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  • 特開-開閉装置及び該開閉装置の設置構造 図1
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  • 特開-開閉装置及び該開閉装置の設置構造 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191504
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】開閉装置及び該開閉装置の設置構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/58 20060101AFI20221220BHJP
   E06B 9/74 20060101ALI20221220BHJP
   E06B 9/84 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
E06B9/58 A
E06B9/74
E06B9/84 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171896
(22)【出願日】2022-10-27
(62)【分割の表示】P 2019005809の分割
【原出願日】2019-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 寿一
(72)【発明者】
【氏名】重村 正和
(72)【発明者】
【氏名】津田 真伸
(57)【要約】
【課題】 簡素な構造によりメンテナンス性を向上する。
【解決手段】 開閉体開放方向側で開閉体10を収納する開閉体収納部20内に、開閉体10を機能させるための開閉補助機器22が設けられ、ガイドレール30の外面に、内部空間を開閉体開放方向へ延設して開閉体収納部20側に連通した収容部材50が設けられ、収容部材50の内部に、機械的又は電気的な有線信号を開放方向へ導いて開閉補助機器22へ伝達する信号伝達部材w1,w2と、信号伝達部材w1,w2の信号源側に接続されて前記有線信号を発する信号発生機器s1,s2とが設けられ、収容部材50の側壁に、信号発生機器s1,s2を通過可能な開口部x4が、開閉可能に設けられている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体の幅方向の端部を閉鎖方向へ案内するガイドレールと、前記開閉体をその開放方向側で収納する開閉体収納部とを備えた開閉装置において、
前記開閉体収納部内に、前記開閉体を機能させるための開閉補助機器が設けられ、
前記ガイドレールの外面に、内部空間を開閉体開放方向へ延設して前記開閉体収納部側に連通した収容部材が設けられ、
前記収容部材の内部に、機械的又は電気的な有線信号を開放方向へ導いて前記開閉補助機器へ伝達する信号伝達部材と、前記信号伝達部材の信号源側に接続されて前記有線信号を発する信号発生機器とが設けられ、
収容部材の側壁に、前記信号発生機器を通過可能な開口部が、開閉可能に設けられていることを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記収容部材を、前記ガイドレールにおける開閉体厚さ方向の一方側の外面に沿って装着したことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記開口部を、少なくとも前記信号発生機器を含む位置から、前記開閉体収納部まで連続的に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項4】
前記収容部材に、前記開口部を開閉可能に閉鎖するカバー部材が設けられ、
前記カバー部材は、開閉体幅方向の一端側で、前記収容部材に凹凸状に嵌り合う係合片部と、同開閉体幅方向の他端側で着脱可能な止着具により前記収容部材に止着される被止着片部とを有することを特徴とする請求項3記載の開閉装置。
【請求項5】
前記開閉補助機器として、前記開閉体に電動駆動源の動力を伝達して開閉駆動する開閉機を備え、
前記開閉機には、操作部の引張操作により前記電動駆動源の動力伝達経路を切断して前記開閉体を手動で開閉可能にする手動切換え装置が設けられ、
前記信号伝達部材は、一端側を前記操作部に止着するとともに他端側を前記信号発生機器に接続された線状部材であり、
前記信号発生機器は、操作レバーの機械的な操作により前記線状部材の他端側を引っ張るようにした手動切換え操作部を構成していることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載の開閉装置。
【請求項6】
前記開閉補助機器として、前記開閉体に電動駆動源の動力を伝達して開閉駆動する開閉機と、この開閉機を制御する制御部とを備え、
前記信号伝達部材は、一端側を前記制御部に電気的に接続するとともに他端側を前記信号発生機器に電気的に接続した電線であり、
前記信号発生機器は、開閉体幅方向へ発する障害物感知媒体により障害物を非接触感知する障害物感知センサーを構成していることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載の開閉装置。
【請求項7】
構造物躯体の屋内側の壁面に前記ガイドレールを固定し、
前記ガイドレールの屋内側の面に、前記開口部を屋内側へ向けて前記収容部材を固定したことを特徴とする請求項1~6何れか1項記載の開閉装置の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物や駐車スペース等の構造物躯体の開口部分に装着されて該開口部分を仕切るように閉鎖する開閉装置、及び該開閉装置の設置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、一方のガイドレールの中間部に、電動のシャッターカーテンを手動で開閉可能とするための切り替えレバー装置を備えたシャッター装置がある。
このシャッター装置によれば、レバー操作により、開閉機に接続されたワイヤーを引っ張ると、開閉機が電動モータから切り離されたフリー状態になり、手動でシャッターカーテンを開閉できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-165980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術によれば、切り替えレバー装置を装着するためにガイドレールに特別な加工が必要な上、ガイドレール内でレバーやワイヤーが開閉体(シャッターカーテン)に干渉しないような工夫も要する。
また、切り替えレバー装置の修理や交換が必要な場合には、ガイドレールを取り外して、レバーやワイヤー等を外す必要があるが、その取り外し作業が困難になるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体の幅方向の端部を閉鎖方向へ案内するガイドレールと、前記開閉体をその開放方向側で収納する開閉体収納部とを備えた開閉装置において、前記開閉体収納部内に、前記開閉体を機能させるための開閉補助機器が設けられ、前記ガイドレールの外面に、内部空間を開閉体開放方向へ延設して前記開閉体収納部側に連通した収容部材が設けられ、前記収容部材の内部に、機械的又は電気的な有線信号を開放方向へ導いて前記開閉補助機器へ伝達する信号伝達部材と、前記信号伝達部材の信号源側に接続されて前記有線信号を発する信号発生機器とが設けられ、収容部材の側壁に、前記信号発生機器を通過可能な開口部が、開閉可能に設けられていることを特徴とする開閉装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、簡素な構造により良好なメンテナンス性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る開閉装置の一例を示す正面図である。
図2】同開閉装置の要部を示す斜視図である。
図3】同開閉装置の要部を示す横断面図である。
図4】収容部材の開口部を開放した状態を開口部側から視た図である。
図5】ガイドレールの一例を示す横断面図である。
図6】支持部材及び収容部材の一例を示す横断面図である。
図7】カバー部材の一例を示す横断面図である。
図8】本発明に係る開閉装置の他例について、要部を示す横断面図である。
図9】本発明に係る開閉装置の他例について、要部を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体の幅方向の端部を閉鎖方向へ案内するガイドレールと、前記開閉体をその開放方向側で収納する開閉体収納部とを備えた開閉装置において、前記開閉体収納部内に、前記開閉体を機能させるための開閉補助機器が設けられ、前記ガイドレールの外面に、内部空間を開閉体開放方向へ延設して前記開閉体収納部側に連通した収容部材が設けられ、前記収容部材の内部に、機械的又は電気的な有線信号を開放方向へ導いて前記開閉補助機器へ伝達する信号伝達部材と、前記信号伝達部材の信号源側に接続されて前記有線信号を発する信号発生機器とが設けられ、収容部材の側壁に、前記信号発生機器を通過可能な開口部が、開閉可能に設けられている(図1図4参照)。
この構成によれば、簡素な構造により信号伝達部材及び信号発生機器に開閉体が干渉するのを防ぐことができる上、収容部材の開口部を開放して信号伝達部材及び信号発生機器のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0009】
第二の特徴は、よりメンテナンス性を向上するために、前記収容部材を、前記ガイドレールにおける開閉体厚さ方向の一方側の外面に沿って装着した(図3参照)。
【0010】
第三の特徴は、よりメンテナンス性を向上するために、前記開口部を、少なくとも前記信号発生機器を含む位置から、前記開閉体収納部まで連続的に設けた(図4参照)。
【0011】
第四の特徴は、メンテナンス性の良好な具体的態様として、前記収容部材に、前記開口部を開閉可能に閉鎖するカバー部材が設けられ、前記カバー部材は、開閉体幅方向の一端側で、前記収容部材に凹凸状に嵌り合う係合片部と、同開閉体幅方向の他端側で着脱可能な止着具により前記収容部材に止着される被止着片部とを有する(図3図5及び図7参照)。
【0012】
第五の特徴は、前記開閉補助機器として、前記開閉体に電動駆動源の動力を伝達して開閉駆動する開閉機を備え、前記開閉機には、操作部の引張操作により前記電動駆動源の動力伝達経路を切断して前記開閉体を手動で開閉可能にする手動切換え装置が設けられ、前記信号伝達部材は、一端側を前記操作部に止着するとともに他端側を前記信号発生機器に接続された線状部材であり、前記信号発生機器は、操作レバーの機械的な操作により前記線状部材の他端側を引っ張るようにした手動切換え操作部を構成している(図1図4参照)
ここで、前記「線状部材」は、電気的な有線信号の伝達のみを用途とした部材(例えば電線等)ではなく、機械的に引っ張られる部材(例えば、金属製ワイヤーや、樹脂製ワイヤー、紐状部材、チェーン状の部材等を含む)である。
さらに、前記「線状部材」は、前記した可撓性の線状部材以外に、棒状部材等の硬質の線状部材とすることも可能であり、この場合の具体例には、単数の棒状部材を用いた態様や、複数の棒状部材をリンク接合した態様、棒状部材と可撓性の線状部材を接続した態様等が挙げられる。
また、前記「機械的な操作」には、例えば、回転操作や、スライド操作、押し操作、引張操作等を含む。
【0013】
第六の特徴は、前記開閉補助機器として、前記開閉体に電動駆動源の動力を伝達して開閉駆動する開閉機と、この開閉機を制御する制御部とを備え、前記信号伝達部材は、一端側を前記制御部に電気的に接続するとともに他端側を前記信号発生機器に電気的に接続した電線であり、前記信号発生機器は、開閉体幅方向へ発する障害物感知媒体により障害物を非接触感知する障害物感知センサーを構成している(図1図4参照)。
ここで、前記「電線」は、機械的な信号の伝達のみを用途とした部材(例えばワイヤー等)ではなく、電気的な有線信号の伝達により信号を伝達する部材(例えば信号ケーブル電線等)である。
【0014】
第七の特徴は、メンテナンス性及び防犯性の良好な開閉装置の設置構造であって、構造物躯体の屋内側の壁面に前記ガイドレールを固定し、前記ガイドレールの屋内側の面に、前記開口部を屋内側へ向けて前記収容部材を固定した(図3参照)。
【0015】
<第一の実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の説明において、「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向を意味する。また、「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。また、「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
【0016】
開閉装置1は、空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体10と、開閉体10をその開放方向側で収納する開閉体収納部20と、開閉体10の幅方向の両端部をそれぞれ閉鎖方向へ案内する左右のガイドレール30,30とを具備し、図3に示すように、建物等の構造物躯体Aの屋内側の壁面に固定される。
【0017】
開閉体10は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなるスラット11aを、上下に隣接するスラット11a,11a間で回動するように複数連接することで開閉体本体11を構成し、この開閉体本体11の下端部に固定座板12を接続し、この固定座板12の下端側に相対的に上下方向へ移動可能に可動座板13を接続している(図1参照)。
この開閉体10の他例としては、単数もしくは複数のパネルや、シート状物、ネット状物を開閉方向へ設けてなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等としてもよい。
【0018】
開閉体収納部20は、図1に示すように、開閉体10を出没させるための開口部を下部に有する収納ケース21内に、開閉体10を機能(例えば、開閉動作や停止等)させるための開閉補助機器22を具備している。
【0019】
開閉補助機器22は、本実施の形態の一例によれば、収納ケース21内に回転自在に支持されて開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取軸22aと、この巻取軸22aを駆動回転して開閉体を開閉する開閉機22bと、入力信号等に応じて開閉機22bの動作を制御する制御部22cとを備える。
【0020】
開閉機22bは、電動駆動源(例えば、電動モータ)の回転を、ギヤ機構により適宜な回転力及び回転スピードに調整して出力軸22b1から出力する機構である。出力軸22b1の回転は、チェーン及びスプロケット等の動力伝達機構を介して巻取軸22aに伝達される。
この開閉機22bには、操作部22dが引張操作されることにより前記電動駆動源を動力伝達経路を切断して開閉体10を手動で開閉可能にする手動切換え装置(図示せず)が設けられる。この手動切換え装置は、周知のクラッチ機構等により構成され、操作部22dが引っ張られた際にその引張力により出力軸22b1を前記電動駆動源から切り離してフリー状態にし、信号伝達部材w1(線状部材)が緩められた際に付勢部材(図示せず)の付勢力により出力軸22b1を前記電動駆動源に接続して動力伝達可能にする。
【0021】
制御部22cは、例えばマイコン等を備えた電子回路であり、予め記憶したプログラムにより機能することで、後述する信号発生機器s2(障害物感知センサ)や、図示しない操作スイッチ等からの信号を処理し、その処理結果に応じて開閉機22bを制御する。
【0022】
上記構成の開閉機22b及び制御部22cは、開閉体幅方向における信号発生機器s1,s2寄りに配設される。この配置によれば、信号伝達部材w1,w2を比較的短くできる上、開閉機22b、制御部22c、信号伝達部材w1,w2及び信号発生機器s1,s2等が、開閉体幅方向の一方側に集約されるので、これらに対するメンテナンス性が良好である。
【0023】
また、ガイドレール30は、開閉体10の幅方向の端部を凹状に囲んで上下方向へわたる長尺状の部材である(図2及び図3参照)。
このガイドレール30の外面には、ガイドレール30を不動に支持する支持部材40と、内部空間を開閉体開放方向へ延設して開閉体収納部20の収納ケース21内に連通した長尺中空状の収容部材50とが設けられる。そして、収容部材50には、カバー部材60が装着される。
これらガイドレール30、支持部材40、収容部材50及びカバー部材60は、開閉体10を間に置いて左右対称に設けられる(図3参照)。
【0024】
ガイドレール30は、図5に示すように、開閉体10の端部を挿入するための開口を有する開口壁部31と、開閉体厚さ方向の一方側に設けられた略平板状の壁部32と、開閉体厚さ方向の他方側に設けられた係合壁部33と、これら壁部32と係合壁部33を、開閉体幅方向において開口壁部31の逆側で接続する接続壁部34とから断面略凹状に形成される。
【0025】
係合壁部33は、その外面に、止着片部33aと、係合片部33bを突出している。
【0026】
止着片部33aは、開閉体幅方向における開口壁部31側にて、開閉体厚さ方向の外側へ平板状に突出する部位であり(図5参照)、着脱可能な止着具M(例えば、ネジやボルト等)を挿通するために用いられる。
【0027】
係合片部33bは、開閉体幅方向における接続壁部34側にて、開閉体厚さ方向の外側へ横断面L字状に突出している(図5参照)。
【0028】
なお、図5中、符号31aは、緩衝材や気密材等を嵌合し装着するための嵌合凹部である。
【0029】
支持部材40は、ガイドレール30の屋外側面に沿って開閉体開閉方向へ連続する長尺状の部材であり、図3に示すように、構造物躯体Aの内壁面に対し、ボルトやアンカー、ブラケット等によって止着される。
【0030】
また、収容部材50は、ガイドレール30の屋内側面に沿って開閉体開閉方向へ連続する長尺状の部材であり、ガイドレール30の屋内側面に対し、リベット等の止着具によって止着される。
【0031】
これら支持部材40と収容部材50は、本実施の形態の好ましい一例によれば、長さの異なる同一横断面形状の部材Xにより形成される。すなわち、支持部材40と収容部材50は、一本の長尺状の部材Xを所定長さに切断して形成することが可能である。また、図示例以外の他例としては、これら支持部材40と収容部材50について、長さを同一にして、共通部品化することも可能である。
【0032】
部材Xは、図6に示すように、間隔を置いて略平行する二つの壁部x1,x2と、これら壁部x1,x2を開閉体厚さ方向の一端側で接続する接続壁部x3とから、側壁に開口部x4を有する横断面略凹状に形成される。
一方の壁部x1は、開閉体厚さ方向における開口部x4側に、ネジやボルト等の止着具Mを螺合して止着するための被止着片部x11を厚肉状に有する。
他方の壁部x2は、開口部x4内を向く突片状の被係合片部x21を有する。
【0033】
開口部x4は、後述する二種類の信号発生機器s1,s2及び信号伝達部材w1,w2を通過可能な大きさに形成される。詳細に説明すれば、この開口部x4は、開閉体幅方向の寸法が信号発生機器s1,s2よりも大きく設定され、信号発生機器s1,s2を含む位置から収納ケース21まで連続する長尺状に設けられている(図4参照)。
【0034】
なお、図4中、符号Pは、必要に応じて設けられる板状の仕切部である。この仕切部Pは、収容部材50内において、信号伝達部材w1側の空間と、信号伝達部材w2側の空間とを仕切り、信号伝達部材w1(線状部材)が、信号伝達部材w2(信号用電線)に干渉するのを防ぐ。
【0035】
被係合片部x21は、ガイドレール30の係合片部33b、又はカバー部材60の係合片部63に凹凸状に嵌り合う部位であり、開閉体幅方向において開口部x4内側へ平板状に突出している(図6参照)。
【0036】
支持部材40は、ガイドレール30における開閉体厚さ方向の一方側(図示例によれば屋外側)の外面に沿って設けられ(図3参照)、ガイドレール30の上下方向の略全長にわたる長さを有する(図2参照)。
この支持部材40は、その接続壁部x3(図6参照)が、構造物躯体Aの内壁面に対し、ボルトやアンカー、ブラケット等によって固定される(図3参照)。
【0037】
収容部材50は、下端部をガイドレール30の途中高さに配置し(図2参照)、上端部を収納ケース21に接触するように配置している。この収容部材50の内部空間は、開放方向へ連続し延設され、収納ケース21内の空間に連通している。
この収容部材50は、開口部x4を屋内側へ向けて、ガイドレール30における開閉体厚さ方向の一方側の外面に沿って装着される。詳細に説明すれば、この収容部材50は、接続壁部x3(図6参照)をガイドレール30の壁部32(図5参照)に、止着具(例えば、ネジやボルト、リベット等)によって固定される(図3参照)
【0038】
この収容部材50の内部には、機械的又は電気的な有線信号を開放方向へ導いて開閉補助機器22へ伝達する二種類の信号伝達部材w1,w2と、これら信号伝達部材w1,w2の信号源側に接続されて、機械的な有線信号と電気的な有線信号を発する二種類の信号発生機器s1,s2とが設けられる。
そして、収容部材50の開口部x4は、カバー部材60によって開閉可能に閉鎖される。
【0039】
カバー部材60は、図7に示す横断面略凹状の部材であり、平板状のカバー本体部61における開閉体幅方向の一端側に係合片部63を有するとともに、他端側に止着片部62を有する。このカバー部材60は、係合片部63が、収容部材50の被係合片部x21(図6参照)に凹凸状に嵌め合わせられ、止着片部62が、収容部材50の被止着片部x11(図6参照)に重ね合わせられるとともに、この重ね合わせ部分が着脱可能な止着具M(ボルト又はネジ等)よって止着される。
【0040】
止着片部62は、カバー本体部61から開閉体厚さ方向へ突出する平板状に形成される(図7参照)。
また、係合片部63は、開閉体幅方向において止着片部62の逆側へ開口を向けた横断面凹状に形成され、その凹状部分の内側に、収容部材50の被係合片部x21(図6参照)を嵌め合わせるようにしている。
【0041】
また、一方の信号発生機器s1は、機械的な信号発信により開閉体10を手動で開閉可能にする手動切換え操作部を構成している。詳細に説明すれば、この信号発生機器s1は、操作レバーs11を回動させる機械的な操作により信号伝達部材w1(線状部材)の下端側を引っ張り、この引張操作により、開閉機22bの動力伝達経路を切断して(言い換えれば、上述した手動切換え装置を解放状態にし)、開閉体10を手動で開閉可能な状態にする。
【0042】
操作レバーs11は、上下方向の一端側がブラケット等を介して収容部材50に枢支される。
【0043】
信号伝達部材w1は、可撓性を有する長尺状の線状部材(金属製ワイヤー及び非金属製ワイヤーを含む)であり、その一端側を、開閉機22bの操作部22dに止着するとともに、他端側を、操作レバーs11の回動部分に止着している。
【0044】
また、他方の信号発生機器s2は、開閉体幅方向へ発する障害物感知媒体により障害物を非接触感知する障害物感知センサー(例えば、光電管センサー等)である。詳細に説明すれば、この信号発生機器s2は、赤外線等の障害物感知媒体を発する発信部s21と、前記障害物感知媒体を捕捉する捕捉部s22とを有する。
【0045】
信号伝達部材w2は、その一端側を捕捉部s22に対し電気的に接続した信号用電線であり、その他端側を、上方へ延設し、さらに収納ケース21内で横方向へ延設して、制御部22cに電気的に接続している。
【0046】
信号発生機器s1、捕捉部s22及びこれらの信号伝達部材w1,w2は、左右の収容部材50,50のうち、その一方(図3によれば右側)の収容部材50のみに設けられる。
また、発信部s21及びその給電配線w2’は、他方(図1によれば左側)の収容部材50に収容される。給電配線w2’は、上方へ延設されて、開閉体収納部20内の図示しない電源回路に電気的に接続されている。
【0047】
次に、上記構成の開閉装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
開閉装置1によれば、信号発生機器s1,s2及び信号伝達部材w1,w2等が、ガイドレール30とは別体の収容部材50内に設けられる。このため、開閉体10の幅方向端部が、信号発生機器s1,s2及び信号伝達部材w1,w2等に干渉するのを防ぐことができる。
【0048】
しかも、信号発生機器s1,s2を修理や交換等する場合は、カバー部材60を外せば、開口部x4が上方へわたる長尺状に開放されるので(図4参照)、収容部材50内の信号発生機器s1,s2や信号伝達部材w1,w2等を開口部x4に通過させて容易に取り外すことができる。
【0049】
特に、本実施の形態の好ましい一例によれば、図3に示すように、構造物躯体Aの内壁面に支持部材40を介してガイドレール30を固定し、このガイドレール30に嵌り合った開閉体10よりも屋内側に、収容部材50及びカバー部材60等を配設しているため、信号発生機器s1,s2及び信号伝達部材w1,w2等の着脱性が良好なのに加えて、屋外側からの犯罪行為等に対する防御性に優れている。
【0050】
<第二の実施態様>
次に、図8に要部断面を示す開閉装置2について説明する
開閉装置2は、上記開閉装置1から収容部材50及びカバー部材60を省き、支持部材40を、信号発生機器s1,s2及び信号伝達部材w1,w2等を収容するための収容部材として用いており、構造物躯体Aの屋外側に設けられる。
【0051】
支持部材40は、上記収容部材50と同様にして信号発生機器s1,s2及び信号伝達部材w1,w2等を収容しており、開口部x4を屋外側へ向けて、その接続壁部x3が構造物躯体Aの外壁面に、ボルトやアンカー、ブラケット等により固定される。
【0052】
この開閉装置2において、ガイドレール30は、支持部材40の開口部x4を塞ぐようにして、係合片部33bを支持部材40の被係合片部x21に嵌め合わせ、止着片部33aを同支持部材40の被止着片部x11に重ね合わせて着脱可能な止着具Mにより止着している。
したがって、ガイドレール30を外せば、支持部材40の開口部x4を開放することができ、支持部材40内の信号発生機器s1,s2及び信号伝達部材w1,w2に対するメンテナンス作業を容易に行うことができる。
しかも、通常時は、ガイドレール30及び開閉体10よりも屋内側に、収容部材としての支持部材40が位置するため防犯性も良好である。
【0053】
<第三の実施態様>
次に、図9に要部断面を示す開閉装置3について説明する
開閉装置3は、上記開閉装置1(図3参照)から支持部材40を省き、ガイドレール30をガイドレール30’に置換して、構造物躯体Aの屋内側に設けられる。
【0054】
ガイドレール30’は、上記ガイドレール30’から止着片部33a及び係合片部33b(図5参照)を省いたものである。このガイドレール30’は、上記支持部材40を介することなく、直接、構造物躯体Aの屋内側面に止着固定される。
【0055】
よって、図9に示す開閉装置3によれば、当該開閉装置3を構成する略全ての部材が、構造物躯体Aの壁面よりも屋内側に位置し、しかも、ガイドレール30’に嵌り合った開閉体10よりも屋内側に、収容部材50、カバー部材60及び止着具M等を配設しているため、屋外側からの犯罪行為等に対する防御性に、より優れている。
【0056】
<他の変形例>
上記実施態様によれば、開閉補助機器22を、巻取軸22a、開閉機22b、制御部22c等としたが、この開閉補助機器22は、図示例以外の機器とすることが可能である。
例えば、開閉補助機器22を、開閉機22bを拘束するブレーキ機構とし、このブレーキ機構に対し、機械的又は電気的な有線信号を発信する信号発生機器及び信号伝達部材が設けられるようにしてもよい。
【0057】
また、上記信号発生機器及び上記信号伝達部材の他例としては、多数の光線経路により障害物を感知するようにした多光軸センサー及びその電気配線、あるいは、開閉補助機器22へ開閉信号や停止信号を発信する開閉停スイッチ及びその電気配線等とすることも可能である。
【0058】
また、収容部材50は、特に防犯性等の観点からは、図示例のように、ガイドレール30よりも屋内側に設けるのが好ましいが、他例としては、収容部材50をガイドレール30における開閉体幅方向の外側に設けた態様や、収容部材50をガイドレール30よりも屋外側に設けた態様等とすることも可能である。
【0059】
また、上記実施態様では、開閉体幅方向の両側のガイドレール30,30にそれぞれ収容部材50を設けたが、他例としては、何れか一方のガイドレール30のみに収容部材50を設けた態様とすることも可能である。
この他例では、一方のみに設けられた収容部材50に、機械的な信号伝達部材w1及び信号発生機器s1等を設ければよい。電気的な信号伝達部材w2及び信号発生機器s2を設ける場合には、例えば、前記一方のみの収容部材50に捕捉部s22を内在し、その他方側では、ガイドレール30に発信部s21を設ければよい。
さらに、他例としては、信号発生機器s2を、一方のみに投受光部を有する反射型光電センサー等により構成し、この信号発生機器s2を、前記一方のみの収容部材50に設けた態様とすることも可能である。
【0060】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0061】
1,2:開閉装置
10:開閉体
20:開閉体収納部
22:開閉補助機器
22a:巻取軸
22b:開閉機
22c:制御部
22d:操作部
30,30’:ガイドレール
33a:止着片部
33b:係合片部
40:支持部材
50:収容部材
60:カバー部材
62:止着片部
63:係合片部
s1:信号発生機器(手動切換え操作部)
s2:信号発生機器(障害物感知センサー)
s11:操作レバー
w1:信号伝達部材(線状部材)
w2:信号伝達部材(信号用電線)
x4:開口部
x11:被止着片部
x21:被係合片部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9