状態であるときには、非時短状態に制御される。高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態であるときには、時短状態に制御される。上述したように、時短状態は、非時短状態に比して右側領域R2における第2始動口16への遊技球の入球に関する有利度が高く、右側領域R2へ遊技球を流下させることが推奨される遊技状態である。つまり、高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態は、低確非時短状態に比して右側領域R2における第2始動口16への遊技球の入球に関する有利度が高く、右側領域R2へ遊技球を流下させることが推奨される遊技状態である。低確非時短状態は、高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態に比して右側領域R2における第2始動口16への遊技球の入球に関する有利度が低く、左側領域R1へ遊技球を流下させることが推奨される遊技状態である。このように、高確時短状態は、低確非時短状態に比して第2始動口16への単位時間あたりの遊技球の入球率が高く、有利な遊技状態である。また、第1低確時短状態は、低確非時短状態に比して第2始動口16への単位時間あたりの遊技球の入球率が高く、有利な遊技状態である。また、第2低確時短状態は、低確非時短状態に比して第2始動口16への単位時間あたりの遊技球の入球率が高く、有利な遊技状態である。
【0033】
高確時短状態及び第1低確時短状態であるときには、第1時短状態に制御される。第2低確時短状態であるときには、第2時短状態に制御される。上述したように、第1時短状態であるときには、第2時短状態であるときに比して普通抽選における普通当り確率が高い。このため、高確時短状態は、第2低確時短状態に比して第2始動口16への単位時間あたりの遊技球の入球率が高く、有利な遊技状態となる。また、第1低確時短状態は、第2低確時短状態に比して第2始動口16への単位時間あたりの遊技球の入球率が高く、有利な遊技状態となる。
【0034】
次に、パチンコ遊技機10における設定変更機能について説明する。
設定変更機能は、大当り遊技の付与に関する情報として大当り確率を定めた情報(設定情報)である設定値を変更して設定可能とする機能である。詳しくは後述するが、パチンコ遊技機10は、RWMクリアスイッチ46及び設定器47(
図5に示す)の操作によって、設定値を変更することが可能な設定変更モードに制御可能に構成されている。設定変更モードでは、RWMクリアスイッチ46の操作により設定値を変更するとともに、設定器47の操作により設定値を設定することが可能である。これにより、本実施形態では、設定変更機能としての機能が実現されている。
【0035】
図4に示すように、パチンコ遊技機10では、大当り確率を定めた設定情報として複数の設定値のうち何れかの設定値を設定可能である。具体的に、パチンコ遊技機10では、複数の設定値として第1設定値から第6設定値までの全6段階のうち何れかの設定値を設定可能である。以下の説明では、「第n設定値が設定されている」ことを、単に[設定n]と示す場合がある(但し、n=1~6)。
【0036】
設定1の大当り確率はK1であり、設定2の大当り確率はK2であり、設定3の大当り確率はK3であり、設定4の大当り確率はK4であり、設定5の大当り確率はK5であり、設定6の大当り確率はK6である。大当り確率K1~K6は、大当り確率K1<K2<K3<K4<K5<K6の順に高確率であり、大当りに当選し易くなっている。大当り確率K1~K6は、
図4に例示される通り、確変機能が作動していない低確率状態であるときの大当り確率と、確変機能が作動している高確率状態であるときの大当り確率と、をセットにしたものである。
【0037】
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。具体的に、パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、大当り図柄ZAと、大当り図柄ZBと、を備える。パチンコ遊技機10では、大当り抽選で大当りに当選したときに大当り図柄乱数を用いて行われる大当り図柄抽選によって、大当り図柄が決定される。以下、大当り図柄ZAに基づく大当り遊技を「第1大当り遊技」、大当り図柄ZBに基づく大当り遊技を「第2大当り遊技」と示す。パチンコ遊技機10では、大当り抽選で大当りに当選し、大当り図柄が大当り図柄ZAであった場合、特別ゲームの結果として大当り図柄ZAが導出された後に第1大当り遊技が生起(付与)される。パチンコ遊技機10では、大当り抽選で大当りに当選し、大当り図柄が大当り図柄ZBであった場合、特別ゲームの結果として大当り図柄ZBが導出された後に第2大当り遊技が生起される。
【0038】
大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めたオープニング時間にわたって大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出が行われる。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様で開放される。大当り遊技は、大入賞口18に遊技球が入球することにより、遊技球を獲得することが可能であり、有利な状態である。
【0039】
第1大当り遊技では、5回を上限としてラウンド遊技が行われる。第2大当り遊技では、10回を上限としてラウンド遊技が行われる。大当り遊技中に得られる獲得出玉数の多少は、出玉を得ることが可能なラウンド遊技の多少と一致する。獲得出玉数は、大入賞口18への入球によって払出された遊技球(賞球)の総数として表してもよいし、払出された遊技球の総数から発射個数を減算して得られる数として表してもよい。以上の構成によれば、第2大当り遊技における獲得出玉数は、第1大当り遊技における獲得出玉数よりも理論値としては多い。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたエンディング時間にわたって大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出が行われる。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0040】
大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機10では、大当り遊技の種類に応じて、大当り遊技の終了後に制御される遊技状態が異なる。
パチンコ遊技機10では、第1大当り遊技の終了後に第1低確時短状態に制御される。つまり、パチンコ遊技機10は、大当り抽選で大当りに当選したことで第1低確時短状態に制御可能である。パチンコ遊技機10では、第1大当り遊技の終了後に第1低確時短状態に制御された後、当該第1低確時短状態に制御されてから第1上限回数(一例として100回)の特別ゲームが終了するまで、又は、次回の大当り遊技が生起されるまでの間にわたって、第1低確時短状態に制御される。パチンコ遊技機10では、第1大当り遊技の終了後に大当り遊技が生起されずに第1上限回数の特別ゲームが終了した場合、低確非時短状態に制御される。また、パチンコ遊技機10では、第1大当り遊技の終了後に第1上限回数の特別ゲームが終了する前に大当り遊技が生起されると、低確非時短状態に制御される。このように、パチンコ遊技機10では、第1大当り遊技の終了後に第1低確時短状態に制御された後、当該第1低確時短状態に制御されてからの特別ゲームの実行回数が第1上限回数に達するまでを上限として第1低確時短状態に制御可能である。
【0041】
パチンコ遊技機10では、第2大当り遊技の終了後に高確時短状態に制御される。つまり、パチンコ遊技機10は、大当り抽選で大当りに当選したことで高確時短状態に制御可能である。パチンコ遊技機10では、第2大当り遊技の終了後に高確時短状態に制御された後、当該高確時短状態に制御されてから第1上限回数(一例として100回)の特別ゲームが終了するまで、又は、次回の大当り遊技が生起されるまでの間にわたって、高確時短状態に制御される。パチンコ遊技機10では、第2大当り遊技の終了後に大当り遊技が生起されずに第1上限回数の特別ゲームが終了した場合、低確非時短状態に制御される。また、パチンコ遊技機10では、第2大当り遊技の終了後に第1上限回数の特別ゲームが終了する前に大当り遊技が生起されると、低確非時短状態に制御される。このように、パチンコ遊技機10では、第2大当り遊技の終了後に高確時短状態に制御された後、当該高確時短状態に制御されてからの特別ゲームの実行回数が第1上限回数に達するまでを上限として高確時短状態に制御可能である。
【0042】
その他、パチンコ遊技機10では、大当り抽選で大当りに当選しなくても遊技状態が移行する場合がある。
パチンコ遊技機10では、所定期間Ta内における特別ゲームの実行回数が規定回数Ka(一例として500回)に達したことを契機に第2低確時短状態に制御される。具体的に、パチンコ遊技機10では、大当り遊技が終了した後、大当り遊技が付与されずに確率状態が低確率状態であるときに実行された特別ゲームの実行回数が規定回数Kaに達したことを契機に第2低確時短状態に制御される。つまり、パチンコ遊技機10では、第1大当り遊技が終了した後、大当り遊技が付与されることなく特別ゲームの実行回数が規定回数Kaに達したことを契機に第2低確時短状態に制御される。同様に、パチンコ遊技機10では、第2大当り遊技が終了した後、大当り遊技が付与されることなく特別ゲームの実行回数が600回に達したことを契機に第2低確時短状態に制御される。第2大当り遊技が終了した後には、第1上限回数(一例として100回)の特別ゲームの実行回数を上限として確率状態が高確率状態に制御可能である。よって、第2大当り遊技が終了した後には、規定回数Kaに第1上限回数を加算した回数の特別ゲームが実行されたことを契機に第2低確時短状態に制御される。本実施形態において所定期間Taは、確率状態が低確率状態であって、大当り遊技が終了してから第2低確時短状態に制御するまで、又は、大当り遊技が終了してから次回の大当り遊技が付与されるまでの期間である。本実施形態において、所定期間Ta内において特別ゲームの実行回数が規定回数Kaに達することは、特定条件の一例となる。このように、パチンコ遊技機10は、大当り抽選で大当りに当選しなくても特定条件が成立したことで第2低確時短状態に制御可能である。
【0043】
パチンコ遊技機10では、所定期間Ta内において特別ゲームの実行回数が規定回数Kaに達して第2低確時短状態に制御された後、当該第2低確時短状態に制御されてから第2上限回数(一例として700回)の特別ゲームが終了するまで、又は、次回の大当り遊技が生起されるまでの間にわたって、第2低確時短状態に制御される。パチンコ遊技機10では、所定期間Ta内において特別ゲームの実行回数が規定回数Kaに達して第2低確時短状態に制御された後、大当り遊技が生起されずに第2上限回数の特別ゲームが終了した場合、低確非時短状態に制御される。また、パチンコ遊技機10では、所定期間Ta内において特別ゲームの実行回数が規定回数Kaに達して第2低確時短状態に制御された後、第2上限回数の特別ゲームが終了する前に大当り遊技が生起されると、低確非時短状態に制御される。このように、パチンコ遊技機10は、所定期間Ta内において特別ゲームの実行回数が規定回数Kaに達して第2低確時短状態に制御された後、当該第2低確時短状態に制御されてからの特別ゲームの実行回数が第2上限回数に達するまでを上限として第2低確時短状態に制御可能である。
【0044】
パチンコ遊技機10では、特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されたことに基づいて第2低確時短状態に制御される場合がある。具体的に、入球状態が非時短状態であるときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出された場合には、当該チャンス図柄が導出されたことに基づいて第2低確時短状態に制御される。一方、入球状態が時短状態であるときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出された場合には、当該チャンス図柄が導出されたことに基づいて第2低確時短状態に制御されない。なお、パチンコ遊技機10では、入球状態が非時短状態であるときに特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出されたことに基づいて第2低確時短状態に制御されない。本実施形態において、入球状態が非時短状態であるときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されることは、特定条件の一例となる。このように、パチンコ遊技機10は、大当り抽選で大当りに当選しなくても特定条件が成立したことで第2低確時短状態に制御可能である。
【0045】
パチンコ遊技機10では、入球状態が非時短状態であるときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されて第2低確時短状態に制御された後、当該第2低確時短状態に制御されてから第2上限回数(一例として700回)の特別ゲームが終了するまで、又は、次回の大当り遊技が生起されるまでの間にわたって、第2低確時短状態に制御される。パチンコ遊技機10では、入球状態が非時短状態であるときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されて第2低確時短状態に制御された後、大当り遊技が生起されずに第2上限回数の特別ゲームが終了した場合、低確非時短状態に制御される。また、パチンコ遊技機10では、入球状態が非時短状態であるときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されて第2低確時短状態に制御された後、第2上限回数の特別ゲームが終了する前に大当り遊技が生起されると、低確非時短状態に制御される。このように、パチンコ遊技機10は、入球状態が非時短状態であるときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されて第2低確時短状態に制御された後、当該第2低確時短状態に制御されてからの特別ゲームの実行回数が第2上限回数に達するまでを上限として第2低確時短状態に制御可能である。
【0046】
演出表示装置EHが実行可能な表示演出について説明する。
演出表示装置EHでは、表示演出の一例として、演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄は、「飾り図柄」や「装飾図柄」ともいわれる。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0047】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当り図柄組合せが導出される。大当り図柄組合せは、「777」などのように、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、非大当り図柄組合せが導出される。同様に、特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、非大当り図柄組合せが導出される。非大当り図柄組合せは、一例として、「738」や「787」などのように、少なくとも一部の図柄列の演出図柄が他の図柄列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。なお、特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出される場合に演出ゲームにおいて導出される非大当り図柄組合せと、特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出される場合に演出ゲームにおいて導出される非大当り図柄組合せとは、一部又は全部が同じであってもよいし、全部が異なっていてもよい。
【0048】
本実施形態において、演出ゲームでは、リーチが形成されると、リーチ演出が実行される。リーチは、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。一例として、本実施形態では、左図柄列及び右図柄列が特定の図柄列に相当し、中図柄列が他の図柄列に相当する。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、当該ノーマルリーチ演出に比して大当り期待度が高いスーパーリーチ演出と、が含まれる。大当り期待度は、非大当りの場合の出現率と大当りの場合の出現率を合算した全体出現率に対する大当りの場合の出現率の割合によって算出することができる。つまり、大当り期待度は、特別ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率であるともいえる。
【0049】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40と、副制御基板50と、電源ユニット60と、を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。主制御基板40は、各種の制御を行うとともに、各種の制御情報(制御コマンド)を出力する。副制御基板50は、主制御基板40が出力する各種の制御コマンドに基づいて、演出実行手段の一例である演出装置群DEの制御を行う。
【0050】
まず、主制御基板40について説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主CPU42と示す)と、記憶部と、を備える。主CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種の処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ、情報の書込みが不能なROM領域(以下、主ROM43と示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRWM領域(以下、主RWM44と示す)と、が含まれる。
【0051】
主ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主ROM43は、記憶手段の一例である。主ROM43は、大当り抽選で大当りに当選したか否かの判定に用いられる大当り判定値を記憶している。なお、主ROM43は、設定値毎に異なる大当り判定値を記憶している。また、主ROM43は、確率状態毎に異なる大当り判定値を記憶している。主ROM43は、大当り図柄抽選に用いられる大当り図柄判定値を記憶している。主ROM43は、チャンス抽選に用いられる特定契機判定値を記憶している。チャンス抽選は、特別ゲームにおいてチャンス図柄を確定停止表示させるか否かを決める抽選である。主ROM43は、演出抽選に用いられる演出判定値を記憶している。演出抽選は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合にリーチ演出を実行するか否かを決める抽選である。
【0052】
主ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動内容)の少なくとも一部を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、チャンス変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、最終的に大当り図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、最終的に非大当り図柄組合せを導出する変動パターンである。チャンス変動パターンは、最終的に非大当り図柄組合せを導出する変動パターンである。
【0053】
変動パターンには、第1時短状態であるときに決定可能な変動パターンと、第2時短状態であるときに決定可能な変動パターンと、非時短状態であるときに決定可能な変動パターンと、がある。第1時短状態であるときに決定可能な変動パターンと、第2時短状態であるときに決定可能な変動パターンとでは、一部又は全部が異なる。第1時短状態であるときに決定可能な変動パターンと、非時短状態であるときに決定可能な変動パターンとでは、一部又は全部が異なる。第2時短状態であるときに決定可能な変動パターンと、非時短状態であるときに決定可能な変動パターンとでは、一部又は全部が異なる。第1時短状態であるときに決定可能な変動パターンに定められた変動時間は、非時短状態であるときに決定可能な変動パターンに定められた変動時間に比して、短い、又は、短いことが多い。第2時短状態であるときに決定可能な変動パターンに定められた変動時間は、非時短状態であるときに決定可能な変動パターンに定められた変動時間に比して、短い、又は、短いことが多い。つまり、時短状態は、非時短状態に比して特別ゲームの平均変動時間が短い。よって、高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態は、低確非時短状態に比して特別ゲームの平均変動時間が短くなる。
【0054】
主RWM44は、主CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。主RWM44は、記憶手段の一例である。例えば、主RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主CPU42、主ROM43、主RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0055】
主制御基板40は、センサSE1~SE4と接続されている。主CPU42は、センサSE1~SE4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御基板40は、表示部13a~13fと接続されている。主CPU42は、表示部13a~13fの表示内容を制御可能に構成されている。主制御基板40は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主CPU42は、ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することによって、可変部材17,19の動作を制御可能に構成されている。
【0056】
主制御基板40は、RWMクリアスイッチ46と、設定器47と、表示器48と、を備える。RWMクリアスイッチ46は、押し込み操作を可能に構成されたボタンを備える。RWMクリアスイッチ46は、押し込み操作をしたときにはオン状態となる。一方、RWMクリアスイッチ46は、押し込み操作をしていないときにはオフ状態となる。RWMクリアスイッチ46の操作は、例えば遊技店の管理者による人的操作である。設定器47は、図示しない設定キー(鍵)を挿し込む鍵穴を有する円柱状のシリンダを備える。設定器47は、設定キーを鍵穴に挿し込んだ状態で所定の方向へ回動させたオン状態と、前記所定の方向へ回動させていないオフ状態のうち、何れかの操作状態に切り替える操作を可能に構成されている。そして、設定器47は、設定キーを用いた切り替え後の操作状態(オン状態又はオフ状態)を、人的操作なしに戻ることなく、そのまま維持するように構成されている。なお、設定器47は、オフ状態に切り替えた操作状態でなければ、鍵穴から設定キーを抜くことができないように構成されている。表示器48は、7セグメントLEDを備える。表示器48は、その時点において内部的に設定されている設定値を表示可能である。
【0057】
主CPU42は、RWMクリアスイッチ46と接続されている。主CPU42は、RWMクリアスイッチ46がオン状態に操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主CPU42は、設定器47と接続されている。主CPU42は、設定器47がオン状態に操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主CPU42は、表示器48と接続されている。主CPU42は、表示器48の表示内容を制御可能に構成されている。
【0058】
副制御基板50について説明する。
副制御基板50は、副CPU51と、副ROM52と、副RWM53と、を備える。副CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副CPU51は、主CPU42から入力した制御コマンドに基づいて演出の実行に関する処理を実行する。副ROM52は、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データなどを記憶している。
【0059】
副RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0060】
副制御基板50は、演出表示装置EHと接続されている。副CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御基板50は、装飾ランプLAと接続されている。副CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御基板50は、スピーカSPと接続されている。副CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。副CPU51は、演出実行手段としての演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAにおいて実行可能な演出に関する制御を実行する演出制御手段の一例である。
【0061】
次に、電源ユニット60について説明する。
電源ユニット60は、電源スイッチ60aを備える。電源スイッチ60aは、オン状態及びオフ状態の何れかに切り替える操作が可能であって、切り替え後の操作状態を維持するように構成されている。本実施形態では、外部電源からパチンコ遊技機10へ電力が供給されている状態において、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にすると、各制御基板40,50に電力が供給される。そして、本実施形態では、外部電源からパチンコ遊技機10へ電力が供給されている状態において、電源スイッチ60aをオン状態からオフ状態に操作にすると、各制御基板40,50に電力が遮断される。したがって、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをオン状態に操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にする。本明細書において、「電源投入する」ことは、電源スイッチ60aを操作するなどして、各制御基板40,50に対して電力が供給されている状態にすることを意味し、「電源を遮断(電源断)する」ことは、各制御基板40,50に対して電力が供給されていない状態にすることを意味する。
【0062】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が停止した場合でも遊技制御に関する各種情報を内部的に保持(バックアップ)しておき、電力供給が開始されたときに、保持している各種情報に基づいて遊技制御を復帰する機能である。
【0063】
本実施形態のパチンコ遊技機10において、主RWM44は、電源断がされても、電源断がされたときに記憶している各種情報を所定の期間にわたって保持可能に構成されている。例えば、主RWM44は、電源ユニット60に搭載された図示しないバックアップ用電源(一例として電気二重層コンデンサ)から供給される電力によって、電源断がされた後にも各種情報を保持するとよい。例えば、主RWM44は、電力の供給を受けない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも各種情報を保持するようになっていてもよい。
【0064】
本実施形態では、主RWM44に記憶されている全ての情報がバックアップの対象となる。一例として、主RWM44におけるバックアップの対象となる各種情報には、遊技の進行に関する遊技情報と、設定値に関する設定情報と、が含まれている。例えば、遊技情報には、特別ゲームに関する情報と、大当り遊技に関する情報と、遊技状態に関する情報と、賞球の払出しに関する情報と、を含む。特別ゲームに関する情報としては、例えば第1特別保留数及び第2特別保留数を特定可能な情報、各種の乱数情報、大当り抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報としては、確変機能、及び入球補助機能の作動状況を特定可能な情報などである。賞球の払出しに関する情報としては、未払出しの賞球数を特定可能な情報などである。
【0065】
本実施形態のパチンコ遊技機10において、副RWM53は、電源断がされても、電源断がされたときに記憶している各種情報を所定の期間にわたって保持可能に構成されている。例えば、副RWM53は、電源ユニット60に搭載された図示しないバックアップ用電源から供給される電力によって、電源断がされた後にも各種情報を保持するとよい。例えば、主RWM44は、電力の供給を受けない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも各種情報を保持するようになっていてもよい。本実施形態では、副RWM53に記憶されている全ての情報がバックアップの対象となる。
【0066】
次に、電源投入処理について説明する。
主CPU42は、電源投入時の起動処理によって起動すると、最初に電源投入処理を実行する。電源投入処理では、電源投入時のRWMクリアスイッチ46及び設定器47の操作状態に応じて、設定制御モード(設定変更モード及び設定確認モード)への移行の有無、及び主RWM44の初期化の有無が制御される。以下、詳細に説明する。
【0067】
主CPU42は、RWMクリアスイッチ46がオン状態に操作されており、且つ、設定器47がオン状態に操作されている場合、主RWMクリア処理を実行する。主RWMクリア処理において、主CPU42は、バックアップされている遊技情報を初期化する一方、設定情報を初期化しない。主CPU42は、主RWMクリア処理を実行した場合、遊技情報を初期化したことを特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。次に、主CPU42は、設定変更モードへ移行する。主CPU42は、設定変更モードへ移行すると、設定変更モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、設定変更開始コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
【0068】
主CPU42は、設定変更モードへ移行すると、主RWM44に記憶されている設定値(設定情報)を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器48を制御する。設定変更モードにおいて、主CPU42は、RWMクリアスイッチ46が操作される毎に、設定している設定値を、[設定1]→[設定2]→…→[設定5]→[設定6]→[設定1]→…とループするように変更する。主CPU42は、RWMクリアスイッチ46の操作を契機に設定値を変更する毎に、変更後の設定値を報知する表示を行うように表示器48を制御する。
【0069】
主CPU42は、設定変更モードにおいて、設定器47がオフ状態に操作されると、その時点において設定している設定値を確定する。主CPU42は、設定値を確定すると、確定した設定値を特定可能な情報として設定情報を主RWM44に記憶させる。このように、主RWM44に記憶されている設定情報は、設定されている設定値を特定可能な情報である。その後、主CPU42は、設定変更モードを終了する。主CPU42は、設定変更モードを終了すると、確定した設定値を特定可能な制御コマンド(以下、設定値コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。また、主CPU42は、設定変更モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、設定変更終了コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。そして、主CPU42は、電源投入処理を終了する。
【0070】
主CPU42は、RWMクリアスイッチ46がオフ状態であり、且つ、設定器47がオン状態に操作されている場合、バックアップされている各種情報が正常であるか否かを判定する。一例として、バックアップされている各種情報が正常であるか否かの判定は、バックアップフラグの状態判定、及び、チェックサムの一致判定によって行われる。バックアップされている各種情報が正常でない場合、主CPU42は、主RWMクリア処理を実行するとともに、初期化コマンドを副制御基板50に出力する。バックアップされている各種情報が正常である場合、主CPU42は、主RWMクリア処理を実行しない。次に、主CPU42は、設定確認モードへ移行する。主CPU42は、設定確認モードへ移行すると、設定確認モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、設定確認開始コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
【0071】
主CPU42は、設定確認モードへ移行すると、主RWM44に記憶されている設定値を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器48を制御する。設定確認モードにおいて、主CPU42は、RWMクリアスイッチ46が操作されても、設定値を変更せず、表示器48の表示内容も変化させない。主CPU42は、設定確認モードにおいて、設定器47がオフ状態に操作されると、設定確認モードを終了する。主CPU42は、設定確認モードを終了すると、その時点において設定している設定値を特定可能な設定値コマンドを副制御基板50に出力する。また、主CPU42は、設定確認モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、確認終了コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。そして、主CPU42は、電源投入処理を終了する。
【0072】
主CPU42は、RWMクリアスイッチ46がオン状態に操作されており、且つ、設定器47がオフ状態である場合、主RWMクリア処理を実行するとともに、初期化コマンドを副制御基板50に出力する。その後、主CPU42は、設定変更モード及び設定確認モードへ移行することなく電源投入処理を終了する。このとき、主CPU42は、その時点において設定している設定値を特定可能な設定値コマンドを副制御基板50に出力する。
【0073】
主CPU42は、RWMクリアスイッチ46がオフ状態であり、且つ、設定器47がオフ状態である場合、主RWMクリア処理を実行しない。そして、主CPU42は、設定変更モード及び設定確認モードへ移行することなく、電源投入処理を終了する。このとき、主CPU42は、その時点において設定している設定値を特定可能な設定値コマンドを副制御基板50に出力する。電源投入処理を終了した場合、主CPU42は、遊技の進行に関する処理が実行されるタイマ割り込み処理の実行を許可する。
【0074】
次に、主制御基板40の主CPU42が行う各種の処理について説明する。
主CPU42は、所定の周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、大当り遊技処理、普通図柄入力処理、普通図柄開始処理、及び普通当り遊技処理を実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに格納された制御情報(制御コマンド)は、タイマ割り込み処理として実行される情報出力処理によって副制御基板50へ出力される。
【0075】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主CPU42は、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口15へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口15へ入球した場合、主CPU42は、主RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主CPU42は、第1特別保留数を1加算して更新する。続けて、主CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。主CPU42は、第1特別保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第1保留コマンドと示す)を出力バッファに格納する。このように、第1特別ゲームの始動条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0076】
次に、主CPU42は、乱数回路45が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、大当り抽選に用いる特別当り乱数、大当り図柄の決定に用いる大当り図柄乱数、変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数、及び演出抽選に用いる演出判定乱数などである。主CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主RWM44に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。つまり、パチンコ遊技機10は、第1始動口15へ遊技球が入球したことに基づいて第1特別ゲームの実行を保留可能に構成されている。
【0077】
第1特別ゲーム用の乱数情報を主RWM44に記憶させた場合、第1始動口15へ遊技球が入球していない場合、及び第1特別保留数が上限数未満でない場合、主CPU42は、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口16へ入球したか否かを判定する。第2始動口16へ遊技球が入球していない場合、主CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。遊技球が第2始動口16へ入球している場合、主CPU42は、主RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満でない場合、主CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主CPU42は、第2特別保留数を1加算して更新する。主CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。主CPU42は、第2特別保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第2保留コマンドと示す)を出力バッファに格納する。このように、第2特別ゲームの始動条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0078】
次に、主CPU42は、乱数回路45が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM44に記憶させる。主CPU42は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主RWM44に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。つまり、パチンコ遊技機10は、第2始動口16へ遊技球が入球したことに基づいて第2特別ゲームの実行を保留可能に構成されている。その後、主CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。
【0079】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主CPU42は、特別ゲームが実行不能であるか否かを判定する。主CPU42は、大当り遊技中ではなく、且つ、特別ゲームの実行中でない場合に否定判定する。一方、主CPU42は、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に肯定判定する。特別ゲームを実行不能である場合、主CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの実行可能である場合、主CPU42は、第2特別保留数が1以上であるか否かを判定する。第2特別保留数が1以上でない場合、主CPU42は、第1特別保留数が1未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が1未満である場合、主CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0080】
第1特別保留数が1未満でない場合、主CPU42は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主CPU42は、第1特別保留数を1減算して更新する。主CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。そして、主CPU42は、大当り抽選を行う。具体的に、主CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主RWM44から取得する。続けて、主CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数及び大当り判定値を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。一例として、特別当り乱数の取り得る数値は、0~65535である。
【0081】
主CPU42は、設定されている設定値と、現在の確率状態と、に基づいて大当り抽選を行う。つまり、主CPU42は、
図4に例示される通り、設定値に基づいた大当り確率にて大当りに当選するように大当り抽選を行う。具体的に、主CPU42は、主RWM44に記憶されている設定情報によって設定されている設定値を特定する。主CPU42は、特定した設定値と、現在の確率状態と、に基づいた大当り判定値を用いて大当り抽選を行う。例えば、設定1であり、且つ、確率状態が低確率状態である場合、主CPU42は、取得した特別当り乱数の数値が、設定1の低確率状態の大当り判定値(一例として204)以下の数値(0~204)であるとき、大当りと判定する。つまり、設定1であり、且つ、確率状態が低確率状態である場合の大当り確率は、「205÷65536」となる。例えば、設定1であり、且つ、確率状態が高確率状態である場合、主CPU42は、取得した特別当り乱数の数値が、設定1の高確率状態の大当り判定値(一例として1023)以下の数値(0~1023)であるとき、大当りと判定する。つまり、設定1であり、且つ、確率状態が高確率状態である場合の大当り確率は、「1024÷65536」となる。例えば、設定6であり、且つ、確率状態が低確率状態である場合、主CPU42は、取得した特別当り乱数の数値が、設定6の低確率状態の大当り判定値(一例として272)以下の数値(0~272)であるとき、大当りと判定する。つまり、設定6であり、且つ、確率状態が低確率状態である場合の大当り確率は、「273÷65536」となる。例えば、設定6であり、且つ、確率状態が高確率状態である場合、主CPU42は、取得した特別当り乱数の数値が、設定6の高確率状態の大当り判定値(一例として1364)以下の数値(0~1364)であるとき、大当りと判定する。つまり、設定6であり、且つ、確率状態が高確率状態である場合の大当り確率は、「1365÷65536」となる。なお、設定2~設定5についても、
図4に例示される大当り確率となるように、それぞれ大当り判定値が予め定められている。そして、主CPU42は、設定されている設定値を特定可能な情報(設定情報)と、当該設定値に基づいた大当り判定値と、によって大当り抽選を行う。このように、パチンコ遊技機10は、主RWM44に記憶された情報に基づいて大当り抽選を実行可能である。
【0082】
大当りに当選した場合、主CPU42は、大当りゲーム処理を行う。大当りゲーム処理において、主CPU42は、乱数情報から特定可能な大当り図柄乱数及び大当り図柄判定値を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。なお、大当り図柄判定値は、設定値に関わらず同じ値である。これに限らず、大当り図柄判定値は、設定値に基づいて、それぞれ異なる値であってもよい。主CPU42は、変動パターンテーブルの種類を決定した後に当該決定した変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定する処理(以下、変動パターン決定処理と示す)を実行する。変動パターン決定処理については、後述する。主CPU42は、変動パターン決定処理を実行することによって、大当り変動パターンを決定する。その後、主CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0083】
大当りに当選しなかった場合、主CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数及び特定契機判定値を用いて、チャンス抽選を行う。本実施形態において、チャンス抽選に用いられる乱数情報は、大当り抽選に用いられる乱数情報と同じである。そして、特定契機判定値は、大当り抽選及びチャンス抽選において用いられる乱数情報が取り得る範囲内の値の中でも、大当り判定値として定められた値とは異なる。これに限らず、主CPU42は、大当り抽選に用いられる乱数情報と異なる乱数情報及び特定契機判定値を用いて、チャンス抽選を行ってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10におけるチャンス抽選に当選する確率は、大当り抽選に当選する確率よりも低い。一例として、チャンス抽選に当選する確率は、設定1~設定6の何れにおいても1/400である。
【0084】
チャンス抽選に当選した場合、主CPU42は、チャンスゲーム処理を行う。チャンスゲーム処理において、主CPU42は、第1特別ゲームにて導出させるチャンス図柄を決定する。本実施形態において、チャンス図柄は、1種類である。主CPU42は、変動パターン決定処理を実行することによって、チャンス変動パターンを決定する。その後、主CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0085】
チャンス抽選に当選しなかった場合、主CPU42は、はずれゲーム処理を行う。はずれゲーム処理において、主CPU42は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。主CPU42は、演出抽選を行い、リーチ演出を実行するか否かを決定する。主CPU42は、変動パターン決定処理を実行することによって、はずれ変動パターンを決定する。その後、主CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0086】
第2特別保留数が1以上である場合、主CPU42は、第2特別ゲームを実行させる処理を行う。第2特別ゲームを実行させる処理は、第1特別ゲームを実行させる処理について「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、「第1特別保留表示部13c」を「第2特別保留表示部13d」に、「第1始動口15」を「第2始動口16」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主CPU42は、第2特別保留数の減算、大当り抽選、チャンス抽選、及び大当り抽選とチャンス抽選の結果に基づく何れかのゲーム処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主CPU42が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、第1始動口15又は第2始動口16への遊技球の入球を契機に大当り抽選とチャンス抽選を行う。
【0087】
変動パターン決定処理について、説明する。
変動パターン決定処理において、主CPU42は、制御されている遊技状態と、大当り遊技が終了した後における特別ゲームの実行回数(以下、大当り後回数と示す)と、第2特別保留数と、に基づいて変動パターンテーブルを決定する。大当り後回数は、大当り遊技が終了した後において、大当り遊技が付与されることなく開始された特別ゲームの回数である。なお、主CPU42は、特別図柄開始処理において、大当り遊技中ではなく、且つ、特別ゲームの実行中でないと判定すると大当り後回数を1加算する。
【0088】
低確非時短状態に制御されている場合、主CPU42は、大当り後回数及び第2特別保留数にかかわらず変動パターンテーブルHTB01を決定する。これに限らず、低確非時短状態に制御されている場合、主CPU42は、大当り後回数及び第2特別保留数に応じて異なる変動パターンテーブルを決定してもよい。
【0089】
第1低確時短状態に制御されており、大当り後回数が第1上限回数未満であり、且つ、第2特別保留数が2以下である場合、主CPU42は、変動パターンテーブルHTB02を決定する。第1低確時短状態に制御されており、大当り後回数が第1上限回数未満であり、且つ、第2特別保留数が3以上である場合、主CPU42は、変動パターンテーブルHTB03を決定する。第1低確時短状態に制御されており、大当り後回数が第1上限回数である場合、主CPU42は、第2特別保留数にかかわらず変動パターンテーブルHTB04を決定する。
【0090】
高確時短状態に制御されており、大当り後回数が第1上限回数未満であり、且つ、第2特別保留数が2以下である場合、主CPU42は、変動パターンテーブルHTB02を決定する。高確時短状態に制御されており、大当り後回数が第1上限回数未満であり、且つ、第2特別保留数が3以上である場合、主CPU42は、変動パターンテーブルHTB03を決定する。高確時短状態に制御されており、大当り後回数が第1上限回数である場合、主CPU42は、第2特別保留数にかかわらず変動パターンテーブルHTB04を決定する。
【0091】
このように、第1低確時短状態又は高確時短状態に制御されている場合、大当り遊技が終了した後における第1上限回数未満の回数目(一例として1回目~99回目)の特別ゲームが実行されるときには、変動パターンテーブルHTB02又は変動パターンテーブルHTB03が決定される。一方、第1低確時短状態又は高確時短状態に制御されている場合、大当り遊技が終了した後において第1上限回数目(一例として100回目)の特別ゲームが実行されるときには、変動パターンテーブルHTB04が決定される。つまり、第1低確時短状態に制御されている場合には、第1低確時短状態に制御された後における特別ゲームの実行回数によって、変動パターンテーブルHTB02~HTB04の何れかが決定される。同様に、高確時短状態に制御されている場合には、高確時短状態に制御された後における特別ゲームの実行回数によって、変動パターンテーブルHTB02~HTB04の何れかが決定される。
【0092】
第2低確時短状態に制御されており、且つ、第2特別保留数が2以下である場合、主CPU42は、大当り後回数にかかわらず変動パターンテーブルHTB05を決定する。第2低確時短状態に制御されており、且つ、第2特別保留数が3以上である場合、主CPU42は、大当り後回数にかかわらず変動パターンテーブルHTB06を決定する。
【0093】
このように、第2低確時短状態に制御されている場合、第2低確時短状態に制御された後における第2上限回数未満の回数目(一例として1回目~699回目)の特別ゲームが実行されるときには、変動パターンテーブルHTB04又は変動パターンテーブルHTB05が決定される。また、第2低確時短状態に制御されている場合、第2低確時短状態に制御された後における第2上限回数目(一例として700回目)の特別ゲームが実行されるときには、変動パターンテーブルHTB04又は変動パターンテーブルHTB05が決定される。つまり、第2低確時短状態に制御されている場合には、第2低確時短状態に制御された後における特別ゲームの実行回数にかかわらず、変動パターンテーブルHTB04又は変動パターンテーブルHTB05が決定される。
【0094】
図6(a)~(d)、
図7(a)、及び
図7(b)に示すように、主CPU42は、決定した変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定する。加えて、主CPU42は、決定した特別図柄と、演出抽選の結果と、に基づいて変動パターンを決定する。変動パターンには、複数の種類がある。そして、複数の変動パターンには、それぞれ特別ゲームの変動時間が予め定められている。
【0095】
例えば、変動パターンテーブルHTB01を決定して、特別図柄がはずれ図柄であり、且つ、演出抽選に当選しなかった場合、主CPU42は、変動パターンHP11を決定する。例えば、変動パターンテーブルHTB01を決定して、特別図柄がはずれ図柄であり、且つ、演出抽選に当選した場合、主CPU42は、変動パターンHP12及び変動パターンHP13の何れかを決定する。この場合、主CPU42は、変動パターンHP12及び変動パターンHP13の何れにするかを抽選によって決定する。例えば、変動パターンテーブルHTB01を決定して、特別図柄がチャンス図柄である場合、主CPU42は、変動パターンHP14を決定する。例えば、変動パターンテーブルHTB01を決定して、特別図柄が大当り図柄である場合、主CPU42は、変動パターンHP15及び変動パターンHP16の何れかを決定する。この場合、主CPU42は、変動パターンHP15及び変動パターンHP16の何れにするかを抽選によって決定する。
【0096】
変動パターンテーブルHTB02又は変動パターンテーブルHTB03を決定した場合、主CPU42は、変動パターンテーブルHTB01が決定されたときと同じように、決定した特別図柄と、演出抽選の結果と、に基づいて変動パターンを決定する。変動パターンテーブルHTB04を決定した場合、主CPU42は、演出抽選の結果にかかわらず、決定した特別図柄に基づいて変動パターンを決定する。例えば、特別図柄がはずれ図柄である場合、主CPU42は、変動パターンHP41を決定する。例えば、特別図柄がチャンス図柄である場合、主CPU42は、変動パターンHP42を決定する。例えば、特別図柄が大当り図柄である場合、主CPU42は、変動パターンHP43を決定する。変動パターンテーブルHTB05又は変動パターンテーブルHTB06を決定した場合、主CPU42は、変動パターンテーブルHTB01が決定されたときと同じように、決定した特別図柄と、演出抽選の結果と、に基づいて変動パターンを決定する。
【0097】
以上のように、パチンコ遊技機10は、制御されている遊技状態に応じて特別ゲームの平均変動時間が異なるように構成されている。例えば、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかに制御されているときには、低確非時短状態に制御されているときに比して特別ゲームの平均変動時間が短い。パチンコ遊技機10では、第1低確時短状態及び高確時短状態の何れかに制御されてから第1上限回数目の特別ゲームが実行されたときと、第2低確時短状態に制御されてから第2上限回数目の特別ゲームが実行されたときとで平均変動時間が異なる。以下の説明では、「第1低確時短状態及び高確時短状態の何れかに制御されてから第1上限回数目の特別ゲーム」のことを「第1上限ゲーム」と示す。また、以下の説明では、「第2低確時短状態に制御されてから第2上限回数目の特別ゲーム」のことを「第2上限ゲーム」と示す。
【0098】
第1上限ゲームが実行されたときには、第2特別保留数及び決定された特別図柄にかかわらず、同じ特別ゲームの変動時間(一例として5秒)が決定される。つまり、第1上限ゲームの変動時間は、当該第1上限ゲームが実行されるときにおいて、第2始動口16へ遊技球が入球したことに基づいて保留されている特別ゲームの数によって異ならない。一方、第2上限ゲームが実行されたときには、第2特別保留数及び決定された特別図柄に応じて異なる特別ゲームの変動時間(一例として10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、及び35秒の何れか)が決定される。つまり、第2上限ゲームの変動時間は、当該第2上限ゲームが実行されるときにおいて、第2始動口16へ遊技球が入球したことに基づいて保留されている特別ゲームの数によって異なる。
【0099】
以上のように、第1上限ゲームの結果としてはずれ図柄が導出されるときにおける当該第1上限ゲームの変動時間は、第2上限ゲームの結果としてはずれ図柄が導出されるときにおける当該第2上限ゲームの変動時間と異なる。第1上限ゲームの結果としてチャンス図柄が導出されるときにおける当該第1上限ゲームの変動時間は、第2上限ゲームの結果としてチャンス図柄が導出されるときにおける当該第2上限ゲームの変動時間と異なる。第1上限ゲームの結果として大当り図柄が導出されるときにおける当該第1上限ゲームの変動時間は、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出されるときにおける当該第2上限ゲームの変動時間と異なる。そして、第1上限ゲームの平均変動時間は、第2上限ゲームの平均変動時間に比して短い。
【0100】
主CPU42は、大当りゲーム処理、チャンスゲーム処理、又ははずれゲーム処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを出力バッファに格納する。変動開始コマンドは、各ゲーム処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各ゲーム処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームのゲーム処理が実行されたときと、第2特別ゲームのゲーム処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0101】
特別図柄開始処理を終了すると、主CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主CPU42は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計時する。主CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。このとき、主CPU42は、導出された特別図柄を特定可能な情報(以下、停止図柄情報と示す)を主RWM44に記憶させる。また、主CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。以上のように、パチンコ遊技機10は、第1始動口15へ遊技球が入球したことを契機に第1特別ゲームを実行可能である。
【0102】
一方、主CPU42は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計時する。主CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。このとき、主CPU42は、停止図柄情報を主RWM44に記憶させる。また、主CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを出力バッファに格納する。以上のように、パチンコ遊技機10は、第2始動口16へ遊技球が入球したことを契機に第2特別ゲームを実行可能である。
【0103】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。本実施形態の主CPU42は、タイマ割り込み処理としての大当り遊技処理を実行することによって、以下のような制御を行うこととなる。主CPU42は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主CPU42は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主CPU42は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0104】
最初に、主CPU42は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主CPU42は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開状態とする。主CPU42は、特別入賞センサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口18を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主CPU42は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主CPU42は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、最終回のラウンド遊技を終了させると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了させる。
【0105】
次に、遊技状態を移行させるために主CPU42が行う処理について説明する。本実施形態において、遊技状態を移行させるための処理を行う主CPU42は、遊技状態を制御する遊技状態制御手段の一例である。
【0106】
主CPU42は、確率状態及び入球状態を移行させた場合、遊技状態情報を更新して主RWM44に記憶させる。具体的に、主CPU42は、低確率状態及び非時短状態に制御した場合、低確非時短情報を遊技状態情報として主RWM44に記憶させる。このとき、主CPU42は、低確非時短状態に制御されることを特定可能な制御コマンド(以下、低確非時短コマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、高確率状態及び第1時短状態に制御した場合、高確時短情報を遊技状態情報として主RWM44に記憶させる。このとき、主CPU42は、高確時短状態に制御されることを特定可能な制御コマンド(以下、高確時短コマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、低確率状態及び第1時短状態に制御した場合、第1低確時短情報を遊技状態情報として主RWM44に記憶させる。このとき、主CPU42は、第1低確時短状態に制御されることを特定可能な制御コマンド(以下、第1低確時短コマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、低確率状態及び第2時短状態に制御した場合、第2低確時短情報を遊技状態情報として主RWM44に記憶させる。このとき、主CPU42は、第2低確時短状態に制御されることを特定可能な制御コマンド(以下、第2低確時短コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0107】
主CPU42は、第2大当り遊技を終了させると、主RWM44に高確フラグをセットする。即ち、主CPU42は、高確率状態に制御する。一方、主CPU42は、第1大当り遊技を終了させると、主RWM44に高確フラグをセットしない。即ち、主CPU42は、低確率状態に制御する。また、主CPU42は、所定期間Ta内における特別ゲームの実行回数が規定回数Ka(一例として500回)に達しても、主RWM44に高確フラグをセットしない。即ち、主CPU42は、低確率状態に制御する。また、主CPU42は、特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されても、主RWM44に高確フラグをセットしない。即ち、主CPU42は、低確率状態に制御する。主CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、主CPU42は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0108】
主CPU42は、大当り遊技を終了させると、主RWM44に第1時短フラグをセットする。即ち、主CPU42は、第1時短状態に制御する。主CPU42は、大当り遊技を終了させると、主RWM44に第1時短回数として第1時短初期回数(一例として100回)を記憶させる。第1時短回数は、第1低確時短状態に制御された後、大当り遊技が付与されなかった場合に当該第1低確時短状態において実行可能な特別ゲームの残り回数を特定可能な情報である。また、第1時短回数は、高確時短状態に制御された後、大当り遊技が付与されなかった場合に当該高確時短状態において実行可能な特別ゲームの残り回数を特定可能な情報である。このとき、主CPU42は、第1時短回数を特定可能な制御コマンド(以下、第1時短回数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0109】
主CPU42は、第1大当り遊技又は第2大当り遊技の終了後、特別ゲームを終了させる毎に、主RWM44に記憶されている第1時短回数を更新(一例として1減算)する。主CPU42は、第1時短回数を更新した場合、更新後の第1時短回数を特定可能な第1時短回数コマンドを出力バッファに格納する。主CPU42は、更新後の第1時短回数が0となった場合、第1時短フラグを消去する。即ち、主CPU42は、非時短状態に制御する。また、主CPU42は、更新後の第1時短回数が0となった場合、高確フラグを消去する。即ち、主CPU42は、低確率状態に制御する。よって、主CPU42は、更新後の第1時短回数が0となった場合、低確非時短状態に制御する。
【0110】
主CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、第1時短フラグがセットされているとき、当該第1時短フラグを消去する。即ち、主CPU42は、大当り遊技中、非時短状態に制御する。つまり、第1大当り遊技又は第2大当り遊技の終了後、第1時短回数が0となる前に大当り遊技が付与された場合には、第1時短回数が0とならなくても低確非時短状態に制御される。また、第1上限ゲームにおいて、当該第1上限ゲームの結果としてはずれ図柄又はチャンス図柄が導出されたときには、第1時短回数が0となることによって低確非時短状態に制御される。即ち、第1低確時短状態又は高確時短状態に制御されてから第1上限回数目の特別ゲームを第1上限ゲームとする場合において、第1上限ゲームの結果としてはずれ図柄又はチャンス図柄が導出されたときには当該第1上限ゲームの終了後に低確非時短状態に制御される。このように、第1上限ゲームの結果が、大当り図柄、はずれ図柄、及びチャンス図柄の何れであっても、第1低確時短状態及び高確時短状態は終了する。つまり、パチンコ遊技機10では、第1上限ゲームの結果に関係なく第1低確時短状態及び高確時短状態は終了する。
【0111】
主CPU42は、所定期間Ta内における特別ゲームの実行回数が規定回数Ka(一例として500回)に達したとき、主RWM44に第2時短フラグをセットする。即ち、主CPU42は、第2時短状態に制御する。具体的に、主CPU42は、大当り遊技を終了させると、主RWM44に作動回数として作動初期回数(一例として500回)を記憶させる。作動回数は、所定期間Ta内における特別ゲームの実行回数を特定可能な情報である。つまり、作動回数は、大当り遊技が終了してから大当り遊技が付与されるまでの期間において、確率状態が低確率状態であるときにおける特別ゲームの実行回数を特定可能な情報である。
【0112】
主CPU42は、作動回数として作動初期回数を主RWM44に記憶させると、作動回数を特定可能な制御コマンド(以下、作動回数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。そして、主CPU42は、大当り遊技の終了後、確率状態が低確率状態であるときにおいて、特別ゲームを終了させる毎に、主RWM44に記憶されている作動回数を更新(一例として1減算)する。主CPU42は、作動回数を更新した場合、更新後の作動回数を特定可能な作動回数コマンドを出力バッファに格納する。作動回数が1減算されて0となった場合、主CPU42は、主RWM44に第2時短フラグをセットする。即ち、主CPU42は、第2時短状態に制御する。このように、主CPU42は、所定期間Ta内における特別ゲームの実行回数が規定回数Kaに達したことを契機に第2時短状態に制御して、第2低確時短状態に制御する。
【0113】
主CPU42は、特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されたとき、主RWM44に第2時短フラグをセットする場合がある。即ち、主CPU42は、第2時短状態に制御する場合がある。具体的に、確率状態が低確率状態であって、入球状態が非時短状態であり、且つ、主RWM44に記憶された停止図柄情報がチャンス図柄であった場合、主CPU42は、主RWM44に第2時短フラグをセットする。即ち、主CPU42は、第2低確時短状態に制御する。
【0114】
主CPU42は、第2低確時短状態に制御するとき、主RWM44に第2時短回数として第2時短初期回数(一例として700回)を記憶させる。第2時短回数は、第2低確時短状態に制御された後、大当り遊技が付与されなかった場合に当該第2低確時短状態において実行可能な特別ゲームの残り回数を特定可能な情報である。このとき、主CPU42は、第2時短回数を特定可能な制御コマンド(以下、第2時短回数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、第2低確時短状態に制御した後、特別ゲームを終了させる毎に、主RWM44に記憶されている第2時短回数を更新(一例として1減算)する。主CPU42は、第2時短回数を更新した場合、更新後の第2時短回数を特定可能な第2時短回数コマンドを出力バッファに格納する。主CPU42は、更新後の第2時短回数が0となった場合、第2時短フラグを消去する。即ち、主CPU42は、非時短状態に制御する。よって、主CPU42は、更新後の第2時短回数が0となった場合、低確非時短状態に制御する。
【0115】
主CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、第2時短フラグがセットされているとき、当該第2時短フラグを消去する。即ち、主CPU42は、大当り遊技中、非時短状態に制御する。つまり、第2低確時短状態に制御された後、第2時短回数が0となる前に大当り遊技が付与された場合には、第2時短回数が0とならなくても低確非時短状態に制御される。また、第2上限ゲームにおいて、当該第2上限ゲームの結果としてはずれ図柄又はチャンス図柄が導出されたときには、第2時短回数が0となることによって低確非時短状態に制御される。即ち、第2低確時短状態に制御されてから第2上限回数目の特別ゲームを第2上限ゲームとする場合において、第2上限ゲームの結果としてはずれ図柄又はチャンス図柄が導出されたときには当該第2上限ゲームの終了後に低確非時短状態に制御される。このように、第2上限ゲームの結果が、大当り図柄、はずれ図柄、及びチャンス図柄の何れであっても、第2低確時短状態は終了する。つまり、パチンコ遊技機10では、第2上限ゲームの結果に関係なく第2低確時短状態は終了する。
【0116】
次に、主CPU42が行う普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主CPU42は、普通始動センサSE4から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球がゲート25を通過(入球)したか否かを判定する。遊技球がゲート25を通過していない場合、主CPU42は、普通図柄入力処理を終了する。一方、遊技球がゲート25を通過した場合、主CPU42は、主RWM44に記憶されている普通保留数が上限数未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満でない場合、主CPU42は、普通図柄入力処理を終了する。普通保留数が上限数未満である場合、主CPU42は、普通保留数を1加算して更新する。主CPU42は、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。
【0117】
次に、主CPU42は、乱数回路45が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM44に記憶させる。主CPU42は、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。その後、主CPU42は、普通図柄入力処理を終了する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、普通ゲームに用いる乱数情報を主RWM44に記憶させておくことで、当該普通ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0118】
次に、主CPU42が行う普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において、主CPU42は、普通ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主CPU42は、普通当り遊技中ではなく、且つ、普通ゲームの実行中でない場合に肯定判定する一方、普通当り遊技中、又は、普通ゲームの実行中である場合に否定判定する。普通ゲームの実行条件が成立していない場合、主CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。普通ゲームの実行条件が成立している場合、主CPU42は、普通保留数が0よりも大きいか否かを判定する。普通保留数が0である場合、主CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。普通保留数が0よりも大きい場合、主CPU42は、普通ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主CPU42は、普通保留数を1減算して更新する。主CPU42は、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。次に、主CPU42は、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主RWM44から取得する。続けて、主CPU42は、取得した乱数情報を用いて、普通当りに当選とするか否かの普通抽選(普通当り判定)を行う。なお、主CPU42は、現在の入球状態(非時短状態、第1時短状態、及び第2時短状態の何れか)に応じた普通当り確率にて普通抽選を行い、普通当りに当選したか否かを判定する。第1時短状態における普通当り確率は、非時短状態及び第2時短状態における普通当り確率に比して高い。つまり、第1時短状態であるときには、非時短状態及び第2時短状態であるときに比して普通当りに当選し易い。なお、第2時短状態における普通当り確率は、非時短状態における普通当り確率と同じである。
【0119】
普通当りに当選した場合、主CPU42は、普通ゲームで確定停止表示させる普通当り図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定した後、普通図柄開始処理を終了する。普通当りに当選しなかった場合、主CPU42は、普通ゲームで確定停止表示させる普通はずれ図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定した後、普通図柄開始処理を終了する。本実施形態において、時短状態であるときの普通ゲームの変動時間は、非時短状態であるときの普通ゲームの変動時間に比して短い。よって、時短状態では、非時短状態に比して単位時間あたりに実行される普通抽選の回数が多くなり易い。これにより、時短状態は、非時短状態に比して単位時間あたりに普通当りに当選する回数が多くなり易い。よって、時短状態は、非時短状態に比して第2始動口16への遊技球の入球に関する有利度が高い。普通図柄開始処理を終了すると、主CPU42は、普通図柄開始処理とは別の処理によって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主CPU42は、普通ゲームを開始させるとともに、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄が確定停止表示されるように、普通図柄表示部13eを制御する。
【0120】
次に、主CPU42が行う普通当り遊技処理について説明する。
普通当り遊技処理は、普通当り遊技を付与するための処理である。本実施形態の主CPU42は、タイマ割り込み処理としての普通当り遊技処理を実行することによって、以下のような制御を行うこととなる。
【0121】
主CPU42は、普通ゲームにおいて普通当り図柄を導出させると、普通当りの普通ゲームの終了後に普通当り遊技処理を実行する。普通当り遊技処理において、主CPU42は、時短状態である場合、時短状態であるときの開放態様で第2始動口16が開放されるように、普通ソレノイドSL1を制御する。また、主CPU42は、非時短状態である場合、非時短状態であるときの開放態様で第2始動口16が開放されるように、普通ソレノイドSL1を制御する。本実施形態において、時短状態であるときの開放態様は、非時短状態であるときの開放態様に比して1回の普通当り遊技において第2始動口16が開放される回数が多く、且つ、第2始動口16が開放される合計時間が長い。したがって、時短状態であるときの開放態様で第2始動口16が開放される場合には、非時短状態であるときの開放態様で第2始動口16が開放される場合に比して第2始動口16へ遊技球を入球させることが容易である。即ち、時短状態であるときは、非時短状態であるときに比して第2始動口16への遊技球の入球に関する有利度が高い。
【0122】
次に、主CPU42が行う入賞処理について説明する。
主CPU42は、第1始動センサSE1から検知信号を入力した場合、予め定めた個数(一例として3個)の遊技球を付与する制御を行う。このとき、主CPU42は、第1始動口15へ遊技球が入球したことに基づいて3個の遊技球が払い出されることを特定可能な制御コマンド(以下、第1入賞コマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、第2始動センサSE2から検知信号を入力した場合、予め定めた個数(一例として3個)の遊技球を付与する制御を行う。このとき、主CPU42は、第2始動口16へ遊技球が入球したことに基づいて3個の遊技球が払い出されることを特定可能な制御コマンド(以下、第2入賞コマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、特別入賞センサSE3から検知信号を入力すると、予め定めた個数(一例として10個)の遊技球を付与する制御を行う。このとき、主CPU42は、大入賞口18へ遊技球が入球したことに基づいて10個の遊技球が払い出されることを特定可能な制御コマンド(以下、特別入賞コマンドと示す)を出力バッファに格納する。主CPU42は、普通入賞センサ(不図示)から検知信号を入力すると、予め定めた個数(一例として1個)の遊技球を付与する制御を行う。このとき、主CPU42は、大入賞口18へ遊技球が入球したことに基づいて1個の遊技球が払い出されることを特定可能な制御コマンド(以下、普通入賞コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0123】
次に、副制御基板50の副CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、制御コマンドを入力したときの処理について説明する。
副CPU51は、設定値コマンドを入力した場合、設定されている設定値と特定可能な情報(以下、副設定値情報と示す)を副RWM53に記憶させる。副CPU51は、低確非時短コマンドを入力した場合、低確非時短状態に制御されていることを特定可能な情報を副RWM53に記憶させる。副CPU51は、高確時短コマンドを入力した場合、高確時短状態に制御されていることを特定可能な情報を副RWM53に記憶させる。副CPU51は、第1低確時短コマンドを入力した場合、第1低確時短状態に制御されていることを特定可能な情報を副RWM53に記憶させる。副CPU51は、第2低確時短コマンドを入力した場合、第2低確時短状態に制御されていることを特定可能な情報を副RWM53に記憶させる。副CPU51は、第1時短回数コマンドを入力した場合、第1低確時短状態及び高確時短状態において実行可能な特別ゲームの残り回数を特定可能な情報を副RWM53に記憶させる。これにより、副CPU51は、第1上限ゲームが実行されたことを特定可能である。副CPU51は、第2時短回数コマンドを入力した場合、第2低確時短状態において実行可能な特別ゲームの残り回数を特定可能な情報を副RWM53に記憶させる。これにより、副CPU51は、第2上限ゲームが実行されたことを特定可能である。副CPU51は、初期化コマンドを入力した場合、副RWMクリア処理を実行する。副RWMクリア処理において、副CPU51は、バックアップされている情報のうち副設定値情報を除く情報を初期化する。
【0124】
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中に、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副CPU51は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。具体的に、副CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副CPU51は、入力した特別図柄コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。副CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当り図柄組合せを決定する。副CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、非大当り図柄組合せを決定する。副CPU51は、特別図柄コマンドからチャンス図柄を特定可能である場合、非大当り図柄組合せを決定する。副CPU51は、ノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出の何れかの実行が対応付けられたはずれ変動パターンが指定された場合、リーチを含む非大当り図柄組合せを決定するとよい。
【0125】
演出ゲーム処理において、副CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副CPU51は、演出ゲームを開始させる。副CPU51は、変動パターンに定められた変動時間中、決定した演出パターンに基づいて演出ゲームが行われるように、演出表示装置EHを制御する。そして、副CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。例えば、副CPU51は、スーパーリーチ演出の実行が対応付けられたはずれ変動パターンの変動開始コマンドを入力した場合、演出ゲームを開始させた後、スーパーリーチ演出を実行させ、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。また、副CPU51は、演出ゲームに関連して予告演出を実行させるようにしてもよい。副CPU51は、予告演出を実行させる場合、当該予告演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群DEを制御する。予告演出は、実行中である特別ゲームが大当りとなる期待度(大当り期待度)を示唆又は報知する演出である。例えば、予告演出としては、大当り期待度を確率として示す態様(一例として%表示)がある。つまり、予告演出は、実行中である特別ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率を示唆又は報知する演出であるともいえる。これに限らず、例えば、演出表示装置EHでは、表示される画像の色によって大当り期待度を示唆又は報知してもよい。また、予告演出は、保留中の特別ゲームの大当り期待度を示唆又は報知する演出であってもよい。
【0126】
次に、演出モードについて説明する。
パチンコ遊技機10は、演出モードを実行可能に構成されている。本実施形態において、演出モードは、複数種類がある。そして、パチンコ遊技機10では、複数種類の演出モードのうち何れかの演出モードに制御される。演出モードは、演出状態ともいわれる。各演出モードでは、滞在中の演出モード(制御されている演出モード)を識別可能なモード識別情報が示唆又は報知される。パチンコ遊技機10では、演出モードの種類毎に異なる背景画像が演出表示装置EHに表示される。その他、パチンコ遊技機10では、例えば、演出モードの種類毎に異なる発光色で装飾ランプLAを発光させたり、演出モードの種類毎に異なる背景音楽をスピーカSPから出力させたりして、モード識別情報を示唆又は報知する。パチンコ遊技機10における演出モードには、通常モード、第1チャンスモード、及び第2チャンスモード、がある。
【0127】
ここで、演出モードに係る制御について説明する。本実施形態では、副CPU51は、演出モードを制御する。
副CPU51は、低確非時短状態に制御されているとき、通常モードに制御する。副CPU51は、第1大当り遊技の終了後、第1チャンスモードに制御する。副CPU51は、第1大当り遊技の終了後、第1低確時短状態から低確非時短状態に制御されるまで第1チャンスモードに制御する。副CPU51は、第1大当り遊技の終了後、第1低確時短状態から低確非時短状態に制御されると、通常モードに制御する。副CPU51は、第2大当り遊技の終了後、第1チャンスモードに制御する。副CPU51は、第2大当り遊技の終了後、高確時短状態から低確非時短状態に制御されるまで第1チャンスモードに制御する。副CPU51は、第2大当り遊技の終了後、高確時短状態から低確非時短状態に制御されると、通常モードに制御する。
【0128】
副CPU51は、第2低確時短状態に制御されたとき、第2チャンスモードに制御する。副CPU51は、第2低確時短状態に制御された後、低確非時短状態に制御されるまで第2チャンスモードに制御する。副CPU51は、第2低確時短状態に制御された後、第2低確時短状態から低確非時短状態に制御されると、通常モードに制御する。
【0129】
副CPU51は、低確非時短状態から第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかに制御した場合、右打ちすることを促す右打ち演出を実行するように演出装置群DEを制御する。右打ち演出は、左打ちすることが推奨されている遊技状態から右打ちすることが推奨されている遊技状態へと制御されたことを示唆又は報知する演出であるともいえる。つまり、右打ち演出は、低確非時短状態が終了したときに実行される。このように、右打ち演出は、低確非時短状態の終了に関連して実行される演出であって、低確非時短状態の終了に関する情報を示唆又は報知する演出として捉えることができる。本実施形態の右打ち演出は、演出表示装置EHにおいて実行される。そして、右打ち演出は、当該右打ち演出が開始してから所定の期間(一例として5秒)にわたって実行される。また、副CPU51は、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかから低確非時短状態に制御した場合、左打ちすること促す左打ち演出を実行するように演出装置群DEを制御する。左打ち演出は、右打ちすることが推奨されている遊技状態から左打ちすることが推奨されている遊技状態へと制御されたことを示唆又は報知する演出であるともいえる。つまり、左打ち演出は、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかが終了したときに実行される。このように、左打ち演出は、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかの終了に関連して実行される演出であって、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかの終了に関する情報を示唆又は報知する演出として捉えることができる。本実施形態の左打ち演出は、演出表示装置EHにおいて実行される。そして、左打ち演出は、当該左打ち演出が開始してから所定の期間(一例として5秒)にわたって実行される。
【0130】
以上のように、パチンコ遊技機10では、遊技状態が移行すると、演出モードが変化するとともに、制御されている演出モードを識別可能なモード識別情報が示唆又は報知される。加えて、パチンコ遊技機10では、遊技状態が移行すると、右打ち演出及び左打ち演出の何れかが実行されうる。なお、パチンコ遊技機10では、大当り遊技中、大入賞口18に遊技球が入球し易いように右打ちすることが推奨される。このため、パチンコ遊技機10では、低確非時短状態に制御されているときに大当り遊技が生起(付与)された場合、右打ち演出が実行される。一方、パチンコ遊技機10では、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかに制御されているときに大当り遊技が生起(付与)された場合、右打ち演出が実行されない。
【0131】
次に、パチンコ遊技機10において実行可能な設定関連演出について、副CPU51による制御とともに説明する。
パチンコ遊技機10は、低確非時短状態に制御される状況において、設定関連演出を実行可能に構成されている。設定関連演出は、設定されている設定値に基づいて実行される演出である。上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、設定されている設定値によって大当り確率が異なる。よって、設定関連演出は、大当り遊技の付与に関する演出ともいえる。
【0132】
パチンコ遊技機10は、第1低確時短状態及び高確時短状態の何れかから低確非時短状態に制御される状況において、設定関連演出を実行可能に構成されている。具体的に、副CPU51は、第1低確時短状態であって、且つ、第1時短回数が1であるときにおいて、変動開始コマンドを入力すると、設定関連演出を実行するように演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、高確時短状態であって、且つ、第1時短回数が1であるときにおいて、変動開始コマンドを入力すると、設定関連演出を実行するように演出表示装置EHを制御する。つまり、副CPU51は、第1上限ゲームが開始されると、設定関連演出を実行するように演出表示装置EHを制御する。以下の説明では、第1上限ゲームが開始されるときに実行される設定関連演出を「設定値演出」と示す。設定値演出は、設定されている設定値を示唆又は報知する演出である。つまり、設定値演出は、大当り遊技の付与に関する情報として記憶された値を示唆又は報知する演出である。設定値演出は、特定演出の一例である。
【0133】
副CPU51は、第1上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドにかかわらず設定値演出を実行させる。また、副CPU51は、第1上限ゲームが開始されるときにおいて、変動パターンにかかわらず設定値演出を実行させる。副CPU51は、第1上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドが、はずれ図柄、チャンス図柄、及び大当り図柄の何れであっても設定値演出を実行させる。つまり、副CPU51は、第1上限ゲームが開始されるときにおいて、当該第1上限ゲームの結果に関係なく設定値演出を実行させる。なお、副CPU51は、第1上限ゲームとは異なる特別ゲームが開始されたとしても、設定値演出を実行させない。例えば、副CPU51は、第2上限ゲームが開始されたとしても、設定値演出を実行させない。設定値演出は、第1上限ゲームにおいてのみ実行される演出であるといえる。このように、設定値演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームのうち何れか一方の特別ゲームが実行されたときには実行されないものの、他方の特別ゲームが実行されたときには当該他方の特別ゲームの結果に関係なく実行可能な演出である。
【0134】
図8(a)及び
図8(b)には、設定値演出が実行されたときにおける演出表示装置EHの表示内容の一例を示す。
第1上限ゲームの実行中において、演出表示装置EHには、設定されている設定値を示唆又は報知する文字列Stが表示される。具体的に、
図8(a)に示すように、演出表示装置EHには、設定されている設定値が、設定2、設定4、及び設定6の何れかであることを示す「設定2or4or6」という文字列St1が表示される。また、
図8(b)に示すように、演出表示装置EHには、設定されている設定値が、設定1であることを示す「設定1確定」という文字列St2が表示される。なお、詳しくは後述するが、設定されている設定値を示唆又は報知する文字列Stには、複数種類ある。このように、パチンコ遊技機10では、設定値演出が実行されたとき、演出表示装置EHにおいて、設定されている設定値が示唆又は報知される。設定されている設定値(設定情報)は、大当り遊技の付与に関する情報として主RWM44に記憶されている。つまり、パチンコ遊技機10は、大当り遊技の付与に関する情報として記憶されている値(一例として1~6の何れか)を示唆又は報知することが可能に構成されている。
【0135】
パチンコ遊技機10は、第2低確時短状態から低確非時短状態に制御される状況において、設定関連演出を実行可能に構成されている。具体的に、副CPU51は、第2低確時短状態であって、且つ、第2時短回数が1であるときにおいて、変動開始コマンドを入力すると、設定関連演出を実行するように演出表示装置EHを制御する。つまり、副CPU51は、第2上限ゲームが開始されると、設定関連演出を実行するように演出表示装置EHを制御する。以下の説明では、第2上限ゲームが開始されるときに実行される設定関連演出を「確率演出」と示す。確率演出は、第2低確時短状態に制御されているときにおいて、設定されている設定値に基づいた大当り確率を示唆又は報知する演出である。換言すれば、確率演出は、確率状態が低確率状態であるときにおいて、設定されている設定値に基づいた大当り確率を示唆又は報知する演出である。そして、確率演出は、第2上限ゲームの実行中において実行される。つまり、確率演出は、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率(第2上限ゲームにおける大当り確率)を示唆又は報知する演出である。確率演出は、特殊演出の一例である。
【0136】
副CPU51は、第2上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドにかかわらず確率演出を実行させる。また、副CPU51は、第2上限ゲームが開始されるときにおいて、変動パターンにかかわらず確率演出を実行させる。副CPU51は、第2上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドが、はずれ図柄、チャンス図柄、及び大当り図柄の何れであっても確率演出を実行させる。つまり、副CPU51は、第2上限ゲームが開始されるときにおいて、当該第2上限ゲームの結果に関係なく確率演出を実行させる。なお、副CPU51は、第2上限ゲームとは異なる特別ゲームが開始されたとしても、確率演出を実行させない。例えば、副CPU51は、第1上限ゲームが開始されたとしても、確率演出を実行させない。このため、確率演出は、第2上限ゲームにおいてのみ実行される演出であるといえる。このように、確率演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームのうち何れか一方の特別ゲームが実行されたときには実行されないものの、他方の特別ゲームが実行されたときには当該他方の特別ゲームの結果に関係なく実行可能な演出である。
【0137】
図9(a)及び
図9(b)には、確率演出が実行されたときにおける演出表示装置EHの表示内容の一例を示す。
第2上限ゲームの実行中において、演出表示装置EHには、設定されている設定値に基づいて、第2上限ゲームにおける大当り確率を示唆又は報知する文字列Shが表示される。具体的に、
図9(a)に示すように、演出表示装置EHには、第2上限ゲームにおける大当り確率が、1/300よりも高確率であることを示す「大当り確率1/300より高い」という文字列Sh1が表示される。また、
図9(b)に示すように、演出表示装置EHには、第2上限ゲームにおける大当り確率が、1/320であることを示す「大当り確率1/320」という文字列Sh2が表示される。なお、詳しくは後述するが、第2上限ゲームにおける大当り確率を示唆又は報知する文字列Shには、複数種類ある。このように、パチンコ遊技機10では、確率演出が実行されたとき、演出表示装置EHにおいて、第2上限ゲームにおける大当り確率が示唆又は報知される。
【0138】
以上のように、パチンコ遊技機10では、設定関連演出の一例である設定値演出が、第1上限ゲームが実行されたときに実行される。設定値演出は、第2上限ゲームが実行されたときに実行されない。つまり、設定値演出は、第1上限ゲームが実行されたときに実行される一方、第2上限ゲームが実行されたときに実行されない。設定値演出は、第1上限ゲームの実行中において実行される一方、第2上限ゲームの実行中において実行されない。パチンコ遊技機10では、設定関連演出の一例である確率演出が、第2上限ゲームが実行されたときに実行される。確率演出は、第1上限ゲームが実行されたときに実行されない。つまり、確率演出は、第2上限ゲームが実行されたときに実行される一方、第1上限ゲームが実行されたときに実行されない。確率演出は、第2上限ゲームの実行中において実行される一方、第1上限ゲームの実行中において実行されない。
【0139】
次に、パチンコ遊技機10において実行可能な状態移行演出について、副CPU51による制御とともに説明する。
パチンコ遊技機10は、低確非時短状態に制御される状況において、状態移行演出を実行可能に構成されている。状態移行演出は、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかから低確非時短状態へ移行することに基づいて実行される演出である。つまり、状態移行演出は、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかが終了することに基づいて実行される演出である。状態移行演出は、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の終了に関する情報を示唆又は報知する演出である。状態移行演出は特別演出の一例である。
【0140】
パチンコ遊技機10は、第1低確時短状態及び高確時短状態の何れかから低確非時短状態に制御される状況において、状態移行演出を実行可能に構成されている。具体的に、副CPU51は、第1低確時短状態であって、且つ、第1時短回数が1であるときにおいて、変動開始コマンドを入力すると、状態移行演出を実行するように演出表示装置EHを制御する場合がある。副CPU51は、高確時短状態であって、且つ、第1時短回数が1であるときにおいて、変動開始コマンドを入力すると、状態移行演出を実行するように演出表示装置EHを制御する場合がある。つまり、副CPU51は、第1上限ゲームが開始されると、状態移行演出を実行するように演出表示装置EHを制御する場合がある。
【0141】
副CPU51は、第1上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドに基づいて状態移行演出を実行させるか否かを決定する。副CPU51は、第1上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドが、はずれ図柄及びチャンス図柄の何れかであれば状態移行演出を実行させることを決定する。一方、副CPU51は、第1上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドが、大当り図柄であれば状態移行演出を実行させないことを決定する。つまり、副CPU51は、第1上限ゲームが開始されるときにおいて、当該第1上限ゲームの結果によって状態移行演出を実行させるか否かを決定する。このように、パチンコ遊技機10では、第1上限ゲームの結果がはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかであるときに状態移行演出が実行される。一方、パチンコ遊技機10では、第1上限ゲームの結果が大当り図柄であるときに状態移行演出が実行されない。
【0142】
パチンコ遊技機10は、第2低確時短状態から低確非時短状態に制御される状況において、状態移行演出を実行可能に構成されている。具体的に、副CPU51は、第2低確時短状態であって、且つ、第2時短回数が1であるときにおいて、変動開始コマンドを入力すると、状態移行演出を実行するように演出表示装置EHを制御する場合がある。つまり、副CPU51は、第2上限ゲームが開始されると、状態移行演出を実行するように演出表示装置EHを制御する場合がある。
【0143】
副CPU51は、第2上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドに基づいて状態移行演出を実行させるか否かを決定する。副CPU51は、第2上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドが、はずれ図柄及びチャンス図柄の何れかであれば状態移行演出を実行させることを決定する。一方、副CPU51は、第2上限ゲームが開始されるときにおいて、入力した特別図柄コマンドが、大当り図柄であれば状態移行演出を実行させないことを決定する。つまり、副CPU51は、第2上限ゲームが開始されるときにおいて、当該第2上限ゲームの結果によって状態移行演出を実行させるか否かを決定する。このように、パチンコ遊技機10では、第2上限ゲームの結果がはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかであるときに状態移行演出が実行される。一方、パチンコ遊技機10では、第2上限ゲームの結果が大当り図柄であるときに状態移行演出が実行されない。
【0144】
図10(a)及び
図10(b)には、状態移行演出が実行されたときにおける演出表示装置EHの表示内容の一例を示す。
第1上限ゲームにおいて、演出表示装置EHには、第1低確時短状態及び高確時短状態の何れかが終了することに基づいて、第1低確時短状態及び高確時短状態の終了に関する情報を示唆又は報知する文字列Sjが表示される。第2上限ゲームにおいて、演出表示装置EHには、第2低確時短状態が終了することに基づいて、第2低確時短状態の終了に関する情報を示唆又は報知する文字列Sjが表示される。具体的に、
図10(a)に示すように、演出表示装置EHには、遊技状態が移行することを示す「遊技状態が移行します」という文字列Sj1が表示される。また、
図10(b)に示すように、演出表示装置EHには、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態が終了することを示す「時短状態が終了します」という文字列Sj2が表示される。これに限らず、文字列Sj2は、「第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態が終了します」という文字列であってもよい。本実施形態では、状態移行演出が実行されたとき、文字列Sj1及び文字列Sj2の何れかが表示される。このように、パチンコ遊技機10では、状態移行演出が実行されたとき、演出表示装置EHにおいて、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の終了に関する情報が示唆又は報知される。
【0145】
以上のように、パチンコ遊技機10では、状態移行演出が、第1上限ゲームが実行されたときに実行されうる。また、パチンコ遊技機10では、状態移行演出が、第2上限ゲームが実行されたときに実行されうる。つまり、状態移行演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れの特別ゲームが実行されたときであっても実行可能である。但し、パチンコ遊技機10では、第1上限ゲームが実行された場合、当該第1上限ゲームの結果が大当り図柄であるときに状態移行演出が実行されない。一方、パチンコ遊技機10では、第1上限ゲームが実行された場合、当該第1上限ゲームの結果がはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかであるときに状態移行演出が実行される。また、パチンコ遊技機10では、第2上限ゲームが実行された場合、当該第2上限ゲームの結果が大当り図柄であるときに状態移行演出が実行されない。一方、パチンコ遊技機10では、第2上限ゲームが実行された場合、当該第2上限ゲームの結果がはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかであるときに状態移行演出が実行される。このように、状態移行演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れの特別ゲームが実行されたときであっても実行可能であるものの、当該特別ゲームの結果が特定結果(大当り図柄)及び非特定結果(はずれ図柄及びチャンス図柄)のうち何れか一方の結果であるときには実行されない一方で他方の結果であるときには実行される演出である。
【0146】
以下、第1上限ゲームが実行されたときにおける演出の流れの具体的な一例について、副CPU51による制御とともに説明する。
図11(a)は、第1上限ゲームが実行されたときにおいて、当該第1上限ゲームの結果として、はずれ図柄が導出された場合の一例を示すタイミングチャートである。
【0147】
時点tm10では、第1低確時短状態に制御されてから第1上限回数目の特別ゲームが開始されたものとする。このとき、副CPU51は、設定値演出を実行することを決定する。なお、副CPU51は、確率演出を実行することを決定しない。副CPU51は、入力した特別図柄コマンドによってはずれ図柄が導出されることを特定することで、状態移行演出を実行することを決定する。
【0148】
ここで、副CPU51は、設定値演出の実行期間の長さを決定する。具体的に、副CPU51は、設定値演出を実行することを決定した場合、入力した特別図柄コマンドに基づいて設定値演出の実行期間の長さを決定する。副CPU51は、入力した特別図柄コマンドが、はずれ図柄及びチャンス図柄の何れかである場合、設定値演出の実行期間の長さとして実行時間T10(一例として3秒)を決定する。
【0149】
時点tm11において、副CPU51は、設定値演出を開始させる。副CPU51は、設定値演出を開始させてから所定時間Tj(一例として1.5秒)経過した時点tm12において状態移行演出を開始させる。このとき、副CPU51は、時点tm11において開始させた設定値演出を継続して実行させる。その後、副CPU51は、時点tm13において設定値演出を終了させる。このとき、副CPU51は、時点tm12において開始させた状態移行演出を継続して実行させる。
【0150】
時点tm14では、時点tm10において開始した特別ゲーム(第1上限ゲーム)が終了したものとする。このとき、特別ゲームでは、はずれ図柄が導出されたものとする。そして、パチンコ遊技機10では、特別ゲームの終了に伴い第1時短回数が0となり、遊技状態が第1低確時短状態から低確非時短状態に制御される。また、時点tm14において、副CPU51は、状態移行演出を終了させる。その後、時点tm15では、第1上限ゲームにおいて大当り図柄が導出されなかったことから、低確非時短状態において特別ゲームが開始される。
【0151】
図11(b)は、第1上限ゲームが実行されたときにおいて、当該第1上限ゲームの結果として、大当り図柄が導出された場合の一例を示すタイミングチャートである。
時点tm10では、第1低確時短状態に制御されてから第1上限回数目の特別ゲームが開始されたものとする。このとき、副CPU51は、設定値演出を実行することを決定する。なお、副CPU51は、確率演出を実行することを決定しない。副CPU51は、入力した特別図柄コマンドによって大当り図柄が導出されることを特定することで、状態移行演出を実行しないことを決定する。
【0152】
ここで、副CPU51は、設定値演出の実行期間の長さを決定する。副CPU51は、入力した特別図柄コマンドが大当り図柄である場合、設定値演出の実行期間の長さとして実行時間T10よりも短い実行時間T20(一例として1.5秒)を決定する。このように、設定値演出は、第1上限ゲームの結果によって実行期間が異なる。設定値演出は、第1上限ゲームの結果が大当り図柄である場合よりも、第1上限ゲームの結果がはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかである場合のほうが、実行期間が長い。これに限らず、設定値演出は、第1上限ゲームの結果が大当り図柄である場合よりも、第1上限ゲームの結果がはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかである場合のほうが、実行期間が短くてもよい。また、設定値演出は、第1上限ゲームの結果がはずれ図柄である場合と、第1上限ゲームの結果がチャンス図柄である場合とで実行期間が異なってもよい。例えば、設定値演出は、第1上限ゲームの結果がはずれ図柄である場合よりも、第1上限ゲームの結果がチャンス図柄である場合のほうが、実行期間が短くてもよいし、長くてもよい。
【0153】
時点tm11において、副CPU51は、設定値演出を開始させる。副CPU51は、設定値演出を開始させてから所定時間Tj(一例として1.5秒)経過した時点tm12において設定値演出を終了させる。その後、時点tm14では、時点tm10において開始した特別ゲーム(第1上限ゲーム)が終了したものとする。このとき、特別ゲームでは、大当り図柄が導出されたものとする。そして、パチンコ遊技機10では、大当り遊技が生起(付与)されたことに基づいて、遊技状態が第1低確時短状態から低確非時短状態に制御される。つまり、時点tm14において、パチンコ遊技機10では、大当り遊技が生起される。
【0154】
以上のように、設定値演出は、第1上限ゲームが実行されたときに当該第1上限ゲームの結果に関係なく実行される。一方、状態移行演出は、第1上限ゲームの結果が特定結果(大当り図柄)及び非特定結果(はずれ図柄及びチャンス図柄)のうち特定結果であるときには実行されない一方で非特定結果であるときには実行される。そして、
図11(a)に示すように、状態移行演出は、設定値演出が開始された後に開始される。また、状態移行演出は、設定値演出が終了した後に終了する。つまり、状態移行演出は、設定値演出が実行された後に実行されうる。
【0155】
以下、第2上限ゲームが実行されたときにおける演出の流れの具体的な一例について、副CPU51による制御とともに説明する。
図12(a)は、第2上限ゲームが実行されたときにおいて、当該第2上限ゲームの結果として、はずれ図柄が導出された場合の一例を示すタイミングチャートである。
【0156】
時点tm20では、第2低確時短状態に制御されてから第2上限回数目の特別ゲームが開始されたものとする。このとき、副CPU51は、確率演出を実行することを決定する。なお、副CPU51は、設定値演出を実行することを決定しない。副CPU51は、入力した特別図柄コマンドによってはずれ図柄が導出されることを特定することで、状態移行演出を実行することを決定する。
【0157】
ここで、副CPU51は、確率演出の実行期間の長さを決定する。具体的に、副CPU51は、確率演出を実行することを決定した場合、入力した特別図柄コマンドに基づいて確率演出の実行期間の長さを決定する。副CPU51は、入力した特別図柄コマンドが、はずれ図柄及びチャンス図柄の何れかである場合、確率演出の実行期間の長さとして実行時間T30(一例として7秒)を決定する。
【0158】
時点tm21において、副CPU51は、確率演出を開始させる。副CPU51は、確率演出を開始させてから所定時間Tp(一例として5秒)経過した時点tm22において状態移行演出を開始させる。このとき、副CPU51は、時点tm21において開始させた確率演出を継続して実行させる。その後、副CPU51は、時点tm23において確率演出を終了させる。このとき、副CPU51は、時点tm22において開始させた状態移行演出を継続して実行させる。
【0159】
時点tm24では、時点tm20において開始した特別ゲーム(第2上限ゲーム)が終了したものとする。このとき、特別ゲームでは、はずれ図柄が導出されたものとする。そして、パチンコ遊技機10では、特別ゲームの終了に伴い第2時短回数が0となり、遊技状態が第2低確時短状態から低確非時短状態に制御される。また、時点tm24において、副CPU51は、状態移行演出を終了させる。その後、時点tm25では、第2上限ゲームにおいて大当り図柄が導出されなかったことから、低確非時短状態において特別ゲームが開始される。
【0160】
図12(b)は、第2上限ゲームが実行されたときにおいて、当該第2上限ゲームの結果として、大当り図柄が導出された場合の一例を示すタイミングチャートである。
時点tm20では、第2低確時短状態に制御されてから第2上限回数目の特別ゲームが開始されたものとする。このとき、副CPU51は、確率演出を実行することを決定する。なお、副CPU51は、設定値演出を実行することを決定しない。副CPU51は、入力した特別図柄コマンドによって大当り図柄が導出されることを特定することで、状態移行演出を実行しないことを決定する。
【0161】
ここで、副CPU51は、確率演出の実行期間の長さを決定する。副CPU51は、入力した特別図柄コマンドが大当り図柄である場合、確率演出の実行期間の長さとして実行時間T30よりも短い実行時間T40(一例として5秒)を決定する。このように、確率演出は、第2上限ゲームの結果によって実行期間が異なる。確率演出は、第2上限ゲームの結果が大当り図柄である場合よりも、第2上限ゲームの結果がはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかである場合のほうが、実行期間が長い。これに限らず、確率演出は、第2上限ゲームの結果が大当り図柄である場合よりも、第2上限ゲームの結果がはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかである場合のほうが、実行期間が短くてもよい。また、確率演出は、第2上限ゲームの結果がはずれ図柄である場合と、第2上限ゲームの結果がチャンス図柄である場合とで実行期間が異なってもよい。例えば、確率演出の実行期間は、第2上限ゲームの結果がはずれ図柄である場合よりも、第2上限ゲームの結果がチャンス図柄である場合のほうが、短くてもよいし、長くてもよい。
【0162】
時点tm21において、副CPU51は、確率演出を開始させる。副CPU51は、確率演出を開始させてから所定時間Tp(一例として5秒)経過した時点tm22において確率演出を終了させる。その後、時点tm24では、時点tm20において開始した特別ゲーム(第2上限ゲーム)が終了したものとする。このとき、特別ゲームでは、大当り図柄が導出されたものとする。そして、パチンコ遊技機10では、大当り遊技が生起(付与)されたことに基づいて、遊技状態が第2低確時短状態から低確非時短状態に制御される。つまり、時点tm24において、パチンコ遊技機10では、大当り遊技が生起される。
【0163】
以上のように、確率演出は、第2上限ゲームが実行されたときに当該第2上限ゲームの結果に関係なく実行される。一方、状態移行演出は、第2上限ゲームの結果が特定結果(大当り図柄)及び非特定結果(はずれ図柄及びチャンス図柄)のうち特定結果であるときには実行されない一方で非特定結果であるときには実行される。そして、
図12(a)に示すように、状態移行演出は、確率演出が開始された後に開始される。また、状態移行演出は、確率演出が終了した後に終了する。つまり、状態移行演出は、確率演出が実行された後に実行されうる。
【0164】
次に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。副CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群DEを制御する。副CPU51は、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。
【0165】
副CPU51は、大当り遊技中に特別入賞コマンドを入力すると、当該特別入賞コマンドによって特定可能な払い出された遊技球の数を、1回又は複数回の大当り遊技における獲得出玉数を特定可能な情報(以下、連続大当り中獲得数と示す)に加算して副RWM53に記憶させる。連続大当り中獲得数は、低確非時短状態及び第2低確時短状態の何れかに制御されているときに大当り遊技が付与されてから(所謂、初当りから)、第1時短回数が0になることで低確非時短状態に制御されるまでの間において、大入賞口18へ遊技球が入球したことに基づいて払い出された遊技球の総数を特定可能な情報である。これに限らず、連続大当り中獲得数は、大入賞口18、第1始動口15、第2始動口16、及び普通入賞口26へ遊技球が入球したことに基づいて加算されてもよい。つまり、連続大当り中獲得数は、所謂、連荘中における遊技球の獲得数の総数を特定可能な情報である。なお、副CPU51は、第1時短回数が0になることで第1低確時短状態から低確非時短状態に制御されたときに、連続大当り中獲得数を初期化(一例として0)して副RWM53に記憶させる。また、副CPU51は、第1時短回数が0になることで高確時短状態から低確非時短状態に制御されるときに、連続大当り中獲得数を初期化(一例として0)して副RWM53に記憶させる。
【0166】
副CPU51は、大当り遊技中において、連続大当り中獲得数に基づいて、獲得演出を実行するように演出装置群DEを制御する。獲得演出は、演出表示装置EHにおいて、連続大当り中獲得数を特定可能な獲得ポイントKpが表示されるとともに、連続大当り中獲得数に基づいてキャラクタKgが表示されうる演出である。
【0167】
図13(a)及び
図13(b)に示すように、大当り遊技中において獲得演出が実行されると、演出表示装置EHに獲得ポイントKpが表示される。
図13(a)は、連続大当り中獲得数が第1獲得数(一例として10000)に達したときにおける獲得演出の一例である。連続大当り中獲得数が第1獲得数に達した場合、副CPU51は、獲得ポイントKp1が表示されるように演出表示装置EHを制御する。獲得ポイントKp1は、「10000ptGET」という文字列の画像である。加えて、副CPU51は、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列が表示されるように演出表示装置EHを制御する。キャラクタKg1は、「パンダ」を模したキャラクタの画像である。副CPU51は、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列が継続して表示されるように演出表示装置EHを制御する。このとき、副CPU51は、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列を表示させたことを特定可能な情報(以下、第1獲得表示フラグ)を副RWM53に記憶させる。第1獲得表示フラグが副RWM53に記憶されている場合、副CPU51は、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列が継続して表示されるように演出表示装置EHを制御する。つまり、副CPU51は、複数回の大当り遊技中において、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列が表示されるように演出表示装置EHを制御する場合がある。
【0168】
副CPU51は、連続大当り中獲得数が第1獲得数未満となったとき、第1獲得表示フラグを消去する。また、副CPU51は、連続大当り中獲得数が第2獲得数(一例として20000)以上となったとき、第1獲得表示フラグを消去する。つまり、副CPU51は、連続大当り中獲得数が第1獲得数に達する前において、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列を表示させない。副CPU51は、連続大当り中獲得数が第2獲得数に達したときにおいて、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列を表示させない。このように、副CPU51は、連続大当り中獲得数が第1獲得数以上であって、且つ、第2獲得数(一例として20000)未満である場合、大当り遊技中にキャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列が表示されるように演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、連続大当り中獲得数が第1獲得数に達する前において、連続大当り中獲得数に基づいた獲得ポイントKpを表示させてもよい。また、副CPU51は、連続大当り中獲得数が第1獲得数よりも多くなったとき、連続大当り中獲得数に基づいた獲得ポイントKpを表示させてもよい。
【0169】
図13(b)は、連続大当り中獲得数が第2獲得数に達したときにおける獲得演出の一例である。連続大当り中獲得数が第2獲得数に達した場合、副CPU51は、獲得ポイントKp2が表示されるように演出表示装置EHを制御する。獲得ポイントKp2は、「20000ptGET」という文字列の画像である。加えて、副CPU51は、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列を消去するとともに、キャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列が表示されるように演出表示装置EHを制御する。キャラクタKg2は、「ライオン」を模したキャラクタの画像である。副CPU51は、キャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列が継続して表示されるように演出表示装置EHを制御する。このとき、副CPU51は、キャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列を表示させたことを特定可能な情報(以下、第2獲得表示フラグ)を副RWM53に記憶させる。第2獲得表示フラグが副RWM53に記憶されている場合、副CPU51は、キャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列が継続して表示されるように演出表示装置EHを制御する。つまり、副CPU51は、複数回の大当り遊技中において、キャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列が表示されるように演出表示装置EHを制御する場合がある。
【0170】
副CPU51は、連続大当り中獲得数が第2獲得数未満となったとき、第2獲得表示フラグを消去する。つまり、副CPU51は、連続大当り中獲得数が第2獲得数に達する前において、キャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列を表示させない。このように、副CPU51は、連続大当り中獲得数が第2獲得数以上である場合、大当り遊技中にキャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列が表示されるように演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、連続大当り中獲得数が第2獲得数に達する前において、連続大当り中獲得数に基づいた獲得ポイントKpを表示させてもよい。また、副CPU51は、連続大当り中獲得数が第2獲得数よりも多くなったとき、連続大当り中獲得数に基づいた獲得ポイントKpを表示させてもよい。
【0171】
ここで、本実施形態における設定値演出は、大当り遊技の実行中に実行された演出に基づいて実行される。具体的に、設定値演出は、獲得演出の実行内容に基づいて実行される。例えば、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列が表示される獲得演出(以下、第1獲得演出と示す)が実行された場合、第1獲得演出が実行された大当り遊技の終了後、大当り遊技が付与されることなく第1上限ゲームが実行されたときには、当該第1獲得演出に基づいて設定値演出が実行される。換言すれば、獲得ポイントKp1が表示される獲得演出が実行された場合、当該獲得演出が実行された大当り遊技の終了後、大当り遊技が付与されることなく第1上限ゲームが実行されたときには、当該獲得演出に基づいて設定値演出が実行される。
【0172】
例えば、キャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列が表示される獲得演出(以下、第2獲得演出と示す)が実行された場合、第2獲得演出が実行された大当り遊技の終了後、大当り遊技が付与されることなく第1上限ゲームが実行されたときには、当該第2獲得演出に基づいて設定値演出が実行される。換言すれば、獲得ポイントKp2が表示される獲得演出が実行された場合、当該獲得演出が実行された大当り遊技の終了後、大当り遊技が付与されることなく第1上限ゲームが実行されたときには、当該獲得演出に基づいて設定値演出が実行される。よって、設定値演出は、連続大当り中獲得数に基づいて実行されるともいえる。
【0173】
獲得演出の演出内容に基づいて実行される設定値演出の種類について詳しく説明する。
図14(a)~
図14(f)には、設定値毎の設定値演出の種類の一例を示す。本実施形態において設定値演出の種類には、複数ある。本実施形態では、設定されている設定値によって、それぞれ実行可能な設定値演出が定められている。
図14(a)に示すように、設定1では、4種類の設定値演出を実行可能である。
図14(b)に示すように、設定2では、5種類の設定値演出を実行可能である。
図14(c)に示すように、設定3では、6種類の設定値演出を実行可能である。
図14(d)に示すように、設定4では、7種類の設定値演出を実行可能である。
図14(e)に示すように、設定5では、8種類の設定値演出を実行可能である。
図14(f)に示すように、設定6では、8種類の設定値演出を実行可能である。更に、本実施形態では、設定値演出が実行される前の大当り遊技中において実行された獲得演出によって、実行可能な設定値演出が定められている。
【0174】
副CPU51は、設定値演出を実行することを決定した場合、設定されている設定値と、第1獲得表示フラグが記憶されているか否かと、第2獲得表示フラグが記憶されているか否かと、によって実行する設定値演出を決定する。例えば、設定されている設定値が1であって、第1獲得表示フラグ及び第2獲得表示フラグの何れも記憶されていない場合、副CPU51は、設定値演出H01及び設定値演出H02の何れかを実行させることを決定する。この場合、副CPU51は、
図14(a)における「選択確率」の欄における確率で設定値演出H01及び設定値演出H02が決定されるように抽選を行う。つまり、設定されている設定値が1であって、第1獲得表示フラグ及び第2獲得表示フラグの何れも記憶されていない場合、副CPU51は、60%の確率で設定値演出H01を実行することを決定し、40%の確率で設定値演出H02を実行することを決定する。
【0175】
例えば、設定されている設定値が3であって、第1獲得表示フラグが記憶されていた場合、副CPU51は、設定値演出H03~H05の何れかを実行させることを決定する。つまり、設定されている設定値が3であって、第1獲得表示フラグが記憶されていた場合、副CPU51は、40%の確率で設定値演出H03を実行することを決定し、40%の確率で設定値演出H04を実行することを決定し、20%の確率で設定値演出H05を実行することを決定する。例えば、設定されている設定値が6であって、第2獲得表示フラグが記憶されていた場合、副CPU51は、設定値演出H13を実行させることを決定する。
【0176】
副CPU51は、第1上限ゲームの実行中において、決定した設定値演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。このように、パチンコ遊技機10では、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技の実行中に実行された演出に基づいて、設定値演出の内容が決定される。
【0177】
図15(a)及び
図15(b)には、設定値演出が実行されたときにおける演出表示装置EHの表示内容の一例を示す。
図15(a)には、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技中において第1獲得演出が実行された場合であって、設定値演出H06を実行することが決定されたときにおける演出表示装置EHの表示内容の一例を示す。つまり、
図15(a)には、第1獲得演出が実行された大当り遊技の終了後、大当り遊技が付与されることなく第1上限ゲームが実行されたときにおける演出表示装置EHの表示内容の一例を示す。演出表示装置EHには、設定されている設定値が、4以上(一例として4~6)であることを示す「設定4以上」という文字列St3が表示される。加えて、演出表示装置EHには、キャラクタKg1及び「ボクが教えてあげる」という文字列が表示される。
【0178】
図15(b)には、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技中において第2獲得演出が実行された場合であって、設定値演出H13を実行することが決定されたときにおける演出表示装置EHの表示内容の一例を示す。つまり、
図15(b)には、第2獲得演出が実行された大当り遊技の終了後、大当り遊技が付与されることなく第1上限ゲームが実行されたときにおける演出表示装置EHの表示内容の一例を示す。演出表示装置EHには、設定されている設定値が、設定6であることを示す「設定6確定」という文字列St4が表示される。加えて、演出表示装置EHには、キャラクタKg2及び「ワタシが教えよう」という文字列が表示される。
【0179】
このように、演出表示装置EHでは、設定値演出が実行されるとき、設定値演出による表示に加えて、獲得演出において表示されたキャラクタKgを同時に表示可能である。なお、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技中において、第1獲得演出及び第2獲得演出の何れも実行されていなかった場合には、設定値演出が実行されても演出表示装置EHにおいてキャラクタKgが表示されないようになっている。
【0180】
以上のように、演出表示装置EHでは、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技の実行中に実行された演出に基づいた設定値演出が実行される。更に、演出表示装置EHでは、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技の実行中に実行された演出に基づいてキャラクタKgを表示させる演出を実行可能である。パチンコ遊技機10では、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技の実行中において、第1獲得演出が実行された場合と、第2獲得演出が実行された場合と、で設定値演出が実行されたときにおいて演出表示装置EHにて実行される演出の演出態様が異なる。パチンコ遊技機10では、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技の実行中において、第1獲得演出が実行された場合と、第1獲得演出及び第2獲得演出が実行されなかった場合と、で設定値演出が実行されたときにおいて演出表示装置EHにて実行される演出の演出態様が異なる。パチンコ遊技機10では、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技の実行中において、第2獲得演出が実行された場合と、第1獲得演出及び第2獲得演出が実行されなかった場合と、で設定値演出が実行されたときにおいて演出表示装置EHにて実行される演出の演出態様が異なる。つまり、第1上限ゲームの実行中、設定値演出が実行されたときにおいて演出表示装置EHにて実行される演出は、第1上限ゲームが実行される前に付与された大当り遊技の実行中に実行された演出に基づいた演出態様で実行される。
【0181】
本実施形態では、設定されている設定値が規定設定値(一例として5)以上であるときと、設定されている設定値が規定設定値未満であるときと、で設定値演出の演出態様を異ならせる。規定設定値は、特定値の一例である。規定設定値は、5であることに限らない。2であってもよく、3であってもよい。また、規定設定値は、4であってもよく、6であってもよい。規定設定値は、設定値のうち一部の設定値を除いた設定値であるとよい。
【0182】
本実施形態では、設定されている設定値が規定設定値以上であるときと、設定されている設定値が規定設定値未満であるときと、で設定値演出が実行されたときにおける演出表示装置EHに表示される文字列Stの画像の色を異ならせる。例えば、
図8(b)における文字列St2、及び、
図15(b)における文字列St4に示すように、パチンコ遊技機10では、文字列Stの画像の色を異ならせることで設定値演出の演出態様を異ならせる。これに限らず、文字列Stの画像の大きさを異ならせることで設定値演出の演出態様を異ならせてもよく、文字列Stの画像を表示する領域を異ならせることで設定値演出の演出態様を異ならせてもよい。また、文字列Stの画像の色、文字列Stの画像の大きさ、及び文字列Stの画像を表示する領域のうち1又は複数を異ならせることで設定値演出の演出態様を異ならせてもよい。
【0183】
副CPU51は、全種類の設定値演出(設定値演出H01~H13)について、設定されている設定値が規定設定値以上であるときと、設定されている設定値が規定設定値未満であるときと、で設定値演出の演出態様を異ならせる。これに限らず、副CPU51は、全種類の設定値演出のうち一部の設定値演出(一例として設定値演出H08~H13)について、設定されている設定値が規定設定値以上であるときと、設定されている設定値が規定設定値未満であるときと、で設定値演出の演出態様を異ならせてもよい。このように、大当り遊技の付与に関する情報として記憶された値が規定設定値以上であるときと、大当り遊技の付与に関する情報として記憶された値が規定設定値未満であるときとでは、設定値演出の演出態様が異なる。
【0184】
次に、確率演出の種類について、詳しく説明する。
図16(a)~
図16(f)には、設定値毎の確率演出の種類の一例を示す。本実施形態において確率演出の種類には、複数ある。そして、本実施形態では、設定されている設定値に応じて、それぞれ実行可能な確率演出が定められている。
図16(a)に示すように、設定1では、2種類の確率演出を実行可能である。
図16(b)に示すように、設定2では、3種類の確率演出を実行可能である。
図16(c)に示すように、設定3では、4種類の確率演出を実行可能である。
図16(d)に示すように、設定4では、5種類の確率演出を実行可能である。
図16(e)に示すように、設定5では、6種類の確率演出を実行可能である。
図16(f)に示すように、設定6では、6種類の確率演出を実行可能である。
【0185】
副CPU51は、確率演出を実行することを決定した場合、設定されている設定値に応じて実行する確率演出を決定する。
例えば、設定されている設定値が1である場合、副CPU51は、確率演出P01及び確率演出P06の何れかを実行させることを決定する。この場合、副CPU51は、
図16における「選択確率」の欄における確率で確率演出P01及び確率演出P06が決定されるように抽選を行う。つまり、設定されている設定値が1である場合、副CPU51は、90%の確率で確率演出P01を実行することを決定し、10%の確率で確率演出P06を実行することを決定する。
【0186】
例えば、設定されている設定値が6である場合、副CPU51は、確率演出P01~P05,P11の何れかを実行させることを決定する。つまり、設定されている設定値が6である場合、副CPU51は、10%の確率で確率演出P01を実行することを決定し、10%の確率で確率演出P02を実行することを決定する。また、設定されている設定値が6である場合、副CPU51は、20%の確率で確率演出P03を実行することを決定し、30%の確率で確率演出P04を実行することを決定する。また、設定されている設定値が6である場合、副CPU51は、20%の確率で確率演出P05を実行することを決定し、10%の確率で確率演出P11を実行することを決定する。副CPU51は、第2上限ゲームの実行中において、決定した確率演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。
【0187】
実施形態の効果について説明する。
(1)高確時短状態又は第1低確時短状態に制御されたときには、大当り遊技が付与されることに加えて低確時短状態よりも有利な状態に制御されるという複数の利益を与えることによって、喜びを与えることができる。一方、第2低確時短状態に制御されたときには、大当りに当選しなくても低確時短状態よりも有利な状態に制御されるという利益を与えることによって、喜びを与えることができる。このように、高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態は、何れも低確時短状態に比して第2始動口16への遊技球の入球率が高い状態であるが、制御されたときにおいて与えることができる喜びの要因が異なることから、喜びの質と量も異なりうる。具体的に、高確時短状態又は第1低確時短状態に制御されたときには、大当りとなったことに加えて有利な状態に制御されることにより成り立つ喜びの質である。一方、第2低確時短状態に制御されたときには、大当りとならなかったが有利な状態に制御されることにより成り立つ喜びの質である。そして、高確時短状態又は第1低確時短状態に制御されたときには、複数の利益を与えられたことにより得られる喜びの量である。一方、第2低確時短状態に制御されたときには、大当りとならなかったが有利な状態に制御されたという反動により得られる喜びの量である。
【0188】
ここで、高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態であるときには、何れも上限ゲーム(第1上限ゲーム及び第2上限ゲーム)に近づくにつれて有利な状態が終了してしまうことに対する不安感を高める。さらに、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームであるときには、有利な状態が終了してしまうことに対する不安感をより高める。これにより、高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態に制御されたことによって与えられた喜びを不安感によって減退させ、興趣が低下することが考えられる。高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態は、制御されたときにおける喜びの質と量が異なりうるから、感じる不安や、その不安によって減退する喜びの質と量も異なりうる。
【0189】
このような前提のもと、本実施形態によれば、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れであるかによって設定値演出を実行させることにより、喜びや不安感に沿った演出が行われるようにすることができ、興趣の低下を抑制することができる。そして、設定値演出は、特別ゲームの結果に関係なく実行されるから、特別ゲームの結果によって実行される演出とは異なった観点で楽しませることができ、興趣の向上を図ることができる。さらに、パチンコ遊技機10は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れであっても状態移行演出を実行可能である。状態移行演出は、特別ゲームの結果に応じて実行されるから、大当り遊技が付与されることに期待させることができ、興趣の向上を図ることができる。このように、設定値演出及び状態移行演出は、何れも上限ゲームの状況によって実行可能であるから、不安感が高まることによって興趣が低下することを抑制することができる。そして、設定値演出及び状態移行演出は、実行条件が異なることから、異なる観点で演出をそれぞれ楽しませることができ、興趣の向上を図ることができる。よって、本実施形態によれば、有利な状態が終了することに対する不安感が高まる状況において、興趣の低下を抑制することができる。
【0190】
(2)設定値演出は、大当り遊技の付与に関する情報として記憶された値(一例として、設定値)を示唆又は報知する演出である。本実施形態によれば、有利な設定値であることを期待する遊技者に対して設定値演出が実行されることにより、特別ゲームの結果によって実行される演出とは異なった観点で楽しませることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0191】
(3)状態移行演出は、高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態の終了に関する情報を示唆又は報知する演出である。本実施形態によれば、状態移行演出が実行されることによって、高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態の終了を理解させ易くすることができる。そして、状態移行演出は、単に、高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態の終了を理解させ易くすることに限らず、特別ゲームの結果によって実行の有無が異なるから、大当り図柄が導出されることに期待する遊技者に対して、興趣の向上を図ることができる。
【0192】
(4)高確時短状態及び第1低確時短状態は、大当りに当選したことで制御される一方、第2低確時短状態は、大当りに当選せずに制御される。よって、高確時短状態及び第1低確時短状態に制御されたときには、喜びを与え易い。本実施形態によれば、第1上限ゲームが実行されるときに設定値演出を実行することにより、減退する喜びの量を少なくすることができる。
【0193】
(5)本実施形態では、単に設定値演出を実行するだけではなく、特別ゲームの結果によって設定値演出の実行期間を異ならせた。これにより、設定値演出の内容に加え、設定値演出の実行期間にも意識させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0194】
(6)本実施形態によれば、特別ゲームの結果が大当り図柄であるときには状態移行演出が実行されないから、大当り図柄が導出されて大当りとなることを期待する遊技者に対して、状態移行演出が実行されるか否かについて、特に注目させることができる。更に、本実施形態によれば、特別ゲームの結果としてはずれ図柄又はチャンス図柄が導出されて状態移行演出が終了しうる状況において、状態移行演出が実行される時期と、特別ゲームの結果が導出される時期と、についても注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0195】
(7)本実施形態によれば、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れであるかによって設定値演出及び確率演出の何れかを実行させることにより、喜びや不安感に沿った演出が行われるようにすることができ、興趣の低下を抑制することができる。パチンコ遊技機10では、大当り遊技において遊技球を獲得して、その後、第1低確時短状態又は高確時短状態において第1上限回数の特別ゲームが行われて低確時短状態に制御されうるという一連の流れが一区切りする状況において設定値演出が実行される。設定値演出は、大当り遊技の付与に関する情報として記憶された値(一例として、設定値)を示唆又は報知する演出である。本実施形態によれば、一連の流れが一区切りして、再び大当り遊技が付与されることを目指す状況において、設定値が示唆又は報知されるから、その後の遊技に対して興趣が低下することを抑制することができる。一方、パチンコ遊技機10では、第2低確時短状態において第2上限回数の特別ゲームが行われて低確時短状態に制御されうる状況において確率演出が実行される。確率演出は、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率(大当り確率)を示唆又は報知する演出である。本実施形態によれば、第2上限ゲームの実行中において、第2上限ゲームにおける大当り確率が示唆又は報知されるから、再び第2低確時短状態に制御されることへの期待感を抱かせることができ、低確時短状態に制御された後の遊技に対して興趣が低下することを抑制することができる。このように、設定値演出及び確率演出は、何れも有利な状態における上限ゲームの状況によって実行可能であるから、不安感が高まることによって興趣が低下することを抑制することができる。そして、設定値演出及び確率演出は、実行される特別ゲームと、示唆又は報知する内容と、が異なることから、状況に応じた演出を実行することができる。よって、本実施形態によれば、有利な状態が終了することに対する不安感が高まる状況において、興趣の低下を抑制することができる。
【0196】
(8)設定値演出が実行されたときにおいて演出表示装置EHにて実行される演出は、大当り遊技の実行中に実行された演出(一例として獲得演出)に基づいた演出態様で実行される。これにより、本実施形態によれば、大当り遊技において実行される演出に対して注目度を高めることができるとともに、設定値演出が実行されることに対する期待感や楽しみを与えることができ、興趣の向上を図ることができる。また、大当り遊技において実行された演出と、設定値演出が実行されたときにおける演出の演出態様との関連性についても、興味を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0197】
(9)本実施形態では、設定値演出が示唆又は報知する情報が、特定値以上である場合と、特定値未満である場合と、で態様を異ならせた。これにより、設定値演出が実行されたときには、特定値以上が示唆又は報知されたことを理解させ易くすることができる。このため、例えば、特定値以上であることを期待する遊技者に対して設定値演出の態様についても注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0198】
(10)高確時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態は、低確時短状態よりも特別ゲームの実行時間が短くなり易い。そして、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームは、変動時間が異なる。変動時間は、特別ゲームの実行中において演出を実行可能な時間であるともいえる。設定値演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームのうち何れか一方の特別ゲームが実行されたときには実行されず、他方の特別ゲームが実行されたときには実行されるから、他方の特別ゲームの変動時間に沿った設定値演出を構成することができる。これにより、本実施形態では、違和感なく設定値演出を実行することで設定値演出の内容を認識し易くすることができ、設定値演出が実行されることにより興趣の低下を抑制することができる。また、状態移行演出は、変動時間が異なる第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れの特別ゲームが実行されたときであっても実行されうるから、同じ状態移行演出が実行されても、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れの特別ゲームが実行されたかによって異なる印象を与えることができる。これにより、本実施形態では、状態移行演出が実行されることに対する楽しみ方に多様性を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0199】
(11)高確時短状態及び第1低確時短状態は、大当りに当選したことで制御される一方、第2低確時短状態は、大当りに当選せずに制御される。よって、高確時短状態及び第1低確時短状態に制御されたときには、喜びを与え易い。本実施形態によれば、第1上限ゲームが実行されるときに設定値演出を実行することにより、減退する喜びの量を少なくすることができる。そして、第1上限ゲームの平均変動時間は、第2上限ゲームの平均変動時間に比して短い。つまり、第1上限ゲームが開始してから低確非時短状態に制御されるまでの時間は、第2上限ゲームが開始してから低確非時短状態に制御されるまでの時間よりも短くなり易い。このため、第1上限ゲームが開始されると低確非時短状態に制御されることに対する不安感を高め易い。このような状況において、設定値演出が実行されるから、効果的に興趣の低下を抑制することができる。
【0200】
(12)状態移行演出は、設定値演出が実行された後に実行されうる。これにより、設定値演出が開始されてから状態移行演出が開始されるまでの間において、状態移行演出が実行されるか否かについて、特に注目させることができる。また、状態移行演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れの特別ゲームが実行されたときであっても実行されうるから、設定値演出が実行された後に実行される場合と、設定値演出が実行されずに実行される場合と、がある。これにより、本実施形態では、状態移行演出が実行されることに対する楽しみ方に多様性を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。特に、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームは、変動時間が異なることから、変動時間と状態移行演出が実行される時期という観点でも楽しませることができる。
【0201】
(13)設定値演出は、第1上限ゲームが実行されたときに実行される。第1上限ゲームの変動時間は、保留されている第2特別ゲームの数によって異ならないから、第1上限ゲームの変動時間に沿った設定値演出を構成することができる。これにより、本実施形態では、違和感なく設定値演出を実行することで設定値演出の内容を認識し易くすることができ、設定値演出が実行されることにより興趣の低下を抑制することができる。また、状態移行演出は、保留されている第2特別ゲームの数によって変動時間が異なる第2上限ゲームにおいても実行されるから、保留されている第2特別ゲームの数によって異なる印象を与えることができる。これにより、本実施形態では、状態移行演出が実行されることに対する楽しみ方に多様性を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0202】
(14)第1上限ゲームと、第2上限ゲームとでは、大当り図柄が導出されるときにおける変動時間が異なる。変動時間は、特別ゲームの実行中において演出を実行可能な時間であるともいえる。設定値演出は、第1上限ゲームが実行されたときに実行されるから、第1上限ゲームの変動時間に沿った設定値演出を構成することができる。これにより、本実施形態では、違和感なく設定値演出を実行することで設定値演出の内容を認識し易くすることができ、設定値演出が実行されることにより興趣の低下を抑制することができる。一方、確率演出は、第2上限ゲームが実行されたときに実行されるから、第2上限ゲームの変動時間に沿った確率演出を構成することができる。特に、確率演出は、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率を示唆又は報知する演出であるため、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出されるときにおける変動時間と、確率演出が実行される時期及び期間との関連性が強いといえる。本実施形態によれば、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出されるときにおいて、そのときの変動時間に沿った確率演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することができる。
【0203】
(15)第1上限ゲームと、第2上限ゲームとでは、はずれ図柄が導出されるときにおける変動時間が異なる。また、第1上限ゲームと、第2上限ゲームとでは、チャンス図柄が導出されるときにおける変動時間が異なる。設定値演出は、第1上限ゲームが実行されたときに実行されるから、第1上限ゲームの変動時間に沿った設定値演出を構成することができる。これにより、本実施形態では、違和感なく設定値演出を実行することで設定値演出の内容を認識し易くすることができ、設定値演出が実行されることにより興趣の低下を抑制することができる。一方、確率演出は、第2上限ゲームが実行されたときに実行されるから、第2上限ゲームの変動時間に沿った確率演出を構成することができる。特に、確率演出は、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率を示唆又は報知する演出であるため、第2上限ゲームの結果としてはずれ図柄又はチャンス図柄が導出されるときにおける変動時間と、確率演出が実行される時期及び期間との関連性が強いといえる。本実施形態によれば、第2上限ゲームの結果としてはずれ図柄又はチャンス図柄が導出されるときにおいて、そのときの変動時間に沿った確率演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することができる。
【0204】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・副CPU51は、設定値演出を実行することを決定したときにおいて第2特別保留数に応じて設定値演出の実行期間を決定してもよい。副CPU51は、設定値演出を実行することを決定した場合、第2保留コマンドに基づいて設定値演出の実行期間の長さを決定してもよい。例えば、設定値演出の実行期間は、第2特別保留数が1<2<3<4の順に長くてもよい。例えば、設定値演出の実行期間は、第2特別保留数が4<3<2<1の順に長くてもよい。この変更例において、設定値演出の実行期間は、第2特別保留数にかかわらず第1上限ゲームの結果が大当り図柄である場合よりも、第1上限ゲームの結果がはずれ図柄及びチャンス図柄の何れかである場合のほうが、長くてもよく、短くてもよい。このように、設定値演出は、第1上限ゲームが実行されるときにおいて第2始動口16へ遊技球が入球したことに基づいて保留されている特別ゲームの数によって実行期間が異なってもよい。これにより、設定値演出の演出内容に加え、第1上限ゲームが実行されるときにおける第2特別保留数と、設定値演出の実行期間とについても意識させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0205】
・変動パターンの種類及び変動パターンの変動時間は、適宜変更してもよい。例えば、変動パターンテーブルHTB04には、特別図柄がはずれ図柄である場合に決定される変動パターンとして、変動パターンHP41とは異なる変動パターンがあってもよい。変動パターンテーブルHTB04には、特別図柄がチャンス図柄である場合に決定される変動パターンとして、変動パターンHP42とは異なる変動パターンがあってもよい。変動パターンテーブルHTB04には、特別図柄が大当り図柄である場合に決定される変動パターンとして、変動パターンHP43とは異なる変動パターンがあってもよい。そして、変動パターンテーブルHTB04が決定された場合に決定されうる変動パターンは、それぞれ異なる変動時間であってもよい。つまり、第1上限ゲームの変動時間は、変動パターン決定処理の結果に応じて異なる特別ゲームの変動時間が決定されてもよい。この場合であっても、副CPU51は、第1上限ゲームが開始されるときにおいて、決定された変動パターンにかかわらず設定値演出を実行させてもよい。つまり、設定値演出は、第1上限ゲームの変動時間が何れの変動時間であっても実行されてもよい。これにより、第1上限ゲームの実行中には、特に、設定値演出が実行されることに対して注目させることができ、設定値演出の内容を認識し易くすることにより興趣の低下を抑制することができる。
【0206】
・副CPU51は、第2上限ゲームが開始されるときにおいて、決定された変動パターンに応じて確率演出を実行させるか否かを決定してもよい。例えば、変動パターンHP61及び変動パターンHP64の何れかが決定された場合、副CPU51は、確率演出を実行させないことを決定してもよい。一方、変動パターンHP61及び変動パターンHP64とは異なる変動パターンが決定された場合、副CPU51は、確率演出を実行させることを決定してもよい。つまり、副CPU51は、第2上限ゲームの変動時間が特定時間(一例として11秒)以上であるときに確率演出を実行させることを決定してもよい。このように、確率演出は、第2上限ゲームの変動時間によって、実行される場合と、実行されない場合と、があってもよい。これにより、第2上限ゲームの実行中には、変動時間と確率演出が実行される時期という観点でも楽しませることができる。そして、確率演出は、第2上限ゲームの変動時間が特定時間以上であるときに実行される一方、第2上限ゲームの変動時間が特定時間未満であるときに実行されなくてもよい。これにより、第2上限ゲームの実行中には、特定時間が経過したか否かという観点でも楽しませることができる。
【0207】
・設定されている設定値が規定設定値(一例として5)以上である場合と、設定されている設定値が規定設定値未満である場合とでは、確率演出の演出態様を異ならせてもよい。つまり、確率演出は、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率が特定の確率(一例として1/270)よりも高い場合と、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率が特定の確率よりも低い場合と、で演出態様が異なってもよい。例えば、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率が特定の確率よりも高い場合と、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率が特定の確率よりも低い場合とでは、確率演出が実行されたときにおける演出表示装置EHに表示される文字列Shの画像の色を異ならせてもよい。これに限らず、文字列Shの画像の大きさを異ならせることで確率演出の演出態様を異ならせてもよく、文字列Shの画像を表示する領域を異ならせることで確率演出の演出態様を異ならせてもよい。また、文字列Shの画像の色、文字列Shの画像の大きさ、及び文字列Shの画像を表示する領域のうち1又は複数を異ならせることで確率演出の演出態様を異ならせてもよい。これにより、確率演出が実行されたときには、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率について、理解させ易くすることができる。そして、第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出される確率が、特定の確率よりも高い確率であることを期待する遊技者に対して確率演出の演出態様についても注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0208】
・状態移行演出は、1種類であってもよい。状態移行演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れが実行されたかに関係なく同じ演出態様で実行されてもよい。例えば、状態移行演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れが実行されても、同じ文字列Sj2が演出表示装置EHに表示されてもよい。これにより、状態移行演出が、どのような演出であるのか理解させ易い。よって、状態移行演出が実行されたか否かを認識させ易くすることができ、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの結果として大当り図柄が導出されることを期待する遊技者に対して、興趣の向上を図ることができる。
【0209】
・第1上限ゲームの結果として非特定結果(はずれ図柄及びチャンス図柄)が導出されるときにおける当該第1上限ゲームの平均変動時間は、第1上限ゲームの結果として特定結果(大当り図柄)が導出されるときにおける第1上限ゲームの平均変動時間に比して短くなるようにしてもよい。また、第2上限ゲームの結果として非特定結果が導出されるときにおける当該第2上限ゲームの平均変動時間は、第2上限ゲームの結果として特定結果が導出されるときにおける当該第2上限ゲームの平均変動時間に比して短くなるようにしてもよい。これにより、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームでは、特別ゲームが開始した後、大当り図柄が導出されるよりもはずれ図柄又はチャンス図柄が導出される時期が早くなり易い。よって、本変更例では、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの実行されたとき、はずれ図柄又はチャンス図柄が導出されるか否かと、状態移行演出が実行されるか否かと、の両方について注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0210】
・第1上限ゲームの結果として特定結果(大当り図柄)が導出されるときにおける当該第1上限ゲームの平均変動時間は、第1上限ゲームの結果として非特定結果(はずれ図柄及びチャンス図柄)が導出されるときにおける当該第1上限ゲームの平均変動時間に比して短くなるようにしてもよい。また、第2上限ゲームの結果として特定結果が導出されるときにおける当該第2上限ゲームの平均変動時間は、第2上限ゲームの結果として非特定結果が導出されるときにおける当該第2上限ゲームの平均変動時間に比して短くなるようにしてもよい。これにより、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームでは、特別ゲームが開始した後、はずれ図柄又はチャンス図柄が導出されるよりも大当り図柄が導出される時期が早くなり易い。よって、本変更例では、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの実行されたとき、大当り図柄が導出されるか否かと、状態移行演出が実行されるか否かと、の両方について注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0211】
・規定回数Kaは、適宜変更してもよい。規定回数Kaは、499回以下であってもよく、501回以上であってもよい。規定回数Kaは、少なくとも1回以上であるとよい。
・第1時短初期回数及び第2時短初期回数は、適宜変更してもよい。例えば、第1時短初期回数は、99回以下であってもよく、101回以上であってもよい。また、第2時短初期回数は、699回以下であってもよく、701回以上であってもよい。第1時短初期回数及び第2時短初期回数は、少なくとも1回以上であるとよい。第1時短初期回数は、第2時短初期回数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。つまり、第1上限回数は、第2上限回数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
【0212】
・主CPU42が実行するチャンス抽選の実行契機は、以下のように変更してもよい。なお、以下に示すチャンス抽選の実行契機は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施してもよい。
【0213】
チャンス抽選は、第1特別ゲームを実行させる処理、及び、第2特別ゲームを実行させる処理のうち一方の処理において実行されうる一方、他方の処理において実行されないようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、第1特別ゲームを実行させる処理において実行されうる一方、第2特別ゲームを実行させる処理において実行されないようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、第2特別ゲームを実行させる処理において実行されうる一方、第1特別ゲームを実行させる処理において実行されないようにしてもよい。
【0214】
チャンス抽選は、複数の遊技状態のうち特定の遊技状態に制御されているときに実行されうる一方、前記特定の遊技状態とは異なる遊技状態に制御されているときに実行されないようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、低確非時短状態に制御されているときに実行されうる一方、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態に制御されているときに実行されないようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態に制御されているときに実行されうる一方、低確非時短状態に制御されているときに実行されないようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、低確非時短状態及び第2低確時短状態に制御されているときに実行されうる一方、第1低確時短状態及び高確時短状態に制御されているときに実行されないようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、第1低確時短状態及び高確時短状態に制御されているときに実行されうる一方、低確非時短状態及び第2低確時短状態に制御されているときに実行されないようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、低確非時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態に制御されているときに実行されうる一方、高確時短状態に制御されているときに実行されないようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、高確時短状態に制御されているときに実行されうる一方、低確非時短状態、第1低確時短状態、及び第2低確時短状態に制御されているときに実行されないようにしてもよい。
【0215】
チャンス抽選は、特別ゲームの実行回数に基づいて実行されるようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、電源投入後における特別ゲームの実行回数に基づいて実行されるようにしてもよい。一例として、チャンス抽選は、電源投入後における第1回数目(一例として1回目)の特別ゲームが実行されるときに実行されうる一方、電源投入後における第1回数目とは異なる第2回数目の特別ゲームが実行されるときに実行されないようにしてもよい。一例として、チャンス抽選は、電源投入後における特別ゲームの実行回数が第3回数(一例として5回)に達していない場合には実行されうる一方、電源投入後における特別ゲームの実行回数が第3回数に達している場合には実行されないようにしてもよい。例えば、チャンス抽選は、遊技状態が移行した後における特別ゲームの実行回数に基づいて実行されるようにしてもよい。なお、「遊技状態が移行した後」には、第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかから低確非時短状態に移行した後と、低確非時短状態から第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態の何れかに移行した後と、が含まれる。一例として、チャンス抽選は、低確非時短状態に移行した後における第4回数目(一例として1回目)の特別ゲームが実行されるときに実行されうる一方、低確非時短状態に移行した後における第4回数目とは異なる第5回数目の特別ゲームが実行されるときに実行されないようにしてもよい。一例として、チャンス抽選は、低確非時短状態に移行した後における特別ゲームの実行回数が第6回数(一例として5回)に達していない場合には実行されうる一方、低確非時短状態に移行した後における特別ゲームの実行回数が第6回数に達している場合には実行されないようにしてもよい。
【0216】
・主CPU42は、特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出された場合、特別ゲームの実行回数に基づいて第2低確時短状態に制御してもよい。例えば、主CPU42は、特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出された場合、電源投入後における特別ゲームの実行回数に基づいて第2低確時短状態に制御してもよい。一例として、主CPU42は、電源投入後における第7回数目(一例として1回目)の特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されたときに第2低確時短状態に制御しうる一方、電源投入後における第7回数目とは異なる第8回数目の特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されても第2低確時短状態に制御しなくてもよい。一例として、主CPU42は、電源投入後における特別ゲームの実行回数が第9回数(一例として5回)に達していない場合にチャンス図柄が導出されたときには第2低確時短状態に制御しうる一方、電源投入後における特別ゲームの実行回数が第9回数に達している場合にチャンス図柄が導出されても第2低確時短状態に制御しなくてもよい。例えば、主CPU42は、特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出された場合、遊技状態が移行した後における特別ゲームの実行回数に基づいて第2低確時短状態に制御してもよい。一例として、主CPU42は、低確非時短状態に移行した後における第10回数目(一例として1回目)の特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されたときには第2低確時短状態に制御しうる一方、低確非時短状態に移行した後における第10回数目とは異なる第11回数目の特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出されても第2低確時短状態に制御しなくてもよい。一例として、主CPU42は、低確非時短状態に移行した後における特別ゲームの実行回数が第12回数(一例として5回目)に達していない場合にチャンス図柄が導出されたときには第2低確時短状態に制御しうる一方、低確非時短状態に移行した後における特別ゲームの実行回数が第12回数に達している場合にチャンス図柄が導出されても第2低確時短状態に制御しなくてもよい。
【0217】
・特定契機判定値は、設定値に基づいて、それぞれ異なる値であってもよい。この場合、チャンス抽選に当選する確率は、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に高確率となるようにしてもよいし、設定6<設定5<設定4<設定3<設定2<設定1の順に高確率となるようにしてもよい。チャンス抽選に当選する確率は、何れの設定値であっても、大当り抽選に当選する確率よりも高くてもよい。
【0218】
・低確非時短状態に制御されているときにおいて、大当りに当選したことにより第1低確時短状態又は高確時短状態に制御された後に設定値演出が実行される確率は、大当りに当選せずに第2低確時短状態に制御された後に確率演出が実行される確率に比して高くてもよい。つまり、設定値演出が実行される頻度は、確率演出が実行される頻度に比して高くてもよい。
【0219】
・低確非時短状態に制御されているときにおいて、大当りに当選せずに第2低確時短状態に制御された後に確率演出が実行される確率は、大当りに当選したことにより第1低確時短状態又は高確時短状態に制御された後に設定値演出が実行される確率に比して高くてもよい。つまり、確率演出が実行される頻度は、設定値演出が実行される頻度に比して高くてもよい。
【0220】
・第1低確時短状態又は高確時短状態に制御されており、大当り後回数が第1上限回数未満である場合、主CPU42は、第2特別保留数が0~4の何れであるかによって、それぞれ異なる変動パターンテーブルを決定してもよい。そして、パチンコ遊技機10では、第1低確時短状態又は高確時短状態に制御されており、大当り後回数が第1上限回数未満である場合、第2特別保留数の数が多いほど、特別ゲームの平均変動時間が短くなるようになっていてもよい。
【0221】
・第2低確時短状態に制御されている場合、主CPU42は、第2特別保留数が0~4の何れであるかによって、それぞれ異なる変動パターンテーブルを決定してもよい。そして、パチンコ遊技機10では、第2低確時短状態に制御されている場合、第2特別保留数の数が多いほど、特別ゲームの平均変動時間が短くなるようになっていてもよい。
【0222】
・状態移行演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームが終了した後、次の特別ゲームの実行中に実行されてもよい。例えば、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームが開始するときにおいて第2特別保留数が1以上ある場合には、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームが終了した次の特別ゲーム(第2特別ゲーム)において状態移行演出が実行されてもよい。この場合、状態移行演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの実行中において実行されてもよいし、実行されなくてもよい。また、状態移行演出は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの実行中において開始された後、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームが終了した次の特別ゲームにおいても継続して実行されてもよい。そして、状態移行演出は、第2特別保留数が0になると終了してもよい。
【0223】
・設定値演出は、第1上限ゲームが終了した後、次の特別ゲームの実行中に継続して実行されてもよい。例えば、第1上限ゲームが開始するときにおいて第2特別保留数が1以上ある場合には、第1上限ゲームが終了した次の特別ゲーム(第2特別ゲーム)においても継続して設定値演出が実行されてもよい。そして、設定値演出は、第2特別保留数が0になると終了してもよい。
【0224】
・確率演出は、第2上限ゲームが終了した後、次の特別ゲームの実行中に継続して実行されてもよい。例えば、第2上限ゲームが開始するときにおいて第2特別保留数が1以上ある場合には、第2上限ゲームが終了した次の特別ゲーム(第2特別ゲーム)においても継続して確率演出が実行されてもよい。そして、確率演出は、第2特別保留数が0になると終了してもよい。
【0225】
・副CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、大当りが連続して当選した回数を特定可能な情報(以下、連続大当り回数と示す)に1加算して副RWM53に記憶させてもよい。連続大当り回数は、低確非時短状態及び第2低確時短状態の何れかに制御されているときに大当り遊技が付与されてから(所謂、初当りから)、第1時短回数が0になることで低確非時短状態に制御されるまでの間において、大当りが付与された回数を特定可能な情報である。連続大当り回数は、第2大当り遊技が開始されたときに1加算される一方、第1大当り遊技が開始されたときに1加算されないようにしてもよい。つまり、連続大当り回数は、複数種類の大当り遊技のうち一部の種類の大当り遊技が開始されたときに1加算され、一部の大当り遊技の付与に関する回数であってもよい。このように、連続大当り回数は、大当り遊技の付与に関連して更新される回数であって、所謂、連荘回数であり、一部又は全部の大当り遊技の付与に関連する情報として記憶された回数(値)として捉えることができる。なお、副CPU51は、第1時短回数が0になることで第1低確時短状態から低確非時短状態に制御されたときに、連続大当り回数を初期化(一例として0)して副RWM53に記憶させる。また、副CPU51は、第1時短回数が0になることで高確時短状態から低確非時短状態に制御されるときに、連続大当り回数を初期化(一例として0)して副RWM53に記憶させる。副CPU51は、連続大当り回数に基づいて大当り遊技中に獲得演出を実行してもよい。そして、副CPU51は、連続大当り回数に基づいて第1獲得表示フラグ及び第2獲得表示フラグを副RWM53に記憶させてもよい。例えば、連続大当り回数が第1連続回数(一例として5回)に達した場合、副CPU51は、連続大当り回数を特定可能な画像として連荘ポイントRp1が表示されるように演出表示装置EHを制御してもよい。一例として、連荘ポイントRp1は、「5連荘」という文字列であってもよい。加えて、副CPU51は、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列が表示されるように演出表示装置EHを制御してもよい。副CPU51は、キャラクタKg1及び「パンダ登場」という文字列が継続して表示されるように演出表示装置EHを制御してもよい。このとき、副CPU51は、第1獲得表示フラグを副RWM53に記憶させてもよい。例えば、連続大当り回数が第2連続回数(一例として10回)に達した場合、副CPU51は、連続大当り回数を特定可能な画像として連荘ポイントRp2が表示されるように演出表示装置EHを制御してもよい。一例として、連荘ポイントRp1は、「10連荘」という文字列であってもよい。加えて、副CPU51は、キャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列が表示されるように演出表示装置EHを制御してもよい。副CPU51は、キャラクタKg2及び「ライオン登場」という文字列が継続して表示されるように演出表示装置EHを制御してもよい。このとき、副CPU51は、第2獲得表示フラグを副RWM53に記憶させてもよい。そして、副CPU51は、獲得演出の実行内容に基づいて設定値演出を実行してもよい。つまり、副CPU51は、連続大当り回数に基づいて設定値演出を実行してもよい。
【0226】
・確率演出は、第2上限ゲームとは異なる特別ゲームが実行されたときにも実行されてもよい。例えば、第2低確時短状態であるときには、第2上限ゲームに限らず確率演出を実行可能にしてもよい。一方、高確時短状態及び第1低確時短状態であるときには、確率演出を実行不能にしてもよい。
【0227】
・状態移行演出は、2種類であることに限らず3種類以上あってもよい。状態移行演出は、移行前の遊技状態によって、それぞれ異なる表示内容で実行されてもよい。例えば、状態移行演出は、第1低確時短状態に制御されている場合に第1上限ゲームが実行されたとき、「第1低確時短状態が終了します」という文字列Sj3が演出表示装置EHに表示されてもよい。例えば、状態移行演出は、高確時短状態に制御されている場合に第1上限ゲームが実行されたとき、「高確時短状態が終了します」という文字列Sj4が演出表示装置EHに表示されてもよい。例えば、状態移行演出は、第2低確時短状態に制御されている場合に第2上限ゲームが実行されたとき、「第2低確時短状態が終了します」という文字列Sj5が演出表示装置EHに表示されてもよい。
【0228】
・状態移行演出の実行時間は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れが実行された場合であっても、同じ時間であってもよい。状態移行演出の実行時間は、第1上限ゲーム及び第2上限ゲームの何れが実行されたかに基づいて、異なる時間にしてもよい。
【0229】
・設定値演出は、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPのうち一部又は全部において実行されるように構成してもよい。確率演出は、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPのうち一部又は全部において実行されるように構成してもよい。状態移行演出は、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPのうち一部又は全部において実行されるように構成してもよい。獲得演出は、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPのうち一部又は全部において実行されるように構成してもよい。
【0230】
・設定値演出は、設定されている設定値を遊技者に対して仄めかすことにより、設定されている設定値を示唆してもよい。つまり、設定値演出は、設定されている設定値を遊技者に対して明示しないことにより、設定されている設定値を示唆してもよい。また、設定値演出は、設定されている設定値を遊技者に対して明示することにより、設定されている設定値を報知してもよい。例えば、設定されている設定値を遊技者に対して明示しないとは、複数の設定値(一例として設定1~設定6)のうち設定されている設定値のみを示すものではなく、前記複数の設定値のうち設定されている設定値を含む複数の設定値を示すものであってもよい。そして、設定されている設定値を遊技者に対して明示するとは、複数の設定値のうち設定されている設定値のみを示すものであってもよい。例えば、設定されている設定値を遊技者に対して明示しないとは、複数の設定値のうち設定されている設定値が設定されている確率として100%未満で示すものであってもよい。そして、設定されている設定値を遊技者に対して明示するとは、複数の設定値のうち設定されている設定値が設定されている確率として100%で示すものであってもよい。
【0231】
・確率演出は、設定されている設定値に基づいた大当り確率を遊技者に対して仄めかすことにより、設定されている設定値に基づいた大当り確率を示唆してもよい。つまり、確率演出は、設定されている設定値に基づいた大当り確率を遊技者に対して明示しないことにより、設定されている設定値に基づいた大当り確率を示唆してもよい。また、確率演出は、設定されている設定値に基づいた大当り確率を遊技者に対して明示することにより、設定されている設定値に基づいた大当り確率を報知してもよい。例えば、設定されている設定値に基づいた大当り確率を遊技者に対して明示しないとは、複数の大当り確率のうち設定されている設定値に基づいた大当り確率のみを示すものではなく、前記複数の大当り確率のうち設定されている設定値に基づいた大当り確率を含む複数の大当り確率を示すものであってもよい。そして、設定されている設定値に基づいた大当り確率を遊技者に対して明示するとは、複数の大当り確率のうち設定されている設定値に基づいた大当り確率のみを示すものであってもよい。例えば、設定されている設定値に基づいた大当り確率を遊技者に対して明示しないとは、複数の大当り確率のうち設定されている設定値に基づいた大当り確率である確率として100%未満で示すものであってもよい。そして、設定されている設定値に基づいた大当り確率を遊技者に対して明示するとは、複数の大当り確率のうち設定されている設定値に基づいた大当り確率である確率として100%で示すものであってもよい。
【0232】
・状態移行演出は、特定状態(一例として第1低確時短状態、高確時短状態、及び第2低確時短状態)の終了を遊技者に対して仄めかすことにより、特定状態の終了に関する情報を示唆してもよい。つまり、状態移行演出は、特定状態が終了することを遊技者に対して明示しないことにより、特定状態の終了に関する情報を示唆してもよい。また、状態移行演出は、特定状態が終了することを遊技者に対して明示することにより、特定状態の終了に関する情報を報知してもよい。例えば、特定状態が終了することを遊技者に対して明示しないとは、複数の遊技状態のうち特定状態が終了することを示すものではなく、前記複数の遊技状態のうち何れかの遊技状態が終了することを示すものであってもよい。そして、特定状態が終了することを遊技者に対して明示するとは、複数の遊技状態のうち特定状態が終了することを示すものであってもよい。例えば、特定状態が終了することを遊技者に対して明示しないとは、複数の遊技状態のうち何れかの遊技状態へ移行することを示すものであってもよい。そして、特定状態が終了することを遊技者に対して明示するとは、特定状態から非特定状態(一例として低確非時短状態)へ移行することを示すものであってもよい。
【0233】
・第2低確時短状態に制御されているときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出された場合、主CPU42は、第2時短回数を更新してもよい。例えば、第2時短回数が20回であるときに特別ゲームにおいてチャンス図柄が導出された場合、主CPU42は、第2時短回数に第2上限回数(一例として700回)を加算してもよい。
【0234】
・上記実施形態のパチンコ遊技機は、大当り抽選の他、小当り抽選を行うパチンコ遊技機に適用してもよい。一般的に、小当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技が付与される。上記実施形態のパチンコ遊技機は、例えば、通常の遊技状態(例えば、低確率状態であって非時短状態である遊技状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能なパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0235】
・高確率状態に制御可能なパチンコ遊技機として、転落抽選に当選するまで高確率状態に制御する仕様(転落機)や、次回の大当り遊技が付与されるまで高確率状態が継続する仕様がある。また、高確率状態に制御可能なパチンコ遊技機には、遊技球が特定の領域を通過することを契機に高確率状態に制御する仕様(V確変機)がある。上記実施形態のパチンコ遊技機は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。パチンコ遊技機は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様のパチンコ遊技機であってもよい。
【0236】
・特別ゲームは、演出表示装置EHにおいて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。
【0237】
・パチンコ遊技機の機械的な構成は適宜変更してもよい。例えば、演出表示装置EHを複数の表示手段から構成してもよく、そのうちの一部の表示手段を変位可能に構成してもよい。設定値演出及び確率演出が実行される表示手段と、状態移行演出が実行される表示手段と、を異ならせてもよい。
【0238】
・上記実施形態は、遊技球を付与するにあたって、電子データから構成される仮想媒体が付与されるパチンコ遊技機に具体化してもよい。即ち、上記実施形態は、物理的な遊技媒体が払い出されないパチンコ遊技機(所謂、管理遊技機)に具体化してもよい。このようなパチンコ遊技機は、仮想媒体を使用することで発射可能な遊技球に変換し、当該遊技球を発射可能に構成される。
【0239】
・主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成してもよい。副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0240】
各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記特別演出は、前記第1上限ゲーム及び前記第2上限ゲームの何れが実行されたかに関係なく同じ演出態様で実行される。
【0241】
(ロ)前記特別演出は、前記特定演出が実行された後に実行されうる。
【符号の説明】
【0242】
10…パチンコ遊技機 13a…第1特別図柄表示部 13b…第2特別図柄表示部 13c…第1特別保留表示部 13d…第2特別保留表示部 15…第1始動口 16…第2始動口 17…普通可変部材 18…大入賞口 19…特別可変部材 26…普通入賞口 40…主制御基板 41…マイクロプロセッサ 42…主CPU 43…主ROM 44…主RWM 45…乱数回路 46…RWMクリアスイッチ 47…設定器 48…表示器 50…副制御基板 51…副CPU 52…副ROM 53…副RWM 60…電源ユニット 60a…電源スイッチ DE…演出装置群 EH…演出表示装置 GH…画像表示部 LA…装飾ランプ SE1…第1始動センサ SE2…第2始動センサ SE3…特別入賞センサ SE4…普通始動センサ SL1…普通ソレノイド SL2…特別ソレノイド SP…スピーカ
【手続補正書】
【提出日】2022-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
記憶手段に記憶された情報に基づいて大当り抽選を実行可能であり、前記大当り抽選で大当りに当選した場合には変動ゲームの結果として特定結果を導出して大当り遊技を付与する遊技機において、
可変部材を有する特定始動口と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
前記演出に関する制御を実行する演出制御手段と、を備え、
前記遊技状態には、非特定状態と、前記非特定状態に比して有利な特定状態と、が含まれ、
前記特定状態には、前記大当り抽選で大当りに当選したことで制御可能な第1特定状態と、前記大当り抽選で大当りに当選しなくても特定条件が成立したことで制御可能な第2特定状態と、があり、
前記第1特定状態は、当該第1特定状態に制御されてからの変動ゲームの実行回数が第1上限回数に達するまでを上限として制御可能であり、
前記第2特定状態は、当該第2特定状態に制御されてからの変動ゲームの実行回数が第2上限回数に達するまでを上限として制御可能であり、
前記第1特定状態に制御されてから前記第1上限回数目の変動ゲームを第1上限ゲームとする場合において、前記第1上限ゲームの結果として前記特定結果とは異なる非特定結果が導出されたときには当該第1上限ゲームが終了すると前記第1特定状態が終了するように制御され、
前記第2特定状態に制御されてから前記第2上限回数目の変動ゲームを第2上限ゲームとする場合において、前記第2上限ゲームの結果として前記非特定結果が導出されたときには当該第2上限ゲームが終了すると前記第2特定状態が終了するように制御され、
前記演出には、
前記第1上限ゲーム及び前記第2上限ゲームのうち何れか一方の変動ゲームが実行されたときには実行されないものの、他方の変動ゲームが実行されたときには当該他方の変動ゲームの結果に関係なく実行可能な特定演出と、
前記第1上限ゲーム及び前記第2上限ゲームの何れの変動ゲームが実行されたときであっても実行可能であるものの、当該変動ゲームの結果が前記特定結果及び前記非特定結果のうち何れか一方の結果であるときには実行されない一方で他方の結果であるときには実行される特別演出と、があることを特徴とする遊技機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、記憶手段に記憶された情報に基づいて大当り抽選を実行可能であり、前記大当り抽選で大当りに当選した場合には変動ゲームの結果として特定結果を導出して大当り遊技を付与する遊技機において、可変部材を有する特定始動口と、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出に関する制御を実行する演出制御手段と、を備え、前記遊技状態には、非特定状態と、前記非特定状態に比して有利な特定状態と、が含まれ、前記特定状態には、前記大当り抽選で大当りに当選したことで制御可能な第1特定状態と、前記大当り抽選で大当りに当選しなくても特定条件が成立したことで制御可能な第2特定状態と、があり、前記第1特定状態は、当該第1特定状態に制御されてからの変動ゲームの実行回数が第1上限回数に達するまでを上限として制御可能であり、前記第2特定状態は、当該第2特定状態に制御されてからの変動ゲームの実行回数が第2上限回数に達するまでを上限として制御可能であり、前記第1特定状態に制御されてから前記第1上限回数目の変動ゲームを第1上限ゲームとする場合において、前記第1上限ゲームの結果として前記特定結果とは異なる非特定結果が導出されたときには当該第1上限ゲームが終了すると前記第1特定状態が終了するように制御され、前記第2特定状態に制御されてから前記第2上限回数目の変動ゲームを第2上限ゲームとする場合において、前記第2上限ゲームの結果として前記非特定結果が導出されたときには当該第2上限ゲームが終了すると前記第2特定状態が終了するように制御され、前記演出には、前記第1上限ゲーム及び前記第2上限ゲームのうち何れか一方の変動ゲームが実行されたときには実行されないものの、他方の変動ゲームが実行されたときには当該他方の変動ゲームの結果に関係なく実行可能な特定演出と、前記第1上限ゲーム及び前記第2上限ゲームの何れの変動ゲームが実行されたときであっても実行可能であるものの、当該変動ゲームの結果が前記特定結果及び前記非特定結果のうち何れか一方の結果であるときには実行されない一方で他方の結果であるときには実行される特別演出と、があることを要旨とする。