(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191402
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて動作する装置
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0413 20170101AFI20221220BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221220BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20221220BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H04B7/0413 320
H04W16/28
H04W24/08
H04B7/06 954
H04B7/06 956
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022165015
(22)【出願日】2022-10-13
(62)【分割の表示】P 2021528475の分割
【原出願日】2018-07-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベンソン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ルセク,フレドリク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】無線通信システムにおける偏波不整合による無線通信の妨害及び電力損失を低減可能な多入力多出力(MIMO)システムの方法及び無線通信装置を提供する。
【解決手段】無線通信システムにおいて、基地局20は、第1の偏波501及び第1のビーム掃引401を用いた複数の第1のダウンリンク信号301、第2の偏波502及び第2のビーム掃引402を用いた複数の第2のダウンリンク信号302及び第3の偏波503及び第3のビーム掃引403を用いた複数の第3のダウンリンク信号303をユーザ機器装置30に送信する。ユーザ機器は、ダウンリンク信号毎に、対応する受信電力を決定し、決定に基づいて、対応するチャネルサウンディング情報を基地局に報告する601~603。基地局は、報告されたチャネルサウンディング情報に基づいて、アンテナ構成を決定し703、決定した構成を使用して、ユーザ機器とペイロード通信する610。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置を動作させる方法であって、
‐無線通信装置(20)と更なる無線通信装置(30、40、50)との間の無線リンク上で、第1の偏波(501)を使用して少なくとも1つの第1の信号(301)を送信することと、
‐前記無線リンク上で、第2の偏波(502)を使用して少なくとも1つの第2の信号(302)を送信することと、
‐前記無線リンク上で、第3の偏波(503)を使用して少なくとも1つの第3の信号(303)を送信することと、
‐前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)に基づいて、前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)に関連付けられた前記無線リンクのチャネルの特性を測定することを含み、
前記第1の偏波(501)、前記第2の偏波(502)及び前記第3の偏波(503)は互いに異なる、無線通信装置を動作させる方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1の信号(301)は、第1の角度のビーム掃引(401)を形成する複数の第1の信号を含み、
前記少なくとも1つの第2の信号(302)は、第2の角度のビーム掃引(402)を形成する複数の第2の信号を含み、
前記少なくとも1つの第3の信号(303)は、第3の角度のビーム掃引(403)を形成する複数の第3の信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の偏波(501)の方向と前記第2の偏波(502)の方向との間の第1の角度は、前記第2の偏波(502)の方向と前記第3の偏波(503)の方向との間の第2の角度の80%~120%の範囲にある、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)、及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)の各々が、対応する一意の識別子を含んだデータを運ぶ、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記無線リンクの前記チャネルの特性を測定することは、
‐前記更なる無線通信装置(30、40、50)から、少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号(301、302、303)のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記識別子及び受信信号電力を受信することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号(301、302、303)の各々に対して、対応するアップリンク資源が割り当てられ、前記無線リンクの前記チャネルの特性を測定することは、
‐前記更なる無線通信装置(30、40、50)から、前記更なる無線通信装置(30、40、50)が前記少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号(301、302、303)のうちの少なくとも1つを受信したことを示す、前記割り当てられた対応するアップリンク資源内の指標を受信することを含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
対応するアップリンク資源が、前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)、及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)の各々に割り当てられ、前記無線リンクの前記チャネルの特性を測定することは、
‐前記更なる無線通信装置(30、40、50)から、前記割り当てられた対応するアップリンク資源内の、前記少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号(301、302、303)のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記受信信号電力を受信することを含む、請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の信号(301)が第1の同期信号を含み、前記少なくとも1つの第2の信号(302)が第2の同期信号を含み、前記少なくとも1つの第3の信号(303)が第3の同期信号を含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の信号(301)が第1のパイロット信号を含み、前記少なくとも1つの第2の信号(302)が第2のパイロット信号を含み、前記少なくとも1つの第3の信号が第3のパイロット信号(303)を含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)のうちの少なくとも1つがブロードキャストされる、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記第1の偏波(501)、前記第2の偏波(502)及び前記第3の偏波(503)のうちの少なくとも2つが互いに直交する、請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
‐第4の偏波(504)を使用して少なくとも1つの第4の信号(304)を送信することを含み、
前記第1の偏波(501)の方向と前記第2の偏波(502)の方向との間の第1の角度、前記第2の偏波(502)の方向と前記第3の偏波(503)の方向との間の第2の角度(502)、及び、前記第3の偏波の方向(503)と前記第4の偏波(504)の方向との間の第3の角度は全て等しい、請求項1~11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記第1、第2及び第3の角度がそれぞれ30°である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
無線通信装置を動作させる方法であって、
‐前記無線通信装置(30;40;50)と更なる無線通信装置(20)との間の無線リンク上で、第1の偏波を有する少なくとも1つの第1の信号(301)、第2の偏波を有する少なくとも1つの第2の信号(302)及び第3の偏波を有する少なくとも1つの第3の信号(303)のうちの少なくとも1つを受信することと、
‐前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)のうちの少なくとも1つについて、前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)に関連付けられた前記無線リンクの対応するチャネルサウンディング情報を、前記更なる無線通信装置(20)に送信することを含む、方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号(301、302、303)の各々が、対応する一意の識別子を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記チャネルサウンディング情報は、受信信号電力と前記受信信号(301、302、303)に関連付けられた前記識別子のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号(301、302、303)の各々に対して対応するアップリンク資源が割り当てられ、前記サウンディング情報が、前記割り当てられた対応するアップリンク資源において報告される、請求項14~16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
無線通信装置であって、
‐アンテナ設備(22)と、
‐前記アンテナ設備(22)に結合されたロジック(21)とを具備し、前記ロジックは
‐前記無線通信装置(20)と更なる無線通信装置(30、40、50)との間の無線リンク上で、第1の偏波(501)を使用して少なくとも1つの第1の信号(301)を送信し、
‐前記無線リンク上で、第2の偏波(502)を使用して少なくとも1つの第2の信号(302)を送信し、
‐前記無線リンク上で、第3の偏波(503)を使用して少なくとも1つの第3の信号(303)を送信し、
‐前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)、及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)に基づいて、前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)に関連付けられた前記無線リンクのチャネルの特性を測定するように構成され、
前記第1の偏波(501)、前記第2の偏波(502)及び前記第3の偏波(503)は互いに異なる、無線通信装置。
【請求項19】
前記無線通信装置(20)は、請求項2~13のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成される、請求項18に記載の無線通信装置。
【請求項20】
無線通信装置であって、
‐アンテナ設備(32、33)と、
‐前記アンテナ設備(32、33)に結合されたロジック(31)とを具備し、前記ロジックは、
‐前記無線通信装置(30、40、50)と更なる無線通信装置(20)との間の無線リンク上で、少なくとも1つの第1の信号(301)、少なくとも1つの第2の信号(302)及び少なくとも1つの第3の信号(303)のうち少なくとも1つを受信し、
‐前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)のうちの各少なくとも1つの受信信号について、前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)に関連付けられた前記無線リンクの対応するチャネルサウンディング情報を、前記更なる無線通信装置(20)に報告するように構成される、無線通信装置。
【請求項21】
前記無線通信装置(30、40、50)は、請求項15~17のいずれか1つの方法を実行するように構成される、請求項20に記載の無線通信装置。
【請求項22】
無線通信システムを動作させる方法であって、
‐前記無線通信システム(10)の無線通信装置(20)によって、前記無線通信システム(10)の前記無線通信装置(20)と更なる無線通信装置(30、40、50)との間の無線リンク上で、第1の偏波(501)を使用して少なくとも1つの第1の信号(301)を送信することと、
‐前記無線通信装置(20)によって、前記無線リンク上で、第2の偏波(502)を使用して少なくとも1つの第2の信号(302)を送信することと、
‐前記無線通信装置(20)によって、前記無線リンク上で、第3の偏波(503)を使用して少なくとも1つの第3の信号(303)を送信することと、
‐前記更なる無線通信装置(30、40、50)において、前記無線リンク上で、前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)のうちの少なくとも1つを受信することと
‐前記更なる無線通信装置(30、40、50)によって、前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)のうちの少なくとも1つについて、前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)に関連付けられた前記無線リンクの対応するチャネルサウンディング情報を、前記無線通信装置(20)に送信することと、
‐前記受信されたチャネルサウンディング情報に基づいて、前記少なくとも1つの第1の信号(301)、前記少なくとも1つの第2の信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の信号(303)に関連付けられた前記無線リンクのチャネルの特性を測定することを含み、
前記第1の偏波(501)、前記第2の偏波(502)及び前記第3の偏波(503)は互いに異なる、無線通信システムを動作させる方法。
【請求項23】
無線通信装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラムコードを含み、前記プログラムコードを実行することにより、請求項1~17のいずれか1つに記載の方法を前記少なくとも1つのプロセッサに実行させる、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な実施例は、無線通信システムにおいて無線通信装置を動作させるための方法、特に多入力多出力(multiple input and multiple output:MIMO)技術に従って無線通信装置を動作させるための方法に関する。本発明はさらに、この方法を利用する無線通信装置及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
増大するモバイル音声通信及びモバイルデータ通信の使用には、利用可能な高周波資源のより効率的な利用が必要とされ得る。データ送信の性能及び信頼性の向上は、装置間で、例えば基地局とユーザ機器との間で情報を送信するための無線ラジオ波電気通信システムで使用できる、いわゆる多入力多出力(MIMO)技術によって実現できる。ユーザ機器には、携帯電話、モバイルコンピュータ、タブレットコンピュータ又はウェアラブル装置のようなモバイル装置、及びパーソナルコンピュータ又はキャッシュレジスタのような固定装置が含まれ得る。MIMO技術を使用するシステムにおいて、当該装置は複数の送信アンテナ及び受信アンテナを使用することができる。例えば、基地局及びユーザ機器は、それぞれ複数の送信アンテナ及び受信アンテナを備えることができる。MIMO技術は、情報を送信するために時間次元及び空間次元を使用するコード化技術の基礎を形成する。MIMOシステムで提供される強化されたコード化は、ワイヤレス通信のスペクトル及びエネルギ効率を向上させ得る。
【0003】
空間次元は、空間多重化によって使用され得る。空間多重化は、MIMO通信における送信技術であり、独立の個別にコード化されたデータ信号、いわゆるストリームを、複数の送信アンテナの各々又はそれらの組み合わせから送信する。したがって、空間次元は複数回再利用又は多重化される。
【0004】
いわゆる全次元MIMO(full dimensional MIMO:FDMIMO)とは、アンテナに送信された信号(複数)を、複数の受信機に電力を供給できるビームの形で3次元に配置する技術を指称するものである。例えば、基地局は2次元グリッド内に多数の能動アンテナ素子を含むことができ、FDMIMO技術を使用することにより、同じ時間/周波数資源ブロックにある多くの空間的に離れたユーザを同時にサポートできる。これにより、他の受信機への重複した送信による干渉を減少させ、信号の電力を増大させることができる。ビームは、基地局の観点から静的又は動的であり得る仮想セクタを形成し得る。基地局の多数のアンテナは、送信において電波エネルギを空間的に集中させることを可能にし、また指向性に敏感な受信を可能にし、これによりスペクトル効率及び放射エネルギ効率が改善される。基地局の個々のアンテナでの送信信号を現時点においてアクティブな受信ユーザ機器に従って適合させるために、基地局ロジックは、ユーザ機器と基地局アンテナとの間の無線チャネル特性に関する情報を必要とし得る。逆に、ユーザ機器の個々のアンテナにおいて送信信号を適合させるために、ユーザ機器ロジックは、基地局とユーザ機器のアンテナとの間の無線チャネル特性に関する情報を必要とし得る。この目的のために、ユーザ機器と基地局の間の無線チャネル特性を決定するために、いわゆるチャネルサウンディングを実行し得る。チャネルサウンディングは、事前に定義された信号、例えばパイロット信号を送信することを含むことができ、これにより、基地局及びユーザ機器は電波エネルギを集束するように、又は特定の方向からの電波信号を受信するように、信号を送信するための構成アンテナパラメータを設定することができる。
【0005】
動作周波数が高くなって結果的に波長が短くなると、アンテナ開口が小さくなり、したがって複数のアンテナを使用して受信電力を増大させることができる。特に、例えば30GHz以上の高い送信周波数及び小さな開口を有する複数のアンテナの場合、受信感度は、送信された高周波信号の偏波に大きく依存し得る。しかしながら、特にユーザ機器がモバイル装置である場合、ユーザ機器のアンテナの偏波は、基地局のアンテナ設備に関して変化し得る。
【0006】
発展し続ける規格、例えば3GPP RAN1リリース15では、基地局がビーム形状の同期信号(いわゆるSSバースト)をブロードキャストすることが規定されている。異なる方向を標的とする異なるSSバーストは、各ビームが時間の経過とともに各サブ帯域で発生するように、時間領域及び周波数領域の両方で分配される。ユーザ機器はSSバーストを傾聴し、受信信号を使用して周波数及びタイミングを較正することができる。ユーザ機器は、最強のSSバーストに関連付けられた方向を見つけるために、受信ビームをスキャン又は調節することができる。ただし、ユーザ機器のアンテナの現在の配置によっては、SSバースト信号の偏波がユーザ機器にとって最適でない場合があり得る。ユーザ機器の受信ビーム調節を改善するために、基地局は、直交偏波を用いて各SSバースト信号を繰り返すことができる。しかしながら、ユーザ機器は他のセクタ、例えば隣接セクタで送信されたSSバースト信号をも受信し得るため、又は反射に起因して、ユーザ機器が最強のビームを見つけ、受信ビームの偏波を最適化するのが困難な場合があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記を考慮すれば、従来のMIMOシステムにおける上記欠点の少なくとも幾つかに対処する方法及び装置が必要とされている。特に、無線通信システムにおける装置の動作を改善して、偏波の不整合による無線通信の妨害及び電力損失を低減することが必要とされている。
【0008】
本発明によれば、この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。従属請求項は、本発明の実施形態を定義するものである。
【0009】
本発明によれば、無線通信装置を動作させる方法が提供される。この無線通信装置は、無線通信システムにおいて動作することができ、アンテナ設備を介して送信されるべき信号、例えば、高周波信号の偏波を調節するように構成されたアンテナ設備を有することができる。例えば当該無線通信装置には、無線通信システムの基地局又はアクセスポイントが含まれ得る。この方法によれば、少なくとも1つの第1の信号は、第1の偏波を使用して、無線通信装置と更なる無線通信装置との間の無線リンク上で送信される。当該更なる無線通信装置には、ユーザ機器、特にモバイル端末装置が含まれ得る。さらに、当該無線リンクでは、第2の偏波を使用する少なくとも1つの第2の信号が送信され、また、第3の偏波を使用する少なくとも1つの第3の信号が送信される。これら当該少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号、及び少なくとも1つの第3の信号に基づいて、少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号、及び少なくとも1つの第3の信号に関連付けられた無線リンクのチャネルの特性が測定される。ここでの第1の偏波、第2の偏波、及び第3の偏波は互いに異なる。
【0010】
例えば、第1、第2及び第3の偏波の各々は、対応する直線偏波であり得る。したがって、第1の直線偏波の電界ベクトルの方向、第2の直線偏波の電界ベクトルの方向及び第3の直線偏波の電界ベクトルの方向は、互いに異なり得る。
【0011】
例えば、第1の偏波、第2の偏波及び第3の偏波を使用して信号を送信することは、偏波ビーム掃引に対応し得る。
【0012】
無線リンクは、複数の伝搬チャネルを含み得る。
【0013】
一般に、無線リンクの特性を測定するために、基準信号が、無線通信装置(例えば、基地局)から更なる無線通信装置(例えば、ユーザ機器)へと送信され得る。そのような基準信号は、一般に、基準信号の受信特性に基づいて無線リンクの特性測定が可能であるように、明確に定義された記号シーケンス及び/又は送信電力を有することができる。上記で定義したように、基準信号は、異なる偏波を有する第1、第2、及び第3の信号を含む。更なる無線通信装置は、受信された基準信号の受信特性に関する情報、例えば、受信信号電力を無線通信装置へとフィードバックすることができる。ある信号から他の信号への偏波を小さなステップ、特に90°よりも小さいステップで変更することにより単一の偏波が支配的なビームを識別し、更なる無線通信装置によって報告することができる。環境又は更なる無線通信装置のアンテナの偏波特性の故に、単一の偏波が支配的であり得る。したがって、そのような支配的なビームの偏波及び方向は、好ましくは、更なる無線通信装置と通信するために無線通信装置によって使用され得る。
【0014】
少なくとも1つの第1の信号は、第1の角度ビーム掃引を形成する複数の第1の信号を含むことができ、少なくとも1つの第2の信号は、第2の角度ビーム掃引を形成する複数の第2の信号を含むことができ、少なくとも1つの第3の信号は、第3の角度ビーム掃引を形成する複数の第3の信号を含むことができる。例えば、複数の空間セクタが、無線通信装置によりサポートされるセル内において定義され得る。無線通信装置は、第1の偏波を有する複数の第1の信号を使用して、複数の空間セクタの全部又は少なくとも一部をカバーする第1のビーム掃引を実行することができる。例えば、複数の空間セクタの各々に、複数の第1の信号のうちの対応する1つを割り当てることができる。第1のビーム掃引を実行するとき、無線通信装置は、その後、例えばMIMO技術又はビームフォーミングを使用して、複数の割り当てられた空間セクタへと複数の第1の信号を送信することができる。別の方法として、第1のビーム掃引を実行するために、無線通信装置は、複数の割り当てられた空間セクタに対して複数の第1の信号を同時にブロードキャストすることができる。第1のビーム掃引が無線通信装置によって実行された後、第2のビーム掃引が、第2の偏波を有する第2の信号を使用して同じ方法で、無線通信装置によって実行される。したがって、第2のビーム掃引が実行された後には、第3のビーム掃引が、第3の偏波を有する第3の信号を使用して実行され得る。更なるビーム掃引、例えば4又はそれを超えるビーム掃引、例えば5~10のビーム掃引が、更なる偏波を有する更なる信号を使用して実行され得る。
【0015】
理解されるように、送信方向は内側ループの一部として変更され得、各内側ループは空間ビーム掃引に対応し、また、内側ループに沿った各反復ステップは送信方向における変化に対応する。それとは別に、偏波は外側ループの一部として変更され得る。外側ループに沿った各反復ステップについて、完全な内側ループを実施することができる。したがって、空間ビーム掃引は、偏波ビーム掃引に関して入れ子にすることができる。
【0016】
ペイロードデータの通信は、無線通信装置と更なる無線通信装置との間で、ビーム掃引チャネルサウンディングからは独立して、例えば、第1、第2及び第3の信号について使用される時間及び周波数高周波資源以外の時間及び周波数高周波資源を使用して実行することができる。例えば、第2の角度ビーム掃引と第3の角度ビーム掃引との間で、ペイロードデータを符号化する更なる信号が送信され得る。当該更なる信号は、更なる偏波を使用して送信され得るものであり、当該偏波は、少なくとも1つの第1の信号及び少なくとも1つの第2の信号に基づいて特性測定されたチャネルの比較に基づいて選択される。
【0017】
第1の偏波の方向と第2の偏波の方向との間の第1の角度は、第2の偏波の方向と第3の偏波の方向との間の第2の角度に対して本質的に等しくてもよい。換言すれば、偏波角は均等に分布され得る。例えば、共通の基準(例えば垂直基準又は水平基準)に対して、第1の偏波は0°、第2の偏波は45°、また、第3の偏波は90°であり得る。「本質的に等しい」とは、例えば、第1の角度が第2の角度の80%~120%の範囲内にあることを含み得る。上記の例において、第2の偏波と第3の偏波との間の角度は45°であり、したがって、第1の偏波と第2の偏波との間の角度は、36°~54°の範囲であり得る。
【0018】
別の例において、第1の偏波は0°、第2の偏波は30°、第3の偏波は60°であってよく、また無線通信装置によって送信され且つ無線通信装置のチャネルをチャネルサウンディングするために使用され得る第4の偏波は90°であってよい。この例では、偏波間の角度間隔は本質的に30°に等しい。
【0019】
様々な例において、少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号の各々は、対応する一意の識別子を含み、例えば、少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号の各々は、対応する一意の識別子を含むデータを運ぶことができる。フィードバック情報を提供するとき、更なる無線通信装置は、一意の識別子によって受信信号を識別することができる。したがって、無線リンクのチャネルの特性を測定することは、更なる無線通信装置から、受信された信号電力と、前記少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号のうちの少なくとも1つに関連付けられた識別子を受信することを含み得る。
【0020】
他の例において、前記少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号の各々に対して、対応するアップリンク資源が割り当てられる。アップリンク資源は、無線通信システムで定義された時間及び周波数高周波資源に関連し得る。無線リンクのチャネルの特性を測定するために、割り当てられた対応するアップリンク資源内の指標が、更なる無線通信装置から受信される。この指標は、当該更なる無線通信装置が、当該少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号のうちの少なくとも1つを受信したことを示す。
【0021】
例えば、無線リンクのチャネルの特性を測定することは、無線通信装置が、更なる無線通信装置から、割り当てられた対応するアップリンク資源において少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号の少なくとも1つに関連付けられた受信信号電力に関する情報を受信することを含み得る。
【0022】
第1の信号は第1の同期信号を含むことができ、第2の信号は第2の同期信号を含むことができ、第3の信号は第3の同期信号を含むことができる。特に、当該第1、第2及び第3の信号は、通信システムにおいて動作する装置を同期させ、また無線通信システムで動作する無線通信装置間の通信チャネルを、例えばチャネルサウンディングにより分析するための成形された同期信号、いわゆるSSバースト、又はパイロット信号を含み得る。
【0023】
様々な例において、第1の信号、第2の信号及び第1の信号はブロードキャストされることができ、例えば、第1の信号、第2の信号及び第1の信号はブロードキャストチャネルを使用して送信され得る。
【0024】
更なる例では、第1の偏波、第2の偏波及び第3の偏波(及び、定義されるときは、更なる偏波)のうちの、少なくとも2つは互いに直交し得る。例えば、第1の偏波は第3の偏波に対して直交することができ、第2の偏波は、第1の偏波と第3の偏波の間の値を有することができる。したがって、直線偏波の全偏波範囲をカバーすることができる。
【0025】
様々な例によれば、無線通信装置を操作するための更なる方法が提供される。この無線通信装置は無線通信システムで動作することができ、例えばユーザ機器、特に、携帯電話、モバイルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ウェアラブル装置、モノのインターネット(IoT)又はモバイルアクセサリーのような、モバイルユーザ機器を含むことができる。ウェアラブル装置又はモバイルアクセサリーは、身体で運ばれるコンピュータ又は単にウェアラブルとも呼ばれるウェアラブルコンピュータを備えており、これはユーザが衣類の下に、衣類と共に、又は衣類の上に着用できる小型電子装置である。この方法によれば、無線通信装置と更なる無線通信装置、例えば基地局との間の無線リンク上で、少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号、及び少なくとも1つの第3の信号のうちの少なくとも1つが受信される。少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号、及び少なくとも1つの第3の信号のうちの少なくとも1つについて、当該少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号、及び少なくとも1つの第3の信号に関連付けられた無線リンクの対応するチャネルサウンディング情報が、例えば、1つ又は複数の対応するメッセージを送信することによって、更なる無線通信装置に報告される。当該更なる無線通信装置は、このチャネルサウンディング情報に基づき、例えば適切な偏波を構成することによってペイロードデータ送信を適応させることができる。
【0026】
当該少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号の各々は、対応する一意の識別子を含み得る。
【0027】
チャネルサウンディング情報は、受信信号電力、信号対雑音比、ならびに第1、第2及び第3の信号のうちの1つであり得る受信信号に関連付けられた識別子のうちの、少なくとも1つを含むことができる。したがって、当該一意の識別子は信号を識別するために寄与することができ、チャネルサウンディング情報は当該信号のために無線通信装置によって提供される。
【0028】
様々な例では、少なくとも1つの第1、第2及び第3の信号の各々に対して、対応するアップリンク資源が割り当てられる。サウンディング情報は、この割り当てられた対応するアップリンク資源において報告される。アップリンク資源は、無線通信システムで定義された時間及び/又は周波数資源を含み得る。
【0029】
例えば、第1の信号は第1の同期信号を含むことができ、第2の信号は第2の同期信号を含むことができ、第3の信号は第3の同期信号を含むことができる。別の例において、第1の信号、第2の信号及び第3の信号は各々が、更なる無線通信装置、例えば基地局又は無線通信システムのアクセスポイントと、受信側の無線通信装置、例えばユーザ機器、との間の通信チャネルをチャネルサウンディングするためのパイロット信号を含み得る。
【0030】
更なる態様によれば、無線通信装置が提供される。この無線通信装置は、例えば、基地局又はアクセスポイントとして、無線通信システムにおいて動作させることができる。当該無線通信装置は、アンテナ設備と、当該アンテナ設備に結合されたロジックとを備える。当該アンテナ設備は、このアンテナ設備を介して送信される信号の偏波を調節するように構成することができる。当該ロジックは、アンテナ設備を介して、無線通信装置と更なる無線通信装置との間の無線リンク上で、第1の偏波を使用して少なくとも1つの第1の信号を送信し、第2の偏波を使用して少なくとも1つの第2の信号を当該無線リンク上で送信し、また、第3の偏波を使用して少なくとも1つの第3の信号を当該無線リンク上で送信するように構成される。当該ロジックはさらに、少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号及び少なくとも1つの第3の信号に基づいて、当該少なくとも1つの第1の信号、当該少なくとも1つの第2の信号及び当該少なくとも1つの第3の信号に関連付けられた無線リンクのチャネルの特性を測定するように構成される。第1の偏波、第2偏波及び第3の偏波は相互に異なる。
【0031】
当該無線通信装置は、送信する無線通信装置として、例えば、基地局として、上記の方法及びその実施形態を実行するように構成することができる。
【0032】
別の態様によれば、無線通信装置が提供される。この無線通信装置は、無線通信システムにおいて、例えばユーザ機器として動作することができる。当該無線通信装置は、アンテナ設備と、このアンテナ設備に結合されたロジックとを備える。当該ロジックは、アンテナ設備を介して、無線通信装置と更なる無線通信装置との間の無線リンク上で、少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号及び少なくとも1つの第3の信号のうちの少なくとも1つを受信するように構成される。当該ロジックはさらに、少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号及び少なくとも1つの第3の信号のうちの少なくとも1つの各受信された信号について、少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号及び少なくとも1つの第3の信号に関連付けられた無線リンクの対応するチャネルサウンディング情報を、更なる無線通信装置に報告するように構成される。
【0033】
当該無線通信装置は、上記の方法を実行するように、例えば、ユーザ機器として構成することができる。
【0034】
更なる態様によれば、無線通信システムを動作させる方法が提供される。この方法は、無線通信システムの無線通信装置によって、無線通信システムの無線通信装置と更なる無線通信装置との間の無線リンク上で、第1の偏波を使用して少なくとも1つの第1の信号を送信することを含む。この方法は更に、無線リンク上において、無線通信装置によって、第2の偏波を使用して少なくとも1つの第2の信号を送信し、また無線通信装置によって、無線リンク上で、第3の偏波を使用して少なくとも1つの第3の信号を送信する。さらに、この方法によれば、更なる無線通信装置において、無線リンク上で、少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号及び少なくとも1つの第3の信号のうちの少なくとも1つが受信される。当該更なる無線通信装置によって、少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号及び少なくとも1つの第3の信号のうちの少なくとも1つについて、当該少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号及び少なくとも1つの第3の信号のうちの少なくとも1つに関連付けられた無線リンクの対応するチャネルサウンディング情報が、無線通信装置へと送信される。受信されたチャネルサウンディング情報に基づいて、少なくとも1つの第1の信号、少なくとも1つの第2の信号及び少なくとも1つの第3の信号に関連付けられた無線リンクのチャネルは、当該無線通信装置において特性が測定される。第1の偏波、第2の偏波及び第3の偏波は互いに異なる。
【0035】
さらに、上記の無線通信装置、例えば、送信用無線通信装置として機能する少なくとも1つの無線通信装置、例えば、無線通信システムの基地局又はアクセスポイント及び受信用無線通信装置として機能する少なくとも1つの無線通信装置、例えば、ユーザ機器を含む無線通信システムが提供される。当該無線通信システムは、上記の方法を実行するように構成することができる。
【0036】
最後に、プログラムコードを含むコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品が提供される。当該コンピュータプログラム製品は、非一時的メモリ、例えばプログラムコードが格納されるCD、DVD、ディスク、又はフラッシュメモリを含み得る。当該プログラムコードは、メモリ(例えば、RAM又はROM)に格納され、少なくとも1つのプロセッサによって、又は、例えば上記の無線通信装置もしくは更なる無線通信装置の制御ロジックによって実行され得る。このプログラムコードを実行すると、当該少なくとも1つのプロセッサが上記の方法を実行する。
【0037】
上記の概要及び以下の詳細な説明に記載される特定の特徴は、本発明の特定の実施形態及び態様に関連して説明されるが、例示的な実施形態及び態様の特徴は、特に明記しない限り、互いに組み合わせる得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
次に、添付の図面を参照して、本発明の様々な実施例をより詳細に説明する。
【0039】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による無線通信システムを概略的に示す。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による基地局とユーザ機器との間の通信を示すフローチャートを示す。
【
図3】
図3は、本発明の更なる実施形態による、基地局とユーザ機器との間の通信を示すフローチャートを示す。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による、基地局により実行される方法ステップを概略的に示す。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による、ユーザ機器により実行される方法ステップを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では、本発明の例示的な実施形態をより詳細に説明する。本明細書に記載の様々な例示的な実施形態の特徴は、特に明記しない限り、互いに組み合わせ得ることを理解されたい。様々な図面の同じ参照記号は、類似又は同一の構成要素を示している。図に示されている構成要素又は装置間の結合は、特に明記されていない限り、直接結合又は間接結合であってよい。
【0041】
図1は、一実施形態による無線通信システム10を示している。この無線通信システム10は、基地局20及び複数のユーザ機器装置を含む。
図1には、3つのユーザ機器装置30、40及び50が示されている。基地局20は、いわゆる多入力多出力(MIMO)技術をサポートすることができ、したがって、基地局20は多数のアンテナ、例えば数十又は百を超えるアンテナを有することができる。
【0042】
基地局20は、
図1の円で示される複数のアンテナを含むアンテナ設備22を具備する。複数のアンテナのうち1つの例示的なアンテナは、参照記号23によって参照される。アンテナ23は、キャリア上の2次元又は3次元アンテナアレイに配置され得る。基地局20は、アンテナ23のためにさらに関連付けられた(図示せず)トランシーバを含み得る。基地局20は、さらに、基地局ロジック21を含む。基地局ロジック21は、アンテナ設備22に結合され、例えば、コントローラ、コンピュータ又はマイクロプロセッサを含み、これは以下に説明する方法ステップを実行するためのコンピュータプログラムを実行できる。当該コンピュータプログラムは、例えば、非一時的な記憶媒体又は同様のコンピュータプログラム製品に格納され得る。
図1では、1つのアンテナ設備22のみが示されているが、基地局20は、複数のアンテナ設備、例えば、2つ、3つ、4つ、又は、それ以上、例えば、数十のアンテナ設備を含むことができ、これらは互いに協働することができ、また互いに近くに配置されてもよく、又は間隔を空けて配置されてもよい。
【0043】
アンテナ設備22は、信号、例えば高周波信号を特定の方向、いわゆる空間セクタへと送信するように構成され得る。これらのセクタのうちの3つを
図1に示し、参照記号60、61及び62で示す。セクタ60~62の構成は、静的又は動的であることができる。高周波信号の特定の方向への送信は、MIMO技術で知られているビームフォーミング技術によって実現できる。
【0044】
アンテナ設備22は、二重偏波又は多重偏波アンテナを装備することができ、したがって、任意の偏波、例えば、第1の直線偏波、第2の直線偏波及び第3の直線偏波を有する信号を送信及び/又は受信する能力を有することができる。例えば、第1及び第3の偏波は互いに直交し、第2の偏波は、第1の偏波と第3の偏波との間に、例えば、第1の偏波に対して45°の偏波角を有し得る。他の実施例において、アンテナ設備22は、4つの異なる偏波で信号を送信及び受信することができ、地形的基準、例えば水平基準に対して0°、30°、60°及び90°の偏波角を有する。
【0045】
通信システム10では、
図1に示すように、携帯電話、モバイル及び固定のコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートウェアラブル装置又はスマートモバイル装置のような複数のユーザ機器装置を配置することができる。3つの例示的なユーザ機器装置30、40、及び50が
図1に示されている。ユーザ機器装置30、40及び50の各々は、基地局20と通信するように構成され得る。
【0046】
以下では、ユーザ機器30についてより詳細に説明する。しかしながら、ユーザ機器40又はユーザ機器50は、ユーザ機器30と同様の特徴を含むことができ、したがって同様に動作し得る。ユーザ機器30は、1つ又は複数のアンテナを具備する。
図1に示される例示的な実施形態において、ユーザ機器30は、2つのアンテナ32及び33を備えている。例えば、アンテナ32、33は、それぞれアンテナパネル又はアンテナアレイを含み得るか、或いは、アンテナ32、33は、複数のアンテナを含むアンテナアレイによって形成され得る。さらに、ユーザ機器30はロジック31を含む。ロジック31は、例えば、コントローラ又はマイクロプロセッサを具備することができ、これは以下に説明するような方法ステップを実行するためのコンピュータプログラムを実行することができる。当該コンピュータプログラムは、例えば、非一時的な記憶媒体又は同様のコンピュータプログラム製品に格納され得る。ユーザ機器30は、より多くの構成要素、例えば、グラフィックユーザインターフェース及びバッテリーを含み得るが、明確化のために、これらの構成要素は、
図1には示されていない。ユーザ機器30のアンテナ32、33は、互いに離間して配置することができ、例えば、2つのアンテナ32及び33は、エッジ付近のユーザ機器の頂面に配置することができる。別の方法として、1つ又は複数のアンテナをユーザ機器30の頂面に配置し、他の幾つかのアンテナを底面に配置することができる。
【0047】
上記で述べた設定は、例えば、以下のシナリオで有利に使用することができる。例えば、1つのワイヤレス通信装置、例えば、基地局20又はアクセスポイントは、任意の偏波で通信でき得る。他の無線通信装置、例えば、ユーザ機器30は、単一の偏波に制限され得る。さらに、装置の少なくとも1つはモバイルであり得る。さらに、アップリンク及びダウンリンクのアンテナ/アンテナパネルは同じでない場合があり、その結果、相反性が適用されない場合や、アップリンク及びダウンリンクのリンク数が異なる場合がある。
【0048】
ユーザ機器装置30、40及び50に関連した基地局20の動作を、
図2~5に関連してより詳細に説明する。
図2~5では、主にユーザ機器30を参照するが、ユーザ機器40又はユーザ機器50に関連して基地局20を動作させる場合にも、同じ動作手順を実行することができる。
【0049】
図2は、基地局BS20とユーザ機器UE30との間の例示的な信号伝達のフローチャートを示す。第1のビーム掃引401では、複数の第1のダウンリンク信号301が、第1の偏波501を用いて基地局20により送信される。当該ダウンリンク信号301は、例えば、パイロット信号又は同期信号を含み得る。
図1に示されるように、第1のビーム掃引401は、例えば、セクタ60の方向に第1の偏波501を用いてダウンリンク信号301を送信すること、セクタ61の方向に第1の偏波501を用いてダウンリンク信号301を送信すること及びセクタ62の方向に第1の偏波501を用いてダウンリンク信号301を送信することを含み得る。ダウンリンク信号301は、続いてセクタ60から62の方向に送信され得るか、或いは空間多重化を使用して、例えばMIMO技術を使用して同時にブロードキャストされ、又は少なくとも部分的に同時に送信され得る。
【0050】
第1のダウンリンク信号301の各々は、一意の識別子を含み得る。
【0051】
ユーザ機器30は、第1のビーム掃引401の第1のダウンリンク信号301のうち少なくとも1つ又は幾つかを受信することができる。例えば、ユーザ機器30は、受信された第1のダウンリンク信号301毎に、対応する受信電力を決定することができる。受信電力は、基地局20とユーザ機器30との間の無線リンクのチャネル特性に依存し得る。さらに、受信電力は、第1の偏波501に依存し得る。例えば、ユーザ機器30のアンテナ32及び33は、他の偏波よりも幾つかの偏波においてより敏感であり得る。ユーザ機器30は、受信された第1のダウンリンク信号301に基づいて、対応するチャネルサウンディング情報601を基地局20に報告することができる。例えば、チャネルサウンディング情報は、別個のメッセージで報告されてよく、また、チャネルサウンディング情報は、例えば、受信された第1のダウンリンク信号301の各々についての受信電力及び識別子を含み得る。追加的又は代替的に、チャネルサウンディング情報は、受信された第1のダウンリンク信号301の各々ついて、ユーザ機器30によって決定された信号対雑音比を含み得る。別の例では、第1のダウンリンク信号301の各々について、対応するアップリンク資源を割り当てることができ、サウンディング情報は、割り当てられた対応するアップリンク資源を用いて報告される。アップリンク資源は、無線通信システムで定義された時間及び周波数無線資源に割り当てられることができる。
【0052】
図2にさらに示すように、第2のビーム掃引402が、基地局20によって実行され得る。第2のビーム掃引402では、複数の第2のダウンリンク信号302が、第2の偏波502を用いて基地局20により送信される。
図1から分かるように、第2のビーム掃引402は、各セクタ60~62における指向性送信302を含み得る。第1のビーム掃引401に関連して上記で説明したように、ユーザ機器30は、第2のビーム掃引402の第2のダウンリンク信号302のうち少なくとも1つ又は幾つかを受信でき、また、第2のダウンリンク信号302に関連した対応するチャネルサウンディング情報602を報告することができる。当該第2のビーム掃引402は、第2の偏波502が第1の偏波501とは異なるという点で、第1のビーム掃引401とは本質的に異なり得る。
図2に示すように、第1の偏波501は垂直偏波であることができ、また第2の偏波502は、第1の偏波501に対して45°傾斜した偏波を有し得る。
【0053】
図2にさらに示すように、第3のビーム掃引403が、基地局20によって実行され得る。第3のビーム掃引402においては、複数の第3のダウンリンク信号303が、第3の偏波503を用いて基地局20により送信される。
図1に示したように、第3のビーム掃引403は、各セクタ60~62における指向性送信303を含み得る。第1及び第2のビーム掃引401及び402に関連して上記で説明したように、ユーザ機器30は、第3のビーム掃引403の第3のダウンリンク信号303のうち少なくとも1つ又は幾つかを受信することができ、また、第3のダウンリンク信号に関連した対応するチャネルサウンディング情報603を報告することができる。第3のビーム掃引402は、本質的に、第3の偏波503が、第1及び第2の偏波501及び502とは異なるという点において、第1のビーム掃引401及び第2のビーム掃引402とは異なり得る。
図2に示すように、第3の偏波503は水平偏波であり、したがって第2の偏波502に対して45°傾斜し、且つ第1の偏波501に対して直交する偏波を有し得る。
【0054】
第1、第2及び第3の信号301、302及び303は、時分割多元接続技術(Time Division Multiple Access Technology;TDMA)を使用することによって互いに分離することができ、したがって、次々に送信することができる。別の方法として、第1及び第2の信号301、302は、周波数分割多元接続技術(Frequency Division Multiple Access Technology;FDMA)又はコード分割多元接続技術(Code Division Multiple Access Technology;CDMA)を使用することによって互いに分離され得る。FDMA又はCDMAを使用するときは、第1、第2及び第3の信号301、302、303を同時に送信することができる。
【0055】
第1、第2及び第3の信号は、偏波を除いて同一の信号であり得る。別の方法として、第1、第2及び第3の信号は、少なくとも部分的に同一の情報、例えば、同期情報又はチャネルサウンディング(パイロット)情報を含み得るが、異なる一意の識別子を含み得る。
【0056】
703において、基地局20は、601、602及び603で報告されたチャネルサウンディング情報に基づいて、基地局20とユーザ機器30との間でペイロードデータを通信するためのアンテナ構成を決定する。換言すれば、第1、第2及び第3のダウンリンク信号に基づき、基地局20は、第1、第2及び第3のダウンリンク信号に関連付けられた無線リンクのチャネルサウンディングを実行する。例えば、基地局20は、第1、第2及び第3のダウンリンク信号の何れついて最大受信電力がユーザ機器30によって報告されたかを決定し、最高の受信電力に影響を与えたダウンリンク信号の指向性410及び偏波510を使用して、ユーザ機器20とのペイロード通信が行われるようにアンテナ構成22を構成することができる。このアンテナ構成を使用して、ペイロードデータ610は、基地局20とユーザ機器30との間で通信され得る。
【0057】
図3は、基地局20とユーザ機器30との間での更なる例示的なシグナリングの、更なるフローチャートを示す。
図2に関連して説明されたシグナリングと比較すると、この例では、各セクタにおいて、ダウンリンク信号301~304を含む4つのビーム掃引401~404が実行され、ユーザ機器30は、ビーム掃引直後にビーム掃引の各々についてではなく、第4のビーム掃引404の終了時点において、集約された方法でチャネルサウンディング情報を報告する。
【0058】
詳細には、複数の第1のダウンリンク信号301を含む第1のビーム掃引401は、第1の偏波501を用いて基地局20により送信される。
図1に示すように、第1のビーム掃引401は、例えば、第1の偏波501を用いてセクタ60の方向にダウンリンク信号301を送信すること、第1の偏波501を用いてセクタ61の方向にダウンリンク信号301を送信すること及び第1の偏波501を用いてセクタ62の方向にダウンリンク信号301を送信することを含み得る。ダウンリンク信号301は空間多重化を使用して、例えば、MIMO技術を使用して、セクタ60~62へと送信され得る。複数の第2のダウンリンク信号302を含む第2のビーム掃引402が、第2の偏波502を使用して、セクタ60~62をカバーするように実行される。続いて、複数の第3のダウンリンク信号303を含む第3のビーム掃引403が、第3の偏波503を使用して実行され、複数の第4のダウンリンク信号304を含む第4のビーム掃引404が、第4の偏波504を使用して実行される。本質的に、4つのビーム掃引401~404は、使用される偏波501~504において異なる。
図3に示す例として、偏波501から偏波504までの偏波の変化は本質的に等しく、特に30°であり、第1の偏波501は垂直偏波であり、第2の偏波502は、第1の偏波501に対して右に30°回転し、第2の偏波は、第1の偏波501に対して右に60°回転し、第4の偏波504は第1の偏波501に対して直交(90°)する。
【0059】
第1、第2、第3及び第4のダウンリンク信号301~304の各々は、一意の識別子を含み得る。
【0060】
ユーザ機器30は、第1、第2、第3及び第4のビーム掃引401~404における第1、第2、第3及び第4のダウンリンク信号301~304の少なくとも一部を受信することができる。例えば、ユーザ機器30は、受信したダウンリンク信号301~304各々について、対応する受信電力を決定することができる。受信電力は、基地局20とユーザ機器30との間の無線リンクにおけるチャネル特性に依存し得る。さらに、受信電力は、偏波501~504に依存し得る。受信された第1、第2、第3及び第4のダウンリンク信号301~304に基づいて、ユーザ機器30は、対応するチャネルサウンディング情報605を基地局20に報告することができる。例えば、チャネルサウンディング情報は、別個のメッセージで報告されることができ、また、チャネルサウンディング情報は、例えば、ダウンリンク信号301~304の各々の受信電力及び識別子を含むことができる。追加的又は代替的に、チャネルサウンディング情報は、受信されたダウンリンク信号301~304の各々について、ユーザ機器30により決定される信号対雑音比を含むことができる。別の例において、チャネルサウンディング情報は、例えば、各々が受信電力及び識別子を含むペアのリストを含んでいる。このリストは、最高の受信電力値を有するものを含む事前に定義された数のペアのみ、例えば、最良の5対又は10対のペアリストを含み得る。
【0061】
703において、基地局20は、605で報告されたチャネルサウンディング情報に基づき、基地局20とユーザ機器30との間でペイロードデータを通信するためのアンテナ構成を決定できる。例えば、受信電力と識別子のペアリストに基づいて、基地局20は、最良のペアを選択することができ、またユーザ機器20とのペイロード通信610が、当該最良のペアの識別子によって識別されるダウンリンク信号に関連付けられた指向性410及び偏波510を使用して実行されるように、アンテナ設備22を構成することができる。基地局20は、このアンテナ構成を使用して、ペイロード610をユーザ機器30と通信することができる。
【0062】
基地局は、受信したペアリストを、例えば基地局ロジック21の揮発性メモリに格納することができる。例えば構成された指向性410及び偏波510を使用する通信の低下に起因したエラーのある通信の場合、基地局20は、ユーザ機器30から受信したリストの中から次善のペアを選択でき、また、ユーザ機器20とのペイロード通信が、次善のペアの識別子によって識別されるダウンリンク信号に関連付けられた指向性及び偏波を使用して実行されるように、アンテナ設備22を構成することができる。こうして、アンテナ設備の再構成は、追加のチャネルサウンディングなしで実行することができ、その結果、通信の信頼性を高めることができる。しかしながら、上記のサウンディング手順は、ペアリストが更新され得るように、一定の間隔で繰り返されてよく、又は劣化した信号送信時にトリガーされてよい。
【0063】
図4は、基地局によって実行される方法ステップを詳細に示している。ステップ701において、基地局20は、偏波ビーム掃引、例えば、ビーム掃引401~404を送信することができる。例えば、第1の空間セクタ60において、それぞれが異なる偏波を有する複数の信号を送信することができる。次に、第2の空間セクタ61において、それぞれが異なる偏波を有する複数の信号を送信することができる。これは、当該基地局によりサポートされるセルをカバーするために、各空間セクタについて継続することができる。別の方法として、ビーム掃引は、基地局20によってサポートされるセルの幾つかのより多くのセクタ60~62をカバーするために実行することができ、ここでのビーム掃引の各々は異なる偏波を使用して実行される。偏波角が同じ角度オフセットを有するように異なる偏波を選択することができ、例えば、n個の偏波角を使用する場合、偏波角間のオフセットを90°/(n-1)に選択することができる。例えば、異なる偏波角を有する4つのビーム掃引が実行される場合、偏波角は、0°、30°、60°及び90°に選択することができる。
【0064】
ステップ702において、基地局20は、無線通信システム内のユーザ機器装置からフィードバックを受信することができる。各ユーザ機器装置は、各受信信号について、対応する受信信号電力を報告することができる。さらに、各ユーザ機器装置は、各受信信号について、基地局20と対応するユーザ機器との間の無線リンクのチャネルの特性を測定することに関連し得る更なるパラメータ、例えば、信号対雑音比を報告し得る。受信信号を識別するために、各信号は、ユーザ機器から基地局20へのフィードバック情報に含まれる識別子を含み得る。
【0065】
ステップ703において、基地局20は、各ユーザ機器についてのデータ、例えば、ペイロードデータ及び制御データを、対応するユーザ機器と通信するためのアンテナ構成を決定することができる。例えば、ユーザ機器は、最高の受信信号電力もしくは最良の信号対雑音比、又は、それらの組み合わせをもたらした空間セクタ及び偏波を選択することができる。そのような決定されたアンテナ構成は、対応するユーザ機器と通信するときに、基地局20のアンテナ配置22を構成するために使用される。
【0066】
ステップ705において、データは、ステップ704で構成されたアンテナ構成を使用して、ユーザ機器と通信される。このデータは、制御及び/又はペイロード情報を含み得る。
【0067】
ステップ706では、ビーム障害が検出され得る。例えば、ユーザ機器が受信品質の低下を報告したり、又は基地局がユーザ機器からの頻繁な再送信要求に起因してビーム障害を判断したりし得る。ビーム障害が検出されなければ、又は、特定の時間間隔内のビーム障害の数が閾値を下回るならば、ステップ705で更なるデータを通信することができる。ビーム障害の場合、基地局20は、ステップ703において、対応するユーザ機器と通信するための別のアンテナ構成を決定することができる。例えば、上記のように、ユーザ機器は、受信電力及び識別子のペアリストを報告していることができる。基地局20は、このペアの別の1つ、例えば、2番目又は3番目に最良のペアを選択することができ、ステップ705でこの構成を用いて通信することができる。
【0068】
図5は、各ユーザ機器装置(30、40、50)によって実行される方法ステップを詳細に示している。ステップ801において、ユーザ機器30、40、50は、ステップ701で基地局20が送信した偏波ビーム掃引の信号を受信する。各受信信号について、ユーザ機器30、40、50は、ステップ802において対応するチャネルサウンディング情報を決定することができる。例えば、ユーザ機器30、40、50は、受信信号電力及び/又は信号対雑音比を決定することができる。ステップ803において、ユーザ機器30、40、50は、チャネルサウンディング情報を基地局20に報告することができる。例えば、各受信信号の後、ユーザ機器30、40、50は、例えば特定のメッセージにおいて、又は当該受信された信号に割り当てられた特別な無線資源において、対応するチャネルサウンディング情報を報告することができる。追加的又は代替的に、ユーザ機器30、40、50は、複数の受信信号について決定された複数のチャネルサウンディング情報を収集し、収集されたチャネルサウンディング情報を含むリストを基地局20に送信することができる。各信号は、信号を一意に識別する識別子を含むことができ、ユーザ機器30は、基地局20が、基地局20によって送信される信号にチャネルサウンディング情報を割り当てることができるように、識別子に関連したチャネルサウンディング情報を報告することができる。上記のように、基地局20は、そのアンテナシステムを、報告されたチャネルサウンディング情報に基づいて構成することができ、ステップ804においてユーザ機器30、40、50とデータを通信することができる。
【0069】
要約すると、基地局20は、偏波が90°よりも小さいステップで変更され得るように、3つ以上の偏波角を使用することができる。少なくとも3つの異なる偏波角を使用するビーム掃引は、基地局20のカバレッジ内にある基地局とユーザ機器装置30、40、50との間での無線リンクのチャネルの特性を測定するために、基地局20によって実行される。各ユーザ機器30、40、50は、独立に、それが各チャネルについて見るチャネルを報告する。これは、環境又はユーザ機器アンテナ32、33の偏波特性のいずれかによって引き起こされる単一の偏波が支配的であるビームが、ユーザ機器30、40、50によって識別され且つ報告されることを保証することができる。
【0070】
送信信号の偏波の最適化に起因して、より低い電力レベルでもより高い信号対雑音比を実現できるように、通信品質が向上し得る。したがって、上記の方法は、例えば30GHzを超える非常に高い周波数、特に、例えば80GHzに関連して特に有利であることができ、これは、アレイアンテナの使用及び増加した指向性につながり得る。そのため、如何なる偏波についても最適なビームを選択することが重要である。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局システムを動作させる方法であって、
前記基地局システムは、複数のアンテナ設備(22)と、前記複数のアンテナ設備に接続された基地局ロジック(21)とを有し、
前記複数のアンテナ設備の各々は、複数のアンテナエレメントが2次元又は3次元に配置されたアレイアンテナを有し、
前記方法は、前記基地局ロジックが前記複数のアンテナ設備の少なくとも1つを制御することにより、
1又は複数のユーザ装置に対して、第1の偏波(501)を使用して少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)を送信し、第2の偏波(502)を使用して少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)を送信し、第3の偏波(503)を使用して少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)を送信することと、
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)に基づいて測定された、前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)のうち、少なくとも1つチャネルの特性の報告を受信することとを含み、
前記第1の偏波(501)、前記第2の偏波(502)及び前記第3の偏波(503)は互いに異なり、
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)、及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)の各々が、対応する一意の識別子を運び、
対応するアップリンク資源が、前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)、及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)の各々に割り当てられ、
前記少なくとも1つチャネルの特性の報告を受信することは、前記対応するアップリンク資源内で、前記少なくとも1つの第1、第2及び第3の下りリンク信号(301、302、303)のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記識別子及び受信信号電力を受信することを含む、
基地局システムを動作させる方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)は、第1の角度のビーム掃引(401)を形成する複数の第1の信号を含み、
前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)は、第2の角度のビーム掃引(402)を形成する複数の第2の信号を含み、
前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)は、第3の角度のビーム掃引(403)を形成する複数の第3の信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の偏波(501)の方向と前記第2の偏波(502)の方向との間の第1の角度は、前記第2の偏波(502)の方向と前記第3の偏波(503)の方向との間の第2の角度の80%~120%の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)が第1の同期信号を含み、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)が第2の同期信号を含み、前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)が第3の同期信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)のうちの少なくとも1つがブロードキャストされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の偏波(501)、前記第2の偏波(502)及び前記第3の偏波(503)のうちの少なくとも2つが互いに直交する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
基地局システムであって、
複数のアンテナ設備(22)と、
前記複数のアンテナ設備(22)に結合された基地局ロジック(22)とを具備し、
前記複数のアンテナ設備の各々は、複数のアンテナエレメントが2次元又は3次元に配置されたアレイアンテナを有し、
前記ロジックは前記複数のアンテナ設備の少なくとも1つを制御することにより、
1又は複数のユーザ装置に対して、第1の偏波(501)を使用して少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)を送信し、第2の偏波(502)を使用して少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)を送信し、第3の偏波(503)を使用して少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)を送信し、
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)に基づいて測定された、前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)のうち、少なくとも1つチャネルの特性の報告を受信するよう構成され、
前記第1の偏波(501)、前記第2の偏波(502)及び前記第3の偏波(503)は互いに異なり、
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)、及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)の各々が、対応する一意の識別子を運び、
対応するアップリンク資源が、前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)、及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)の各々に割り当てられ、
前記対応するアップリンク資源内で、前記少なくとも1つの第1、第2及び第3の下りリンク信号(301、302、303)のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記識別子及び受信信号電力が、前記複数のアンテナ設備の少なくとも1つによって受信される、
基地局システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)は、第1の角度のビーム掃引(401)を形成する複数の第1の信号を含み、
前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)は、第2の角度のビーム掃引(402)を形成する複数の第2の信号を含み、
前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)は、第3の角度のビーム掃引(403)を形成する複数の第3の信号を含む、請求項7に記載の基地局システム。
【請求項9】
前記第1の偏波(501)の方向と前記第2の偏波(502)の方向との間の第1の角度は、前記第2の偏波(502)の方向と前記第3の偏波(503)の方向との間の第2の角度の80%~120%の範囲にある、請求項7に記載の基地局システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)が第1の同期信号を含み、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)が第2の同期信号を含み、前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)が第3の同期信号を含む、請求項7に記載の基地局システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1の下りリンク信号(301)、前記少なくとも1つの第2の下りリンク信号(302)及び前記少なくとも1つの第3の下りリンク信号(303)のうちの少なくとも1つがブロードキャストされる、請求項10に記載の基地局システム。
【請求項12】
前記第1の偏波(501)、前記第2の偏波(502)及び前記第3の偏波(503)のうちの少なくとも2つが互いに直交する、請求項7に記載の基地局システム。
【外国語明細書】