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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191288
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20221220BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20221220BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20221220BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20221220BHJP
   G06V 10/778 20220101ALI20221220BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G08B25/00 510M
G08B25/04 E
G06T7/00 350B
G06T7/00 660Z
G06V10/778
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154460
(22)【出願日】2022-09-28
(62)【分割の表示】P 2020566071の分割
【原出願日】2019-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】小野里 宗明
(72)【発明者】
【氏名】寺澤 哲
(72)【発明者】
【氏名】大網 亮磨
(72)【発明者】
【氏名】潘 雅冬
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対象場所に存在する人物を検出する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置100は、対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報を記憶する記憶手段130と、対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性を表す人物属性情報を抽出する抽出手段110と、基準属性情報と人物属性情報とに基づいて撮影画像内の所定の人物を検出する検出手段120と、を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラから第1の画像を取得し、
前記第1の画像に基づいて、前記カメラが撮影する場所に応じた基準を学習し、
前記第1の画像よりも後に前記カメラを用いて撮影された第2の画像と前記基準とに基づいて、不審行動をとる人物を取得し、
前記第2の画像に対して前記不審行動をとる人物にマークを表示した画像を表示装置に表示する、
映像監視方法。
【請求項2】
請求項1に記載の映像監視方法であって、
前記基準は、人物の行動に関する基準である、
映像監視方法。
【請求項3】
請求項2に記載の映像監視方法であって、
前記人物の行動に関する基準は、通常時の人物の行動を学習したものを含む、
映像監視方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の映像監視方法であって、
前記基準から逸脱した行動をとる人物を、前記不審行動をとる人物として取得する、
映像監視方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の映像監視方法であって、
前記基準を学習するための条件の指定を受け付け、前記条件に基づいて前記基準を学習する、
映像監視方法。
【請求項6】
カメラから第1の画像を取得する手段と、
前記第1の画像に基づいて、前記カメラが撮影する場所に応じた基準を学習する手段と、
前記第1の画像よりも後に前記カメラを用いて撮影された第2の画像と前記基準とに基づいて、不審行動をとる人物を取得する手段と、
前記第2の画像に対して前記不審行動をとる人物にマークを表示した画像を表示装置に表示する手段と、
を備えた映像監視装置。
【請求項7】
カメラから第1の画像を取得し、
前記第1の画像に基づいて、前記カメラが撮影する場所に応じた基準を学習し、
前記第1の画像よりも後に前記カメラを用いて撮影された第2の画像と前記基準とに基づいて、不審行動をとる人物を取得し、
前記第2の画像に対して前記不審行動をとる人物にマークを表示した画像を表示装置に表示する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象場所に存在する人物を検出する情報処理装置、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空港や駅、店舗、イベント会場など、不特定多数の人物が集まる場所には、犯罪行為や迷惑行為を行う可能性のある人物が存在している場合がある。そのような人物は、不審行動を取ったり異常な生体状態となっている場合が有り、見た目で不審者と判断できることもあるため、事前に対応を取ることもできる。
【0003】
一方で、不審者を検出する警備者が少ないか存在していなかったり、不審者を見た目では判断できない場合もある。そのような状況を考慮し、自動的に不審者を検出するための技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-37075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えば、特許文献1に記載のように、空港などにおいて自動的に不審者を検出するための技術が開示されている。この特許文献1では、一例として空港の入国審査エリアにおいて、人物の生体データを収集して不審者を検出している。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のように生体データから不審者を検出する方法では、そもそも不特定多数の人物から生体データ自体を検出することが容易ではない。このため、不審者を検出することができず、また、不審者に限らず、ある場所において所望の人物を検出することもできない。
【0007】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、対象場所において容易に所望の人物を検出することができない、ことを解決することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態である情報処理装置は、
対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報を記憶する記憶手段と、
前記対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性を表す人物属性情報を抽出する抽出手段と、
前記基準属性情報と前記人物属性情報とに基づいて前記撮影画像内の所定の人物を検出する検出手段と、
を備えた、
という構成をとる。
【0009】
また、本発明の一形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性を表す人物属性情報を抽出する抽出手段と、
記憶手段に記憶された前記対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報と、前記人物属性情報と、に基づいて、前記撮影画像内の所定の人物を検出する検出手段と、
を実現させる、
という構成をとる。
【0010】
また、本発明の一形態である情報処理方法は、
対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性を表す人物属性情報を抽出し、
記憶手段に記憶された前記対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報と、前記人物属性情報と、に基づいて、前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上のように構成されることにより、対象場所において容易に所望の人物を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1における情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2A】本発明の実施形態1における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2B図2Aに開示した基準情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図3図1に開示した監視装置に記憶される情報の一例を示す図である。
図4図1に開示した監視装置により出力される画像の一例を示す図である。
図5図1に開示した監視装置により出力される画像の一例を示す図である。
図6図1に開示した監視装置により出力される画像の一例を示す図である。
図7図1に開示した監視装置による処理動作を示すフローチャートである。
図8図1に開示した監視装置による処理動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態2における監視装置により出力される画像の一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態2における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図8を参照して説明する。図1乃至6は、情報処理システムの構成を説明するための図であり、図7乃至図8は、情報処理システムの処理動作を説明するための図である。以下、情報処理システムの構成と動作を併せて説明する。
【0014】
本発明における情報処理システムは、店舗や施設などの設定された対象となる場所Rに存在する人物Pのうち、予め設定された基準によって不審者と判断される人物など、所望の人物を検出するために利用される。なお、以下では、対象場所を「百貨店の化粧品売り場」とし、また、かかる場所において「不審者」と判別できる人物を検出対象とする場合を一例に挙げて説明する。但し、本発明では、対象場所は、宝石店、ゲームセンター、遊園地などの店舗や施設といったいかなる場所でもよい。また、本発明では、不審者に限らず、店舗が希望する属性の人物を検出対象とするなど、いかなる人物を検出対象としてもよい。これにより、本発明は、対象場所における不審者の監視による警備に利用したり、販売対象属性者に対して積極的に接客を行うなどマーケティング活動にも利用することができる。なお、検出対象とする人物は、迷子や病人、老人、被介護者、などであってもよい。
【0015】
図1に示すように、本実施形態における情報処理システムは、対象場所Rとなる空間を撮影するためのカメラCと、撮影画像内の人物Pを監視する監視装置10と、監視結果を出力する出力装置20と、を備えている。なお、監視装置10は、演算装置と記憶装置とを備えた1台又は複数台の情報処理装置にて構成される。また、出力装置20は、演算装置と記憶装置とを備えた1台又は複数台の情報処理装置にて構成され、さらに表示装置を備えている。かかる表示装置は、後述するように、監視装置10にて撮影された撮影画像と共に、検出した人物を表示出力するためのものである。以下、主に監視装置10の構成について詳述する。
【0016】
上記監視装置10は、図2Aに示すように、演算装置がプログラムを実行することで構築された、人物抽出部11、学習部12、検出部13、を備える。また、監視装置10は、記憶装置に形成された人物情報記憶部14、基準情報記憶部15、を備える。以下、各構成について詳述する。
【0017】
上記人物抽出部11(抽出手段)は、まず、カメラCにて撮影された対象場所Rの撮影画像を一定の時間間隔で受け付ける。例えば、図4に示すように、複数の人物Pが存在する対象場所Rの撮影画像を受け付けて、一時的に記憶しておく。なお、本実施形態では、監視装置10にカメラCが1台しか接続されていないが、複数台のカメラCが接続され、それぞれのカメラCにて撮影された撮影画像に対して、以下に説明するような抽出処理や学習処理、不審者の検出処理が行われてもよい。
【0018】
そして、人物抽出部11は、撮影画像内に映る物体の形状や色、動きなどから、撮影画像内の人物Pを抽出する(図7のステップS1)。さらに、人物抽出部11は、撮影画像から抽出した人物Pの画像部分に基づいて、当該人物Pの属性を表す人物属性情報を抽出する(図7のステップS2)。人物属性情報は、例えば、人物Pの性別、年齢(年代)、服装や持ち物などの身の回り品、を表す情報であり、人物Pの顔画像や身体画像などから画像解析によって抽出する。
【0019】
また、人物抽出部11は、撮影画像内の人物Pの行動を表す行動情報も抽出する(図7のステップS3)。例えば、人物抽出部11は、人物の顔画像や身体画像、他の人物との距離などから、顔の向き、表情、視線、移動経路、1人又はグループ、などを行動情報として抽出する。なお、本実施形態では、人物抽出部11は、カメラCから動画からなる撮影画像を取得して、上述したように人物の属性や行動を抽出するが、カメラCから静止画からなる撮影画像を取得して人物の属性や行動を抽出してもよい。この場合、1枚の静止画から人物の性別などの属性や顔の向きなどの行動を抽出してもよく、時系列に沿って連続する複数の静止画から人物の属性や行動を抽出してもよい。
【0020】
さらに、人物抽出部11は、上述したように人物P毎に人属属性情報や行動情報を抽出したときにおける、対象場所Rの場面情報を取得する。具体的に、人物抽出部11は、場面情報として、対象場所Rの属性や特定の場所を表す場所情報と、対象場所Rの周囲環境を表す環境情報と、を取得する。例えば、人物抽出部11は、上記場所情報として、対象場所Rの撮影画像を撮影しているカメラCに付与されているカメラ識別情報やカメラ位置情報を取得し、カメラ識別情報やカメラ位置情報とに関連付けられている場所情報を取得する。一例として、場所情報としては、「百貨店の化粧品売り場」といった場所の属性を表す情報であってもよく、「○○デパート銀座店」のように特定の場所を表す情報であってもよい。また、人物抽出部11は、上記環境情報として、日時や季節、天気などを、ネットワークを介して接続された他の情報処理装置から取得する。なお、上述した場所情報や環境情報は、上記情報に限定されず、また、いかなる方法で取得されてもよい。そして、人物抽出部11は、抽出した人物属性情報と行動情報とに、場所情報と環境情報とからなる場面情報を関連付けて人物情報記憶部14に記憶しておく。
【0021】
上記学習部12(基準属性情報生成手段)は、上述したように撮影画像から抽出され、人物情報記憶部14に記憶されている人物属性情報及び行動情報を読み出す。そして、人物属性情報及び行動情報を学習することにより、対象場所Rつまり場面情報に対応する人物Pの属性及び行動を表す基準属性情報を生成する(図7のステップS4)。例えば、学習部12は、抽出した人物Pの性別と年齢といった属性から、図3に示すように、対象場所Rである「化粧品売り場」を訪れる人物Pの性別毎の年齢の分布を学習した基準属性情報を生成する。図3の例では、対象場所Rである「化粧品売り場」を訪れる人物Pの属性が、20歳から60歳の女性が多く(符号Wを参照)、男性は極端に少ないことがわかる(符号Mを参照)。このように、基準属性情報は、複数の人物の属性を表すこととなる。そして、学習部12は、生成した基準属性情報を、場面情報に関連付けて基準情報記憶部15(記憶手段)に記憶する(図7のステップS5)。
【0022】
なお、学習部12は、人物属性情報に関連付けられている環境情報や行動情報も含めて学習し、基準属性情報を生成してもよい。例えば、学習部12は、行動情報から1人で行動している人物Pのみの性別毎の年齢の分布を基準属性情報として生成してもよく、複数人のグループで行動している人物Pの性別毎の年齢分布を基準属性情報として生成してもよい。また、学習部12は、行動情報から、人物Pの性別毎の顔の向きや移動経路の統計を基準属性情報として生成してもよい。また別の例として、学習部12は、行動情報から、人物Pによる商品棚から商品を取る/商品棚に商品を戻す動作、ふらつく動作、特定の場所に一定時間滞在している動作、人物Pが特定の商品を一定時間見つめる動作、商品棚以外を見渡す動作、などの特定の動作を基準属性情報として生成してもよい。さらに、学習部12は、環境情報から、季節毎や時間帯毎に人物Pの性別毎の年齢の分布を生成してもよい。
【0023】
ここで、学習部12は、事前の設定あるいは外部入力により、対象場所Rが通常状態であると判断されているときに記憶された場面情報毎の人物属性情報等を用いて、基準属性情報を生成する。つまり、基準情報記憶部15に記憶された場面情報毎の基準属性情報は、対象場所Rである場所情報や環境情報が通常状態におけるものとなる。また、学習部12は、上述した人物抽出部11にて新たな撮影画像から抽出された人物属性情報等を用いて学習し続けて、基準情報記憶部15内の基準属性情報を更新してもよい。なお、基準情報記憶部15に記憶される基準属性情報は、上述したように必ずしも学習部12によって学習されたものであることに限定されず、予め用意された情報が記憶されてもよい。
【0024】
図2Bに、学習部12によって生成され、基準情報記憶部15に記憶される基準属性情報の一例を示す。例えば、場面情報「化粧品売り場」、環境情報「休日」に対して、「20代以上の女性」、「30代以上の男女カップル」といった人物属性と、「商品を見る」、「商品を手に取る」といった行動が、基準属性情報として記憶される。別の例としては、場面情報「○○デパート銀座店」、環境情報「夏」に対して、「薄着(服装)」といった人物属性が、基準属性情報として記憶される。但し、図2Bに示す基準属性情報は一例であって、図3に示すような人物季節毎や時間帯毎に人物Pの性別毎の年齢の分布をそのまま基準属性情報として記憶してもよく、他のいかなる内容の情報であってもよい。
【0025】
なお、図2Bの例では、場所情報と環境情報に対して、通常状態における人物Pの属性や行動を基準属性情報としている場合を例示しているが、異常状態つまり不審者に合致するような人物Pの属性や行動を基準属性情報としてもよい。例えば、場面情報「化粧品売り場」、環境情報「平日」に対して、「グループの男性」といった人物の属性や「商品以外を見回す」といった行動を、基準属性情報として記憶してもよい。また、基準属性情報としては、場所情報や環境情報において、来店を希望する見込み客となるような人物の属性や行動を記憶してもよい。
【0026】
ここで、上述したように基準属性情報が記憶される基準情報記憶部15は、必ずしも監視装置10内に設けられていることに限定されず、他の情報処理装置に装備されていてもよい。この場合、監視装置10は、ネットワークを介して他の情報処理装置に接続して、生成した基準属性情報を記憶したり、後述するように記憶されている基準属性情報を読み出してもよい。
【0027】
上記検出部13(検出手段)は、新たに撮影された撮影画像内の人物Pのうち、不審者を検出する。このため、まず新たに撮影された撮影画像に対しては、上述したように人物抽出部11が撮影画像内から人物Pを抽出し(図8のステップS11)、かかる人物Pの人物属性情報、行動情報、環境情報を抽出し(図8のステップS12,S13)、検出部13に渡す。このとき、検出部13は、撮影画像を撮影したカメラCに付与されているカメラ識別情報やカメラ位置情報を取得し、これらの情報に関連付けられている場所情報を抽出する。すると、検出部13は、抽出された場所情報及び環境情報に関連付けられて基準情報記憶部15に記憶されている基準属性情報を読み出して、かかる基準属性情報と、新たな撮影画像から抽出された人物属性情報等と、を比較する(図8のステップS14)。
【0028】
そして、検出部13は、基準属性情報に、抽出された人物属性情報と行動情報とが、予め設定された基準により合致しない場合に、その人物Pを不審者として検出する(図8のステップS15でYes)。例えば、基準属性情報が、図3に示すような1人で行動する人物Pの性別毎の年齢分布の内容であったり、図2Bの場面情報「化粧品売り場」、環境情報「平日」に対応する「20代以上の女性」という内容であるとする。このときに、新たに抽出した人物属性情報が「60代の男性」の場合や、「グループ(複数)の男性」の場合には、基準属性情報と合致しないとして、その人物Pや人物グループを不審者として検出する。このように、検出部13は、複数の人物Pの人物属性情報等を基準属性情報と比較して、複数の人物P(グループ)を不審者として検出することもできる。なお、抽出された人物属性情報と行動情報とが基準属性情報に合致しないことの判定は、例えば、抽出した人物属性情報や行動情報が基準属性情報に合致する確率(例えば、尤度)が閾値以下(例えば、20%以下)である場合に行う。但し、かかる判定はいかなる方法で行っても良い。
【0029】
そして、検出部13は、不審者の情報を含めた撮影画像を、出力装置20に表示出力する(図8のステップS16)。ここで、図4は、撮影画像そのものを出力装置20に出力したときの様子を示しており、このような撮影画像上に、不審者として検出した人物P1を区別できるよう表示する。例えば、図5,6に示すように、不審者P1を所定の色で塗りつぶして表示してもよく、不審者P1の周囲を縁取って表示したり、不審者P1にマークを付すなど、他の方法で不審者P1が目立つよう表示してもよい。また、検出部13は、撮影画像内の人物Pが動くにつれて当該人物Pを追跡し、不審者P1も追跡して不審者表示を行ってもよい。
【0030】
ここで、検出部13による不審者を検出する場合の他の例を説明する。例えば、基準属性情報が、図2Bの場面情報「化粧品売り場」、環境情報「平日」に対応する「20代以上の女性」といった人物属性と、「商品を見る」、「商品を手に取る」といった行動の内容であるとする。この場合、人物Pから抽出した人物属性情報が「20代の女性」であっても、行動情報が「顔の向きがキョロキョロしている(商品棚を向いていない)」といった場合には、上記基準属性情報と合致しないため、かかる人物Pを不審者として検出する。
【0031】
また、別の例としては、基準属性情報が人物Pが所持するバッグの大きさを表しており、「小サイズ」といった情報である場合に、人物Pから抽出した人物属性情報としての所持するバッグの大きさが「大サイズ」という場合には、上記基準属性情報と合致しないため、かかる人物Pを不審者として検出する。また、別の例としては、基準属性情報が人物Pの服装を表しており、「薄着」といった情報である場合に、人物Pから抽出した人物属性情報としての服装が「厚着」という場合には、上記基準属性情報と合致しないため、かかる人物Pを不審者として検出する。
【0032】
なお、上記では、人物Pから抽出した人物属性情報が、基準属性情報に合致しない人物を検出する場合を例示したが、基準属性情報に合致する人物属性情報の人物Pを検出してもよい。つまり、基準属性情報自体が不審者に合致する情報である場合には、不審者を検出することができ、基準属性情報自体が店舗側が来店を希望する見込み客となるような内容である場合には、所望の見込み客を検出することができる。
【0033】
また、検出部13は、撮影画像内の人物Pの行動情報から追跡する人物Pを特定し、かかる特定した人物Pの行動情報から不審者P1を検出してもよい。例えば、同じ場所に何度も立ち寄ったり、うろうろするなど予め設定された行動を行っている人物Pを追跡し、かかる人物Pが基準属性情報として記憶されている行動を取った場合に、不審者P1として検出してもよい。また、検出部13は、人物Pが不審者P1として検出される回数を記憶しておき、かかる回数が閾値以上となった場合のみ、かかる人物Pを不審者P1として最終決定して出力してもよい。
【0034】
また、検出部13は、例えば、図3に示すような人物Pの性別毎の年齢の分布を表す基準属性情報が記憶されている場合には、全体の数パーセント以下となる「年代の男性」を不審者として検出してもよい。また、別の例として、対象場所Rで犯罪等の異常状態が生じたときの撮影画像に基づいて、異常状態を生じさせた人物Pの属性を基準属性情報として記憶している場合には、異常状態を生じさせる可能性のある人物Pを不審者として検出することができる。一例として、場面情報「化粧品売り場」に対して、「商品以外の物品を手に取る」といった人物の行動が基準属性情報として記憶されている場合には、かかる行動をとった人物Pを不審者として検出する。
【0035】
以上のように、本発明では、対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報を用意しておき、対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性と比較することで、対象場所における所望の人物を検出することができる。これにより、例えば、対象場所においては不適切と思われる不審者を検出して警備に利用したり、また別の例では、対象場所においては適切と思われる見込み客を検出して接客に利用することができる。
【0036】
なお、上記では、基準属性情報として、人物の属性と人物の行動との両方を用いる場合を例示しているが、本発明における基準属性情報は、少なくとも一方のみの情報を用いてもよい。つまり、本発明では、基準属性情報として記憶された人物の属性に基づいて、新たな撮影画像から抽出した人物の属性のみから不審者を検出してもよく、基準属性情報として記憶された人物の行動に基づいて、新たな撮影画像から抽出した人物の行動のみから不審者を検出してもよい。
【0037】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、図9を参照して説明する。図9は、実施形態2における監視装置10により出力される画像の一例を示す図である。
【0038】
本実施形態における情報処理システムは、上述した実施形態1とほぼ同様の構成を有している。このうち、実施形態1では、監視装置10は、1つのカメラCから撮影された撮影画像のほぼ全体を監視する対象場所Rとしていたが、本実施形態では、1つのカメラCから撮影された撮影画像を分割した分割領域を、それぞれ監視する対象場所Rとしている。
【0039】
ここで、図9は、1つのカメラCにて撮影された撮影画像を示しているが、かかる撮影画像の横方向の左右それぞれに2つの異なる場所(一例として、2つの売り場)が映っていることとする。この場合、監視装置10は、撮影画像を左右にそれぞれ分割して、左側を第一分割領域R1とし、右側を第二分割領域R2として設定する。そして、監視装置10は、第一分割領域R1と第二分割領域R2とのそれぞれに対して、人物Pを抽出して学習による基準属性情報を生成し、かかる基準属性情報と新たに抽出した人物Pの属性や行動から、不審者を検出する。
【0040】
具体的に、監視装置10は、カメラCのカメラ識別情報と分割領域を指定する領域情報とから、第一分割領域R1に対応する場所情報や環境情報といった場面情報を取得する。そして、監視装置10は、第一分割領域R1のみに映る人物Pの属性情報や行動情報を抽出し、これらを学習して、第一分割領域R1の場所情報や環境情報に対応する基準属性情報を生成して記憶しておく。その後、監視装置10は、第一分割領域R1内の人物Pを抽出して、その属性情報や行動情報が第一分割領域R1に対応して記憶した基準属性情報に合致する/合致しない場合に、かかる人物Pを不審者として検出する。
【0041】
また、監視装置10は、同じ撮影画像の第二分割領域R2に対しても、上述したように第一分割領域R1に対して行った同様の処理を行う。まず、監視装置10は、カメラCのカメラ識別情報と分割領域を指定する領域情報とから、第二分割領域R2に対応する場所情報や環境情報といった場面情報を取得する。そして、監視装置10は、第二分割領域R2のみに映る人物Pの属性情報や行動情報を抽出し、これらを学習して、第二分割領域R1の場所情報や環境情報に対応する基準属性情報を生成して記憶しておく。その後、監視装置10は、第二分割領域R2内の人物Pを抽出して、その属性情報や行動情報が第二分割領域R2に対応して記憶した基準属性情報に合致する/合致しない場合に、かかる人物Pを不審者として検出する。
【0042】
以上のようにすることで、撮影画像内の分割領域R1,R2毎に基準属性情報を設定することができる。例えば、分割領域R1,R2にそれぞれ対応する売り場毎に、訪れる客の属性(性別、年代など)や行動(例えば、商品を閲覧するだけや試用が必要など)が異なる場合に、売り場毎の通常状態や異常状態の人物の属性や行動を表す適切な基準属性情報を設定することができる。その結果、分割領域R1,R2毎に、適切に不審者を検出することができる。
【0043】
<実施形態3>
次に、本発明の第3の実施形態を、図10を参照して説明する。図10は、実施形態3における情報処理装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、実施形態1,2で説明した監視装置の構成の概略を示している。
【0044】
図10に示すように、本実施形態おける情報処理装置100は、
対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報を記憶する記憶手段130と、
対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性を表す人物属性情報を抽出する抽出手段110と、
基準属性情報と人物属性情報とに基づいて撮影画像内の人物を検出する検出手段120と、
を備える。
【0045】
なお、上述した抽出手段110と検出手段120とは、情報処理装置100が装備する演算装置がプログラムを実行することで構築されるものであってもよく、電子回路で構築されるものであってもよい。
【0046】
そして、上記構成の情報処理装置100は、
対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性を表す人物属性情報を抽出し、
記憶手段に記憶された対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報と、人物属性情報と、に基づいて、撮影画像内の人物を検出する、
という処理を実行するよう作動する。
【0047】
上記発明によると、予め用意された対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報と、対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性とを比較することで、対象場所における所望の人物を検出することができる。
【0048】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における情報処理システム、情報処理方法、プログラムの構成の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0049】
(付記1)
対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報を記憶する記憶手段と、
前記対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性を表す人物属性情報を抽出する抽出手段と、
前記基準属性情報と前記人物属性情報とに基づいて前記撮影画像内の所定の人物を検出する検出手段と、
を備えた情報処理装置。
【0050】
(付記2)
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記検出手段は、複数の人物の属性を表す前記基準属性情報と、1人又は複数の人物の属性を表す前記人物属性情報と、に基づいて、前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
情報処理装置。
【0051】
(付記3)
付記1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記検出手段は、前記基準属性情報に対して前記人物属性情報が、所定の基準により合致する場合、又は、所定の基準により合致しない場合に、当該人物属性情報に対応する前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
情報処理装置。
【0052】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記基準属性情報は、周囲環境毎に設定されており、
前記検出手段は、前記撮影画像の周囲環境に対応して設定された前記基準属性情報と前記人物属性情報とに基づいて前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
情報処理装置。
【0053】
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記抽出手段は、前記撮影画像内の人物の行動を表す行動情報を抽出し、
前記検出手段は、前記基準属性情報と前記人物属性情報と前記行動情報とに基づいて、前記人物属性情報に対応する前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
情報処理装置。
【0054】
(付記6)
付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記対象場所を撮影した前記撮影画像内の人物の属性を抽出し、当該抽出した人物の属性に基づいて当該対象場所に対応する前記基準属性情報を生成して記憶する基準属性情報生成手段を備えた、
情報処理装置。
【0055】
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記属性は、人物の年齢を表す情報、人物の性別を表す情報、又は、人物の身の回り品を表す情報、である、
情報処理装置。
【0056】
(付記8)
情報処理装置に、
対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性を表す人物属性情報を抽出する抽出手段と、
記憶手段に記憶された前記対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報と、前記人物属性情報と、に基づいて、前記撮影画像内の所定の人物を検出する検出手段と、
を実現させるためのプログラム。
【0057】
(付記8.1)
付記8に記載のプログラムであって、
前記基準属性情報は、周囲環境毎に設定されており、
前記検出手段は、前記撮影画像の周囲環境に対応して設定された前記基準属性情報と前記人物属性情報とに基づいて前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
プログラム。
【0058】
(付記8.2)
付記8又は8.1のいずれかに記載のプログラムであって、
前記抽出手段は、前記撮影画像内の人物の行動を表す行動情報を抽出し、
前記検出手段は、前記基準属性情報と前記人物属性情報と前記行動情報とに基づいて、前記人物属性情報に対応する前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
プログラム。
【0059】
(付記8.3)
付記8乃至8.2のいずれかに記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記対象場所を撮影した前記撮影画像内の人物の属性を抽出し、当該抽出した人物の属性に基づいて当該対象場所に対応する前記基準属性情報を生成して記憶する基準属性情報生成手段、
をさらに実現させるためのプログラム。
【0060】
(付記9)
対象場所を撮影した撮影画像内の人物の属性を表す人物属性情報を抽出し、
記憶手段に記憶された前記対象場所に応じた人物の属性を表す基準属性情報と、前記人物属性情報と、に基づいて、前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
情報処理方法。
【0061】
(付記10)
付記9に記載の情報処理方法であって、
前記基準属性情報は、周囲環境毎に設定されており、
前記撮影画像の周囲環境に対応して設定された前記基準属性情報と前記人物属性情報とに基づいて前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
情報処理方法。
【0062】
(付記11)
付記9又は10に記載の情報処理方法であって、
前記撮影画像内の人物の行動を表す行動情報を抽出し、
前記基準属性情報と前記人物属性情報と前記行動情報とに基づいて、前記人物属性情報に対応する前記撮影画像内の所定の人物を検出する、
情報処理方法。
【0063】
(付記12)
付記9乃至11のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記対象場所を撮影した前記撮影画像内の人物の属性を抽出し、当該抽出した人物の属性に基づいて当該対象場所に対応する前記基準属性情報を生成して記憶する、
情報処理方法。
【0064】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0065】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0066】
10 監視装置
11 人物抽出部
12 学習部
13 検出部
14 人物情報記憶部
15 基準情報記憶部
20 出力装置
100 情報処理装置
110 抽出手段
120 検出手段
130 記憶手段
C カメラ
P 人物
P1 不審者
R 対象場所
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10