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特開2022-191144弾性プローブ素子、弾性プローブユニット及びテスト装置
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  • 特開-弾性プローブ素子、弾性プローブユニット及びテスト装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191144
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】弾性プローブ素子、弾性プローブユニット及びテスト装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20221220BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R1/073 D
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040374
(22)【出願日】2022-03-15
(31)【優先権主張番号】202110662218.3
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521290706
【氏名又は名称】迪科特測試科技(蘇州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】劉 俊良
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA03
2G011AA04
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB07
2G011AC21
2G011AC31
2G011AC32
2G011AF07
(57)【要約】
【課題】本発明は、一体成形の弾性プローブ素子、弾性プローブユニット及びテスト装置を開示する。
【解決手段】テスト装置は、基板、ガイド及び複数の弾性プローブ素子を備える。ガイドは複数の貫通穴を有する。複数の弾性プローブ素子は、それぞれ独立して複数の貫通穴を貫通する。弾性プローブ素子の各々は、本体、第1の接触段及び第2の接触段を備える。本体は、複数の細針状長尺構造を有し、2つの隣り合う細針状長尺構造同士の間に隙間があり、且つ複数の細針状長尺構造が、弾性プローブ素子の第1の端に設けられた第1の接続部及び弾性プローブ素子の第2の端に設けられた第2の接続部に接続される。第1の接触段は、弾性プローブ素子の第1の端に設けられる。第2の接触段は、弾性プローブ素子の第2の端に設けられる。本体、第1の接触段及び第2の接触段は、一体成形される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性プローブ素子であって、
複数の細針状長尺構造を有し、2つの隣り合う前記細針状長尺構造同士の間に隙間があり、且つ複数の前記細針状長尺構造が、前記弾性プローブ素子の第1の端に設けられた第1の接続部及び前記弾性プローブ素子の第2の端に設けられた第2の接続部に接続される本体と、
前記弾性プローブ素子の前記第1の端に設けられる第1の接触段と、
前記弾性プローブ素子の前記第2の端に設けられる第2の接触段と、
を備え、
前記本体、前記第1の接触段及び前記第2の接触段が、一体成形されることを特徴とする弾性プローブ素子。
【請求項2】
前記本体は、高導電性の材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の弾性プローブ素子。
【請求項3】
前記第1の端は、少なくとも1つの第1の先細な先端を含み、且つ前記第2の端は、少なくとも1つの第2の先細な先端を含むことを特徴とする請求項1に記載の弾性プローブ素子。
【請求項4】
前記本体の前記細針状長尺構造同士は、互いに平行であることを特徴とする請求項1に記載の弾性プローブ素子。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の弾性プローブ素子を含む弾性プローブユニットであって、
複数の前記弾性プローブ素子は、同一の方向に並べて前記弾性プローブユニットとして組み合わせられ、
前記弾性プローブユニットは、前記第1の端に沿って延伸し、前記弾性プローブユニットの第1の接触端が形成され、前記第2の端に沿って延伸し、前記弾性プローブユニットの第2の接触端が形成されることを特徴とする弾性プローブユニット。
【請求項6】
基板と、
複数の貫通穴を有する少なくとも1つのガイドと、
複数の前記貫通穴に1対1で対応し、前記貫通穴に貫通する請求項1~4のいずれか一項に記載の弾性プローブ素子と、
を備えることを特徴とするテスト装置。
【請求項7】
前記貫通穴は矩形状であることを特徴とする請求項6に記載のテスト装置。
【請求項8】
複数の前記貫通穴は、所定のパターンで前記ガイドに設けられることを特徴とする請求項6に記載のテスト装置。
【請求項9】
前記第1の接触段における前記第1の接触端から離れる側に設けられ、かつ前記貫通穴と隣接する少なくとも1つのストッパをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のテスト装置。
【請求項10】
前記第1の接触段は、部分的に前記貫通穴に収容されることを特徴とする請求項6に記載のテスト装置。
【請求項11】
前記第1の接続部は、前記貫通穴に収容されることを特徴とする請求項6に記載のテスト装置。
【請求項12】
基板と、
複数の貫通穴を有する少なくとも1つのガイドと、
複数の前記貫通穴に対応し、前記貫通穴に貫通する請求項5に記載の弾性プローブユニットと、
を備えることを特徴とするテスト装置。
【請求項13】
前記貫通穴は、矩形状を呈することを特徴とする請求項12に記載のテスト装置。
【請求項14】
前記第1の接触段又は前記第2の接触段における前記第1の接触端から離れる側に設けられ、かつ前記貫通穴と隣接する、少なくとも1つのストッパをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のテスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波回路テストの技術分野に関し、特に、弾性プローブ素子、弾性プローブユニット及びテスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の3ピース型弾性針は、針ヘッド、針管及びスプリングから構成され、スプリングが針管の内に配置される必要があるため、その小型化が実現されない。なお、弾性針の内部にスプリングが配置されるため、弾性針における電流が流れる有効断面面積が制限され、電流の流れる経路が阻害されやすい。従って、寄生インダクタンスや抵抗値が増大し、高周波回路のテストに正確且つ確実に適用することができない。
【0003】
従って、構造設計の改善により、どのように上記の欠点を克服するかは、この分野で解決しようとする重要な課題の1つとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来技術の欠点に対して、高周波回路テストの正確性と信頼性を向上することができる弾性プローブ素子、弾性プローブユニット及びテスト装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的問題を解決するために、本発明に使用される技術手段の1つとしては、本体、第1の接触段及び第2の接触段を備える弾性プローブ素子を提供することである。本体は、複数の細針状長尺構造を有し、2つの隣り合う細針状長尺構造同士の間に隙間があり、且つ複数の細針状長尺構造が、弾性プローブ素子の第1の端に設けられた第1の接続部及び弾性プローブ素子の第2の端に設けられた第2の接続部に接続される。第1の接触段は、弾性プローブ素子の第1の端に設けられる。第2の接触段は、弾性プローブ素子の第2の端に設けられる。本体、第1の接触段及び第2の接触段は、一体成形される。
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本発明に使用されるもう1つの技術手段は、複数の前記弾性プローブ素子を、略平行に配置し、同一の方向に並べて弾性プローブユニットとして組合せることである。弾性プローブユニットは、第1の端に沿って延伸し第1の接触端が形成され、第2の端に沿って延伸し第2の接触端が形成される。
【0007】
上記の技術的問題を解決するために、本発明に使用されるもう1つの技術手段は、基板と、ガイドと、複数の前記弾性プローブ素子を備えるテスト装置を提供することである。ガイドには複数の貫通穴を有する。複数の弾性プローブ素子は、それぞれ独立して複数の貫通穴を貫通する。
【0008】
上記の技術的問題を解決するために、本発明に使用されるもう1つの技術手段は、基板と、ガイドと、複数の弾性プローブユニットを備えるテスト装置を提供することである。複数の弾性プローブユニットは、それぞれ独立して前記複数の貫通穴を貫通し、前記弾性プローブユニットの各々が複数の前記弾性プローブ素子を含む。弾性プローブ素子の各々は、少なくとも1つのストッパをさらに含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる弾性プローブ素子、弾性プローブユニット及びテスト装置は、「プローブ素子の本体は、複数の細針状長尺構造を有し、2つの隣り合う細針状長尺構造同士の間に隙間があり、複数の細針状長尺構造が、弾性プローブ素子の第1の端に設けられた第1の接続部、及び弾性プローブ素子の第2の端に設けられた第2の接続部に接続される。これにより、プローブ素子が一体成形される。ガイドは、複数の貫通穴を有し、プローブ素子がそれぞれ独立して前記複数の貫通穴を貫通し、複数の貫通穴は、矩形状を呈する」という技術手段により、従来のスプリング型プローブと比べると、より製造されやすく、プローブ本体の体積を効果的に減少しプローブ素子自身の弾性を効果的に高め、被測定物と当接した後の安定性を向上させるとともに、寄生インダクタンスや抵抗をさらに低減し、高周波回路テストの正確性と信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明の実施例1における弾性プローブ素子の断面図である。
図2図2は本発明の実施例1における弾性プローブ素子が外力により座屈された場合の断面図である。
図3A図3Aは本発明の実施例1における弾性プローブユニットの第1の接触段の部分斜視模式図である。
図3B図3Bは本発明の実施例1における弾力型プローブユニットの第1の接触段の部分断面図である。
図4A図4Aは本発明の実施例1における弾力型プローブユニットの第2の接触段の部分斜視模式図である。
図4B図4Bは本発明の実施例1における弾力型プローブユニットの第2の接触段の部分断面図である。
図5A図5Aは本発明の実施例1における弾力型プローブユニットの分解模式図である。
図5B図5Bは本発明の実施例1における弾力型プローブユニットの斜視模式図である。
図6図6は本発明の実施例2におけるテスト装置の斜視模式図である。
図7図7は本発明の実施例2におけるテスト装置がストッパを有する場合の断面図である。
図8図8は本発明の実施例3におけるテスト装置の斜視模式図である。
図9図9は本発明の実施例3におけるテスト装置がストッパを有する場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例における技術手段を明瞭且つ完全に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施例に対し適宜変更、改良などが加えられたものも本発明の保護範囲に属する。
【0012】
以下、特定の具体的な実施例により本発明において開示される「弾性プローブ素子、弾性プローブユニット及びテスト装置」を説明する。当業者は、本明細書の開示内容により本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施例により実施又は適用されてもよく、本明細書での各詳細内容は、本発明の思想を逸脱しない範囲で、他の観点や用途に応じて、様々な修正や変更を行ってもよい。なお、注意すべき点として、本発明の図面は、簡単で模式的な説明に過ぎず、実際の寸法の描写によるものではない。以下の実施例においては、本発明に係る技術内容をより詳しく説明するが、その開示内容は本発明の保護範囲を限定しない。なお、本明細書に使用される「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられた項目のいずれか1つ又は複数の組合せを含むことがある。
【実施例0013】
図1及び図2に示すように、本発明の実施例1はプローブ素子1を提供する。プローブ素子1は長尺状の構成を呈し、本体10と、第1の接触段11と、第2の接触段12と、を備える(図1図2に示すように、プローブ素子1がガイド2を貫通する。また、本発明のテスト装置の全体態様については、図6図9を参照する)。
【0014】
プローブ素子1は、一体成形の構成であり、例えば、マイクロエレクトロメカニカルプロセス、電鋳、レーザー切断によって製造されるが、本発明はこれらに限定されない。
【0015】
さらには、プローブ素子1の中心線CLから見ると、プローブ素子1は、対向する第1の端T1及び第2の端T2を含む。本体10は、第1の端T1と第2の端T2との間に設けられる複数の細針状長尺構造101を有する。複数の細針状長尺構造101は、電流の導通と信号の伝送のためのものであり、高導電性の材料を含むように構成される。本実施例において、本体10は、少なくとも2つの平行に離間した細針状長尺構造101を含み、これらの細針状長尺構造101同士の間に少なくとも1つの隙間102がある。即ち、2つの隣り合う細針状長尺構造101同士の間に少なくとも1つの隙間102があるが、本発明はこれに限定されない。なお、本体10は、第1の端T1側に第1の接続部103を含み、第2の端T2側に第2の接続部104を含み、これらの細針状長尺構造101の両端がそれぞれ第1の接続部103と第2の接続部104に接続される。
【0016】
また、本体10の横断面は、矩形状であり、且つ本体10の矩形状横断面が長手側LDと短手側SDを有する(図3A図4Aに示す)。好ましくは、本体10の矩形状横断面の長手側LDと短手側SDの長さの比が3:2であり、長手側LDの長さが150μmである場合、短手側SDの長さが100μmである。前記長手側LDと前記短手側の長さの比は、弾力の要求に応じて調整されてよく、例えば、変形しやすくする必要があれば、長さの比が7:1、7:2、3:1、5:2又は2:1であって良いが、本発明はこれらに限定されない。
【0017】
さらには、図1図2を参照すると、本実施例において、プローブ素子1は、当該プローブ素子1にかかる本体10の軸方向の外力Fがプローブ素子1の耐荷重の閾値より大きい場合、座屈(Buckling)が発生する。座屈を回避するために、プローブ素子1の本体10は、応力係数が優れた材料を使用する。このように、本発明のプローブ素子1の本体10は、高導電性で応力係数が優れた材料が使用され、例えば、タングステン(W)、レニウムタングステン(ReW)、ベリリウム銅(BeCu)、金パラジウム(HP7)、銀パラジウム(HC4)、炭化タングステン(WC)又はそれらの合金であってもよいが、これらに限定されない。
【0018】
第1の接触段11は第1の端T1に沿って延伸し、第2の接触段12は第2の端T2に沿って延伸する。第1の接触段11の第1の接触端111は、被測定物に当接するためのものである(図示せず)。本実施例において、第1の接触端111の形状は、第1の端T1に沿って延伸してなる少なくとも1つの先細な先端(図1図3A及び図3Bに示す。図3A図3Bにはストッパ13が図示され、ストッパ13については、先に実施例2と実施例3を参照してもよい)又は少なくとも1つの鈍端であって良く、例えば、先細な先端や鈍端は、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上であって良い。なお、鈍端は、円弧状、方形又は角丸方形であって良いが、本発明はこれらに限定されない。
【0019】
第2の接触段12の第2の接触端121は、基板Sに当接するためのものである。例えば、基板Sは、プリント回路基板であって良いが、本発明はこれに限定されない。第2の接触端121の形状は、本体の他端に沿って延伸してなる少なくとも1つの先細な先端(図1に示す)又は少なくとも1つの鈍端(図4A図4Bに示す。図4A図4Bには共にストッパ13が図示され、ストッパ13については、先に実施例2と実施例3を参照してもよい)であって良く、例えば、先細な先端や鈍端は、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上であって良い。なお、鈍端は、円弧状、方形又は角丸方形であって良いが、本発明はこれらに限定されない。
【0020】
本実施例において、図5A図5Bに示すように、図5Bは、本発明の複数のプローブ素子1をプローブユニット1’として並べて組み合わせた模式図である。本実施例において、複数のプローブ素子1は、略平行に配置し同一の方向に並べてプローブユニット1’として組み合わることが可能である。具体的には、図5A図5Bは、3つのプローブ素子1がプローブユニット1’として並べて組み合わせられることを例とするが、本発明はこれに限定されない。即ち、並べて組み合わせされるプローブ素子1の数は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上であって良い。このようにすることにより、プローブユニット1’のプローブユニット本体10’の弾性が向上する。本実施例においては、プローブユニット本体10’を補強するために、複数の並べて組み合わせられるプローブ素子1が互いに密着する。本実施例において、プローブユニット1’は複数の細針状長尺構造101’を有し、これらの細針状長尺構造101’の間に少なくとも1つの隙間102’がある。なお、本実施例においては、2つの隣り合う細針状長尺構造101’の間に少なくとも1つの隙間102’があるが、本発明はこれに限定されない。また、プローブユニット本体10’は、第1の端T1側に第1の接続部103’を有し、第2の端T2側に第2の接続部104’を有し、細針状長尺構造101’の両端がそれぞれ第1の接続部103’と第2の接続部104’に接続される。なお、3つのプローブ素子1の第1の接触端111と第2の接触端121がそれぞれ2つの先細な先端を有するため、プローブユニット1’の第1の接触段11’は、第1の端T1の方向に延伸し、2つの先細な先端を含む第1の接触端111’が形成され、プローブユニット1’の第2の接触段12’は、第2の端T2の方向に延伸し、2つの先細な先端を含む第2の接触端121’が形成される。他の実施例において、プローブユニット1’の第1の接触端111’と第2の接触端121’がそれぞれ被測定物及び基板Sに良好且つ確実に接触できれば、実際の用途に応じて、異なる形状を有する第1の接触端111と第2の接触端121を選択して並べて組み合わせて、異なる形状を有する第1の接触端111’及び第2の接触端121’(例えば、王冠状や円弧状であって良いが、これらに限定されない)を形成することとしてもよい。
【0021】
ただし、上記で挙げられた例は、実施可能な実施例の1つに過ぎず、本発明を制限するものではない。
【実施例0022】
図6を参照すると、本発明の実施例2においては、弾性プローブ1の応用例として、テスト装置Dを提供する。テスト装置Dは、複数のプローブ素子1と、ガイド2と、基板Sとを備える。
【0023】
複数のプローブ素子1は、いずれも長尺状の構成であり、それぞれ独立してテスト装置Dに配置される。各プローブ素子1の構成及び機能は、上記実施例1において説明したので、ここではその説明を省略する。
【0024】
ガイド2には複数の貫通穴21が開口されている。複数の貫通穴21は、プローブ素子1を貫通させるため、プローブ素子1の外部形状に合わせた形状を有する。本実施例において、長尺状を呈する構成であるプローブ素子1の本体10の横断面は矩形状であるので、複数の貫通穴21の形状は、プローブ素子1が貫通できるように、矩形状を呈している。矩形状の貫通穴21により、プローブ素子1を確実に配置することができる。本発明のプローブ素子1は、一体成形されたものである。いくつかの実施形態において、プローブ素子1は台形柱状構造、多角形柱状構造であってもよいが、本発明はこれらに限定されない。本実施例において、プローブ素子1の第1の接触段11が貫通穴21を貫通することで、プローブ素子1の第1の接触段11の一部がガイド2の第1の側22から露出し、プローブ素子1の本体10と第2の接触段12がガイド2の第2の側23の方に残るようにする。これに対して、従来のスプリング型プローブは、円筒状の外観を有するので、スプリング型プローブの形状に対応してガイド2に複数の円状貫通穴を開口する必要があるが、従来のスプリング型プローブ内の各プローブ素子が被測定物に当接すると、各プローブ素子は本体軸に対してそれぞれ異なる方向へ変位してしまう。つまり、ガイド2の円状貫通穴は、各プローブ素子1を本体軸に対してそれぞれ異なる方向へ変位させてしまうため、テストの信頼性と精度に影響を与える。
【0025】
さらには、複数の貫通穴21は、所定のパターンでガイド2に配列されていてもよく、所定のパターンが矩形又は環形であってもよいが、本発明はこれらに限定されない。本実施例において、各貫通穴21の一方の側辺は、全てガイド2の一方の側辺に平行し、複数の貫通穴21は、少なくとも1つの行に配置するようにガイド2に配列され、各行における複数の貫通穴21が等間隔で設けられ、且つ各行も等間隔で平行に配置されて、複数の貫通穴21の組として矩形状に配列される。他の実施例において、各貫通穴21の一方の側辺と隣接する他方の側辺は、全てガイド2の一方の側辺に平行し、複数の貫通穴21は、少なくとも1つの行に配置するようにガイド2に配列され、各行における複数の貫通穴21が等間隔で設けられ、且つ各行も等間隔で平行に配置されて、もう1つの複数の貫通穴21の組として矩形状に配列される。
【0026】
さらには、本実施例において、プローブ素子1はさらにストッパ13を備え、このストッパ13は、第1の接触段11の一部が突出することにより形成される。即ち、ストッパ13が第1の接触段11の外面に形成される。なお、ストッパ13は、第1の接触段11における第1の接触端111から離れる側に設けられることで、第1の接触段11の第1の接触端111がガイド2から露出する長さLを決定する。本実施例において、第1の接触段11は、部分的に貫通穴21に収容される。本実施例において、第1の接続部103は、貫通穴21に収容されている。該実施例に係る配置は、テストの過程において第1の接続部103の破断を効果的に回避するために、テスト中においてF力を受けた場合に好適な応力を第1の接続部103へ付与することができる。異なる使用環境に応じ、前記ストッパ13は、ガイド2の第1の側22又は第2の側23に設けられてもよい。本発明におけるストッパ13は、形状に限定されるものではなく、貫通穴21周囲のガイド2に押し当てることができ、プローブ素子1を所定の位置に固定させるものであればよい。より具体的には、ストッパ13の具体的な構造は、使用者の要求や実際の用途に応じて調整し変更してもよく、例えば、ストッパ13の横断面の形状が、中空方形、中空円状、中空三角形又は円弧状であって良いが、これらに限定されない。なお、本体10、第1の接触段11、第2の接触段12及びストッパ13は、一体成形された構成である。また、本発明は、成形手段がどのような手段であってもよく、例えば、本体10、第1の接触段11、第2の接触段12及びストッパ13が、マイクロエレクトロメカニカルプロセス、電鋳やレーザー切断によって形成される。
【0027】
本実施例においては、図7に示すように、複数のプローブ素子1が並べて組み合わせられたプローブユニット1’が貫通穴21を貫通するようにしてよい。この場合、貫通穴21の大きさは、プローブユニット本体10’の横断面面積により決定される。本実施例において、複数のプローブ素子1は、略平行に配置し、同一の方向に並べてプローブユニット1’として組み合わせられてよい。並べて組み合わせられるプローブ素子1の数が2つ、3つ、4つ又はそれ以上であって良い。このようにすることにより、プローブユニット本体10’の弾性が向上する。本実施例においては、プローブユニット本体10’を補強するために、複数の並べて組み合わせられるプローブ素子1が互いに密着する。例えば、実施例1に示すように、プローブユニット1 ’は複数の細針状長尺構造101’を有し、これらの細針状長尺構造101’同士の間に少なくとも1つの隙間102’がある。なお、2つの隣り合う細針状長尺構造101’同士の間に少なくとも1つの隙間102’があるが、本発明はこれに限定されない。なお、プローブユニット本体10’は、第1の端T1側に第1の接続部103’を有し、第2の端T2側に第2の接続部104’を有し、これらの細針状長尺構造101’の両端がそれぞれ第1の接続部103’と第2の接続部104’に接続される。なお、3つのプローブ素子1の第1の接触端111’と第2の接触端121’はそれぞれ2つの先細な先端を有するため、プローブユニット1 ’の第1の接触段11’は、第1の端T1の方向に延伸し、2つの先細な先端を含む第1の接触端111’が形成され、プローブユニット1 ’の第2の接触段12’は、第2の端T2の方向に延伸し、2つの先細な先端を含む第2の接触端121’が形成される。このようにすることにより、プローブユニット1’の第1の接触端111’と第2の接触端121’はそれぞれ被測定物及び基板Sに良好且つ確実に接触することができる。本発明は、上記で挙げられた例に限定されない。
【0028】
上記を踏まえ、プローブユニット1’は、さらにストッパ13’を備えてもよい。第1の接触段11’の一部分が突出してストッパ13’が形成される。即ち、ストッパ13は第1の接触段11’の外面に形成される。なお、ストッパ13’は、第1の接触段11’における第1の接触端111’から離れる側に設けられることで、第1の接触段11’の第1の接触端111’がガイド2から露出する長さLを決定する。本実施例において、第1の接触段11’は、部分的に貫通穴21に収容される。本実施例において、第1の接続部103’は、貫通穴21に収容されている。該実施例に係る配置は、テストの過程において、第1の接続部103’の破断を効果的に回避するため、テスト中においてF力を受けた場合に好適な応力を第1の接続部103’へ付与することができる。本発明におけるストッパ13’は、形状に限定されるものではなく、貫通穴21の周囲のガイド2に押し当てることができ、プローブユニット1’を所定の位置に固定させるものであればよい。より具体的には、ストッパ13’の具体的な構造は、使用者の要求や実際の用途に応じて調整し変更してもよく、例えば、ストッパ13’の横断面の形状が、中空方形、中空円状、中空三角形又は円弧状であって良いが、これらに限定されない。なお、プローブユニット本体10’、第1の接触段11’、第2の接触段12’及びストッパ13’は、導電体で一体成形された構成である。また、本発明は、成形手段がどのような手段であってもよく、例えば、プローブユニット本体10’、第1の接触段11’、第2の接触段12’及びストッパ13’がマイクロエレクトロメカニカルプロセス、電鋳やレーザー切断によって形成される。
【0029】
本実施例において、基板Sは、プリント回路基板であって良いが、本発明はこれに限定されない。
【0030】
ただし、上記で挙げられた例は、実施可能な実施例の1つに過ぎず、本発明を制限するものではない。
【実施例0031】
図8を参照すると、本発明における実施例3は、弾性プローブ1が適用されたテスト装置Dを提供する。テスト装置Dは、複数のプローブユニット1’、少なくとも1つの上ガイド2(即ち、実施例2におけるガイド2)と、少なくとも1つの下ガイド3と、基板Sとを備える。なお、本実施例における弾性プローブ1が適用されたテスト装置Dにおいて、実施例2における弾性プローブ1が適用されたテスト装置Dとの相違点は、2つのガイドを備えることにある。
【0032】
複数のプローブ素子1は、いずれも長尺状の構成であり、それぞれ独立してテスト装置Dに配置される。各プローブ素子1の構成及び機能は、上記実施例1において説明したので、ここではその説明を省略する。
【0033】
少なくとも1つの上ガイド2(即ち、実施例2におけるガイド2)及び少なくとも1つの下ガイド3には、それぞれ複数の第1の貫通穴21(即ち、実施例2における貫通穴21)及び複数の第2の貫通穴31が開口される。また、複数の第1の貫通穴21はそれぞれ複数の第2の貫通穴31に対応し、複数の第1の貫通穴21と複数の第2の貫通穴31の形状は、貫通されるプローブユニット1’の外部形状に合わせた形状である。本実施例においては、プローブユニット1’の第1の接触段11が第1の貫通穴21を貫通することで、プローブユニット1’の第1の接触段11の一部が上ガイド2の第1の側22に露出するようにする。また、プローブユニット1’の第2の接触段12が第2の貫通穴31を貫通することで、プローブユニット1’の第2の接触段12の一部が下ガイド3の第1の側32に露出するようにする。このようにすることによって、プローブユニット1’の本体10を上ガイド2の第2の側23と下ガイド3の第2の側33との間に配置する。
【0034】
さらには、本実施例において、プローブ素子1は、さらに、少なくとも1つのストッパ13を備え、このストッパ13は、第1の接触段11及び/又は第2の接触段12の一部が突出することにより形成される。即ち、ストッパ13が第1の接触段11及び/又は第2の接触段12の外面に形成される。なお、ストッパ13は、第1の接触段11及び/又は第2の接触段12における第1の接触端111から離れる側に設けられることで、第1の接触段11の第1の接触端111が上ガイド2から露出する長さLを決定する。本実施例において、第1の接触段11は、部分的に貫通穴21に収容される。本実施例において、第1の接続部103は、貫通穴21に収容され、該実施例に係る配置は、テストの過程において、第1の接続部103の破断を効果的に回避するために、テスト中におけるF力を受けた場合に好適な応力を第1の接続部103へ付与することができる。異なる使用環境により、前記ストッパ13は、上ガイド2の第1の側22又は第2の側23、下ガイド3の第1の側32又は第2の側33に設けられてもよい。例えば、上側のストッパ13が上ガイド2の第2の側23の方に配置された場合、下側のストッパ13も下ガイド3の第1の側32に配置される。ストッパ13が上ガイド2の第1の側22に配置された場合、下側のストッパ13も下ガイド3の第2の側33に配置される。ただし、本発明はこれらに限定されない。本発明におけるストッパ13は、形状に限定されるものではなく、第1の貫通穴21及び/又は第2の貫通穴31の周囲の上ガイド2(即ち、実施例2におけるガイド2)及び/又は下ガイド3に押し当てることができ、プローブ素子1を所定の位置に固定させるものであればよい。より具体的には、ストッパ13の具体的な構造は、使用者の要求や実際の用途に応じて調整し変更してもよく、例えば、ストッパ13の横断面の形状が、中空方形、中空円状、中空三角形又は円弧状であって良いが、これらに限定されない。なお、本体10、第1の接触段11、第2の接触段12及びストッパ13は、導電体で一体成形された構成である。また、本発明は、成形手段がどのような手段であってもよく、例えば、本体10、第1の接触段11、第2の接触段12及びストッパ13が、マイクロエレクトロメカニカルプロセス、電鋳やレーザー切断によって形成される。
【0035】
本実施例においては、図9に示すように、複数のプローブ素子1が並べて組み合わせられたプローブユニット1’が、それぞれ第1の貫通穴21及び第2の貫通穴31を貫通するようにしてよい。この場合、第1の貫通穴21及び第2の貫通穴31の大きさがプローブユニット本体10’の横断面面積により決定される。本実施例において、複数のプローブ素子1は、略平行に配置し、同一の方向に並べてプローブユニット1’として組み合わせられる。並べて組み合わせられるプローブ素子1の数が2つ、3つ、4つ又はそれ以上であって良く、このようにすることにより、プローブユニット1’のプローブユニット本体10’の弾性が向上する。例えば、実施例1に示すように、3つのプローブ素子1の第1の接触端111及び第2の接触端121はそれぞれ2つの先細な先端を含む。プローブユニットの第1の接触段11’は、第1の端T1の方向に延伸し、2つの先細な先端を含む第1の接触端111’が形成される。プローブユニットの第2の接触段12’は、第2の端T2の方向に延伸し、2つの先細な先端を含む第2の接触端121’が形成される。このようにすることにより、プローブユニット1’の第1の接触端111’及び第2の接触端121’はそれぞれ被測定物及び基板Sに良好且つ確実に接触することができる。本発明は、上記で挙げられた例に限定されない。
【0036】
上記を踏まえ、プローブユニット1’は、さらに、少なくとも1つのストッパ13’を備えてもよい。第1の接触段11’及び/又は第2の接触段12’の一部が突出してストッパ13’が形成される。即ち、ストッパ13’は第1の接触段11’及び/又は第2の接触段12’の外面に形成される。なお、ストッパ13’は、第1の接触段11’及び/又は第2の接触段12’における第1の接触端111’から離れる側に設けられると共に、第1の貫通穴21及び/又は第2の貫通穴31と隣接するように配置される。本発明におけるストッパ13’は、形状に限定されるものではなく、貫通穴21の周囲の上ガイド2(即ち、実施例2におけるガイド2)又は下ガイド3に押し当てることができ、プローブユニット1’を所定の位置に固定させるものであればよい。より具体的には、ストッパ13’の具体的な構造は、使用者の要求や実際の用途に応じて調整し変更してもよい。例えば、ストッパ13’の横断面の形状が、中空方形、中空円状、中空三角形又は円弧状であって良いが、これらに限定されない。なお、本実施例において、プローブユニット本体10’、第1の接触段11’、第2の接触段12’及びストッパ13’は、導電体で一体成形された構成である。また、本発明は、成形手段がどのような手段であってもよく、例えば、プローブユニット本体10’、第1の接触段11’、第2の接触段12’及びストッパ13’が、マイクロエレクトロメカニカルプロセス、電鋳やレーザー切断によって形成される。
【0037】
本実施例において、基板Sは、プリント回路基板であって良いが、本発明はこれに限定されない。
【0038】
ただし、上記で挙げられた例は、実施可能な実施例の1つに過ぎず、本発明を制限するものではない。
【0039】
本発明にかかる弾性プローブ素子1、弾性プローブユニット1’及びテスト装置Dは、「プローブ素子1の本体10は、複数の細針状長尺構造101を有し、2つの隣り合う細針状長尺構造101同士の間に隙間102があり、且つ複数の細針状長尺構造101が、プローブ素子1の第1の端T1に設けられた第1の接続部103、及び第2の端T2に設けられた第2の接続部104に接続される。これにより、プローブ素子1が一体成形される」及び「ガイド2は、複数の貫通穴21を有し、プローブ素子1がそれぞれ独立して前記複数の貫通穴21を貫通し、複数の貫通穴21は、矩形状を呈する」という技術手段により、従来のスプリング型プローブと比べると、製造がより容易で、プローブ本体の体積を効果的に減少しプローブ素子自身の弾性を効果的に高め、被測定物と当接した後の安定性を向上させるとともに、寄生インダクタンスや抵抗をさらに低減し、高周波回路テストの正確性と信頼性を高めることができる。
【0040】
以上に開示された内容は、本発明を好適に実施可能な実施例であり、本発明の特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。そのため、本発明の明細書及び図面内容を利用してなされる同等の技術的変更は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 プローブ素子
1’ プローブユニット
10 本体
10’ プローブユニット本体
101 細針状長尺構造
101’ 細針状長尺構造
102 隙間
102’ 隙間
103 第1の接続部
103’ 第1の接続部
104 第2の接続部
104’ 第2の接続部
11 第1の接触段
11’ 第1の接触段
111 第1の接触端
111’ 第1の接触端
12 第2の接触段
12’ 第2の接触段
121 第2の接触端
121’ 第2の接触端
13 ストッパ
13’ ストッパ
2 ガイド
21 貫通穴
22 第1の側
23 第2の側
3 下ガイド
31 第2の貫通穴
32 第1の側
33 第2の側
CL 中心線
D テスト装置
F 外力
LD 長手側
S 基板
SD 短手側
T1 第1の端
T2 第2の端
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9