(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191569
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】管理システム、及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221221BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099859
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】松枝 直
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真悟
(72)【発明者】
【氏名】福田 優輝
(72)【発明者】
【氏名】森保 伸也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】対象物を適切に管理することが可能となる管理システム及び管理プログラムを提供する事を目的とする。
【解決手段】貸与されたレンタル品を管理するためのサーバ装置2であって、レンタル品関連情報DB221と、棚卸関連情報DB222と、棚卸関連情報DB222の棚卸側ステータス情報に基づいて、レンタル品関連情報DB221のマスタ側ステータス情報を格納する管理部231と、を備え、在庫状況情報としては、少なくとも、存在状況情報又は滅失状況情報が格納され、確認結果情報としては、少なくとも、存在確認情報又は滅失確認情報が格納され、管理部231は棚卸関連情報DB222の棚卸側ステータス情報として滅失確認情報が格納されている場合、レンタル品関連情報DB221のマスタ側ステータス情報として滅失状況情報を格納する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貸与された対象物を管理するための管理システムであって、
前記対象物を示す対象物情報と、当該対象物の在庫状況を示す在庫状況情報とが相互に関連付けられて格納される第1格納手段と、
前記対象物の在庫状況を確認する場合に、前記第1格納手段の前記対象物情報が示す前記対象物の在庫状況に関する確認結果を示す確認結果情報が格納される第2格納手段と、
前記第2格納手段の前記確認結果情報に基づいて、前記第1格納手段の前記在庫状況情報を格納する管理手段と、を備え、
前記在庫状況情報としては、少なくとも、前記対象物が存在していることを示す存在状況情報、又は、前記対象物が滅失したことを示す滅失状況情報が格納され、
前記確認結果情報としては、少なくとも、前記対象物が存在していることを確認したことを示す存在確認情報、又は、前記対象物が滅失したことを確認したことを示す滅失確認情報が格納され、
前記管理手段は、前記第2格納手段の前記確認結果情報として前記滅失確認情報が格納されている場合、前記第1格納手段の前記在庫状況情報として前記滅失状況情報を格納する、
管理システム。
【請求項2】
前記在庫状況情報としては、前記対象物が存在していることを示す存在状況情報、前記対象物が滅失したことを示す滅失状況情報、又は前記対象物が返却されたことを示す返却状況情報が格納され、
前記管理手段は、前記対象物を返却することを示す情報が前記管理システムに入力された場合に、前記第1格納手段の前記在庫状況情報として前記返却状況情報を格納する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理システムは、レンタル会社から貸与された前記対象物を管理するためのシステムであり、
前記管理システムは、
前記レンタル会社から貸与された前記対象物を更に貸与する対象の候補となる事業者を示す候補事業者情報が格納される第3格納手段、を備え、
前記管理手段は、前記第3格納手段の前記候補事業者情報に基づいて、前記対象物を貸与する対象の事業者を示す対象事業者情報を、前記第1格納手段において、前記対象物情報及び前記在庫状況情報と関連付けれて格納する、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理システムは、前記レンタル会社から元請会社に貸与された前記対象物を管理するためのシステムであり、
前記第3格納手段の前記候補事業者情報は、前記元請会社を基準とした多重下請け構造の各層における下請け事業者と、当該多重下請け構造とを示す情報であり、
前記管理手段は、前記第3格納手段の前記候補事業者情報に基づいて、前記多重下請け構造に対応する前記対象事業者情報を格納する、
請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記管理システムは、前記対象物の位置を確認した時刻を示す確認時刻情報を格納する第4格納手段、を備え、
前記管理手段は、前記第4格納手段の前記確認時刻情報が示す時刻が、ユーザに指定された時刻よりも後の時刻である場合に、位置が確認された前記対象物について前記第2格納手段の前記確認結果情報として前記存在確認情報を格納する、
請求項1から4の何れか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
貸与された対象物を管理するための管理プログラムであって、
コンピュータを、
前記対象物を示す対象物情報と、当該対象物の在庫状況を示す在庫状況情報とが相互に関連付けられて格納される第1格納手段と、
前記対象物の在庫状況を確認する場合に、前記第1格納手段の前記対象物情報が示す前記対象物の在庫状況に関する確認結果を示す確認結果情報が格納される第2格納手段と、
前記第2格納手段の前記確認結果情報に基づいて、前記第1格納手段の前記在庫状況情報を格納する管理手段と、として機能させ、
前記在庫状況情報としては、少なくとも、前記対象物が存在していることを示す存在状況情報、又は、前記対象物が滅失したことを示す滅失状況情報が格納され、
前記確認結果情報としては、少なくとも、前記対象物が存在していることを確認したことを示す存在確認情報、又は、前記対象物が滅失したことを確認したことを示す滅失確認情報が格納され、
前記管理手段は、前記第2格納手段の前記確認結果情報として前記滅失確認情報が格納されている場合、前記第1格納手段の前記在庫状況情報として前記滅失状況情報を格納する、
管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンタル品を管理するための技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、貸与された対象物については、様々な利用者に利用される場合があり、在庫状況(つまり、対象物が存在するかに関する状況)の変化を踏まえて、適切に管理する技術が要望されていた。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、対象物を適切に管理することが可能となる管理システム及び管理プログラムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の管理システムは、貸与された対象物を管理するための管理システムであって、前記対象物を示す対象物情報と、当該対象物の在庫状況を示す在庫状況情報とが相互に関連付けられて格納される第1格納手段と、前記対象物の在庫状況を確認する場合に、前記第1格納手段の前記対象物情報が示す前記対象物の在庫状況に関する確認結果を示す確認結果情報が格納される第2格納手段と、前記第2格納手段の前記確認結果情報に基づいて、前記第1格納手段の前記在庫状況情報を格納する管理手段と、を備え、前記在庫状況情報としては、少なくとも、前記対象物が存在していることを示す存在状況情報、又は、前記対象物が滅失したことを示す滅失状況情報が格納され、前記確認結果情報としては、少なくとも、前記対象物が存在していることを確認したことを示す存在確認情報、又は、前記対象物が滅失したことを確認したことを示す滅失確認情報が格納され、前記管理手段は、前記第2格納手段の前記確認結果情報として前記滅失確認情報が格納されている場合、前記第1格納手段の前記在庫状況情報として前記滅失状況情報を格納する。
【0007】
請求項2に記載の管理システムは、請求項1に記載の管理システムにおいて、前記在庫状況情報としては、前記対象物が存在していることを示す存在状況情報、前記対象物が滅失したことを示す滅失状況情報、又は前記対象物が返却されたことを示す返却状況情報が格納され、前記管理手段は、前記対象物を返却することを示す情報が前記管理システムに入力された場合に、前記第1格納手段の前記在庫状況情報として前記返却状況情報を格納する。
【0008】
請求項3に記載の管理システムは、請求項1又は2に記載の管理システムにおいて、前記管理システムは、レンタル会社から貸与された前記対象物を管理するためのシステムであり、前記管理システムは、前記レンタル会社から貸与された前記対象物を更に貸与する対象の候補となる事業者を示す候補事業者情報が格納される第3格納手段、を備え、前記管理手段は、前記第3格納手段の前記候補事業者情報に基づいて、前記対象物を貸与する対象の事業者を示す対象事業者情報を、前記第1格納手段において、前記対象物情報及び前記在庫状況情報と関連付けれて格納する。
【0009】
請求項4に記載の管理システムは、請求項3に記載の管理システムにおいて、前記管理システムは、前記レンタル会社から元請会社に貸与された前記対象物を管理するためのシステムであり、前記第3格納手段の前記候補事業者情報は、前記元請会社を基準とした多重下請け構造の各層における下請け事業者と、当該多重下請け構造とを示す情報であり、前記管理手段は、前記第3格納手段の前記候補事業者情報に基づいて、前記多重下請け構造に対応する前記対象事業者情報を格納する。
【0010】
請求項5に記載の管理システムは、請求項1から4の何れか一項に記載の管理システムにおいて、前記管理システムは、前記対象物の位置を確認した時刻を示す確認時刻情報を格納する第4格納手段、を備え、前記管理手段は、前記第4格納手段の前記確認時刻情報が示す時刻が、ユーザに指定された時刻よりも後の時刻である場合に、位置が確認された前記対象物について前記第2格納手段の前記確認結果情報として前記存在確認情報を格納する。
【0011】
請求項6に記載の管理プログラムは、貸与された対象物を管理するための管理プログラムであって、コンピュータを、前記対象物を示す対象物情報と、当該対象物の在庫状況を示す在庫状況情報とが相互に関連付けられて格納される第1格納手段と、前記対象物の在庫状況を確認する場合に、前記第1格納手段の前記対象物情報が示す前記対象物の在庫状況に関する確認結果を示す確認結果情報が格納される第2格納手段と、前記第2格納手段の前記確認結果情報に基づいて、前記第1格納手段の前記在庫状況情報を格納する管理手段と、として機能させ、前記在庫状況情報としては、少なくとも、前記対象物が存在していることを示す存在状況情報、又は、前記対象物が滅失したことを示す滅失状況情報が格納され、前記確認結果情報としては、少なくとも、前記対象物が存在していることを確認したことを示す存在確認情報、又は、前記対象物が滅失したことを確認したことを示す滅失確認情報が格納され、前記管理手段は、前記第2格納手段の前記確認結果情報として前記滅失確認情報が格納されている場合、前記第1格納手段の前記在庫状況情報として前記滅失状況情報を格納する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の管理システム、及び請求項6に記載の管理プログラムによれば、第2格納手段の確認結果情報として滅失確認情報が格納されている場合、第1格納手段の在庫状況情報として滅失状況情報を格納することにより、例えば、滅失したことを示す確認結果を反映することができるので、対象物を適切に管理することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の管理システムによれば、返却することを示す情報が管理システムに入力された場合に、第1格納手段の在庫状況情報として返却状況情報を格納することにより、例えば、対象物が返却されたことを反映することができるので、対象物を適切に管理することが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の管理システムによれば、第3格納手段の候補事業者情報に基づいて、対象物を貸与する対象の事業者を示す対象事業者情報を格納することにより、例えば、適切な情報を容易に格納することができるので、対象物を適切且つ容易に管理することが可能となる。
【0015】
請求項4に記載の管理システムによれば、第3格納手段の候補事業者情報に基づいて、多重下請け構造に対応する対象事業者情報を格納することにより、例えば、多重下請け構造に対応する適切な情報を容易に格納することができるので、対象物を適切且つ容易に管理することが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の管理システムによれば、第4格納手段の確認時刻情報が示す時刻が、ユーザに指定された時刻よりも後の時刻である場合に、位置が確認された対象物について第2格納手段の確認結果情報として存在確認情報を格納することにより、例えば、ユーザに指定された時刻を基準にして、一括で存在確認情報を格納することができるので、対象物を適切且つ容易に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る管理システム及び管理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、管理システム及び管理プログラムに関する。本発明に係る管理システムは、貸与された対象物を管理するためのシステムである。
【0020】
「対象物」とは、レンタル会社等から貸与された物であり、例えば、工事現場で用いる工具、資材、機材、及び各種機器等、あるいは、その他の任意の物を含む概念である。
【0021】
以下に示す実施の形態では、「対象物」が建物を建築する工事現場で用いられる物であり、具体的には、レンタル会社から元請会社に貸与されたレンタル品であり、当該元請会社が「対象物」を下請け事業者に貸し出して運用する場合を例示して説明する。
【0022】
なお、「元請会社」とは、例えば、建物建設の注文主である顧客から直接注文を受けた事業者等を含む概念である。また、「下請け事業者」とは、例えば、元請会社が受注した仕事の一部又は全部を請け負って当該仕事を行う事業者等を含む概念である。
【0023】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0024】
(構成)
まず、
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。情報処理システム100は、例えば、端末装置1、及びサーバ装置2を備え、これらの各装置が相互に通信可能となっている。なお、情報処理システム100においては、各種ユーザに携帯される複数の端末装置1が含まれている。
【0025】
(構成‐端末装置)
端末装置1は、ユーザによって携帯される装置であり、例えば、タブレット端末又はスマートフォンであり、一例としては、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、カメラ14、記録部15、及び制御部16を備える。
【0026】
通信部11は、外部機器(例えば、サーバ装置2)との間で通信を行う通信手段である。タッチパッド12は、ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。ディスプレイ13は、各種の画像を表示する画像表示手段であり、例えば、上記のタッチパッド12と当該ディスプレイ13とがタッチパネルとして一体形成されている。カメラ14は、撮像を行って画像を取得する撮像手段である。記録部15は、プログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。制御部16は、端末装置1を制御する制御手段であり、例えば、CPU、RAM、及びROM等の内部メモリ等を用いて構成されている。
【0027】
(構成‐サーバ装置)
図1のサーバ装置2は、管理システムであり、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0028】
(構成‐サーバ装置‐通信部)
図1の通信部21は、外部機器(例えば、端末装置1)との間で通信を行う通信手段である。
【0029】
(構成‐サーバ装置-記録部)
図1の記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部22は、例えば、レンタル品関連情報データベース221(以下、データベースを「DB」と称する)、棚卸関連情報DB222、位置関連情報DB223を備える。
【0030】
(構成‐サーバ装置-記録部-レンタル品関連情報DB)
図1のレンタル品関連情報DB221は、第1格納手段であり、具体的には、レンタル品関連情報が格納される格納手段である。「第1格納手段」とは、少なくとも、対象物を示す対象物情報と、当該対象物の在庫状況を示す在庫状況情報とが相互に関連付けられて格納される手段である。
【0031】
図2は、レンタル品関連情報を例示した図である。なお、
図2に記載の各情報は例示であり、他の任意の情報を追加したり、図示されている一部の情報を省略したりしてもよい(他の図面で例示さる情報も同様とする)。「レンタル品関連情報」とは、レンタル会社から元請会社に貸与された対象物であるレンタル品に関連する情報であり、例えば、
図2に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0032】
項目「レンタル品ID」の情報は、レンタル品を一意に識別するためのレンタル品識別情報(以下、識別情報を「ID」とも称する)である(
図2では、「ID001」等)。項目「品名情報」の情報は、レンタル品の名称を示す品名情報である(
図2では、「発電機A」等)。項目「レンタル会社名情報」の情報は、レンタル品を元請会社に貸与していてる会社であるレンタル会社の名称を示すレンタル会社名情報である(
図2では、「Aレンタル」等)。
【0033】
なお、レンタル品ID及び品名情報が、「対象物情報」に対応するものと解釈してもよい。
【0034】
項目「管理一次協力会社情報」の情報は、対象物を貸与する対象の事業者を示す対象事業者情報であり、具体的には、レンタル品を元請会社から借り受けて当該レンタル品を管理及び利用している一次下請け事業者を示す管理一次協力会社情報である(
図2では、会社名であり「A建設」等)。なお、「一次下請け事業者」とは、例えば、元請会社から直接請け負って仕事を行う事業者を示す概念である。
【0035】
項目「管理二次協力会社情報」の情報は、対象物を貸与する対象の事業者を示す対象事業者情報であり、具体的には、レンタル品を一次下請け事業者から借り受けて当該レンタル品を管理及び利用している二次下請け事業者を示す管理二次協力会社情報である(
図2では、会社名であり「A1建設」等)。なお、「二次下請け事業者」とは、例えば、一次下請け事業者から直接請け負って仕事を行う事業者を示す概念である。
【0036】
項目「開始日情報」の情報は、レンタル会社から元請会社へのレンタル品の貸与が開始された日を示す開始日情報である。項目「返却日情報」の情報は、元請会社からレンタル会社へレンタル品が返却された日を示す返却日情報である。項目「滅失日情報」の情報は、レンタル品が滅失(つまり、紛失)された日を示す滅失日情報である。
【0037】
項目「マスタ側ステータス情報」の情報は、レンタル品の在庫状況を示す在庫状況情報であり、マスタ側ステータス情報とも称するである。このマスタ側ステータス情報としては、例えば、レンタル品が元請会社側(すなわち、元請会社及び下請け事業者側)に貸与されており、且つ、当該元請会社側に存在していることを示す「使用中」、レンタル品が元請会社側に貸与されており、且つ、レンタル品が滅失したことを示す「滅失」、又はレンタル品がレンタル会社側に返却されたことを「返却」の何れかが格納される。
【0038】
なお、ここでの「使用中」が「存在状況情報」に対応し、また、「滅失」が「滅失状況情報」に対応し、また、「返却」が「返却状況情報」に対応するものと解釈してもよい。
【0039】
そして、
図2の最上段に図示されている情報については例えば、「ID001」が識別するレンタル品の名称が「発電機A」であることが示されており、また、「ID001」のレンタル品が「Aレンタル」から元請会社に貸与されたことが示されており、また、「ID001」のレンタル品が「A建設」に貸与され、更に「A1建設」に貸与されたことが示されている。また、この情報においては、「ID001」のレンタル品の貸与が開始された日が「1月10日」であることが示されており、また、「ID001」のレンタル品が元請会社側(すなわち、元請会社及び下請け事業者側)に貸与されており、且つ、当該元請会社側に存在していることが示されている。
【0040】
この
図2のレンタル品関連情報の格納手法は任意であるが、例えば、マスタ側スタータス情報以外の各情報については、元請会社がレンタル品をレンタル会社から借り受ける場合(つまり、レンタル品が元請会社に貸与される場合)に、元請会社側のユーザがサーバ装置2に情報を入力することにより、当該情報に基づいて格納されることとする。また、マスタ側スタータス情報については、前述のようにして、元請会社側のユーザがサーバ装置2に情報を入力した場合に、初期値として「使用中」が自動的に格納され、この後、後述する各処理を行うことにより更新される。
【0041】
(構成-サーバ装置-記録部-棚卸関連情報DB)
図1の棚卸関連情報DB222は、第2格納手段であり、具体的には、棚卸関連情報が格納されている格納手段である。「第2格納手段」とは、対象物の在庫状況を確認する場合に、第1格納手段の対象物情報が示す対象物の在庫状況に関する確認結果を示す確認結果情報が格納される手段である。
【0042】
図3は、棚卸関連情報を例示した図である。「棚卸関連情報」とは、レンタル品の在庫状況の確認(つまり、棚卸し)に関する情報であり、例えば、
図3に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。なお、
図3の各情報の内の
図2の各情報と同一名称の情報は、当該同一名称の情報と同様な情報であるので、詳細の説明を省略する。
【0043】
項目「棚卸側ステータス情報」の情報は、対象物の在庫状況に関する確認結果を示す確認結果情報であり、棚卸側ステータス情報とも称する。この棚卸側ステータス情報としては、例えば、棚卸しにおいてレンタル品が存在していることを確認したことを示す「確認済」、棚卸しにおいてレンタル品が滅失していることを確認したことを示す「滅失」、又は棚卸しにおいてレンタル品について未だ何ら確認を行っていないこと(つまり、存在していることを確認しておらず、且つ、滅失していることも確認していないこと)を示す「未確認」の何れかが格納される。
【0044】
なお、ここでの「確認済」が「存在確認情報」に対応し、また、「滅失」が「滅失確認情報」に対応し、また、「未確認」が「未確認情報」に対応するものと解釈してもよい。
【0045】
そして、
図3の最上段に図示されている情報については例えば、棚卸しにおいて、「ID001」のレンタル品について未だ何ら確認を行っていないことが示されている。
【0046】
この
図3の棚卸関連情報は、例えば、後述する棚卸処理を実行することにより格納される。
【0047】
(構成‐サーバ装置-記録部-位置関連情報DB)
図1の位置関連情報DB223は、第4格納手段であり、具体的には、位置関連情報を格納する格納手段である。「第4格納手段」とは、対象物の位置を確認した時刻を示す確認時刻情報を格納する手段である。なお、本実施の形態での「時刻」とは、日付を含む時刻であり例えば、「2月20日9時10分」等を示すものとする。
【0048】
図4は、位置関連情報を例示した図である。「位置関連情報」とは、レンタル品が設けられている位置に関する情報であり、例えば、
図4に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。なお、項目「レンタル品ID」は、
図2の同一名称の情報と同様である。
【0049】
項目「位置情報」の情報は、レンタル品の位置を示す位置情報である。この位置情報については、例えば、レンタル品が設けられている棟の名称である棟名(
図4では「A棟」等)、レンタル品が設けられている階数(
図4では、「2階」等)、及びレンタル品が設けられている位置の座標(
図4では、「(x01,y01)」等)が格納されている。なお、ここで用いる座標は任意であるが、例えば、サーバ装置2の記録部22に対して、情報処理システム100が適用される建設対象の建物の図面(例えば、各フロアの平面図等)を示す図面データが記録されていることとし、この図面データが示す図面における所定位置を基準とした直交座標系の座標を用いてもよい。
【0050】
項目「最終位置更新日時情報」の情報は、対象物の位置を確認した時刻を示す確認時刻情報であり、本願では例えば、レンタル品の位置を示す位置情報が最後に更新された日時(つまり、レンタル品の位置を示す位置情報が更新された直近の日時)を示す最終位置更新日時情報である。
【0051】
そして、
図4の最上段に図示されている情報については例えば、「ID001」のレンタル品の直近に確認された位置が「A棟,2階,(x01,y01)」が示す位置であることが示されており、当該レンタル品の位置を示す位置情報が最後に更新された日時(つまり、当該位置を確認した時刻)が「2月20日9時10分」であることが示されている。
【0052】
この
図3の棚卸関連情報は、例えば、後述する巡回処理を実行することにより格納される。
【0053】
(構成‐サーバ装置-制御部)
図1の制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段であり、機能概念的には、例えば、管理部231を備える。管理部231とは、第2格納手段の確認結果情報に基づいて、第1格納手段の在庫状況情報を格納する管理手段であり、第2格納手段の確認結果情報として滅失確認情報が格納されている場合、第1格納手段の在庫状況情報として滅失状況情報を格納する。なお、この制御部23の各部によって行われる処理については、後述する。
【0054】
(処理)
続いて、本実施の形態に係る情報処理システム100によって実行される処理について説明する。例えば、巡回処理、棚卸処理、及び返却処理について説明する。
【0055】
(処理‐巡回処理)
巡回処理について説明する。巡回処理は、情報処理システム100が適用されている建物(つまり、レンタル品が利用されている建物)等を巡回して、レンタル品の位置を確認し、
図4の位置関連情報を格納するための処理である。なお、
図4のレンタル品IDについては、
図2のレンタル品関連情報が格納された場合、当該格納された情報の内のレンタル品IDと同じ情報が自動的に格納されることとする。つまり、
図2の最上段情報が格納された場合に、
図4の「レンタルID」=「ID001」が自動的にコピーされて格納されることとする。
【0056】
概略的には、巡回担当のユーザが、レンタル品の位置を確認するために建物等内を移動し、レンタル品が設けられている位置を確認した場合に、当該位置を示す情報を、自己の端末装置1に入力した場合に、端末装置1が、当該入力された情報をサーバ装置2に送信し、当該送信された情報に基づいて
図4の位置情報及び最終位置更新日情報が格納される。
【0057】
具体的には、端末装置1の記録部15に、サーバ装置2に格納されている図面データ(つまり、建物の各フロアの平面図等のデータ)と同じ図面データが格納されていることし、また、端末装置1においては、公知の手法(例えば、GPS信号を用いる手法、あるいは、建物内の所定位置に設置さている複数のビーコンからの電波を用いる手法等)で、当該図面データが示す図面上において、端末装置1の現在位置を特定可能となっていることとする。
【0058】
ユーザが、レンタル品の近傍に移動し、当該近傍のレンタル品を示す情報(例えば、レンタル品ID、あるいは、品名情報)を端末装置1に入力し、また、現在位置の棟名及び階数を示す情報を入力した上で、所定操作を行った場合に、端末装置1の制御部16は、図面データが示す図面上において、自己の現在位置の座標を特定し、前述の入力された各情報及び特定した座標を示す情報をサーバ装置2に送信する。
【0059】
一方、サーバ装置2の制御部23は、端末装置1からの情報を受信し、また、現在の時刻を任意の手法(例えば、自己の計時手段を用いる手法等)で特定した上で、受信した情報及び特定した時刻に基づいて、
図4の位置情報及び最終位置更新日時情報を格納する。なお、これらの位置情報及び最終位置更新日時情報については、以前の情報が格納されている場合は、上書き保存して更新することにより最新の情報が格納されるようにする。
【0060】
前述の処理を実現する手法は任意であり、例えば、各レンタル品に対して、当該レンタル品自身を示す情報(例えば、レンタル品ID、あるいは、品名情報)を格納する二次元コードを付したり、あるいは、当該情報を格納するRFIDタグ(つまり、近距離無線通信を行う小型端末)を付したりして、二次元コード又はRFIDタグから情報を読み取ることにより、レンタル品を示す情報を端末装置1に入力するように構成してもよいし、あるいは、タッチパッド12を介する操作によりマニュアル入力するように構成してもよい。
【0061】
また、この場合に、ユーザに携帯される端末装置1が存在するフロアを示す図面を図面データに基づいてディスプレイ13に表示し、当該図面上に端末装置1の現在位置を表示したり、あるいは、前回記録されたレンタル品の位置情報を表示したりして、ユーザによる操作を支援してもよい。
【0062】
ここでは、例えば、ユーザが「A棟,2階,(x01,y01)」が示す位置で「ID001」のレンタル品の位置を確認した場合、上述の各処理を行うことにより、
図4の最上段の情報が格納される。これにて、巡回処理の説明を終了する。
【0063】
(処理‐棚卸処理)
棚卸処理について説明する。
図5は、棚卸処理フローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。棚卸処理は、レンタル品の在庫状況を確認するための処理であり、概略的には、サーバ装置2によって実行される処理であり、例えば、
図3の棚卸関連情報を格納し、
図2のマスタ側ステータス情報を適宜更新する処理である。この棚卸処理については、ユーザが、タッチパッド12を介して所定操作を行った場合に、端末装置1がサーバ装置2に対して起動信号を送信し、サーバ装置2が起動信号を受信した場合に起動することとし、処理が起動したところから説明する。
【0064】
ここでは、例えば、
図2のレンタル品関連情報が格納されている場合を提示して説明する。また、
図3の棚卸関連情報については、棚卸処理の起動時には何らの情報も格納されていないこととして以下説明する。
【0065】
===SA1===
図5のSA1においてサーバ装置2の管理部231は、棚卸関連情報を格納する。例えば、
図1のレンタル品関連情報DB221に格納されている
図2のレンタル品関連情報を参照して、「マスタ側ステータス情報」=「使用中」に関連付けられている情報(具体的には、
図2のレンタル品ID~滅失日情報までの組み合わせの情報)を特定し、特定した情報を
図1の棚卸関連情報DB222にコピーして格納し、また、
図3の「棚卸側ステータス情報」としては、初期値として「未確認」を棚卸関連情報DB222に格納する。ここでは、例えば、
図2に図示されているレンタル品関連情報に基づいて、
図3に図示されている棚卸関連情報を格納する。
【0066】
===SA2===
図5のSA2においてサーバ装置2の管理部231は、棚卸管理画面を表示する。
図6~
図10は、棚卸管理画面の表示例である。なお、各図では、選択されている表示用タブが強調表示されている。「棚卸管理画面」とは、レンタル品の棚卸しを管理するための画面であり、例えば、
図6に示す未確認表示用タブT1、確認済表示用タブT2、滅失表示用タブT3、情報表示テーブルT21、及び選択欄T31等が表示されている。なお、未確認表示用タブT1、確認済表示用タブT2、及び滅失表示用タブT3を総称して、「表示用タブ」とも称する。
【0067】
情報表示テーブルT21は、選択された表示用タブに対応する棚卸関連情報及び位置関連情報を表示するための表であり、図面横方向に沿ってレンタル品に関する各情報が並べて表示されている。なお、各図で図示されている情報は例示であり、表示される情報は任意に組み替えてもよい。
【0068】
本実施の形態では、
図6の「棟名」、「階数」、「レンタル品名」、「レンタル会社」、「管理協力会社(1次)」、及び「管理協力会社(2次)」等に対応する欄に、
図4の位置情報の棟名、階数、例えば
図3の品名情報、レンタル会社名情報、管理一次協力会社情報、及び管理二次協力会社情報等に対応する情報が表示される場合を例示して説明する。
【0069】
選択欄T31は、情報表示テーブルT21に表示されている各情報に対応する情報を選択する場合にタップして選択される欄である。
【0070】
未確認表示用タブT1は、当該タブが選択された場合に、
図3の「棚卸側ステータス情報」=「未確認」に関連付けられている情報を情報表示テーブルT21に表示するための画像ボタンである。確認済表示用タブT2は、当該タブが選択された場合に、
図3の「棚卸側ステータス情報」=「確認済」に関連付けられている情報を情報表示テーブルT21に表示するための画像ボタンである。滅失表示用タブT3は、当該タブが選択された場合に、
図3の「棚卸側ステータス情報」=「滅失」に関連付けられている情報を情報表示テーブルT21に表示するための画像ボタンである。
【0071】
図5のSA2の処理について具体的には、棚卸関連情報DB222に現在格納されている棚卸関連情報(つまり、ここでは例えばSA1で格納された棚卸関連情報)に基づいて、棚卸管理画面を表示するための画面情報を生成して、生成した画面情報を端末装置1に送信することにより、端末装置1のディスプレイ13に棚卸管理画面を表示する。
【0072】
具体的には、最初は、
図6の未確認表示用タブT1が選択された場合と同じ棚卸管理画面を表示することとする。詳細には、
図3の棚卸関連情報を参照して、「棚卸側ステータス情報」=「未確認」に関連付けられているレンタル品IDを特定し、
図3の棚卸関連情報及び
図4の位置関連情報を参照して、当該特定したレンタル品IDに関連付けられている各情報を取得し、取得した情報に基づいて、棚卸管理画面を表示するための画面情報を生成して送信する。一方、端末装置1の制御部16は、当該送信された画面情報に基づいて、棚卸画面をディスプレイ13に表示する。
【0073】
ここでは、例えば、
図3の棚卸関連情報を参照して、「棚卸側ステータス情報」=「未確認」に関連付けられている「ID001」~「ID003」を特定し、
図3の棚卸関連情報及び
図4の位置関連情報を参照して、当該特定した「ID001」~「ID003」に関連付けられている情報を取得し、取得した情報に基づいて、
図6の棚卸管理画面を表示するための画面情報を生成して送信することにより、端末装置1に
図6の棚卸管理画面を表示する。
【0074】
なお、この
図6の棚卸管理画面では、ユーザが、タッチパッド12を介して各表示用タブをタップして選択した場合に、端末装置1及びサーバ装置2で通信及び処理行われて、タップされたタブに対応する棚卸管理画面が表示されることになる。
【0075】
<確認済表示用タブT2が選択された場合>
例えば、確認済表示用タブT2がタップして選択された場合、端末装置1が当該タップされた旨をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2の管理部231は、
図3の棚卸関連情報を参照して、「棚卸側ステータス情報」=「確認済」に関連付けられているレンタル品IDを特定し、
図3の棚卸関連情報及び
図4の位置関連情報を参照して、当該特定したレンタル品IDに関連付けられている各情報を取得し、取得した情報に基づいて、棚卸管理画面を表示するための画面情報を生成して送信することにより、当該棚卸管理画面が端末装置1に表示される。なお、この場合の棚卸管理画面を「確認済表示用棚卸管理画面」とも称する。
【0076】
<滅失表示用タブT3が選択された場合>
また、例えば、滅失表示用タブT3がタップして選択された場合、端末装置1が当該タップされた旨をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2の管理部231は、
図3の棚卸関連情報を参照して、「棚卸側ステータス情報」=「滅失」に関連付けられているレンタル品IDを特定し、
図3の棚卸関連情報及び
図4の位置関連情報を参照して、当該特定したレンタル品IDに関連付けられている各情報を取得し、取得した情報に基づいて、棚卸管理画面を表示するための画面情報を生成して送信することにより、当該棚卸管理画面が端末装置1に表示される。なお、この場合の棚卸管理画面を「滅失表示用棚卸管理画面」とも称する。
【0077】
<未確認表示用タブT1が選択された場合>
また、例えば、未確認表示用タブT1がタップして選択された場合、端末装置1が当該タップされた旨をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2の管理部231は、
図3の棚卸関連情報を参照して、「棚卸側ステータス情報」=「未確認」に関連付けられているレンタル品IDを特定し、前述の処理と同様な処理を行うことにより、
図6の棚卸管理画面が端末装置1に表示される。なお、この場合の棚卸管理画面を「未確認表示用棚卸管理画面」とも称する。
【0078】
===SA3===
図5のSA3においてサーバ装置2の管理部231は、棚卸側ステータス情報を更新するか否かを判定する。例えば、棚卸側ステータス情報を「確認済」に変更するための操作(以下、「確認済変更用操作」)、又は、棚卸側ステータス情報を「滅失」に変更するための操作(以下、「滅失変更用操作」)が行われたか否かに基づいて判定する。
【0079】
<確認済変更用操作>
確認済変更用操作は任意であるが、例えば、以下の「第1確認済変更用操作」~「第4確認済変更用操作」の4種類の操作の少なくとも1種類に対応するものと解釈してもよい。
【0080】
第1確認済変更用操作は、例えば、「確認済」へ変更するレンタル品の情報に対応する
図6の棚卸管理画面の選択欄T31を選択した後に、ポップアップされる「確認済ボタン」又は「滅失ボタン」(何れも不図示)の内の「確認済ボタン」をタップする操作である。
【0081】
第2確認済変更用操作は、例えば、「確認済」へ変更するレンタル品に付されている二次元コード(つまり、各レンタル品のレンタルID又は品名情報が格納されているコード)から情報を読み取るための二次元コード読取ボタン(不図示)をタップした後に、端末装置1を用いて実際のレンタル品に付されている二次元コードから情報を読み取る操作である。
【0082】
第3確認済変更用操作は、例えば、「確認済」へ変更するレンタル品に付されているRFIDタグ(つまり、各レンタル品のレンタルID又は品名情報が格納されている端末)から情報を読み取るためのRFIDタグ読取ボタン(不図示)をタップした後に、端末装置1を用いて実際のレンタル品に付されているRFIDタグから情報を読み取る操作である。
【0083】
第4確認済変更用操作は、例えば、「確認済」へ変更する基準となる基準時刻を指定するための操作である。「基準時刻」とは、「確認済」へ変更するか否かの判断基準となる時刻であり、例えば、
図4の最終位置更新日時情報が示す時刻と比較される時刻である。
【0084】
<滅失変更用操作>
確認済変更用操作は任意であるが、例えば、「滅失」へ変更するレンタル品の情報に対応する
図6の棚卸管理画面の選択欄T31を選択した後に、ポップアップされる「確認済ボタン」又は「滅失ボタン」(何れも不図示)の内の「滅失ボタン」をタップする操作である。
【0085】
なお、本実施の形態では、確認済変更用操作が4種類であり、滅失変更用操作が1種類である場合について説明したが、これに限らず、各操作の種類数は任意に変更してもよい。
<処理>
図5のSA3の処理について具体的には、上述の各操作の内の何れかの操作が行われた場合に、当該行われた操作に関する情報が端末装置1からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2が当該情報を受信した場合、棚卸側ステータス情報を更新するものと判定し(SA3のYES)、SA4に移行する。一方、当該情報受信していない場合、棚卸側ステータス情報を更新しないものと判定し(SA3のNO)、SA3を繰り返し実行する。
【0086】
===SA4===
図5のSA4においてサーバ装置2の管理部231は、SA3で行われた操作に基づいて、棚卸側ステータス情報を更新する。
【0087】
<第1確認済変更用操作が行われた場合>
SA3で第1確認済変更用操作が行われた場合、端末装置1は、選択された選択欄T31に対応するレンタル品を示す情報を含む情報をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2の管理部231は、当該情報を受信し、受信した情報が示すレンタル品についての棚卸側ステータス情報を「確認済」に変更して更新する。
【0088】
<第2確認済変更用操作が行われた場合>
SA3で第2確認済変更用操作が行われた場合、端末装置1は、読み取ったレンタル品を示す情報を含む情報をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2の管理部231は、当該情報を受信し、受信した情報が示すレンタル品についての棚卸側ステータス情報を「確認済」に変更して更新する。
【0089】
<第3確認済変更用操作が行われた場合>
SA3で第3確認済変更用操作が行われた場合、第2確認済変更用操作が行われた場合と同様な処理を行う。
【0090】
<第4確認済変更用操作が行われた場合>
図11は、指定画面の表示例である。「指定画面」とは、基準時刻を指定するための画面である。本実施の形態では、所定操作を行った場合に
図11の指定画面が表示され、当該指定画面の入力欄T41に日数を入力することにより、入力された日数に対応する時刻が基準時刻として指定されることとする。
【0091】
SA3の第4確認済変更用操作において、
図11の指定画面の入力欄T41に「5日」を入力した場合に、端末装置1は、当該「5日」を示す情報をサーバ装置2に送信する。
【0092】
一方、サーバ装置2の管理部231は、当該送信された情報を受信し、また、現在の時刻を任意の手法で特定し、特定した時刻よりも「5日」(つまり、受信した情報が示す日数分)だけ過去の時刻を、基準時刻とする。次に、管理部231は、
図4の位置関連情報を参照して、最終位置更新日時情報が示す時刻が、前述の基準時刻よりも後の時刻となっているレンタル品IDを特定し、
図3の棚卸関連情報において、当該特定したレンタル品IDに関連けられている「棚卸用ステータス情報」=「未確認」を「確認済」に変更して格納する。なお、「棚卸用ステータス情報」として既に「滅失」が格納されている場合も想定されるが、この場合は、何等の変更は行わずに、「滅失」のままとする。
【0093】
図12~
図13は、棚卸関連情報を例示した図である。ここでは、例えば、基準時刻が「2月16日9時00分」である場合について説明する。この場合、管理部231は、
図4の位置関連情報を参照して、「2月20日9時10分」及び「2月19日9時00分」が基準時刻よりも後の時刻となっているので、「ID001」及び「ID002」を特定し、
図3の「ID001」及び「ID002」に関連付けられている「未確認」を「確認済」に変更して更新することにより、
図12の棚卸関連情報が格納されることになる。
【0094】
<滅失変更用操作が行われた場合>
SA3で滅失変更用操作が行われた場合、端末装置1は、選択された選択欄T31に対応するレンタル品を示す情報を含む情報をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2の管理部231は、当該情報を受信し、受信した情報が示すレンタル品についての棚卸側ステータス情報を「滅失」に変更して更新する。
【0095】
===SA5===
図5のSA5においてサーバ装置2の管理部231は、棚卸管理画面を表示する。具体的な処理はSA2の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0096】
===SA6===
図5のSA6においてサーバ装置2の管理部231は、棚卸しの結果をレンタル品関連情報に反映するか否かを判定する。そして、
図6等の棚卸管理画面の保存ボタンT52がタップされて操作された場合に、当該操作されたことを示す情報がサーバ装置2に送信され、この場合に反映するものと判定し(SA6のYES)、SA7に移行する。一方、保存ボタンT52がタップされていない場合、反映しないものと判定し(SA6のNO)、SA3に移行して繰り返し前述の各処理を行う。
【0097】
そして、前述の各処理において、例えば、前述したように、
図11の指定画面において「5日」を入力して第4確認済変更用操作を行った場合、
図3の棚卸関連情報が
図12の棚卸関連情報に更新されることになるので、
図6の未確認表示用棚卸管理画面は、「確認済」に変更された情報が削除されて、
図7に示す未確認表示用棚卸管理画面が表示されることになる。また、これらの削除された情報は、確認済表示用タブT2をタップして切り替えた場合に、
図8に示すように、確認済表示用棚卸管理画面に表示されることになる。なお、この場合、
図12において「棚卸側ステータス情報」=「滅失」が格納されていないので、滅失表示用タブT3をタップして切り替えた場合に、
図9に示すように、滅失表示用棚卸管理画面に何らの情報も表示されないことになる。
【0098】
この後、
図7の選択欄T31を選択した後に「滅失ボタン」(不図示)をタップして滅失変更用操作を行った場合、
図12の棚卸関連情報の棚卸ステータス情報が「滅失」に変更されて、
図13の棚卸関連情報に更新されることになるので、
図7の未確認表示用棚卸管理画面は、「滅失」に変更された情報が削除されて、何等の情報も表示されない未確認表示用棚卸管理画面(不図示)が表示されることになる。また、この削除された情報は、滅失表示用タブT3をタップして切り替えた場合に、
図10に示すように、滅失表示用棚卸管理画面に表示されることになる。
【0099】
このように、例えば、
図6の未確認表示用棚卸管理画面に表示されているレンタル品に関して、確認済変更用操作又は滅失変更用操作を行って、各情報の表示を、確認済表示用棚卸管理画面又は滅失表示用棚卸管理画面に移動させて、棚卸しを行うことが可能となる。また、各画面を切り替えて表示することにより確認結果を把握することが可能となる。
【0100】
===SA7===
図5のSA7においてサーバ装置2の管理部231は、棚卸しの結果をレンタル品関連情報に反映する。具体的には、棚卸関連情報の「棚卸側ステータス情報」=「滅失」を、レンタル品関連情報の「マスタ側ステータス情報」=「滅失」に反映する。
【0101】
詳細には、
図1の棚卸関連情報DB222に現在格納されている棚卸関連情報を参照して、「棚卸側ステータス情報」=「滅失」に関連付けるレンタル品IDを特定し、
図2のレンタル品関連情報において、当該特定したレンタル品IDに関連付けられているマスタ側ステータス情報として、「滅失」を上書き保存して更新することにより反映する。
【0102】
図14は、レンタル品関連情報を例示した図である。ここは、例えば、
図1の棚卸関連情報DB222に
図13の棚卸関連情報が格納されている場合、管理部231は、この棚卸関連情報を参照して、「棚卸側ステータス情報」=「滅失」に関連付けるレンタル品IDとして「ID003」を特定し、
図2のレンタル品関連情報において、「ID003」に関連付けられているマスタ側ステータス情報として「滅失」を格納することにより、
図14に示すように更新して反映する。なお、この場合、管理部231は、現在の日付として「2月21日」を特定して、特定した「2月21日」を
図14に示すように滅失日情報として格納する。
【0103】
このような処理を行うことにより、棚卸しを行って
図13等の「棚卸側ステータス情報」としての「滅失」のみがレンタル品関連情報に反映されることになる。これにて、棚卸処理の説明を終了する。
【0104】
(処理‐返却処理)
返却処理について説明する。返却処理は、レンタル品を返却するための処理である。例えば、ユーザが端末装置1を介して、レンタル会社に対して返却する対象となるレンタル品を示す情報(例えば、レンタル品ID又は品名情報)を入力してサーバ装置2に送信した場合、サーバ装置2の管理部231は、前述の情報を受信し、
図2等のレンタル品関連情報において、当該受信した情報が示すレンタル品の情報に関連付けられているマスタ側ステータス情報として「返却」を上書き保存することにより格納する。
【0105】
なお、この場合、管理部231が、ユーザから入力された情報に基づいて、レンタル会社に対してレンタル品の引き取り場所を示す図面、及び返却すること通知するメッセージ等をレンタル会社側に送信するように構成してもよい。これにて、返却処理の説明を終了する。
【0106】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、棚卸関連情報DB222の棚卸側ステータス情報として「滅失」が格納されている場合、レンタル品関連情報DB221のマスタ側ステータス情報として「滅失」を格納することにより、例えば、滅失したことを示す確認結果を反映することができるので、レンタル品を適切に管理することが可能となる。
【0107】
また、返却することを示す情報がサーバ装置2に入力された場合に、レンタル品関連情報DB221のマスタ側ステータス情報として「返却」を格納することにより、例えば、レンタル品が返却されたことを反映することができるので、レンタル品を適切に管理することが可能となる。
【0108】
また、位置関連情報DB223の最終位置更新日時情報が示す時刻が、ユーザに指定された時刻よりも後の時刻である場合に、位置が確認されたレンタル品について棚卸関連情報DB222の棚卸側ステータス情報として「確認済」を格納することにより、例えば、ユーザに指定された時刻を基準にして、一括で「確認済」を格納することができるので、レンタル品を適切且つ容易に管理することが可能となる。
【0109】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(棚卸関連情報について)
図5の棚卸処理のSA7で反映した後に、
図1の棚卸関連情報DB222の棚卸関連情報を消去するように構成してもよい。また、当該反映を行わずに、棚卸処理を一旦停止し、後の任意のタイミングで停止したところが処理を開始するように構成してもよい。
(情報の出力)
また、
図1の各DBに格納されている情報を出力するように構成してもよい。例えば、
図6の出力ボタンT51がタップされた場合に、サーバ装置2の管理部231が、
図1の棚卸関連情報DB222及び位置関連情報DB223の各情報を取得して、取得した情報を任意の形式(例えば、カンマ区切りの形式等)で出力するように構成してもよい。また、レンタル品関連情報を出力するための所定操作が行われた場合に、サーバ装置2の管理部231が、
図1のレンタル品関連情報DB221の情報を取得して、取得した情報を任意の形式(例えば、カンマ区切りの形式等)で出力するように構成してもよい。
【0110】
(多重下請け構造について)
上記実施の形態において、建築分野における多重下請け構造に対応する処理を実行するように構成してもよい。
図15は、多重下請け構造を例示した図である。この
図15の多重下請け構造を例示して説明する。
【0111】
図1のサーバ装置2の記録部22に、下請構造情報DB(不図示)を設ける。「下請構造情報DB」は、第3格納手段であり、下請構造情報を格納する手段である。「第3格納手段」とは、レンタル会社から貸与された対象物を更に貸与する対象の候補となる事業者を示す候補事業者情報が格納される手段である。
【0112】
図16は、下請構造情報を例示した図である。「下請構造情報」とは、レンタル品から対象物を貸与される元請会社を基準とした多重下請け構造を示す情報であり、例えば、元請会社によって対象物を直接的に又は間接的に更に貸与する対象の候補となる事業者を示す候補事業者情報等を示す情報であり、例えば、
図16に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0113】
項目「元請会社情報」の情報は、元請会社を特定する元請会社情報である(
図16では、
図15の「〇〇工務店」(つまり、レンタル会社からレンタル品が貸与される元請会社))。項目「一次下請け事業者情報」に対応する情報は、元請会社情報で特定される元請会社の直接の下請け事業者である一次下請け事業者を特定する一次下請け事業者情報である(
図16では、
図15の「A建設」等)。項目「二次下請け事業者情報」に対応する情報は、一次下請け事業者情報で特定される一次下請け事業者の直接の下請け事業者である二次下請け事業者を特定する二次下請け事業者情報である(
図16では、
図15の「A1建設」等)。
【0114】
なお、この下請構造情報については、元請会社を基準とした多重下請け構造の各層における下請け事業者と、当該多重下請け構造とが示されており、また、管理者等が入力した情報に基づいて格納されることとする。また、一次下請け事業者情報及び二次下請け事業者情報が、「候補事業者情報」に対応するものと解釈してもよい。
【0115】
この
図16の下請構造情報に基づいて、
図2の管理一次協力会社情報及び管理二次協力会社情報を格納するように構成してもよい。
図17は、レンタル品登録用画面の表示例である。「レンタル品登録用画面」とは、
図2のレンタル品関連情報を格納するための画面であり、例えば、各情報を入力するための入力欄が表示されており、特に、
図2の管理一次協力会社情報及び管理二次協力会社情報を入力するための入力欄T91、T92が表示されている画面である。
【0116】
例えば、
図2のレンタル品関連情報を登録して格納する場合に、管理部231が、
図17のレンタル品登録用画面を端末装置1のディスプレイ13に表示する。一方、ユーザが、管理一次協力会社情報を入力するために、入力欄T91をタッチパッド12を介してタップした場合に、当該タップされたことを示す情報がサーバ装置2に送信され、管理部231は、
図16の下請構造情報を参照して、「一次下請け事業者情報」=「A建設」及び「B建設」等を特定し、当該特定した「A建設」及び「B建設」を端末装置1に送信してリスト表示する。そして、ユーザが、「A建設」をタップして選択した場合に、当該選択された「A建設」を示す情報がサーバに送信され、管理部231は、
図2の「管理一次協力会社情報」として「A建設」を格納する。
【0117】
この後、ユーザが、管理二次協力会社情報(前述の格納された「A建設」の下請け事業者の情報)を入力するために、
図17の入力欄T92をタップした場合に、当該タップされたことを示す情報がサーバ装置2に送信され、管理部231は、
図2の前述の格納された「管理一次協力会社情報」=「A建設」を特定し、
図16の下請構造情報を参照して、当該特定した「A建設」に関連付けられている「二次下請け事業者情報」=「A1建設」及び「A2建設」等を特定し、当該特定した「A1建設」及び「A2建設」を端末装置1に送信してリスト表示する。そして、ユーザが、「A1建設」をタップして選択した場合に、当該選択された「A1建設」を示す情報がサーバに送信され、管理部231は、
図2の「管理二次協力会社情報」として「A1建設」を格納する。
【0118】
このような処理を行うことにより、多重下請け構造に対応する情報を格納することが可能となる。
【0119】
このように構成することにより、不図示の下請構造情報DBの一次下請け事業者情報及び二次下請け事業者情報(
図16)に基づいて、レンタル品を貸与する対象の事業者を示す管理一次協力会社情報及び管理二次協力会社情報(
図2)を格納することにより、例えば、適切な情報を容易に格納することができるので、レンタル品を適切且つ容易に管理することが可能となる。
【0120】
また、不図示の下請構造情報DBの一次下請け事業者情報及び二次下請け事業者情報(
図16)に基づいて、多重下請け構造に対応する管理一次協力会社情報及び管理二次協力会社情報(
図2)を格納することにより、例えば、多重下請け構造に対応する適切な情報を容易に格納することができるので、レンタル品を適切且つ容易に管理することが可能となる。
【0121】
(その他)
その他の特徴を適用してもよい。例えば、
図2のマスタ側ステータス情報として、実施の形態で説明した各情報に加えて、元請会社への返却リクエスト中というステータスを示す情報を格納するように構成してもよい。
【0122】
また、例えば、レンタル品のレンタル日数と単価を示す情報を格納し、これらの情報を利用することによりレンタル費用を算出するように構成してもよい。また、下請け事業者への貸出についても費用を算出するように構成してもよい。
【0123】
また、例えば、レンタル品の下請け事業者への貸出管理においては、貸出期間を付与するように構成してもよい。このように構成し、貸出期間を過ぎたレンタル品については、下請け事業者への貸出を終了し元請会社へ返却するように構成してもよいし、あるいは、自動的にレンタル会社に返却メールを送信するように構成してもよい。
【0124】
また、例えば、レンタル品の位置情報を定期的にユーザに通知する機能や、一定期間位置情報の更新が無い在庫品をユーザに通知する機能を設けてもよい。
【0125】
また、例えば、Eメールによる返却引取依頼を行うように構成してもよいが、SMS(つまり、テキストによるショートメッセージ)や音声メッセージによる返却引取依頼を行うように構成してもよい。
【0126】
また、例えば、レンタル会社側の情報との連携をとるように構成してもよい。例えば、
図2のマスタ側ステータス情報が「返却」となっているレンタル品に関して、レンタル会社側でも「返却」となっていることを確認する処理を行うように構成してもよい。
【0127】
また、例えば、レンタル品の予約状況に応じて
図2又は
図3の各ステータス情報を変更するように構成してもよい。例えば、所定期間以上予約されていない場合、ステータスを「滅失」に変更してもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 端末装置
2 サーバ装置
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 カメラ
15 記録部
16 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
100 情報処理システム
221 レンタル品関連情報DB
222 棚卸関連情報DB
223 位置関連情報DB
231 管理部
T1 未確認表示用タブ
T2 確認済表示用タブ
T3 滅失表示用タブ
T21 情報表示テーブル
T31 選択欄
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T51 出力ボタン
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