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特開2022-191239VISTA及びPD-1経路の二重阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191239
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】VISTA及びPD-1経路の二重阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/0783 20100101AFI20221220BHJP
   C07D 271/10 20060101ALN20221220BHJP
   C07D 413/06 20060101ALN20221220BHJP
   C07D 413/04 20060101ALN20221220BHJP
【FI】
C12N5/0783
C07D271/10
C07D413/06
C07D413/04
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022148392
(22)【出願日】2022-09-16
(62)【分割の表示】P 2019520894の分割
【原出願日】2017-10-18
(31)【優先権主張番号】201641035996
(32)【優先日】2016-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】516207078
【氏名又は名称】アウリジーン ディスカバリー テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サシクマル,ポッタイル ゴビンダン ナイル
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラ,ムラリダラ
(72)【発明者】
【氏名】ナレマデパリ,シータラマイア セッティ スダーシャン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】VISTA及びPD-1による免疫応答を調節する方法を提供する。
【解決手段】3-置換1,2,4-オキサジアゾール化合物及びそれらの誘導体は、T細胞活性化(VISTA)阻害剤のV-ドメイン免疫グロブリンサプレッサーとして、またはVISTA及びプログラム細胞死-1(PD-1)シグナル伝達経路の二重阻害剤として有用である。本開示はまた、VISTA及びそのリガンド、PD-1、PD-L1、及び/またはPD-L2によって誘導される免疫抑制シグナルを阻害することによる障害の処置に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞内のT細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(VISTA)活性によって媒介される免疫応答を調節する方法であって、前記細胞を式(I)の化合物:
【化1】
(式中:
Gは水素または(C-C)アルキルであり;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、又はアリール-OHで置換された(C-C)アルキルであり;
a’は水素であるか;またはR及びRa’は、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、またはヘテロアリールで必要に応じて置換されてもよい(C-C)アルキルを表し;ここで前記ヘテロアリールは必要に応じて、ヒドロキシルでさらに置換されてもよく;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含んでもよい5~6員環を形成し;
及びRは独立して、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アシルもしくは(C-C)シクロアルキルであるか;またはR及びRはそれらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成する)、
またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、前記方法。
【請求項2】
Gが水素またはメチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Gが水素である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
が-(CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで(C-C)アルキルは、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
が、-OH、-NH、-NH-C(=NH)-NH、カルボン酸、イミダゾリル、またはp-OH(フェニル)で置換されている(C-C)アルキルであり;かつRa’が水素である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
が、-OH、-NH、-NH-C(=NH)-NH、イミダゾリル、またはp-OH(フェニル)で置換されている(C-C)アルキルであり;かつRa’が水素である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
が、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CH-NH、-(CHC(O)OH、-(CHC(O)NH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-NH-C(=NH)-NHである、請求項1~3または5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
が、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CH-NH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-NH-C(=NH)-NHである、請求項1~3または7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
が、-CHOHまたは-CH(CH)OHである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
が-CHOHである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
及びRa’が、それらが結合する原子と一緒になって、シクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
が、-CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで(C-C)アルキルは必要に応じて-OH、-C(O)NR、またはヘテロアリールで置換されてもよく、前記ヘテロアリールが必要に応じてさらにヒドロキシルで置換されてもよい、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
が、-OH、-C(O)NH、カルボン酸、インドリル、または-C(O)NH-((C-C)アルキル)で必要に応じて置換されてもよい(C-C)アルキルであり;かつRが水素である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
が、必要に応じて-OH、-C(O)NH、インドリル、または-C(O)NH-((C-C)アルキル)で置換されてもよい(C-C)アルキルであり;かつRが水素である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
が、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-(CH-NH(COCH)、-CHC(O)OH、-(CHC(O)OH、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)である、請求項1~11または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
が、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-(CH-NH(COCH)、-CHC(O)OH、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)である、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
が-CHC(O)NHまたは-CHC(O)OHである、請求項1~13、15または16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
が、-CHC(O)NHである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
及びRが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
が、-OH、-NH、または-C(O)OHで置換されている(C-C)アルキルであり;かつRが水素である、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
dが、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-CH2C(O)OHである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
dが、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
dが、-CH(CH3)OHである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
及びRが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
請求項1に記載の方法であって、式中:
Gが水素または(C-C)アルキルであり;
が、-(CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであって、ここで(C-C)アルキルは、-OH、-NR、グアニジノ、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換されており;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
が、-CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで(C-C)アルキルが必要に応じて-OH、-C(O)NR、またはヘテロアリールで置換されてもよく;ここで前記ヘテロアリールが必要に応じてさらにヒドロキシルで置換されてもよく;
が水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
が、H、-(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
が水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含んでもよい5~6員環を形成し;
x及びRyが独立して、水素、(C1-C6)アルキルまたは(C2-C6)アシルである、前記方法。
【請求項26】
請求項1に記載の方法であって、式中:
Gが水素またはメチルであり;
が、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2-(p-OH(フェニル))、-(CH24-NH2、-CH2(イミダゾリル)、または-(CH23-NH-C(=NH)-NH2であり;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になってシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し;
bが、イソプロピル、sec-ブチル、-CH2OH、-CH2C(O)NH2、-(CH22C(O)NH2、-(CH24-NH(COCH3)、-CH2C(O)OH、-(CH22C(O)OH、-CH2(インドリル)、-CH2C(O)NH(ヘキシル)、または-(CH22C(O)NH(ヘキシル)であり;
が水素であるか;またはRb及びRが、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
dが-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-(CH22C(O)OHであり;かつ
eが水素であるか;またはRd及びReが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、前記方法。
【請求項27】
請求項1に記載の方法であって、式中:
Gが水素またはメチルであり;
が、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2-(p-OH(フェニル))、-(CH24-NH2、-(CH22COOH、-CH2(イミダゾリル)、または-(CH23-NH-C(=NH)-NH2であり;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になってシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し;
bが、イソプロピル、sec-ブチル、-CH2OH、-CH2C(O)NH2、-(CH22C(O)NH2、-CH2C(O)OH、-(CH24-NH(COCH3)、-CH2(インドリル)、-CH2C(O)NH(ヘキシル)、または-(CH22C(O)NH(ヘキシル)であり;
が水素であるか;またはRb及びRが、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
dが-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-(CH22C(O)OHであり;かつ
eが水素であるか;またはRd及びReが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、前記方法。
【請求項28】
請求項25~27のいずれか1項に記載の方法であって、式中、Rが、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2または-CH2C(O)OHであり、かつRdが、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHである、前記方法。
【請求項29】
が-CH2OHまたは-CH(CH3)OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2であり、かつRdが、-CH(CH3)OHである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
が、-CH2OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2であり、かつRdが、-CH(CH3)OHである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
が、-CH(CH3)OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2であり、かつRdが、-CH2OHである、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記化合物が、以下の表から選択される、請求項1に記載の方法:
【請求項33】
前記化合物が、以下の表から選択される、請求項1に記載の方法:
【請求項34】
前記免疫応答がプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路によってさらに媒介される、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記細胞との接触がそれを必要とする対象において起こり、それによってがん、免疫障害、免疫不全障害、炎症性障害、感染性疾患、及び移植拒絶反応から選択される疾患または障害を処置する、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記疾患または障害ががんである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記疾患または障害の処置が、腫瘍細胞の増殖及び/または転移を阻害することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記腫瘍細胞が、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、原発性乳管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃癌、急性骨髄性白血病、及び膵臓癌から選択されるがんに由来する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記腫瘍細胞が、芽細胞腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、結腸直腸癌、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、陰茎の癌、慢性または急性の白血病、小児固形腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、及び環境に起因する癌から選択されるがんに由来する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記疾患または障害が感染性疾患である、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記感染性疾患が、炭疽菌、Bacilli、Bordetella、Borrelia、ボツリヌス中毒、Brucella、Burkholderia、Campylobacter、Chlamydia、コレラ、Clostridium、Conococcus、Corynebacterium、ジフテリア、Enterobacter、Enterococcus、Erwinia、Escherichia、Francisella、Haemophilus、Heliobacter、Klebsiella、Legionella、Leptospira、レプトスピラ症、Listeria、ライム病、meningococcus、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Pasteurella、Pelobacter、ペスト、Pneumonococcus、Proteus、Pseudomonas、Rickettsia、Salmonella、Serratia、Shigella、Staphylococcus、Streptococcus、破傷風、Treponema、Vibrio、Yersinia、及びXanthomonasから選択される少なくとも1つの細菌;アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、I型単純ヘルペス、2型単純ヘルペス、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟属腫ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器感染症合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、及びバナウイルスから選択される少なくとも1つのウイルス;鵞口瘡菌、Aspergillus(fumigatus、niger、など)、Blastomyces dermatitidis、カンジダ(albicans、krusei、glabrata、tropicalis、など)、Coccidioides immitis、Cryptococcus(neoformansなど)、Histoplasma capsulatum、Mucorales(mucor、absidia、rhizophus)、Paracoccidioides brasiliensis、スポロトリクム症、Sporothrix schenkii、接合菌症、クロモブラストミコーシス、ロボ真菌症、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、及びリノスポリジウム症から選択される真菌感染症;ならびにAcanthamoeba、Babesia microti、Balantidium coli、Entamoeba hystolytica、Giardia lamblia、Cryptosporidium muris、Trypanosomatida gambiense、Trypanosomatida rhodesiense、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania mexicana、Leishmania braziliensis、Leishmania tropica、Leishmania donovani、Toxoplasma gondii、Plasmodium vivax、Plasmodium ovale、Plasmodium malariae、Plasmodium falciparum、Pneumocystis carinii、Trichomonas vaginalis、Histomonas meleagridis、Secementea、Trichuris trichiura、Ascaris lumbricoides、Enterobius vermicularis、Ancylostoma duodenale、Naegleria fowleri、Necator americanus、Nippostrongylus brasiliensis、Strongyloides stercoralis、Wuchereria bancrofti、Dracunculus medinensis、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、Schistosoma mansoni、Schistosoma haematobium、Schistosoma japonicum、Fasciola hepatica、Fasciola gigantica、Heterophyes heterophyes、及びParagonimus westermaniから選択される少なくとも1つの寄生虫、から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
対象における免疫応答を調節する方法であって、
a)対象由来の生物学的試料がVISTAを過剰発現するか否かを決定すること;及び b)前記試料がVISTAを過剰発現している場合、前記被験体を請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物と接触させること、を含む、前記方法。
【請求項44】
前記試料がPD-L1またはPD-L2を過剰発現するかを決定すること、及び前記試料がVISTA及びPD-L1またはPD-L2のいずれかを過剰発現する場合に前記対象を前記化合物と接触させることをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記生物学的試料が、全血、血漿、血清、細胞(例えば、腫瘍細胞)、唾液、尿、便及び組織から選択される、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記対象ががんを患っており、必要に応じて、前記試料ががん由来の1つ以上の細胞を含んでもよい、請求項43~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記対象が、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、及び寄生虫感染症から選択される感染性疾患を患っている、請求項43~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記対象が式(I)の化合物を投与される前に前記対照試料が得られ、前記対象が式(I)の化合物を投与された後に前記対象試料が得られる、請求項43~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
薬学的に許容される担体または賦形剤及び少なくとも1つの式(I)の化合物:
【化2】
その薬学的に許容される塩、または立体異性体を含む医薬組成物。
(式中:
Gは水素または(C-C)アルキルであり;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、又はアリール-OHで置換された(C-C)アルキルであり;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、またはヘテロアリールで必要に応じて置換されてもよい(C-C)アルキルであり;ここで前記ヘテロアリールは必要に応じて、ヒドロキシルでさらに置換されてもよく;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
が水素であるか;またはR及びRが、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含んでもよい5~6員環を形成し;
及びRが独立して、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アシル、または(C-C)シクロアルキルであるか;またはR及びRはそれらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成する)
【請求項50】
抗がん剤、化学療法剤、または抗増殖性化合物のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項49に記載の薬学的組成物。
【請求項51】
がんを処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の請求項49に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項52】
前記腫瘍細胞が、乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、及び腎臓癌から選択されるがんに由来する、請求項45に記載の方法。
【請求項53】
前記腫瘍細胞が、芽細胞腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、結腸直腸癌、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、陰茎癌、慢性または急性の白血病、小児固形腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系の新生物(CNS)、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、及び環境に起因する癌から選択されるがん由来である、請求項45に記載の方法。
【請求項54】
感染性疾患を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の請求項49に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項55】
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記感染性疾患が、炭疽菌、Bacilli、Bordetella、Borrelia、ボツリヌス中毒、Brucella、Burkholderia、Campylobacter、Chlamydia、コレラ、Clostridium、Conococcus、Corynebacterium、ジフテリア、Enterobacter、Enterococcus、Erwinia、Escherichia、Francisella、Haemophilus、Heliobacter、Klebsiella、Legionella、Leptospira、レプトスピラ症、Listeria、ライム病、meningococcus、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Pasteurella、Pelobacter、ペスト、Pneumonococcus、Proteus、Pseudomonas、Rickettsia、Salmonella、Serratia、Shigella、Staphylococcus、Streptococcus、破傷風、Treponema、Vibrio、Yersinia、及びXanthomonasから選択される少なくとも1つの細菌;アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、I型単純ヘルペス、2型単純ヘルペス、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟属腫ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器感染症合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、及びバナウイルスから選択される少なくとも1つのウイルス;鵞口瘡菌、Aspergillus(fumigatus、niger、など)、Blastomyces dermatitidis、Candida(albicans、krusei、glabrata、tropicalis、など)、Coccidioides immitis、Cryptococcus(neoformansなど)、Histoplasma capsulatum、Mucorales(mucor、absidia、rhizophus)、Paracoccidioides brasiliensis、スポロトリクム症、Sporothrix schenkii、接合菌症、クロモブラストミコーシス、ロボ真菌症、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、およびリノスポリジウム症から選択される真菌感染症;ならびにAcanthamoeba、Babesia microti、Balantidium coli、Entamoeba hystolytica、Giardia lamblia、Cryptosporidium muris、Trypanosomatida gambiense、Trypanosomatida rhodesiense、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania mexicana、Leishmania braziliensis、Leishmania tropica、Leishmania donovani、Toxoplasma gondii、Plasmodium vivax、Plasmodium ovale、Plasmodium malariae、Plasmodium falciparum、Pneumocystis carinii、Trichomonas vaginalis、Histomonas meleagridis、Secementea、Trichuris trichiura、Ascaris lumbricoides、Enterobius vermicularis、Ancylostoma duodenale、Naegleria fowleri、Necator americanus、Nippostrongylus brasiliensis、Strongyloides stercoralis、Wuchereria bancrofti、Dracunculus medinensis、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、Schistosoma mansoni、Schistosoma haematobium、Schistosoma japonicum、Fasciola hepatica、Fasciola gigantica、Heterophyes heterophyes、及びParagonimus westermaniから選択される少なくとも1つの寄生虫から選択される、請求項54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年10月20日に出願されたインド仮出願番号201641035996の利益を主張する;その明細書はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本開示は、3-置換1,2,4-オキサジアゾール化合物及びそれらの誘導体を含む薬学的組成物に関し、これらはVISTA阻害剤として、またはVISTAとPD-1の二重阻害剤(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)経路として有用である。
【背景技術】
【0003】
哺乳動物における免疫系は、免疫応答の間及び後に、様々な調節機構を通してリンパ球の活性化と不活性化との間の恒常性を制御する能力を維持している。これらの機構の中には、必要に応じてまた必要なときに免疫応答を特異的に調節する機構がある。
【0004】
T細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(VISTAまたはPD-1H)は、異常なシステイン残基分布を有する約60kDaのI型のIg膜タンパク質であり、かつCD28ファミリーのタンパク質のメンバーである。VISTAは、T細胞活性化を直接抑制するネガティブチェックポイントレギュレーターである。VISTAタンパク質の構造は、細胞外IgVドメインとそれに続くストーク領域、膜貫通領域、及び細胞内テールを含む。細胞内テールは、プロテインキナーゼCに結合し得るチロシン残基を含む。VISTAは、造血組織(例えば、脾臓、リンパ節、及び末梢血)またはかなりの数の浸潤白血球を含む組織において主に発現される。VISTAは、抗原提示細胞上のT細胞受容体に対するリガンドとして、及びT細胞活性化中の共阻害受容体としても、作用する。報告されているVISTAの相互作用としては、それ自体、VSIG8及びVSIG3との同種親和性相互作用が挙げられる。
【0005】
PD-1(すなわちプログラム細胞死1またはPDCD1)は、約55kDaのI型膜糖タンパク質であり、特異的リガンドと相互作用することによって、T細胞抗原受容体シグナル伝達を負に調節するCD28スーパーファミリーの受容体であり、自己寛容の維持において重要な役割を果たすことが示唆される。PD-1タンパク質の構造は、細胞外IgVドメインとそれに続く膜貫通領域及び細胞内テールを含む。細胞内テールは、免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ及び免疫受容体チロシンベースのスイッチモチーフに位置する2つのリン酸化部位を含み、これはPD-1がTCRシグナルを負に調節することを示唆している。また、PD-1は活性化T細胞、B細胞、及びマクロファージの表面に発現され(Y.Agata et al.,Int.Immunol.1996、8:765)これによって、CTLA-4[(CytotoxiC T-Lymphocyte Antigen 4)、別名CD152(Cluster of differentiation 152)、免疫系において重要な調節的役割を果たすタンパク質]と比較して、PD-1はより広範に免疫応答を負に調節することが示唆されている。
【0006】
T細胞によって発現される阻害性受容体であるPD-1の遮断は、免疫耐性を克服し得る。PD-1は、活性化T細胞によって発現される重要な免疫チェックポイント受容体であり、またそれは免疫抑制を媒介する。PD-1は、T細胞が免疫抑制性PD-1リガンドに遭遇し得る末梢組織で主に機能する;PD-L1(B7-H1)及びPD-L2(B7-DC)(腫瘍細胞、間質細胞、またはその両方によって発現される)。PD-1とPD-L1との間の相互作用の阻害は、インビトロでT細胞応答を増強し、前臨床抗腫瘍活性を媒介し得る(S.L.Topalian et al.,N.Engl.J.Med.2012,366(26):2443-2454)。
【0007】
VISTA及びPD-1は両方とも、T細胞活性化を抑制する免疫チェックポイントタンパク質として機能する。VISTA及びPD-1/PD-L1経路は、T細胞応答を非冗長的に調節する。VISTA及びPD-1は、自己免疫、腫瘍免疫、感染性免疫、移植免疫、及び免疫学的特権を含む免疫応答のほぼあらゆる局面に関連している。PD-1は、がん、アレルギー、及び慢性ウイルス感染に対する免疫応答の調節において重要な役割を果たす(J.R.Brahmer et al.,N.Engl.J.Med.2012,366(26):2455-2465)。
【0008】
実際、T細胞サブセット及びB細胞サブセットの間の機能的「消耗」(免疫機能不全)は、B型肝炎及びC型肝炎ならびにHIVウイルスなどの慢性ウイルス感染のよく知られた特徴である。リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスクローン13に慢性的に感染したマウスにおけるCD8T細胞についてのT細胞枯渇が最初に記載された。リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスマウスモデルにおいて、T細胞抗原受容体による反復抗原刺激は、ウイルス特異的CD8 T細胞における、プログラム細胞死-1(PD-1)及びリンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)を含むT細胞阻害性受容体の持続発現を促進する(J.Illingworth et al.,J.Immunol.2013,190(3):1038-1047)。腫瘍細胞及びウイルス(HCV及びHIVを含む)感染細胞は、宿主T細胞による免疫監視を回避するために(免疫抑制を生じさせるために)PD-1シグナル伝達経路を利用することが公知である。VISTAとは、腫瘍内の白血球上に発現されるPD-L1様リガンドであり、魅力的な抗がん標的となる(J.L.Lines et al.,Cancer Res.2014,74(7):1924-1932)。VISTA及びPD-1(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)経路の破壊は、自己免疫を増強し、腫瘍増殖を抑制した(J.Liu et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2015,112(21):6682-6687)。
【0009】
国際出願WO2011161699及びWO2012168944は、プログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路を阻害し得るPD-1外部ドメインに由来するペプチド及びそれらの誘導体を報告している。さらに、WO2013144704及びWO2013132317は、それぞれ、PD-1タンパク質を阻害し得る治療剤として環状ペプチド及びペプチド模倣化合物を報告している。WO2015033299及びWO2015033301は、PD-1タンパク質を阻害し得る治療薬として、それぞれ1,2,4-オキサジアゾール及び1,3,4-オキサジアゾール化合物を報告している。
【0010】
上記の理由から、VISTAの免疫調節剤も必要とされている。VISTA及びPD-1(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)経路のより強力な、相加的または相乗的な免疫調節剤もまた必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO2011161699
【特許文献2】WO2012168944
【特許文献3】WO2013144704
【特許文献4】WO2013132317
【特許文献5】WO2015033299
【特許文献6】WO2015033301
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Y.Agata et al.,Int.Immunol.1996、8:765
【非特許文献2】S.L.Topalian et al.,N.Engl.J.Med.2012,366(26):2443-2454)
【非特許文献3】J.R.Brahmer et al.,N.Engl.J.Med.2012,366(26):2455-2465
【非特許文献4】J.Illingworth et al.,J.Immunol.2013,190(3):1038-1047
【非特許文献5】J.L.Lines et al.,Cancer Res.2014,74(7):1924-1932
【非特許文献6】J.Liu et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2015,112(21):6682-6687
【発明の概要】
【0013】
本開示は、3-置換1,2,4-オキサジアゾール化合物もしくはその立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を用いてVISTAを調節する方法に関する。特定の実施形態において、本開示は、VISTA及びPD-1(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)経路を3-置換1,2,4-オキサジアゾール化合物またはその立体異性体またはその薬学的に許容される塩を用いて調節する方法に関する。
【0014】
一態様では、本開示は、細胞を式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、細胞におけるT細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(VISTA)活性によって媒介される免疫応答を調節する方法を提供する:
【化1】
式中:
Gは、水素または(C-C)アルキルであり;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、又はアリール-OHで置換された(C-C)アルキルであり;
a’は水素であるか;またはR及びRa’は、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、またはヘテロアリールで必要に応じて置換された(C-C)アルキルであり;ここで上記ヘテロアリールは必要に応じて、ヒドロキシルでさらに置換され;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含む5~6員環を形成し;
及びRは独立して、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アシル、または(C-C)シクロアルキルであるか;またはR及びRはそれらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成する。
【0015】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態において、免疫応答はさらに、プログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)によって媒介される。
【0016】
別の態様において、本開示は、式(I)の化合物、薬学的に許容される塩、または立体異性体を含む薬学的組成物、ならびにそのような組成物を調製するための方法に関する。
【0017】
さらに別の態様において、本開示は、T細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(VISTA)活性を抑制及び/または阻害し得る、3-置換1,2,4-オキサジアゾール化合物及び式(I)の誘導体、それらの薬学的に許容される塩、ならびにそれらの立体異性体の使用を提供する。特定の実施形態において、本開示は、VISTA及びプログラム細胞死1(PD-1)(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)シグナル伝達経路を抑制及び/または阻害し得る、3-置換1,2,4-オキサジアゾール化合物及び式(I)の誘導体、それらの薬学的に許容される塩、及び立体異性体の使用を提供する。例えば、これらの化合物は、VISTAの異常なもしくは望ましくない活性によって、またはVISTA及びPD-1(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)経路の異常なもしくは望ましくない活性によって特徴付けられる1つ以上の疾患を処置するために用いられ得る。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、VISTAに起因して誘導される免疫抑制シグナルの阻害を含む免疫増強による障害の処置及びそれらを用いた治療に有用な治療薬としての3-置換1,2,4-オキサジアゾール化合物及びそれらの誘導体を提供する。特定の実施形態において、本開示は、PD-1、PD-L1、PD-L2に起因して誘導される免疫抑制シグナルの阻害及び/またはVISTA及びそれらを用いた治療法を含む、免疫増強による障害の処置に有用な治療剤としての3-置換1,2,4-オキサジアゾール化合物及びそれらの誘導体を提供する。
【0019】
各実施形態は、本開示の説明として提供され、本開示の限定としてではない。実際、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、本開示において様々な修正及び変形をなし得ることが当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明されている特徴を別の実施形態に使用して、さらに別の実施形態を生み出してもよい。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入るような修正形態及び変形形態を網羅することを意図する。本開示の他の目的、特徴、及び態様は、以下の詳細な説明に開示されているか、またはそれから誘導され得る。本考察は例示的な実施形態の説明でしかなく、本開示のより広い態様を限定するものとして解釈されるべきではないことが当業者によって理解されるべきである。
【0020】
処置の方法
T細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(VISTA)は、T細胞活性化を抑制する免疫チェックポイントタンパク質として機能する。VISTAは主に造血細胞で発現される。
【0021】
VISTA及びプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)タンパク質は両方とも、T細胞活性化を抑制する免疫チェックポイントタンパク質として機能する。VISTA及びPD-1/PD-L1経路は、T細胞応答を非冗長的に調節する。VISTA及びPD-1(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)経路は、多くの疾患及び状態に関係しており、またVISTA及びPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路は、様々な免疫応答を調節することが公知である。多くの研究は、VISTA経路またはPD-1(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)経路を標的とすることによって免疫応答を活性化し、それによってがん及び自己免疫障害などの特定の状態に対する治療を提供することを探求している。例えば、VISTA及びPD-L1特異的モノクローナル抗体を用いた組み合わせ処置は、腫瘍退縮及び改善された生存率を示す結腸癌モデルにおいて相乗的治療効果を達成した(J.Liu et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA2015,112(21):6682-6687)。PD-1活性はまた、エリテマトーデス、若年性特発性関節炎、及びアレルギー性脳脊髄炎などの自己免疫病態とも関連している。
【0022】
いくつかの実施形態では、本開示は、VISTAの阻害における本開示の式(I)の化合物の使用を提供する。
【0023】
特定の実施形態において、本開示は、細胞内のVISTA活性及びPD-1経路(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)によって媒介される免疫応答の調節における式(I)の化合物の使用を提供する。
【0024】
特定の実施形態において、本開示は、細胞を式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、細胞におけるVISTA活性によって媒介される免疫応答を調節する方法を提供し:
【化2】
式中:
Gは、水素または(C-C)アルキルであり;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、又はアリール-OHで置換された(C-C)アルキルであり;
a’は水素であるか;またはR及びRa’は、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、またはヘテロアリールで必要に応じて置換された(C-C)アルキルであり;ここで上記ヘテロアリールは必要に応じて、ヒドロキシルでさらに置換され;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含む5~6員環を形成し;
及びRは独立して、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アシル、または(C-C)シクロアルキルであるか;またはR及びRはそれらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成する。
【0025】
式(I)の特定の実施形態において、Gは水素またはメチルである。いくつかの実施形態では、Gは水素である。
【0026】
特定の実施形態では、Rは、-(CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで(C-C)アルキルは、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、ヘテロアリールまたはアリール-OHで置換されている。式(I)の特定の実施形態では、Rは、-OH、-NH2、-NH-C(=NH)-NH2、カルボン酸、イミダゾリル、またはp-OH(フェニル)で置換された(C1-C4)アルキルであり;かつRa’が水素である。式(I)の他の実施形態では、Rは、-OH、-NH2、-NH-C(=NH)-NH2、イミダゾリル、またはp-OH(フェニル)で置換されている(C1-C4)アルキルであり;かつRa’は水素である。いくつかの実施形態では、Rは、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2-(p-OH(フェニル))、-(CH24-NH2、-CH2(イミダゾリル)、または-(CH23-NH-C(=NH)-NH2である。他の実施形態では、Rは、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2-(p-OH(フェニル))、-(CH24-NH2、-(CH22C(O)OH、-(CH22C(O)NH2、-CH2(イミダゾリル)、または-(CH23-NH-C(=NH)-NH2である。特定の実施形態では、Rは、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHである。いくつかの実施形態では、Rは、-CH2OHである。
【0027】
あるいは、特定の実施形態では、R及びRa’それらが結合される原子と一緒になって、シクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成する。
【0028】
他の実施形態では、Rbは、-CH2C(O)OHまたは(C1-C6)アルキルであり、ここで(C1-C6)アルキルは、必要に応じて-OH、-C(O)NRxyまたはヘテロアリールで置換されており、ここでこのヘテロアリールは、必要に応じてさらにヒドロキシルで置換されている。特定の実施形態では、Rbは、必要に応じて-OH、-C(O)NH2、カルボン酸、インドリル、または-C(O)NH-((C1-C6)アルキル)で置換されている(C1-C4)アルキルであり;かつRは、水素である。いくつかの実施形態では、Rbは、必要に応じて、-OH、-C(O)NH2、インドリル、または-C(O)NH-((C1-C6)アルキル)で置換されている(C1-C4)アルキルであり;かつRは、水素である。いくつかの実施形態では、Rbは、イソプロピル、sec-ブチル、-CH2OH、-CH2C(O)NH2、-(CH22C(O)NH2、-(CH24-NH(COCH3)、-CH2C(O)OH、-(CH22C(O)OH、-CH2(インドリル)、-CH2C(O)NH(ヘキシル)、または-(CH22C(O)NH(ヘキシル)である。他の実施形態では、Rbは、イソプロピル、sec-ブチル、-CH2OH、-CH2C(O)NH2、-(CH22C(O)NH2、-(CH24-NH(COCH3)、-CH2C(O)OH、-CH2(インドリル)、-CH2C(O)NH(ヘキシル)、または-(CH22C(O)NH(ヘキシル)である。特定の実施形態では、Rbは、-CH2C(O)NH2または-CH2C(O)OHである。いくつかの実施形態では、Rbは、-CH2C(O)NH2である。
【0029】
あるいは、特定の実施形態では、Rb及びRは、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する。
【0030】
特定の実施形態では、Rdは、-OH、-NH2、または-C(O)OHで置換されている(C1-C4)アルキルであり;かつReは、水素である。他の実施形態では、Rdは、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-(CH22C(O)OHである。いくつかの実施形態では、Rdは、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHである。特定の実施形態では、Rdは、-CH(CH3)OHである。
【0031】
あるいは、特定の実施形態では、Rd及びReは、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する。
【0032】
式(I)の他の実施形態では,
Gは水素または(C-C)アルキルであり;
は、-(CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで(C-C)アルキルは、-OH、-NR、グアニジノ、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換されており;
a’は水素であるか;またはR及びRa’は、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-CHC(O)OHまたは-(C-C)アルキルであり、ここで(C-C)アルキルが必要に応じて-OH、-C(O)NR、またはヘテロアリールで置換されており;ここでヘテロアリールが必要に応じてさらにヒドロキシルで置換されており;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含む5~6員環を形成し;
及びRは独立して、水素、(C-C)アルキルまたは(C-C)アシルである。
【0033】
式(I)のいくつかの実施形態では、
Gは、水素またはメチルであり;
は、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2-(p-OH(フェニル))、-(CH24-NH2、-CH2(イミダゾリル)、または-(CH23-NH-C(=NH)-NH2であり;
a’は水素であるか;またはR及びRa’は、それらが結合している原子と一緒になってシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し;
bは、イソプロピル、sec-ブチル、-CH2OH、-CH2C(O)NH2、-(CH22C(O)NH2、-(CH24-NH(COCH3)、-CH2C(O)OH、-(CH22C(O)OH、-CH2(インドリル)、-CH2C(O)NH(ヘキシル)、または-(CH22C(O)NH(ヘキシル)であり;
は水素であるか;またはRb及びRは、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
dは、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-(CH22C(O)OHであり;かつ
eは、水素であるか;またはRd及びReは、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する。
【0034】
式(I)の特定の実施形態では、
Gは、水素またはメチルであり;
は、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2-(p-OH(フェニル))、-(CH24-NH2、-(CH22COOH、-CH2(イミダゾリル)、または-(CH23-NH-C(=NH)-NH2であり;
a’は水素であるか;またはR及びRa’は、それらが結合している原子と一緒になってシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し;
bは、イソプロピル、sec-ブチル、-CH2OH、-CH2C(O)NH2、-(CH22C(O)NH2、-(CH24-NH(COCH3)、-CH2C(O)OH、-CH2(インドリル)、-CH2C(O)NH(ヘキシル)、または-(CH22C(O)NH(ヘキシル)であり;
は水素であるか;またはRb及びRは、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
dは、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-(CH22C(O)OHであり;かつ
eは、水素であるか;またはRd及びReは、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する。
【0035】
特定の実施形態では、Rは-CH2OHまたは-CH(CH3)OHであり、Rbは、-CH2C(O)NH2または-CH2C(O)OHであり、かつRdは、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHである。いくつかの実施形態では、Rは、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHであり、Rbは、-CH2C(O)NH2であり、かつRdは、-CH(CH3)OHである。他の実施形態では、Rは、-CH2OHであり、Rbは、-CH2C(O)NH2であり、かつRdは、-CH(CH3)OHである。いくつかの実施形態では、Rは、-CH(CH3)OHであり、Rbは、-CH2C(O)NH2であり、かつRdは、-CH2OHである。
【0036】
特定の実施形態では、Rは、Rdが、-CH2OHである場合に、-CH2-(p-OH(フェニル))ではない。
【0037】
本明細書に開示される方法及び組成物の特定の実施形態では、化合物、その薬学的に許容される塩または立体異性体は、以下から選択される:
【表1】
【0038】
本明細書に開示される方法及び組成物のいくつかの実施形態では、化合物、その薬学的に許容される塩または立体異性体は以下から選択される:
【表2】
【0039】
本明細書に開示される方法及び組成物の特定の実施形態では、化合物、その薬学的に許容される塩または立体異性体は、以下から選択される:
【表3】
【0040】
本明細書に開示される方法及び組成物の特定の実施形態では、Rは、アミノ酸残基の側鎖である。いくつかの実施形態では、Rbは、アミノ酸残基の側鎖である。特定の実施形態では、Rdは、アミノ酸残基の側鎖である。特定の実施形態では、R、Rb、及びRdは各々が、アミノ酸残基の側鎖である。
【0041】
アミノ酸残基とは、当該分野では、アミノ(-NH2)基によって、アルファ、ベータ、またはガンマ炭素で置換されているカルボン酸を意味することが理解される。-CO-Aaa基において、アミノ酸残基Aaaは、カルボニル炭素とアミノ酸残基のアミノ基との間の共有結合を介してカルボニル基COに結合している。好ましい態様において、アミノ酸はアルファ-アミノ酸であり、アミノ酸残基Aaaは、カルボニル炭素とアミノ酸残基のアルファ-アミノ基との間の共有結合を介してカルボニル基COに結合している。
【0042】
前述の実施形態のいずれかによれば、特定の実施形態では、1つ、2つ以上、または全てのアミノ酸残基が、Dアミノ酸残基である。特定の実施形態では、1つ、2つ以上、または全てのアミノ酸残基側鎖は、Dアミノ酸残基の立体化学に対応する。
【0043】
特定の実施形態において、1つ、2つ以上、または全てのアミノ酸残基は、Lアミノ酸残基である。特定の実施形態では、1つ、2つ以上、または全てのアミノ酸残基側鎖は、Lアミノ酸残基の立体化学に対応する。
【0044】
本明細書に開示される方法及び組成物の特定の実施形態において、この化合物は、例えば、親化合物中のヒドロキシルがエステルもしくはカーボネートとして存在するか、または親化合物中に存在するカルボン酸がエステルとして提示される式(I)の化合物のプロドラッグであり得る。さらなる実施形態では、このプロドラッグは、インビボで活性親化合物に代謝される(例えば、エステルは対応するヒドロキシルまたはカルボン酸に加水分解される)。
【0045】
本明細書に開示される方法及び組成物の特定の実施形態において、本開示の化合物はまた、そのような化合物を構成する1つ以上の原子において不自然な割合の原子同位体を含み得る。例えば、本開示はまた、本明細書に列挙されたものと同一であるが、化合物の1つ以上の原子がその原子に関して天然に通常見られる主な原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されるという事実のために、本開示の同位体標識変異体を包含する。特定された任意の特定の原子または元素の全ての同位体が、本開示の化合物及びそれらの使用の範囲内で企図される。本開示の化合物に組み込み得る例示的同位体としては、H(「D」)、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、35S、18F、36Cl、123I及び125Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体が挙げられる。本開示の同位体標識化合物は一般に、同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いることにより、本明細書の以下のスキーム及び/または実施例に開示されるものと類似の手順に従って調製され得る。
【0046】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態において、免疫応答はさらにプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路によって媒介される。
【0047】
使用方法
特定の実施形態において、本開示は、上記の実施形態のいずれかに従って、細胞と式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩とを接触させることを含む、細胞におけるVISTA活性によって媒介される免疫応答を調節する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、上記の実施形態のいずれかに従って、細胞と、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩とを接触させることを含む、細胞中のPD-1経路(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)及びVISTA活性によって媒介される免疫応答を調節する方法を提供する。
【0048】
特定の実施形態において、本開示は、医薬の調製のため、例えばがん、免疫障害、免疫不全障害、炎症性障害、感染性疾患、及び移植拒絶反応の処置のための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0049】
前述の実施形態のいずれかによれば、特定の実施形態では、細胞との接触は、それを必要とする対象において起こり、それによってがん、免疫障害、免疫不全障害、炎症性障害、感染性疾患、及び移植拒絶反応から選択される疾患または障害を処置する。
【0050】
特定の実施形態において、本開示は、がんを処置するための方法を提供し、ここでこの方法はそれを必要とする対象への治療有効量の式(I)の化合物の投与を含む。
【0051】
特定の実施形態において、本開示は、治療有効量の式(I)の化合物を、それを必要とする対象に投与することによって、腫瘍細胞の増殖及び/または転移を阻害するための方法を提供する。
【0052】
代表的な腫瘍細胞としては、がん、例えば、限定するものではないが、芽細胞腫(例えば、神経膠芽腫)、乳癌(例えば、乳癌、原発性乳管癌、トリプルネガティブ乳癌、エストロゲン受容体陽性(ER+)、プロゲステロン受容体陽性(PR+)、及び/またはヒト上皮成長因子受容体2陽性(HER2+)、上皮癌(例えば癌腫)、結腸癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌、及び肺扁平上皮癌)、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、眼黒色腫、皮膚または眼内悪性黒色腫、及びリンパ節関連黒色腫)、前立腺癌(例えば、前立腺腺癌)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌(RCC)及び腎臓癌)、骨癌(例えば、骨肉腫)、膵臓癌(例えば、膵臓腺癌)、皮膚癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌)、子宮癌、卵巣癌(例えば、卵巣癌)、結腸直腸癌(例えば、高度マイクロサテライト不安定性結腸直腸癌、及び結腸直腸腺癌)、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌(例えば、胃癌及び胃腸癌)、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌(例えば、子宮頸部の癌)、膣癌(例えば、膣の癌)、外陰癌(例えば、外陰癌)、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌(例えば、甲状腺の癌)、副甲状腺癌、副腎の癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫及びカポジ肉腫)、尿道癌、陰茎の癌、慢性または急性白血病(例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、有毛細胞性白血病、及び慢性骨髄性白血病)、小児の固形腫瘍、ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、リンパ球豊富型(LRCHL)、結節性硬化症(NSHL)、混合細胞性(MCHL)、及びリンパ球枯渇(LDHL))、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL))、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽細胞性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み細胞NHL、巨大病変NHL、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫)、AIDS関連リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉腫)、及びワルデンストロームマクログロブリン血症、移植後リンパ球増殖性障害(PTLD)、リンパ球性リンパ腫、原発性CNSリンパ腫、及びT細胞リンパ腫)、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、膀胱癌(例えば、膀胱癌)、尿管癌、腎盂癌、肝癌(例えば、肝細胞癌、肝臓癌、肝細胞腫)、膵癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、環境に起因する癌(アスベストによって誘導されるものを含む)、及び上記癌の組み合わせの細胞が挙げられる。
【0053】
他の実施形態では、例えば、腫瘍細胞としては、前立腺癌、黒色腫、乳癌、結腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、膵臓癌、胃癌、膀胱癌、食道癌、中皮腫、甲状腺癌、胸腺癌、肉腫、神経膠芽腫、慢性または急性白血病、リンパ腫、骨髄腫、メルケル細胞癌、上皮癌、結腸直腸癌、膣癌、子宮頸癌、卵巣癌、及び頭頸部癌から選択されるがんの細胞を含み得る。
【0054】
他の実施形態では、例えば、腫瘍細胞は、黒色腫、トリプルネガティブ乳癌、非小細胞肺癌、腎細胞癌、膵臓癌、胃癌、膀胱癌、中皮腫、ホジキンリンパ腫、子宮頸癌、卵巣癌、頭頸部扁平上皮細胞癌から選択されるがんの細胞を含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は、及び/または対象は、免疫腫瘍学的治療法に対してナイーブである。免疫腫瘍学では、対象の免疫系を使用してがんとの闘いを手助けする。例えば、免疫腫瘍療法としては、限定するものではないが、アテゾリズマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、アベルマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、ブレンツキシマブベドチン(CD30を標的とする抗体-薬物コンジュゲート)、リツキシマブ(CD20を標的とする抗体)、デュルバラマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、イピリムマブ(CTLA-4を標的とするヒトモノクローナル抗体)、ニボルマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、ペンブロリズマブ(別名ランブロリズマブ、PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、トレメリムマブ(CTLA-4を標的とするヒトモノクローナル抗体)、CT-011(PD-1を標的とする抗体)、MDX-1106(PD-1を標的とする抗体)、MK-3475(PD-1を標的とする抗体)、YW243.55.S70(PD-L1を標的とする抗体)、MPDL3280A(PD-L1を標的とする抗体)、MDX-1105(PD-L1を標的とする抗体)、及びMEDI4736(PD-L1を標的とする抗体)が挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫腫瘍学的治療法は、抗CTLA-4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗PD-L2抗体、抗TIGIT抗体(例えば、WO2015/009856に開示されている抗体)から選択される。
【0056】
他の実施形態では、生物学的試料は、そのタイプの代表的な腫瘍のサンプリングの試験によって、または患者自身の腫瘍を試験することによって、免疫チェックポイント療法に対する応答が実証されているがんの腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態において、がんは、例えば、その種類の代表的な腫瘍のサンプリングの試験による、抗PD1療法に対する応答を示している。例えば、がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、腎細胞癌(RCC)、膀胱癌、ホジキンリンパ腫、及び頭頸部扁平上皮癌を含み得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、生物学的試料は、1つ以上のPD-1アンタゴニストに対して不応性または抵抗性である腫瘍細胞を含む。他の実施形態では、腫瘍細胞は、PD-1(例えば、PD-1、PD-L1、またはPD-L2)経路に対する活性を維持しながら、1つ以上のPD-1アンタゴニストに対して不応性または抵抗性である。
【0058】
特定の実施形態では、生物学的試料は、VISTAがPD-L1及びPD-L2の非存在下で発現されるがんの腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態において、生物学的試料は、腫瘍細胞、間質、及び免疫浸潤物を含む。例えば、VISTAがPD-L1及びPD-L2の非存在下で発現されるいくつかの実施形態では、生物学的試料は、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、原発性管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃癌、急性骨髄性白血病、及び膵臓癌などのがんの腫瘍細胞を含む。
【0059】
他の実施形態では、生物学的試料は、VISTAとPD-L1発現との間に相関関係がないがんの腫瘍細胞を含む。例えば、生物学的試料は、子宮内膜の癌腫、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、及び慢性または急性白血病、例としては、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、リンパ球性リンパ腫、及び多発性骨髄腫などのがんの腫瘍細胞を含んでもよい。
【0060】
他の実施形態では、生物学的試料はがんの腫瘍細胞を含み、この腫瘍細胞は、VISTA及びPD-L1の両方を発現する。例えば、腫瘍細胞としては、前立腺腺癌、肺腺癌、肺扁平上皮細胞癌、膵臓腺癌、乳癌及び結腸直腸腺癌などのがんの細胞が挙げられる。特定の実施形態では、腫瘍細胞は乳癌由来である。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は、トリプルネガティブ乳癌、エストロゲン受容体陽性(ER+)、プロゲステロン受容体陽性(PR+)、及び/またはヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)から選択される乳癌に由来する。他の実施形態では、腫瘍細胞は、PAM50+乳癌アッセイパネル(Parker、J.S.et al.,J.Clin.Oncol.2009、27(8):1160-1167)、ルミナルA、ルミナルB、HER2濃縮、基底様及び正常様から選択される乳癌である。
【0061】
いくつかの実施形態では、生物学的試料は、腫瘍クリアランスが骨髄細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、またはNKT細胞に依存するがんの腫瘍細胞を含む。他の実施形態では、生物学的試料は、クリアランスがCD8+T細胞に依存しているがんの腫瘍細胞を含む。例えば、がんとしては、トリプルネガティブ乳癌、高度マイクロサテライト不安定性結腸直腸癌、胃癌、中皮腫、膵臓癌、及び子宮頸癌が挙げられ得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、生物学的試料は、がん由来の1つ以上の細胞を含む。
【0063】
本開示の他の実施形態は、VISTAの阻害による感染の処置の方法を提供する。
【0064】
本開示のなお他の実施形態は、PD-1経路の遮断及びVISTAの阻害、例えば、PD-1、PD-L1、もしくはPD-L2及び/またはVISTAによって誘導される免疫抑制シグナルの阻害による感染の処置方法を提供し、ここでこの方法はそれを必要とする対象への治療有効量の式(I)の化合物の投与を含む。
【0065】
特定の実施形態において、本開示は、感染性疾患の処置のための医薬の調製のための本開示の化合物の使用、ならびに感染性疾患の処置のために治療有効量の式(I)の化合物を投与する方法を提供する。
【0066】
いくつかの実施形態では、感染性疾患は、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染、ならびに細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染の処置のための治療有効量の式(I)の化合物を投与する方法である。
【0067】
いくつかの実施形態では、例えば、細菌感染は、炭疽菌、Bacilli、Bordetella、Borrelia、ボツリヌス中毒、Brucella、Burkholderia、Campylobacter、Chlamydia、コレラ、Clostridium、Conococcus、Corynebacterium、ジフテリア、Enterobacter、Enterococcus、Erwinia、Escherichia、Francisella、Haemophilus、Heliobacter、Klebsiella、Legionella、Leptospira、レプトスピラ症、Listeria、ライム病、meningococcus、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Pasteurella、Pelobacter、ペスト、Pneumonococcus、Proteus、Pseudomonas、Rickettsia、Salmonella、Serratia、Shigella、Staphylococcus、Streptococcus、破傷風、Treponema、Vibrio、Yersinia及びXanthomonasから選択される少なくとも1つの細菌によって生じ得る。
【0068】
他の実施形態では、例えば、ウイルス感染は、Adenoviridae、Papillomaviridae、Polyomaviridae、Herpesviridae、Poxviridae、Hepadnaviridae、Parvoviridae、Astroviridae、Caliciviridae、Picornaviridae、Coronoviridae、Flaviviridae、Retroviridae、Togaviridae、Arenaviridae、Bunyaviridae、Filoviridae、Orthomyxoviridae、Paramyxoviridae、Rhabdoviridae,及びReoviridaeから選択される少なくとも1つのウイルスによって生じ得る。特定の実施形態では、ウイルスは、アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミアコンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟体動物ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、及びバナウイルスであってもよい。
【0069】
他の実施形態では、例えば、真菌感染は、鵞口瘡、Aspergillus(fumigatus、niger、など)、Blastomyces dermatitidis、Candida(albicans、krusei、glabrata、tropicalis、など)、Coccidioides immitis、Cryptococcus(neoformans、など)、Histoplasma capsulatum、Mucorales(mucor、absidia、rhizophus)、Paracoccidioides brasiliensis、スポロトリクム症、Sporothrix schenkii、接合菌症、クロモブラストミセス症、ロボミコーシス、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風(piedra pityriasis versicolor)、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、及びリノスポリジウム症から選択され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、例えば、寄生虫感染は、Acanthamoeba、Babesia microti、Balantidium coli、Entamoeba hystolytica、Giardia lamblia、Cryptosporidium muris、Trypanosomatida gambiense、Trypanosomatida rhodesiense、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania mexicana、Leishmania braziliensis、Leishmania tropica、Leishmania donovani、Toxoplasma gondii、Plasmodium vivax、Plasmodium ovale、Plasmodium malariae、Plasmodium falciparum、Pneumocystis carinii、Trichomonas vaginalis、Histomonas meleagridis、Secementea、Trichuris trichiura、Ascaris lumbricoides、Enterobius vermicularis、Ancylostoma duodenale、Naegleria fowleri、Necator americanus、Nippostrongylus brasiliensis、Strongyloides stercoralis、Wuchereria bancrofti、Dracunculus medinensis、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、Schistosoma mansoni、Schistosoma haematobium、Schistosoma japonicum、Fasciola hepatica、Fasciola gigantica、Heterophyes heterophyes、及びParagonimus westermaniから選択される少なくとも1つの寄生虫によって引き起こされ得る。
【0071】
バイオマーカースクリーニング
腫瘍組織のような目的の組織の遺伝子発現プロファイルを得てもよく、遺伝子発現プロファイルに基づいて治療的処置を選択してもよい。言い換えれば、抗腫瘍剤が特定のがんタンパク質を阻害することによって作用する場合、抗腫瘍剤でがんを治療しようと試みる前に特定のがんがそのがん遺伝子を発現するか否かを知ることが望ましい場合がある。特定の遺伝子の発現は、多くの方法で評価され得る。遺伝子転写物のレベルまたはコードされたタンパク質のレベルが決定され得る。タンパク質の存在は、抗体結合、質量分析法及び二次元ゲル電気泳動などの方法によって直接的に、またはタンパク質の活性を検出することによって間接的に決定され、これは生化学的活性または別のタンパク質のレベルもしくは1つ以上の遺伝子の発現のレベルへの影響であってもよい。
【0072】
遺伝子発現の測定には現在、多数の方法論が使用されている。いくつかの実施形態では、これらの方法論は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を利用し、その詳細は、全てがMullisらに対する、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、及び同第4,965,188号(これら全ては、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれている)に示される。他の実施形態では、方法論は、有色蛍光体の固有のストリング(分子バーコードとも呼ばれる)に付着しているDNAのセグメントにハイブリダイズしたプローブによる転写物のデジタル検出を利用する。
【0073】
方法論としてはまた、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH);蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH);免疫組織化学(IHC);及び次世代シークエンシング(NGS)、ならびにDNAレベルを評価する他の分子プロファイリング技術(例えば、ゲノムアレイ)、RNA定量化、プロテオームアッセイなどが挙げられる。
【0074】
本明細書で使用される場合、「シグネチャシグネチャ」とは、定義されたサブセットの遺伝子またはバイオマーカーの発現パターンである。
【0075】
本明細書中で使用される場合、「高免疫シグナル陽性」試料は、細胞傷害性T細胞などの特定の種類の免疫細胞による免疫細胞腫瘍浸潤である。
【0076】
例えば、本明細書に開示されるがんを処置する特定の方法において、この方法は、腫瘍細胞を含む生物学的試料が、VISTA、PD-L1、またはPD-L2などのバイオマーカーを発現する(またはその組織型の正常組織に対して過剰発現する)か否かを決定することを含み得る。同様に、この方法は、生物学的試料が、VISTA陽性、骨髄性シグネチャシグネチャ陽性、ナチュラルキラーシグネチャシグネチャ陽性、及び/または高免疫性シグネチャシグネチャ陽性であるか否かを判定することを含み得る。試験用の試料を採取するために患者の腫瘍を生検してよいが、この試料は、脱落または転移性の腫瘍細胞または核酸を対象の血流中で同定するなど、任意の他の適切な方法で採取してもよい。いくつかの実施形態では、この試料は患者の体内でその場で試験されてもよい。あるいは、この試料は血液試料であってもよく、腫瘍がマーカーを過剰発現しているか否かを決定することは、そのレベルがマーカーの正常な発現の指標であるか、またはマーカーの上昇した発現の指標であるかを決定するために血液試料中のマーカーのレベルを測定することを含み得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、生物学的試料は、VISTA及び免疫系の活性化の他のマーカーの発現上昇を示し得る。例えば、生物学的試料は、特定のシグネチャを示し得、例えば、高度に免疫シグネチャが陽性であり得る。他の実施形態では、特定の遺伝子シグネチャを示す患者を、式(I)の化合物で処置してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、例えばVISTA、PD-L1、及び/またはPD-L2の発現の上昇を示す患者を、その後、本明細書に開示されている化合物で処置してもよい。
【0079】
したがって、本明細書に提供されるのは、対象において免疫応答を調節する方法であって、
a)対象由来の生物学的試料がVISTA、PD-L1、及び/またはPD-L2を過剰発現しているか否かを決定すること;ならびに
b)試料がVISTA、PD-L1、及び/またはPD-L2を過剰発現している場合、本明細書に開示されている式(I)の化合物と対象を接触させること、を含む方法である。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、対象において免疫応答を調節する方法であって、
a)対象由来の生物学的試料がVISTAを過剰発現しているか否かを決定すること;及び
b)試料がVISTAを過剰発現している場合、その対象を本明細書に開示されている式(I)の化合物と接触させること、を含む方法である。
【0081】
いくつかの態様において、この方法は、試料がPD-L1またはPD-L2も過剰発現しているか否かを決定することをさらに含む。他の実施形態では、本明細書に開示の方法は、この試料が免疫系の活性化のマーカーも過剰発現しているか否かを判定することをさらに含む。特定の実施形態では、この試料は1つ以上の腫瘍細胞を含む。
【0082】
遺伝子発現を評価する別の用途は、その遺伝子の活性によって調節される疾患または状態を有する対象にとって、薬物または他の治療剤が有益か否かを判断するためのコンパニオン診断(CDx)ツールの開発にある。CDxは、治療によって影響を受ける遺伝子、遺伝子シグネチャ、またはタンパク質を有する患者のみに薬物の使用を導き得、FDA承認治療において必須の要素となり得る。対象は、疾患、例えば、ある特定のがんに対して有益な効果を及ぼさないであろう薬物を処方されていないことから利益を得、医者が患者基準で患者に療法を仕立てることが可能になる。したがって、偽陽性または陰性の影響を最小限に抑えるためにCDxを分析的及び臨床的に検証することが最も重要である。このため、CDx試験は薬の開発と並行して開発されることがよくある。有効なCDxは、評価されている疾患または状態と、高度でかつ再現性のある相関関係がなければならない。
【0083】
特定の実施形態において、式(I)の化合物を用いて対象における免疫応答を調節する可能性を特定する方法が本明細書において提供され、この方法は:
a)対象から生物学的試料を入手または提供すること;
b)対象試料中のVISTAの量または活性を測定すること;及び
c)測定された量または活性を、対照試料中のVISTAの量または活性と比較することを含み、
ここで、対照試料と比較して対象試料中のVISTAの顕著に増加した量または活性によって、この対象が式(I)の化合物に反応する可能性が高いと同定され、かつ
ここで、対照試料と比較して対象試料中の類似のまたは減少した量または活性のVISTAによって、この対象が式(I)の化合物に反応する可能性が低いと同定される。
【0084】
他の実施形態において、式(I)の化合物を用いて対象における免疫応答を調節する可能性を同定する方法が本明細書において提供され、この方法は:
a)対象から生物学的試料を入手または提供すること;
b)この対象試料中のVISTAの量または活性を測定すること;及び
c)測定された量または活性を対照試料中のVISTAの量または活性と比較することを含み、
ここで、対照試料と比較して対象試料中のVISTAの活性が類似または低下していることにより、この対象は式(I)の化合物に反応する可能性が高いと同定され、かつ
ここで、対照試料と比較して対象試料中の高い量または活性のVISTAによって、対象が式(I)の化合物に反応する可能性が低いと同定される。
【0085】
特定の実施形態では、対照試料は、この対象が式(I)の化合物を投与される前に得られ、この対象試料は対象が式(I)の化合物を投与された後に得られる。
【0086】
特定の実施形態において、生物学的試料は、血清、全血、血漿、尿、細胞(例えば、腫瘍細胞)、細胞株、外科的に切除された腫瘍組織、及び組織生検から選択される。いくつかの実施形態では、この試料は全血または組織生検から選択される。特定の実施形態では、この試料は、対象由来のバイオマーカー、例えばVISTA、PD-L1、及び/またはPD-L2を含む。他の実施形態では、この対象は、バイオマーカーとして特定の遺伝子シグネチャを示す。他の実施形態において、この遺伝子シグネチャはVISTA発現を含む。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載のがんを患っている。いくつかの実施形態において、この方法は、対象が式(I)の化合物に反応する可能性が高いと判断される場合に式(I)の化合物を推奨、処方もしくは投与すること、または対象が式(I)の化合物に反応する可能性が低いと判定された場合、式(I)の化合物以外の療法を施すことをさらに含む。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は、乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、及び腎臓癌から選択されるがんに由来する。
【0087】
特定の実施形態では、対照試料は、対象もしくは患者が属する同じ種のメンバーのいずれか由来の試料、または同じ対象から得られた健康な組織試料でさえある。対照試料は、細胞を含んでもよいし、細胞を含まなくてもよい。この対照試料は、式(I)の化合物に対して応答性または非応答性であることが公知であるがん細胞を含む場合がある。
【0088】
特定の実施形態では、VISTAの量は、タンパク質と特異的に結合する試薬を使用して検出される。特定の実施形態では、この試薬は抗体、抗体誘導体、及び抗体断片から選択される。特定の実施形態では、VISTA発現は、転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の試料中の存在を検出することによって評価される。特定の実施形態では、転写されたポリヌクレオチドは、mRNAまたはcDNAである。特定の実施形態では、検出は、転写されたポリヌクレオチドを増幅することをさらに含む。特定の実施形態では、転写されたポリヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、バイオマーカー核酸またはその一部とアニーリングする核酸を同定することによって検出される。他の実施形態では、バイオマーカーとしての遺伝子シグネチャの検出は、次世代シークエンシング(NGS)、ハイブリダイゼーション、及びデジタル検出を含むがこれらに限定されない方法に基づき得る。例えば、マルチプレックスシーケンシングは、並行シーケンシングと固有のインデックスタグとを使用するNGS法であり、プールされた試料が同時に分析され得る。デジタル検出は、シグナルの相対レベルに頼るのではなく、測定のために個別の単位に依存する。例えば、転写物は、固有の一連の有色フルオロフォア(分子バーコード)に付着しているDNAのセグメントにハイブリダイズしたプローブによって検出され、また試料中の転写物の総数は、特定の分子バーコードが検出される回数を数えることによって定量される。
【0089】
対象におけるVISTAの発現は、量を評価するために使用されるアッセイの標準誤差よりも大きい量だけVISTAの量がそれぞれ正常レベルよりも多いかまたは少ない場合、バイオマーカーの正常量より「有意に」高いかまたは低く、好ましくはその量よりも少なくとも約0.2倍、0.3倍、0.4倍、0.5倍、0.6倍、0.7倍、0.8倍、0.9倍、1倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍大きい。あるいは、対象におけるVISTAの量は、その量が、VISTAの正常な量よりそれぞれ少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも約3倍、4倍、または5倍多いかまたは少ない場合、正常な量よりも「有意に」多いまたは少ないとみなされ得る。そのような「有意性」はまた、発現、阻害、細胞傷害性、細胞増殖などについて、本明細書に記載される任意の測定されたパラメータにも適用され得る。
【0090】
本明細書中で別段の指定がない限り、「抗体」及び「抗体」(複数可)という用語は、広義には、天然に存在する形態の抗体(例えば、IgG、IgA、IgM、IgE)ならびに一本鎖抗体、キメラ抗体及びヒト化抗体などの組換え抗体、及び多価特異的抗体、ならびに前述の全ての断片及び誘導体(これらの断片及び誘導体は少なくとも抗原結合部位を有する)を包含する。抗体誘導体は、抗体にコンジュゲートしたタンパク質または化学部分を含んでもよい。
【0091】
本明細書で使用される「抗体」という用語は、抗体の「抗原結合部分」(または単に「抗体部分」)も含む。本明細書で使用される「抗原結合部分」という用語は、抗原(例えば、バイオマーカーポリペプチドまたはその断片)に特異的に結合する能力を保持している抗体の1つ以上の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片によって発揮され得ることが示されている。
【0092】
「対照」という用語は、試験試料中の発現産物との比較を提供するのに適した任意の参照標準を指す。特定の実施形態では、対照とは、発現産物レベルが検出され、かつ試験試料由来の発現産物レベルと比較される「対照試料」を得ることを含む。そのような対照試料は、既知の結果を有する対照の対象由来の試料(保存された試料であっても、または以前の試料測定物であってもよい)を含むがこれらに限定されない、任意の適切な試料を含んでもよい;対象から単離された正常な組織または細胞、対象から単離された培養された初代細胞/組織、対象の同じ臓器または体の場所から得られた隣接正常細胞/組織、正常対象から単離された組織もしくは細胞試料、または寄託機関から得られる初代細胞/組織。特定の実施形態では、対照とは、ハウスキーピング遺伝子を含むがこれらに限定されない任意の適切な供給源由来の参照標準発現生成物レベル、正常組織(または他の以前に分析した対照試料)からの発現産物レベル範囲、ある群の患者、または特定の転帰を有するかもしくは特定の処置を受けている一連の患者由来の試験試料内の以前に決定した発現産物レベル範囲を含み得る。当業者であれば、そのような対照試料及び参照標準発現産物レベルを、本発明の方法における対照として組み合わせて使用し得ることを理解するであろう。
【0093】
VISTAの「正常な」発現レベルは、免疫応答調節を必要としない、対象、例えばヒト患者の細胞におけるVISTAの発現レベルである。バイオマーカーの「過剰発現」または「有意に高い発現レベル」とは、試験試料中の発現レベルであって、発現を評価するために使用されるアッセイの標準誤差よりも大きく、好ましくは、対照試料(例えば、免疫調節を必要としない健康な対象由来の試料、または同じ対象から得た健康な組織試料からの試料)中のVISTAの発現活性またはレベルの少なくとも約10%、より好ましくは約1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍以上高い試験試料中の発現レベル、ならびに好ましくはいくつかの対照試料中のバイオマーカーの平均発現レベルを指す。バイオマーカーの「有意に低い発現レベル」とは、試験試料中の発現レベルであって、対照試料(例えば、免疫調節の必要のない健常対象由来の試料)中のバイオマーカーの発現レベルの少なくとも約10%、より好ましくは約1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍以上低い、試験試料中の発現レベル、ならびに好ましくはいくつかの対照試料中のバイオマーカーの平均発現レベルを指す。
【0094】
VISTA遺伝子の存在またはレベルを検出または決定するために使用される「試料」という用語は、典型的には全血、血漿、血清、唾液、尿、便(例えば、糞)、涙、及び任意の他の体液(例えば、「体液」の定義の下で上記されるとおり)、または小腸、結腸試料、もしくは外科的切除組織などの組織試料(例えば生検)である。いくつかの実施形態において、開示された方法はさらに、VISTA遺伝子の存在またはレベルを検出または決定する前に、対象から試料を入手することを含む。
【0095】
投与方法
本開示の化合物は、単一薬物として使用(単剤療法)しても、または1つ以上の他の薬剤と組み合わせて使用(併用療法)してもよい。化合物は単独で使用されてもよいし、または好ましくは化合物が1つ以上の薬学的に許容される材料と混合されている薬学的組成物中で使用されてもよい。
【0096】
薬学的組成物は、経口または吸入経路によって投与されても、または非経口投与経路によって投与されてもよい。例えば、組成物は、経口的に、静脈内注入によって、局所的に、腹腔内に、膀胱内に、髄腔内に、または坐剤として投与されてもよい。非経口投与の例としては、限定するものではないが、関節内(関節中)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、及び皮下経路が挙げられる。適切な液体組成物は、水性または非水性の等張滅菌注射溶液であってもよく、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び処方物を意図するレシピエントの血液と等張にさせる溶質、ならびに水性及び非水性の滅菌懸濁液(懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び保存剤を含み得る)を含んでもよい。経口投与、非経口投与、皮下投与及び静脈内投与が、好ましい投与方法である。
【0097】
本開示の化合物の投与量は、患者の年齢、体重、または症状、ならびに化合物の効力または治療効果、投与計画及び/または治療時間に応じて変わる。一般には、適切な投与経路としては、例えば、経口、点眼、直腸、経粘膜、局所または腸内投与;非経口送達、例としては、筋肉内、皮下、髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注射が挙げられる。本開示の化合物は、1回の投薬計画あたり0.5mgまたは1mgから最大500mg、1gまたは2gまでの量で投与され得る。この投与量は、週に1回、3日に1回、2日に1回、1日に1回、1日に2回、1日に3回、またはさらに頻繁に投与されてもよい。代替の実施形態では、特定の成人において、この化合物は、内科医によって指定された期間、静脈内投与によって連続的に投与され得る。投与量は様々な条件によって影響を受けるので、考えられる投与量範囲より少ない量または多い量を、特定の場合には実施してもよい。医師は、治療的処置を受けている患者に適切な用量を容易に決定し得る。
【0098】
併用療法
本開示の化合物は、(1)式(I)の化合物の効果を補完及び/または増強するために、(2)式(I)の化合物の薬力学を調節するか、吸収を改善するか、または投与量を減らすために、及び/または(3)式(I)の化合物の副作用を軽減または改善するために、1つ以上の他の薬物と組み合わせて投与されてもよい。本明細書で使用される場合、「併用投与」という句は、以前に投与された治療用化合物が依然として体内で有効である間に第2の化合物が投与されるような、2つ以上の異なる治療用化合物の任意の投与形態を指す(例えば、2つの化合物は、患者で同時に有効であり、これには2つの化合物の相乗効果を含み得る)。例えば、異なる治療用化合物は、同じ製剤でも、または別々の製剤のいずれでも、同時でも、または順次でもいずれで投与されてもよい。特定の実施形態では、異なる治療用化合物を互いに1時間、12時間、24時間、36時間、48時間、72時間以内、または1週間以内に投与してもよい。したがって、そのような処置を受ける個体は、異なる治療化合物の複合効果から利益を得てもよい。それぞれの化合物は、同じまたは異なる経路によって投与され、及び同じまたは異なる方法によって投与されてもよい。いくつかの実施形態では、併用療法の併用効果は、免疫効果を通して検出可能である。
【0099】
他の薬物の投与量は、臨床的に使用されている投与量であってもよいし、または本開示の化合物と組み合わせて投与される場合、投与量が有効であるように変更された投与量であってもよい。本開示の化合物と他の薬物との比は、投与されるべき対象の年齢及び体重、投与方法、投与時間、処置されるべき障害、症状及びそれらの組み合わせによって変化し得る。例えば、他の薬物は、本開示の化合物の1質量部に対して、0.01~100質量部の量で使用してもよい。
【0100】
併用療法は、本明細書で論じられる任意の疾患を処置するために採用してもよい。特定の実施形態において、本開示の式(I)の化合物は、別の治療剤、例えば抗がん剤、抗ウイルス剤、サイトカインまたは免疫アゴニストと一緒に投与されてもよい。いくつかの実施形態において、他の治療剤は、CTLA-4アンタゴニスト、PD-1アンタゴニスト、PD-L1アンタゴニスト、またはPD-L2アンタゴニスト、及びEGFRアンタゴニストから選択される。
【0101】
併用療法のための薬剤
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、別の治療剤、例えば、以下と一緒に投与されてもよい、
1)アルドステロンシンターゼ阻害剤;
2)ALK阻害剤;アポトーシス誘導剤;
3)アロマターゼ阻害剤;
4)CART細胞(例えば、CD19を標的とするCART細胞);
5)BCR-ABL阻害剤;
6)BRAF阻害剤;
7)CDK4/6阻害剤;
8)CEACAM(例えば、CEACAM-1、-3及び/または-5)阻害剤;
9)c-KIT阻害剤;
10)c-MET阻害剤;
10)cRAP阻害剤;
11)CTLA4阻害剤;
12)シトクロムP450阻害剤(例えば、CYP17阻害剤);
13)EGF阻害剤;
14)ERK1/2ATP阻害剤;
15)FGF阻害剤(例えば、FGFR2またはFGFR4阻害剤);
16)Flt3阻害剤(例えば、FLK2/STK1);
17)P-糖タンパク質1阻害剤;
18)HDAC阻害剤;
19)HDM2阻害剤;
20)HER3阻害剤;
21)ヒスタミン遊離阻害剤;
22)HSP90阻害剤;
23)IAP阻害剤;
24)IDH阻害剤;
25)IDO阻害剤;
26)IGF-1R阻害剤;
27)鉄キレート剤;
28)ヤヌス阻害剤;
29)LAG-3阻害剤;
30)M-CSF阻害剤;
31)MEK阻害剤;
32)mTOR阻害剤;
33)p53阻害剤(例えば、p53/Mdm2相互作用の阻害剤);
34)PDGFRβ阻害剤;
35)PKC阻害剤;
36)PI3K阻害剤;
37)PIM阻害剤;
38)PRLR阻害剤;
39)RafキナーゼC阻害剤;
40)平滑化(SMO)受容体阻害剤;
41)ソマトスタチンアゴニスト及び/または成長ホルモン放出阻害剤;
42)形質導入モジュレーター及び/または血管新生阻害剤;
43)VEGFR-2阻害剤(例えば、FLK-1/KDR);
44)チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、CSF-1Rチロシンキナーゼ);
45)Wntシグナル伝達阻害剤
46)Bcl-2阻害剤;
47)Mcl-1阻害剤;
48)BTK阻害剤;
49)CUDC-907(二重PI3K/HDAC阻害剤)のような二重活性分子;ならびに
50)BETブロモドメイン阻害剤。
【0102】
本明細書に開示されている化合物及び組成物との併用投与に適したさらなる治療剤は、例えば、以下の刊行物に記載されている:WO2016/100882;WO2016/054555;WO2016/040892;WO2015/097536;WO2015/088847;WO2015/069770;WO2015/026634;WO2015/009856;欧州特許第1377609号B1;Antonia et al.,Clin.Cancer Res.2014 20:6258-6268;及びMelero,et al.,Nature Reviews Cancer2015 15:457-472。各刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0103】
例えば、がんの処置に関する本開示の方法において、本開示の化合物は、単一の薬学的組成物として、または異なる薬学的組成物の組み合わせとして別の化学療法剤と一緒に使用されてもよい。化学療法剤の非限定的な例としては、アルキル化剤、ニトロソ尿素剤、代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物由来アルカロイド、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン薬、ホルモン拮抗剤、白血球減少症(好中球減少症)治療薬、血小板減少症治療薬、抗嘔吐剤、アロマターゼ阻害剤、P-糖タンパク質阻害剤、白金錯体誘導体、他の免疫療法薬及び他の抗がん剤が挙げられる。
【0104】
共同して投与され得る例示的な細胞傷害剤としては、抗微小管剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗物質、分裂抑制剤、アルキル化剤、アントラサイクリン、ビンカアルカロイド、挿入剤、シグナル伝達経路を妨害し得る薬剤、アポトーシス促進剤、プロテオソーム阻害剤、及び放射線(例えば、局所または全身照射)が挙げられる。
【0105】
追加の治療剤の非限定的な例としては、限定するものではないが、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、核酸分子、低分子、模倣剤、合成薬、無機分子、及び有機分子が挙げられる。
【0106】
薬学的組成物は、以下を含んでもよいし、または併用療法は他の適合剤、例えば、以下を含んでもよい:化学療法剤、サイトカイン療法、インターフェロン療法(例えば、インターフェロン-α、β、またはγ;インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-m;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;及びインターフェロンγ-Ib)、インターロイキン治療(例えば、IL-1、IL-2、IL-2Rβ、IL-2Rγ、IL-3、IL-7、IL7Rα、IL-11、IL-12、IL-15、及びIL-21)、分化クラスター(CD)タンパク質(例えば、CD2、CD4、CD7、CD8α、CD8β、CD11a/CD18、CD11b、CD11c、CD11d、CD18、CD19、CD19a、CD20、CD27、CD28、CD29、CD30、CD40、CD40L、CD49a、CD49D、CD49f、CD69、CD84、CD96、CD100、CD103、CD137、CD160、CD226、CD229、CD278)同時刺激調節因子、例えば、MHCクラスI分子のアゴニスト(例えば、アゴニスト抗体もしくはその抗原結合断片、または可溶性融合体)、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、Tollリガンド受容体、CD83リガンド、サイトカイン受容体、インテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、活性化NK細胞受容体、抗体療法、ウイルス療法、遺伝子療法またはそれらの組み合わせ。
【0107】
本開示の化合物と一緒に投与され得る化学療法剤及び他の治療剤としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:アビラテロン、アブラキサン、アセグラトン、アシビシン、アクラシノマイシン、アクチミド、アクチノマイシン、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アルドホスファミドグリコシドアレクチニブ、アレンドロネート、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アミノプテリン、アムサクリン、アナストロゾール、アンシタビン、アンギオスタチン、アンギオザイム(angiozyme)、アングイジン、アンサマイトシン、アントラマイシン、アンチトロンビンIII、アパチニブ、アラビノシド、アルボプラチン、アスパラギナーゼ、オースラマイシン(authramycin)、アキシチニブ、アザシチジン、アザセリン、アゼテパ、アゾトマイシン、6-アザウリジン、バリシチニブ、バチマスタット、ベンダムスチン、ベニメチニブ、ベンゾドーパ、ベストラブシル、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレキナール、ブリバニブ、ブリオスタチン、ブロピリミン、ブラタシン、ブラタシノン、ブセレリン、ブスルファン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カリスタチン、カルステロン、カルミノマイシン、カンポテシン、カペシタビン、カラビシン、カルボプラチン、カルボキノン、カルフィルゾミブ、カルモフール、カルムスチン、カルビシン、カルゼレシン、カルジノフィリン、セデフィンゴール、セジラニブ、クロマファジン、クロラムブシル、クロロキン、クロロゾトシン、クロロホスファミド、クロモマイシン、シロレマイシン、シスプラチン、シスジクロロジアミン白金(II)、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コビメチニブ、コルヒチン、クリスナトール、クリゾチニブ、クリプトフィシン1、クリプトフィシン8、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、サイトカラシンB、シトシンアラビノシド、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダノプレビル、ダサチニブ、ジアジクオン、ジブロモマンニトール、ダウノルビシン、デシタビン、デフォファミン(defofamine)、デガレリクス、1-デヒドロテストステロン、デランゾミブ、デメコルシン、デメトキシビリジン、デニロイキン、デネニコキン、デノプテリン、デサセチルラビドマイシン、デトルビシン、デキサメタゾン、デクスオルマプラチン、デザグアニン、ジアジクオン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ジクロロアセテート、ジデオキシウリジン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ジフチトクス、ジフルオロメチロミチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ジナシクリブ、ドセタキセル、ドラスタチン、ドビチニブ、ドキシフルリジン、ドキソルユビシン、ドキシサイクリン、ドロロキシフェン、ドロモスタノロン、デユアゾマイシン(duazomycin)、デュオカルマイシン、ジネミシン、エダトレキサート、エフロミチン、エリプチニウムアセテート、エレウテロビン(eleutherobin)、エメチン、エムシロムス、エンコラフェニブ、エンロプラチン、エノシタビン、エンプロメート、エピプロピジン、エピルビシン、エピチロン、エピチオスタノール、エルブロゾール、エリスモデギブ、エルロチニブ、エソルビシン、エスペラミシン、エストラジオール、エストラムスチン、エタニダゾール、エチジウムブロマイド、2-エチルヒドラジド、エチドロネート、エトグルシド、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルロシタビン、フルタミド、フォレチニブ、フォルメスタン、ホスキドン、フォテムスチン、フロリン酸、ガシトシン、硝酸ガリウム、ガルニセルチブ、ガンドチニブ、ゲフィチニブ、ゲルダナマイシン、ゲムシタビン、ゲニステイン、グルココルチコイド、ゴセレリン、グラミシジンD、ハービマイシン、ヒルトノール、4-ヒドロキシタモキシフェン、ヒドロキシウレア、イバンドロネート、イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インドキシモド、インターフェロン、イプロプラチン、イリノテカン、イロノテカン、イキサゾミブ、ケオキシフェン、ラハーパレプベック、ラメオチド、ラパチニブ、レナリドミド、レスタウルチニブ、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、レンチナン、レバミゾール、リアロゾール、リドカイン、リニファニブ、ロメテレキソ(lometrexo)、ロムスチン、ロニダミン、ロソキサントロン、マルセロマイシン、マリゾミブ、マシチニブ、マソプロコール、メイタンシン、メイタンシノール、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、マンノムスチン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メレンゲストロール、メノガリル、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メスナ、メトホルミン、メトトレキサート、メトプリン、メツレドーパ、ミトラマイシン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトスペル、ミトタン、ミトキサントロン、モメロチニブ、モンタニド、モピダモール、モテサニブ、モトリモド、ミコフェノール酸、マイロターグ、nab-パクリタキセル、ナベルビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニルタミド、ニムスチン、ニトラクリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、ノバントロン、ノベンビチン(novembichin)、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オリボマイシン、オナプリストン、オルマプラチン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリチニブ、パルボシクリブ、パミドロネート、パンクラチスタチン、パノビノスタット、パゾパニブ、ペガプタニブ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンα-2b、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントスタチン、N4-ペントキシカルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、ペプロマイシン、ペリホシン、フェナメット、フェネステリン、ピマセルチブ、ピポブロマン、ピポスルファン、ピラルビシン、プリカマイシン、ポドフィリン酸、ポリフェプロサン、ポマリドマイド、ポルフィマー、ポルフロマイシン、ポトフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカイン、プロカルバジン、プロプラノロール、プテロプテリン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ラルチトレキセド、ラロキシフェン、ラニムスチン、ラパマイシン、ラビドマイシン、ラゾキサン、レゴラフェニブ、リセドロネート、レシキモド、リツキシマブ、ロドルビシン、ログレチミド、ロリジン、ルキソリチニブ、サフィンゴール、サルコジクチン(sarcodictyin)、セルメチニブ、セマキサニブ、セムスチン、シマピモド(simapimod)、シムトラゼン、シロリムス、シゾフィラン、ソラフェニブ、スファルフォセート(sparfosate)、スパルソマイシン、スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、スポンギスタチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、スニチニブ、スラミン、タリソマイシン、タモキシフェン、タリモジーン、タソシチニブ、タキソール、テガフール、テラチニブ、テロキサントロン、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テヌアゾン酸、テロキシロン、テストラクトン、テストステロン、テトラカイン、テザシチビン、サリドマイド、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チルドロネート、チラパザミン、チタノセン、チボザニブ、トセラニブ、トファシチニブ、トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000、トポテカン、トレミフェン、トザセルチブ、トラメチニブ、トラスツズマブ、トリアジクオン、トレチノイン、2、2’、2”-トリクロロトリエチルアミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリロスタン、トリメチロールメラミン、トリメトレキセート、トリプトレリン、トロホスファミド、ツベルシジン、ツビザニブ(tuvizanib)、ウラシル・マスタード、ウベニメクス、ウレドーパ、ウレタン、バンデタニブ、バプレオチド、バルガテフ(vargatef)、バタラニブ、ベムラフェニブ、ベルラクリン、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネピジン、ビングリシナート、ビンロイロシン、ビノレルビン、ビンロシジン、ビンゾリジン、ボロゾール、ビスモデギブ、ゼローダ、ザクティマ、ゼニプラチン、ジノスタチン、Ziv-アフィリベルセプト、ゾレドロネート及びゾルビシン。
【0108】
特定の実施形態では、例示的な化学療法剤としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:サイトカイン、例えば、ABT-869、ACP-196、ADXS11-001、ADXS31-142、AEE788、AG-490、AM0010、AMN-107、AMP-224、AMP-514、AP24534、ARRY-142886、AST-6、AZD1480、AZD4547、AZD6094、AZD6244、AZD8055、AZD9291、B7-H3、BAFFR、4-1BB、BEZ235、BGT 226、BHG712、BIBF 1120、BIBW2992、BIX 02188、BJG398、BKM-120、BMS-599626、BMS-690154、BMS-777607、BMS-911543、BMS-936558、BMS-936559、BMS-986016、BRAF-V600E、BTLA、BUW078、BYL719、CAL-101、CAL-263、CBI-TMI、CC-1065、CC-4047、CC-5013、CDS、CDX-1127、CEACAM1、CEP-701、CEP-11981、CGM097、Chi Lob 7/4、CI-1040、CO-1686、CP-673451、CP-870,893、CpG 7909、CPT-11、CRTAM、CT-011、CTL019、CTLA-4、CUDC-101、CYC116、CYT 387、DCC-2036、DNAM1、E6201、E7080、EGF816、FOLFOX6、G02443714、G-38963、GADS、GC1008、G-CSF、GDC-0032、GDC-0973、GDC-0980、GITR、GM-CSF、GR-MD-02、GSK1059615、GVAX、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM-1、ICOS、IMC-TR1、IMP321、INC280、INC424、INCB18424、INCB024360、INCB028050、IPH2012、IPI926、IRX-2、ISA 51VG、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB1、ITGB2、ITGB7、JNJ-26483327、Ki8751、KIRDS2、KU-0063794、KW-289LAT、LBH589、LCL161、LGH447、LTBR、LDK378、LEE011、LGX818、LIGHT、LJM716、LY117018、LY2157299、LY294002、LY2940680、M-CSF、MARTI、MDX-1105、MDX-1106、MEDI0562、MEDI4736、MEDI4737、MEDI6383、MEDI6469、MEK162、MG-132、MGCD265、MK-3475、MK-4166、MM-121、MOXR0916、MP470、MPDL3280A、MSB-0010718C、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、NY-ESO-1、ODC-0879、ODC-0980、ONX-0912、ODC-0941、OSI-027、OSI-930、OSK-1120212、OSK 2118436、OSK 2126458、OX40、P529、PAG/Cbp、PD153035、PD173074、PD0325901、PF-299804、PF-02341066、PF-04217903、PF-046915032、PF-05082566、PD98059、Poly(I:C)、PKI-587、PLX4032、PLX4720、PSGL1、PSK、PX-886、Rad-001、RAF265、rHIgM12B7、R07204、RO4987655、RO6895882、RO7009789、SAR 245408、SAR 245409、SB-1317、SB-1518、SB-1578、SELPLG、SF1126、SGX523、SLAM、SLAMF4、SLAMF6、SLAMF7、SLAML_BLAME、SLP-76、SU 5402、T2毒素、TEW 7197、TGN1412、TNFR2、TRANCE/RANKL、TriMix-DC、TRP-2、TRX518、TSU-68、VLA1、VLA-6、WYE-354、WZ3146、WZ4002、WZ8040、XL-147、XL-184、XL-228、XL-281、XL-647、XL-756、XL-765、XL-880、イットリウム90/MX-DTPA、及びYW243.55.S70。
【0109】
本明細書に開示される化合物と併用して使用され得る例示的なパクリタキセル剤としては、限定するものではないが、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(Abraxis Bioscienceによって市販されているABRAXANE)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA-パクリタキセル、Protargaから市販のTaxoprexin)、ポリグルタメート結合パクリタキセル(PG-パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメックス、CT-2103、XYOTAX、Cell Therapeuticが市販)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)、ANG105(3分子のパクリタキセルに結合したAngiopep-2、ImmunoGenから市販))、パクリタキセル-EC-1(erbB2認識ペプチドEC-1に結合したパクリタキセル;Li et al.,Biopolymers(2007)87:225-230を参照のこと)、及びグルコース結合パクリタキセル(例えば、2’-パクリタキセルメチル2-グルコピラノシルサクシネート、Liu et al.,Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters(2007)17:617-620を参照のこと)が挙げられる。
【0110】
特定の実施形態において、例示的な化学療法剤としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:
1)(S)-N-((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(4-(4-フルオロベンゾイル)チアゾール-2-イル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル))-2-(メチルアミノ)プロパンアミド;
2)((1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-12-{(1R)-2-[(1S,3R,4R)-4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メトキシシクロヘキシル]-1-メチルエチル}-19,30-ジメトキシ-15,17,21,23,29,35-ヘキサメチル-11,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-2,3,10,14,20-ペンタオン);
3)(S)-1-(4-クロロフェニル)-7-イソプロポキシ-6-メトキシ-2-(4-{メチル-[4-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)-トランス)-シクロヘキシルメチル]-アミノ}フェニル)-1,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-3オン;
4)N-(4-((1R,3S,5S)-3-アミノ-5-メチルシクロヘキシル)ピリジン-3-イル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロピコリンアミド;
5)米国特許第8,735,551号に記載されているように、配列番号141のVH及び配列番号140のVLを含む、抗HER3モノクローナル抗体またはその抗原結合断片;
6)(E)-N-ヒドロキシ-3-(4-(((2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド;
7)(3R)-3-シクロペンチル-3-[4-(7H-ピロロ-[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]プロパンニトリル;及び/または
8)8-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-キノキサリン-5-カルボン酸(4-ジメチルアミノメチル-1H-イミダゾール-2-イル)-アミド。
【0111】
他の実施形態では、例示的な化学療法剤としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:
1)3-(1H-インドール-3-イル)-4-[2-(4-メチル-1-ピペラジニル)-4-キナゾリニル]-1H-ピロール-2,5-ジエン;
2)5-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)-N-エチル-4-(4-(モルホリノメチル)フェニル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
3)2-メチル-2-(4-(3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)フェニル)プロパンニトリル(ダクトリシブ);
4)化合物D(CYP17阻害剤);
5)4-[3,5-ビス(2-ヒドロキシフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-安息香酸(デファシロックス);
6)4,4’-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチレン)ビス-ベンゾニトリル(レトロゾール);
7)(4S,5R)-3-(2’-アミノ-2-モルホリノ-4’-(トリフルオロメチル)-[4,5’-ビピリミジン]-6-イル)-4-(ヒドロキシメチル)-5-メチルオキサゾリジン-2-オン;
8)(S)-5-(5-クロロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-(2,4-ジメトキシピリミジン-5)-イル)-1-イソプロピル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-d]イミダゾール-4(1H)-オン;
9)4-[(4-メチル-1-ピペラジニル)メチル]-N-[4-メチル-3-[[4-(3-ピリジニル)-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-メタンスルホネート-ベンズアミド;
10)4-[(R)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-5-イル]-3-フルオロベンゾニトリル(オシロドロスタット);
11)N-[6-[(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-モルホリニル]-3-ピリジニル]-2-メチル-4’(トリフルオロメトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキサミド、二リン酸塩(ソニデギブリン酸塩);
12)(R)-2-(5-(4-(6-ベンジル-4,5-ジメチルピリダジン-3-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル)ピラジン-2-イル)プロパン-2-オール;
13)化合物M(PRLRに対するヒトモノクローナル抗体);
14)2-(2’、3-ジメチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)-N-(5-(ピラジン-2-イル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
15)7-シクロペンチル-N,N-ジメチル-2-((5-((1R,6S)-9-メチル-4-オキソ-3,9-ジアザビシクロ[4.2.1]ノナン-3-イル))ピリジン-2-イル)アミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-カルボキサミド;
16)化合物P(FGFR2及び/またはFGFR4抗体薬物コンジュゲート、mAb12425);
17)化合物Q(M-CSFに対するFabのモノクローナル抗体);
18)N-[(9S,10R,11R,13R)-2,3,10,11,12,13-ヘキサヒドロ-10-メトキシ-9-メチル-1-オキソ-9,13-エポキシ-1H,9H-ジインドロ[1,2,3m]ピロロ[3,4-j][1,7]ベンゾジアゾニン-11-イル]-N-メチル-ベンズアミド(ミドスタウリン);
19)1-メチル-5-((2-(5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン;
20)シクロ((4R)-4-(2-アミノエチルカルバモイルオキシ)-L-プロリル-L-フェニルグリシル-D-トリプトフィル-L-リシル-4-0-ベンジル-L-チロシル-L-フェニルアラニル-)(パシレオチドジアスパルテート);
21)1-アミノ-5-フルオロ-3-[6-(4-メチル-1-ピペラジニル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-2(1H)-キノリノン(ドビチニブ);
22)8-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(4-ピペラジン-1-イル-3-トリフルオロメチル-フェニル)-1,3-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
23)N6-(2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-N4-(2-(イソプロピルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン;
24)3-(4-(4-((5-クロロ-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-5-フルオロ-2-メチルフェニル)ピペリジン-1-イル1)チエタン 1,1-ジオキシド;
25)5-クロロ-N2-(2-フルオロ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)フェニル)-N4-(5-メチル-1H)-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
26)5-クロロ-N2-(4-(1-エチルピペリジン-4-イル)-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N4-(5-メチル-1Hピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
27)6-[(2S,4R,6E)-4-メチル-2-(メチルアミノ)-3-オキソ-6-オクテン酸]シクロスポリンD.Amdray,PSC833,[3’-デスオキシ-3’-オキソ-MeBmt]1-[Val]2-シクロスポリン(valspodar);
28)N-(4-クロロフェニル)-4-(4-ピリジニルメチル)-1-フタラジンアミンサクシネート(バタラニブサクシネート);
29)化合物CC(IDH阻害剤);
30)(R)-N-(4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル)-6-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ニコチンアミド;
31)化合物EE(cRAF阻害剤);
32)化合物FF(ERK1/2ATP競合阻害剤);及び
33)4-((2-(((1R,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド。例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられるWO2016/100882を参照のこと。
【0112】
特定の実施形態では、共同投与のための例示的な治療剤は、モノクローナル抗体またはその断片である(例えば、Bolliger(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448;Poljak(1994)Structure 2:1121-1123を参照のこと)。これらの治療用モノクローナル抗体及び/またはその断片としては、限定するものではないが、抗LAG-3モノクローナル抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗PD-L2抗体、抗TIM-3抗体、抗CTLA-4抗体、抗TIGIT抗体、抗OX40抗体、抗GITR抗体、アダリムマブ、アファチニブ、アフツズマブ、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アキシチニブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブ、セツキシマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、デュルバルマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、フォスタマチニブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、ランブロリズマブ、ラパチニブ、レンバチニブ、リリルマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ムブリチニブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペガプタニブ、ペムブロリズマブ、ペルツズマブ、ピジリズマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トシツモマブ-I-13、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ウレルマブ、ウステキヌマブ、及びバルリルマブが挙げられる。
【0113】
併用療法はまた、二重特異性抗体の投与を含み得る。二重特異性抗体は、2つの別々の抗原を標的とするために使用され得る。例えば、抗Fc受容体/抗腫瘍抗原(例えば、Her-2/neu)二重特異性抗体は、マクロファージを腫瘍部位に標的化するために使用されてきた。この標的化は、腫瘍特異的応答をより効果的に活性化し得る。これらの応答のT細胞アームは、PD-1遮断の使用によって増強されるであろう。あるいは、抗原は、腫瘍抗原に結合する二重特異性抗体及び樹状細胞特異的細胞表面マーカーの使用によってDCに直接送達され得る。
【0114】
宿主の免疫応答性を活性化するために使用され得る他の抗体は、本明細書に記載される併用療法と組み合わせて使用され得る。これらとしては、樹状細胞の表面上で、DC機能及び抗原提示を活性化する分子が挙げられる。抗CD40抗体は、T細胞ヘルパー活性を効果的に代用し得(Ridge,J.et al.(1998)Nature 393:474-478)、PD-1抗体と組み合わせて使用されてもよい(Ito,N.et al.(2000)Immunobiology 201(5)527-40)。T細胞同時刺激分子、例えば、CTLA-4(例えば、米国特許第5,811,097号)、OX-40(Weinberg,A.et al.,(2000)Immunol164:2160-2169)、4-1BB(Melero,I et al.(1997)Nature Medicine 3:682-685(1997)、及びICOS(Hutloff,A.et al.(1999)Nature 397:262-266)に対する抗体もまた、T細胞活性化のレベル増大を提供し得る。
【0115】
本明細書に記載の組成物及び併用方法における使用に適した免疫調節剤及び治療法としては、限定するものではないが、抗T細胞受容体抗体、例えば、抗CD3抗体(例えば、Nuvion(Protein Design Labs)、OKT3(Johnson&Johnson)、または抗CD20抗体リツキサン(IDEC))、抗CD52抗体(例えば、CAMPATH 1H(Ilex))、抗CD11a抗体(例えば、Xanelim(Genentech));抗サイトカインまたは抗サイトカイン受容体抗体、ならびにアンタゴニスト、例えば、抗IL-2受容体抗体(Zenapax(Protein Design Labs))、抗IL-6受容体抗体(例えば、MRA(Chugai))、及び抗IL-12抗体(CNT01275(Janssen))、抗TNFアルファ抗体(Remicade(Janssen))またはTNF受容体アンタゴニスト(Enbrel(Immunex))、抗IL-6抗体(BE8(Diaclone)及びシルツキシマブ(CNT032(Centocor))、及び腫瘍関連抗原に免疫特異的に結合する抗体(例えば、トラスツジマブ(Genentech))が挙げられる。
【0116】
本明細書に開示される併用療法は、がん性細胞、精製腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、及び炭水化物分子を含む)、細胞、及び免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞などの免疫原性因子とさらに組み合わせてもよい(He et al.,(2004)J.Immunol.173:4919-28)。用いられ得る腫瘍ワクチンの非限定的な例としては、黒色腫抗原のペプチド、例えば、gp100のペプチド、MAGE抗原、Trp-2、MARTI及び/またはチロシナーゼ、またはサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞が挙げられる。
【0117】
本明細書中に開示される化合物を、腫瘍において発現される組換えタンパク質及び/またはペプチドの収集物と共に使用して、これらのタンパク質に対する免疫応答を生じさせてもよい。これらのタンパク質は通常、免疫系によって自己抗原と見なされ、したがってそれらに対して寛容である。腫瘍抗原としてはまた、染色体のテロメアの合成に必要とされ、85%を超えるヒトがんにおいて、また限られた数の体細胞組織においてのみ発現されるタンパク質テロメラーゼも挙げられ得る(Kim,Net al.,(1994)Science 266:2011-2013)。(これらの体組織は、さまざまな方法で免疫攻撃から保護され得る)。腫瘍抗原はまた、タンパク質配列を変化させるか、または2つの無関係の配列間の融合タンパク質(すなわち、フィラデルフィア染色体におけるbcr-abl)もしくはB細胞腫瘍由来のイディオタイプを生み出す体細胞変異のため、がん細胞において発現される「ネオ抗原」でもあり得る。
【0118】
本明細書に開示されている化合物は、ワクチン接種プロトコルと組み合わされ得る。腫瘍に対するワクチン接種のための多くの実験的戦略が考案されている(Rosenberg,S.,2000,Development of Cancer Vaccines,ASCO Educational Book Spring:60-62;Logothetis,C.,2000,ASCO Educational Book Spring:300-302;Khayat,D.2000,ASCO Educational Book Spring:414-428;Foon,K.2000,ASCO Educational Book Spring:730-738を参照のこと;また,Restifo,N. and Sznol,M.,Cancer Vaccines,Ch.61,pp.3023-3043 in DeVita,V.et al.(ed.),1997,Cancer:Principles and Practice of Oncology,Fifth Editionも参照のこと)。これらの戦略の一つにおいて、ワクチンは、自己由来または同種異系の腫瘍細胞を用いて調製される。これらの細胞ワクチンは、腫瘍細胞がGM-CSFを発現するように形質導入されたときに最も効果的であることが示されている。GM-CSFは、腫瘍ワクチン接種のための抗原提示の強力な活性化因子であることが示されている(Dranoff et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:3539-43)。いくつかの実施形態では、悪性形質細胞によって産生される免疫グロブリンイディオタイプによるワクチン接種が使用される。他の治療用ワクチンとしては、限定するものではないが、sipuleucel-T、gp100ワクチン、HPV-16ワクチン接種、及びGVAX膵臓ワクチンが挙げられる。
【0119】
他の腫瘍ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)、カポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)及び黒色腫における優先的発現抗原(Preferentially Expressed Antigen In Melanoma)(PRAME)などの、ヒトがんに関与するウイルス由来のタンパク質を含んでもよい。特定の実施形態では、ワクチンは、ウイルスベクターワクチン、細菌ワクチン、細胞ベースのワクチン、DNAワクチン、RNAワクチン、ペプチドワクチン、またはタンパク質ワクチンから選択される。例えば、Jeffrey Schlom、”Therapeutic Cancer Vaccines:Current Status and Moving Forward”,J Natl Cancer Inst;104:599-613(2012)を参照のこと。PD-1遮断と組み合わせて使用され得る腫瘍特異的抗原の別の形態は、腫瘍組織自体から単離された精製熱ショックタンパク質(HSP)である。これらの熱ショックタンパク質は、腫瘍細胞由来のタンパク質の断片を含み、これらのHSPは、腫瘍免疫を引き出すための抗原提示細胞への送達において非常に効率的である(Suot,R&Srivastava,P(1995)Science 269:1585-1588;Tamura,Y. et al.(1997)Science 278:117-120)。
【0120】
本明細書に開示されている化合物と一緒に施され得る例示的な薬剤としては、治療用がんワクチンまたは養子T細胞療法が挙げられる。特定の実施形態では、治療用がんワクチンは、樹状細胞ワクチンである。樹状細胞ワクチンは、自己樹状細胞及び/または同種異系の樹状細胞から構成され得る。特定の実施形態では、自己または同種異系の樹状細胞は、対象への投与前にがん抗原が負荷されている。特定の実施形態では、自己または同種異系の樹状細胞に腫瘍への直接投与を通してがん抗原を負荷する。特定の実施形態において、養子T細胞療法は、自己由来及び/または同種異系のT細胞を含む。特定の実施形態では、自己及び/または同種異系T細胞は、腫瘍抗原に対して標的化されている。
【0121】
特定の実施形態において、がんワクチンの非限定的な例としては、腫瘍細胞ワクチン、抗原ワクチン、樹状細胞ワクチン、DNAワクチン、及びベクターベースのワクチンが挙げられる。抗原ワクチンは、ペプチドなどの1つ以上の抗原を使用することによって免疫系をブーストする。各腫瘍タイプは、特定の抗原プロファイルによって識別され得るので、抗原ワクチンは、特定のタイプのがんに特異的である可能性がある。樹状細胞ワクチンは、自己由来のワクチンである場合が多く、しばしば各対象について個別に作製されなければならない。樹状ワクチンの非限定的な例は、Sipuleucel-T及びDCvaxである。DNAワクチンを調製するために、ベクターは、DNAを細胞に取り込ませる、対象に注射可能な特定のDNAを含むように操作してもよい。細胞が一旦、DNAを取り込めば、DNAは、特定の抗原を作るように細胞をプログラムし、次にこれにより、所望の免疫応答が引き起こされ得る。
【0122】
膵臓癌
膵臓癌の処置のために本明細書に開示される化合物と一緒に使用され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、TAXOL、アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤(例えば、ABRAXANE)またはリポソームパクリタキセル製剤;ゲムシタビン(例えば、ゲムシタビン単独、またはAXP107-11と組み合わせた);他の化学療法剤、例えば、オキサリプラチン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ルビテカン、エピルビシン塩酸塩、NC-6004、シスプラチン、ドセタキセル(例えば、TAXOTERE)、マイトマイシンC、イホスファミド;インターフェロン;チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ);HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ);二重キナーゼ阻害剤(例えば、ボスチニブ、サラカチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ);マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、XL184、パゾパニブ);VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、AV-951、ブリバニブ);放射線免疫療法(例えば、XR303);がんワクチン(例えば、GVAX、サバイビンペプチド);COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ);IGF-1受容体阻害剤(例えば、AMG479、MK-0646);mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス);IL-6阻害剤(例えば、CNTO328);サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、P276-00、UCN-01);エネルギー代謝指向変換(Altered Energy Metabolism-Directed)(AEMD)化合物(例えば、CPI-613);HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット);TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、コナツムマブ);MEK阻害剤(例えば、AS703026、セルメチニブ、GSK1120212);Raf/MEK二重キナーゼ阻害剤(例えば、R05126766);Notchシグナル伝達阻害剤(例えば、MK0752);モノクローナル抗体-抗体融合タンパク質(例えば、L19IL2);クルクミン;HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090);riL-2;デニロイキンジフチトクス;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、イリノテカン、PEP02);スタチン(例えば、シンバスタチン);第VIIa因子阻害剤(例えば、PCI-27483);AKT阻害剤(例えば、RX-0201);低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH-302);メトホルミン塩酸塩、ガンマ-セクレターゼ阻害剤(例えば、R04929097);リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3-AP);免疫毒素(例えば、HuC242-DM4);PARP阻害剤(例えば、KU-0059436、ベリパリブ);CTLA-4阻害剤(例えば、CP-675,206、イピリムマブ);AdVtk療法;プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052);チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン);NPC-1C;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、R763/AS703569)、CTGF阻害剤(例えば、FG-3019);siG 12D LODER;及び放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射線、陽子線治療)、外科手術、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0123】
小細胞肺癌
小細胞肺癌を処置するために本明細書に開示される化合物と一緒に使用され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、エトポシド、カルボプラチン、シスプラチン、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、リポソームSN-38、ベンダムスチン、テモゾロミド、ベロテカン、NK012、FR901228、フラボピリドール);チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ);マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ);VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、バンデタニブ);がんワクチン(例えば、GVAX);Bcl-2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウム、ABT-263);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052)、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤;ドセタキセル;IGF-1受容体阻害剤(例えば、AMG479);HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102、MK-0646);クロロキン;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237);放射性免疫療法(例えば、TF2);HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090);mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス);Ep-CAM-/CD3-二重特異性抗体(例えば、MT110);CK-2阻害剤(例えば、CX-4945);HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット);SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923);ペプチドがんワクチン、及び放射線療法(例えば、強度変調放射線療法(IMRT)、少分割放射線療法、低酸素誘導放射線療法)、外科手術、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0124】
非小細胞肺癌
非小細胞肺癌を処置するために本明細書に開示される化合物と一緒に使用され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、ビノレルビン、シスプラチン、ドセタキセル、ペメトレキセド二ナトリウム、エトポシド、ゲムシタビン、カルボプラチン、リポソームSN-38、TLK286、テモゾロミド、トポテカン、ペメトレキセド二ナトリウム、アザシチジン、イリノテカン、テガフルギメラシル-オテラシルカリウム、サパシタビン);チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ネシツムマブ、PF-00299804、ニモツズマブ、R05083945)、MET阻害剤(例えば、PF-02341066、ARQ197)、PI3Kキナーゼ阻害剤(例えば、XL147、GDC-0941)、Raf/MEKデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、R05126766)、PI3K/mTORデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、XL765)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、二重阻害剤(例えば、BIBW2992、GSK1363089、ZD6474、AZD0530、AG-013736、ラパチニブ、MEHD7945A、リニファニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、AMG 706、XL184、MGCD265、BMS-690514、R935788)、VEGF阻害剤(例えば、エンドスター、エンドスタチン、ベバシズマブ、セジラニブ、BIBF1120、アキシチニブ、チボザニブ、AZD2171)、がんワクチン(例えば、BLP25リポソームワクチン、GVAX、組換えDNA及びL523Sタンパク質を発現するアデノウイルス)、Bcl-2阻害剤(例えば、オブリメルセン、ナトリウム)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、NPI-0052、イクサゾミド)、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、ドセタキセル、IGF-1受容体阻害剤(例えば、シクツムマブ、MK-0646、OSI906、CP-751、871、BIIB022)、ヒドロキシクロロキン、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス、リダホロリムス)、Ep-CAM-/CD3-二重特異性抗体(例えば、MT110)、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945)、HDAC阻害剤(例えば、MS275、LBH589、ボリノスタット、バルプロ酸、FR901228)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキセート)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、トレチノイン)、抗体-薬物コンジュゲート(例えば、SGN-15))、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)、がんワクチン(例えば、ベラゲンプマツセル-L)、低分子量ヘパリン(LMWH)(例えば、チンザパリン、エノキサパリン)、GSK1572932A、メラトニン、タラクトフェリン、ジメスナ、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、アムルビシン、エトポシド、カレニテシン)、ネルフィナビル、シレンギチド、ErbB3阻害剤(例えば、MM-121、U3-1287)、サバイビン阻害剤(例えば、YM155、LY2181308)、メシル酸エリブリン、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、ペグフィルグラスチム、ポロ様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、CS-1008)、CNGRCペプチド-TNFアルファコンジュゲート、ジクロロ酢酸(DCA)、HGF阻害剤(例えば、SCH 900105)、SAR240550、PPAR-ガンマアゴニスト(例えば、CS-7017)、ガンマセクレターゼ阻害剤(例えば、R04929097)、エピジェネティック療法(例えば、5-アザシチジン)、ニトログリセリン、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、コレステロール-Fus1、抗チューブリン剤(例えば、E7389)、ファルネシル-OHトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、ロナファルニブ)、免疫毒素(例えば、BB-10901、SS1(dsFv)PE38)、フォンダパリヌクス、血管破壊剤(例えば、A VE8062)、PD-L1阻害剤(例えば、MDX-1105、MDX-1106)、ベータグルカン、NGR-hTNF、EMD 521873、MEK阻害剤(例えば、GSK1120212)、エポチロン類似体(例えば、イクサベピロン)、キネシン-スピンドル阻害剤(例えば、4SC-205)、テロメア標的化剤(例えば、KML-001)、P70経路阻害剤(例えば、LY2584702)、AKT阻害剤(例えば、MK-2206)、血管形成阻害剤(例えば、レナリドマイド)、Notchシグナル伝達阻害剤(例えば、OMP-21M18)、放射線療法、外科手術、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0125】
卵巣癌
卵巣癌を治療するために本明細書に開示される化合物と併用して使用され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、化学療法剤(例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤;ドセタキセル;カルボプラチン;ゲムシタビン;ドキソルビシン;トポテカン;シスプラチン;イリノテカン、TLK286、イホスファミド、オラパリブ、オキサリプラチン、メルファラン、ペメトレキセド二ナトリウム、SJG-136、シクロホスファミド、エトポシド、デシタビン);グレリンアンタゴニスト(例えば、AEZS-130)、免疫療法(例えば、APC8024、オレゴボマブ、OPT-821)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、二重阻害剤(例えば、E7080)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、AZD0530、JI-101、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ)、ON 01910.Na)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、BIBF1120、セジラニブ、AZD2171)、PDGFR阻害剤(例えば、IMC-303)、パクリタキセル、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カレニテシン、イリノテカン)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロエート、ボリノスタット)、葉酸受容体阻害剤(例えば、ファレツズマブ)、アンジオポエチン阻害剤(例えば、AMG386)、エポチロン類似体(例えば、イクサベピロン)、プロテアソーム阻害剤(例えば、カルフィルゾミブ)、IGF-1受容体阻害剤(例えば、OSI 906、AMG479)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ、AG014699、イニパリブ、MK-4827)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、ENMD-2076)、血管新生阻害剤(例えば、レナリドマイド)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート、放射性免疫療法剤(例えば、Hu3S193)、スタチン(例えば、ロバスタチン)、トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、、NKTR-102)、がんワクチン(例えば、p53合成長ペプチドワクチン、自己由来OC-DCワクチン)、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス)、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ)、ET-A受容体アンタゴニスト(例えば、ZD4054)、TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、CS-1008)、HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102)、EGEN-001、ポロ様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、ガンマセクレターゼ阻害剤(例えば、R04929097)、Wee-1阻害剤(例えば、MK-17755)、抗チューブリン剤(例えば、ビノレルビン、E7389)、免疫毒素(例えば、デニロイキンジフチトックス)、SB-485232、血管破壊剤(例えば、A VE8062)、インテグリン阻害剤(例えば、EMD 525797)、キネシン-スピンドル阻害剤(例えば、4SC-205)、レブリミド、HER2阻害剤(例えば、MGAH22)、ErrB3阻害剤(例えば、MM-121)、放射線療法;及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0126】
骨髄腫
骨髄腫を処置するために本明細書に開示される化合物と一緒に投与され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、サリドマイド類似体(例えば、レナリドマイド)、HSCT(Cook、R.(2008)J Manag Care Pharm.14(7 Suppl)):19-25)、抗TIM-3抗体(Hallett、WHD et al.(2011)J of American Society for Blood and Marrow Transplantaion 17(8):1133-145)、腫瘍抗原パルス樹状細胞、腫瘍細胞と樹状細胞との融合(例えば、電気融合)、または悪性形質細胞によって産生される免疫グロブリンイディオタイプによるワクチン接種(Yi,Q.(2009)Cancer J.15(6):502-10に概説される)が挙げられる。
【0127】
腎細胞癌
腎細胞癌を処置するために本明細書に開示されている化合物と一緒に投与され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、インターロイキン-2またはインターフェロン-α、標的薬剤(例えば、VEGFに対するモノクローナル抗体などのVEGF阻害剤、例えば、ベバシズマブ(Rini、B.I.et al.(2010)J.Clin.Oncol.28(13):2137-2143));スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ及びパゾパニブなどのVEGFチロシンキナーゼ阻害剤(Pal S.K.et al.(2014)Clin.Advances in Hematology&Oncology12(2):90-99に概説されている);RNAi阻害剤)、またはVEGFシグナル伝達の下流メディエータの阻害剤、例えば、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)の阻害剤、例えば、エベロリムス及びテムシロリムス(Hudes、G.et al.(2007)N.Engl.J.Med.356(22):2271-2281,Motzer,R.J.et al.(2008)Lancet372:449-456)が挙げられる。
【0128】
慢性骨髄性白血病
慢性骨髄性白血病(CML)を治療するために本明細書に開示の化合物と併用投与され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、化学療法薬(例えば、シタラビン、ヒドロキシ尿素、クロファラビン、メルファラン、チオテパ、フルダラビン、ブスルファン、エトポシド、コルジセピン、ペントスタチン、カペシタビン、アザシチジン、シクロホスファミド、クラドリビン、トポテカン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、二重阻害剤(例えば、ダサチニブ、ボスチニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、DCC-2036、ポナチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、RGB-286638)、インターフェロンアルファ、ステロイド類、アポトーシス剤(例えば、オマセタキシンメペスシナート)、免疫療法(例えば、同種異系CD4+記憶Th1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、自己由来サイトカイン誘導キラー細胞(CIK)、AHN-12)、CD52標的剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3-AP)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、ヒドロキシクロロキン、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット、ボリノスタット、JNJ-26481585)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、オーロラBキナーゼ阻害剤(例えば、TAK-901)、放射免疫療法(例えば、アクチニウム-225標識抗CD33抗体HuM195)、ヘッジホッグ阻害剤(例えば、PF-04449913)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、KB0004、がんワクチン(例えば、AG858)、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0129】
慢性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病(CLL)を処置するために本明細書に開示の化合物と併用投与され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、化学療法剤(例えば、フルダラビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、クロラムブシル、ベンダムスチン、クロラムブシル、ブスルファン、ゲムシタビン、メルファラン、ペントスタチン、ミトキサントロン、5-アザシチジン、ペメトレキセド二ナトリウム)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、BTK阻害剤(例えば、PCI-32765)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、MGCD265、RGB-286638)、CD-20標的化剤(例えば、リツキシマブ、オフアツムマブ、R05072759、LFB-R603)、CD52標的化剤(例えば、アレムツズマブ)、プレドニゾロン、ダルベポエチンアルファ、レナリドマイド、Bcl-2阻害剤(例えば、ABT-263)、免疫療法(例えば、同種異系CD4+記憶Th1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、自己由来サイトカイン誘導キラー細胞(CIK))、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、バルプロ酸、LBH589、JNJ-26481585、AR-42)、XIAP阻害剤(例えば、AEG35156)、CD-74標的化剤(例えば、ミラツズマブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、AT-101、免疫毒素(例えば、CAT-8015、抗Tac(Fv)-PE38(LMB-2))、CD37標的化剤(例えば、TRU-5016)、放射性免疫療法(例えば、131-トシツモマブ)、ヒドロキシクロロキン、ペリホシン、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、サリドマイド、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、CAL-101)、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、プレリキサホル、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、TAK-901)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、CD-19標的化剤(例えば、MEDI-551、MOR208)、MEK阻害剤(例えば、ABT-348)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH-302)、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、HSP90阻害剤、AKT阻害剤(例えば、MK2206)、HMG-CoA阻害剤(例えば、シンバスタチン)、GNKG186、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0130】
急性リンパ性白血病
急性リンパ性白血病(ALL)を処置するために本明細書に開示される化合物と一緒に投与され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、化学療法剤(例えば、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、エトポシド、チオグアニン、メルカプトプリン、クロファラビン、リポソーム性アナマイシン、ブスルファン、エトポシド、カペシタビン、デシタビン、アザシチジン、トポテカン、テモゾロミド)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON 01910.Na、ムルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ)、CD-20標的化剤(例えば、リツキシマブ)、CD52標的化剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-9090)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、ラパマイシン)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、メトトレキサート、アスパラギナーゼ、CD-22標的化剤(例えば、エプラツズマブ、イノツズマブ)、免疫療法(例えば、自己由来サイトカイン誘導キラー細胞(CIK)、AHN-12)、ブリナツモマブ、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、CD45標的化剤(例えば、BC8)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、免疫毒素(例えば、CAT-8015、DT2219ARL)、HDAC阻害剤(例えば、JNJ-26481585)、JVRS-100、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、EZN-2285、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0131】
急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病(AML)を処置するために本明細書に開示される化合物と併用投与され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、化学療法剤(例えば、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシン、クロファラビン、デシタビン、ボサロキシン、アザシチジン、クロファラビン、リバビリン、CPX-351、トレオスルファン、エラシタラビン、アザシチジン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ミドスタウリン、SU11248、キザルチニブ、ソラフィニブ))、免疫毒素(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン)、DT388IL3融合タンパク質、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589)、プレリキサホル、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-9090)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、BI 811283)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、ポロ様キナーゼ阻害剤(例えば、BI6727)、セネルセン、CD45標的化剤(例えば、BC8)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、LY573636-ナトリウム、ZRx-101、MLN4924、レナリドミド、免疫療法(例えば、AHN-12)、二塩酸ヒスタミン、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0132】
多発性骨髄腫
多発性骨髄腫を処置するために本明細書に開示の化合物と併用投与され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、化学療法剤(例えば、メルファラン、アミホスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、クロファラビン、ベンダムスチン、フルダラビン、アドリアマイシン、SyB L-0501)、サリドマイド、レナリドマイド、デキサメタゾン、プレドニゾン、ポマリドマイド、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イクサゾミド)、がんワクチン(例えば、GVAX)、CD-40標的化剤(例えば、SGN-40、CHIR-12.12)、ペリホシン、ゾレドロン酸、免疫療法(例えば、MAGE-A3、NY-ES0-1、HuMax-CD38)、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589、AR-42)、アプリジン、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、PD-0332991、ジナシクリブ)、三酸化ヒ素、CB3304、HSP90阻害剤(例えば、KW-2478)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、AT9283)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、プレリキサホル、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、IPH2101、アトルバスタチン、免疫毒素(例えば、BB-10901)、NPI-0052、放射性免疫療法薬(例えば、イットリウムY90イブリツモマブチウキセタン)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、MLN4924、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、ENMD-2076)、IMGN901、ACE-041、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945)、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0133】
前立腺癌
前立腺癌を処置するために本明細書に開示の化合物と併用投与され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、化学療法剤(例えば、ドセタキセル、カルボプラチン、フルダラビン)、アビラテロン、ホルモン療法(例えば、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、シプロテロンアセテート、ケトコナゾール、アミノグルテチミド、アバレリクス、デガレリクス、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ブセレリン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、デュアルキナーゼ阻害剤(例えば、ラパタニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、TAK-700、がんワクチン(例えば、BPX-101、PEP223)、レナリドマイド、TOK-001、IGF-1受容体阻害剤(例えば、シクツムマブ)、TRC105、オーロラAキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、OGX-011、放射線免疫療法(例えば、HuJ591-GS)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロ酸、SB939、LBH589)、ヒドロキシクロロキン、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、ドビチニブ乳酸塩、ジインドリルメタン、エファビレンツ、OGX-427、ゲニステイン、IMC-303、バフェチニブ、CP-675,206、放射線療法、外科手術、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0134】
ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫の処置のために本明細書に開示されている化合物と一緒に使用され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、化学療法剤、例えば、ドキソルビシン(Adriamycin)、ブレオマイシン(Blenoxane)、ビンブラスチン(Velban、Velsar)、ダカルバジン、エトポシド(Toposar、VePesid)、シクロホスファミド(Cytoxan、Neosar)、ビンクリスチン(Vincasar PFS、Oncovin)、プロカルバジン(Matulane)、プレドニゾン、イホスファミド(Ifex)、カルボプラチン(パラプラチン)、メクロレタミン、クロラムブシル、メチルプレドニゾロン(Solu-Medrol)、シタラビン(Cytosar-U)、シスプラチン(Platinol)、ゲムシタビン(Gemzar)、ビノレルビン(Navelbine)、オキサリプラチン(Eloxatin)、ロムスチン、ミトキサントロン、カルムスチン、メルファラン、ベンダムスチン、レナリドマイド、及びビノレルビン;単独または組み合わせてのいずれか;ブレンツキシマブベドチン(Adcetris-CD30抗体薬物コンジュゲート);ヨウ素131-CHT25抗体コンジュゲート;HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット);m-TOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス);PI3K阻害剤(例えば、CAL-101、BAY80-6946、TGR-1202、BKM-120、AMG-319);JAK/STAT経路阻害剤;Bcl-2阻害剤(例えば、ベネトクラクス);Mcl-1阻害剤;マルチキナーゼ阻害剤、例えば、BAY43-9006(ソラフェニブ);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052);二重PI3K/HDAC標的化阻害剤(例えば、CUDC-907);NF-κB阻害剤;抗PD-1抗体(例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ)、抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ);抗CD-20抗体(例えば、リツキシマブ);抗CD40抗体;抗CD80抗体;及び放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射線療法、陽子線療法)、外科手術、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0135】
非ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫の処置のために本明細書に開示されている化合物と一緒に使用され得る例示的な薬剤としては、限定するものではないが、化学療法剤、例えば、ドキソルビシン(Adriamycin)、ブレオマイシン(Blenoxane)、ビンブラスチン(Velban、Velsar)、ダカルバジン、エトポシド(Toposar、VePesid)、シクロホスファミド(Cytoxan、Neosar)、ビンクリスチン(Vincasar PFS、Oncovin)、プロカルバジン(Matulane)、プレドニゾン、イホスファミド(Ifex)、カルボプラチン(パラプラチン)、メクロレタミン、クロラムブシル、メチルプレドニゾロン(Solu-Medrol)、シタラビン(Cytosar-U)、シスプラチン(Platinol)、ゲムシタビン(Gemzar)、ビノレルビン(Navelbine)、オキサリプラチン(Eloxatin)、ロムスチン、ミトキサントロン、メトトレキサート、カルムスチン、メルファラン、ベンダムスチン、レナリドマイド、及びビノレルビン;単独または組み合わせてのいずれか;チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ);HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット);IRAK-4阻害剤;HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090、CUDC-305);m-TOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス);PI3K阻害剤(例えば、CAL-101、BAY80-6946、TGR-1202、BKM-120、AMG-319);JAK/STAT経路阻害剤;AKT阻害剤(例えば、RX-0201);Bcl-2阻害剤(例えば、ベネトクラクス);Mcl-1阻害剤;マルチキナーゼ阻害剤、例えば、BAY43-9006(ソラフェニブ);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052);二重PI3K/HDAC標的化阻害剤(例えば、CUDC-907);NF-kB阻害剤;BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ);BETブロモドメイン阻害剤;抗PD-1抗体(例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ);抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ);抗CD-20抗体(例えば、リツキシマブ);抗CD40抗体;抗CD80抗体;及び放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射線療法、陽子線療法)、外科手術、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0136】
特定の実施形態において、本開示の式(I)の化合物は、非化学的ながん処置の方法と併せて投与されてもよい。さらなる実施形態において、本開示の式(I)の化合物は、放射線療法と同時に投与されてもよい。さらなる実施形態では、本開示の式(I)の化合物は、外科手術、熱切除、集束超音波療法、寒冷療法、またはこれらの任意の組み合わせと共に投与されてもよい。
【0137】
特定の実施形態において、本開示の異なる化合物は、本開示の1つ以上の他の化合物と一緒に投与され得る。さらに、そのような組み合わせは、がん、免疫学的疾患または神経学的疾患の処置に適した他の剤、例えば、上で同定した薬剤などの他の治療剤と一緒に投与されてもよい。特定の実施形態では、本開示の式(I)の化合物と一緒に1つ以上の追加の化学療法剤を投与することが相乗効果をもたらす。特定の実施形態では、1つ以上の追加の化学療法剤を一緒に投与することは相加効果をもたらす。
【0138】
薬学的組成物
特定の実施形態において、本開示は、本明細書に開示されているような式(I)の化合物を、必要に応じて、薬学的に許容される担体または希釈剤と混合して含む薬学的組成物を提供する。
【0139】
本開示はまた、薬学的投与のために式(I)の開示された化合物を処方するための方法も提供する。
【0140】
本開示の組成物及び方法は、それを必要とする個体を処置するために利用されもよい。特定の実施形態では、個体はヒトまたは非ヒト哺乳動物などの哺乳動物である。ヒトなどの動物に投与する場合、組成物または化合物は、例えば、本開示の式(I)の化合物と薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物として投与することが好ましい。薬学的に許容される担体は、当技術分野において周知であり、これには、例えば、水もしくは生理学的緩衝生理食塩水などの水溶液、またはグリコール、グリセロールなどの他の溶媒もしくはビヒクル、オリーブ油などの油、または注射用有機エステルが挙げられる。好ましい実施形態では、そのような薬学的組成物がヒトへの投与、特に侵襲的投与経路(すなわち、上皮バリアを通る輸送または拡散を回避する注射または移植などの経路)用である場合、水溶液は、発熱物質を含まないか、または実質的に発熱物質を含まない。賦形剤は、例えば、薬剤の遅延放出をもたらすために、または1つ以上の細胞、組織もしくは器官を選択的に標的にするために選択され得る。薬学的組成物は、錠剤、カプセル剤(スプリンクルカプセル剤及びゼラチンカプセル剤を含む)、顆粒剤、再構成用の凍結乾燥剤、粉末剤、液剤、シロップ剤、坐剤、注射剤などの投与単位形態であり得る。組成物はまた、経皮送達システム、例えば、皮膚パッチ中にも存在してもよい。組成物は、点眼剤などの局所投与に適した溶液中に存在してもよい。
【0141】
薬学的に許容される担体は、例えば、本開示の式(I)の化合物のような化合物の安定化のため、溶解度の増大のため、または吸収の増大のために作用する生理学的に許容される薬剤を含んでもよい。そのような生理学的に許容される薬剤としては、例えば、グルコース、スクロースまたはデキストランなどの炭水化物、アスコルビン酸またはグルタチオンなどの抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質または他の安定剤もしくは賦形剤が挙げられる。生理学的に許容される薬剤を含む、薬学的に許容される担体の選択は、例えば、その組成物の投与経路に依存する。薬学的組成物の調製は、自己乳化薬物送達系であっても、または自己マイクロ乳化薬物送達系であってもよい。薬学的組成物(調製物)はまた、例えば、本開示の式(I)の化合物がそこに組み込まれ得るリポソームまたは他のポリマーマトリックスであってもよい。例えば、リン脂質または他の脂質を含むリポソームは、製造及び投与が比較的簡単な、無毒の、生理学的に許容され、かつ代謝可能な担体である。
【0142】
「薬学的に許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症なしで、妥当な利益/リスク比に相応する、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適している、化合物、材料、組成物及び/または剤形を指すために本明細書において用いられる。
【0143】
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という語句は、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料などの薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、また患者に有害ではないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例としては、以下が挙げられる:(1)糖類、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロース;(2)デンプン、例えば、コーンスターチ及びジャガイモデンプン;(3)セルロース、及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;(4)トラガカント粉末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)滑石;(8)賦形剤、例えば、カカオバター及び坐剤ワックス;(9)油、例えば、ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油;(10)プロピレングリコールのようなグリコール;(11)ポリオール類、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;及び(21)薬学的製剤に使用される他の非毒性適合性物質。
【0144】
薬学的組成物(調製物)は、任意の多数の投与経路、例としては、例えば、経口的に(例えば、水性もしくは非水性の溶液または懸濁液のような飲薬、錠剤、カプセル(スプリンクルカプセル及びゼラチンカプセルを含む)、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、舌に適用するためのペースト剤);口腔粘膜を通しての吸収(例えば、舌下);肛門、直腸または膣内(例えば、ペッサリー、クリームまたは泡状物として);非経口的(例としては、筋肉内、静脈内、皮下または髄腔内、例えば、滅菌溶液または懸濁液として);鼻腔内;腹腔内;皮下;経皮的(例えば、皮膚に適用されるパッチとして);及び局所的(例えば、クリーム、軟膏、もしくは皮膚に塗布されるスプレーとして、または点眼剤として)によって、対象に投与されてもよい。この化合物は、吸入用に製剤化され得る。特定の実施形態では、化合物は単に滅菌水に溶解されても、または懸濁されてもよい。適切な投与経路及びそれに適した組成物の詳細は、例えば、米国特許第6,110,973号、同第5,763,493号、同第5,731,000号、同第5,541,231号、同第5,427,798号、同第5,358,970号及び同第4,172,896号、ならびにそれらに引用された特許に見出され得る。
【0145】
この製剤は、都合上、単位剤形で提供されてもよく、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製されてもよい。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせられ得る活性成分の量は、処置される宿主、特定の投与方法に応じて変わるであろう。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わされ得る活性成分の量は、一般に治療効果をもたらす化合物の量であろう。一般に、100パーセントのうち、この量は活性成分の約1パーセント~約99パーセント、好ましくは約5パーセント~約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント~約30パーセントの範囲であろう。
【0146】
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本開示の式(I)の化合物などの活性化合物を担体及び必要に応じて1つ以上の補助成分と会合させるステップを含む。一般に、この製剤は、本開示の化合物を液体担体、もしくは微粉化固体担体、またはその両方と均一かつ密接に会合させ、次いで必要に応じて生成物を成形することによって調製される。
【0147】
経口投与に適した本開示の製剤は、カプセル剤(スプリンクルカプセル剤及びゼラチンカプセル剤を含む)、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(香味のある基剤、通常は、スクロース及びアカシアまたはトラガカントを使用)、凍結乾燥剤、粉末剤、顆粒剤の形態であっても、あるいは、水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型の液体エマルジョンとして、またはエリキシルもしくはシロップとして、またはトローチとして(不活性基剤、例えば、ゼラチン及びグリセリン、またはスクロース及びアラビアゴムを使用する)、及び/または洗口剤など(各々が活性成分として本開示の化合物を所定量含む)であってもよい。組成物または化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与されてもよい。
【0148】
経口投与用の固体剤形(カプセル(スプリンクルカプセル及びゼラチンカプセルを含む)、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末、顆粒など)を調製するために、活性成分を1つ以上の薬学的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウム、またはリン酸二カルシウム、及び/または以下のいずれかと混合する:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/またはケイ酸のような充填剤または増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロースのような結合剤、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及び/またはアラビアゴム;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(5)パラフィンのような溶解遅延剤;(6)四級アンモニウム化合物のような吸収促進剤;(7)例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレートのような湿潤剤;(8)カオリン及びベントナイト粘土のような吸収剤;(9)滑沢剤、例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物;(10)錯化剤、例えば、修飾及び非修飾シクロデキストリン;ならびに(11)着色剤。カプセル(スプリンクルカプセル及びゼラチンカプセルを含む)、錠剤及び丸剤の場合、薬学的組成物は緩衝剤も含んでもよい。ラクトースまたは乳糖などの賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、同様の種類の固体組成物を、軟質及び硬質ゼラチンカプセルの充填剤として使用してもよい。
【0149】
錠剤は、必要に応じて1種以上の副成分と共に圧縮または成形することにより製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤を用いて調製してもよい。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって製造してもよい。
【0150】
錠剤、ならびに、糖衣錠、カプセル剤(スプリンクルカプセル剤及びゼラチンカプセル剤を含む)、丸剤及び顆粒剤などの薬学的組成物の他の固体剤形は、製剤学の分野で周知である、腸溶コーティング及び他のコーティングなどのコーティング及びシェルを用いて、必要に応じて刻み目を入れられても、調製されてもよい。それらはまた、所望の放出プロファイル、他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/またはミクロスフェアを提供するために、様々な割合で、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、その中の活性成分の徐放または制御放出を提供するように処方されてもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または滅菌水、もしくは使用直前にいくつかの他の滅菌注射用媒体に溶解され得る滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌してもよい。これらの組成物はまた、必要に応じて乳白剤を含有してもよく、またそれらは活性成分(複数可)のみを、または優先的に胃腸管の特定の部分において、必要に応じて、遅延した様式で放出する組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例としては、高分子物質及びワックスが挙げられる。活性成分は、適切な場合には、1種以上の上記の賦形剤を含む、マイクロカプセル化形態であってもよい。
【0151】
経口投与に有用な液体剤形としては、薬学的に許容されるエマルジョン、再構成用の凍結乾燥剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、シクロデキストリン及びそれらの誘導体などの当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、可溶化剤、ならびに乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含んでもよい。
【0152】
不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤及び保存剤も含んでもよい。
【0153】
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天及びトラガカント、ならびにそれらの混合物などを含んでもよい。
【0154】
直腸投与、膣投与、または尿道投与用の薬学的組成物の製剤は、1つ以上の活性化合物と、1つ以上の適切な非刺激性の賦形剤、または例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスもしくはサリチル酸塩を含む担体とを混合することによって調製され得、室温では固体であるが体温では液体であり、したがって直腸または膣腔内で融解し、活性化合物を放出する座薬として提供され得る。
【0155】
口に投与するための薬学的組成物の製剤は、洗口剤、または経口スプレー剤、または経口軟膏剤として提供されてもよい。
【0156】
あるいはまたはさらに、組成物は、カテーテル、ステント、ワイヤ、または他の管腔内デバイスを介した送達用に処方してもよい。このようなデバイスによる送達は、膀胱、尿道、尿管、直腸、または腸への送達に特に有用であり得る。
【0157】
膣内投与に適した製剤としてはまた、適切であることが当技術分野で公知であるような担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤も含まれる。
【0158】
局所または経皮投与のための剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ及び吸入剤が挙げられる。活性化合物は、滅菌条件下で薬学的に許容される担体と混合されても、必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合されてもよい。
【0159】
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、活性化合物に加えて、賦形剤、例えば、動物性及び植物性脂肪、オイル、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、滑石及び酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含んでもよい。
【0160】
粉末及びスプレーは、活性化合物に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、滑石、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含んでもよい。スプレーは、クロロフルオロヒドロカーボンのような慣用の噴射剤、ならびにブタン及びプロパンのような揮発性の非置換炭化水素をさらに含んでもよい。
【0161】
経皮パッチは、身体への本開示の化合物の制御送達を提供するというさらなる利点を有する。そのような剤形は、活性化合物を適切な媒体に溶解または分散させることによって製造され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を横切る化合物の流動を増大させるために使用され得る。そのような流動の速度は、速度制御膜を提供するか、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散させることによって制御され得る。
【0162】
眼科用製剤、眼軟膏剤、粉末、液剤などもまた、本開示の範囲内にあると考えられる。例示的な眼科用製剤は、米国特許出願公開第2005/0080056号、同第2005/0059744号、同第2005/0031697号及び同第2005/004074号および米国特許第6,583,124号に記載されており、その内容全体が参照により本明細書に援用される。必要に応じて、液体眼科用製剤は、涙液、房水または硝子体液と同様の特性を有するか、またはそのような液体と適合性がある。好ましい投与経路は、局所投与(例えば、点眼剤のような局所投与、またはインプラントを介した投与)である。
【0163】
坐剤もまた、本開示の範囲内にあると考えられる。
【0164】
本明細書で使用される「非経口投与」及び「非経口的な投与」という句は、通常は注射による、経腸及び局所投与以外の投与様式を意味し、これには、限定するものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内及び胸骨内注射及び注入を含む。
【0165】
非経口投与に適した薬学的組成物は、1種以上の薬学的に許容される無菌の等張水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または使用直前に無菌注射溶液または分散液に再構成され得る無菌粉末と組み合わせた1つ以上の活性化合物を含み、これは、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図するレシピエントの血液と等張にさせる溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含んでもよい。
【0166】
本開示の薬学的組成物に使用され得る適切な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合には必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。
【0167】
これらの組成物はまた保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤のようなアジュバントを含んでもよい。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確実にされ得る。糖類、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含めることも望ましい場合がある。さらに、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を含めることによって、注射用医薬形態の長期吸収を得てもよい。
【0168】
場合によっては、薬物の効果を長引かせるために、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性が低い結晶質または非晶質材料の懸濁液を使用することによって達成され得る。その場合、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、それが今度は、結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された薬物形態の吸収の遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。
【0169】
注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に対象化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の比率、及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射製剤はまた、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を封入することによっても調製される。
【0170】
本開示の方法で使用するために、活性化合物は、それ自体で、または例えば、0.1~99.5%(より好ましくは0.5~90%)の活性成分を薬学的に許容される担体と組み合わせて含む薬学的組成物として与えられ得る。
【0171】
導入方法はまた、再充電可能または生分解性デバイスによって提供されてもよい。タンパク質性バイオ医薬品を含む薬物の制御送達のために、近年、様々な徐放ポリマーデバイスが開発され、インビボで試験されている。生分解性ポリマー及び非分解性ポリマーの両方を含む様々な生体適合性ポリマー(ヒドロゲルを含む)を使用して、特定の標的部位に化合物を持続放出させるためのインプラントを形成してもよい。
【0172】
薬学的組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、特定の患者、組成物、及び投与様式に対して所望の治療応答を達成するのに有効である量の活性成分を、その患者に毒性であることなく、得るように改変してもよい。
【0173】
選択される投与量レベルは、種々の要因、例としては、使用される特定の化合物もしくは化合物の組み合わせ、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用されている特定の化合物(複数可)の排泄速度、治療期間、使用されている特定の化合物(複数可)と組み合わせて使用されている他の薬物、化合物及び/または材料、処置されている患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康状態及び過去の病歴、ならびに医療分野では周知の同様の要因に依存する。
【0174】
当業者である医師または獣医師は、必要とされる薬学的組成物の治療有効量を容易に決定し、処方し得る。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を達成するために必要なレベルより低いレベルで、薬学的組成物または化合物の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増大してもよい。「治療有効量」とは、所望の治療効果を引き出すのに十分な化合物の濃度を意味する。一般に、化合物の有効量は、対象の体重、性別、年齢、及び病歴によって変わることが理解される。有効量に影響を与える他の要因としては、限定するものではないが、患者の状態の重篤度、処置される障害、化合物の安定性、及び必要に応じて、本開示の式(I)の化合物とともに投与される別の種類の治療剤が挙げられ得る。より大きな総用量は、薬剤の複数回投与によって送達され得る。有効性及び投与量を決定する方法は当業者に公知である(参照により本明細書に組み入れられる、Isselbacher et al.(1996)Harrison’s Principles of Internal Medicine 13ed.,1814-1882)。
【0175】
一般に、本開示の組成物及び方法において使用される活性化合物の適切な一日用量は、治療効果を生じるのに有効な最低用量である化合物の量であろう。そのような有効量は一般に上記の要因に依存するであろう。
【0176】
所望の場合、活性化合物の有効1日用量は、必要に応じて、単位剤形で、1日を通して適切な間隔で別々に投与される1、2、3、4、5、6またはそれ以上の分割用量として投与されてもよい。本開示の特定の実施形態において、活性化合物は、1日に2回投与されても、または3回投与されてもよい。好ましい実施形態では、活性化合物は1日1回投与される。
【0177】
この処置を受けている患者は、霊長類、特にヒト、及び他の哺乳動物、例えば、ウマ、ウシ、ブタ、及びヒツジ;ならびに一般に家禽及びペットを含む、必要とされる任意の動物である。
【0178】
湿潤剤、乳化剤及び滑沢剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、防腐剤及び酸化防止剤も組成物中に存在してもよい。
【0179】
薬学的に許容される酸化防止剤の例としては、以下が挙げられる:(1)水溶性酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性酸化防止剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなど;ならびに(3)金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など。
【0180】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本明細書の主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される場合、本開示の理解を容易にするために、以下の定義が提供される。
【0181】
「アシル」という用語は、当技術分野において認識されており、一般式ヒドロカルビルC(O)-、好ましくはアルキルC(O)-によって表される基を指す。アシル基としては、-C(O)CH、-C(O)CHCHなどが挙げられる。
【0182】
「アルキル」基または「アルカン」は、完全に飽和している直鎖または分岐状の非芳香族炭化水素である。典型的には、直鎖状または分岐状アルキル基は、他に定義されない限り、1~約20個の炭素原子、好ましくは1~約10個の炭素原子を有する。直鎖状及び分岐状アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチル及びオクチルが挙げられる。C-C直鎖または分岐状アルキル基はまた、「低級アルキル」基とも呼ばれる。アルキル基は、原子価によって許容される場合、1つ以上の位置で必要に応じて置換されていてもよい。このような任意の置換基としては、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族またはヘテロ芳香族部分、-CF、-CNなどが挙げられる。
【0183】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、環の各原子が炭素である置換または非置換の単環芳香族基を含む。好ましくは、この環は、5~7員環、より好ましくは6員環である。「アリール」という用語は、2個以上の炭素が、隣接する2個の環に共通であり、少なくとも1個の環が芳香族である2個以上の環式環を有する多環式環系を含み、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/またはヘテロシクリルであり得る。アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリンなどが挙げられる。
【0184】
「シクロアルキル」基とは、完全に飽和している環状炭化水素である。「シクロアルキル」は、単環式及び二環式環を含む。典型的には、単環式シクロアルキル基は、他に定義されない限り、3~約10個の炭素原子、より典型的には3~8個の炭素原子を有する。二環式シクロアルキルの第二の環は、飽和、不飽和及び芳香族の環から選択され得る。シクロアルキルは、1個、2個または3個以上の原子が2つの環の間で共有されている二環式分子を含む。「縮合シクロアルキル」という用語は、各環が他の環と2個の隣接原子を共有する二環式シクロアルキルを指す。縮合二環式シクロアルキルの第二の環は、飽和、不飽和及び芳香環から選択されてもよい。「シクロアルケニル」基は、1個以上の二重結合を含有する環状炭化水素である。シクロアルキル基は、原子価によって許容される場合、本明細書に記載の任意の置換基によって、1つ以上の位置で置換されていてもよい。シクロアルキル基としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0185】
本明細書で使用される「カルボキシ」または「カルボン酸」という用語は、式-COHによって表される基を指す。「カルボキシレート」という用語は、式-(COによって表される基を指す。
【0186】
本明細書で使用される「グアニジノ」という用語は、-NH-C(=NH)-NH基を指す。
【0187】
「ヘテロアリール」及び「ヘタリール」という用語は、置換または非置換の芳香族単環構造、好ましくは5~7員の環、より好ましくは5~6員の環を含み、その環構造は少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1または2個のヘテロ原子を含む。「ヘテロアリール」及び「ヘタリール」という用語また、2個以上の炭素が隣接する2個の環に共通であり、少なくとも1個の環がヘテロ芳香族である2個以上の環式環を有する多環式環系も含み、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、インドール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、ベンズイミダゾール、ピリミジンなどが挙げられる。ヘテロアリール基は、原子価によって許容される場合、本明細書に記載される任意の置換基によって1つ以上の位置で置換されてもよい。
【0188】
本明細書で使用される「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄である。
【0189】
「ヘテロシクリル」、「複素環」、及び「複素環式」という用語は、置換または非置換の非芳香族環構造、好ましくは3~10員環、より好ましくは3~7員環を指し、その環構造は少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1個または2個のヘテロ原子を含む。「ヘテロシクリル」及び「複素環式」という用語はまた、2個以上の炭素が隣接する2個の環に共通であり、この環の少なくとも1個の環が複素環である2個以上の環式環を有する多環式環系も含み、例えば、この他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/またはヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリル基としては、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、アゼパン、アゼチジン、2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン、テトラヒドロ-2H-ピラン、ラクトン、ラクタムなどが挙げられる。ヘテロシクリル基は、原子価によって許容される場合、必要に応じて置換されていてもよい。
【0190】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、-OH基を指す。
【0191】
アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシなどの化学部分と共に使用される場合の「低級」という用語は、置換基中に10個以下、好ましくは6個の非水素原子がある基を含むことを意味する。「低級アルキル」とは、例えば、10個以下、好ましくは6個以下の炭素原子を含有するアルキル基を指す。特定の実施形態では、本明細書で定義のアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ置換基とは、ヒドロキシアルキル及びアラルキル(この場合、例えば、アルキル置換基中の炭素原子を数えるときにアリール基内の原子は数えられない)の列挙においてのように、単独でまたは他の置換基と組み合わせて出現するか否かにかかわらず、それぞれ低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、または低級アルコキシである。
【0192】
「置換されている」という用語は、骨格の1個以上の炭素上の水素を置換する置換基を有する部分を指す。「置換」または「で置換されている」とは、そのような置換が置換原子及び置換基の許容原子価に従うこと、及びその置換が例えば、再配置、環化、排除などによって自発的に変換されない安定な化合物をもたらすという暗黙の条件を含むことが理解されよう。本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むと考えられる。広い態様において、許容される置換基としては、有機化合物の非環式及び環式、分岐及び非分岐、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族の置換基が挙げられる。許容される置換基は、適切な有機化合物に対して1つ以上であり、同じでも異なっていてもよい。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載の水素置換基及び/または有機化合物の任意の許容される置換基を有してもよい。置換基は、本明細書に記載の任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が挙げられ得る。適切な場合には、置換基自体が置換されていてもよいことが当業者には理解されるであろう。「非置換」として具体的に述べられていない限り、本明細書における化学部分への言及は、置換変異体を含むと理解される。例えば、「アリール」基または部分への言及は、置換及び非置換の両方の変異体を暗黙のうちに含む。
【0193】
本明細書中で使用される場合、障害または状態を「予防する」治療剤とは、統計的試料において、未処置の対照試料と比較して処置試料における障害または状態の発生を減少させるか、または未処置の対照試料と比較して障害または状態の1つ以上の症状の発症を遅らせるかもしくは重症度を低減させる化合物を指す。
【0194】
「処置すること」という用語は、予防的及び/または治療的処置を含む。「予防的または治療的」処置という用語は当技術分野において認識されており、本発明の組成物のうちの1つ以上の宿主への投与を含む。それが望ましくない状態(例えば、疾患または宿主動物の他の望ましくない状態)の臨床的徴候の前に投与されるならば、その処置は予防的である(すなわち、それは望ましくない状態の発症に対して宿主を保護する)が、望ましくない状態の顕在化後に投与された場合、その処置は治療的である(すなわち、既存の望ましくない状態またはその副作用を軽減、改善、または安定化することを意図している)。
【0195】
「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下で、本開示の治療的に活性な薬剤に変換される化合物(例えば、式(I)の化合物)を包含することを意図している。プロドラッグを作製するための一般的な方法は、生理学的条件下で加水分解されて所望の分子を明らかにする1つ以上の選択された部分を含むことである。他の実施形態では、プロドラッグは、宿主動物の酵素活性によって変換される。例えば、エステルまたはカーボネート(例えば、アルコールまたはカルボン酸のエステルまたはカーボネート)は、本開示の好ましいプロドラッグである。特定の実施形態において、上記で表される製剤中の式(I)の化合物のいくつかまたは全ては、対応する適切なプロドラッグで置き換えられてもよく、例えば、親化合物中のヒドロキシルは、エステルとして存在するか、または親化合物中に存在するカーボネートもしくはカルボン酸は、エステルとして存在する。
【0196】
本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」または「含む(comprising)」という用語は、一般に「含む」という意味で使用され、すなわち1つ以上の追加の(指定されていない)特徴または構成要素の存在を可能にする。
【0197】
本明細書で使用される場合、「含んでいる(including)」、ならびに「含む(include)」、「含む、(includes)」、及び「含まれる、含んだ(included)」などの他の形態の用語は限定的ではない。
【0198】
本明細書中で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、アミノ基及びカルボキシル基の両方を含む分子を意味し、その塩、エステル、その種々の塩の組み合わせ、ならびに互変異性形態を含む。溶液中では、中性pHでは、アミノ酸のアミノ基及び酸性基がプロトンを交換して、双性イオンとして同定された、全体的に中性の、二重イオン化実体を形成し得る。いくつかの実施形態において、アミノ酸は、それらの立体異性体及びラセミ体を含む、α-、β-、γ-またはδ-アミノ酸である。本明細書で使用される場合、「L-アミノ酸」という用語は、α-炭素の周りに左旋性配置を有するα-アミノ酸、すなわち一般式CH(COOH)(NH)-(側鎖)のカルボン酸(L-構成を有する)を意味する。「D-アミノ酸」という用語は、同様に、α-炭素の周りに右旋性配置を有する、一般式CH(COOH)(NH)-(側鎖)のカルボン酸を意味する。L-アミノ酸の側鎖は、天然に存在する部分及び天然に存在しない部分を含んでもよい。天然に存在しない(すなわち、非天然の)アミノ酸側鎖は、例えば、アミノ酸類似体において天然に存在するアミノ酸側鎖の代わりに使用される部分である。
【0199】
本明細書で使用される「アミノ酸残基」とは、親のアミノ酸と構造的類似性を共有する部分を意味する。アミノ酸残基は、残基のアミノ基、または残基のカルボキシレート基を介して別の化学部分に共有結合し得る(すなわち、-NHまたは-OHの水素原子は別の化学部分への結合によって置き換えられる)。
【0200】
アミノ酸としては、タンパク質合成においてほとんどの生物によって使用されている20の標準アミノ酸が挙げられる。非天然アミノ酸残基は、限定するものではないが、アルファ及びアルファ二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、ならびに低級アルキル、アラルキル、ヒドロキシル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールアルキルまたはアシルで置換された天然アミノ酸から選択され得る。
【0201】
例えば、リジンは、例えば、その側鎖の炭素原子で、あるいはその末端NH基のモノ-もしくはジアルキル化により非天然アミノ酸を形成するように置換され得る(例えば、リジン側鎖のアミノ基が、その置換基と一緒になって、ピペリジンまたはピロリジンのような複素環式環を形成する)。別の例では、リシン側鎖の末端アミノ基は、カプレオマイシジンの場合のように、アミノ酸骨格と環を形成し得る。リジンのさらなる非天然誘導体としては、ホモリシン及びノルリジンが挙げられる。あるいは、リジンの側鎖は、第二のアミノ基で置換されていてもよい。別の例では、リシン側鎖のアルキル部分を炭素環式環構造に組み込んで、例えば、シクロヘキシルまたはシクロペンチルなどの半硬質類似体を形成してもよい。
【0202】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、式(I)の化合物において言及される「L-トレオニン残基」及び/または「L-トレオニンの側鎖」、及び/またはその調製は、以下の式のいずれか1つによって表され得る。
【化3】
【0203】
特定の実施形態では、非天然アミノ酸は、1つ以上の二重結合を有する天然アミノ酸の誘導体であり得る。
【0204】
他の例示的実施形態では、トレオニンにおいて、ベータ-メチル基は、エチル、フェニル、または他の高級アルキル基と置き換えられてもよい。ヒスチジンでは、イミダゾール部分が置換されてもよく、あるいは側鎖のアルキレン骨格が置換されてもよい。
【0205】
非天然アミノ酸のさらなる例としては、ホモセリン、及び天然アミノ酸の同族体が挙げられる。
【0206】
さらなる例示的実施形態では、非天然アミノ酸は、アルファ位でアルキル化(例えば、メチル化)されてもよい。
【0207】
非天然アミノ酸のさらなる例としては、アルファ、ベータ-及びベータ、ガンマ-デヒドロアミノアミノ酸類似体が挙げられる。
【0208】
さらなる例示的なアミノ酸としては、ペニシラミン及びベタメトキシバリンが挙げられる。
【0209】
非天然アミノ酸のさらなる例としては、側鎖がアミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、-COO-アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、グアニジノ、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクリル)アルキル及び(ヘテロアリール)アルキルを含むアミノ酸が挙げられる。
【0210】
「修飾N末端アミノ基」及び「修飾C末端カルボキシル基」とは、アミノ基またはカルボキシル基が変更されていることを意味する。
【0211】
N末端アミノ基の修飾は、好ましくは一般式-NRであり;式中、Rxは水素またはアルキルであり、かつRはアルキル、アルケニル、-C(=NH)NH、アルキニルまたはアシルである。
【0212】
N末端修飾の例としては、限定するものではないが、アセチル化、ホルミル化またはグアニル化N末端が挙げられる。
【0213】
C末端カルボキシル基の修飾は、好ましくは一般式CORz(Rzは最後のアミノ酸のヒドロキシル基を置換する)を有する;式中、Rzは-NR、アルコキシ、アミノまたはイミドである。例えば、C末端は、エステル化されても、またはアミド化されていてもよい。
【0214】
本開示は、本開示の化合物の薬学的に許容される塩、ならびに本開示の組成物及び方法におけるそれらの使用を含む。特定の実施形態において、本開示の企図される塩としては、限定するものではないが、アルキル、ジアルキル、トリアルキルまたはテトラアルキルアンモニウム塩が挙げられる。特定の実施形態において、本開示の企図される塩としては、限定するものではないが、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、ベタイン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、リチウム、L-リジン、マグネシウム、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、ピペラジン、カリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン、ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、及び亜鉛塩が挙げられる。特定の実施形態では、本開示の企図される塩としては、限定するものではないが、Na、Ca、K、Mg、Znまたは他の金属塩が挙げられる。
【0215】
薬学的に許容される酸付加塩はまた、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミドなどとの様々な溶媒和物としても存在し得る。そのような溶媒和物の混合物もまた調製され得る。そのような溶媒和物の供給源は、結晶化の溶媒に由来する場合も、調製もしくは結晶化の溶媒に固有である場合も、またはそのような溶媒に対して不定である場合もある。
【0216】
「薬学的に許容される」とは、一般に安全、無毒であり、生物学的にもその他の点でも不要ではない薬学的組成物を調製するのに有用であることを意味し、獣医学的用途ならびにヒトの医薬用途に許容されるものを含む。
【0217】
「立体異性体」という用語は、本開示の化合物などの、任意のエナンチオマー、ジアステレオ異性体、または幾何異性体を指す。本開示の化合物がキラルである場合、それらはラセミ体で存在しても、または光学活性型で存在してもよい。本開示による化合物のラセミ体または立体異性体の薬学的活性は異なり得るので、一方のエナンチオマーが濃縮されている化合物を使用することが望ましい場合がある。これらの場合、最終生成物または中間体でさえも、当業者に公知である化学的もしくは物理的手段によってエナンチオマー化合物に分離されてもよく、または合成にそのまま使用されてさえよい。ラセミアミンの場合、ジアステレオマーは、光学活性分割剤との反応により混合物から形成される。適切な分割剤の例は、R及びS型の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、適切なN-保護アミノ酸(例えば、N-ベンゾイルプロリンまたはN-ベンゼンスルホニルプロリン)、または種々の光学活性カンファースルホン酸のような光学活性酸である。光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン、セルローストリアセテートまたは他の炭水化物の誘導体、またはシリカゲル上に固定化されたキラル誘導体化メタクリレートポリマー)で補助したクロマトグラフィーエナンチオマー分割もまた有利である。
【0218】
特定の実施形態において、本開示の化合物はラセミ体であってもよい。特定の実施形態において、本開示の化合物は、1つのエナンチオマーに富んでいてもよい。例えば、本開示の式(I)の化合物は、30%ee、40%ee、50%ee、60%ee、70%ee、80%ee、90%ee超、またはさらに95%ee以上を有してもよい。特定の実施形態において、本開示の化合物は、2つ以上の立体中心を有し得る。そのような特定の実施形態において、本開示の化合物は、1つ以上のジアステレオマーが豊富であり得る。例えば、本開示の式(I)の化合物は、30%de、40%de、50%de、60%de、70%de、80%de、90%de、さらには95%de以上を有してもよい。
【0219】
「対象」という用語は、哺乳動物(特にヒト)及び他の動物、例えば、家畜(例えば、ネコ及びイヌを含む家庭用ペット)及び非家畜(野生生物など)などを含む。
【0220】
天然に存在するアミノ酸(L型)は、以下の表に示される従来の3文字の略語によって明細書及び特許請求の範囲を通して特定されている。
【表4】
【0221】
本発明の化合物を調製するための合成手順は、WO2016142833A1及びWO2015033299A1に記載されていた。
【実施例0222】
実施例1:組換えPD-L1/PD-L2の存在下でのマウス脾細胞増殖の救済
PD-L1の供給源として、組換えマウスPD-L1(rm-PDL-1、カタログ番号:1019-B7-100;R&D Systems)を使用した。
【0223】
必要条件
6~8週齢のC57 BL6マウスから採取したマウス脾細胞;RPMI1640(GIBCO、カタログ番号11875);高グルコースDMEM(GIBCO、カタログ番号D6429);(ウシ胎児血清[Hyclone、カタログ番号SH30071.03];ペニシリン10000単位/mL)-ストレプトマイシン(10,000μg/mL)液体(GIBCO、カタログ番号15140-122);MEMピルビン酸ナトリウム溶液100mM(100×)、液体(GIBCO、カタログ番号11360);非必須アミノ酸(GIBCO、カタログ番号11140);L-グルタミン(GIBCO、カタログ番号25030);抗CD3抗体(eBiosciences-16-0032);抗CD28抗体(eBiosciences-16-0281);ACK溶解緩衝液(1mL)(GIBCO、カタログ番号-A10492);Histopaque(密度-1.083gm/mL)(SIGMA10831);トリパンブルー溶液(SIGMA-T8154);2mL Norm Ject Luer Lockシリンジ-(Sigma2014-12);40μmナイロンセルストレーナー(BD FALCON35230);血球計(Bright line-SIGMA Z359629);FACS緩衝液(PBS/0.1%BSA):0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)(SIGMA A7050)及びアジ化ナトリウム(SIGMA 08591)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH 7.2(HiMedia TS1006);5mMのCFSEのストック溶液:凍結乾燥したCFSEを180μLのジメチルスルホキシド(DMSO CSO、SIGMA-D-5879)で希釈することによってCFSEストック溶液を調製し、さらなる使用のためにチューブにアリコートした。作業濃度は、10μM~1μMの範囲で滴定した。(eBioscience-650850-85);0.05%トリプシン及び0.02%EDTA(SIGMA 59417C);96ウェルフォーマットELISAプレート(Corning CLS3390);BD FACSキャリバー(E6016);組換えマウスB7-H1/PDL1 Fcキメラ、(rm-PD-L1カタログ番号:1019-B7-100)。
【0224】
プロトコル
脾細胞の調製及び培養
マウス脾臓を40μmセルストレーナーにマッシュすることによって、50mLファルコンチューブに採取した脾細胞を、さらに、1mLのACK溶解緩衝液を用いて室温で5分間処理した。9mLのRPMI完全培地で洗浄した後、細胞を15mLチューブ中の3mLの1×PBSに再懸濁した。3mLのHistopaqueを、重層する脾細胞懸濁液を乱すことなくチューブの底に注意深く加えた。室温で20分間800×gで遠心分離した後、脾細胞の不透明層を、層を乱すことも/混合することもなく慎重に集めた。脾細胞を、冷1×PBSで2回洗浄した後、トリパンブルー排除法を用いて全細胞を計数し、さらに細胞ベースのアッセイに使用した。
【0225】
脾細胞を、RPMI完全培地(RPMI+10%ウシ胎児血清+1mMピルビン酸ナトリウム+10,000単位/mLペニシリン及び10,000μg/mLストレプトマイシン)中で培養し、37℃で5%COによってCOインキュベーター中で維持した。
【0226】
CFSE増殖アッセイ:
CFSEは、受動的に細胞内に拡散し、細胞内タンパク質に結合する色素である。1×10細胞/mLの採取した脾細胞を、予め温めた1×PBS/0.1%BSA溶液中の5μMのCFSEを用いて37℃で10分間処理した。細胞に対して5容量の氷冷培地を用いて過剰のCFSEをクエンチし、氷上で5分間インキュベートした。CFSE標識脾細胞をさらに氷冷完全RPMI培地で3回洗浄した。CFSE標識1×10脾細胞を、MDA-MB231細胞(高グルコースDMEM培地中で培養した1×10細胞)または組換えヒトPDL-1(100ng/mL)及び試験化合物のいずれかを含有するウェルに添加した。脾細胞を、抗マウスCD3抗体及び抗マウスCD28抗体(それぞれ1μg/mL)で刺激し、培養物をさらに5%COにおいて37℃で72時間インキュベートした。細胞を採取し、氷冷FACS緩衝液で3回洗浄し、増殖%を、488nm励起及び521nm発光フィルターを用いたフローサイトメトリーにより分析した。
【0227】
データの編集、処理及び推論
セルクエストFACSプログラムを使用して脾細胞増殖率を分析し、バックグラウンド増殖%値を差し引いて、100%として刺激脾細胞増殖%(陽性対照)に正規化した後、化合物による脾細胞増殖の救済率を推定した。
【0228】
刺激脾細胞:脾細胞+抗CD3/CD28刺激
バックグラウンド増殖:脾細胞+抗CD3/CD28+PD-L1
化合物の増殖:脾細胞+抗CD3/CD28+PD-L1+化合物
化合物の効果は、必要な濃度の化合物を、リガンド(PDL-1)の存在下での抗CD3/CD28刺激脾細胞に対して添加することによって検査する。
【0229】
例示的なアッセイデータを表5に提供する。
【0230】
実施例2:組換えVISTAの存在下でのマウス脾細胞増殖の救済
必要条件:
ビヒクル:MilliQ water;RPMI1640(GIBCO、カタログ番号11875);ウシ胎児血清[Hyclone、カタログ番号SH30071.03];ペニシリン(10000単位/ml)-ストレプトマイシン(10,000μg/ml)液体(GIBCO、カタログ番号15140-122);MEMピルビン酸ナトリウム溶液100mM(100×)、液体(GIBCO、カタログ番号11360);非必須アミノ酸(GIBCO、カタログ番号11140);L-グルタミン(GIBCO、カタログ番号25030);組み換えヒトVISTA(rhGi24 VISTA/B7-H5 Fcキメラ(R&Dシステムズ、カタログ番号:7126-B7);抗h/m Gi24/VISTA/B7-H5精製マウスモノクローナルIgG2B(R&Dシステムズ、カタログ番号:MAB7126);マウスIgG2Bアイソタイプ対照(R&D Systemsカタログ番号:MAB 004);抗ヒトCD3抗体(eBiosciences-16-0039);抗ヒトCD28抗体(eBiosciences-16-0289);Histopaque(密度約1.077gm/ml)(SIGMA1077);トリパンブルー溶液(SIGMA-T8154);血球計(Bright line-SIGMA Z359629);リン酸緩衝食塩水(PBS)pH7.2を含有するFACS緩衝液;(HiMedia TS1006)、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)(SIGMA A7050)及びアジ化ナトリウム(SIGMA 08591)含有;96ウェルフォーマットELISAプレート(Corning3599);96ウェルフォーマットELISAプレート(Corning3361);BD FACSキャリバー(E6016);遠心分離機(Eppendorf 5810R);ヒトIFN-γデュオセットELISAキット(R&D Systems;カタログ番号:DY-285)。
【0231】
プロトコル
ヒトPBMC IFN-γ放出アッセイ
96ウェル細胞培養プレートを、組換えヒトVISTA(2.5μg/ml)及び抗ヒトCD3(2.5μg/ml)で予めコーティングし、4℃で一晩保存した。抗ヒトVISTA及びアイソタイプ対照抗体を、VISTAと共にコーティングするか、または細胞を添加する前に翌日30分間インキュベートした。翌日、プレートを1×PBSで洗浄した後、試験化合物と共に30分間インキュベートした。単離したPBMC(0.1×10細胞/ウェル)及び抗ヒトCD28抗体(1μg/ml)をウェルに添加した。培養物を、5%COにおいて37℃で72時間さらにインキュベートした。72時間インキュベートした後、細胞培養上清を4℃で200g×5分の短時間の遠心分離後に回収し、製造者のプロトコル(R&D Systems;DY-285)に従って、ELISAによりヒトIFN-γ測定のために処理した。
【0232】
要するに、96ウェルELISAプレートを、コーティング緩衝液中100μl/ウェルの捕捉抗体でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。プレートを洗浄緩衝液で5回洗浄し、さらに1×アッセイ希釈剤200μlを用いて室温で1時間ブロックした。洗浄ステップの後、100μlの細胞培養上清をウェルに添加し、さらに室温で2時間インキュベートした。適切な標準物質もまた含んでいた。洗浄ステップの後、プレートを100μl/ウェルの検出抗体と共に1時間インキュベートした。洗浄ステップを繰り返し、そのプレートを100μl/ウェルのアビジン-HRPと共に30分間インキュベートした。そのプレートを洗浄緩衝液で4回洗浄し、続いて100μl/ウェルの基質溶液と共に15分間インキュベートした。50μlの停止溶液を各ウェルに添加し、プレートをGen5 ver2.05を用いて450nmで読み取った。デルタOD値を濃度の計算に使用した。吸光度の値を標準物質に対してプロットし、GraphPad Prismソフトウェアを使用してIFN-γの濃度を決定した。各実験条件は三連で実施した。
【0233】
本発明の化合物を、上述のアッセイでスクリーニングし、結果を表5に要約する。選択した本発明の化合物のIFN-γ放出の救済率を以下に示しており、ここで「A」とは、IFN-γ放出が70%を超えて救済されている化合物を指し、「B」とは、50%~69.9%の範囲のIFN-γ放出が救済されている化合物を指し、「C」とは、50%未満というIFN-γ放出が救済されている化合物を指す。
【表5】
【手続補正書】
【提出日】2022-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インビトロで細胞内のT細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(VISTA)シグナル伝達経路をモジュレートする方法であって、式(I)の化合物:
【化1】
(式中:
Gは水素または(C-C)アルキルであり;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、又はアリール-OHで置換された(C-C)アルキルであり;
a’は水素であるか;またはR及びRa’は、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、またはヘテロアリールで場合により置換されてもよい(C-C)アルキルを表し;ここで前記ヘテロアリールは場合により、ヒドロキシルでさらに置換されてもよく;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含んでもよい5~6員環を形成し;
及びRは独立して、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アシルもしくは(C-C)シクロアルキルであるか;またはR及びRはそれらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成する)、
またはその薬学的に許容される塩を該細胞と接触させることを含む、前記方法。
【請求項2】
Gが水素またはメチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Gが水素である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
が-(CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、かつ、前記(C-C)アルキルは、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
が、-OH、-NH、-NH-C(=NH)-NH、カルボン酸、イミダゾリル、またはp-OH(フェニル)で置換されている(C-C)アルキルであり;かつRa’が水素である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
が、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CH-NH、-(CHC(O)OH、-(CHC(O)NH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-NH-C(=NH)-NHである、請求項1~3または5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
が、-CHOHまたは-CH(CH)OHである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
が-CHOHである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
及びRa’が、それらが結合する原子と一緒になって、シクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
が、-CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで前記(C-C)アルキルは場合により-OH、-C(O)NR、またはヘテロアリールで置換されてもよく、前記ヘテロアリールが場合によりさらにヒドロキシルで置換されてもよい、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
が、-OH、-C(O)NH、カルボン酸、インドリル、または-C(O)NH-((C-C)アルキル)で場合により置換されてもよい(C-C)アルキルであり;かつRが水素である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
が、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-(CH-NH(COCH)、-CHC(O)OH、-(CHC(O)OH、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)である、請求項1~9または11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
が-CHC(O)NHまたは-CHC(O)OHである、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
が、-CHC(O)NHである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
及びRが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
が、-OH、-NH、または-C(O)OHで置換されている(C-C)アルキルであり;かつRが水素である、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
dが、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-CH2C(O)OHである、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
dが、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
dが、-CH(CH3)OHである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
及びRが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法であって、式中:
Gが水素または(C-C)アルキルであり;
が、-(CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであって、ここで前記(C-C)アルキルは、-OH、-NR、グアニジノ、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換されており;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
が、-CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで前記(C-C)アルキルが場合により-OH、-C(O)NR、またはヘテロアリールで置換されてもよく;ここで前記ヘテロアリールが場合によりさらにヒドロキシルで置換されてもよく;
が水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
が、H、-(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
が水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含んでもよい5~6員環を形成し;
x及びRyが独立して、水素、(C1-C6)アルキルまたは(C2-C6)アシルである、前記方法。
【請求項22】
請求項1に記載の方法であって、式中:
Gが水素またはメチルであり;
が、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2-(p-OH(フェニル))、-(CH24-NH2、-(CH22COOH、-CH2(イミダゾリル)、または-(CH23-NH-C(=NH)-NH2であり;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になってシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し;
bが、イソプロピル、sec-ブチル、-CH2OH、-CH2C(O)NH2、-(CH22C(O)NH2、-CH2C(O)OH、-(CH24-NH(COCH3)、-CH2(インドリル)、-CH2C(O)NH(ヘキシル)、または-(CH22C(O)NH(ヘキシル)であり;
が水素であるか;またはRb及びRが、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
dが-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-(CH22C(O)OHであり;かつ
eが水素であるか;またはRd及びReが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、前記方法。
【請求項23】
式中、Rが、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2または-CH2C(O)OHであり、かつRdが、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHである、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
が-CH2OHまたは-CH(CH3)OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2であり、かつRdが、-CH(CH3)OHである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
が、-CH2OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2であり、かつRdが、-CH(CH3)OHである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
が、-CH(CH3)OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2であり、かつRdが、-CH2OHである、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記化合物が、以下の表から選択される化合物、
【化2】
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及び

またはその製薬上許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
方法が、プログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路もモジュレートする、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0233
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0233】
本発明の化合物を、上述のアッセイでスクリーニングし、結果を表5に要約する。選択した本発明の化合物のIFN-γ放出の救済率を以下に示しており、ここで「A」とは、IFN-γ放出が70%を超えて救済されている化合物を指し、「B」とは、50%~69.9%の範囲のIFN-γ放出が救済されている化合物を指し、「C」とは、50%未満というIFN-γ放出が救済されている化合物を指す。
【表5】
本開示は以下の実施形態を包含する。
[1] 細胞内のT細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(VISTA)活性によって媒介される免疫応答を調節する方法であって、前記細胞を式(I)の化合物:
[化4]
(式中:
Gは水素または(C-C)アルキルであり;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、又はアリール-OHで置換された(C-C)アルキルであり;
a’は水素であるか;またはR及びRa’は、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、またはヘテロアリールで必要に応じて置換されてもよい(C-C)アルキルを表し;ここで前記ヘテロアリールは必要に応じて、ヒドロキシルでさらに置換されてもよく;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含んでもよい5~6員環を形成し;
及びRは独立して、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アシルもしくは(C-C)シクロアルキルであるか;またはR及びRはそれらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成する)、
またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、前記方法。
[2] Gが水素またはメチルである、実施形態1に記載の方法。
[3] Gが水素である、実施形態1または2に記載の方法。
[4] Rが-(CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで(C-C)アルキルは、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換されている、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
[5] Rが、-OH、-NH、-NH-C(=NH)-NH、カルボン酸、イミダゾリル、またはp-OH(フェニル)で置換されている(C-C)アルキルであり;かつRa’が水素である、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
[6] Rが、-OH、-NH、-NH-C(=NH)-NH、イミダゾリル、またはp-OH(フェニル)で置換されている(C-C)アルキルであり;かつRa’が水素である、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
[7] Rが、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CH-NH、-(CHC(O)OH、-(CHC(O)NH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-NH-C(=NH)-NHである、実施形態1~3または5のいずれかに記載の方法。
[8] Rが、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CH-NH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-NH-C(=NH)-NHである、実施形態1~3または7のいずれかに記載の方法。
[9]Rが、-CHOHまたは-CH(CH)OHである、実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
[10] Rが-CHOHである、実施形態9に記載の方法。
[11] R及びRa’が、それらが結合する原子と一緒になって、シクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成する、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
[12] Rが、-CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで(C-C)アルキルは必要に応じて-OH、-C(O)NR、またはヘテロアリールで置換されてもよく、前記ヘテロアリールが必要に応じてさらにヒドロキシルで置換されてもよい、実施形態1~11のいずれかに記載の方法。
[13] Rが、-OH、-C(O)NH、カルボン酸、インドリル、または-C(O)NH-((C-C)アルキル)で必要に応じて置換されてもよい(C-C)アルキルであり;かつRが水素である、実施形態1~11のいずれかに記載の方法。 [14] Rが、必要に応じて-OH、-C(O)NH、インドリル、または-C(O)NH-((C-C)アルキル)で置換されてもよい(C-C)アルキルであり;かつRが水素である、実施形態1~11のいずれかに記載の方法。
[15] Rが、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-(CH-NH(COCH)、-CHC(O)OH、-(CHC(O)OH、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)である、実施形態1~11または13のいずれかに記載の方法。
[16] Rが、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-(CH-NH(COCH)、-CHC(O)OH、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)である、実施形態1~15のいずれかに記載の方法。
[17] Rが-CHC(O)NHまたは-CHC(O)OHである、実施形態1~13、15または16のいずれかに記載の方法。
[18] Rが、-CHC(O)NHである、実施形態17に記載の方法。
[19] R及びRが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、実施形態1~11のいずれかに記載の方法。
[20] Rが、-OH、-NH、または-C(O)OHで置換されている(C-C)アルキルであり;かつRが水素である、実施形態1~19のいずれかに記載の方法。
[21] Rdが、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-CH2C(O)OHである、実施形態1~20のいずれかに記載の方法。
[22] Rdが、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHである、実施形態21に記載の方法。
[23] Rdが、-CH(CH3)OHである、実施形態22に記載の方法。
[24] R及びRが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、実施形態1~19のいずれかに記載の方法。
[25] 実施形態1に記載の方法であって、式中:
Gが水素または(C-C)アルキルであり;
が、-(CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであって、ここで(C-C)アルキルは、-OH、-NR、グアニジノ、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換されており;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
が、-CHC(O)OHまたは(C-C)アルキルであり、ここで(C-C)アルキルが必要に応じて-OH、-C(O)NR、またはヘテロアリールで置換されてもよく;ここで前記ヘテロアリールが必要に応じてさらにヒドロキシルで置換されてもよく;
が水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
が、H、-(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
が水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含んでもよい5~6員環を形成し;
x及びRyが独立して、水素、(C1-C6)アルキルまたは(C2-C6)アシルである、前記方法。
[26] 実施形態1に記載の方法であって、式中:
Gが水素またはメチルであり;
が、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2-(p-OH(フェニル))、-(CH24-NH2、-CH2(イミダゾリル)、または-(CH23-NH-C(=NH)-NH2であり;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になってシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し;
bが、イソプロピル、sec-ブチル、-CH2OH、-CH2C(O)NH2、-(CH22C(O)NH2、-(CH24-NH(COCH3)、-CH2C(O)OH、-(CH22C(O)OH、-CH2(インドリル)、-CH2C(O)NH(ヘキシル)、または-(CH22C(O)NH(ヘキシル)であり;
が水素であるか;またはRb及びRが、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
dが-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-(CH22C(O)OHであり;かつ
eが水素であるか;またはRd及びReが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、前記方法。
[27] 実施形態1に記載の方法であって、式中:
Gが水素またはメチルであり;
が、-CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2-(p-OH(フェニル))、-(CH24-NH2、-(CH22COOH、-CH2(イミダゾリル)、または-(CH23-NH-C(=NH)-NH2であり;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になってシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し;
bが、イソプロピル、sec-ブチル、-CH2OH、-CH2C(O)NH2、-(CH22C(O)NH2、-CH2C(O)OH、-(CH24-NH(COCH3)、-CH2(インドリル)、-CH2C(O)NH(ヘキシル)、または-(CH22C(O)NH(ヘキシル)であり;
が水素であるか;またはRb及びRが、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
dが-CH2OH、-CH(CH3)OH、-(CH24-NH2、または-(CH22C(O)OHであり;かつ
eが水素であるか;またはRd及びReが、それらが結合される原子と一緒になって、ピロリジン環を形成する、前記方法。
[28] 実施形態25~27のいずれかに記載の方法であって、式中、Rが、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2または-CH2C(O)OHであり、かつRdが、-CH2OHまたは-CH(CH3)OHである、前記方法。
[29] Rが-CH2OHまたは-CH(CH3)OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2であり、かつRdが、-CH(CH3)OHである、実施形態28に記載の方法。 [30] Rが、-CH2OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2であり、かつRdが、-CH(CH3)OHである、実施形態28に記載の方法。
[31] Rが、-CH(CH3)OHであり、Rbが、-CH2C(O)NH2であり、かつRdが、-CH2OHである、実施形態28に記載の方法。
[32] 前記化合物が、以下の表から選択される、実施形態1に記載の方法:
[33] 前記化合物が、以下の表から選択される、実施形態1に記載の方法:
[34] 前記免疫応答がプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路によってさらに媒介される、実施形態1~33のいずれかに記載の方法。
[35] 前記細胞との接触がそれを必要とする対象において起こり、それによってがん、免疫障害、免疫不全障害、炎症性障害、感染性疾患、及び移植拒絶反応から選択される疾患または障害を処置する、実施形態1~34のいずれかに記載の方法。
[36] 前記疾患または障害ががんである、実施形態35に記載の方法。
[37] 前記疾患または障害の処置が、腫瘍細胞の増殖及び/または転移を阻害することを含む、実施形態1~34のいずれかに記載の方法。
[38] 前記腫瘍細胞が、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、原発性乳管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃癌、急性骨髄性白血病、及び膵臓癌から選択されるがんに由来する、実施形態37に記載の方法。
[39] 前記腫瘍細胞が、芽細胞腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、結腸直腸癌、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、陰茎の癌、慢性または急性の白血病、小児固形腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、及び環境に起因する癌から選択されるがんに由来する、実施形態37に記載の方法。
[40] 前記疾患または障害が感染性疾患である、実施形態35に記載の方法。
[41] 前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、実施形態40に記載の方法。
[42] 前記感染性疾患が、炭疽菌、Bacilli、Bordetella、Borrelia、ボツリヌス中毒、Brucella、Burkholderia、Campylobacter、Chlamydia、コレラ、Clostridium、Conococcus、Corynebacterium、ジフテリア、Enterobacter、Enterococcus、Erwinia、Escherichia、Francisella、Haemophilus、Heliobacter、Klebsiella、Legionella、Leptospira、レプトスピラ症、Listeria、ライム病、meningococcus、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Pasteurella、Pelobacter、ペスト、Pneumonococcus、Proteus、Pseudomonas、Rickettsia、Salmonella、Serratia、Shigella、Staphylococcus、Streptococcus、破傷風、Treponema、Vibrio、Yersinia、及びXanthomonasから選択される少なくとも1つの細菌;アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、I型単純ヘルペス、2型単純ヘルペス、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟属腫ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器感染症合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、及びバナウイルスから選択される少なくとも1つのウイルス;鵞口瘡菌、Aspergillus(fumigatus、niger、など)、Blastomyces dermatitidis、カンジダ(albicans、krusei、glabrata、tropicalis、など)、Coccidioides immitis、Cryptococcus(neoformansなど)、Histoplasma capsulatum、Mucorales(mucor、absidia、rhizophus)、Paracoccidioides brasiliensis、スポロトリクム症、Sporothrix schenkii、接合菌症、クロモブラストミコーシス、ロボ真菌症、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、及びリノスポリジウム症から選択される真菌感染症;ならびにAcanthamoeba、Babesia microti、Balantidium coli、Entamoeba hystolytica、Giardia lamblia、Cryptosporidium muris、Trypanosomatida gambiense、Trypanosomatida rhodesiense、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania mexicana、Leishmania braziliensis、Leishmania tropica、Leishmania donovani、Toxoplasma gondii、Plasmodium vivax、Plasmodium ovale、Plasmodium malariae、Plasmodium falciparum、Pneumocystis carinii、Trichomonas vaginalis、Histomonas meleagridis、Secementea、Trichuris trichiura、Ascaris lumbricoides、Enterobius vermicularis、Ancylostoma duodenale、Naegleria fowleri、Necator americanus、Nippostrongylus brasiliensis、Strongyloides stercoralis、Wuchereria bancrofti、Dracunculus medinensis、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、Schistosoma mansoni、Schistosoma haematobium、Schistosoma japonicum、Fasciola hepatica、Fasciola gigantica、Heterophyes heterophyes、及びParagonimus westermaniから選択される少なくとも1つの寄生虫、から選択される、実施形態35に記載の方法。
[43] 対象における免疫応答を調節する方法であって、
a)対象由来の生物学的試料がVISTAを過剰発現するか否かを決定すること;及び b)前記試料がVISTAを過剰発現している場合、前記被験体を実施形態1~33のいずれかに記載の化合物と接触させること、を含む、前記方法。
[44] 前記試料がPD-L1またはPD-L2を過剰発現するかを決定すること、及び前記試料がVISTA及びPD-L1またはPD-L2のいずれかを過剰発現する場合に前記対象を前記化合物と接触させることをさらに含む、実施形態43に記載の方法。 [45] 前記生物学的試料が、全血、血漿、血清、細胞(例えば、腫瘍細胞)、唾液、尿、便及び組織から選択される、実施形態43または44に記載の方法。
[46] 前記対象ががんを患っており、必要に応じて、前記試料ががん由来の1つ以上の細胞を含んでもよい、実施形態43~45のいずれかに記載の方法。
[47] 前記対象が、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、及び寄生虫感染症から選択される感染性疾患を患っている、実施形態43~45のいずれかに記載の方法。 [48] 前記対象が式(I)の化合物を投与される前に前記対照試料が得られ、前記対象が式(I)の化合物を投与された後に前記対象試料が得られる、実施形態43~47のいずれかに記載の方法。
[49] 薬学的に許容される担体または賦形剤及び少なくとも1つの式(I)の化合物:
[化5]
その薬学的に許容される塩、または立体異性体を含む医薬組成物。
(式中:
Gは水素または(C-C)アルキルであり;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、又はアリール-OHで置換された(C-C)アルキルであり;
a’が水素であるか;またはR及びRa’が、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、またはヘテロアリールで必要に応じて置換されてもよい(C-C)アルキルであり;ここで前記ヘテロアリールは必要に応じて、ヒドロキシルでさらに置換されてもよく;
は水素であるか;またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、(C-C)アルキルであって、-OH、-NR、またはカルボン酸で置換されており;
が水素であるか;またはR及びRが、それらが結合している原子と一緒になって、O、NHまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含んでもよい5~6員環を形成し;
及びRが独立して、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アシル、または(C-C)シクロアルキルであるか;またはR及びRはそれらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成する)
[50] 抗がん剤、化学療法剤、または抗増殖性化合物のうちの少なくとも1つをさらに含む、実施形態49に記載の薬学的組成物。
[51] がんを処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の実施形態49に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
[52] 前記腫瘍細胞が、乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、及び腎臓癌から選択されるがんに由来する、実施形態45に記載の方法。
[53] 前記腫瘍細胞が、芽細胞腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、結腸直腸癌、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、陰茎癌、慢性または急性の白血病、小児固形腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系の新生物(CNS)、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、及び環境に起因する癌から選択されるがん由来である、実施形態45に記載の方法。
[54] 感染性疾患を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の実施形態49に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
[55] 前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、実施形態54に記載の方法。
[56] 前記感染性疾患が、炭疽菌、Bacilli、Bordetella、Borrelia、ボツリヌス中毒、Brucella、Burkholderia、Campylobacter、Chlamydia、コレラ、Clostridium、Conococcus、Corynebacterium、ジフテリア、Enterobacter、Enterococcus、Erwinia、Escherichia、Francisella、Haemophilus、Heliobacter、Klebsiella、Legionella、Leptospira、レプトスピラ症、Listeria、ライム病、meningococcus、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Pasteurella、Pelobacter、ペスト、Pneumonococcus、Proteus、Pseudomonas、Rickettsia、Salmonella、Serratia、Shigella、Staphylococcus、Streptococcus、破傷風、Treponema、Vibrio、Yersinia、及びXanthomonasから選択される少なくとも1つの細菌;アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、I型単純ヘルペス、2型単純ヘルペス、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟属腫ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器感染症合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、及びバナウイルスから選択される少なくとも1つのウイルス;鵞口瘡菌、Aspergillus(fumigatus、niger、など)、Blastomyces dermatitidis、Candida(albicans、krusei、glabrata、tropicalis、など)、Coccidioides immitis、Cryptococcus(neoformansなど)、Histoplasma capsulatum、Mucorales(mucor、absidia、rhizophus)、Paracoccidioides brasiliensis、スポロトリクム症、Sporothrix schenkii、接合菌症、クロモブラストミコーシス、ロボ真菌症、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、およびリノスポリジウム症から選択される真菌感染症;ならびにAcanthamoeba、Babesia microti、Balantidium coli、Entamoeba hystolytica、Giardia lamblia、Cryptosporidium muris、Trypanosomatida gambiense、Trypanosomatida rhodesiense、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania mexicana、Leishmania braziliensis、Leishmania tropica、Leishmania donovani、Toxoplasma gondii、Plasmodium vivax、Plasmodium ovale、Plasmodium malariae、Plasmodium falciparum、Pneumocystis carinii、Trichomonas vaginalis、Histomonas meleagridis、Secementea、Trichuris trichiura、Ascaris lumbricoides、Enterobius vermicularis、Ancylostoma duodenale、Naegleria fowleri、Necator americanus、Nippostrongylus brasiliensis、Strongyloides stercoralis、Wuchereria bancrofti、Dracunculus medinensis、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、Schistosoma mansoni、Schistosoma haematobium、Schistosoma japonicum、Fasciola hepatica、Fasciola gigantica、Heterophyes heterophyes、及びParagonimus westermaniから選択される少なくとも1つの寄生虫から選択される、実施形態54に記載の方法。
【外国語明細書】