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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191346
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/298 20210101AFI20221220BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20221220BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20221220BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20221220BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20221220BHJP
   H01G 11/14 20130101ALI20221220BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/209
H01M50/569
H01M50/50 101
H01G11/12
H01G11/14
H01G4/228 J
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161729
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2018035323の分割
【原出願日】2018-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2017050604
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】増田 喜弘
(72)【発明者】
【氏名】小野 慎平
(72)【発明者】
【氏名】岩嶋 泰行
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 洋
(72)【発明者】
【氏名】松田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 駿
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 稔
(57)【要約】
【課題】外部配線を着脱可能なコネクタを備える蓄電装置であって、安全性が高い蓄電装置を提供すること。
【解決手段】蓄電装置10は、蓄電素子20と、蓄電素子20と電気的に接続される第一配線65aと、第一配線65aを保持するハーネスプレート50と、第一配線65aと接続された第一コネクタ85であって、ハーネスプレート50の中央部に位置し、かつ、外部配線を着脱可能な第一コネクタ85とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、
前記蓄電素子と電気的に接続される第一配線と、
前記第一配線を保持する配線保持部材と、
前記第一配線と接続された第一コネクタであって、前記配線保持部材の中央部に位置し、かつ、外部配線を着脱可能な第一コネクタと、
を備える蓄電装置。
【請求項2】
さらに、前記第一配線よりも低い電圧用の配線である第二配線であって、前記配線保持部材に保持される第二配線と、
前記第二配線に接続され、前記配線保持部材の端部に位置する第二コネクタと、
を備える請求項1記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記配線保持部材は、前記第一配線及び前記第二配線を、第一領域内において、前記蓄電素子及び前記配線保持部材の並び方向と交差する方向に並んだ位置に規制する規制部を有する、
請求項2記載の蓄電装置。
【請求項4】
さらに、前記配線保持部材を前記蓄電素子とは反対側から覆うカバー部材を備え、
前記カバー部材には、前記第一領域に対向する位置に、他の部分よりも前記配線保持部材に近い外面を形成する低面部が形成されている、
請求項3記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第一配線および前記第二配線は、前記第一コネクタの開口側の第二領域を迂回して配置されている、
請求項2~4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記配線保持部材は、前記第二領域の周縁の少なくとも一部に沿って立設された壁部を有する、
請求項5記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子、及び、蓄電素子と電気的に接続される配線を保持する配線保持部材を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、1以上の蓄電素子を備える蓄電装置の状態を監視する監視装置が存在する。例えば特許文献1には、バッテリと電気的に接続される高圧側コネクタ、及び、上位のマイクロコントローラと接続される低圧側コネクタを備える電池監視装置が開示されている。この電池監視装置では、平面視において、筐体の互いに対向する辺に高圧側コネクタ及び低圧側コネクタが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-115647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば上記の電池監視装置等の外部装置に接続される蓄電装置にも、外部配線と接続するためのコネクタが設けられる。このコネクタは、蓄電装置と外部装置との間の電気的な接続点であるため、蓄電装置が、例えば、電気自動車(EV)等の移動体の駆動用または始動用として移動体に搭載される場合において、衝撃等から保護するための工夫が必要である。特に、蓄電装置が有する蓄電素子と電気的に接続されたコネクタについては、高い安全性が要求される。
【0005】
そのため、蓄電素子と電気的に接続されたコネクタを、例えば、上記従来の電池監視装置のように、筐体(蓄電装置の外装体)の端部に配置した場合、コネクタが衝撃を受けやすいという問題が生じ得る。
【0006】
本発明は、本願発明者らが上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、外部配線を着脱可能なコネクタを備える蓄電装置であって、安全性が高い蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子と電気的に接続される第一配線と、前記第一配線を保持する配線保持部材と、前記第一配線と接続された第一コネクタであって、前記配線保持部材の中央部に位置し、かつ、外部配線を着脱可能な第一コネクタと、を備える。
【0008】
この構成によれば、蓄電素子と電気的に接続された第一配線が、配線保持部材に保持された状態で、蓄電装置に備えられる。そのため、例えば、蓄電装置の製造(組み立て)時において、第一配線を配線保持部材に保持させた状態で、蓄電装置に組み込むことができる。これにより、例えば、第一配線の部材間の挟み込み等が生じ難い。また、例えば、第一配線の移動の自由度が高い場合と比較すると、第一配線の断線等の不具合の発生可能性が低減される。さらに、第一コネクタが、配線保持部材の中央部に位置していることで、例えば蓄電装置が搭載された移動体が衝突事故を起こした場合などにおいて、蓄電素子と通電状態にある第一コネクタの損傷可能性が低減される。つまり、第一コネクタが損傷することによる外部短絡等の不安全事象の発生が抑制される。このように、本態様に係る蓄電装置は、外部配線を着脱可能なコネクタを備え、安全性が高い蓄電装置である。
【0009】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置はさらに、前記第一配線よりも低い電圧用の配線である第二配線であって、前記配線保持部材に保持される第二配線と、前記第二配線に接続され、前記配線保持部材の端部に位置する第二コネクタとを備える、としてもよい。
【0010】
この構成によれば、上述のように、例えば衝突事故等の発生時における、高電圧用の第一コネクタの損傷の可能性が低減された蓄電装置において、配線保持部材の端部にある、低電圧用の第二コネクタへの外部配線の着脱の容易さが確保される。
【0011】
ここで、蓄電装置を搭載した移動体が物体と衝突したこと、または、コネクタに対する外部配線の着脱が無理に行われることなどに起因して、コネクタに過大な外力がかけられた場合、コネクタには損傷が生じ得る。コネクタに損傷が生じた場合、蓄電装置の状態確認が正しく行えない、または外部短絡の発生など安全上の問題が生じ得る。
【0012】
そこで、本態様に係る蓄電装置では、比較的に高い電圧がかかる第一コネクタについては、衝突事故等の非常時における損傷可能性を低減させ、かつ、比較的に低い電圧がかかる第二コネクタについては、外部配線の着脱時(外部配線の取り付け時及び取り外し時の少なくとも一方)における損傷可能性を低減させている。これにより、安全性の高い蓄電装置が得られる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置において、前記配線保持部材は、前記第一配線及び前記第二配線を、第一領域内において、前記蓄電素子及び前記配線保持部材の並び方向と交差する方向に並んだ位置に規制する規制部を有する、としてもよい。
【0014】
この構成によれば、例えば配線保持部材が蓄電素子の上に配置された場合、少なくとも第一領域内において、第一配線及び第二配線のそれぞれが上下に重ならないため、上下方向のサイズの増加が抑制される。また、配線保持部材を覆うカバー等が配置された場合において、カバーから押圧されることによる第一配線または第二配線の断線の可能性が低減される。
【0015】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置はさらに、前記配線保持部材を前記蓄電素子とは反対側から覆うカバー部材を備え、前記カバー部材には、前記第一領域に対向する位置に、他の部分よりも前記配線保持部材に近い外面を形成する低面部が形成されている、してもよい。
【0016】
この構成によれば、カバー部材において、例えば凹んだ部分である低面部により形成される空間を利用して、外部配線を配置すること、または、制御基板等の電気機器を配置することができる。つまり、蓄電装置の安全性を確保しつつ、蓄電装置の周辺の空間の有効利用が図られる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置において、前記第一配線および前記第二配線は、前記第一コネクタの開口側の第二領域を迂回して配置されている、としてもよい。
【0018】
この構成によれば、配線保持部材の中央部に配置された第一コネクタについても外部配線の着脱のしやすさが確保される。そのため、第一コネクタに対する外部配線の着脱時における第一コネクタの損傷の可能性が低減される。
【0019】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置において、前記配線保持部材は、前記第二領域の周縁の少なくとも一部に沿って立設された壁部を有する、としてもよい。
【0020】
この構成によれば、壁部があることで、配線保持部材への第一配線及び第二配線の配置時、または、配置後において、第一配線及び第二配線を、強制的に第二領域の外に位置させることができる。そのため、例えば、第一コネクタに対する外部配線の着脱のしやすさがより確実化される。
【0021】
なお、本発明は、蓄電装置として実現することができるだけでなく、当該蓄電装置が備える配線保持部材としても実現することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、外部配線を着脱可能なコネクタを備える蓄電装置であって、安全性が高い蓄電装置を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す第1の分解斜視図である。
図3】実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す第2の分解斜視図である。
図4A】実施の形態に係る第一配線のレイアウトを示す平面図である。
図4B】実施の形態に係る第二配線のレイアウトを示す平面図である。
図5】実施の形態に係るハーネスプレートの一部を拡大して示す斜視図である。
図6】実施の形態に係る電池パックの第1の構成例を示す平面図である。
図7】実施の形態に係る電池パックの第2の構成例を示す平面図である。
図8】実施の形態の変形例に係る蓄電装置の蓋体まわりの構成を示す断面図である。
図9】実施の形態の変形例に係る蓄電装置の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0025】
また、以下の説明及び図面中において、1つの蓄電素子における電極端子の並び方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、蓄電装置の外装体の長側面の対向方向をX軸方向と定義する。また、複数の蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、当該容器の厚さ方向、または、蓄電装置の外装体の短側面の対向方向をY軸方向と定義する。また、蓄電装置の外装体本体と蓄電素子と中蓋とハーネスプレートと蓋体との並び方向、蓄電素子の容器本体と蓋体との並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
【0026】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る蓄電装置10の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る蓄電装置10を分解した場合の各構成要素を示す第1の分解斜視図である。図3は、実施の形態に係る蓄電装置10を分解した場合の各構成要素を示す第2の分解斜視図である。なお、図3では、ハーネスプレート50と、ハーネスプレート50に固定される部材等との関係を明確に図示するために、外装体11及び中蓋30の図示は省略している。
【0027】
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置10は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。具体的には、蓄電装置10は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)またはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械などの移動体の駆動用またはエンジン始動用のバッテリ等として用いられる。
【0028】
図1及び図2に示すように、蓄電装置10は、蓋体100及び外装体本体200からなる外装体11と、外装体11内方に収容される複数の蓄電素子20、中蓋30、複数のバスバー40、ハーネスプレート50及び内部配線65等とを備えている。
【0029】
外装体11は、蓄電装置10の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体11は、蓄電素子20及びハーネスプレート50等の外方に配置され、これら蓄電素子20等を所定の位置に配置し、衝撃などから保護する。また、外装体11は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の絶縁材料により構成されている。外装体11は、これにより、蓄電素子20等が金属部材などに接触することを回避する。
【0030】
外装体11は、外装体11の蓋体(外蓋)を構成する扁平な矩形状の蓋体100と、外装体11の本体を構成する外装体本体200とを有している。蓋体100は、ハーネスプレート50を蓄電素子20とは反対側から覆うカバー部材の一例である。外装体本体200は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングである。つまり、外装体本体200の開口を塞ぐように、蓋体100が配置される。なお、蓋体100及び外装体本体200は、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
【0031】
また、蓋体100の中央部には、矩形状の貫通孔である開口部100aが形成され、蓋体100のX軸方向プラス側かつY軸方向両側の角部には、矩形状の切欠きである開口部100bが形成されている。蓋体100にはさらに、蓋体100のX軸方向中央かつY軸方向マイナス側に、矩形状の切欠きである開口部100cが形成されている。また、蓋体100には、他の部分よりもハーネスプレート50に近い外面を形成する低面部105が形成されている。
【0032】
蓄電素子20は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子20は、扁平な直方体形状(角型)の形状を有しており、本実施の形態では、8個の蓄電素子20(蓄電素子20A~20H)がY軸方向に配列されている。なお、蓄電素子20の形状や、配列される蓄電素子20の個数は限定されない。また、蓄電素子20は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよく、さらに、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。
【0033】
具体的には、蓄電素子20は、金属製の容器21を備え、容器21の蓋部分には、金属製の電極端子である正極端子22及び負極端子23が設けられている。なお、容器21の蓋部分には、電解液を注液する注液部、及び、容器21内の圧力上昇時にガスを排出して圧力を開放するガス排出弁等が設けられていてもよい。また、容器21の内方には、電極体(蓄電要素または発電要素ともいう)及び集電体(正極集電体及び負極集電体)等が配置され、電解液(非水電解質)などが封入されているが、詳細な説明は省略する。
【0034】
本実施の形態において、正極端子22及び負極端子23は、容器21の蓋部分から、蓋体100に向けて(上方、つまりZ軸方向プラス側に向けて)突出して配置された、ネジ山が形成されたボルト部を有するボルト端子である。そして、複数の蓄電素子20の最も外側の電極端子である蓄電素子20Aの負極端子23と蓄電素子20Hの正極端子22とが、蓋体100のX軸方向プラス側かつY軸方向両側の角部に形成された開口部100bから、露出して配置される。この最も外側の電極端子が外部端子(図示せず)に接続される、または、この最も外側の電極端子が外部端子として機能することにより、蓄電装置10が、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる。
【0035】
中蓋30は、外装体11の中蓋を構成する扁平な矩形状の部材であり、外装体本体200の補強を行う機能を有している。また、中蓋30は、ハーネスプレート50と蓄電素子20との間に配置され、ハーネスプレート50を下方から保持するとともに、蓄電素子20を上方から保持する。中蓋30は、例えば、PC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁材料により構成されている。また、中蓋30のX軸方向プラス側かつY軸方向両側の角部には、開口部31が形成されている。この開口部31には、後述のサーミスタ63及び検出端子80が配置される。
【0036】
バスバー40は、複数の蓄電素子20上(中蓋30上)に配置され、複数の蓄電素子20の電極端子同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。バスバー40は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。具体的には、バスバー40には貫通孔が形成されており、当該貫通孔に蓄電素子20の電極端子のボルト部が挿入されて、当該ボルト部にナット90(図3参照)が締結されることで、バスバー40と電極端子とが接続される。本実施の形態では、バスバー40により、隣り合う2つの蓄電素子20の一方の正極端子22と他方の負極端子23とが接続されている。これにより8個の蓄電素子20は直列に接続されている。なお、蓄電素子20の接続の態様は上記には限定されず、直列接続及び並列接続がどのように組み合わされていてもよい。
【0037】
また、本実施の形態では、複数のバスバー40のそれぞれには、電圧検出用の端子である検出端子80が接触して配置される。具体的には、バスバー40の上面に検出端子80が配置され、かつ、ナット90によって、バスバー40と検出端子80とが共締めされる。つまり、バスバー40を、蓄電素子20の電極端子に固定するナット90により、検出端子80がバスバー40と接触した状態で固定される。
【0038】
また、上述の通り、複数の蓄電素子20の最も外側の電極端子である蓄電素子20Aの負極端子23及び蓄電素子20Hの正極端子22のそれぞれに配置された検出端子80にはサーミスタ63が配置されている。つまり、本実施の形態において直列に接続された蓄電素子20A~20Hからなる蓄電素子ユニットの総プラス端子である蓄電素子20Hの正極端子22、及び、当該蓄電素子ユニットの総マイナス端子である蓄電素子20Aの負極端子23それぞれの温度が、サーミスタ63によって計測される。
【0039】
ハーネスプレート50は、配線保持部材の一例であり、内部配線65、第一コネクタ85及び第二コネクタ86等の電装部品が配置される扁平な矩形状の部材である。ハーネスプレート50は、蓄電素子20と蓋体100との間に配置されている。
【0040】
ハーネスプレート50は、例えば、PC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁材料により構成されている。つまり、ハーネスプレート50は、中蓋30上に載置されて、内部配線65、第一コネクタ85及び第二コネクタ86等を保持し、当該内部配線65等と他の部材との絶縁、及び、当該内部配線65等の位置規制等を行う。
【0041】
内部配線65は、蓄電素子20の各電極端子と第一コネクタ85とを電気的に接続する第一配線65a、及び、2つのサーミスタ63と第二コネクタ86とを電気的に接続する第二配線65bを有し、ハーネスプレート50に取り付けられている。内部配線65は、例えば、ハーネスプレート50に設けられた爪状の部位である第一規制部51に引っ掛けられることでハーネスプレート50に保持されている。内部配線65のハーネスプレート50への取付構造の詳細については図5を用いて後述する。
【0042】
なお、本実施の形態において、第一コネクタ85は接続口85a内に複数のピンを有するコネクタであり、第二コネクタ86は接続口86a内に複数のピンを有するコネクタである。つまり、第一コネクタ85の接続口85a及び第二コネクタ86の接続口86aのそれぞれには、外部配線の端部に設けられた、複数のピン穴を有するコネクタが挿入される。
【0043】
また、第一コネクタ85は、後端部がハーネスプレート50の第一コネクタ支持部55aに支持された状態で、ハーネスプレート50に取り付けられている。第二コネクタ86は、後端部がハーネスプレート50の第二コネクタ支持部55bに支持された状態で、ハーネスプレート50に取り付けられている。第一コネクタ85及び第二コネクタ86のそれぞれは、接続口(85aまたは85b)と反対側の後端部がコネクタ支持部(55aまたは55b)に支持されていることで、浮き上がりが抑制されている。
【0044】
これら第一配線65a及び第二配線65bについて、図3に加え、図4A及び図4Bを用いて説明する。図4Aは、実施の形態に係る第一配線65aのレイアウトを示す平面図であり、図4Bは、実施の形態に係る第二配線65bのレイアウトを示す平面図である。なお、第一配線65a及び第二配線65bのレイアウトを視認しやすいように、図4Aでは、第一配線65a上に破線が付されており、図4Bでは、第二配線65b上に破線が付されている。また、検出端子80及びサーミスタ63の位置を視認しやすいように、図4Aにおいて、検出端子80には斜線が付されており、図4Bにおいて、サーミスタ63にはドットが付されている。
【0045】
第一配線65aは、複数の蓄電素子20のそれぞれと電気的に接続される、比較的に高い電圧用の配線である。具体的には、第一配線65aは、図3及び図4Aに示すように、9つの検出端子80(80a~80i)と、第一コネクタ85とを接続する配線である。第二配線65bは、図3及び図4Bに示すように、2つのサーミスタ63と、第二コネクタ86とを接続する配線である。つまり、第二配線65bは、温度検出用の電流が流れる配線であり、すなわち、第一配線65aよりも低い電圧用の配線である。
【0046】
図4A及び図4Bに示すように、第一コネクタ85は、ハーネスプレート50の中央部に配置されており、第二コネクタ86は、ハーネスプレート50の端部に配置されている。第一コネクタ85及び第二コネクタ86のそれぞれには外部配線が着脱自在に接続される。例えば、蓄電装置10を制御する制御装置は、第一コネクタ85、第二コネクタ86、及び、これらコネクタのそれぞれに接続された外部配線を介して、蓄電装置10の各蓄電素子20の電圧及び蓄電装置10の温度を計測することができる。
【0047】
本実施の形態において、9つの検出端子80のうち、最も外側の2つの検出端子80である、検出端子80a及び80iのそれぞれは、蓄電素子20の電極端子と接続される。具体的には、検出端子80aは、蓄電素子20Aの負極端子23に接続され、検出端子80iは、蓄電素子20Hの正極端子22に接続されている。なお、検出端子80a及び検出端子80iのそれぞれは、図3等に図示しないナットによって電極端子に固定される。
【0048】
また、検出端子80b~80hのそれぞれは、図3及び図4Aに示すように、バスバー40に接続されている。具体的には、検出端子80b~80hのそれぞれは、上述のようにナット90によって、1つのバスバー40に接触した状態で固定されている。1つのバスバー40は、隣り合う2つの蓄電素子20の一方の正極端子22と他方の負極端子23とに接続されている。つまり、検出端子80b~80hのそれぞれは、対応する2つの蓄電素子20の一方の正極端子22と他方の負極端子23とに電気的に接続されている。例えば、検出端子80bは、蓄電素子20Aの正極端子22と、蓄電素子20Bの負極端子23とに電気的に接続されている。
【0049】
上記構成により、第一コネクタ85に接続された制御装置は、2つの検出端子80の間の電位差を計測することで、例えば1つの蓄電素子20の電圧を計測することができる。例えば、検出端子80bと検出端子80cとの電位差を計測することで、蓄電素子20Bの電圧が計測される。
【0050】
なお、第一配線65aは、各蓄電素子20の電圧を均一化するための配線として用いることも可能である。例えば、第一コネクタ85に接続された制御装置は、蓄電素子20Bの電圧が他の蓄電素子20の電圧よりも高い場合、検出端子80bと検出端子80cとを放電用の回路(バランス回路)を介して接続することで、蓄電素子20Bを放電させることができる。これにより、蓄電素子20Bの電圧が低下される。つまり、複数の蓄電素子20の電圧の均一化が図られる。
【0051】
また、図4Bに示すように、検出端子80a及び検出端子80iのそれぞれにはサーミスタ63が取り付けられており、2つのサーミスタ63は、第二配線65bを介して第二コネクタ86と接続されている。具体的には、2つのサーミスタ63のそれぞれには、第二配線65bとして一対の電線が接続されている。第二コネクタ86に接続された制御装置は、これら一対の電線を介してサーミスタ63の抵抗値を計測することで、そのサーミスタ63と熱的に接続された蓄電装置10の温度を測定することができる。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態に係る蓄電装置10は、蓄電素子20と、蓄電素子20と電気的に接続される第一配線65aと、第一配線65aを保持するハーネスプレート50と、第一配線65aと接続された第一コネクタ85であって、ハーネスプレート50の中央部に位置し、かつ、外部配線を着脱可能な第一コネクタ85とを備える。
【0053】
この構成によれば、蓄電素子20と電気的に接続された第一配線65aが、ハーネスプレート50に保持された状態で、蓄電装置10に備えられる。そのため、例えば、蓄電装置10の製造(組み立て)時において、第一配線65aをハーネスプレート50に保持させた状態で、蓄電装置10に組み込むことができる。これにより、例えば、第一配線65aの部材間の挟み込み等が生じ難い。また、例えば、第一配線65aの移動の自由度が高い場合と比較すると、第一配線65aの断線、または、第一配線65aと検出端子80との接続部分の切断等の不具合の発生可能性が低減される。さらに、第一コネクタ85が、ハーネスプレート50の中央部に位置していることで、例えば蓄電装置10が搭載された移動体が衝突事故を起こした場合などにおいて、蓄電素子20と通電状態にある第一コネクタ85の損傷可能性が低減される。つまり、第一コネクタ85が損傷することによる外部短絡等の不安全事象の発生が抑制される。
【0054】
ここで、蓄電装置10がEVまたはPHEV等の自動車において、ハーネスプレート50が複数の蓄電素子20の上に位置する姿勢、つまり、本実施の形態におけるZ軸方向プラス側が上方となる姿勢で配置される場合を想定する。この場合、例えば走行中の自動車が物体に衝突した際、蓄電装置10には、主に側方(XY平面に平行な方向)から衝撃が加えられる。この条件下において、平面視(ハーネスプレート50と複数の蓄電素子20との並び方向から見た場合)においてハーネスプレート50の中央部に位置する第一コネクタ85の側方には、ハーネスプレート50の一部が必ず存在する。そのため、例えば、ハーネスプレート50の一部であって、第一コネクタ85の周囲に位置する部分が、衝撃を吸収する緩衝部材として機能する。その結果、第一コネクタ85に与えられる衝撃が抑制される。つまり、第一コネクタ85は、ハーネスプレート50において、衝突事故等に起因する衝撃を受け難い位置に配置されている、と言える。
【0055】
このように、本実施の形態に係る蓄電装置10は、外部配線を着脱可能な第一コネクタ85を備え、安全性が高い蓄電装置10である。
【0056】
なお、本実施の形態では、例えば、図1に示すように、ハーネスプレート50を覆う蓋体100の中央部に開口部100aが設けられている。そのため、ハーネスプレート50の上方に蓋体100が配置された場合であっても、第一コネクタ85の接続口85a(外部配線の端部が挿抜される開口)は、開口部100aから露出する。従って、第一コネクタ85に対する外部配線の取り付け及び取り外しは可能である。
【0057】
また、本実施の形態では、ハーネスプレート50は、複数(本実施の形態では8つ)の蓄電素子20それぞれの正極端子22及び負極端子23の間に配置されている。つまり、蓄電素子20の容器21から突出して設けられた正極端子22及び負極端子23の間の空間を利用して、ハーネスプレート50が配置されている。
【0058】
すなわち、ハーネスプレート50は、例えば正極端子22及び負極端子23の並び方向(X軸方向)において、蓄電装置10の中央部に位置している。そのため、例えば、蓄電装置10に対してX軸方向の側方から衝撃が与えられた場合に、その衝撃がハーネスプレート50に与える影響が低減される。その結果、例えば当該衝撃に対する第一コネクタ85の保護がより確実化される。
【0059】
なお、本実施の形態では、ハーネスプレート50の、複数の蓄電素子20の並び方向(Y軸方向)における長さは、複数の蓄電素子20から構成される蓄電素子ユニットのY軸方向の幅とほぼ同じである(例えば図4A参照)。従って、平面視において、第一コネクタ85は、蓄電装置10の中央部に位置し、かつ、第二コネクタ86は、蓄電装置10の端部に位置する、ということもできる。
【0060】
また、本実施の形態に係る蓄電装置10は、第一配線65aよりも低い電圧用の配線である第二配線65bであって、ハーネスプレート50に保持される第二配線65bと、第二配線65bに接続され、ハーネスプレート50の端部に位置する第二コネクタ86とを備える。
【0061】
この構成によれば、上述のように、例えば衝突事故等の発生時における、高電圧用の第一コネクタ85の損傷の可能性が低減された蓄電装置10において、ハーネスプレート50の端部にある、低電圧用の第二コネクタ86への外部配線の着脱の容易さが確保される。
【0062】
ここで、蓄電装置10を搭載した移動体が物体と衝突したこと、または、コネクタに対する外部配線の着脱が無理に行われることなどに起因して、コネクタに過大な外力がかけられた場合、コネクタには損傷が生じ得る。コネクタに損傷が生じた場合、蓄電装置10の状態確認が正しく行えない、または外部短絡の発生など安全上の問題が生じ得る。
【0063】
そこで、本態様に係る蓄電装置10では、比較的に高い電圧がかかる第一コネクタ85については、衝突事故等の非常時における損傷の可能性を低減させている。さらに、比較的に低い電圧がかかる第二コネクタ86については、外部配線の着脱のしやすさを確保することで、外部配線の着脱時における第二コネクタ86の損傷可能性を低減させている。これにより、安全性の高い蓄電装置が得られる。
【0064】
また、本実施の形態に係るハーネスプレート50は、複雑になりがちな内部配線65の位置を規制するための構造を有している。この構造について、上述の図4A及び図4B等に加え、図5を用いて説明する。
【0065】
図5は、実施の形態に係るハーネスプレート50の一部を拡大して示す斜視図である。具体的には、図5では、ハーネスプレート50の、第一コネクタ85の前方(接続口85a側)の部分を拡大して示している。
【0066】
図5に示すように、本実施の形態に係るハーネスプレート50は、第一配線65a及び第二配線65bを、第一領域56a(図4A及び図4B参照)内において、蓄電素子20及びハーネスプレート50の並び方向(Z軸方向)と交差する方向に並んだ位置に規制する規制部(51、52)を有する。
【0067】
具体的には、本実施の形態に係る規制部として、爪状の部位である第一規制部51と、突起状の部位である第二規制部52とがハーネスプレート50に設けられている。複数の第一規制部51のそれぞれは、第一配線65aまたは第二配線65bを引っ掛けて保持する。また、複数の第二規制部52のうちの一組の第二規制部52は、第一配線65aまたは第二配線65bを挟んで保持する。第一配線65a及び第二配線65bのそれぞれは、第一規制部51及び第二規制部52の少なくとも一方によって、ハーネスプレート50の上面(内部配線65のは一面)に沿った方向(XY平面に沿った方向)に並んだ位置に規制されている。これにより、ハーネスプレート50の第一領域56aにおいて、第一配線65a同士で上下に重ならず、第二配線65b同士で上下に重ならず、かつ、第一配線65aと第二配線65bとで上下に重ならない。
【0068】
このように、本実施の形態に係るハーネスプレート50によれば、少なくとも第一領域56a内において、第一配線65a及び第二配線65bのそれぞれが上下に重ならないため、上下方向のサイズの増加が抑制される。具体的には、本実施の形態に係るハーネスプレート50によれば、複数の蓄電素子20と蓋体100との間の空間を利用し、かつ、当該空間を無駄に消費しない態様で、第一配線65a及び第二配線65bを保持することができる。より詳細には、上述のように、ハーネスプレート50は、正極端子22及び負極端子23の間の空間に配置されている。そのため、蓄電装置10内にハーネスプレート50が存在することによる蓄電装置10のサイズの増加が抑制される。
【0069】
また、蓋体100(図1及び図2参照)が、ハーネスプレート50の上方に配置された場合であっても、蓋体100から押圧されることによる第一配線65aまたは第二配線65bの断線の可能性が低減される。このことは、蓄電装置10の安全性の向上に寄与する。
【0070】
なお、本実施の形態では、第一規制部51及び第二規制部52の高さ(ハーネスプレート50における内部配線65の配置面50aからの高さ)は同一(略同一を含む)である。また、第一領域56aに対向する、蓋体100の低面部105は、第一規制部51及び第二規制部52に当接する程度の高さ位置に存在する。そのため、第一規制部51及び第二規制部52は、蓋体100(低面部105)が、第一配線65a及び第二配線65bを押圧しないための支えとしても機能する。
【0071】
また、本実施の形態において、第一配線65a及び第二配線65bのそれぞれ(より詳細には、第一配線65a及び第二配線65bを構成する複数の電線のそれぞれ)は、両端部の間の部分(被覆部分)が、ハーネスプレート50の規制部(第一規制部51及び第二規制部52の少なくとも一方)に保持されている。そのため、可撓性を有する第一配線65a及び第二配線65bのそれぞれの、外装体11の内部における姿勢または位置を安定的に維持することができる。
【0072】
また、図4A図4B及び図5に示されるように、本実施の形態に係るハーネスプレート50において、第一配線65aおよび第二配線65bは、第一コネクタ85の開口(接続口85a)側の第二領域56bを迂回して配置されている。
【0073】
第二領域56bは、平面視における第一コネクタ85の側方の領域であって、接続口85aが設けられた側の領域である。例えば、接続口85aに挿入される、外部配線の端部に設けられたコネクタのサイズ及び形状等によって、第二領域56bのサイズ及び形状が決定される。
【0074】
この構成によれば、例えば、ハーネスプレート50の中央部に配置された第一コネクタ85についても外部配線の着脱のしやすさが確保される。そのため、例えば、第一コネクタ85に対する外部配線の着脱時における第一コネクタ85の損傷の可能性が低減される。つまり、例えば第一コネクタ85の接続口85aの前方にスペースがないために、接続口85aに対して斜め方向から外部配線を挿入するような、第一コネクタ85に不要なストレスを与える作業が行われる可能性が低減される。
【0075】
また、本実施の形態では、第一コネクタ85の接続口85aは、ハーネスプレート50における、内部配線65の配置面50aに沿った方向に向けて開口している。つまり、第一コネクタ85の接続口85aに外部配線を挿入した場合における、外部配線の第一コネクタ85からの突出方向は、配置面50aに沿った方向である。従って、例えば、外部配線を蓄電装置10から突出させない姿勢で、第一コネクタ85に接続することができる。これにより、例えば、外部配線に外力が与えられることによる外部配線または第一コネクタ85の損傷の可能性を低減することができる。
【0076】
また、ハーネスプレート50は、第二領域56bの周縁の少なくとも一部に沿って立設された壁部54を有している。このように、ハーネスプレート50に壁部54があることで、ハーネスプレート50への第一配線65a及び第二配線65bの配置時、または、配置後において、第一配線65a及び第二配線65bを、強制的に第二領域56bの外に位置させることができる。そのため、例えば、第一コネクタ85に対する外部配線の着脱のしやすさがより確実化される。従って、第一コネクタ85に対する外部配線の着脱時における第一コネクタ85の損傷の可能性がより低減される。
【0077】
なお、本実施の形態では、壁部54は、ハーネスプレート50において第二領域56bを囲むように配置されている。これにより、第一配線65a及び第二配線65bを、第二領域56bから実質的に完全に排除できる。また、例えば、作業員が、蓋体100の配置後において第一コネクタ85に対して外部配線を着脱する際に、作業員の指が第一配線65aまたは第二配線65bに触れることが防止される。つまり、第一コネクタ85に対する外部配線の着脱時における安全性が向上される。
【0078】
ここで、本実施の形態に係る蓄電装置10を複数組み合わせることで、1つの電池パックを構成することも可能である。そこで、図6及び図7を用いて、本実施の形態に係る電池パック1について説明する。
【0079】
図6は、実施の形態に係る電池パック1の第1の構成例を示す平面図であり、図7は、実施の形態に係る電池パック1の第2の構成例を示す平面図である。なお、図7では、外部配線は、太線によって模式的に表されている。
【0080】
本実施の形態に係る蓄電装置10が備える蓋体100には、上述のように、他の部分よりもハーネスプレート50に近い外面を形成する低面部105が形成されている。この低面部105は、ハーネスプレート50の第一領域56a(図4A及び図4B参照)に対向する位置に存在する。
【0081】
すなわち、図5を用いて説明したように、第一領域56aでは、第一配線65a及び第二配線65bが上下方向に重ならないように配置されており、そのため、第一領域56aに対向する位置に低面部105を形成することが可能である。
【0082】
本実施の形態では、低面部105は、蓋体100において、凸部101及び凸部102の間に存在する凹んだ部分として設けられており、この凹んだ部分を利用して、図6に示すように、外部配線を配置することができる。
【0083】
具体的には、図6に示す電池パック1は、3つの蓄電装置10である第一蓄電装置10A、第二蓄電装置10B及び第三蓄電装置10Cと、3つの導電部材12である第一導電部材12A、第二導電部材12B及び第三導電部材12Cとを備えている。第一導電部材12Aは、第一蓄電装置10Aに接続される外部配線(外部ハーネス)である。同様に、第二導電部材12B及び第三導電部材12Cは、第二蓄電装置10B及び第三蓄電装置10Cに接続される外部配線(外部ハーネス)である。
【0084】
第一導電部材12Aは、第一蓄電装置10Aの第一コネクタ85に接続され、第二導電部材12Bは、第二蓄電装置10Bの第一コネクタ85に接続され、第三導電部材12Cは、第三蓄電装置10Cの第一コネクタ85に接続される。この際、第一導電部材12Aは、第一蓄電装置10Aの低面部105に配置され、第二導電部材12Bは、第一蓄電装置10Aの低面部105及び第二蓄電装置10Bの低面部105に配置される。同様に、第三導電部材12Cは、第一蓄電装置10Aの低面部105、第二蓄電装置10Bの低面部105及び第三蓄電装置10Cの低面部105に配置される。
【0085】
なお、それぞれの蓄電装置10には、例えば、導電部材12を覆うハーネスカバー210(図6では破線で外形が図示されている)が配置される。このハーネスカバー210によって、例えば、凸部101と凸部102との間が面一で接続される。
【0086】
このように、本実施の形態に係る蓄電装置10を、各蓄電装置10の低面部105が並ぶように配置した場合、これら蓄電装置10の低面部105によって、1以上の外部配線の通路が形成される。この通路に1以上の外部配線を配置することで、高さ方向(Z軸方向)のサイズを増加させずに電池パック1を構成することができる。
【0087】
また、電池パック1が備える複数の蓄電装置10のそれぞれの第一コネクタ85は、平面視において、電池パック1の端部よりも内側に位置するため、仮に、電池パック1を搭載した移動体が衝突事故等を起こした場合であっても、第一コネクタ85の損傷は生じ難い。
【0088】
また、このように、複数の蓄電装置10をX軸方向に並べて構成される蓄電装置列を、Y軸方向に並べた場合、図7に示すように、これら蓄電装置列を近接させて配置することができる。
【0089】
具体的には、本実施の形態に係る蓄電装置10では、平面視において、中央部に第一コネクタ85が配置され、端部に第二コネクタ86が配置されている。そのため、例えば2つの蓄電装置10を、第一コネクタ85と第二コネクタ86との並び方向(Y軸方向)に並べる場合、2つの蓄電装置10それぞれの第二コネクタ86が逆向きになるように配置する。
【0090】
つまり、図7に示すように、第一蓄電装置10A及び第二蓄電装置10Bを含む蓄電装置列と、第四蓄電装置10D及び第五蓄電装置10Eを含む蓄電装置列とを並べる場合、各蓄電装置列における第二コネクタ86が外側を向くように、2つの蓄電装置列を並べる。これにより、2つの蓄電装置列を近接して配置することができ、かつ、第二コネクタ86への外部配線(導電部材13)の着脱の容易さも確保される。
【0091】
なお、電池パック1が備える蓄電装置10の個数に特に限定はない。例えば、電池パック1が搭載される移動体の仕様等に応じて蓄電装置10の個数が決定されてもよい。また、図6及び図7には図示していないが、電池パック1は、電池パック1が有する複数の蓄電装置10を収容する筐体を備えてもよい。
【0092】
(変形例)
次に、上記実施の形態の変形例について、説明する。上記実施の形態では、蓄電素子20の電極端子はボルト部を有するボルト端子であり、当該ボルト部がバスバー40の貫通孔に挿入されて当該ボルト部にナットが締結されることで、蓄電素子20の電極端子とバスバー40とが接続されることとした。しかし、本変形例では、蓄電素子の電極端子は、ボルト部を有しておらず、溶接にてバスバーと接続(接合)される溶接端子である。
【0093】
図8は、本実施の形態の変形例に係る蓄電装置の蓋体300まわりの構成を示す断面図である。また、図9は、本実施の形態の変形例に係る蓄電装置の構成を示す平面図である。図8及び図9に示すように、本変形例における蓄電素子20(同図では、蓄電素子20I~20K)は、上記実施の形態における蓄電素子20の正極端子22及び負極端子23に代えて、正極端子24及び負極端子25を有している。また、本変形例におけるバスバー42は、端子接続部42aと中間部42bとを有している。
【0094】
正極端子24及び負極端子25は、バスバー42と溶接によって接続(接合)される溶接端子である。具体的には、正極端子24及び負極端子25は、バスバー42の端子接続部42aと溶接によって接合される。例えば、蓄電素子20Iの正極端子24が、バスバー42のうちの一方の端子接続部42aと溶接接合され、蓄電素子20Jの負極端子25が、バスバー42のうちの他方の端子接続部42aと溶接接合される。
【0095】
つまり、端子接続部42aは、バスバー42のうちの、蓄電素子20の電極端子と接続される部位であり、1つのバスバー42に対して、異なる2つの蓄電素子20の電極端子と接続される2つの端子接続部42aが配置されている。また、中間部42bは、2つの端子接続部42aの間に配置される部位である。なお、中間部42bは、バスバー42がY軸方向およびZ軸方向に伸縮可能なように設けられた湾曲部分(ヒンジ部)であり、2つの端子接続部42aからZ軸方向プラス側に突出して設けられている。
【0096】
また、本変形例における蓋体300は、上記実施の形態における蓋体100の、複数のボルト端子を収容するために形成された凹凸構造に代えて、凸部310及び凹部320を有している。つまり、凸部310は、バスバー42に対向して配置される外面が突出した凸部であり、凹部320は、凸部310に隣接して配置される外面が凹んだ凹部である。
【0097】
ここで、凸部310は、蓄電素子20の電極端子(同図では、蓄電素子20I~20Kの正極端子24及び負極端子25)に対向して配置される第一凸部311を有している。つまり、第一凸部311は、バスバー42の端子接続部42aに対向して配置されている。具体的には、第一凸部311は、蓄電素子20の電極端子及び端子接続部42aの上方(Z軸方向プラス側)を覆うように配置されており、上面視で(Z軸方向から見て)、当該電極端子及び端子接続部42aに対応した形状(同図では、矩形状)を有している。また、第一凸部311は、後述する凹部320の第一凹部321や第二凹部322よりも突出して配置されている。
【0098】
また、凸部310は、バスバー42の中間部42bに対向して配置される第二凸部312を有している。具体的には、第二凸部312は、中間部42bの上方(Z軸方向プラス側)を覆うように配置されており、上面視で(Z軸方向から見て)、中間部42bに対応した形状(同図では、矩形状)を有している。また、第二凸部312は、第一凸部311よりも突出して形成されている。
【0099】
凹部320は、異なる2つの蓄電素子20の電極端子(例えば、蓄電素子20Jの負極端子25及び蓄電素子20Kの正極端子24)に対向して配置される2つの第一凸部311の間に配置される第一凹部321を有している。具体的には、第一凹部321は、隣り合う2つのバスバー42の間において、蓄電素子20の容器21の蓋部分に対向して配置されており、上面視で(Z軸方向から見て)、当該2つのバスバー42の間の空間に対応した形状(同図では、矩形状)を有している。
【0100】
また、凹部320は、同一の蓄電素子20の2つの電極端子(例えば、蓄電素子20Iの正極端子24及び負極端子25)に対向して配置される2つの第一凸部311の間に配置される第二凹部322を有している。
【0101】
さらに、凹部320は、2つの端子接続部42aのうちの少なくとも1つの端子接続部42aに対向して配置される、第二凸部312よりも凹んだ第三凹部323を有している。本変形例では、第三凹部323は、上述の第一凸部311である。つまり、第一凸部311は、第一凹部321や第二凹部322に対しては凸部であるが、第二凸部312に対しては凹部であるため、第三凹部323と言い換えることもできる。
【0102】
以上のような構成において、図6で説明したように、導電部材12は、凹部320に配置される。つまり、導電部材12は、第一凹部321、第二凹部322及び第三凹部323のいずれかの凹部に配置される。
【0103】
ここで、例えば、X軸方向に導電部材12を延設して配置する場合(図6における第二導電部材12Bや第三導電部材12Cのような場合)には、導電部材12を第一凹部321に配置してX軸方向に延設すれば、導電部材12が第二凸部312と干渉してしまう。
【0104】
具体的には、蓄電素子20Jの負極端子25と蓄電素子20Kの正極端子24との間に対向して配置される第一凹部321および第二凹部322によって形成された溝形状の部分に、導電部材12を配置することは可能である。しかし、隣接する蓄電装置10に亘って、X軸方向に向けて真っ直ぐに延設して配置される導電部材12(図6における第二導電部材12Bや第三導電部材12C)については、蓄電素子20Jの正極端子24と蓄電素子20Kの負極端子25との間に対向して配置される第二凸部312と導電部材12とが、Z軸方向に重なるように配置されることになるため、ユニット全体の高さ方向の寸法が大きくなってしまう。
【0105】
このような場合には、導電部材12をX軸方向両側の第三凹部323(及び第二凹部322)に配置することで、X軸方向に平行に導電部材12を配置することができる。また、図6に示したように、導電部材12を第一コネクタ85に接続する場合には、導電部材12を第一凹部321にも配置することができる。例えば、図6における第一導電部材12Aについては、第一凹部321にも問題なく配置できる。
【0106】
図6における第二導電部材12Bや第三導電部材12Cについては、上述したZ軸方向の干渉の課題に対する他の解決方法として、例えば、第二凹部322または隣接する蓄電装置10の間において導電部材12を屈曲させて、第二凸部312を回避して第一凹部321に導電部材12を配置することが可能である。
【0107】
なお、本変形例におけるその他の構成については、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0108】
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10及び電池パック1について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0109】
例えば、上記実施の形態では、蓄電装置10に、配線保持部材としてハーネスプレート50が備えられるとしたが、配線保持部材は、一般に「プレート」として認識される部材である必要はない。例えば、内部配線65、第一コネクタ85及び第二コネクタ86を保持するフレーム構造の部材であってもよい。
【0110】
また、第二配線65bを介して第二コネクタ86と電気的に接続される部材は、サーミスタ63である必要はない。例えば、蓄電素子20からの液漏れを検出する漏液センサなど、第二配線65bを介して印加される電圧が、蓄電装置10の定格電圧よりも小さな電気部品であって、サーミスタ63とは異なる電気部品が第二配線65bに接続されていてもよい。また、第二配線65bとしての1以上の電線で接続された電気機器であって、当該1以上の電線及び第二コネクタ86を介して、外部の制御装置に、蓄電装置10の状態を示す信号を送信する電気機器が当該1以上の電線に接続されていてもよい。
【0111】
また、蓄電装置10が備える、第二配線65bを介して第二コネクタ86と電気的に接続されるサーミスタ等の部材の個数は、「2」に限定されない。当該部材の個数は1以上であればよい。また、互いに異なる種類の部材(例えば、サーミスタ及び漏液センサのそれぞれ)が、第二配線65bを介して第二コネクタ86と電気的に接続されてもよい。
【0112】
また、第一コネクタ85及び第二コネクタ86のそれぞれは、外部配線との接続のための複数のピンを有するとしたが、第一コネクタ85及び第二コネクタ86のそれぞれの形状及び種類に特に限定はない。例えば、第一コネクタ85または第二コネクタ86は、外部配線の端部のコネクタが有する複数のピンが挿入される複数のピン穴を有してもよい。
【0113】
また、蓄電装置10が備える蓄電素子20の形状は角型である必要はない。蓄電素子20の形状は、例えば、平面視において、円形、楕円形、長円形、矩形以外の多角形、または、曲線と直線とが組み合わされた形状であってもよい。いずれの場合であっても、上述の、本実施の形態に係るハーネスプレート50による安全性の向上等の効果は奏される。
【0114】
また、上記実施の形態では、蓄電素子20の電極端子(正極端子22及び負極端子23のそれぞれ)はボルト部を有しており、当該ボルト部がバスバー40の貫通孔に挿入されて当該ボルト部にナットが締結されることで、蓄電素子20の電極端子とバスバー40とが接続されるとした。しかし、蓄電素子20の電極端子はボルト部を有しておらず、溶接にて電極端子とバスバー40とが接続(接合)されてもよい。また、検出端子80と、電極端子またはバスバー40との接合の手法も、ナットによる締結には限定されず、溶接により接合されてもよい。
【0115】
また、上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0116】
なお、本発明は、蓄電装置10として実現することができるだけでなく、蓄電装置10が備える配線保持部材(実施の形態ではハーネスプレート50)としても実現することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0118】
10 蓄電装置
10A 第一蓄電装置
10B 第二蓄電装置
10C 第三蓄電装置
10D 第四蓄電装置
10E 第五蓄電装置
12、13 導電部材
12A 第一導電部材
12B 第二導電部材
12C 第三導電部材
20、20A~20K 蓄電素子
50 ハーネスプレート
51 第一規制部
52 第二規制部
54 壁部
56a 第一領域
56b 第二領域
65a 第一配線
65b 第二配線
85 第一コネクタ
85a、86a 接続口
86 第二コネクタ
100、300 蓋体
105 低面部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、
前記蓄電素子と電気的に接続される第一配線と、
前記第一配線を保持する、扁平な矩形状の配線保持部材と、
前記第一配線と接続された第一コネクタであって、前記配線保持部材に取り付けられており、かつ、外部配線を着脱可能な第一コネクタと、
前記蓄電素子及び前記配線保持部材の間に配置される中蓋と、を備え、
前記中蓋は、前記配線保持部材を保持し、かつ、前記蓄電素子を保持している、
電装置。
【請求項2】
前記第一コネクタは、前記配線保持部材及び前記第一コネクタの並び方向である第一方向に交差する第二方向に向けて配置された接続口を有する、
請求項1記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記配線保持部材は、前記第一方向から見た場合、前記第一コネクタよりも大きいサイズであり、
前記第一コネクタは、前記配線保持部材の中央部に配置される、
請求項2記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第一配線は前記配線保持部材における前記第一コネクタの前記接続口側の第二領域を迂回して配置されている、
請求項記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記配線保持部材は、前記第二領域の周縁の少なくとも一部に沿って立設された壁部を有する、
請求項記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記配線保持部材は、複数の前記第一配線を、第一領域内において、前記蓄電素子及び前記配線保持部材の並び方向に重ならない位置に規制する規制部を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記第一配線は、前記蓄電素子の電極端子または前記蓄電素子に接続されたバスバーに溶接されている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
さらに、前記第一配線よりも低い電圧用の配線である第二配線であって、前記配線保持部材に保持される第二配線を備え
前記第一配線と前記第二配線とは、前記第一領域において、前記蓄電素子及び前記配線保持部材の並び方向に重ならない位置に配置される、
求項記載の蓄電装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子と電気的に接続される第一配線と、前記第一配線を保持する、扁平な矩形状の配線保持部材と、前記第一配線と接続された第一コネクタであって、前記配線保持部材に取り付けられており、かつ、外部配線を着脱可能な第一コネクタと、前記蓄電素子及び前記配線保持部材の間に配置される中蓋と、を備え、前記中蓋は前記配線保持部材を保持し、かつ、前記蓄電素子を保持している。また、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子と電気的に接続される第一配線と、前記第一配線を保持する配線保持部材と、前記第一配線と接続された第一コネクタであって、前記配線保持部材の中央部に位置し、かつ、外部配線を着脱可能な第一コネクタと、を備えるとしてもよい