(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191190
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】回転式コーティング製品スプレー及びそのスプレーの表面温度を制御するための方法
(51)【国際特許分類】
B05B 5/04 20060101AFI20221220BHJP
B05B 3/02 20060101ALI20221220BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B05B5/04 A
B05B3/02 L
B05D1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022095036
(22)【出願日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】FR2106308
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】516299279
【氏名又は名称】エクセル インダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】シルバン ペリネ
(72)【発明者】
【氏名】ドニ バンゼット
【テーマコード(参考)】
4D075
4F033
4F034
【Fターム(参考)】
4D075AA02
4D075AA08
4D075AA86
4D075DC12
4D075DC18
4D075EA05
4D075EA43
4F033PA11
4F033PB16
4F033PC02
4F033PD01
4F033PD03
4F033PD06
4F034AA03
4F034BA22
4F034BA26
4F034BB02
4F034BB07
4F034BB12
4F034BB23
4F034BB28
(57)【要約】
【課題】回転式コーティング製品スプレー及びそのスプレーの表面温度を制御するための方法を提供すること。
【解決手段】回転式コーティング製品スプレーは、回転の軸(X2)の周りで回転するスプレーボウルと、ボウルを駆動するための空気タービン(12)とを備える。タービンは、ローターと、ローターのための支持体を形成し、かつローターのブレード(142)が配置される回転チャンバー(26)のための少なくとも1つの空気供給ライン(120~132)を画定するボディ(16)とを備える。ローターのブレード(142)が配置される回転チャンバー(26)に空気を供給するためのライン(120~132)は、回転の軸(X2)に対して半径方向に、ボディ(16)と、ボディの周りに取り付けられたリング(32、90)との間に画定される中間チャンバー(132)を備える。このようにして、タービン(12)からの排気の流れによる、スプレーハウジングの要素の温度の低下は限定的なものにされる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング製品のための回転式スプレー(2)であって、回転の軸(X2)の周りで回転するスプレーボウル(10)と、前記回転の軸の周りで前記ボウルを回転させるための空気タービン(12)とを備え、前記タービンが、ローター(14)と、前記ローターのための支持体を形成し、かつローターのブレード(142)が配置される回転チャンバー(26)に空気を供給するための少なくとも1つの供給ライン(120~132)を画定するボディ(16)とを備え、前記回転チャンバー(26)に空気を供給するための前記供給ライン(120~132)が、前記回転の軸(X2)に対して半径方向に、前記ボディ(16)と、このボディの周りに取り付けられたリング(32、90)との間に画定される中間チャンバー(132)を備えることを特徴とする、スプレー。
【請求項2】
前記供給ライン(120~132)が、前記回転の軸(X2)に対して平行に延在している少なくとも1つの枝部122と、前記回転の軸に対して半径方向に、前記枝部を前記中間チャンバー(132)と接続する屈曲部(128)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のスプレー。
【請求項3】
前記供給ライン(120~132)が、
前記回転チャンバー(26)に開口している、前記回転の軸(X2)に対して垂直な螺旋部分(126)と、
前記中間チャンバー(132)を前記螺旋部分と接続している屈曲部(130)と、を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のスプレー。
【請求項4】
前記ボディ(16)が、前記ローター(14)を受け入れるためのハウジング(V16)を画定するチューブ状の部分(162)と、前記ボウル(10)の反対側で前記ハウジングを閉じる基部(164)とを備え、前記リング(32)が、前記チューブ状の部分と前記基部との両方の周りに取り付けられていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のスプレー。
【請求項5】
前記リング(32)が、その内部半径方向表面(322)に、一方では前記中間チャンバー(132)の内部を循環する空気と、他方では前記リングとの間の熱交換を促進するように構成された少なくとも1つの起伏のパターンを設けられていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のスプレー。
【請求項6】
前記起伏のパターンが、リブ(36)又はねじ山からなることを特徴とする、請求項5に記載のスプレー。
【請求項7】
前記リング(32)が金属で作られていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のスプレー。
【請求項8】
前記リング(32)と前記ボディ(16)との間の電位を釣り合わせるための部分組立品(60)を備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のスプレー。
【請求項9】
前記部分組立品が、直接的に、又は取り付けられた電気伝導性要素(66)を介して、前記リング(32)及び前記ボディ(16)に接している弾性的に変形可能な電気伝導性要素(62)の形態で設けられていることを特徴とする、請求項8に記載のスプレー。
【請求項10】
前記リング(32)が、くさび留めによって前記ボディ(16)の周りに固定されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のスプレー。
【請求項11】
少なくとも1つのシール(40)が、前記ボディ(16)と前記リング(32)との間に配置されていて、前記ボディの周りの前記リングの前記くさび留めに寄与することを特徴とする、請求項10に記載のスプレー。
【請求項12】
2つのシール(40)が前記ボディ(16)と前記リング(32)との間に配置されていて、前記ボディの周りの前記リングの前記くさび留めに寄与することを特徴とする、請求項11に記載のスプレー。
【請求項13】
前記中間チャンバー(132)が、前記タービン(12)からの排ガスの多岐菅(220~226)が形成される前記ボディの部分(162B、164)の周りに形成されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のスプレー。
【請求項14】
前記中間チャンバー(132)中の空気の温度、前記リング(32)の温度又は前記スプレー(2)のカバー(90)の温度を決定するための温度センサ(35)を備えることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載のスプレー。
【請求項15】
回転式コーティング製品スプレー(2)であって、回転の軸(X2)の周りで回転するスプレーボウル(10)と、前記回転の軸の周りで前記ボウルを回転させるための空気タービン(12)とを備え、前記タービンが、ローター(14)と、前記ローターのための支持体を形成するボディ(16)とを備える、回転式コーティング製品スプレー(2)の表面温度を制御するための方法であって、前記ローターのブレード(142)が配置される回転チャンバー(26)に空気を供給する供給工程を含み、前記供給工程が、前記ローターのための駆動空気の流れ(E2)を前記ボディ(16)の周囲領域(168)に転換して、前記スプレー(2)のカバー要素(90)の温度の低下を限定的にすることからなるサブ工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記スプレーが請求項14に記載のスプレーであり、前記スプレーの制御ユニットが、前記スプレー(2)の、又は前記スプレーが導入されるブースの動作パラメータを、前記センサ(35)の出力信号に応じて調節するように構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にコーティングされる表面に対してコーティング製品を適用するために使用されることが意図される、回転式コーティング製品スプレーに関する。本発明はまた、そのようなスプレーの表面温度を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転式スプレーは、例えば、塗料又はワニスの種類のコーティングを、車両のボディ、車両の構成要素又は家庭用機器のハウジングに適用するために使用される。
【0003】
このようなスプレーは、タービンによって回転の軸に対する回転で駆動されるボウルを備え、タービンは、空気タービン(すなわちローターであって、ローターの回転が、ローターに堅く接続されたブレードに影響を与える空気流の流れによってもたらされるローターを備えるタービン)である場合がある。
【0004】
この種類のスプレーは、全体的な充足を与えるものである。しかし、6bar程度の比較的高い圧力でブレードの近傍に移動される必要があり、かつタービンの出口においては大気圧に近い圧力である駆動空気の膨張が原因となり、ある問題が起こる。ローターのブレードに影響を与えた後に排気となる駆動空気のこの膨張は、20℃程度の温度幅で、ローターを有意に冷却する効果を有する。
【0005】
したがって、20~25セルシウス度(℃)の温度で、かつ55%~65%の相対湿度で空気がタービンに入ることを考えると、タービンを出る排気の温度は、10~18℃である露点温度より低い場合があり、このことは、タービンボディがカバーによって被覆されていたとしても、水滴がスプレーの外部に集積する場合があるという程度まで、空気中の水分を凝縮させる効果を有する。これらの水滴は、コーティングされる表面に、スプレーする間にスプレーから落ちる場合があり、重力によって落ちるか、又は空気流れによって運ばれる場合がある。このことは、適用されるコーティングにおける欠陥を引き起こす。
【0006】
実際には、このことは許容可能なことではなく、空気タービンの駆動空気の流れを調整して、排気温度に起因する水の凝縮のリスクを限定的なものにする試みが知られている。
【0007】
欧州特許出願公開第808089号明細書は、エアベアリングからの供給空気の一部を、圧力低下が起こり得る容積に配向する方法を教示している。この手法の影響は、スプレーの全体の空気消費が増加することであり、このことは、加圧された空気を製造するためにさらなるリソースを必要とし、このようなスプレーを備えるコーティング設備を動作させるコストを増加させる。
【0008】
排気が、空気中に存在する水分の凝縮を引き起こし得るタービンの出口における温度に到達しないように、スプレーの空気供給ラインに電気空気加熱器を挿入して、駆動空気を40℃程度の温度にする方法もまた知られている。この手法は、特にエネルギーを消費するものであり、かつ高価なさらなる設備を取得することを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、スプレーのエネルギー性能を実質的に低下させることなく、スプレーの表面への水の凝縮のリスクを大きく減少させた、又はさらには完全に排除した新規の回転式コーティング製品スプレーを提案することによって、これらの問題を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、回転式コーティング製品スプレーであって、回転の軸の周りで回転するスプレーボウルと、この軸の周りでボウルを駆動させるための空気タービンとを備え、タービンは、ローターと、ローターのための支持体を形成し、かつローターのブレードが配置される回転チャンバーに空気を供給するための少なくとも1つの空気供給ラインを画定するボディとを備える。本発明によれば、回転チャンバーに空気を供給するための供給ラインは、回転の軸に対して半径方向に、タービンのボディと、このボディの周りに取り付けられたリングとの間に画定される中間チャンバーを備える。
【0011】
本発明によれば、ボディと、ボディの周りに取り付けられたリングとの間に画定される、供給ラインの中間チャンバーは、ボディの最外部に比較的高温の空気循環領域を形成し、これは、その領域におけるボディの周囲部の温度の顕著な低下を回避する。このことは、スプレーのその領域における凝縮のリスクを限定的にする効果を有する。中間チャンバーを通って流れる空気は、次いで、ローターを回転駆動させるために、又はさらにはタービン以外の構成要素に動力を与えるために使用することができる。タービンの別の構成要素によって、「空気スカート」とも呼ばれる塗料の円錐形の流れを成形するための要素、又はローターの回転速度を測定するように構成された音センサがあり得ると理解される。タービン要素供給空気流れの使用は、冷却を限定的にすることのみに用いられる空気流れを使用する解決策、入ってくる流れを加熱するための装置を使用する解決策と比較して、装置のエネルギー消費を減少させる。
【0012】
回転チャンバーは、中間チャンバーを備えるラインを通して供給されるため、通常のスプレー動作のために使用される空気に加えて、中間チャンバーを通って流れる空気がスプレーに供給される必要はない。加えて、タービンが加速するにつれて排気は冷え、供給空気の流速が増加するにつれて、中間チャンバーを通って流れる空気の熱効果は増加する。言い換えれば、スプレーボディの周りに取り付けられたリングによって得られる、タービン排気の冷却、及びその冷却の補償は、同様に、タービンの速度によって発展する。さらに、タービン供給空気は最も強い流れであり、スプレーの機能構成要素を供給する別の流れの中でも最も高い流速を有するため、より高い加熱性能が得られる。これは、より多い量の空気が、リングを介して、スプレーの外部と中間チャンバーの空気との間の熱伝達効果を受けるためである。加えて、ヘッドのロスは供給空気の圧力及び流速に関するものであるため、ヘッドのロスに起因するエネルギー消費は、スプレーボウルを回転させるために必要とされるエネルギーに依存する。
【0013】
本発明の有利であるが必須ではない態様によれば、このようなスプレーは、以下の特徴のうち1つ又は複数を、任意の技術的に許容可能な組み合わせで組み込むことができる。
供給ラインは、回転の軸に対して平行に延在している少なくとも1つの枝部と、前記回転の軸に対して半径方向に、前記枝部を中間チャンバーと接続する屈曲部とを備える。
供給ラインは、回転チャンバーに開口している、回転の軸に対して垂直な螺旋部分と、中間チャンバーを螺旋部分と接続している屈曲部とを備える。
スプレーは、スプレーボウルのエッジを離れる液滴の雲を形成する空気流れのためのチャネルを画定する構成要素を備え、一方で、中間チャンバーを備える供給ラインは、チャネルにスカート空気を供給する。
スプレーは、ローターに堅く接続された少なくとも1つの空洞と、空洞から来る空気の流れのノイズを測定して、スプレーボウルの回転の速度を決定するマイクロフォンとを備え、一方で、中間チャンバーを備える供給ラインは、空洞を通じてマイクロフォンに空気を供給する。
ボディは、ローターを受け入れるハウジングを画定するチューブ状の部分と、ボウルの反対側でハウジングを閉じる基部とを備え、一方で、リングは、チューブ状の部分と基部との両方の周りで取り付けられている。
リングは、その内部半径方向表面に、一方では中間チャンバーの内部を循環する空気と、他方ではリングとの間の熱交換を促進するように構成された少なくとも1つの起伏のパターン、特にリブ又はねじ山を設けられている。
リングは金属で作られている。
スプレーは、リングとボディとの間の電位を釣り合わせるための部分組立品を備え、部分組立品が、より具体的には、直接的に、又は取り付けられた電気伝導性要素を介して、リング及びボディに接している弾性的に変形可能な電気伝導性要素の形態で設けられている。
リングは、くさび留めによってボディの周りに固定されている。
少なくとも1つのシール、好ましくは2つのシールは、ボディとリングとの間に配置されていて、ボディの周りのリングのくさび留めに寄与する。
中間チャンバーは、タービンの排気多岐菅が形成されるボディの部分の周りに形成される。
スプレーは、中間チャンバー中の空気の温度、リングの温度又はスプレーのカバーの温度を決定するための温度センサを備える。
【0014】
別の態様によれば、本発明は、回転式コーティングスプレーであって、回転の軸の周りで回転するスプレーボウルと、回転の軸の周りでボウルを駆動させるための空気タービンとを備え、タービンが、ローターと、ローターのための支持体を形成するボディとを備える、回転式コーティングスプレーの表面温度を制御するための方法であって、ローターのブレードが内部に配置される回転チャンバーに空気を供給する供給工程を含む方法に関する。本発明によれば、供給工程は、ローターのための駆動空気の流れをボディの周囲領域に転換して、スプレーのカバー要素の温度の低下を限定的にするサブ工程を含む。
【0015】
有利には、スプレーの制御ユニットは、スプレーの、又はスプレーが導入されるブースの動作パラメータを、温度センサの出力信号に応じて調節するために構成されている。
【0016】
単に例として与えられる、本発明の原理によるスプレー及びその表面温度を制御するための方法の実施態様の以下の説明を参照することによって、並びに添付の図面を参照して、本発明はより良く理解され、本発明の利点はより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による回転式スプレーの軸方向セクションである。
【
図2】
図1に示されるスプレーに属するタービンの軸方向セクションである。
【
図4】
図2及び3の平面に対して、回転の軸の周りにずれた平面で取られた、
図2及び3のタービンの軸方向セクションである。
【
図6】
図2における矢印VIに従う、
図2~5のタービンの斜視図であり、図面を見やすくするために基部は省略されている。
【
図7】
図2~6のタービンの斜視セクションであり、基部は、タービンの残りから分離して示されていて、異なる角度で見られている。
【0018】
図1に示される静電スプレー2は、非常に模式的に示された多軸ロボット6のリスト4に取り付けられている。リスト4は、インターフェース領域8であって、それを通って、流体(タービン駆動空気、スカート空気及び液体コーティング材料を含む流体)のためのスプレー2の図示されていない供給ライン、並びに高電圧部品のための動力ケーブルが通るインターフェース領域8を画定している。
【0019】
スプレー2は、スプレー2のボディ2Aによって画定される回転の軸X2に対して回転するように設計されたボウル10を備える。ボウル10は、ローター14であって、軸X2に対して回転可能であり、かつボウル10が固く取り付けられたローター14と、ローター14のための支持体を形成するボディ16とを備える空気タービン12によって、軸X2に対して回転される。
【0020】
ボディ2Aは、主部分20であって、その中にタービン12が挿入され、かつインターフェース領域8と接している主部分20と、補助ボディ22とを備える。
【0021】
スプレー2の構成要素の1つであるタービン12が、
図2及び以下の図において単独で示されている。
【0022】
ローター14及びボディ16は中空であり、ローター14及びボディ16は、ボウル10を使用してスプレーされる液体コーティング製品の流れをボウル10の可能な限り近くに輸送するためのコーティング製品注入器18を受け入れるためのハウジングを形成する容積V18を、ともに画定している。
【0023】
ここで、有利には、注入器は、軸X2に沿っている。
【0024】
ローター14は、ハブ146の周りに取り付けられたリング144の環状かつ軸方向の表面143に形成されたブレード142を備える。意図されるボウル10の回転速度に対する、ブレードの数、分布及び形状は、ローター14の設計的事項に依る。
【0025】
代わりに、ローター14については、他の構造もあり得る。例えば、部分144及び146は一体であってよく、又はブレードはローター14の周囲表面に形成されてもよい。
【0026】
ボディ16は、長さ方向の軸X162及びX164をそれぞれ中心としたチューブ状の部分162及び基部164を備える。ボディ16の組み立てられた構成において、軸X162及びX164は一致していて、ボディ16の中央軸X16を画定している。スプレー2の組み立てられた構成において、軸X2及び軸X16は一致している。
【0027】
図2及び4に示されるように、チューブ状の部分162はローター14を受け入れるための容積V14を画定していて、ローター14は、下方から受け入れ容積V14に導入され、一方で、これらの図において、基部164は、下方でこの容積を閉じている。容積V16は、軸X16を中心としている。
【0028】
図示されていない2つの空気ベアリングが、軸X2に沿って、リング144のいずれかの側にそれぞれ形成されている。ベアリングは、ローター14が、それに空気が供給されているときに、ボディ16に対して、容積V16中で、かつ軸X2に沿って配置されることを可能とする。空気ベアリングは、ボディ16中のローター14の非接触回転を可能とする。空気ベアリングは軸X2に沿ってローター14を中心にすることに関与し、軸方向の空気ベアリングといわれる場合もある。
【0029】
一方で、半径方向の空気ベアリングが、ローター14の周りで、容積V16中で、かつチューブ状の部分162中で形成される。半径方向の空気ベアリングは、ローター14が、ハウジング16の内部で、軸X16を中心とすることを可能とする。
【0030】
1つの実施態様において、タービン12のベアリングは、ローラーベアリングであってよい。
【0031】
図1~4及び6に示されるタービンの組み立てられた構成において、ブレード142は、ボディ16の部分162と164との間で、ローター14によって開放されたままにされた部分に形成される回転チャンバー26中に配置される。
【0032】
基部164は、複数のねじであって、軸X164に平行に側部から側部へと基部を横断し、かつチューブ状の部分162の対応する内ねじに受け入れられる複数のねじ167によって、チューブ状の部分162に固定される。
【0033】
ねじ28は、チューブ状の部分162及び基部164を通ってそれぞれ設けられたボア282及び284を横断して、主部分20に対してタービン12を固定する。
【0034】
チューブ状の部分162は、段差のある外部形状を有する。具体的には、部分162は軸X162の周りで環状断面を有していて、ボウル10が所定の位置にあるときにボウル10の側に配置される(すなわちスプレーの前方を向く)前方部分162Aを備え、前方部分162Aは、第一の外部直径D162Aを有する。部分162は、ボウル10が取り付けられたときにボウル10の反対側にある(すなわちスプレーの後方を向いて配置される)後方部分162Bをさらに備え、後方部分162Bは、第一の直径D162Aよりも厳密に大きい第二の外部直径D162Bを有する。基部164もまた、軸X164の周りで環状の断面を有し、直径D162Bと同一の外部直径D164を有する。したがって、部分162B及び164は、最大の直径を有する、ボディ16の部分を構成する。
【0035】
代わりに、部分162及び/又は164は、環状の外部断面を有しない。この場合において、チューブ状の部分は、軸X162に対して横方向の前方部分162Aの最大の外部寸法が、軸X162に対して横方向の後方部分162Aの最大の外部寸法より厳密に小さいという意味で、段差がある。さらに、部分162B及び164は、軸X16に対して横方向の最大の寸法を有するボディの部分を構成する。
【0036】
前方部分162Aは補助ボディ22によって囲まれていて、補助ボディ22は隣接する構成要素を支持していて、図示されていない流れのラインが形成される。補助ボディ22は、「内部スカート」と呼ばれる場合もある。補助ボディ22は、熱的に絶縁性の材料、例えばプラスチック材料で作られ、補助ボディ22は、前方部分162Aを、タービンボディ16及び補助ボディ22をカバーするカバー90から隔離する。
【0037】
キーイングピン30は、タービン12が、軸X2の周りで、主部分20に対して後方で、かつ内部スカート22に対して前方で、配向されることを可能とする。
【0038】
回転チャンバー26は、2つのダクト120及び122を通して、ローター14を回転させるための空気を供給され、これらのダクトは、主部分20中に形成されるダクト80及び82を通して、空気を供給される。
【0039】
ダクト120は真っ直ぐであり、例において、軸X16に対して平行であり、軸X16を中心とした螺旋部分において溝124に直接接続される。ダクト120は基部164中に形成され、一方で溝124はチューブ状の部分162中に形成される。この第一の経路に沿ってボディ16を通る駆動空気の流れは、
図2及び6において矢印E1で示されている。
【0040】
ダクト122は、これもまた軸X16を中心とした螺旋部分において第二の溝126に接続され、第二の溝126はチャンバー26に通じていて、チューブ状の部分162中に形成される。
【0041】
ここで、溝124及び126は、軸X162に対して対称に、部分162中に形成される。
【0042】
実際には、この例において、溝124及び126は、基部164に面する部分162Bの面に形成され、軸X162及び軸X16に対して垂直に、したがってスプレー2の組み立てられた構成において軸X2に対して垂直に延在している。
【0043】
ダクト122は真っ直ぐであり、例において、軸X2に対して平行であり、ボディ16の部分162B及び164の両方を囲むリング32に面する、基部164の周囲表面S164に開口する屈曲部128に接続される。
【0044】
一方で、屈曲部130は、環状部分162中に設けられ、部分162Bの外部周囲表面S162に開口している。
【0045】
表面S162及びS164は同一平面にあり、同じ直径、D162B又はD164のいずれかを有していて、このことは、リング32が、軸X2に対して平行に、リング32の長さL32に沿って同じ直径を有することに対応する。
【0046】
1つの実施態様において、直径D162BとD164とが異なる場合、リング32は段差のあるものであってよい。
【0047】
表面S162への開口部の逆側で、屈曲部130は、螺旋溝126に連結されている。
【0048】
軸X2に対して半径方向の方向に沿って、一方では表面S162及びS164とリング32の内部半径方向表面322との間に、環状チャンバー132が形成され、環状チャンバー132は、駆動空気によるチャンバー26の供給ラインの一部を構成していて、供給ラインは容積122、128、132、130及び126からなり、
図2、3及び6において流れの矢印E2によって表されるように、駆動空気はこれらを通って流れる。チャンバー132は、ダクト122の口部からなる供給ラインの入口と、回転チャンバー26へのダクト136の出口からなる供給ラインの出口との間にある。
【0049】
屈曲部128及び130は、駆動空気の流れE2が、ダクト122及び126に関して、軸X16に対して、したがってスプレー2の組み立てられた構成における軸X2に対して半径方向の方向に沿って転換されることを可能とする。このようにして、駆動空気は、ダクト120及び122よりも軸X16から半径方向に離れている、ボディ16の周囲領域168を通って流れることができる。
【0050】
リング32の半径方向の内部表面322は、チャンバー132の内部に複数のバッフルを作るリブ36を備えていて、それによって、チャンバー132の内部で屈曲部128と130との間を流動する空気と、リング32との接触面積を増加させる。したがって、リブ36は、チャンバー132を通って流れる駆動空気とリング32との間の熱交換を促進するために構成されている。
【0051】
リング32の軸方向の長さ、すなわち軸X16に対して平行に測定したリングの長さを、L32によって表す。
【0052】
さらに、軸X162に対して平行に測定した場合のチューブ状の部分162の部分162Bの軸方向の長さをL162によって表し、軸X164に対して平行に測定した場合の基部164の軸方向の長さをL164によって表す。
【0053】
例において、長さL32は、長さL162とL164との合計に等しい。実際には、比L32/(L162+L164)は、0.8超、好ましくは0.95超であるように選択される。言い換えれば、リング32は、回転の軸に対して平行に測定した場合に、その長さのほとんどにわたって、ボディ16の最も幅の広い部分を囲んでいる。
【0054】
1つの実施態様において、比L32/(L162+L164)は、1よりも厳密に大きくてよい。
【0055】
図7に示されるように、ボディ16の最も幅の広い部分において、溝124及び126に対応する螺旋溝224が設けられている。軸X2に対して正放射の力をブレード142に対して適用することによって、駆動空気が軸X2の周りでローター14を動作させるために使用された後に、駆動空気によって排気が形成される。螺旋溝224は、ボディ16の外部への排気ダクトを形成する2つのダクト220及び222に連結された2つの空洞226に通じている。
図4において、排気の流れは、矢印E3によって表される。容積220~226は、タービン12のための排気多岐菅をともに形成する。
【0056】
図4は、ボディ16の外部から、特にボディ2Aとタービン12とを囲むカバー90から、軸X2に対して半径方向の方向に、リング32が排気多岐菅220~226を「隠している」ことを示している。
【0057】
スプレー2の組み立てられた構成において、軸X16に対して、したがって軸X2に対して半径方向に、ボディ16とリング32との間に形成される環状のチャンバー132を通して、ローター14のための駆動空気は、膨張される前に(すなわち、温度が調節されている車塗装店においては20~25℃程度の比較的高い温度である間に)、ボディ16の最外表面の近傍において流れる。
【0058】
このようにして、リング32を、膨張の前の駆動空気の温度であるか、又はそれに近い温度に保持することができる。「近い」は、リング32の温度と、膨張の前の駆動空気の温度との差が5℃未満であることを意味する。
【0059】
有利には、リング32の構成材料は、チャンバー132を通って流れる空気との熱交換を促進するように選択される。
【0060】
したがって、リング32は金属で、例えば鋼又はアルミニウムで作られてよい。
【0061】
長さL32が長さL162とL164との合計と実質的に等しいとき、及び定常状態の下でリング32が均一な温度であるとき、リング32の、チャンバー132を通って流れる空気との接触は、リング32が、軸X2及び軸X16に対して横方向に最大の寸法を有するボディ16の部分である、部分162B及び164からなるボディ16の部分の全体の長さL162+L164にわたって、水を凝縮させることを妨げる。
【0062】
チャンバー132において、リング32は、部分162B及び164と接触していない。特に、リブ36は、軸X116に対して半径方向の方向に、表面S162及びS164から離れて延在している。言い換えれば、軸X16に対して半径方向の、0ではない厚さを有するギャップJ36が、それぞれのリブと、リブに面する表面S162又はS164との間に存在する。このようにして、駆動空気は、屈曲部128及び130の開口部の間で、チャンバー132中で、軸X16に対して平行な方向に流れる。
【0063】
リング32は、リブ36の両方の側に配置された2つのスタブ38を設けられていて、そのそれぞれは、リブ36に対向して配置された円錐台状の表面382を有する。円錐台状の表面382は、それらが軸X16に接近するにつれて、互いに向かって収束する。それぞれの円錐台状の表面382は、軸X16に対しておおよそ45°に角度をつけられていて、シール40に隣接していて、シール40は、負荷のかかっていない構成においてOリングであり、三角形の断面を有する受け入れ容積42において圧縮される。第一の容積42は、第一のスタブ38とボディ16の部分162Bとの間に形成され、一方で、第二の容積42は、第二のスタブ38と基部164との間に形成される。
【0064】
スタブ38と表面S162及びS164との間の半径方向のクリアランスが存在するために、スタブ38は表面S162及びS164のいずれとも接触していない。したがって、リング32は、ボディ16と直接は接触していない。
【0065】
2つのスタブ38の円錐台状の表面382のそれぞれの配向が与えられたが、Oリング40の圧縮は、リング32をボディ16に固定するくさび留め力(wedging force)をリング32に適用する効果を有する。加えて、Oリング40の圧縮は、チャンバー132をボディ16の外部から流体的に隔離して、伝導による、ボディ16とリング32との間の冷却の伝達を妨げる効果を有する。
【0066】
スプレー2は静電スプレーであるため、スプレー2は、スプレーが動作しているときに高電圧にされ、かつタービン12の前方部分を囲む部分組立品56を備える。この部分組立品56は、スプレー2の構成要素のうち1つであり、ボウルのエッジを離れるコーティング製品の液滴の雲を形成する成形空気の流れのためのチャネル58を画定していて、部分組立品56は、「成形スカート」といわれる場合もある。
【0067】
外部荷電スプレーの場合において、スプレー2の高電圧部分は、図示されていない電極を備える。
【0068】
1つの実施態様において、スプレーは静電式でなくてよい。この場合において、スプレーは、高電圧部分及び電極を有しない。
【0069】
例においては、リング32は金属であるため、リング32は浮遊電位であるべきではなく、とりわけ部分組立品56に適用される高い電圧のために、-60~-100kV程度である。
【0070】
ボディ16の電位にリング32を保持するための装置60は、渦巻き状のばねであって、電気伝導性材料、特に金属で作られていて、ボディ16の止まり穴64中に配置されていて、かつボール66を、軸X16に対して半径方向及び遠心方向に、リング32の内部周囲表面322に対する隣接部へと押し出す渦巻き状のばねからなる。したがって、リング32は、リブ36及びスタブ38においてボディ16と接触していないが、装置60によってボディ16の電位に保持される。
【0071】
本発明によれば、回転チャンバー26に駆動空気を供給する供給ラインの一部を構成するチャンバー132は、それを通って流動する空気が、リング32を、ボディ16の入口における駆動空気の温度に等しいか、又はそれに近い比較的高い温度に保持することを可能とする。このようにして、リング32の外部周囲表面324によって形成される、ボディ16の最も幅の広い部分におけるボディ16の外部周囲表面は、部分220~229を含む排気排出回路がボディ16の部分にさらに形成されたとしても、水の凝縮を引き起こし得る温度とならないはずである。中間チャンバー132を通って流れる空気はタービン12のローター14を回転させるための空気の一部であるため、リング32の周囲表面324の、したがってボディ16の周囲表面の温度制御は、空気の過剰の消費を伴わずに行われる。
【0072】
したがって、スプレー2が配置されるコーティングブース中の空気が比較的高い相対湿度、例えばr55%超の相対湿度を有する場合であっても、スプレー2のカバー90は、その温度において、ボディ16の最も幅の広い部分の近傍において、凝縮液滴がその外部表面に形成する限り、滴を受ける危険がない。したがって、カバー90のレベルにおけるスプレー2の表面温度は、排気の流れに起因する場合があるカバー90の温度の低下を限定することによって制御される。
【0073】
したがって、適用されるコーティング製品の層を損傷させるリスクは、本発明によって最小化される。
【0074】
図3においてのみ示される本発明の1つの態様によれば、温度センサ35が基部164に組み込まれていて、中間チャンバー132を通って流れる空気の温度を検出することを、したがってリング32の温度を推定することを可能とする。
【0075】
1つの実施態様において、センサ35は、リング32の温度又はカバー90の温度を直接検出するように導入される。
【0076】
本発明は、カバー90のレベルにおけるスプレー2の表面温度を監視するための方法の実施を可能とする。この方法は、回転チャンバー26に駆動空気を供給する工程であって、その間に、矢印E2によって表される駆動空気の流れを、ボディ16の領域168に、より具体的には中間チャンバー132に転換して、この部分168の温度を制御する工程を含む。このことは、部分168及びカバー90の温度の低下を限定して、この領域168の近傍で、特にカバー90で水が凝縮することを妨げる。
【0077】
有利には、センサ35からの出力信号は、スプレーの動作パラメータを調節するように構成された、図示されていないスプレー2の制御ユニットに提供される。例えば、制御ユニット中のコンピュータは、センサ35によって検出された温度が、露点温度に、2℃以内に近づいた場合に、ローター14の回転速度を低下させるようにプログラムされていてよい。加えて、このユニットは、センサ35によって検出された温度に基づいて、スプレー2が配置されるブース中に存在する空気の温度又は湿度の主制御ユニットにアラートメッセージを送るように構成されていてよい。例えば、センサ35によって検出された温度が、露点温度に、2℃以内に近づいた場合、主制御ユニットは、環境空気の設定温度を上昇させるか、又はその相対湿度を減少させることができる。
【0078】
部分20、22及び56は、スプレー2のボディ2Aの部分である。
【0079】
本発明の図示されていない実施態様によれば、リブ36は、リング32の内部周囲表面322に設けられたねじ山によって置換される。
【0080】
本発明の別の図示されていない実施態様によれば、リング32に対して内部のラインにおいて、例えば渦巻き状のラインにおいて、空気循環を行うことができる。特に、このことは、3Dプリントを用いて製造されたリングによってされることがあり得る。
【0081】
別の実施態様によれば、リング32の内部周囲表面322は平滑であり、すなわち起伏のパターンを有しない。
【0082】
本発明の別の実施態様によれば、リング32は、金属以外の材料で、特にプラスチック材料、複合材料又はセラミック材料で作られてよい。
【0083】
本発明の別の実施態様によれば、ダクト122を通って流れる駆動空気の流れのうち一部のみが、チャンバー132に配向される。この目的のために、減少した直径の直接連通が、
図3においてのみ中央線で示されているライン140によって、屈曲部128と溝126との間に形成される。
【0084】
本発明の別の図示されていない実施態様によれば、チャンバー132は、2つのダクト120及び122からの駆動空気を供給され、2つの溝124及び126は、チャンバー132から供給される。
【0085】
本発明の別の図示されていない実施態様によれば、ばね62は、ボール66が介在せずに、リング32に直接的に接している。
【0086】
本発明の別の図示されていない実施態様によれば、屈曲部128及び130は、軸X16に対して同じ半径方向平面に配置されておらず、軸X16に対して角度的にずれている。
【0087】
別の実施態様において、周囲領域168は、直径が、直径D162B及びD164の75%超、好ましくは90%超であるボディ16の領域として画定されてよい。
【0088】
本発明の別の図示されていない実施態様によれば、チャンバー132は、軸X2に対して半径方向に、ボディ12とカバー90との間で画定されてよい。この場合において、カバー90は、公知のスプレーと比較してさらなる部分を加える必要なしに、図に示される実施態様のリング32の意味で、リングを構成する。
【0089】
本発明の図示されていない実施態様によれば、中間チャンバー132を含むラインによって供給される構成要素はタービン12ではなく、チャネル58を画定する部分組立品56である。この場合において、中間チャンバー132を通って流れる空気はスカート空気であり、これは、チャネル58を通過することが意図されていて、スプレー2が動作しているときに、ボウルのエッジ10を離れるコーティング製品の液滴の雲を成形するために使用される。この場合においても、通常のスプレーの動作をもたらすために使用される空気に加えて、中間チャンバーを通って流れる空気をスプレーに供給する必要はない。この実施態様は、独立して、又は図に示される実施態様に付加して使用することができる。
【0090】
本発明のさらに別の図示されていない実施態様によれば、中間チャンバー132を含むラインによって供給される構成要素はタービン12ではなく、ローター14の回転速度を測定するために使用されるマイクロフォンである。この場合において、中間チャンバーを通って流れる空気は、図示されていない、かつローターに堅く接続された1つ又は複数の空洞への供給空気である。マイクロフォンは、空洞において空気の流れによって誘起されるノイズの周波数を検出して、その周波数に基づいて、ローターの回転の速度を決定する計算ユニットに対応する信号を伝達するために、空洞の下流に導入される。重ねて、このことは、通常のスプレー動作のために使用される空気に加えて、中間チャンバーを通って流れる空気をスプレーに供給する必要がないことを意味する。この実施態様もまた、独立して、又は図に示される実施態様に付加して使用することができる。
【0091】
本発明は、車両のボディ、乗り物の構成要素、家庭用機器のケーシングをコーティングするために、より一般的にはコーティング製品のための回転スプレーの任意の用途のために実施することができる。
【0092】
上で考慮された実施態様のバージョンの実施態様を組み合わせて、本発明の新たな実施態様を作り出すことができる。
【外国語明細書】