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特開2022-191165画像に基づくトレーラホイールベースの特定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191165
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】画像に基づくトレーラホイールベースの特定
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20221220BHJP
   B62D 53/00 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G01B11/02 H
B62D53/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022085905
(22)【出願日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】17/347902
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506139288
【氏名又は名称】ストーンリッジ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】グダルジ、 モハマド
(72)【発明者】
【氏名】マ、 リャン
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ、 ウトゥカルシュ
(72)【発明者】
【氏名】コオプリダー、 トロイ オティス
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA21
2F065BB05
2F065CC11
2F065DD03
2F065FF01
2F065FF04
2F065FF21
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ08
2F065JJ26
2F065QQ21
2F065QQ31
2F065RR00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両のホイールベース長さを正確に特定する。
【解決手段】コントローラで少なくとも1つのカメラから画像を受信することを含む、トレーラのトレーラ検出パラメータを特定する方法。少なくとも1つのカメラは、車両トレーラの少なくとも一部を含む視野を画定する。方法は、トラクタに対する車両トレーラのトレーラ角度を特定し、トレーラの画像内の少なくとも1つの特徴を特定し、少なくとも1つの特徴から画像上の予め定められた位置までの2次元距離を特定し、特定された角度に少なくとも部分的に基づいて2次元距離を3次元距離に変換する。3次元距離は、トレーラのトレーラ検出パラメータである。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための方法であって、
コントローラで、車両トレーラの少なくとも一部を含む視野を画定する少なくとも1つのカメラから画像を受信することと、
トラクタに対する前記車両トレーラのトレーラ角度を特定することと、
前記トレーラの画像内の少なくとも1つの特徴を特定することと、
前記少なくとも1つの特徴から画像上の予め定められた位置までの2次元距離を特定することと、
特定された前記角度に少なくとも部分的に基づいて2次元距離を前記トレーラのトレーラ検出パラメータである3次元距離に変換することと
を含む方法。
【請求項2】
特定された前記トレーラ角度は20度から70度の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トレーラ検出パラメータはホイールベース長さであり、前記少なくとも1つの特徴は少なくとも1つのホイールである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのホイールは、第1のホイールと第2のホイールとを含み、前記少なくとも1つのホイールから前記画像上の前記予め定められた位置までの前記2次元距離は、前記第1のホイールと前記第2のホイールとの中間点から前記画像上の前記予め定められた位置までの距離である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのホイールは単一のホイールであり、前記少なくとも1つのホイールから前記画像上の前記予め定められた位置までの前記2次元距離は、前記ホイールの中心点から前記画像上の前記予め定められた位置までの距離である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記トレーラ検出パラメータは、ヒッチ点から前記トレーラの後端までのトレーラ長さであり、前記少なくとも1つの特徴は、前記トレーラの後端に配置された特徴である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記トレーラの後端に配置された特徴は、前記トレーラの下隅である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
特定された前記角度に少なくとも部分的に基づいて前記2次元距離を前記3次元距離に変換することは、変換機能を用いて前記2次元距離を特定された前記角度と相互参照することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
20度から70度の範囲の複数のトレーラ角度にわたって前記方法を繰り返し、特定されたそれぞれの3次元ホイールベース長さをメモリに記憶することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
中域通過フィルタを用いて、記憶された前記3次元ホイールベース長さをフィルタ処理することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記メモリは、前記中域通過フィルタの出力を特定されたホイールベース長さとして記憶する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記トレーラの画像内の少なくとも1つのホイールを特定することは、前記コントローラに記憶された画像ベースの物体検出システムを用いて前記少なくとも1つのホイールを特定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記コントローラは、車両制御ユニット及びカメラミラーシステムコントローラのうちの1つである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記視野は、クラスIIビュー及びクラスIVビューのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
車両用のカメラミラーシステムであって、
トレーラの少なくとも一部を含む視野を画定する少なくとも1つのカメラと、
コントローラであって、プロセッサと、物体検出システム内で少なくとも1つのホイールを特定するように構成された画像ベースの物体検出モジュール、トラクタに対するトレーラ角度を特定するように構成されたトレーラ角度モジュール、及び前記トレーラ角度と前記少なくとも1つのカメラから受信した画像とに基づいてトレーラホイールベース長さを特定するように構成されたトレーラ検出パラメータ特定モジュールを記憶するメモリとを含むコントローラと
を備えるカメラミラーシステム。
【請求項16】
前記視野は、クラスII及びクラスVIビューのうちの1つである、請求項15に記載のカメラミラーシステム。
【請求項17】
前記トレーラ検出パラメータ特定モジュールは、前記プロセッサに、少なくとも1つのトレーラパラメータから前記画像上の予め定められた位置までの2次元距離を特定させ、特定された前記角度に少なくとも部分的に基づいて前記2次元距離を3次元距離に変換させるように構成された命令を含み、前記3次元距離は、前記トレーラのホイールベース長さである、請求項15に記載のカメラミラーシステム。
【請求項18】
前記2次元距離を前記3次元距離に変換することは、前記画像に対応する特定されたトレーラ角度と前記2次元距離とを変換機能で相互参照することを含む、請求項17に記載のカメラミラーシステム。
【請求項19】
特定された前記3次元距離は、特定された3次元距離のメモリリストに記憶される、請求項18に記載のカメラミラーシステム。
【請求項20】
前記コントローラは、前記特定された3次元距離のメモリリストをフィルタ処理するように構成されたフィルタ処理モジュールをさらに記憶する、請求項19に記載のカメラミラーシステム。
【請求項21】
前記フィルタ処理モジュールは中域通過フィルタである、請求項20に記載のカメラミラーシステム。
【請求項22】
車両コントローラであって、
少なくとも1つのカメラから画像を受信するように構成された画像入力と、
プロセッサ及びメモリであって、受信した画像内の少なくとも1つの特徴を特定するように構成された画像ベースの物体検出モジュール、トラクタに対するトレーラ角度を特定するように構成されたトレーラ角度モジュール、及び前記トレーラ角度と前記少なくとも1つのカメラから受信した画像とに基づいてトレーラ検出パラメータを特定するように構成されたトレーラ検出パラメータ特定モジュールをメモリが記憶するプロセッサ及びメモリと
を備える車両コントローラ。
【請求項23】
前記トレーラ検出パラメータ特定モジュールは、前記プロセッサに、前記少なくとも1つの特徴から前記画像上の予め定められた位置までの2次元距離を特定させ、前記画像に対応する特定された前記トレーラ角度と前記2次元距離とを変換機能で相互参照することにより、特定された前記角度に少なくとも部分的に基づいて前記2次元距離を3次元距離に変換させるように構成された命令を含み、前記3次元距離は前記トレーラのホイールベース長さである、請求項22に記載の車両コントローラ。
【請求項24】
前記メモリは、中域通過フィルタを用いて、前記特定された3次元距離のメモリリストをフィルタ処理するように構成されたフィルタ処理モジュールをさらに含む、請求項23に記載の車両コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商用トラックで使用するためのカメラミラーシステム(CMS)に関し、特に、CMSを用いてトレーラのホイールベース長さを特定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミラー代替システム及びミラービューを補足するためのカメラシステムは、商用車で車両運転者が周囲の環境を見る能力を高めるために利用されている。カメラミラーシステム(CMS)は、1つ以上のカメラを利用して車両運転者に拡張された視野を提供する。いくつかの例では、ミラー代替システムは、従来のミラーよりも広い視野をカバーするか、又は従来のミラーでは完全には得られないビューを含む。
【0003】
トレーラの後退操作などの一部の操作では、真のトレーラ角度、及び他のトレーラの特徴の位置に関する知識が自動化された車両システム及び半自動化された車両システムのパフォーマンスに特に有益であることが分かり得る。純粋にトラクタに基づくトレーラ角度位置決めシステム(すなわち、トレーラとトラクタとの間の相対的なトレーラ角度を特定するためのシステム)が存在するが、多くのこのようなシステムは、トレーラの特定の長さに依存するか、又は別の方法でトレーラの特定の長さを利用する。異なる長さのトレーラを接続すると(例えば、システムが10mのトレーラを想定しているときに5mのトレーラを接続すると)、システム内で不正確な又は誤った特定が行われ、その結果、その特定に依存する車両システムのパフォーマンスが低下する可能性がある。
【0004】
1つの特定の例では、トレーラ長さに依存する運動学的モデルは、誤ったトレーラ長さが使用されると、歪曲される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための例示的な方法は、コントローラで、車両トレーラの少なくとも一部を含む視野を画定する少なくとも1つのカメラから画像を受信することと、トラクタに対する車両トレーラのトレーラ角度を特定することと、トレーラの画像内の少なくとも1つの特徴を特定することと、少なくとも1つの特徴から画像上の予め定められた位置までの2次元距離を特定することと、特定された角度に少なくとも部分的に基づいて2次元距離をトレーラのトレーラ検出パラメータである3次元距離に変換することとを含む。
【0006】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法の別の例では、特定されたトレーラ角度は20度から70度の範囲である。
【0007】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、トレーラ検出パラメータはホイールベース長さであり、少なくとも1つの特徴は少なくとも1つのホイールである。
【0008】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、少なくとも1つのホイールは、第1のホイールと第2のホイールとを含み、少なくとも1つのホイールから画像上の予め定められた位置までの2次元距離は、画像上の第1のホイールと第2のホイールとの間の中間点から予め定められた位置までの距離である。
【0009】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、少なくとも1つのホイールは単一のホイールであり、少なくとも1つのホイールから画像上の予め定められた位置までの2次元距離は、ホイールの中心点から画像上の予め定められた位置までの距離である。
【0010】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、トレーラ検出パラメータは、ヒッチ点からトレーラの後端までのトレーラ長さであり、少なくとも1つの特徴は、トレーラの後端に配置された特徴である。
【0011】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、トレーラの後端に配置された特徴は、トレーラの下隅である。
【0012】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、特定された角度に少なくとも部分的に基づいて2次元距離を3次元距離に変換することは、変換機能を用いて2次元距離を特定された角度と相互参照(クロスリファレンス)することを含む。
【0013】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例は、20度から70度の範囲の複数のトレーラ角度にわたって上記方法を繰り返し、特定されたそれぞれの3次元ホイールベース長さをメモリに記憶することをさらに含む。
【0014】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例は、中域通過フィルタを用いて記憶された3次元ホイールベース長さをフィルタ処理することをさらに含む。
【0015】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、メモリは、中域通過フィルタの出力を特定されたホイールベース長さとして記憶する。
【0016】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、トレーラの画像内の少なくとも1つのホイールを特定することは、コントローラに記憶された画像ベースの物体検出システムを用いて少なくとも1つのホイールを特定することを含む。
【0017】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、コントローラは、車両制御ユニット及びカメラミラーシステムコントローラのうちの1つである。
【0018】
トレーラのトレーラ検出パラメータを特定するための上記方法のいずれかの別の例では、視野は、クラスIIビュー及びクラスIVビューのうちの1つである。
【0019】
例示的な一実施形態では、車両用のカメラミラーシステムが、少なくともトレーラの一部を含む視野を画定する少なくとも1つのカメラと、コントローラであって、プロセッサと、物体検出システム内で少なくとも1つのホイールを特定するように構成された画像ベースの物体検出モジュール、トラクタに対するトレーラ角度を特定するように構成されたトレーラ角度モジュール、及びトレーラ角度と少なくとも1つのカメラから受信した画像とに基づいてトレーラホイールベース長さを特定するように構成されたトレーラ検出パラメータ特定モジュールを記憶するメモリとを含むコントローラとを含む。
【0020】
上記車両用のカメラミラーシステムの別の例では、視野はクラスII及びクラスVIビューのうちの1つである。
【0021】
上記車両用のカメラミラーシステムのいずれかの別の例では、トレーラ検出パラメータ特定モジュールは、プロセッサに、少なくとも1つのトレーラパラメータから画像上の予め定められた位置までの2次元距離を特定させ、特定された角度に少なくとも部分的に基づいて2次元距離を3次元距離に変換させるように構成された命令を含み、3次元距離はトレーラのホイールベース長さである。
【0022】
上記車両用のカメラミラーシステムのいずれかの別の例では、2次元距離を3次元距離に変換することは、画像に対応する特定されたトレーラ角度と2次元距離とを変換機能で相互参照することを含む。
【0023】
上記車両用のカメラミラーシステムのいずれかの別の例では、特定された3次元距離は、特定された3次元距離のメモリリストに記憶される。
【0024】
上記車両用のカメラミラーシステムのいずれかの別の例では、コントローラは、特定された3次元距離のメモリリストをフィルタ処理するように構成されたフィルタ処理モジュールをさらに記憶する。
【0025】
上記車両用のカメラミラーシステムのいずれかの別の例では、フィルタ処理モジュールは中域通過フィルタである。
【0026】
例示的な一実施形態では、車両コントローラが、少なくとも1つのカメラから画像を受信するように構成された画像入力と、プロセッサ及びメモリであって、受信した画像内の少なくとも1つの特徴を特定するように構成された画像ベースの物体検出モジュール、トラクタに対するトレーラ角度を特定するように構成されたトレーラ角度モジュール、及びトレーラ角度と少なくとも1つのカメラから受信した画像とに基づいてトレーラ検出パラメータを特定するように構成されたトレーラ検出パラメータ特定モジュールをメモリが記憶するプロセッサ及びメモリとを含む。
【0027】
上記車両コントローラの別の例では、トレーラ検出パラメータ特定モジュールは、プロセッサに、少なくとも1つのホイールから画像上の予め定められた位置までの2次元距離を特定させ、画像に対応する特定されたトレーラ角度と2次元距離とを変換機能で相互参照することにより、特定された角度に少なくとも部分的に基づいて2次元距離を3次元距離に変換させるように構成された命令を含み、3次元距離はトレーラのホイールベース長さである。
【0028】
上記車両コントローラの別の例では、メモリは、中域通過フィルタを用いて、特定された3次元距離のメモリリストをフィルタ処理するように構成されたフィルタ処理モジュールをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示は、添付の図面に関連して検討されるとき、以下の詳細な説明を参照することによってさらに理解することができる。
図1A】少なくともクラスIIビュー及びクラスIVビューを提供するために使用されるカメラミラーシステム(CMS)を有する商用トラックの概略正面図である。
図1B】クラスIIビュー、クラスIVビュー、クラスVビュー及びクラスVIビューを提供するカメラミラーシステムを備えた商用トラックの概略上面図である。
図2】ディスプレイ及び内部カメラを含む車両キャビンの概略上面斜視図である。
図3】旋回操作中の車両を概略的に示し、トラクタとトレーラは予め定められた角度にある。
図4】トレーラを含む画像に基づいてホイールベース長さを特定するプロセスを概略的に示す。
【0030】
先の段落、請求項、又は以下の説明及び図面の実施形態、実施例及び代替物は、それらの様々な態様又はそれぞれの個々の特徴のいずれかを含めて、独立して、又は任意の組み合わせで採用することができる。一実施形態に関連して説明された特徴は、そのような特徴が相容れないものでない限り、すべての実施形態に適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
商用車10の概略図を図1A及び図1Bに示す。車両10は、トレーラ14を牽引するための車両キャブ又はトラクタ12を含む。本開示では商用トラックを想定しているが、本発明は他のタイプの車両にも適用することができる。車両10は、車両キャブ12の外側に取り付けられた運転席側及び助手席側のカメラアーム16a、16bを有するカメラミラーシステム(CMS)15(図2)を組み込んでいる。必要に応じて、カメラアーム16a、16bは、それらと一体化された従来のミラーを含むことができるが、ミラーに完全に取って代わるようにCMS15を使用することができる。更なる例では、それぞれの側面が複数のカメラアーム16を含むことができ、それぞれのアーム16は1つ以上のカメラ及び/又はミラーを収容する。
【0032】
カメラアーム16a、16bのそれぞれは、例えばキャブ12に固定される基部を含む。旋回アームは、ベースによって支持され、ベースに対して関節運動することができる。少なくとも1つの後ろ向きのカメラ20a、20bがそれぞれカメラアーム内に配置される。外部カメラ20a、20bはそれぞれ、商用トラック業界において法的に規定されたビューであるクラスIIビュー及びクラスIVビュー(図1B)のうちの少なくとも1つをそれぞれが含む外部視野FOVEX1、FOVEX2を提供する。車両10の特定の側のクラスIIビューは、車両10の同じ側のクラスIVビューの一部である。必要に応じて、これらのビューを提供するために、それぞれのカメラアーム16a、16bに複数のカメラを使用することもできる。それぞれのアーム16a、16bはまた、CMS15の様々な機能を提供するように構成された電子機器を包み込むハウジングを提供することができる。
【0033】
第1及び第2のビデオディスプレイ18a、18bが、車両キャブ12内の運転者側及び乗客側のそれぞれでAピラー19a、19b又はその近くに配置され、車両10のそれぞれの側のクラスIIビュー及びクラスIVビューを表示し、これらは、外部カメラ20a、20bによって捕捉される車両10に沿った後ろ向きのサイドビューを提供する。
【0034】
クラスVビュー及びクラスVIビューのビデオも必要な場合、カメラハウジング16c及びカメラ20cを車両10の前部又はその近くに配置して、これらのビューを提供することができる(図1B)。車両キャブ12内のフロントガラスの上部中央付近に配置された第3のディスプレイ18cを使用して、車両10の前方に向けたクラスVビュー及びクラスVIビューを運転者に表示することができる。
【0035】
クラスVIIIビューのビデオが所望される場合、カメラハウジングを車両10の側面及び後部に配置して、車両10のクラスVIIIゾーンの一部又は全部を含む視野を提供することができる。このような例では、第3のディスプレイ18cは、クラスVIIIビューを表示する1つ以上のフレームを含むことができる。代わりに、第1、第2及び第3のディスプレイ18a、18b、18cの近くに更なるディスプレイを追加して、クラスVIIIビューを提供する専用のディスプレイを提供することができる。
【0036】
特に図1Bを参照すると、トレーラ14はヒッチ102を介してトラクタ12に連結されている。トレーラ14は、1組のホイール112、114と、1組のホイールの中心点116からの距離120とを含み、ヒッチ102は、トレーラ14のホイールベースと呼ばれる。同様に、トレーラのヒッチ点からトレーラの後端までの長さは、トレーラ長さと呼ばれる。所与のトラクタ12は、複数の異なるトレーラ14に接続することができ、異なるトレーラ14は、異なる潜在的なホイールベース長さ及び異なる潜在的なトレーラ長さを有する。いくつかの例では、ホイールベース長さは、5m(16.4フィート)から15m(49.2フィート)の範囲であり得るが、車両10の構成を実質的に変更することなく代替的な長さを実現することができる。トレーラ長さについても同様の範囲が存在し得る。
【0037】
一部の車両操作が、デフォルトのホイールベース長さの仮定を入力パラメータとして使用する。例として、半自動ミラーパンニングシステム、自動及び/又は半自動運転者支援システムのための運動学的モデル、及び類似の車両システムは、ホイールベース長さを利用してそれらの動作を支援することができる。デフォルトのホイールベースの仮定は、いくつかのシステムに対して許容可能な入力パラメータを提供することができるが、車両ECUによって実行されるいくつかのシステム(例えば、運動学的モデルに基づく半自動運転者支援システム)、及びカメラミラーシステム自体で局所的に実行されるいくつかのシステム(例えば、自動パンニングシステム)は、トレーラ14の実際のホイールベースのより正確な特定の恩恵を受けることができることが理解される。
【0038】
引き続き図1A図1B及び図2を参照すると、図3は、旋回動作中の車両10を概略的に示し、トラクタ12及びトレーラ14は予め定められた角度範囲内の角度102にある。旋回操作中、トレーラ12のカメラアーム16が、トレーラ14、ホイール112、114、及び車両10の他の部分を含む視野202を捕捉する1つ以上のカメラを含む。視野202は、上述のクラスビューのいずれか、又はカメラアーム16又は同様の位置に取り付けられたもう1つのカメラ(又は複数のカメラ)によって提供されるビューであり得る。
【0039】
カメラに接続されたコントローラ104が、視野202を受信し、受信した画像の画像ベースの分析を行う。コントローラ104は、カメラアーム16内に配置されたカメラミラーシステムのコントローラ、トレーラ12内に配置された一般的な車両コントローラ、又はカメラアーム16内のカメラに通信可能に接続された他の任意のコントローラであり得る。
【0040】
コントローラ104には、画像ベースの物体検出システムが含まれている。画像ベースの物体検出システムは、ソフトウェアを使用して、受信した画像を分析し、画像内の1つ以上の物体を特定する。物体検出システムは、ルールに基づく物体検出方法、機械学習に基づく物体検出方法、又は他の任意の既知の物体検出方法を含む任意の既知の物体検出であり得る。特定可能な1組の物体には、トレーラ14の後輪112、114が含まれる。
【0041】
コントローラ104には、トレーラ検出パラメータ特定ソフトウェアモジュールも含まれる。本明細書で使用される場合、トレーラ検出パラメータは、ヒッチ点からトレーラの後端までの長さ(すなわち、トレーラ長さ)及びヒッチ点からトレーラの後輪までの長さ(すなわち、ホイールベース長さ)を含むトレーラ長さを示すパラメータを指す。一例では、トレーラ検出パラメータ特定ソフトウェアモジュールは、図4に示すプロセス300に従って、特定されたホイール112、114の位置を利用してトレーラ14のホイールベース長さを特定するように構成される。最初に、プロセス300は、トレーラホイールを特定するステップ310で物体検出システムを用いて画像内のトレーラ14のそれぞれのホイールの位置を特定する。物体検出システムは、1組のホイール110の前輪112及び後輪114、ならびに前輪112と後輪114との間の中間点116を特定する。
【0042】
プロセス300は次に、「2次元ホイールベースを特定する」ステップ320で中間点116から視野の端にある予め定められた位置118までの2次元距離を特定する。予め定められた位置118は、視野202の端にある車両トレーラ12の予想位置に基づいて選択され、トレーラ角度によって決まり得る。別の例では、予め定められた位置は、ヒッチ点に相関することが知られている画像内の他の任意の位置であり得る。本明細書で使用される場合、2次元距離は、画像自体内の中間点116と予め定められた位置118との間の測定された距離を指す。測定された距離は、一例では、中間点116と予め定められた位置118との間のピクセル数である。理解されるように、2次元距離はホイールベース長さ120と同じではない。しかし、2次元距離120は、トレーラ角度102に基づくホイールベース長さに相関する。車両が予め定められた角度範囲内(例えば、20度から70度の間)にある間に2次元長さを特定することによって、コントローラ104は、「2次元ホイールベースを3次元ホイールベースに変換する」ステップ330で、測定された2次元長さと特定された角度に対する既知の相関を利用して、変換機能を用いて車両のホイールベース長さを正確に特定することができる。
【0043】
一例では、変換機能は、複数のルックアップテーブルを含むソフトウェアモジュールを使用して、最良適合3次元ホイールベース長さを特定する。ルックアップテーブルは、第1の軸が2次元の長さであり、第2の軸が対応する3次元の距離である、角度範囲について3次元の距離に対する2次元画像内のピクセル数(2次元の長さ)を定義するマッピングを提供する。それぞれのルックアップテーブルは、トレーラ角度の範囲に対応し、トレーラ角度がその範囲内にある場合に使用される。2次元長さ120がルックアップテーブル上の2つのブレークポイントの間にある場合、コントローラ104内のソフトウェアモジュールは、可能性がある3次元ホイールベースの平均を選択するか、又は特定された値に最も近いホイールベースを選択することができる。
【0044】
別の例では、角度と2次元ホイールベースとの間の相関関係は、トレーラ角度と2次元ホイールベースとを入力として使用する最良適合の回帰式に変換することができ、コントローラ104は、この式を使用して正しい出力を特定する。
【0045】
ホイールベースの特定を複数の異なる角度で複数回行い、中域フィルタを用いて特定された生の3次元ホイールベースをフィルタ処理することにより、ノイズ及び誤った特定が除去され、正確な3次元ホイールベースが特定される。正確な3次元ホイールベースは、コントローラ104によって記憶され、3次元ホイールベースを必要とする又は3次元ホイールベースの恩恵を受ける任意の車両システムに提供することができる。
【0046】
さらに別の例では、トレーラ検出パラメータ特定ソフトウェアモジュールは、実質的に同一のプロセスを使用して、ホイールベース長さの代わりにトレーラの長さを特定することができる。トレーラ長さの特定は、後輪の特定をトレーラの後部特徴の特定に置き換える。一例では、トレーラの後部特徴はトレーラの下隅である。
【0047】
例示的な実施形態が開示されているが、当業者であれば、特定の変更が特許請求の範囲内に入ることを認識するであろう。そのため、以下の特許請求の範囲を検討して、その真の範囲及び内容を判断すべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
【外国語明細書】