(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191172
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】振動式呼気陽圧装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
A61M16/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022091746
(22)【出願日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】110121639
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】518261456
【氏名又は名称】岩成科技事業股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】陳 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】林 玲玲
(72)【発明者】
【氏名】黄 旻鮮
(57)【要約】 (修正有)
【課題】振動式呼気陽圧(OPEP)装置を提供する。
【解決手段】振動式呼気陽圧装置は、ハウジング1と、頂カバー2と、振動ユニット3とを含む。ハウジングは、開口111が末端になっている傾斜囲み面112を有する底壁11と周壁12とを含む。振動ユニットは、ハウジングに揺動自在に接続されるように配置されていて、スイングアーム311と、第1及び第2の重みピース32、33とを含む。スイング部材31は、スイングアームと、前記スイングアームに接続されている第1及び第2のスイングブロック313、314とを含む。第1及び第2の重みピースのそれぞれは、第1のスイングブロックと第2のスイングブロックとに乗せられている。スイングアームは、第2のスイングブロックを動かして開口を塞ぐまたは開放するようにスイング可能である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁(11)と前記底壁(11)から上方へ延伸する周壁(12)とを含み、前記底壁(11)は下方へ延伸して開口(111)が末端になっている傾斜囲み面(112)を有するハウジング(1)と、
前記周壁(12)に接続され、且つ前記底壁(11)及び前記周壁(12)と共に収容空間(S)を定義している頂カバー(2)と、
前記ハウジング(1)に揺動自在に接続され且つ前記収容空間(S)の内部に配置されている振動ユニット(3)とを含み、
前記振動ユニット(3)は、
スイングアーム(311)と、
前記スイングアーム(311)の一端に接続されている第1のスイングブロック(313)と、
前記スイングアーム(311)の他端に接続され且つ前記開口(111)に近接する第2のスイングブロック(314)と、を含む
スイング部材(31)と、
前記第1のスイングブロック(313)に乗せられている第1の重みピース(32)と、
前記第2のスイングブロック(314)に乗せられている第2の重みピース(33)と、を含み、前記スイングアーム(311)は、前記第2のスイングブロック(314)を動かして前記開口(111)を塞ぐまたは開放するようにスイング可能である、振動式呼気陽圧装置。
【請求項2】
前記第2のスイングブロック(314)は、実質的に円錐形であり、前記開口(111)向かって先細りになっている、請求項1に記載の振動式呼気陽圧装置。
【請求項3】
前記第2のスイングブロック(314)の軸に沿う前記第2のスイングブロック(314)の横断面は、53度~73度の範囲内の夾角(α)を形成する2つの反対側を有し、
前記振動ユニット(3)は、閉位置にあると、前記第2のスイングブロック(314)の軸に沿う前記第2のスイングブロック(314)の横断面の各前記反対側と前記傾斜囲み面(112)とにより定義される夾角(β)が10度~30度の範囲内にある、請求項2に記載の振動式呼気陽圧装置。
【請求項4】
前記夾角(β)は、16度~24度の範囲内にある、請求項3に記載の振動式呼気陽圧装置。
【請求項5】
前記スイングアーム(311)の前記第1のスイングブロック(313)は、前記第1の重みピース(32)を収容する第1の収容溝(313a)を有し、
前記スイングアーム(311)の前記第2のスイングブロック(314)は、前記第2の重みピース(33)を収容する第2の収容溝(314a)を有し、
前記振動ユニット(3)は、前記第1の収容溝(313a)を閉じる第1の蓋(34)と前記第2の収容溝(314a)を閉じる第2の蓋(35)とを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の振動式呼気陽圧装置。
【請求項6】
前記第1のスイングブロック(313)は、前記第1の収容溝(313a)に配置され且つ前記第1の重みピース(32)に当接している複数の第1の保持リブ(313b)を更に有し、
前記第2のスイングブロック(314)は、前記第2の収容溝(314a)に配置され且つ前記第2の重みピース(33)に当接している複数の第2の保持リブ(314b)を更に有する、請求項5に記載の振動式呼気陽圧装置。
【請求項7】
前記スイング部材(31)は、それぞれが前記スイングアーム(311)の反対する両側から横方向に突出している2つの回転ピン(312)を更に含み、
前記底壁(11)は、それぞれが前記2つの回転ピン(312)を保持している2つの支持ブラケット(113)を更に有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の振動式呼気陽圧装置。
【請求項8】
前記スイングアーム(311)は、前後方向(D1)に沿って延伸し、
該前後方向(D1)において前記第1の重みピース(32)の重心と前記回転ピン(312)を通過する軸との間の距離と、該前後方向(D1)において前記第2の重みピース(33)の重心と前記回転ピン(312)を通過する軸との間の距離との比率は5:7である、請求項7に記載の振動式呼気陽圧装置。
【請求項9】
前記頂カバー(2)には、前記頂カバー(2)の面積の50%未満を占める複数の通気口(21)が形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の振動式呼気陽圧装置。
【請求項10】
前記第1の重みピース(32)と前記第2の重みピース(33)とのそれぞれは、2を超える密度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の振動式呼気陽圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年6月15日に出願された台湾特許出願第110121639号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、呼気陽圧(PEP)装置、より具体的には、振動式呼気陽圧(OPEP)装置に関する。
【背景技術】
【0003】
世界各地での大気汚染の悪化に伴い、環境アレルゲンが大幅に増加し、現代人は肺や気管に過剰な分泌物がたまる嚢胞性線維症(CF)や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患を発症しやすくなっている。平均的に健康な人の場合は咳をすれば分泌物が緩み気管から排出されるはずである。しかし、呼吸器系の疾患がある場合、一回の咳では気管の閉塞を取り除くことができないことがある。このような場合、薬物療法や振動式呼気陽圧(OPEP)療法により、分泌物の蓄積を処置する。OPEP療法は、従来のOPEP装置(アカペラ装置など)を用いて、使用者の呼気中に呼気圧の揺れ動く振動で詰まった気管を開き、分泌物を緩め、咳で分泌物を吐き出させて肺の閉塞を解消するものである。
【0004】
現在、治療用として使用されているのは、磁石を使って使用者の呼気抵抗を制御する従来のOPEP装置である。しかし、この装置は構造が比較的複雑でかさばり、洗浄も簡単ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本開示の目的は、上記の先行技術に関連する欠点の少なくとも1つを軽減することができる振動式呼気陽圧装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ハウジングと、頂カバーと、振動ユニットとを含む振動式呼気陽圧装置である。該ハウジングは、底壁と前記底壁から上方へ延伸する周壁とを含む。該底壁は、下方へ延伸して開口が末端になっている傾斜囲み面を有する。該頂カバーは、該周壁に接続され、且つ該底壁及び該周壁と共に収容空間を定義している。該振動ユニットは、該ハウジングに揺動自在に接続され且つ該収容空間の内部に配置されている。該振動ユニットは、スイング部材と第1の重みピースと第2の重みピースとを含む。該スイング部材は、スイングアームと、該スイングアームの一端に接続されている第1のスイングブロックと、該スイングアームの他端に接続され且つ前記開口に近接する第2のスイングブロックとを含む。該第1の重みピースは、該第1のスイングブロックに乗せられている。該第2の重みピースは、該第2のスイングブロックに乗せられている。該スイングアームは、該第2のスイングブロックを動かして該開口を塞ぐまたは開放するようにスイング可能である。
【0007】
本開示の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の実施形態で詳細に説明することにより明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示による振動式呼気陽圧装置の実施形態の斜視図
【
図4】閉位置にある振動ユニットを示している、
図1の線IV-IVに沿って取られた断面図
【
図5】開位置にある振動ユニットを示している、
図4と同様の断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び
図2に示されるように、本開示で請求される振動式呼気陽圧装置の実施形態は、使用者の気管に付着した分泌物を緩めて、使用者がそれらを咳き出すために使用することができる。
【0010】
該振動式呼気陽圧装置は、ハウジング1と、頂カバー2と、振動ユニット3とを含む。
【0011】
図2~
図4を参照し、ハウジング1は、底壁11と、底壁11から上下方向(D3)に沿って上方へ延伸する周壁12と、底壁11から上下方向(D3)に沿って下方へ延伸するインプットチューブ13とを含む。底壁11は、実質的に漏斗状であって、底壁11から下方へ延伸して開口111が末端になっていて且つインプットチューブ13に囲まれている傾斜囲み面112を有する。底壁11は、直立に延伸している2つの支持ブラケット113を更に有する。傾斜囲み面112の断面幅は、
図4に示されるように上下方向(D3)に沿って減少する。傾斜囲み面112は、開口111に隣接する湾曲部分を有する。振動ユニット3は、底壁11の支持ブラケット113にスイング自在に装着されている。頂カバー2は、周壁12に接続され、且つ周壁12及び底壁11と共に収容空間(S)を定義している。頂カバー2には、前後方向(D1)に沿って延伸していて互いに間隔が開いている4つの通気口21が形成されている。通気口21は、開口111に対応して位置している。通気口21の総面積は、カバー2の面積の50%未満を占める。この実施形態において、通気口21の総面積は、5平方センチメートル未満であるが、他の実施形態においてこの図の面積に限定されない。通気口21の数及び延長方向は、上記の内容に限定されない。
【0012】
振動ユニット3は、収容空間(S)の内部に配置されており、且つ、前後方向(D1)に沿って延伸するスイングアーム311と、スイングアーム311の一端に接続されている第1のスイングブロック313と、スイングアーム311の他端に接続され且つ開口111に近接する第2のスイングブロック314とを含むスイング部材31を含む。振動ユニット3は、第1のスイングブロック313に乗せられている第1の重みピース32と、第2のスイングブロック314に乗せられている第2の重みピース33と、第1の重みピース32の上に配置されている第1の蓋34と、第2の重みピース33の上に配置されている第2の蓋35とを更に含む。また、スイング部材31は、左右方向(D2)と平行するように、それぞれがスイングアーム311の反対する両側から横方向に突出しており、且つ、支持ブラケット113によってそれぞれ保持されてスイング部材31の回転軸を形成して、スイング部材31が該回転軸を中心にスイングすることができる2つの回転ピン312を更に含む。第1のスイングブロック313は、実質的に円筒形であり、且つ、第1の重みピース32を収容する第1の収容溝313aと、第1の収容溝313aに配置され且つ第1の重みピース32に当接している4つの第1の保持リブ313bとを有する。第2のスイングブロック314は、実質的に円錐形であり、開口111に向かって先細りになっており、且つ、第2の重みピース33を収容する第2の収容溝314aと、第2の収容溝314aに配置され且つ第2の重みピース33に当接している4つの第2の保持リブ314bとを有する。第1の蓋34及び第2の蓋35は、それぞれが第1の収容溝313a及び第2の収容溝314aを閉じる。第1の重みピース32及び第2の重みピース33は、それぞれが第1の保持リブ313b及び第2の保持リブ314bを介して第1の収容溝313a及び第2の収容溝314aに密に嵌った状態で位置決めされることができる。
【0013】
図4及び
図5に示されているように、振動ユニット3は、閉位置及び開位置の間で、ハウジング1の底壁11に対して回転ピン312を中心にスイングすることができる。閉位置において、第2のスイングブロック314は、
図4に示されるように、その外側面が傾斜囲み面112に接触した状態で開口111に挿入され、それによって開口111を塞ぐ。振動ユニット3は、閉位置から開位置まで上方へのスイングができる。振動ユニット3が閉位置から開位置へ変換する間、
図5に示されるように、第1のスイングブロック313は、下方へスイングして底壁11に接触し、且つ、第2のスイングブロック314は、上方へスイングして傾斜囲み面112から離れて且つ開口111が開放される。
【0014】
各第1の重みピース32及び第2の重みピース33は、密度が2を超え、且つ、第1の重みピース32及び第2の重みピース33の好ましい重量は、1~4グラムの間にある。振動ユニット3の全体的にスムーズな振動を実現するために、第1及び第2の重みピース32、33は、同じ重量であることが好ましい。
【0015】
第2のスイングブロック314の軸に沿う第2のスイングブロック314の上下方向(D3)における横断面は、互いの間に夾角(α)を形成する2つの反対側を有する。夾角(α)は、傾斜囲み面112でのコアンダ効果に影響を与え、且つ53度~73度の範囲内にあることが好ましい。実際の測定において、合併角が58度~68度の範囲内にあることで、より望ましい運用性能を提供することが示されている。他方では、振動ユニット3が閉位置にあると、第2のスイングブロック314の軸に沿う第2のスイングブロック314の横断面の各前記反対側と傾斜囲み面112とにより定義される夾角(β)は、振動ユニット3のスイングに影響を与え、且つ10度~30度の範囲内にある。夾角(β)は、16度~24度の範囲内にあることが好ましい。
【0016】
流量と重みピーステスト
【0017】
前述の好ましい角度設定は表1に示される。このテストは、呼気流量が5~30リットル/分、呼気静圧が8~18cmH2Oの一般成人を模擬して行われる。気流振動の頻度が10~40Hz内で、呼気流量の圧力変化が気流振動の振幅に対応して5~20cmH2Oの範囲内にあると、最も成功する治療が得られることは、当業者によって認識されている。表1の欄の見出しに記載されているA~Dは、本開示の振動式呼気陽圧装置の夾角(β)の異なる設定であり、順に16.75度、20度、23.3度及び26.5度である。第1及び第2の重みピース32、33の異なる重量(単位:グラム)は、“重みピース”と書かれた2行目の各列に記載されている。模擬呼気流量の違い(5LPM~30LPM、左欄に記載されるように)による気流振動の頻度(Hz、振動数/秒)の変化は表1に示される。表1に示されるように、模擬呼気流量の違いにより選択した重量を変化させることにより、異なる気流振動の頻度が達成される。低めの振動頻度は、選択した重みピースの重量を増加させることによって、より達成されやすい。選択した重みピースの重量の変化により得た模擬使用者の呼気気流振動(単位:cmH2O)の振幅の変化は、表2に表す。表内のデータにより、呼気気流振動の振幅は、重みピースの選択重量が増加するほど大きくなりやすいことが判断できる。
【0018】
【0019】
【0020】
本開示の振動式呼気陽圧装置の全体の体積を小さくするために、第1の重みピース32の重心、回転ピン312、及び第2の重みピース33の重心が、前後方向(D1)において同一線上にないように構成される。更に、第2のスイングブロック314とのバランスを取りながら、第1の重みピース32と第2の重みピース33との重量増加効率を最大化するため、前後方向(D1)において第1の重みピース32の重心と回転ピン312を通過する軸との間の距離と、前後方向(D1)において第2の重みピース33の重心と回転ピン312を通過する軸との間の距離との比率は、5:7であり、この実施形態においては、10mm:14mmであるが、他の実施形態ではこれに限定されない。
【0021】
本開示の振動式呼気陽圧装置の操作は以下の通りである。使用者が口に保持するためのマウスピース(図示せず)は、ハウジング1のインプットチューブ13に取り付けられている。使用者が息を吐く度に、マウスピースとインプットチューブ13を通過する呼気気流が第2のスイングブロック314を上方へ移動するように押して、振動ユニット3を、第2のスイングブロック314が開口111を塞ぐ閉位置から、第2のスイングブロックが開口部111の塞ぎを開放する開位置までスイングさせる。傾斜囲み面112の湾曲部分は、少し凸状の湾曲である。使用者の呼気気流が通過すると、コアンダ効果が生じ、第2のスイングブロック314に加わる空気圧を下げるので、その上向きの加速度が減少する。第2のスイングブロック314及び第2の重みピース33の重量と、傾斜囲み面112の湾曲部分を流れる気流のコアンダ効果との組み合わせが、第2のスイングブロック314にかかる呼気圧を圧倒すると、第2のスイングブロック314が降下して使用者の次の呼気まで開口111を塞ぐ。呼気流により生じる振動は、使用者の気管、特に気管支の分泌物を緩め、使用者が分泌物を咳き出すのに役立つ。振動ユニット3の閉位置と開位置との間の振動スイング運動は、使用者の呼気に合わせて振動し続け、動作中の呼気気流により振動を発生させる。なお、振動ユニット3の振動頻度は、第1の加重ピース32及び第2の加重ピース33の重量を変えることによって変更できるので、第1の加重ピース32及び第2の加重ピース33の重量の増加は、振動ユニット3によって生成される振動頻度を低減することが理解できる。更に、振動ユニット3の振動頻度は、所望の振動ユニット3が発する振動頻度に応じて、前後方向(D1)において第1の重みピース32の重心と回転ピン312を通過する軸との間の距離及び前後方向(D1)において第2の重みピース33の重心と回転ピン312を通過する軸との間の距離を変更することによっても変えられる。
【0022】
なお、本開示の第1の蓋34及び第2の蓋35は、主に第1の重みピース32及び第2の重みピース33の露出した表面を覆って振動ユニット3の作動中にそれらが落ちることを防止するように配置され、且つ、平面を提供して気流の乱れを抑え且つ分泌物の残留を減少し、清掃しやすくしている。更に、この実施形態において、第1の重みピース32及び第2の重みピース33は、それぞれが第1の保持リブ313b及び第2の保持リブ314bを介して第1の収容溝313a及び第2の収容溝314aに密に嵌っている。他の実施形態において、第1及び第2の保持リブ313b、314bの数を減らすことができる。第1の収容溝313a及び第2の収容溝314aが第1の重みピース32及び第2の重みピース33よりも若干小さく製造されて、第1の重みピース32及び第2の重みピース33が第1の収容溝313a及び第2の収容溝314aに密に嵌めることができる場合、他の実施形態において、第1及び第2の保持リブ313b、314bは、完全に省略することも可能である。
【0023】
本開示の振動式呼気陽圧装置は、台湾特許第I706797号公報に開示されているスプレー装置に接続して使用することもできる。使用の際には、使用者が口に保持するために、ハウジング1のインプットチューブ13を、スプレー装置と通じているマウスピース(図示せず)に接続することができる。本開示の振動式呼気陽圧装置は、呼吸サイクル中の呼気によって作動される。呼気気圧の振動が発生して、使用者の気管の分泌物を咳き出しやすくする。同時に、使用者の呼気気流の一部がマウスピースを通って該スプレー装置に迂回し、該スプレー装置が一時的に無効になる。該スプレー装置は、使用者が息を吸い込んでいる時に該振動式呼気陽圧装置の作動が一時中断になると作動する。従って、該スプレー装置及び振動式呼気陽圧装置は、息を吸ったり吐いたりする時に、周期的に作動する。
【0024】
要約すれば、本開示の振動式呼気陽圧装置の開口111は、使用者の呼気気流が第2のスイングブロック314を上げて開口111を開放するまで、振動ユニット3の第2のスイングブロック314によりブロックされ得る。第2のスイングブロック314及び第2の重みピース33の重量が、傾斜囲み面112の湾曲部分を流れる気流のコアンダ効果との組み合わせで、第2のスイングブロック314にかかる呼気圧を圧倒すると、第2のスイングブロック314が降下して再び開口111をブロックし、振動ユニット3によって生成された呼気気流の振動は、使用者の気管に伝達されて、使用者の気管を拡張及び収縮させることができる。振動ユニット3の継続的な動作により、使用者の気管に付着している分泌物が緩められて、使用者は分泌物を咳き出すことができる。
【0025】
上記においては、説明のため、実施形態の完全な理解を促すべく多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一つの実施形態」「一実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本説明において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、またはこれらの説明に組み込まれているが、これは本説明を合理化させるためのもので、また、本発明の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本開示の実施において、他の実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
【0026】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【外国語明細書】