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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191194
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】アクセスポイント設置方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/28 20060101AFI20221220BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20221220BHJP
   H01Q 3/24 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H01Q21/28
H01Q1/22 Z
H01Q3/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095625
(22)【出願日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2021099725
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521262194
【氏名又は名称】令和システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】北島 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】北島 志保
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA13
5J021AB02
5J021HA06
5J021HA10
5J047AA02
5J047AA12
5J047AB06
5J047AB17
5J047EC00
5J047EF01
(57)【要約】
【課題】屋内の区分所有部に配線を引き込むことなく、建築物のガラス窓を利用することで、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物の屋内での無線通信を行えるアクセスポイント設置方法を提供する。
【解決手段】アクセスポイント壁面10sから延出させた位置を第1アクセスポイント位置として決定する第1アクセスポイント位置決定工程と、建築物10に隣接する地面であって、アクセスポイント壁面10s側の地面から所定高さの位置を第2アクセスポイント位置として決定する第2アクセスポイント位置決定工程とを有し、第1アンテナ設置工程では、第1アンテナ21aをアクセスポイント壁面10sの上層階に向けて設置し、第2アンテナ設置工程では、第2アンテナ22aをアクセスポイント壁面10sの下層階に向けて設置する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物の屋内での無線通信を可能にするアクセスポイント設置方法であって、
前記建築物を構成する複数の壁面の中からガラス窓の総面積が最も大きい前記壁面をアクセスポイント壁面として決定するアクセスポイント壁面決定工程と、
前記建築物の屋上であって、前記アクセスポイント壁面から延出させた位置を第1アクセスポイント位置として決定する第1アクセスポイント位置決定工程と、
前記建築物に隣接する地面であって、前記アクセスポイント壁面側の前記地面から所定高さの位置を第2アクセスポイント位置として決定する第2アクセスポイント位置決定工程と、
前記第1アクセスポイント位置に第1アクセスポイントとなる第1アンテナを設置する第1アンテナ設置工程と、
前記第2アクセスポイント位置に第2アクセスポイントとなる第2アンテナを設置する第2アンテナ設置工程と
を有し、
前記第1アンテナ設置工程では、前記第1アンテナを前記アクセスポイント壁面の上層階に向けて設置し、
前記第2アンテナ設置工程では、前記第2アンテナを前記アクセスポイント壁面の下層階に向けて設置する
ことを特徴とするアクセスポイント設置方法。
【請求項2】
前記建築物に隣接する前記地面であって、前記建築物の共有スペース側の前記地面から所定高さの位置を第3アクセスポイント位置として決定する第3アクセスポイント位置決定工程と、
前記第3アクセスポイント位置に第3アクセスポイントとなる第3アンテナを設置する第3アンテナ設置工程と
を有し、
前記第3アンテナ設置工程では、前記第3アンテナを、前記共有スペース及び前記アクセスポイント壁面の前記下層階に向けて設置する
ことを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項3】
前記建築物に、
外部通信回線と接続する信号変換器と、
前記信号変換器と、前記第1アクセスポイント、前記第2アクセスポイント、及び前記第3アクセスポイントとを接続する中継器と、
前記信号変換器、前記中継器、コントローラ、及び監視カメラを、前記外部通信回線とは異なる通信回線を用いてオンオフ制御する遠隔リモートスイッチと、
前記第1アクセスポイント、前記第2アクセスポイント、及び前記第3アクセスポイントのいずれかと接続される前記監視カメラと
を設置する
ことを特徴とする請求項2に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項4】
前記中継器と前記第1アクセスポイントとを第1LANケーブルで接続し、前記中継器と前記第2アクセスポイントとを第2LANケーブルで接続する配線工程を有し、
前記第1LANケーブルは前記建築物に設置されるパイプスペース内を通し、前記第2LANケーブルは地中に埋設したパイプ内を通す
ことを特徴とする請求項3に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項5】
前記アクセスポイント壁面側であって、前記建築物の区分所有部に対応する戸別アンテナを設置する戸別アンテナ設置工程を有し、
前記戸別アンテナは、前記屋内に設置される戸別中継器に接続される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項6】
前記戸別アンテナ設置工程では、前記ガラス窓から外方に延出して形成されるバルコニーに前記戸別アンテナを設置する
ことを特徴とする請求項5に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項7】
前記戸別アンテナ設置工程では、前記ガラス窓の屋外側ガラス面に前記戸別アンテナを設置する
ことを特徴とする請求項5に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項8】
前記戸別アンテナ設置工程では、前記ガラス窓の屋内側ガラス面に前記戸別アンテナを設置する
ことを特徴とする請求項5に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項9】
前記第1アクセスポイント、前記第2アクセスポイント、及び前記第3アクセスポイントを、メッシュWiFi接続とした
ことを特徴とする請求項2に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項10】
鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物の屋内での無線通信を可能にするアクセスポイント設置方法であって、
前記建築物を構成する複数の壁面の中からガラス窓が最も多い前記壁面をアクセスポイント壁面として決定し、
前記建築物の屋上であって、前記アクセスポイント壁面側に、複数のアンテナを設置し、
前記アンテナを地面に向けて設置する
ことを特徴とするアクセスポイント設置方法。
【請求項11】
前記アクセスポイント壁面側であって、前記建築物の区分所有部に対応する戸別アンテナを設置し、
前記戸別アンテナは、前記屋内に設置される戸別中継器に接続される
ことを特徴とする請求項10に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項12】
前記ガラス窓から外方に延出して形成されるバルコニーに前記戸別アンテナを設置する
ことを特徴とする請求項11に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項13】
前記ガラス窓に、前記戸別アンテナを設置する
ことを特徴とする請求項11に記載のアクセスポイント設置方法。
【請求項14】
前記屋上であって、前記アクセスポイント壁面以外の前記壁面に、前記アンテナを前記地面に向けて設置する
ことを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のアクセスポイント設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物の屋内での無線通信を可能にするアクセスポイント設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物にあっては、既存の電話線用配管を利用して各戸まで光回線を有線で引き込んでいる。
ところで、特許文献1では、建築物の高層階でのネットワークを構築するために、地上側にアクセスポイントを設けることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-111413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各戸まで光回線を有線で引き込む場合には、既設の建築物で、高速の回線に変更する場合には建築物の共有部と区分所有部とで工事を行う必要があり、特にマンションのような集合住宅における既設建築物では区分所有部における回線変更工事は容易ではない。
また既設の鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物では、壁面に金属メッシュが埋設されており、鉄骨、鉄筋、及び金属メッシュが屋外と屋内との無線通信の大きな障害となっており、そのために現在は区分所有部の各戸まで、光通信などの有線回線を引き込んで利用している。
また、特にマンションのような集合住宅では、それぞれの区分所有部毎に各戸が自由に選んだWiFiのアクセスポイントを利用する場合に、各戸での電波チャンネル強度の違いから、大きな強度の同一電波チャンネルまたは近接電波チャンネルの影響によって、利用中のWiFiが切断または妨害され、正常に使えない状況が発生する。例えば、2.4GHzでは電波チャンネルは14チャンネルしかなく、仮に14戸しかないマンションであっても各戸が全て異なる電波チャンネルを使う確率は極めて少なく、15戸以上であれば、必ず同一の電波チャンネルまたは近接電波チャンネルが使われることになり、いずれかの戸で電波妨害が発生してしまうリスクがある。
特許文献1では、建設中の高層建築物を対象としているため、高層建築物を取り囲むように地上側に地上側アクセスポイントを設置することができるが、既設の建築物では必ずしも建築物の全周に設置空間が存在するとは限らない。
【0005】
そこで本発明は、屋内の区分所有部に配線を引き込むことなく、建築物のガラス窓を利用することで、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物の屋内での無線通信を行えるアクセスポイント設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明のアクセスポイント設置方法は、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物10の屋内での無線通信を可能にするアクセスポイント設置方法であって、前記建築物10を構成する複数の壁面10s、10n、10e、10wの中からガラス窓13の総面積が最も大きい前記壁面10sをアクセスポイント壁面10sとして決定するアクセスポイント壁面決定工程と、前記建築物10の屋上12であって、前記アクセスポイント壁面10sから延出させた位置を第1アクセスポイント位置として決定する第1アクセスポイント位置決定工程と、前記建築物10に隣接する地面であって、前記アクセスポイント壁面10s側の前記地面から所定高さの位置を第2アクセスポイント位置として決定する第2アクセスポイント位置決定工程と、前記第1アクセスポイント位置に第1アクセスポイント21となる第1アンテナ21aを設置する第1アンテナ設置工程と、前記第2アクセスポイント位置に第2アクセスポイント22となる第2アンテナ22aを設置する第2アンテナ設置工程とを有し、前記第1アンテナ設置工程では、前記第1アンテナ21aを前記アクセスポイント壁面10sの上層階に向けて設置し、前記第2アンテナ設置工程では、前記第2アンテナ22aを前記アクセスポイント壁面10sの下層階に向けて設置することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のアクセスポイント設置方法において、前記建築物10に隣接する前記地面であって、前記建築物10の共有スペース11側の前記地面から所定高さの位置を第3アクセスポイント位置として決定する第3アクセスポイント位置決定工程と、前記第3アクセスポイント位置に第3アクセスポイント23となる第3アンテナ23aを設置する第3アンテナ設置工程とを有し、前記第3アンテナ設置工程では、前記第3アンテナ23aを、前記共有スペース11及び前記アクセスポイント壁面10sの前記下層階に向けて設置することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載のアクセスポイント設置方法において、前記建築物10に、外部通信回線32と接続する信号変換器33と、前記信号変換器33と、前記第1アクセスポイント21、前記第2アクセスポイント22、及び前記第3アクセスポイント23とを接続する中継器31と、前記信号変換器33、前記中継器31、コントローラ37、及び監視カメラ36を、前記外部通信回線32とは異なる通信回線34を用いてオンオフ制御する遠隔リモートスイッチ35と、前記第1アクセスポイント21、前記第2アクセスポイント22、及び前記第3アクセスポイント23のいずれかと接続される前記監視カメラ36とを設置することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載のアクセスポイント設置方法において、前記中継器31と前記第1アクセスポイント21とを第1LANケーブル41で接続し、前記中継器31と前記第2アクセスポイント22とを第2LANケーブル42で接続する配線工程を有し、前記第1LANケーブル41は前記建築物10に設置されるパイプスペース内を通し、前記第2LANケーブル42は地中に埋設したパイプ内を通すことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアクセスポイント設置方法において、前記アクセスポイント壁面10s側であって、前記建築物10の区分所有部に対応する戸別アンテナ50を設置する戸別アンテナ設置工程を有し、前記戸別アンテナ50は、前記屋内に設置される戸別中継器60に接続されることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載のアクセスポイント設置方法において、前記戸別アンテナ設置工程では、前記ガラス窓13から外方に延出して形成されるバルコニー14に前記戸別アンテナ51を設置することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項5に記載のアクセスポイント設置方法において、前記戸別アンテナ設置工程では、前記ガラス窓13の屋外側ガラス面に前記戸別アンテナ52を設置することを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項5に記載のアクセスポイント設置方法において、前記戸別アンテナ設置工程では、前記ガラス窓13の屋内側ガラス面に前記戸別アンテナ52を設置することを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項2に記載のアクセスポイント設置方法において、前記第1アクセスポイント21、前記第2アクセスポイント22、及び前記第3アクセスポイント23を、メッシュWiFi接続としたことを特徴とする。
請求項10記載の本発明のアクセスポイント設置方法は、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物10の屋内での無線通信を可能にするアクセスポイント設置方法であって、前記建築物10を構成する複数の壁面10s、10n、10e、10wの中からガラス窓13が最も多い前記壁面10sをアクセスポイント壁面10sとして決定し、前記建築物10の屋上12であって、前記アクセスポイント壁面10s側に、複数のアンテナ21w、21x、21y、21zを設置し、前記アンテナ21w、21x、21y、21zを地面に向けて設置することを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項10に記載のアクセスポイント設置方法において、前記アクセスポイント壁面10s側であって、前記建築物10の区分所有部に対応する戸別アンテナ50を設置し、前記戸別アンテナ50は、前記屋内に設置される戸別中継器60に接続されることを特徴とする。
請求項12記載の本発明は、請求項11に記載のアクセスポイント設置方法において、前記ガラス窓13から外方に延出して形成されるバルコニー14に前記戸別アンテナ51を設置することを特徴とする。
請求項13記載の本発明は、請求項11に記載のアクセスポイント設置方法において、前記ガラス窓13に前記戸別アンテナ52を設置することを特徴とする。
請求項14記載の本発明は、請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のアクセスポイント設置方法において、前記屋上12であって、前記アクセスポイント壁面10s以外の前記壁面10w、10e、10nに、前記アンテナ21w、21x、21y、21zを前記地面に向けて設置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアクセスポイント設置方法によれば、建築物を構成する複数の壁面の中からガラス窓の総面積が最も大きい壁面をアクセスポイント壁面として決定し、建築物の屋上であって、アクセスポイント壁面から延出させた位置と、建築物に隣接する地面であって、アクセスポイント壁面側の地面から所定高さの位置とをアクセスポイントとして決定し、建築物の屋上に設置する第1アンテナを上層階に向け、建築物に隣接する地面に設置する第2アンテナを下層階に向けて設置することで、屋内の配線を用いることなく、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物の屋内で通信を行える。
また、本発明のアクセスポイント設置方法によって設置するアンテナから供給される、WiFi電波チャンネルを各戸が共用利用することができるため、各戸が独自に選んだWiFiのアクセスポイントを利用することが少なくなり、電波チャンネル強度の違いによる電波妨害の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例によるアクセスポイント設置方法を示す概念図
図2】同アクセスポイント設置方法を示すフロー図
図3】本実施例による戸別アンテナのバルコニー側の設置状態を示す概念図
図4】本実施例による戸別アンテナの屋内側の設置状態を示す概念図
図5】本実施例による戸別アンテナの屋内側の他の設置状態を示す概念図
図6】本実施例による制御監視機器の構成を示す概念図
図7】本発明の他の実施例によるアクセスポイント設置方法を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態によるアクセスポイント設置方法は、建築物を構成する複数の壁面の中からガラス窓の総面積が最も大きい壁面をアクセスポイント壁面として決定するアクセスポイント壁面決定工程と、建築物の屋上であって、アクセスポイント壁面から延出させた位置を第1アクセスポイント位置として決定する第1アクセスポイント位置決定工程と、建築物に隣接する地面であって、アクセスポイント壁面側の地面から所定高さの位置を第2アクセスポイント位置として決定する第2アクセスポイント位置決定工程と、第1アクセスポイント位置に第1アクセスポイントとなる第1アンテナを設置する第1アンテナ設置工程と、第2アクセスポイント位置に第2アクセスポイントとなる第2アンテナを設置する第2アンテナ設置工程とを有し、第1アンテナ設置工程では、第1アンテナをアクセスポイント壁面の上層階に向けて設置し、第2アンテナ設置工程では、第2アンテナをアクセスポイント壁面の下層階に向けて設置するものである。本実施の形態によれば、建築物を構成する複数の壁面の中からガラス窓の総面積が最も大きい壁面をアクセスポイント壁面として決定し、建築物の屋上であって、アクセスポイント壁面から延出させた位置と、建築物に隣接する地面であって、アクセスポイント壁面側の地面から所定高さの位置とをアクセスポイントとして決定し、建築物の屋上に設置する第1アンテナを上層階に向け、建築物に隣接する地面に設置する第2アンテナを下層階に向けて設置することで、屋内の配線を用いることなく、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物の屋内で通信を行える。また、本発明のアクセスポイント設置方法によって設置するアンテナから供給される、WiFi電波チャンネルを各戸が共用利用することができるため、各戸が独自に選んだWiFiのアクセスポイントを利用することが少なくなり、電波チャンネル強度の違いによる電波妨害の発生を防止することができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、建築物に隣接する地面であって、建築物の共有スペース側の地面から所定高さの位置を第3アクセスポイント位置として決定する第3アクセスポイント位置決定工程と、第3アクセスポイント位置に第3アクセスポイントとなる第3アンテナを設置する第3アンテナ設置工程とを有し、第3アンテナ設置工程では、第3アンテナを、共有スペース及びアクセスポイント壁面の下層階に向けて設置するものである。本実施の形態によれば、更に第3アンテナを設置することで建築物の屋内での通信を確実に行える。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、建築物に、外部通信回線と接続する信号変換器と、信号変換器と、第1アクセスポイント、第2アクセスポイント、及び第3アクセスポイントとを接続する中継器と、信号変換器、中継器、コントローラ、及び監視カメラを、外部通信回線とは異なる通信回線を用いてオンオフ制御する遠隔リモートスイッチと、第1アクセスポイント、第2アクセスポイント、及び第3アクセスポイントのいずれかと接続される監視カメラとを設置するものである。本実施の形態によれば、監視カメラの接続状況を遠隔地で確認でき、監視カメラの接続状況によって、信号変換器、第1アクセスポイント、第2アクセスポイント、第3アクセスポイント、及び中継器が正常動作であるかを確認できる。すなわち、監視カメラが接続されていなければ、信号変換器、第1アクセスポイント、第2アクセスポイント、第3アクセスポイント、及び中継器の少なくともいずれかが正常動作でないと推定でき、遠隔リモートスイッチによって信号変換器、コントローラ、監視カメラ、及び中継器をオンオフすることで通信を復旧させることができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、中継器と第1アクセスポイントとを第1LANケーブルで接続し、中継器と第2アクセスポイントとを第2LANケーブルで接続する配線工程を有し、第1LANケーブルは建築物に設置されるパイプスペース内を通し、第2LANケーブルは地中に埋設したパイプ内を通すものである。本実施の形態によれば、中継器と第1アクセスポイントとを接続する第1LANケーブルをパイプスペースを利用して配線し、中継器と第2アクセスポイントとを接続する第2LANケーブルを地中に埋設することで、建築物の区分所有部に立ち入ることなく配線を行えるため配線工事の負担が少ない。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、アクセスポイント壁面側であって、建築物の区分所有部に対応する戸別アンテナを設置する戸別アンテナ設置工程を有し、戸別アンテナは、屋内に設置される戸別中継器に接続されるものである。本実施の形態によれば、例えば、建築物の階層が多くなり、第1アクセスポイント及び第2アクセスポイントだけでは屋内での通信が十分でない場合には、アクセスポイント壁面側に戸別アンテナを設置することで、屋内での通信を確実に行える。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、戸別アンテナ設置工程では、ガラス窓から外方に延出して形成されるバルコニーに戸別アンテナを設置するものである。本実施の形態によれば、戸別アンテナの設置を容易に行える。
【0015】
本発明の第7の実施の形態は、第5の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、戸別アンテナ設置工程では、ガラス窓の屋外側ガラス面に戸別アンテナを設置するものである。本実施の形態によれば、戸別アンテナの設置を容易に行える。
【0016】
本発明の第8の実施の形態は、第5の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、戸別アンテナ設置工程では、ガラス窓の屋内側ガラス面に戸別アンテナを設置するものである。本実施の形態によれば、戸別アンテナの設置を容易に行える。
【0017】
本発明の第9の実施の形態は、第2の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、第1アクセスポイント、第2アクセスポイント、及び第3アクセスポイントを、メッシュWiFi接続としたものである。本実施の形態によれば、第1アクセスポイント、第2アクセスポイント、及び第3アクセスポイントのいずれかの通信が十分でなくても、屋内での通信を可能とすることができる。
【0018】
本発明の第10の実施の形態によるアクセスポイント設置方法は、建築物を構成する複数の壁面の中からガラス窓が最も多い壁面をアクセスポイント壁面として決定し、建築物の屋上であって、アクセスポイント壁面側に、複数のアンテナを設置し、アンテナを地面に向けて設置するものである。本実施の形態によれば、建築物の階層に影響されにくい通信環境を実現できる。
【0019】
本発明の第11の実施の形態は、第10の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、アクセスポイント壁面側であって、建築物の区分所有部に対応する戸別アンテナを設置し、戸別アンテナは、屋内に設置される戸別中継器に接続されるものである。本実施の形態によれば、アクセスポイント壁面側に戸別アンテナを設置することで、屋内での通信を確実に行える。
【0020】
本発明の第12の実施の形態は、第11の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、ガラス窓から外方に延出して形成されるバルコニーに戸別アンテナを設置するものである。本実施の形態によれば、戸別アンテナの設置を容易に行える。
【0021】
本発明の第13の実施の形態は、第11の実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、ガラス窓に、戸別アンテナを設置するものである。本実施の形態によれば、戸別アンテナの設置を容易に行える。
【0022】
本発明の第14の実施の形態は、第10から第13のいずれかの実施の形態によるアクセスポイント設置方法において、屋上であって、アクセスポイント壁面以外の壁面に、アンテナを地面に向けて設置するものである。本実施の形態によれば、アクセスポイント壁面にガラス窓を持たない区分所有部に対して無線通信を行える。
【実施例0023】
以下本発明の一実施例によるアクセスポイント設置方法について説明する。
図1は本実施例によるアクセスポイント設置方法を示す概念図であり、図1(a)は建築物の正面概念図、図1(b)は同建築物の上面概念図、図1(c)は同建築物の側面概念図である。
本実施例によるアクセスポイント設置方法は、鉄骨鉄筋コンクリート、鉄筋コンクリート、又は金属メッシュなどの金属材が用いられている建築物10を対象とし、建築物10の屋内での無線通信を可能にする。
図1に示す建築物10は、南側壁面10s、北側壁面10n、東側壁面10e、及び西側壁面10wの4つの壁面からなる4階建てのマンションである。本発明の適用にあたっては、建築物10は2階建て以上で10階建て以下、更には4階建て以上で6階建て以下が好ましい。
建築物10には、エントランス及び管理人室からなる共有スペース11を有している。共有スペース11には、中継器31を備えている。
建築物10の屋上12には、第1アクセスポイント21となる第1アンテナ21aを設置し、建築物10に隣接する地面には、第2アクセスポイント22となる第2アンテナ22aを設置している。図示のように、建築物10に隣接する地面であって、建築物10の共有スペース11側の地面から所定高さの位置に、第3アクセスポイント23となる第3アンテナ23aを更に設置することが好ましい。
【0024】
第1LANケーブル41は、中継器31と第1アクセスポイント21とを接続し、第2LANケーブル42は、中継器31と第2アクセスポイント22とを接続し、第3LANケーブル43は、中継器31と第3アクセスポイント23とを接続する。
第1LANケーブル41は建築物10に設置されるパイプスペース内や壁面を通し、第2LANケーブル42及び第3LANケーブル43は地中に埋設したパイプ内や地面を通す。ここでパイプスペースとは、メインの給水管、排水管、及びガス管などの管が配置される空間であり、1階から最上階までに縦方向に設けられた空間である。本実施例におけるパイプスペースには各部屋に分岐された分岐パイプスペースは含まない。
【0025】
図2は本実施例によるアクセスポイント設置方法を示すフロー図である。
S1では、建築物10を構成する複数の壁面10s、10n、10e、10wの中からガラス窓13(図1参照)の総面積が最も大きい南側壁面10sをアクセスポイント壁面10sとして決定する(アクセスポイント壁面決定工程)。
ここで、ガラス窓13の総面積が最も大きい南側壁面10sは、通常はバルコニー14(図1参照)が設置された壁面であり、南向きが多いが建築物10の立地条件によって方位は異なる。
【0026】
S2では、建築物10の屋上12であって、アクセスポイント壁面10sから延出させた位置を第1アクセスポイント位置として決定する(第1アクセスポイント位置決定工程)。
S3では、建築物10に隣接する地面であって、アクセスポイント壁面10s側の地面から所定高さの位置を第2アクセスポイント位置として決定する(第2アクセスポイント位置決定工程)。
S4では、建築物10に隣接する地面であって、建築物10の共有スペース11側の地面から所定高さの位置を第3アクセスポイント位置として決定する(第3アクセスポイント位置決定工程)。
【0027】
S5では、第1アクセスポイント位置に第1アクセスポイント21となる第1アンテナ21aを設置する(第1アンテナ設置工程)。S5における第1アンテナ設置工程では、第1アンテナ21aをアクセスポイント壁面10sの上層階に向けて設置する。4階建ての場合には、3階及び4階が上層階であり、6階建ての場合には、4階から6階が上層階となる。
S6では、第2アクセスポイント位置に第2アクセスポイント22となる第2アンテナ22aを設置する(第2アンテナ設置工程)。S6における第2アンテナ設置工程では、第2アンテナ22aをアクセスポイント壁面10sの下層階に向けて設置する。4階建ての場合には、1階及び2階が下層階であり、6階建ての場合には、1階から3階が下層階となる。
S7では、第3アクセスポイント位置に第3アクセスポイント23となる第3アンテナ23aを設置する(第3アンテナ設置工程)。S7における第3アンテナ設置工程では、第3アンテナ23aを、共有スペース11及びアクセスポイント壁面10sの下層階に向けて設置する。
【0028】
S8では、中継器31と第1アクセスポイント21とを第1LANケーブル41で接続し、中継器31と第2アクセスポイント22とを第2LANケーブル42で接続し、中継器31と第3アクセスポイント23とを第3LANケーブル43で接続する(LANケーブル配線工程)。
第1LANケーブル41は建築物10に設置されるパイプスペース内や壁面を通し、第2LANケーブル42及び第3LANケーブル43は地中に埋設したパイプ内や地面を通す。
S9では、アクセスポイント壁面10s側であって、建築物10の区分所有部に対応する戸別アンテナ50(図3図4、及び図5参照)及び屋内に設置される戸別中継器60を設置する(戸別アンテナ設置工程)。
S10では、図6に示す、信号変換器33、中継器31、コントローラ37、及び監視カメラ36を、外部通信回線32とは異なる通信回線34を用いてオンオフ制御する遠隔リモートスイッチ35と、第1アクセスポイント21、第2アクセスポイント22、及び第3アクセスポイント23のいずれかと接続される監視カメラ36と、中継器31の動作確認を行うコントローラ37とを、建築物10の共有スペース11に設置する(制御監視機器の設置工程)。
【0029】
図3は本実施例による戸別アンテナのバルコニー側の設置状態を示す概念図である。
例えば、建築物10の階層が多くなり、第1アクセスポイント21及び第2アクセスポイント22だけでは屋内での通信が十分でない場合には、アクセスポイント壁面10s側に戸別アンテナ50を設置することで、屋内での通信を確実に行える。
図3(a)は、ガラス窓13から外方に延出して形成されるバルコニー14に戸別アンテナ51を設置している。バルコニー14は、ガラス窓13から外方に延出して形成されているため、通信を確実に行える。また、バルコニー14に設置することで、戸別アンテナ51を容易に設置できる。
図3(b)は、ガラス窓13の屋外側ガラス面に戸別アンテナ52を設置している。ガラス窓13に設置する戸別アンテナ52にはシールアンテナが適している。ガラス窓13の屋外側ガラス面に戸別アンテナ52を設置することで、戸別アンテナ52の設置を容易に行える。なお、戸別アンテナ52は、ガラス窓13の窓枠やバルコニー14側の壁面に設置してもよく、壁面に設置する場合には、換気用開口又は空気調和装置のダクト用開口の周辺に設置することが好ましい。
【0030】
このように、バルコニー14に戸別アンテナ51を設置し、又はガラス窓13の屋外側ガラス面に戸別アンテナ52を設置する場合には、換気用開口又は空気調和装置のダクト用開口を用いてケーブル70を屋内に引き込むことができる。また、図3(b)に示すように、ガラス窓13の屋外側ガラス面に戸別アンテナ52を設置する場合には、屋外に配置されるケーブル70にコネクタ71を設ける。コネクタ71はガラス窓13の開閉によって着脱されることが好ましい。
【0031】
図4は本実施例による戸別アンテナの屋内側の設置状態を示す概念図である。
バルコニー14又はガラス窓13に設置される戸別アンテナ50は、屋内に設置される戸別中継器60に接続される。戸別アンテナ50と戸別中継器60とは同軸ケーブル等で接続する。
【0032】
図5は本実施例による戸別アンテナの屋内側の他の設置状態を示す概念図である。
図5は、ガラス窓13の屋内側ガラス面に戸別アンテナ52を設置している。ガラス窓13に設置する戸別アンテナ52にはシールアンテナが適している。ガラス窓13の屋内側ガラス面に戸別アンテナ52を設置することで、戸別アンテナ52の設置を容易に行える。なお、ガラス窓13の屋内側ガラス面に戸別アンテナ52を設置する場合には、ケーブル70にコネクタ71を設ける。コネクタ71はガラス窓13の開閉によって着脱されることが好ましい。なお、戸別アンテナ52は、ガラス窓13の窓枠や屋内の壁面に設置してもよく、壁面に設置する場合には、ガラス窓13近くに設置することが好ましい。
【0033】
図6は本実施例による制御監視機器の構成を示す概念図である。
建築物10の共有スペース11には、外部通信回線32と接続する信号変換器33と、中継器31と、コントローラ37と、監視カメラ36とが設置される。
中継器31は、信号変換器33と第1アクセスポイント21とを接続し、信号変換器33と第2アクセスポイント22とを接続し、信号変換器33と第3アクセスポイント23とを接続する。
監視カメラ36は、第1アクセスポイント21、第2アクセスポイント22、及び第3アクセスポイント23のいずれかと接続される。
コントローラ37は、中継器31における、通信速度、通信量、接続台数などの動作状況、及び各アクセスポイント21、22、23のオンオフ動作を確認し、アクセスポイント21、22、23のオンオフ動作を行う。
遠隔リモートスイッチ35は、信号変換器33、中継器31、監視カメラ36、及びコントローラ37を、外部通信回線32とは異なる通信回線34を用いてオンオフ制御する。遠隔リモートスイッチ35によって中継器31がオンオフ制御されることで、中継器31に接続されている各アクセスポイント21、22、23がオンオフ制御される。
遠隔リモートスイッチ35は、WiFiルーター38を用いることで通信回線34と接続する。
【0034】
このような構成とすることで、遠隔監視機器39によって、監視カメラ36の映像を外部通信回線32を用いて把握でき、監視カメラ36の映像が停止状態にあれば、第1アクセスポイント21、第2アクセスポイント22、及び第3アクセスポイント23の通信状況に不具合が生じていることが分かる。また、遠隔監視機器39は、各アクセスポイント21、22、23の動作又は停止をコントローラ37により外部通信回線32を用いても把握できる。従って、監視カメラ36の接続状況及び各アクセスポイント21、22、23の動作又は停止を遠隔地で遠隔監視機器39によって確認でき、遠隔監視機器39から指示することで、遠隔リモートスイッチ35によって、信号変換器33、中継器31、及びコントローラ37をオンオフすることで通信を復旧させることができる。なお、中継器31のオンオフによって、第1アクセスポイント21、第2アクセスポイント22、及び第3アクセスポイント23をオンオフすることができるため、第1アクセスポイント21、第2アクセスポイント22、及び第3アクセスポイント23の不具合を復旧させることもできる。また、遠隔リモートスイッチ35によって、監視カメラ36をオンオフすることもできる。
【0035】
このように、建築物10を構成する複数の壁面10s、10n、10e、10wの中からガラス窓13の総面積が最も大きい南側壁面10Sをアクセスポイント壁面10sとして決定し、建築物10の屋上12であって、アクセスポイント壁面10sから延出させた位置と、建築物10に隣接する地面であって、アクセスポイント壁面10s側の地面から所定高さの位置とをアクセスポイントとして決定し、建築物10の屋上12に設置する第1アンテナ21aを上層階に向け、建築物10に隣接する地面に設置する第2アンテナ22aを下層階に向けて設置することで、屋内の配線を用いることなく、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物10の屋内で通信を行える。
また、本発明のアクセスポイント設置方法によって設置するアンテナから供給されるWiFi電波チャンネルを各戸が共用利用することができるため、各戸が独自に選んだWiFiのアクセスポイントを利用することが少なくなり、電波チャンネル強度の違いによる電波妨害の発生を防止することができる。
また、本実施例によれば、更に第3アンテナ23aを設置することで建築物10の屋内での通信を確実に行える。
また、本実施例によれば、第1LANケーブル41を建築物10のパイプスペースや壁面を利用して配線し、第2LANケーブル42及び第3LANケーブル43を地中に埋設や地面を通すことで、建築物10の区分所有部に立ち入ることなく配線を行えるため配線工事の負担が少ない。
上記実施例において、第1アクセスポイント21、第2アクセスポイント22、及び第3アクセスポイント23は、メッシュWiFi接続とすることが好ましい。メッシュWiFi接続とすることで、第1アクセスポイント21、第2アクセスポイント22、及び第3アクセスポイント23のいずれかの通信が十分でなくても、屋内での通信を可能とすることができる。
【0036】
図7は本発明の他の実施例によるアクセスポイント設置方法を示す概念図であり、図7(a)は建築物の正面概念図、図7(b)は同建築物の上面概念図である。なお、上記実施例と同一機能については同一符号を付して説明を省略する。
建築物10を構成する複数の壁面10s、10n、10e、10wの中からガラス窓13が最も多い南側壁面10sをアクセスポイント壁面10sとして決定する。そして、建築物10の屋上12であって、アクセスポイント壁面10s側に、複数のアンテナ21w、21x、21y、21zを設置し、アンテナ21w、21x、21y、21zを地面に向けて設置する。
それぞれのアンテナ21w、21x、21y、21zは、隣接するバルコニー14の間であって、隣接する区分所有部の間に配置することが好ましい。アンテナ21w、21x、21y、21zは、アクセスポイント壁面10sから延出させた位置に配置してもよい。
【0037】
本実施例によれば、建築物10の階層に影響されにくい通信環境を実現できる。
本実施例では、図3図4、及び図5で示したように、アクセスポイント壁面10s側であって、建築物10の区分所有部に対応する戸別アンテナ50を設置することが好ましい。戸別アンテナ50は、屋内に設置される戸別中継器60に接続される。
なお、図示は省略するが、それぞれのアンテナ21w、21x、21y、21zは、それぞれアクセスポイントに接続されるとともに、図6に示す機器構成となっている。
なお、本実施例では、アクセスポイント壁面10sだけにアンテナ21w、21x、21y、21zを設けているが、アクセスポイント壁面10sに加えて、アクセスポイント壁面10s以外のガラス窓13を有する壁面10w、10e、10nに、地面に向けてアンテナ21w、21x、21y、21zを設置することで、アクセスポイント壁面10sにガラス窓13を持たない区分所有部に対して無線通信を行える。
また、区分所有部によっては電波が弱い場合があり、ガラス窓から離れた居室でも無線通信を行う必要がある場合には、屋内に更に戸別中継器60を設置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によるアクセスポイント設置方法によれば、屋内の区分所有部に配線を引き込むことなく、建築物のガラス窓を利用することで、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄筋コンクリートの建築物の屋内での無線通信を行える。
【符号の説明】
【0039】
10 建築物
10s 南側壁面(アクセスポイント壁面)
10n 北側壁面
10e 東側壁面
10w 西側壁面
11 共有スペース
12 屋上
13 ガラス窓
14 バルコニー
21 第1アクセスポイント
21a 第1アンテナ
21w、21x、21y、21z アンテナ
22 第2アクセスポイント
22a 第2アンテナ
23 第3アクセスポイント
23a 第3アンテナ
31 中継器
32 外部通信回線
33 信号変換器
34 通信回線
35 遠隔リモートスイッチ
36 監視カメラ
37 コントローラ
38 WiFiルーター
39 遠隔監視機器
41 第1LANケーブル
42 第2LANケーブル
43 第3LANケーブル
50、51、52 戸別アンテナ
60 戸別中継器
70 ケーブル
71 コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7