(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191564
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】情報通知管理システム、方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221221BHJP
【FI】
G06Q30/02 436
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099850
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】上森 聡史
(72)【発明者】
【氏名】村本 吉史
(72)【発明者】
【氏名】長沢 雅人
(72)【発明者】
【氏名】坂本 忠昭
(72)【発明者】
【氏名】金子 秀樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ユーザの手間を省き、通知の有用性を向上させることができる情報通知管理システム、方法、および、プログラムを提供する。
【解決手段】情報通知管理システムは、屋内機器の機器操作データを取得した日時および曜日を取得する日時データ取得部131と、ユーザの曜日・時刻毎の機器操作頻度を取得するためのニューラルネットワークを構築し、日時データ取得部131で取得した機器操作データを取得した日時および曜日を、構築したニューラルネットワークに入力して曜日・時刻毎の機器操作頻度を推測する推論処理部132と、推論処理部132で推測された曜日・時刻毎の機器操作頻度、通知する通知内容、及び前記通知内容のカテゴリに基づいて、各時間帯における通知の許可を決定する通知許可決定部と、通知許可決定部で決定された通知の許可に応じて、通知を行うか否かを判定する通知発行判定部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内機器の機器操作データを取得した日時および曜日を取得する日時データ取得部と、
ユーザの曜日・時刻毎の機器操作頻度を取得するためのニューラルネットワークを構築し、前記日時データ取得部で取得した前記機器操作データを取得した日時および曜日を、構築した前記ニューラルネットワークに入力して曜日・時刻毎の機器操作頻度を推測する推論処理部と、
前記推論処理部で推測された前記曜日・時刻毎の機器操作頻度、通知する通知内容、及び前記通知内容のカテゴリに基づいて、各時間帯における通知の許可を決定する通知許可決定部と、
前記通知許可決定部で決定された通知の許可に応じて、通知を行うか否かを判定する通知発行判定部と、
を備える、
情報通知管理システム。
【請求項2】
前記屋内機器から取得した機器操作データと、前記機器操作データを取得した日時のデータとに基づいて、前記ユーザの曜日・時刻毎の機器操作頻度を取得するためのニューラルネットワークを学習させる学習部を、さらに備える、
請求項1に記載の情報通知管理システム。
【請求項3】
通知する通知内容を複数のカテゴリに分類した通知情報の分類結果を保存する通知情報記憶部をさらに備え、
前記通知発行判定部は、前記通知を行うと判定した場合に、前記通知情報記憶部から前記通知情報の分類結果を取得し、前記通知許可決定部における通知の許可を決定する際に用いられた前記通知内容のカテゴリとに対応する前記通知内容を、前記屋内機器またはユーザの使用する端末装置に通知する、
請求項1または2に記載の情報通知管理システム。
【請求項4】
ユーザの購買情報のデータを取得した日時および曜日を取得する日時データ取得部と、
前記ユーザの購買頻度を取得するためのニューラルネットワークを構築し、前記日時データ取得部で取得した前記ユーザの購買情報のデータを取得した日時および曜日を、構築した前記ニューラルネットワークに入力して前記ユーザの購買頻度を推測する推論処理部と、
前記推論処理部で推測された前記ユーザの購買頻度、通知する通知内容、及び前記通知内容のカテゴリに基づいて、各時間帯における通知の許可を決定する通知許可決定部と、
前記通知許可決定部で決定された通知の許可に応じて、通知を行うか否かを判定する通知発行判定部と、
を備える、
情報通知管理システム。
【請求項5】
情報通知管理システムが実行する方法であって、
屋内機器の機器操作データを取得した日時および曜日を取得し、
ユーザの曜日・時刻毎の機器操作頻度を取得するためのニューラルネットワークを構築し、取得した前記機器操作データを取得した日時および曜日を、構築した前記ニューラルネットワークに入力して曜日・時刻毎の機器操作頻度を推測し、
推測された前記曜日・時刻毎の機器操作頻度、通知する通知内容、及び前記通知内容のカテゴリに基づいて、各時間帯における通知の許可を決定し、
決定された前記通知の許可に応じて、前記通知を行うか否かを判定する、
方法。
【請求項6】
コンピュータに、
屋内機器の機器操作データを取得した日時および曜日を取得する処理、
ユーザの曜日・時刻毎の機器操作頻度を取得するためのニューラルネットワークを構築し、取得した前記機器操作データを取得した日時および曜日を、構築した前記ニューラルネットワークに入力して曜日・時刻毎の機器操作頻度を推測する処理、
推測された前記曜日・時刻毎の機器操作頻度、通知する通知内容、及び前記通知内容のカテゴリに基づいて、各時間帯における通知の許可を決定する処理、
決定された前記通知の許可に応じて、前記通知を行うか否かを判定する処理、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報通知管理システム、方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙媒体のチラシ、クーポン等だけではなく、電子チラシ、電子クーポン等も幅広く使用されている。電子チラシ、電子クーポン等は、例えば、電子メール、チャット等とは異なり、ユーザが時間のある時にまとめて閲覧できればよい場合がほとんどである。例えば、特許文献1には、記憶部に新着記事通知情報を記憶しておき、ユーザが事前に設定した通知許可指定時刻に、ユーザ端末装置に新着記事通知情報を送付する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ユーザが事前にユーザ端末装置への通知許可時刻を指定する必要がある。このため、ユーザは、事前に通知許可時刻を指定する手間がかかる。また、電子チラシ、電子クーポン等の内容が、タイムセール、時間指定のイベント等の情報である場合、ユーザが事前に指定した通知許可時刻に電子チラシ、電子クーポン等がユーザ端末装置へ配信されても活用できない可能性がある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ユーザの手間を省き、通知の有用性を向上させることができる情報通知管理システム、方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本開示に係る情報通知管理システムは、屋内機器の機器操作データを取得した日時および曜日を取得する日時データ取得部と、ユーザの曜日・時刻毎の機器操作頻度を取得するためのニューラルネットワークを構築し、日時データ取得部で取得した機器操作データを取得した日時および曜日を、構築したニューラルネットワークに入力して曜日・時刻毎の機器操作頻度を推測する推論処理部と、推論処理部で推測された曜日・時刻毎の機器操作頻度、通知する通知内容、及び前記通知内容のカテゴリに基づいて、各時間帯における通知の許可を決定する通知許可決定部と、通知許可決定部で決定された通知の許可に応じて、通知を行うか否かを判定する通知発行判定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、情報通知管理システムは、事前に設定することなく、ユーザの行動と通知内容に応じて通知タイミングを変更することがきるため、ユーザの手間を省き、通知の有用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る情報通知管理システムの全体構成を示す図
【
図2】
図1に示した情報通知管理システムのサーバの概要を示す図
【
図4】
図3に示した学習部に構築されるニューラルネットワークの概要を示す図
【
図6】
図2に示したサーバの通信制御部の概要を示す図
【
図7】
図2に示したサーバのハードウエアの構成の一例を示す図
【
図8A】実施の形態1に係る時刻毎の機器操作頻度のうち月曜日の一例を示す図
【
図8B】実施の形態1に係る時刻毎の機器操作頻度のうち日曜日の一例を示す図
【
図9】実施の形態1に係る学習用データと推論用データの一例を示す図
【
図10】実施の形態1に係る通知情報の分類結果を示す図
【
図12A】実施の形態1に係る通知発行タイミングを示す図
【
図13】実施の形態1に係る学習処理のフローチャート
【
図14】実施の形態1に係る操作頻度取得処理のフローチャート
【
図15】実施の形態1に係る通知許可設定処理のフローチャート
【
図16】実施の形態1に係る通知発行判定処理のフローチャート
【
図17】本開示の実施の形態2に係る情報通知管理システムの全体構成を示す図
【
図18】
図17に示した情報通知管理システムの店舗サーバの概要を示す図
【
図19】
図17に示した情報通知管理システムのサーバの概要を示す図
【
図21】実施の形態2に係る時刻毎の購買頻度を示す図であり、(A)は月曜日の一例を示す図、(B)は日曜日の一例を示す図
【
図22】実施の形態2に係る学習用データと推論用データの一例を示す図
【
図25A】実施の形態2に係る通知発行タイミングを示す図
【
図26】実施の形態2に係る通知許可決定処理のフローチャート
【
図27】実施の形態2に係る通知発行処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本開示の実施の形態1に係る情報通知管理システム100について、図面を参照しつつ説明する。なお、同一または同等の部分に同一の符号を付す。情報通知管理システム100は、ユーザの住む住戸3に含まれる屋内機器31の機器操作頻度に基づいて、ユーザの利用する端末装置2に通知を発行するタイミングを決定することができるシステムである。
【0010】
図1は、本実施の形態1における情報通知管理システム100の全体構成を示す図である。情報通知管理システム100は、通知を発行するタイミングを決定するサーバ1と、ユーザの利用する端末装置2と、各種の屋内機器31を備える住戸3と、ネットワーク4とを含む。サーバ1と端末装置2と住戸3とは、ネットワーク4を介して相互に接続されている。
【0011】
端末装置2には、例えば、スマートフォン、タブレット等の小型携帯端末装置を用いることができる。ネットワーク4には、例えば、インターネット、イントラネット等、既存の通信網を用いることができる。
【0012】
住戸3は、エアコン、送風機等の空調機器31aと、屋内空気循環システム、換気扇等の換気機器31bと、電子レンジ、冷蔵庫等のキッチン家電31cと、ボイラー、温水器等の給湯設備31dと、住戸3内に設置された天井灯、手元用ライト等の照明機器31eと、ルータ32とを備えている。空調機器31aと、換気機器31bと、キッチン家電31cと、ボイラー、給湯設備31dと、照明機器31eを総称して、以下では屋内機器31と称する。
【0013】
屋内機器31は、ルータ32を介して相互に接続されている。屋内機器31とルータ32との接続は、有線または無線のいずれの接続方式でもよい。屋内機器31は、ルータ32を介してネットワーク4と接続し、稼働情報データをサーバ1に送信することができる。屋内機器31からサーバ1に送信される稼働情報データは、屋内機器31に含まれる各機器から取得したタイムスタンプ付きの機器状態データである。また、屋内機器31は、ルータ32を介してネットワーク4と接続し、サーバ1から各種の通知を受信することができる。
【0014】
図2は、サーバ1の概要を示す図である。サーバ1は、
図1に示した住戸3に含まれる屋内機器31の稼働情報データを学習する学習部11と、学習部11の学習結果を保存する学習済モデル記憶部12と、ユーザの屋内機器31の操作タイミングと在宅タイミングとを推測する推論部13と、端末装置2および住戸3の屋内機器31への通知を制御する通知制御部14とを備える。
【0015】
学習部11は、
図3に示すとおり、機器操作データを取得した日時を取得する日時データ取得部111と、
図1に示した住戸3内の屋内機器31の稼働情報データを取得する機器操作データ取得部112と、学習済モデルを生成するモデル生成部113とを備えている。日時データ取得部111は、
図1に示した住戸3内の屋内機器31から取得した、稼働情報データに含まれる機器操作データのタイムスタンプから、機器操作データを取得した日時、特に曜日を、学習用データとして取得する。
【0016】
機器操作データ取得部112は、
図1に示した住戸3内の屋内機器31の稼働情報データを取得し、稼働情報データに含まれる機器操作データを取得する。機器操作データ取得部112の取得する機器操作データは、空調機器31aまたは換気機器31bのオン/オフデータ、キッチン家電31cである冷蔵庫のドアの開閉データ、および電子レンジ、調理用家電の動作データ、給湯設備31dの給湯実績データ、照明機器31eの点灯/消灯データである。
【0017】
モデル生成部113は、日時データ取得部111から出力される
図1に示した屋内機器31の機器操作データが取得された日時、特に曜日と、機器操作データ取得部112から出力される機器操作データとの組合せを学習する。これにより、機器操作データ取得部112は、曜日・時刻毎に操作されることの多い屋内機器31を学習することができる。
【0018】
すなわち、モデル生成部113は、ユーザの操作した屋内機器31の機器操作データを正解とし、ユーザの屋内機器31を操作した日時、特に曜日の情報から、曜日・時刻毎に操作される可能性の高い機器を推論する学習済モデルを生成するものである。本実施の形態1では、学習済モデルをニューラルネットワークにより得るものとする。
【0019】
ここで、モデル生成部113に構築されるニューラルネットワークの一例を、
図4に示す。ニューラルネットワークは、複数のニューロンを含む、入力層と、中間層と、出力層とで構成されている。ここで、本実施の形態においては、中間層を1層とする。例えば、
図4に示す3層のニューラルネットワークであれば、複数の入力が入力層X1~Xnに入力されると、その値に重みW11~Wnmを掛けて中間層Y1~Ymに入力される。中間層Y1~Ymに入力された結果に、さらに重みV11~Vkmを掛け、出力層Z1~Zkから出力される。出力層Z1~Zkからの出力結果は、重みW11~Wnmと、重みV11~Vkmの値によって変わる。なお、ここでは、n、kは4以上の整数とし、mは3以上の整数とする。
【0020】
まず、出力層Z1~Zkの各ニューロンに、
図3に示した機器操作データ取得部112から出力される機器操作データを設定する。機器操作データは、例えば、空調機器31aまたは換気機器31bのオン/オフデータ、キッチン家電31cである冷蔵庫のドアの開閉データ、および電子レンジ、調理用家電の動作データ、給湯設備31dの給湯実績データ、照明機器31eの点灯/消灯データである。
【0021】
続いて、入力層X1~Xnの各ニューロンに、
図3に示した日時データ取得部111から出力される
図1に示した屋内機器31の機器操作データが取得された日時、特に曜日をそれぞれ入力する。そして、出力層Z1~Zkから出力される結果が、機器操作データに近づく状態に、重みW11~Wnmと、重みV11~Vkmとを調整させる。
【0022】
重みW11~Wnmと、重みV11~Vkmの調整は、例えば、誤差伝搬(Back Propagation)法を用いて行う。重みW11~Wnmと、重みV11~Vkmを調整することは、ニューラルネットワークにおける学習である。また、以下では、重みW11~Wnmと、重みV11~Vkmを調整することを、モデル生成部113における学習とする。モデル生成部113は、調整された重みW11~Wnmと、重みV11~Vkmとを、学習済モデルとして、
図3に示した学習済モデル記憶部12に保存する。
【0023】
次に、
図2に示した推論部13の概要について、
図5を参照しつつ以下に説明する。推論部13は、推測する対象となる日時、特に曜日を取得する日時データ取得部131と、推測を行う推論処理部132とを備える。日時データ取得部131は、
図1に示した住戸3内の屋内機器31のうち、曜日・時刻毎に操作されることの多い屋内機器31を推測するための日時、特に曜日を取得する。
【0024】
推論処理部132は、学習済モデル記憶部12から学習済モデルを取得する。続いて、推論処理部132は、ニューラルネットワークを構築し、中間層と出力層との各ニューロンに、学習済モデルである重みを設定する。推論処理部132は、構築したニューラルネットワークの入力層に、日時データ取得部131が取得した日時、特に曜日を入力する。これにより、推論処理部132は、曜日・時刻毎に操作されることの多い屋内機器31、すなわち、曜日・時刻毎の機器操作頻度を推測することができる。推論処理部132は、推測した曜日・時刻毎の機器操作頻度を、推論結果として通知制御部14に出力する。
【0025】
続いて、通知制御部14の概要について
図6に示す。通知制御部14は、外部からの通知イベントを取得する通知情報取得部141と、通知イベントの内容を分類する通知内容分類部142と、通知イベントの内容を分類した分類結果を保存する通知情報記憶部143と、推論部13から推論結果を取得する推論結果取得部144と、推論結果に基づいて通知の許可を決定する通知許可決定部145と、通知の許可についてまとめたテーブルを保存する通知許可テーブル記憶部146と、通知を発行するか判定する通知発行判定部147とを備える。
【0026】
通知情報取得部141は、
図1に示した住戸3内の接続された屋内機器31から発行される通知、屋内機器31に接続された外部サーバから発行される通知等の各種の通知イベントを取得する。屋内機器31から発行される通知は、例えば、キッチン家電31cである冷蔵庫のドアが長時間開いたままであることの通知、照明機器31eの電灯が切れたことを示す通知等である。また、屋内機器31に接続された外部サーバから発行される通知は、例えば、屋内機器31のソフトウェアのアップデートの通知、屋内機器31に関するサービスを提案するメールの到着を示す通知等である。
【0027】
通知内容分類部142は、通知イベントの文言を処理する自然言語処理部1421と、自然言語処理部1421で処理された結果を分類する通知情報分類部1422とを備える。通知情報取得部141で取得する通知イベントは、規格で決まったもの、送られる通知内容が既知の場合等では、セキュリティ、見守り、メンテナンス等のカテゴリに、通知イベントの内容をそのまま分類することができる。しかし、例えば、店舗サーバからの通知といった非定型の通知イベントは、その情報を単純に既存のカテゴリを分類することが困難である。そこで、本実施の形態1では、自然言語処理部1421において、自然言語処理を用い、通知の内容を処理している。
【0028】
自然言語処理部1421は、通知情報取得部141の取得した通知イベントを取得すると、まず、形態素解析を行う。続いて、自然言語処理部1421は構文解析、意味解析、文脈解析を順番に行う。そして、自然言語処理部1421は、処理された結果を、通知情報分類部1422に送信する。通知情報分類部1422は、自然言語処理部1421から取得した処理結果をカテゴリ別に分類する。具体的には、通知情報分類部1422は、カテゴリとして、セキュリティ、見守り、メンテナンス、機能提案、サービス提案に分類するようにする。例えば、「フィルターを清掃してください。」という通知イベントを取得したとする。この場合、自然言語処理部1421において自然言語処理された結果を、通知情報分類部1422は、
図1に示した空調機器31aのメンテナンスを通知しているものとして、メンテナンスのカテゴリに分類する。
【0029】
通知情報記憶部143は、通知情報分類部1422で分類された通知情報の分類結果を保存する。推論結果取得部144は、
図5に示した推論部13から出力された推論結果を取得する。通知許可決定部145は、推論結果取得部144が取得した推論結果を基に、通知内容毎に通知を発行して良い時間帯を決定し、通知の許可についてまとめたテーブルを生成する。通知許可決定部145は、生成した通知の許可についてまとめたテーブルを通知許可テーブル記憶部146に保存する。
【0030】
通知発行判定部147は、通知を発行するか判定する。具体的には、通知発行判定部147は、各通知の許可時刻が到来したか否か判定する。各通知の許可時刻が到来した場合、通知発行判定部147は、通知許可テーブル記憶部146に保存された通知の許可についてまとめたテーブルに含まれるデータを基に、通知情報記憶部143に記憶された通知のうち通知タイミングが合致する通知を、
図1に示した端末装置2、もしくは住戸3内の屋内機器31に発行する。
【0031】
上述した
図2に示したサーバ1で実行される学習部11と、推論部13と、通知制御部14とは、ソフトウェアにより実現することができる機能である。サーバ1で実行される各機能を実現するための処理を実行するソフトウェアを、情報通知管理プログラムとする。この情報通知管理プログラムを実行するためのハードウエア構成の一例を、
図7に示す。
【0032】
サーバ1は、
図2に示したネットワーク4に接続するための通信機器51と、各種プログラム及び各データを保存する保存機器52と、各種プログラムを展開するためのメモリ53と、各種プログラムを実行するプロセッサ54とを備える。通信機器51と、保存機器52と、メモリ53と、プロセッサ54とは、データバス55により相互に接続されている。
【0033】
通信機器51は、
図2に示したネットワーク4に接続するための機器である。通信機器51は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、Wifi等の各種通信方式による機器により構成することができる。保存機器52は、
図2に示したサーバ1の学習済モデル記憶部12として機能することができる機器である。保存機器52は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いて構成することができる。
【0034】
メモリ53は、保存機器52に記憶された各種プログラムを展開するための機器である。メモリ53は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の揮発性または不揮発性の半導体メモリといった記憶素子および記憶媒体を用いて構成することができる。プロセッサ54は、保存機器52に記憶された各種プログラムを読み出してメモリ53に展開し、実行する。プロセッサ54は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing Unit)等の処理装置を用いて構成することができる。
【0035】
次に、
図1に示した住戸3内の屋内機器31から取得される稼働情報データと、日時、特に曜日との関連性について具体例を示して説明する。なお、以下では説明のため、時刻および曜日について、ユーザの生活サイクル、例えば、食事時間帯、外出時間帯、帰宅時間帯、団欒時間帯、入浴時間帯、就寝時間帯等と表現を変えて説明するものとする。
【0036】
例えば、ユーザが、月曜日から金曜日の平日日中は仕事で外出して不在、土曜日、日曜日は休日で在宅する場合を想定する。ユーザ生活サイクルとして、平日の月曜日は、習慣的に7時頃に朝食をとり、続いて8時頃に全ての屋内機器31をオフして出勤する。そして、ユーザが、19時頃に帰宅して夕食をとり、22時頃に入浴し、23時頃に就寝していたとする。
【0037】
食事時間帯は、食品出し入れのため冷蔵庫のドア開閉、IHクッキングヒーター、電子レンジ等の調理家電の操作、キッチン、ダイニングの照明機器31eの操作が行われる。このため、朝食をとる7時頃または夕食をとる19時頃は、冷蔵庫、調理家電等のキッチン家電31c、および、キッチン、ダイニングの照明機器31eの操作が多くなる。
【0038】
また、出勤時の8時には、全ての屋内機器31がオフされる。この場合、ユーザが帰宅する19時頃までは屋内機器31の操作は行なわれない。また、ユーザが帰宅する帰宅時間帯の19時には、住戸3内の照明機器31eの操作が行われることが多くなる。また、その後の団欒時間帯はTV、リビングの照明機器31eの操作が多くなる。入浴時間帯の22時は、給湯設備31dおよび浴室換気扇といった換気機器31bの操作が多くなる。そして、就寝時間帯の23時には、全ての屋内機器31がオフされる。
【0039】
一方、休日の土曜日にユーザが習慣的に在宅していたとすると、平日とは異なり日中にも冷蔵庫のドア開閉、調理家電の操作、サニタリー室の照明機器31eの操作等が行われるため、1日を通して機器操作データが多くなると考えられる。以上のとおり、ユーザが曜日毎に習慣的な生活サイクルで過ごしていたものと考えると、機器操作データは、時刻、特に曜日、換言すれば、ユーザの生活サイクルに関連する屋内機器31の操作データが含まれることになる。
【0040】
そこで、本実施の形態1では、
図2に示したサーバの学習部11で学習する機器操作データとして、時刻および曜日ごとの屋内機器31の操作回数を学習する。なお、学習部11で操作回数をそのまま学習してもよいが、そのままの値を学習すると誤差が大きくなる。そこで、本実施の形態1では、操作回数を正規化したヒストグラムの値を用いるものとする。操作回数を正規化した一例を、
図8A、8Bに示す。
【0041】
図8Aに示すのは、月曜日における時刻毎の機器操作頻度である。グラフは、1に近いほど屋内機器31の操作回数が多いことを示している。
図8Aでは、冷蔵庫の操作回数を一点鎖点で示し、照明機器31eの操作回数を実線で示し、換気機器31bの操作回数を二点鎖点で示している。
【0042】
例えば、
図8Aでは、朝食をとる7時頃、冷蔵庫、照明機器31e、換気機器31bの機器操作頻度が高いことが示されている。その後、出勤時の8時には、全ての屋内機器31がオフされるため、機器操作頻度はゼロになる。そして、ユーザが帰宅する帰宅時間帯の19時から入浴時間帯の22時頃までの間、冷蔵庫、照明機器31e、換気機器31bの機器操作頻度が示されている。また、就寝時間帯の23時には、全ての屋内機器31がオフされるため、機器操作頻度はゼロになる。
【0043】
また、
図8Bに示すのは、日曜日における時刻毎の機器操作頻度である。
図8Bでは、
図8Aと同様に、冷蔵庫の操作回数を一点鎖点で示し、照明機器31eの操作回数を実線で示し、換気機器31bの操作回数を二点鎖点で示している。
【0044】
例えば、
図8Bでは、朝食をとる8時頃、冷蔵庫、照明機器31e、換気機器31bの機器操作頻度が高いことが示されている。その後、ユーザが出かける15時頃まで、冷蔵庫、照明機器31e、換気機器31bの機器操作頻度が示されている。また、ユーザの帰宅する18時から23時頃までの間、冷蔵庫、照明機器31e、換気機器31bの機器操作頻度が示されている。また、
図8A、
図8Bにおいて、屋内機器31の機器操作頻度がゼロでは無い場合、ユーザが在宅しているものと考えることができる。このため、屋内機器31の機器操作頻度から副次的にユーザの在宅状態も推測することができる。
【0045】
また、ここまで、
図3に示したサーバ1の学習部11は、構築されるニューラルネットワークの入力層に屋内機器31の機器操作データが取得された日時、特に曜日をそれぞれ入力し、出力層に屋内機器31の機器操作データを設定し、学習するものして説明した。また、
図5に示した推論部13は、構築されるニューラルネットワークの入力層に推測するめの日時、特に曜日を入力し、曜日・時刻毎に操作されることの多い屋内機器31を推測するものとして説明した。
【0046】
しかしながら、本実施の形態1では、サーバ1の学習部11に設定される学習用データとして、種々の情報データを追加することができる。また、推論部13で推測される曜日・時刻毎に操作されることの多い屋内機器31、すなわち、推測される機器操作頻度を、学習用データに追加された種々の情報データに応じて変更することも可能である。この学習用データと推測される機器操作頻度の一例を、
図9に示す。なお、
図9においては、推測される機器操作頻度を推論用データと称する。
【0047】
まず、学習用データのうち、入力層に入力するデータとして、さらに、暦の祝日データを追加することも考えられる。例えば、土日祝日で連休になる場合は、ユーザが外出しがちなため、日中は屋内機器31の機器操作データが少なくなる。また、平日の中日に祝日がある場合、連休でなければユーザは外出しないことも多いため、日中は、屋内機器31の機器操作データが多くなる。これらのパターンをふまえ、曜日だけでなく祝日を加味した学習が可能となる。
【0048】
また、学習用データのうち、入力層に入力するデータとして、月日の情報を追加して学習することも考えられる。例えば、月末の平日は、仕事でユーザの帰宅時間が遅くなりがちなため、日中の屋内機器31の機器操作データが少なくなる。また、冬の休日は、ユーザの起床時間が遅くなりがちなため、朝の屋内機器31の機器操作データが少なくなる。これらのパターンをふまえ、季節、月初め、月末等を加味した学習が可能となる。
【0049】
また、学習用データのうち、入力層に入力するデータとして、ユーザの居住する地域の天候データを追加して学習することも考えられる。例えば、雨天ではユーザは外出しないため、雨天の休日は日中の屋内機器31の機器操作データが多くなる。晴天ではユーザが外出しがちなため、晴天の休日は日中の屋内機器31の機器操作データが少なくなる。また、寒い日はユーザが早く帰宅しがちになるため、気温の低い平日は夕方の屋内機器31の機器操作データが多くなる。これらのパターンをふまえ、ユーザの居住する地域の天気、気温を加味した学習が可能となる。
【0050】
また、学習用データのうち、入力層に入力するデータとして、年齢、人数等の家族情報とカレンダー情報とを追加して学習することも考えられる。家族情報、カレンダー情報はユーザによる手入力のほか、カレンダーアプリとの連携により取得することが考えられる。例えば、家族の誕生日にはユーザは早く帰宅しがちなため、誕生日などの家族イベントがある場合には夕方の屋内機器31の機器操作が多くなる。このため、家族イベントに応じたユーザの行動を加味した学習が可能となる。
【0051】
また、学習用データのうち、入力層に入力するデータとして、ユーザの行動履歴を収集できる装置の情報を追加して学習することも考えられる。ユーザの行動履歴を収集できる装置は、例えば、スマートフォンのGPS(Global Positioning System)、歩数計のデータ、カーナビのデータ等である。ユーザの行動履歴情報をさらに学習データに含むことで、例えば、歩数データが少ない時は家に居た、GPS情報からユーザが外出していたか否か等を加味して学習できる。このため、在宅しているか否かの学習精度を向上させることが可能となる。
【0052】
なお、学習用データのうち、入力層に入力するデータを増やす例として、例えば、ユーザが本システムを利用し始めたばかりで学習に使用できる機器操作データが少ない場合に、日時および曜日だけで学習する。そして、例えば、ユーザが本システムを利用し始めてから数か月、数年経過し、学習に使用できる機器操作データが増えてきた場合に、順次、学習に使用する入力を増やしていく。さらに、祝日、季節、天候、家族情報、カレンダー情報、GPSデータ、歩数計のデータ等を、順次、加味し、学習済モデルを進化させていくことも考えられる。
【0053】
次に、
図10に示すのは、
図6に示した通知制御部14の通知情報記憶部143に保存される通知情報の分類結果のデータをまとめたテーブルである。通知情報の分類結果のテーブルに示す通知元は、どこから通知が発行されたかを示す。通知内容は、発行された通知の内容である。この通知内容は、通知内容分類部142の自然言語処理部1421で処理されたものである。また、通知内容の分類のうちカテゴリは、通知内容分類部142で通知情報の内容が分類された結果である。また。通知内容の分類のうち通知タイミングは、カテゴリに紐づけて設定された通知タイミングである。
【0054】
例えば、
図10に示すとおり、エアコンから「室温が30度を超えました。」との通知情報がサーバ1に送信された場合、通知元に「エアコン」、通知内容に「室温が30度を超えました。」が入力される。また、通知内容を通知内容分類部142で分類された結果、通知内容分の類部のうちカテゴリに「見守り」、通知タイミングに「即時」が入力される。
【0055】
続いて、
図11A、
図11Bに示すのは、
図6に示した通知制御部14の推測結果取得部144が、
図5に示した推論部13から取得した推論結果の一例である。
図11A、
図11Bは連続しており、月曜と日曜との間の火曜から土曜が省略されている。なお、
図11A、
図11Bは連続しているが、便宜上、各図に表題欄を記載している。推論結果は、例えば、
図11A、
図11Bに示すとおり、0から1までの数値で示されている。この数値は、機器操作されやすい、すなわち、過去に機器操作されることが多かった時間帯ほど1に近い値となる。逆に、機器操作されにくい、すなわち、過去に機器操作されることが少なかった時間帯ほど0に近い値となる。
【0056】
図6に示した通知制御部14の通知許可決定部145は、推論結果取得部114の取得した推論結果を基に、通知内容毎に通知を発行して良い時間帯を決定する。そして、通知許可決定部145は、推論結果を含めて通知発行タイミングのテーブルとして、
図6に示した通知制御部14の通知許可テーブル記憶部146に保存する。通知発行タイミングのテーブルを、
図12A、12Bに示す。
図12A、
図12Bは連続しており、月曜と日曜との間の火曜から土曜が省略されている。なお、
図12A、
図12Bは連続しているが、便宜上、各図に表題欄を記載している。
【0057】
通知許可決定部145は、具体的には、
図11A、
図11Bに示した推論結果のうち、ある一定の数値以上、例えば、0.5以上が示された時間帯であれば通知を許可すると決定する。通知発行タイミングのテーブルのうち、通知許可の項目内で「○」が示された時間帯が通知を許可された時間帯である。通知許可の項目には、即時実行することを示す「即時」、屋内機器31ごとに管理された機能提案、サービス提案である「通知(1)」、メンテナンスを示す「通知(2)」のそれぞれについて許可時間帯が決定される。
【0058】
「即時」の項目は、即時実行することを示すものであり、セキュリティ、屋内機器31の見守りに関する項目である。このため、ユーザが、すぐに通知を認識できる必要があるため、全ての時間帯で通知が許可される。
【0059】
また、サービス提案である「通知(1)」は、対象となる屋内機器31が操作されるタイミングで通知を発行する。これにより、ユーザが通知を認識する確率を高めることが期待できる。このため、推論結果のうち、ある一定の数値以上、例えば、0.5以上が示された時間帯、すなわち、屋内機器31が操作される可能性が高い時間帯を通知許可すると決定する。
【0060】
次に、「通知(2)」は、メンテナンスを示す項目である。メンテナンスは、ユーザが屋内機器31のメンテナンス対応に時間をかけられるタイミング、すなわち、長時間の在宅が予測される時間帯に通知することにより、ユーザにタイミングよくメンテナンス対応を促すことができる。そこで、「通知(1)」で通知許可が決定された時間帯のANDをとり、継続して許可決定された時間帯、例えば3時間以上、連続して許可されている時間帯を通知許可すると決める。
【0061】
また、メンテナンスは、一般的に日中に実施されるものと想定されるため、夜間の通知は不要である。このため、システム側で通知不要時間を設定しておく。
図12A、
図12Bでは、例えば、「通知(2)」の項目のうち、19時~翌8時の箇所をグレーアウトしている。グレーアウトしている期間は、システムにより通知不要時間として設定されている期間を示している。
【0062】
また、
図12A、
図12Bでは、「通知(2)」の項目のうち、取り消し線付き付きの「○」が入力されている欄がある。これは、「通知(1)」で通知許可が決定された時間帯のANDをとった際に通知許可の継続時間が条件を満たさない場合、システムにより通知不要時間として設定されている期間である場合を示している。この場合には、通知は許可されない。
【0063】
次に、
図3に示した学習部11で実行される処理について、
図13に示す学習処理のフローチャートを参照しつつ、以下に説明する。学習処理のフローチャートに示す各処理は、サーバ1で実行される各機能を実現するための処理を実行するソフトウェアである、情報通知管理プログラムに含まれる処理とする。
【0064】
図3に示した学習部11の日時データ取得部111は、
図1に示した住戸3内の屋内機器31から取得した、稼働情報データに含まれる機器操作データのタイムスタンプから、機器操作データを取得した日時、特に曜日を、学習用データとして取得する。続いて、
図3に示した学習部11の機器操作データ取得部112は、
図1に示した住戸3内の屋内機器31の稼働情報データを取得し、稼働情報データに含まれる機器操作データを、学習用データとして取得する(ステップS101)。
【0065】
モデル生成部113は、学習済モデルを生成する(ステップS102)。具体的には、モデル生成部113はニューラルネットワークを構築し、出力層の各ニューロンに、ステップS101で取得した機器操作データを設定する。続いて、モデル生成部113は、入力層の各ニューロンに、ステップS101で取得した屋内機器31の機器操作データが取得された日時、特に曜日をそれぞれ入力する。
【0066】
そして、モデル生成部113は、出力層から出力される結果が、機器操作データに近づく状態に、中間層と出力層の各ニューロンの重みを調整させる。モデル生成部113は、ニューラルネットワークの中間層と出力層の各ニューロンの重みを、学習済モデルとして学習済モデル記憶部12に保存する(ステップS103)。
【0067】
続いて、
図5に示した推論部13で実行される処理について、
図14に示す操作頻度取得処理のフローチャートを参照しつつ、以下に説明する。操作頻度取得処理フローチャートに示す各処理は、サーバ1で実行される各機能を実現するための処理を実行するソフトウェアである、情報通知管理プログラムに含まれる処理とする。
【0068】
図5に示した推論部13の日時データ取得部131は、推測する対象となる日時、特に曜日を取得する(ステップS201)。
図5に示した推論部13の推論処理部132は、学習済モデル記憶部12から学習済モデルを取得する。続いて、推論処理部132は、ニューラルネットワークを構築し、中間層と出力層との各ニューロンに、学習済モデルである重み設定する。推論処理部132は、構築したニューラルネットワークの入力層に、日時データ取得部131が取得した日時、特に曜日を入力する(ステップS202)。
【0069】
推論処理部132は、推測した曜日・時刻毎の機器操作頻度を取得する(ステップS203)。推論処理部132は、曜日・時刻毎の機器操作頻度を推論結果として通知制御部14に出力する(ステップS204)。
【0070】
続いて、通知制御部14は、推論処理部132から取得した推論結果を基に、通知発行を許可するタイミングを決定し、許可された時刻に通知を発行する。通知制御部14で実行される処理について、
図15に示す通知許可設定処理のフローチャートおよび、
図16に示す通知発行判定処理のフローチャートを参照しつつ、以下に説明する。通知許可設定処理のフローチャートおよび通知発行判定処理のフローチャートに示す各処理は、
図2に示したサーバ1で実行される各機能を実現するための処理を実行するソフトウェアである、情報通知管理プログラムに含まれる処理とする。
【0071】
まず、
図15に示す通知許可設定処理において、
図6に示した通知制御部14の推測結果取得部144は、
図5に示した推論部13から取得した推論結果を取得する(ステップS301)。
図6に示した通知制御部14の通知許可決定部145は、推論結果取得部144の取得した推論結果のうち、各時間帯の操作頻度が閾値以上か否か判定する(ステップS302)。その時間帯の操作頻度が閾値以上の場合(ステップS302;YES)、通知許可決定部145は、機能提案、サービス提案である「通知(1)」を許可する(ステップS303)。その時間帯の操作頻度が閾値以上ではない場合(ステップS302;NO)、通知許可決定部145は、ステップS304に移る。
【0072】
通知許可決定部145は、「通知(1)」を許可した時間帯について、各機器のANDを計算する(ステップS304)。通知許可決定部145は、ANDを計算した時間帯が、9-18時の間、且つ、3時間連続で通知を許可されているか否か判定する(ステップS305)。ANDを計算した時間帯が、9-18時の間、且つ、3時間連続で通知を許可された時間帯である場合(ステップS305;YES)、通知許可決定部145は、メンテナンスを示す「通知(2)」を許可する(ステップS306)。
【0073】
また、ANDを計算した時間帯が、9-18時の間、且つ、3時間連続で通知を許可された時間帯ではない場合(ステップS305;NO)、通知許可決定部145は、ステップS306をスキップする。通知許可決定部145は、推論結果を含めて通知発行タイミングのテーブルとして、
図6に示した通知制御部14の通知許可テーブル記憶部146に保存する。通知許可決定部145は、通知許可設定処理を終了する。
【0074】
続いて、
図16に示す通知発行判定処理に移る。
図6に示した通知制御部14の通知発行判定部147は、通知許可テーブル記憶部146に保存された通知発行タイミングのテーブルを取得する。通知発行判定部147は、通知発行タイミングのテーブルを参照し、現在の時間帯に即時実行の通知イベントが発生したか否か判定する(ステップS401)。即時実行の通知イベントが発生していない場合(ステップS401;NO)、通知発行判定部147は、ステップS401をくり返す。
【0075】
即時実行の通知イベントが発生した場合(ステップS401;YES)、通知発行判定部147は、
図6に示した通知制御部14の通知情報記憶部143から即時に分類された通知を取得する(ステップS402)。通知発行判定部147は、
図1に示す端末装置2もしくは住戸3内の屋内機器31に通知を発行する(ステップS403)。
【0076】
通知発行判定部147は、通知発行タイミングのテーブルを参照し、現在の時間帯に、機能提案、サービス提案である「通知(1)」を許可するタイミングが到来したか否か判定する(ステップS404)。「通知(1)」を許可するタイミングが到来していない場合(ステップS404;NO)、通知発行判定部147は、ステップS404をくり返す。
【0077】
「通知(1)」を許可するタイミングが到来した場合(ステップS404;YES)、通知発行判定部147は、通知情報記憶部143から「通知(1)」に分類された通知を取得する(ステップS405)。通知発行判定部147は、
図1に示す端末装置2もしくは住戸3内の屋内機器31に通知を発行する(ステップS403)。
【0078】
また、通知発行判定部147は、通知発行タイミングのテーブルを参照し、現在の時間帯に、メンテナンスを実行する「通知(2)」を許可するタイミングが到来したか否か判定する(ステップS406)。「通知(2)」を許可するタイミングが到来していない場合(ステップS406;NO)、通知発行判定部147は、ステップS406をくり返す。
【0079】
「通知(2)」を許可するタイミングが到来した場合(ステップS406;YES)、通知発行判定部147は、通知情報記憶部143から「通知(2)」に分類された通知を取得する(ステップS407)。通知発行判定部147は、
図1に示す端末装置2もしくは住戸3内の屋内機器31に通知を発行する(ステップS403)。通知発行判定部147は、通知発行判定処理を終了する。
【0080】
以上のとおり、実施の形態1によれば、情報通知管理システム100は、住戸3に含まれる屋内機器31の機器操作頻度に基づいて、ユーザの利用する端末装置2に通知を発行するタイミングを決定することができる。これにより、情報通知管理システム100は、事前に設定することなく、ユーザの行動と通知内容に応じて通知タイミングを変更することがきるため、ユーザの手間を省き、通知の有用性を向上させることができる。
【0081】
(実施の形態2)
実施の形態1では、曜日・時刻毎の機器操作頻度の推測結果から、通知許可タイミングを決定し、許可時刻が到来したタイミングで、端末装置2もしくは、住戸3内の屋内機器31に通知を発行する情報通知管理システム100について説明した。実施の形態2では、外部の店舗サーバ6と連携することで、ユーザの購買タイミングの推測を可能とする情報通知管理システム100Aについて説明する。情報通知管理システム100Aは、ユーザの購買タイミングに合わせて店舗からの通知を発行させることで、通知による集客効果の向上および製品購入を促進させることができるシステムである。
【0082】
図17に示すのは、実施の形態2に係る情報通知管理システム100Aの全体構成である。情報通知管理システム100Aは、通知を発行するタイミングを決定するサーバ1Aと、ユーザの利用する端末装置2と、ネットワーク4、41、42と、ユーザの購入情報を管理する店舗サーバ6を含む。サーバ1Aと端末装置2とは、ネットワーク4を介して相互に接続している。また、サーバ1Aと店舗サーバ6とは、ネットワーク41、42を介して相互に接続している。
【0083】
図18は、店舗サーバ6の概要を示す図である。店舗サーバ6は、ユーザのアカウント、購買情報の管理および保存をするとともに、ユーザに各種イベントを通知することができる。店舗サーバ6は、ユーザのアカウントを管理するアカウント管理部61と、ユーザの購買情報を管理する購買情報管理部62と、ユーザのアカウントの情報データを保存するアカウント情報記憶部63と、ユーザの購入情報データを保存する購入情報記憶部64とを含む。アカウント管理部61は、例えば、ユーザが登録している各種ポイントカード、スマホアプリ等の会員情報を管理する。アカウント情報記憶部63は、アカウント管理部61の管理するユーザの会員情報を保存している。
【0084】
また、アカウント管理部61は、ネットワーク41を介して、後述するサーバ1Aのアカウント管理部15と相互に接続している。アカウント管理部61とサーバ1Aのアカウント管理部15とは、互いに連携し、管理するユーザの会員情報を共有している。購買情報管理部62は、ユーザの購買情報を管理する。ユーザの購買情報は、ユーザの会員情報を登録しているポイントカードの提示履歴、店舗でのスマホアプリの利用履歴から求められた情報である。また、ユーザの購買情報には、店舗、インターネット経由の通販等、ユーザの購買を行った日時も含まれる。購買情報管理部62は、管理するユーザの購買情報を購入情報記憶部64に保存している。
【0085】
購買情報管理部62は、ネットワーク42を介して、後述するサーバ1Aの学習部11Aと接続している。購買情報管理部62は、サーバ1Aの学習部11Aに、購入情報記憶部64に保存したユーザの購買情報を提供する。
【0086】
図19は、サーバ1Aの概要を示す図である。サーバ1Aは、ユーザの購買情報を学習する学習部11Aと、学習部11Aの学習結果を保存する学習済モデル記憶部12と、ユーザの購買頻度を推測する推論部13Aと、端末装置2への通知を制御する通知制御部14と、ユーザのアカウントを管理するアカウント管理部15と、ユーザのアカウントの情報データを保存するアカウント情報記憶部16とを備える。
【0087】
学習部11Aは、
図18に示した購買情報管理部62からネットワーク42を介して提供されるユーザの購買情報を学習する。推論部13Aは、推測の対象となる日時のユーザの購買頻度を推測する。アカウント管理部15は、
図18に示したアカウント管理部61と互いに連携し、管理するユーザの会員情報を共有している。また、アカウント管理部15は、管理するユーザのアカウントの情報データ、アカウント情報記憶部16に保存する。したがって、アカウント情報記憶部16に保存されたユーザのアカウントの情報データと、
図18に示したアカウント情報記憶部63に保存されたユーザのアカウントの情報データとは共通のものである。なお、学習済モデル記憶部12と通知制御部14とは、実施の形態1で説明したものと同様である。
【0088】
続いて、学習部11Aの概要について、
図20を参照し、以下に説明する。学習部11Aは、機器操作データを取得した日時を取得する日時データ取得部111と、ユーザの購買情報データを取得する購買情報取得部115と、学習済モデルを生成するモデル生成部113とを備える。日時データ取得部111は、
図18に示した購入情報記憶部64に保存されたユーザの購買情報から、ユーザが購買行動をした日時を取得する。購買情報取得部115は、
図18に示した購入情報記憶部64に保存されたユーザの購買情報から、ユーザの購買情報を取得する。ユーザの購買情報は、例えば、ユーザの購入した製品、購入金額、購買回数等である。ここでは、学習部11Aの学習するユーザの購買情報は、購買した商品にかかわらず購買した回数である。
【0089】
モデル生成部113は、ニューラルネットワークを構築し、ユーザの購買頻度を学習する。具体的には、モデル生成部113は、ニューラルネットワークの入力層に日時データ取得部111から取得したユーザが購買行動をした日時を設定し、出力層に購買情報取得部115から取得したユーザの購買情報を設定し、中間層と出力層の各ニューロンの重みを調整させる。モデル生成部113は、調整された中間層と出力層の各ニューロンの重みを、学習済データとして、学習済モデル記憶部12に保存する。
【0090】
また、
図19では、学習部11Aは、ユーザの購買情報として購買回数を学習するものとした。学習部11Aは、購買回数をそのまま学習してもよいが、そのままの値を学習すると誤差が大きくなる。そこで、本実施の形態2では、購買回数を正規化したヒストグラムの値を用いるものとする。購買回数を正規化した一例を、
図21に示す。
【0091】
図21(A)に示すのは、月曜日における時刻毎の購買頻度の一例である。グラフは、1に近いほどユーザの購買回数が多いことを示している。
図21(A)では、ユーザは、朝8時と夕方の17時から19時に購買をしていることを示している。続いて、
図21(B)に示すのは、日曜日における時刻毎の購買頻度の一例である。
図21(B)では、ユーザは、14時から17時に購買をしていることを示している。
【0092】
また、
図19に示した学習部11Aのモデル生成部113は、ニューラルネットワークの入力層に日時データ取得部111から取得したユーザが購買行動をした日時を設定し、出力層に購買情報取得部115から取得したユーザの購買情報を設定し、学習するものとした。また、
図18に示した推論部13Aは、推測の対象となる日時のユーザの購買頻度を推測するものとした。しかしながら、本実施の形態2では、学習部11Aに設定される学習用データとして、種々の情報データを追加することができる。
【0093】
また、推論部13Aが推測するユーザの購買頻度を学習用データに追加された種々の情報データに応じて変更することも可能である。この学習用データと推測されるユーザの購買頻度の一例を、
図22に示す。なお、
図22においては、推測されるユーザの購買頻度を推論用データと称する。
【0094】
まず、学習用データのうち、入力層に入力するデータとして、さらに、暦の祝日データを追加することも考えられる。例えば、土日祝日で連休になる場合は平日の購買情報データが少なくなり連休に購買情報データが多くなる。つまり、連休前はユーザが買物せず、連休中にまとめて買物することが多いことを示している。このパターンをふまえ、曜日だけでなく祝日を加味した学習が可能となる。
【0095】
また、学習用データのうち、入力層に入力するデータとして、さらに月日の情報を追加して学習することも考えられる。月日の情報をさらに学習データに含むことで、例えば、月末の平日は仕事でユーザの帰宅時間が遅く、総菜、弁当を買いがちであるため、夜遅くに購買情報データが多くなる。また、寒い日はユーザが買物しにくいことから、冬の平日は購買情報データが少なくなる。このため、これらのパターンをふまえ、季節、月初め、月末等の月を加味した学習が可能となる。
【0096】
また、学習用データのうち、入力層に入力するデータとして、さらにユーザの居住する地域の天候データを追加して学習することも考えられる。例えば、雨天ではユーザは買物に行かないため、雨天の休日は購買情報データが少なくなる。また、ユーザは熱い時間帯を避けて買物をしがちなため、気温の高い日中は購買情報データが少なく、涼しくなった夕方の購買情報データが多くなる。これらのパターンをふまえ、ユーザの居住する地域の天気、気温を加味した学習が可能となる。
【0097】
また、学習用データのうち、入力層に入力するデータとして、年齢、人数等の家族情報とカレンダー情報とを追加して学習することも考えられる。家族情報、カレンダー情報はユーザによる手入力のほか、カレンダーアプリとの連携により取得することが考えられる。例えば、家族の誕生日前には準備のためにユーザが買物しがちなため、誕生日などの家族イベントがある場合には前日の購買情報データが多くなる。このため、家族イベントに応じたユーザの行動を加味した学習が可能となる。
【0098】
次に、
図23に示すのは、
図19に示した通知制御部14の通知情報記憶部143に保存される通知情報の分類結果のデータをまとめたテーブルである。通知情報の分類結果のテーブルに示す通知元は、どこから通知が発行されたかを示す。通知内容は、発行された通知の内容である。この通知内容は、通知内容分類部142の自然言語処理部1421で処理されたものである。また、通知内容の分類部のうちカテゴリは、通知内容分類部142で通知情報の内容が分類された結果である。また。通知内容の分類のうち通知タイミングは、カテゴリに紐づけて設定された通知タイミングである。なお、このテーブルの内容は、実施の形態1で分類された内容も含むものである。
【0099】
例えば、店舗Bが有している
図18に示した店舗サーバ6から、「クーポン利用でお得になります。」という通知を取得したとする。この場合、通知元に「店舗B」、通知内容に「クーポン利用でお得になります。」が入力される。また、通知内容を通知内容分類部142で分類された結果、通知内容の分類部のうちカテゴリに「店舗情報」、通知タイミングに「通知(3)」が入力される。この通知タイミングの「通知(3)」は、ユーザが購買行動を起こす頻度の高い時間帯とする。これは、店舗情報は、ユーザが買物する前に通知することで、店舗への集客効果、製品への興味を引かせることができるためである。
【0100】
続いて、
図24A、24Bに示すのは、
図19に示した通知制御部14の推測結果取得部144が、
図19に示した推論部13Aから取得した推論結果の一例である。
図24A、
図24Bは連続しており、月曜と日曜との間の火曜から土曜が省略されている。なお、
図24A、
図24Bは連続しているが、便宜上、各図に表題欄を記載している。推論結果は、例えば、
図24A、24Bに示すとおり、0から1までの数値で示されている。この数値は、ユーザが購買行動を起こしやすい、すなわち、過去に買物することが多かった時間帯ほど1に近い値になる。逆に、ユーザが購買行動を起こしにくい、すなわち、過去に買物することが少なかった時間帯ほど0に近い値となる。
【0101】
例えば、
図24Aでは、朝8時と夕方18時、19時に、ユーザの購買が行われていることを示している。また、朝8時の購買頻度よりも夕方18時、19時の購買頻度の方が1に近い値であるため、夕方18時、19時のほうが、ユーザが購買行動を起こしやすいことが分かる。
【0102】
また、例えば、
図24Bでは、朝10時、11時と夕方15時から17時に、ユーザの購買が行われていることを示している。また、朝10時の購買頻度よりも朝11時と夕方15時から17時の購買頻度の方が1に近い値ため、朝11時と夕方15時から17時のほうが、ユーザが購買行動を起こしやすいことが分かる。
【0103】
図19に示した通知制御部14の通知許可決定部145は、推論結果取得部114の取得した推論結果を基に、通知内容毎に通知を発行して良い時間帯を決定する。そして、通知許可決定部145は、推論結果を含めて通知発行タイミングのテーブルとして、
図19に示した通知制御部14の通知許可テーブル記憶部146に保存する。通知発行タイミングのテーブルを、
図25A、25Bに示す。
図25A、
図25Bは連続しており、月曜と日曜との間の火曜から土曜が省略されている。なお、
図25A、
図25Bは連続しているが、便宜上、各図に表題欄を記載している。
【0104】
通知許可決定部145は、具体的には、
図25A、25Bに示した推論結果のうち、ある一定の数値以上、例えば、0.5以上が示された時間帯であれば通知を許可すると決定する。さらに、店舗情報の通知は、ユーザが買物をする前に通知することで、店舗への集客、製品購入を促すことが可能となるため、例えば、2時間前といった、一定時間前までの場合も通知を許可すると決定する。通知発行タイミングのテーブルのうち、通知許可の項目には、店舗情報である「通知(3)」が設定されている。そして、通知許可の項目内で「○」が示された時間帯が通知を許可された時間帯である。
【0105】
図25Aでは、例えば、購買頻度の高い夕方18時、19時と、夕方18時の2時間前である16時、1時間前である17時に、通知が許可されている。また、
図25Bでは、ユーザの購買が行われている朝10時、11時と夕方15時から17時に、通知が許可されている。また、購買頻度の高い朝11時の2時間前である朝9時にも通知が許可されている。さらに、夕方15時の2時間前である13時と、1時間前である14時に、通知が許可されている。
【0106】
図19に示した通知制御部14は、
図19に示した推論部13Aから取得した推論結果を基に、通知発行を許可するタイミングを決定し、許可された時刻に通知を発行する。通知制御部14で実行される処理について、
図26に示す通知許可決定処理のフローチャートおよび、
図27に示す通知発行処理のフローチャートを参照しつつ、以下に説明する。通知許可決定処理のフローチャートおよび通知発行処理のフローチャートに示す各処理は、
図19に示したサーバ1Aで実行される各機能を実現するための処理を実行するソフトウェアである、情報通知管理プログラムに含まれる処理とする。
【0107】
まず、
図26に示す通知許可決定処理において、
図19に示した通知制御部14の推測結果取得部144は、
図19に示した推論部13Aから取得した推論結果に含まれる各時間帯の購買頻度を取得する(ステップS501)。
図19に示した通知制御部14の通知許可決定部145は、各時間帯の購買頻度が閾値以上か否か判定する(ステップS502)。その時間帯の購買頻度が閾値以上の場合(ステップS502;YES)、通知許可決定部145は、店舗情報である「通知(3)」を許可する(ステップS503)。その時間帯の購買頻度が閾値以上ではない場合(ステップS502;NO)、通知許可決定部145は、ステップS503をスキップする。通知許可決定部145は、通知許可決定処理を終了する。
【0108】
続いて、
図27に示す通知発行処理に移る。
図19に示した通知制御部14の通知発行判定部147は、通知許可テーブル記憶部146に保存された通知発行タイミングのテーブルを参照し、店舗情報である「通知(3)」を許可するタイミングが到来したか否か判定する(ステップS601)。「通知(3)」を許可するタイミングが到来していない場合(ステップS601;NO)、通知発行判定部147は、ステップS601をくり返す。
【0109】
また、「通知(3)」を許可するタイミングが到来した場合(ステップS601;YES)、通知発行判定部147は、通知情報記憶部143から「通知(3)」に分類された通知を取得する(ステップS602)。通知発行判定部147は、
図19に示す端末装置2に通知を発行する(ステップS603)。通知発行判定部147は、通知発行処理を終了する。
【0110】
以上のとおり、実施の形態2によれば、情報通知管理システム100Aは、ユーザの購買タイミングに合わせて店舗からの通知を発行させることで、通知による集客効果の向上および製品購入を促進させることできる。これにより、情報通知管理システム100Aは、事前に設定することなく、ユーザの行動と通知内容に応じて通知タイミングを変更することがきるため、ユーザの手間を省き、通知の有用性を向上させることができる。
【0111】
(変形例1)
上記の実施の形態1において、即時実行する通知イベントに対しても、通知発行判定部147は、通知許可テーブル記憶部146に保存された通知発行タイミングのテーブルを参照して、通知するか否かを判定するものとした。これに限らず、即時実行する通知イベントについては、通知発行タイミングのテーブルを参照しないものとしてもよい。例えば、
図6に示した通知制御部14の通知情報分類部1422の後ろに即時通知部を設け、通知情報分類部1422で即時実行に分類された通知イベントを、即時に端末装置2もしくは住戸3内の屋内機器31に通知する。
【0112】
(変形例2)
上記の実施の形態1および2において、学習部11、11Aで用いられるニューラルネットワークは教師ありのものとした。これに限らず、教師なしのニューラルネットワークを用いて学習済モデルを得てもよい。
【0113】
(変形例3)
上記の実施の形態1において、情報通知管理システム100は、ユーザの住む住戸3に含まれる屋内機器31の機器操作頻度に基づいて、ユーザの利用する端末装置2に通知を発行するタイミングを決定することができるものとした。これに限らず、情報通知管理システム100は、ユーザの勤め先の事務所、工場等に含まれる事務機器、給湯、照明等の各種設備機器の操作頻度に基づいて、ユーザの利用する端末装置2に通知を発行するタイミングを決定してもよい。
【0114】
また、本開示の実施の形態1および2では、情報通知管理システム100、100Aを専用のシステムとして実現できるものとした。しかしながら、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、上述の情報通知管理システム100、100Aにおける各機能を実現するためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能なCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)などの記録媒体に格納して配布し、このプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合には、アプリケーションのみを記録媒体に格納してもよい。
【0115】
なお、本開示の技術的範囲は、上記実施の形態と変形例によっては限定されない。本開示は特許請求の範囲に記載された技術的思想の限りにおいて、自由に応用、変形あるいは改良して、実施することができる。
【符号の説明】
【0116】
1、1A サーバ、2 端末装置、3 住戸、4、41、42 ネットワーク、6 店舗サーバ、11、11A 学習部、12 学習済モデル記憶部、13、13A 推論部、14 通知制御部、15、61 アカウント管理部、16、63 アカウント情報記憶部、31 屋内機器、31a 空調機器、31b 換気機器、31c キッチン家電、31d 給湯設備、31e 照明機器、32 ルータ、51 通信機器、52 保存機器、53 メモリ、54 プロセッサ、55 データバス、62 購買情報管理部、64 購入情報記憶部、100、100A 情報通知管理システム、111、131 日時データ取得部、112 機器操作データ取得部、113 モデル生成部、114、144 推論結果取得部、115 購買情報取得部、132 推論処理部、141 通知情報取得部、142 通知内容分類部、143 通知情報記憶部、145 通知許可決定部、146 通知許可テーブル記憶部、147 通知発行判定部、1421 自然言語処理部、1422 通知情報分類部。