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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191543
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
H02M7/12 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099807
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅倉 史生
(72)【発明者】
【氏名】谷口 聡
【テーマコード(参考)】
5H006
【Fターム(参考)】
5H006AA02
5H006CA02
5H006CB01
5H006CB08
5H006CC01
5H006CC02
5H006DA02
5H006DB01
5H006DC02
5H006DC05
(57)【要約】
【課題】AC/DCコンバータの入力電流が歪むのを抑制する。
【解決手段】少なくとも1つのリアクタとスイッチング素子とダイオードとを含むブリッジレス型の力率改善回路を有し、入力される交流電力を直流電力に変換して出力するAC/DCコンバータと、スイッチング素子を制御する制御装置と、を備える電力変換装置であって、制御装置は、AC/DCコンバータの入力電圧の絶対値が所定電圧以上であるときには、リアクタに流れる電流の電流モードを電流不連続モードまたは電流臨界モードとしてスイッチング素子を制御し、入力電圧の絶対値が所定電圧未満であるときには、電流モードを電流連続モードとしてスイッチング素子を制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのリアクタとスイッチング素子とダイオードとを含むブリッジレス型の力率改善回路を有し、入力される交流電力を直流電力に変換して出力するAC/DCコンバータと、
前記スイッチング素子を制御する制御装置と、
を備える電力変換装置であって、
前記制御装置は、前記AC/DCコンバータの入力電圧の絶対値が所定電圧以上であるときには、前記リアクタに流れる電流の電流モードを電流不連続モードまたは電流臨界モードとして前記スイッチング素子を制御し、前記入力電圧の絶対値が前記所定電圧未満であるときには、前記電流モードを電流連続モードとして前記スイッチング素子を制御する、
電力変換装置。
【請求項2】
請求項1記載の電力変換装置であって、
前記制御装置は、
前記電流モードが前記電流連続モードであるときには、前記入力電圧の絶対値が前記所定電圧以上に至った以降における、前記リアクタの電流が増加から減少または減少から増加に切り替わる電流切替タイミングで、前記電流モードを前記電流不連続モードまたは前記電流臨界モードに切り替え、
前記電流モードが前記電流不連続モードまたは前記電流臨界モードであるときには、前記入力電圧の絶対値が前記所定電圧未満に至った以降における前記電流切替タイミングで、前記電流モードを前記電流連続モードに切り替える、
電力変換装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の電力変換装置であって、
前記AC/DCコンバータは、前記力率改善回路の入力側にローパスフィルタを更に有する、
電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電力変換装置としては、商用電源の交流電圧を整流する整流器と、整流器の出力に接続されると共に第1リアクタと第1スイッチング素子と第1ダイオードとを有する第1コンバータ部と、整流器の出力に第1コンバータ部と並列に接続されると共に第2リアクタと第2スイッチング素子と第2ダイオードとを有する第2コンバータ部と、を含む力率改善回路を有するAC/DCコンバータを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1の図7参照)。この電力変換装置では、AC/DCコンバータの力率改善回路の制御として、第1リアクタに流れる電流と第2リアクタに流れる電流とに位相差が生じるように第1、第2スイッチング素子を制御する。また、第1、第2コンバータ部の入力電圧が閾値以上である場合には、第1、第2リアクタに流れる電流の電流モードを電流臨界モードとし、第1、第2コンバータ部の入力電圧が閾値未満である場合には、電流モードを電流不連続モードとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/023978号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした電力変換装置において、AC/DCコンバータの力率改善回路として、少なくとも1つのリアクタとスイッチング素子とダイオードとを含むブリッジレス型の力率改善回路が用いられる場合がある。この場合において、発明者らは、解析や実験により、AC/DCコンバータの入力電圧の絶対値が小さいときに電流モードを電流不連続モードとすると、AC/DCコンバータの入力電圧が値0を跨ぐ(符号が反転する)付近で、AC/DCコンバータの入力電流が比較的大きく歪む可能性があることを確認した。
【0005】
本発明の電力変換装置は、AC/DCコンバータの入力電流が歪むのを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電力変換装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の電力変換装置は、
少なくとも1つのリアクタとスイッチング素子とダイオードとを含むブリッジレス型の力率改善回路を有し、入力される交流電力を直流電力に変換して出力するAC/DCコンバータと、
前記スイッチング素子を制御する制御装置と、
を備える電力変換装置であって、
前記制御装置は、前記AC/DCコンバータの入力電圧の絶対値が所定電圧以上であるときには、前記リアクタに流れる電流の電流モードを電流不連続モードまたは電流臨界モードとして前記スイッチング素子を制御し、前記入力電圧の絶対値が前記所定電圧未満であるときには、前記電流モードを電流連続モードとして前記スイッチング素子を制御する、
ことを要旨とする。
【0008】
本発明の電力変換装置では、AC/DCコンバータの入力電圧の絶対値が所定電圧以上であるときには、リアクタに流れる電流の電流モードを電流不連続モードまたは電流臨界モードとしてスイッチング素子を制御し、入力電圧の絶対値が所定電圧未満であるときには、電流モードを電流連続モードとしてスイッチング素子を制御する。これにより、入力電圧の絶対値が所定電圧未満であるときに、電流モードを不連続モードとする場合に比して、AC/DCコンバータの入力電流が歪む、特に、入力電圧が値0を跨ぐ付近で歪むのを抑制することができる。発明者らは、このことを解析や実験により確認した。
【0009】
本発明の電力変換装置において、前記制御装置は、前記電流モードが前記電流連続モードであるときには、前記入力電圧の絶対値が前記所定電圧以上に至った以降における、前記リアクタの電流が増加から減少または減少から増加に切り替わる電流切替タイミングで、前記電流モードを前記電流不連続モードまたは前記電流臨界モードに切り替え、前記電流モードが前記電流不連続モードまたは前記電流臨界モードであるときには、前記入力電圧の絶対値が前記所定電圧未満に至った以降における前記電流切替タイミングで、前記電流モードを前記電流連続モードに切り替えるものとしてもよい。
【0010】
本発明の電力変換装置において、前記AC/DCコンバータは、前記力率改善回路の入力側にローパスフィルタを更に有するものとしてもよい。こうすれば、スイッチング素子のスイッチングによるリアクタの電流の脈動(リプル)によりAC/DCコンバータの入力電流が脈動するのを抑制することができる。
【0011】
本発明の電力変換装置において、前記力率改善回路は、トーテムポール・ブリッジレス型、単方向ブリッジレス型、セミブリッジレス型のうちの何れかの力率改善回路であるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例としての電力変換装置10の構成の概略を示す構成図である。
図2】リアクタ目標電流設定処理の一例を示すフローチャートである。
図3】電流モード設定処理の一例を示すフローチャートである。
図4】実施例の電力変換装置10の入力電圧VinとAC/DCコンバータ20の力率改善回路22のリアクタ23の電流Irおよび電流モードとの様子の一例を示す説明図である。
図5】比較例の電力変換装置10の入力電圧VinとAC/DCコンバータ20の力率改善回路22のリアクタ23の電流Irおよび電流モードとの様子の一例を示す説明図である。
図6】実施例および比較例の電力変換装置10の入力電圧Vinと入力電流Iinとの関係の解析結果の一例を示す説明図である。
図7】実施例および比較例の入力電流Iinの各次数成分の一例を示す説明図である。
図8】変形例の電力変換装置110の構成の概略を示す構成図である。
図9】変形例の電力変換装置210の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例0014】
図1は、本発明の一実施例としての電力変換装置10の構成の概略を示す構成図である。図示するように、電力変換装置10は、蓄電装置としてのバッテリBaと共に例えば電動車両やハイブリッド車両などに搭載され、車外の交流電源PSに接続されているときに交流電源PSからの電力を用いてバッテリBaを充電するための装置して構成されている。交流電源PSとしては、例えば、家庭用電源や商用電源などが用いられる。バッテリBaとしては、例えば、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などが用いられる。電力変換装置10は、AC/DCコンバータ20と、コンデンサ32と、DC/DCコンバータ40と、制御装置としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という)70とを備える。
【0015】
AC/DCコンバータ20は、交流電源PSに電力ライン12を介して接続されていると共にDC/DCコンバータ40に電力ライン30を介して接続されている。このAC/DCコンバータ20は、力率改善回路22とローパスフィルタ26とを有する。力率改善回路22は、トーテムポール・ブリッジレス型の力率改善回路として構成されている。この力率改善回路22は、4つのスイッチング素子Q11~Q14と、4つのスイッチング素子Q11~Q14に逆方向に並列に接続された4つのダイオードD11~D14と、リアクタ23とを有する。スイッチング素子Q11~Q14としては、例えば、MOSFETやIGBTなどが用いられる。スイッチング素子Q11~Q14は、それぞれ電力ライン30の正極側ライン30pと負極側ライン30nとに対してソース側とシンク側となるように2個ずつペアで配置されている。スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q12との接続点P11は、リアクタ23の一方の端子に接続されており、リアクタ23の他方の端子は、電力ライン24の第1ライン24aに接続されている。スイッチング素子Q13とスイッチング素子Q14との接続点P12は、電力ライン24の第2ライン24bに接続されている。スイッチング素子Q11~Q14は、ECU70により制御される。ローパスフィルタ26は、電力ライン12の第1ライン12aおよび第2ライン12bに接続されていると共に電力ライン24の第1ライン24aおよび第2ライン24bに接続されている。このローパスフィルタ26は、電力ライン12と電力ライン24との間で所定周波数よりも高い周波数の成分を減衰させる。
【0016】
コンデンサ32は、電力ライン30の正極側ライン30pおよび負極側ライン30nに接続されている。DC/DCコンバータ40は、力率改善回路22に電力ライン30を介して接続されていると共にバッテリBaに電力ライン60を介して接続されている。このDC/DCコンバータ40は、インバータ部42と、整流部44と、変圧部50とを有する。インバータ部42は、4つのスイッチング素子Q21~Q24と、4つのスイッチング素子Q21~Q24に逆方向に並列に接続された4つのダイオードD21~D24とを有する。スイッチング素子Q21~Q24としては、例えば、MOSFETやIGBTなどが用いられる。スイッチング素子Q21~Q24は、それぞれ電力ライン30の正極側ライン30pと負極側ライン30nとに対してソース側とシンク側となるように2個ずつペアで配置されている。スイッチング素子Q21とスイッチング素子Q22との接続点P21は、変圧部50の互いに直列に接続されたリアクタ51およびトランス54の一次コイル55を介して、スイッチング素子Q23とスイッチング素子Q24との接続点P22に接続されている。スイッチング素子Q21~Q24は、ECU70により制御される。
【0017】
整流部44は、4つのスイッチング素子Q31~Q34と、4つのスイッチング素子Q31~Q34に逆方向に並列に接続された4つのダイオードD31~D34と、リアクタ45と、コンデンサ46,47とを有する。スイッチング素子Q31~Q34としては、例えば、MOSFETやIGBTなどが用いられる。スイッチング素子Q31~Q34は、それぞれリアクタ45の一方の端子と電力ライン60の負極側ライン60nとに対してソース側とシンク側となるように2個ずつペアで配置されている。スイッチング素子Q31とスイッチング素子Q32との接続点P31は、変圧部50の互いに直列に接続されたリアクタ52およびトランス54の二次コイル56を介して、スイッチング素子Q33とスイッチング素子Q34との接続点P32に接続されている。スイッチング素子Q31~Q34は、ECU70により制御される。リアクタ45の一方の端子は、スイッチング素子Q31,Q33に接続されており、他方の端子は、電力ライン60の正極側ライン60pに接続されている。コンデンサ46は、電力ライン60の正極側ライン60pおよび負極側ライン60nに接続されている。コンデンサ47は、リアクタ45の一方の端子およびスイッチング素子Q31,Q33と、電力ライン60の負極側ライン60nと、に接続されている。
【0018】
変圧部50は、リアクタ51,52とトランス54とを有し、トランス54は、図示しないコアと一次コイル55と二次コイル56とを有する。上述したように、リアクタ51とトランス54の一次コイル55とは、接続点P31と接続点P32とに対してこの順に互いに直列に接続されている。また、リアクタ52とトランス54の二次コイル56とは、接続点P31と接続点P32とに対してこの順に互いに直列に接続されている。トランス54は、一次コイル55と二次コイル56との間で電圧変換を伴って電力の授受を行なう。
【0019】
ECU70は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロプロセッサを備える。ECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。ECU70に入力される信号としては、例えば、電力ライン12の第1ライン12aおよび第2ライン12bに取り付けられた電圧センサ13からの電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinや、電力ライン12の第1ライン12aに取り付けられた電流センサ14からの電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電流Iinを挙げることができる。AC/DCコンバータ20の力率改善回路22の電力ライン24の第1ライン24aに取り付けられた(リアクタ23に直列に取り付けられた)電流センサ25からのリアクタ23の電流Irも挙げることができる。電力ライン30の正極側ライン30pおよび負極側ライン30nに取り付けられた電圧センサ33からのコンデンサ32の電圧Vcや、コンデンサ32に直列に取り付けられた電流センサ34からのコンデンサ32の電流Icも挙げることができる。電力ライン60の正極側ライン60pおよび負極側ライン60n(バッテリBaの端子間)に取り付けられた電圧センサ61からの電力変換装置10(DC/DCコンバータ40)の出力電圧Vout(バッテリBaの電圧)や、電力ライン60の正極側ライン60p(バッテリBaの出力端子)に取り付けられた電流センサ62からの電力変換装置10(DC/DCコンバータ40)の出力電流Iout(バッテリBaの充電電流)も挙げることができる。
【0020】
ECU70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。ECU70から出力される信号としては、例えば、AC/DCコンバータ20の力率改善回路22のスイッチング素子Q11~Q12への制御信号や、DC/DCコンバータ40のインバータ部42のスイッチング素子Q12~Q24や整流部44のスイッチング素子Q31~Q34への制御信号を挙げることができる。ECU70は、電流センサ62により検出される電力変換装置10の出力電流Io(バッテリBaの電流)の積算値に基づいてバッテリBaの蓄電割合SOCを演算している。
【0021】
こうして構成された実施例の電力変換装置10では、電力ライン12に接続された図示しない装置側コネクタと、交流電源PSに接続された図示しない電源側コネクタとが接続されているときに、ECU70がAC/DCコンバータ20およびDC/DCコンバータ40を制御することにより、交流電源PSからの交流電力が、電力変換装置10のAC/DCコンバータ20により直流電力に変換されると共にDC/DCコンバータ40により電圧変換されてバッテリBaに充電される。
【0022】
ここで、ECU70によるAC/DCコンバータ20の力率改善回路22の制御について説明する。力率改善回路22のリアクタ23の電流Irの電流モードとしては、電流連続モードや電流臨界モード、電流不連続モードが挙げられる。これらのモードでは、ECU70は、図2のリアクタ目標電流設定処理により、リアクタ23の目標電流Irtagを設定する。この処理は、繰り返し実行される。
【0023】
図2のリアクタ目標電流設定処理が実行されると、ECU70は、最初に、コンデンサ32の電圧Vcや、コンデンサ32の目標電圧Vctagなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、コンデンサ32の電圧Vcは、電圧センサ33により検出される。コンデンサ32の目標電圧Vctagは、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinのピーク値(振幅)よりも大きい電圧として設定される。入力電圧Vinは、電圧センサ13により検出される。こうしてデータを入力すると、入力したコンデンサ32の電圧Vcと目標電圧Vctagとの差分が打ち消されるようにフィードバック制御によりリアクタ23の目標電流Irtagを設定して(ステップS110)、本処理を終了する。
【0024】
こうしてリアクタ23の目標電流Irtagを設定すると、リアクタ23の目標電流Irtagおよび入力電圧Vinの位相θinを用いて式(1)によりリアクタ23の電流指令値Ircomを設定し、電流モードと電力変換装置10の入力電圧Vinとリアクタ23の電流Irおよび電流指令値Ircomとに基づいてスイッチング素子Q11~Q14を制御する。ここで、電流モードは、後述の電流モード設定処理により設定される。入力電圧Vinの位相θinは、入力電圧Vinの時間変化(正弦波状の波形)に基づいて演算される。リアクタ23の電流Irは、電流センサ25により検出される。なお、AC/DCコンバータ20がローパスフィルタ26を備えることにより、スイッチング素子Q11~Q14のスイッチングによるリアクタ23の電流Irの脈動(リプル)によりAC/DCコンバータ20の入力電流Iinが脈動するのを抑制することができる。
【0025】
Ircom=√2・Irtag・sinθin (1)
【0026】
スイッチング素子Q11~Q14の制御は、以下のように行なわれる。電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinが値0以上であるときには、スイッチング素子Q14をオンで保持すると共にスイッチング素子Q13をオフで保持し、電流モードとリアクタ23の電流Irおよび電流指令値Ircomとに基づいて、スイッチング素子Q12をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q11をスイッチング素子Q12と反転してオンオフ制御するまたはオフで保持する。入力電圧Vinが値0以上であるときにおいて、スイッチング素子Q12がオンでかつスイッチング素子Q11がオフの状態(以下、「下アームオン状態」という)では、リアクタ23の電流Irが増加し、スイッチング素子Q12がオフでかつスイッチング素子Q11がオンまたはオフの状態(以下、「下アームオフ状態」という)では、リアクタ23の電流Irが減少する。
【0027】
一方、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinが値0未満であるときには、スイッチング素子Q13をオンで保持すると共にスイッチング素子Q14をオフで保持し、電流モードとリアクタ23の電流Irおよび電流指令値Ircomとに基づいて、スイッチング素子Q11をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q12をスイッチング素子Q11と反転してオンオフ制御するまたはオフで保持する。入力電圧Vinが値0未満であるときにおいて、スイッチング素子Q11がオンでかつスイッチング素子Q12がオフの状態(以下、「上アームオン状態」という)では、リアクタ23の電流Irが減少し(絶対値としては増加し)、スイッチング素子Q11がオフでかつスイッチング素子Q12がオンまたはオフの状態(以下、「上アームオフ状態」という)では、リアクタ23の電流Irが増加する(絶対値としては減少する)。
【0028】
ここで、電流連続モードや電流臨界モード、電流不連続モードでのスイッチング素子Q11,Q12の制御の詳細について説明する。電流連続モードでは、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinが値0以上であるときにおいて、リアクタ23の電流Irが電流指令値Ircom未満であるときには、下アームオン状態としてリアクタ23の電流Irを増加させ、リアクタ23の電流Irが電流指令値Ircom以上であるときには、下アームオフ状態としてリアクタ23の電流Irを減少させる。この場合、電流臨界モードに比して、リアクタ23の電流Irを電流指令値Ircomに精度よく追従させることができる。入力電圧Vinが値0未満であるときについては、入力電圧Vinが値0以上であるときと同様に考えることができる。
【0029】
電流臨界モードでは、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinが値0以上であるときにおいて、下アームオン状態でリアクタ23の電流Irが電流指令値Ircomの2倍として設定された上側リアクタ23の電流Irupに到達すると、下アームオフ状態に切り替えてリアクタ23の電流Irを減少させ、リアクタ23の電流Irが値0として設定された下側リアクタ23の電流Irloに到達すると、下アームオン状態に切り替えてリアクタ23の電流Irを増加させる。この場合、下アームオフ状態から下アームオン状態に切り替えるとき、即ち、スイッチング素子Q12をオンするときにソフトスイッチングすることになり、ターンオン損失を低減することができる。入力電圧Vinが値0未満であるときについては、入力電圧Vinが値0以上であるときと同様に考えることができる。
【0030】
電流不連続モードでは、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinが値0以上であるときにおいて、下アームオン状態でリアクタ23の電流Irが上側リアクタ23の電流Irupに到達すると、下アームオフ状態に切り替えてリアクタ23の電流Irを減少させ、リアクタ23の電流Irが下側リアクタ23の電流Irloに到達すると、時間をおいて下アームオン状態に切り替えてリアクタ23の電流Irを増加させる。この場合、電流臨界モードと同様に、下アームオフ状態から下アームオン状態に切り替えるとき、即ち、スイッチング素子Q12をオンするときにソフトスイッチングすることになり、ターンオン損失を低減することができる。また、電流臨界モードに比してスイッチング素子Q12のスイッチング周波数が高くなるのを抑制することができる。
【0031】
次に、実施例の電力変換装置10の動作、特に、AC/DCコンバータ20の力率改善回路22の電流モードを設定する処理について説明する。図3は、ECU70により実行される電流モード設定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、繰り返し実行される。なお、実施例では、電流連続モードや電流臨界モード、電流不連続モードのうち電流連続モードおよび電流臨界モードを用いるものとした。
【0032】
電流モード設定処理では、ECU70は、最初に、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinやリアクタ23の電流Irなどのデータを入力する(ステップS200)。ここで、入力電圧Vinは、電圧センサ13により検出された値が入力される。リアクタ23の電流Irは、電流センサ25により検出された値が入力される。
【0033】
続いて、現在の電流モードが電流連続モードであるか電流臨界モードであるかを判定し(ステップS210)、現在の電流モードが電流連続モードであると判定したときには、電力変換装置10の入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref以上であるか否かを判定する(ステップS220)。ここで、閾値Vrefは、電流モードの切替を許可するか否かを判定するのに用いられる閾値である。入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満であると判定したときには、電流モードの切替を許可しないと判断し、電流モードを電流連続モードで保持して、本処理を終了する。なお、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満であるときを考えているから、電流臨界モードでなく、電流連続モードでも、入力電圧Vinが値0以上で下アームオフ状態から下アームオン状態に切り替えるときすなわちスイッチング素子Q12をオンするときのターンオン損失や、入力電圧Vinが値0未満で上アームオフ状態から上アームオン状態に切り替えるときすなわちスイッチング素子Q11をオンするときのターンオン損失は、比較的小さいと想定される。
【0034】
ステップS220で入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref以上であると判定したときには、電流モードの切替を許可すると判断し、リアクタ23の電流Irが増加から減少または減少から増加に切り替わる電流切替タイミングであるか否かを判定する(ステップS230)。この処理は、例えば、前回の入力電流(前回Iac)が前々回の入力電流(前回Iac)よりも大きく且つ今回のリアクタ23の電流Irが前回の入力電流(前回Iac)よりも小さい条件、および、前回の入力電流(前回Iac)が前々回の入力電流(前回Iac)よりも小さく且つ今回のリアクタ23の電流Irが前回の入力電流(前回Iac)よりも大きい条件のうちの何れかが成立したか否かを判定することにより行なうことができる。
【0035】
ステップS230で電流切替タイミングでないと判定したときには、電流モードを電流連続モードで保持して、本処理を終了する。一方、電流切替タイミングであると判定したときには、電流モードを電流連続モードから電流臨界モードに切り替えて(ステップS240)、本処理を終了する。電流切替タイミングで電流モードを電流連続モードから電流臨界モードに切り替えることにより、この切替をスムーズに行なうことができる。
【0036】
ステップS210で現在の電流モードが電流臨界モードであると判定したときには、電力変換装置10の入力電圧Vinの絶対値が上述の閾値Vref未満であるか否かを判定する(ステップS250)。入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref以上であると判定したときには、電流モードの切替を許可しないと判断し、電流モードを電流臨界モードで保持して、本処理を終了する。
【0037】
ステップS250で入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満であると判定したときには、電流モードの切替を許可すると判断し、上述の電流切替タイミングであるか否かを判定する(ステップS260)。そして、電流切替タイミングでないと判定したときには、電流モードを電流臨界モードで保持して、本処理を終了する。一方、電流切替タイミングであると判定したときには、電流モードを電流臨界モードから電流連続モードに切り替えて(ステップS270)、本処理を終了する。電流切替タイミングで電流モードを電流臨界モードから電流連続モードに切り替えることにより、この切替をスムーズに行なうことができる。
【0038】
図4および図5は、それぞれ、実施例および比較例の電力変換装置10の入力電圧VinとAC/DCコンバータ20の力率改善回路22のリアクタ23の電流Irおよび電流モードとの様子の一例を示す説明図である。比較例では、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満の領域で、電流モードを電流連続モードでなく電流不連続モードとするものとした。図6は、実施例および比較例の電力変換装置10の入力電圧Vinと入力電流Iinとの関係の解析結果の一例を示す説明図であり、図7は、実施例および比較例の入力電流Iinの各次数成分の一例を示す説明図である。ここで、入力電流Iinの各次数は、入力電圧Vin周波数に対する各倍数を意味する。図6から、実施例の場合、比較例の場合に比して、入力電流Iinが歪む、特に、入力電圧Vinが値0を跨ぐ付近で歪むのを抑制できていることが解る。なお、比較例の場合に入力電圧Vinが値0を跨ぐ付近で入力電流Iinで歪む要因としては、入力電圧Vinが値0を跨ぐ付近で、電圧センサ13による入力電圧Vinの検出遅れや、電流センサ25によるリアクタ23の電流Irの検出遅れ、ECU70によるスイッチング素子Q11~Q14の制御遅れなどの影響が大きくなるためであると考えられる。また、図7から、比較例の場合、入力電流Iinの一部の次数成分が許容値を超過しているのに対し、実施例の場合、入力電流Iinの任意の次数成分を許容値以下にできていることが解る。
【0039】
以上説明した実施例の電力変換装置10では、AC/DCコンバータ20の力率改善回路22の制御において、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref以上であるときには、電流モードを電流臨界モードとしてスイッチング素子Q11~Q14を制御し、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満であるときには、電流モードを電流連続モードとしてスイッチング素子Q11~Q14を制御する。これにより、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満であるときに、電流モードを電流不連続モードとしてスイッチング素子Q11~Q14を制御する場合に比して、電力変換装置10の入力電流Iinが歪む、特に、入力電圧Vinが値0を跨ぐ付近で歪むのを抑制することができる。
【0040】
しかも、実施例の電力変換装置10では、AC/DCコンバータ20の力率改善回路22の制御において、電流モードが電流連続モードであるときには、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref以上に至った以降における、リアクタ23の電流Irが増加から減少または減少から増加に切り替わる電流切替タイミングで、電流モードを電流臨界モードに切り替え、電流モードが電流臨界モードであるときには、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満に至った以降における電流切替タイミングで、電流モードを電流連続モードに切り替える。これにより、電流モードを電流連続モードと電流臨界モードとでスムーズに切り替えることができる。
【0041】
実施例の電力変換装置10では、AC/DCコンバータ20の力率改善回路22の制御において、電流モードが電流連続モードであるときには、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref以上に至った以降における電流切替タイミングで、電流モードを電流臨界モードに切り替え、電流モードが電流臨界モードであるときには、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満に至った以降における電流切替タイミングで、電流モードを電流連続モードに切り替えるものとした。しかし、電流モードが電流連続モードであるときには、電力変換装置10の入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref以上に至ったときに、直ちに電流モードを電流臨界モードに切り替え、電流モードが電流臨界モードであるときには、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満に至ったときに、直ちに電流モードを電流連続モードに切り替えるものとしてもよい。
【0042】
実施例の電力変換装置10では、AC/DCコンバータ20の力率改善回路22の制御において、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref以上であるときには、電流モードを電流臨界モードとし、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満であるときには、電流モードを電流連続モードとするものとした。しかし、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref以上であるときには、電流モードを電流不連続モードとし、入力電圧Vinの絶対値が閾値Vref未満であるときには、電流モードを電流連続モードとするものとしてもよい。この場合でも、実施例と同様の効果を奏することができる。
【0043】
実施例の電力変換装置10では、AC/DCコンバータ20の力率改善回路22の制御として、電力変換装置10(AC/DCコンバータ20)の入力電圧Vinが値0以上であるときには、スイッチング素子Q14をオンで保持すると共にスイッチング素子Q13をオフで保持し、更にスイッチング素子Q12をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q11をスイッチング素子Q12と反転してオンオフ制御しまたはオフで保持し、入力電圧Vinが値0未満であるときには、スイッチング素子Q13をオンで保持すると共にスイッチング素子Q14をオフで保持し、更にスイッチング素子Q11をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q12をスイッチング素子Q11と反転してオンオフ制御するまたはオフで保持するものとした。しかし、入力電圧Vinに拘わらずにスイッチング素子Q11,Q13をオフで保持し、入力電圧Vinが値0以上であるときには、スイッチング素子Q12をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q14をスイッチング素子Q12と反転してオンオフ制御しまたはオフで保持し、入力電圧Vinが値0未満であるときには、スイッチング素子Q14をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q12をスイッチング素子Q14と反転してオンオフ制御しまたはオフで保持するものとしてもよい。この場合でも、図3の電流モード設定処理によって電流連続モードと電流臨界モードとを切り替えることにより、実施例と同様の効果を奏することができる。なお、上述のように、電流臨界モードを電流不連続モードに置き換えるものとしてもよい。
【0044】
実施例の電力変換装置10では、図1に示したように、AC/DCコンバータ20の力率改善回路22は、4つのスイッチング素子Q11~Q14と、4つのダイオードD11~D14と、リアクタ23とを有するものとした。しかし、図8図9の変形例の電力変換装置110,210に示すように、図1のAC/DCコンバータ20の力率改善回路22を、図8のAC/DCコンバータ120の力率改善回路122や、図9のAC/DCコンバータ220の力率改善回路222に置き換えるものとしてもよい。
【0045】
図8の電力変換装置110のAC/DCコンバータ120の力率改善回路122は、スイッチング素子Q11,Q13を除くと共にリアクタ23bを追加した点で、図1の電力変換装置10のAC/DCコンバータ20の力率改善回路22とは異なる。力率改善回路122は、単方向ブリッジレス型の力率改善回路として構成されている。力率改善回路122において、リアクタ23の一方の端子は、ダイオードD11のアノードとスイッチング素子Q12との接続点P11に接続されており、リアクタ23の他方の端子は、電力ライン24の第1ライン24aに接続されている。リアクタ23bの一方の端子は、ダイオードD13のアノードとスイッチング素子Q14との接続点P12に接続されており、リアクタ23bの他方の端子は、電力ライン24の第2ライン24bに接続されている。この力率改善回路122では、電力変換装置110(AC/DCコンバータ120)の入力電圧Vinが値0以上であるときには、スイッチング素子Q12をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q14をスイッチング素子Q12と反転してオンオフ制御するまたはオフで保持する。一方、入力電圧Vinが値0未満であるときには、スイッチング素子Q14をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q12をスイッチング素子Q14と反転してオンオフ制御するまたはオフで保持する。この場合でも、図3の電流モード設定処理によって電流連続モードと電流臨界モードとを切り替えることにより、実施例と同様の効果を奏することができる。なお、上述のように、電流臨界モードを電流不連続モードに置き換えるものとしてもよい。
【0046】
図9の電力変換装置210のAC/DCコンバータ220の力率改善回路222は、ダイオードD15,D16を追加した点で、図8の電力変換装置110のAC/DCコンバータ120の力率改善回路122とは異なる。力率改善回路222は、セミブリッジレス型の力率改善回路として構成されている。力率改善回路222において、ダイオードD15は、電力ライン30の負極側ライン30nから電力ライン24の第1ライン24aの電流センサ25よりもローパスフィルタ26側の方向が順方向となるように取り付けられている。ダイオードD16は、電力ライン30の負極側ライン30nから電力ライン24の第2ライン24bの方向が順方向となるように取り付けられている。この力率改善回路222では、電力変換装置210(AC/DCコンバータ220)の入力電圧Vinが値0以上であるときには、スイッチング素子Q12をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q14をスイッチング素子Q12と反転してオンオフ制御するまたはオフで保持する。一方、入力電圧Vinが値0未満であるときには、スイッチング素子Q14をオンオフ制御すると共にスイッチング素子Q12をスイッチング素子Q14と反転してオンオフ制御しまたはオフで保持する。この場合でも、図3の電流モード設定処理によって電流連続モードと電流臨界モードとを切り替えることにより、実施例と同様の効果を奏することができる。なお、上述のように、電流臨界モードを電流不連続モードに置き換えるものとしてもよい。
【0047】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、力率改善回路22を有するAC/DCコンバータ20が「AC/DCコンバータ」に相当し、ECU70が「制御装置」に相当する。
【0048】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0049】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、電力変換装置の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
10,110,210 電力変換装置、12 電力ライン、12a 第1ライン、12b 第2ライン、13 電圧センサ、14 電流センサ、20,120,220 AC/DCコンバータ、22,122,222 力率改善回路、23,23b リアクタ、24 電力ライン、24a 第1ライン、24b 第2ライン、25 電流センサ、26 ローパスフィルタ、30 電力ライン、30n 負極側ライン、30p 正極側ライン、32 コンデンサ、33 電圧センサ、34 電流センサ、40 DC/DCコンバータ、42 インバータ部、44 整流部、45 リアクタ、46,47 コンデンサ、50 変圧部、51,52 リアクタ、54 トランス、55 一次コイル、56 二次コイル、60 電力ライン、60n 負極側ライン、60p 正極側ライン、61 電圧センサ、62 電流センサ、70 ECU、Ba バッテリ、D11~D14,D21~D24,D31~D34 ダイオード、P11,P12,P21,P22,P31,P32 接続点、PS 交流電源、Q11~Q14,Q21~Q24,Q31~Q34 スイッチング素子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9