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特開2022-191596遊技情報表示装置、並びに、遊技場用システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191596
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置、並びに、遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
A63F7/02 350B
A63F7/02 350A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099907
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】大川 将生
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC52
2C088CA28
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】遊技場で行われる異常時の対応作業を簡易化可能な遊技情報表示装置、並びに、遊技場用システムを提供する。
【解決手段】遊技機2を設置する遊技機島に取り付けられ、対応付けられた遊技機2の遊技に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置1において、遊技情報を表示する通常モードと、異常対応モードを実行可能とする。そして、異常対応モードでは、遊技機と、遊技機島と、遊技機島に取り付けられる外部設備の少なくともいずれかで生じた異常に関する異常情報を表示する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機を設置する遊技機島に取り付けられ、対応付けられた前記遊技機の遊技に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置であって、
前記遊技情報を表示する通常モードと、異常対応モードを実行可能であり、
前記異常対応モードでは、前記遊技機と、前記遊技機島と、前記遊技機島に取り付けられる外部設備の少なくともいずれかで生じた異常に関する異常情報を表示することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記異常情報には、前記異常を解消する作業の作業内容を示す情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記異常情報は、前記遊技機で使用可能な遊技媒体の搬送、貯留、研磨、清掃、又は紙幣の搬送の少なくともいずれかで使用する設備で生じた異常に関する情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置。
【請求項4】
認証操作を受け付ける認証受付手段を有し、認証操作が受け付けられたことを条件として、前記異常対応モードに移行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技情報表示装置。
【請求項5】
前記異常対応モードの実行前及び/又は実行中に、前記遊技機島又は前記外部設備に配された制御機器から発信された信号を受信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技情報表示装置。
【請求項6】
遊技情報表示装置と、遊技機を設置する遊技機島とを備えた遊技場用システムであって、
前記遊技情報表示装置は、前記遊技機島に取り付けられ、対応付けられた前記遊技機の遊技に関する遊技情報を表示するものであり、
前記遊技情報表示装置は、前記遊技情報を表示する通常モードと、異常対応モードを実行可能であり、
前記異常対応モードでは、前記遊技機島と、前記遊技機島に取り付けられた外部設備の少なくともいずれかで生じた異常に関する異常情報を表示することを特徴とする遊技場用システム。
【請求項7】
前記遊技機島の外部に設置される制御装置を有し、
前記遊技情報表示装置は、前記制御装置による移行許可動作が実行されることで、前記異常対応モードへの移行が可能となるものであり、
前記異常が発生したとき、前記制御装置は、前記異常の発生場所に近接する前記遊技情報表示装置を特定する特定動作を実施し、特定した前記遊技情報表示装置に対して前記移行許可動作を実行することを特徴とする請求項6に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象となる遊技機を使用した遊技に関する情報を表示する遊技情報表示装置に関する。また、そのような遊技情報表示装置を使用した遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ぱちんこ機やスロット機等の遊技機が設置されている遊技場では、一般的に、所謂データランプ、呼出ランプ等と称される遊技情報表示装置が設けられている。このような遊技情報表示装置は、対応する遊技機に関する遊技情報を遊技者に対して表示するものである。
例えば、このような遊技情報表示装置として、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
また一方で、遊技場では、遊技機島と称される構造物が構築されている。そして、この遊技機島には、遊技情報表示装置や遊技機が設置されると共に、設置された遊技機への遊技媒体の供給や、遊技機からの遊技媒体の回収を可能とする設備や、遊技客が投入した紙幣を島端に搬送する紙幣搬送装置等が内蔵されている。
【0004】
ここで、遊技機島に内蔵された設備において、故障や遊技媒体の詰まり(球詰まり)等の異常が発生すると、遊技者が円滑に遊技できなくなるといった重大な問題につながることがある。そこで、遊技場を運営するに当たり、このような異常をいち早く検知し、メンテナンス作業を行う必要がある。
【0005】
したがって、遊技場では、一般的に、場内に配列された複数の遊技機島のどこにどのような異常が生じたかを表示する装置が使用されている。
このような装置として、例えば、特許文献2に開示された遊技設備監視システム(異常表示装置)がある。
【0006】
この異常表示装置は、異常の発生位置と、異常の内容を表示する装置であり、場内の壁面や管理室に設置された表示装置に異常の発生状況を表示する。すなわち、この異常表示装置は、異常の発生位置から遠く離れた場所で異常の内容を把握するための装置である。
【0007】
このような装置を採用することで、遊技場では、管理者(店長)が管理室でコンピュータ(所謂ホールコンピュータ)を目視したり、遊技場内を巡回する従業員が壁面のモニターを目視したりすることで、異常の発生を確認することができる。
そして、無線機等で管理者からの指示を受けた従業員、又は、モニターを目視した従業員が異常の発生位置に駆けつけ、異常を解消するメンテナンス作業を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-084208号公報
【特許文献2】特許第4756612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、従業員がメンテナンス作業を実行するとき、異常が生じた機器の取扱説明書や、同機器に関する情報を表示可能なタブレット端末、ノートPCを持って異常の発生位置に駆けつけ、メンテナンスを行う場合がある。
また、機器の情報を表示可能なデスクトップPCを使用し、デスクトップPCで機器の情報を確認後、異常の発生位置に駆けつけ、メンテナンスを行う場合もある。
【0010】
ここで、取扱説明書やタブレット端末、ノートPC等は、遊技場内で働く従業員が常時持ち歩くものではなく、保管場所に取りに行き、その後に異常の発生位置に駆けつけるため、手間がかかる。
しかしながら、これら取扱説明書、タブレット端末、ノートPC等を異常の発生に備えて常時持ち歩くことは、かさばって通常業務の邪魔になるので、現実的ではない。また、タブレット端末、ノートPCの場合、多人数の従業員にそれぞれ貸与すると、初期導入費用が嵩んでしまうという問題もある。
【0011】
さらに、取扱説明書には、通常、メンテナンス作業に必要な内容以外の事項も多く記載されており、作業にするに当たってどのページのどの項目を確認すればよいか判断するためには、従業員にある程度の経験を要する。
【0012】
デスクトップPCで作業内容を確認する場合も同様に、デスクトップPCの設置場所に向かった後、異常の発生位置に駆けつける必要があり、手間がかかる。この場合、メンテナンス作業中に疑問点が生じる等して表示内容を再度確認したいとき、デスクトップPCの設置場所に再度向かい、デスクトップPCの設置場所と作業場所を往復する必要がある。このため、経験の浅い従業員が作業を行う場合、さらに手間がかかる可能性がある。
【0013】
そこで、本発明は、遊技場で行われる異常時の対応作業を簡易化可能な遊技情報表示装置、並びに、遊技場用システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、遊技機を設置する遊技機島に取り付けられ、対応付けられた前記遊技機の遊技に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置であって、前記遊技情報を表示する通常モードと、異常対応モードを実行可能であり、前記異常対応モードでは、前記遊技機と、前記遊技機島と、前記遊技機島に取り付けられる外部設備の少なくともいずれかで生じた異常に関する異常情報を表示することを特徴とする遊技情報表示装置である。
【0015】
本発明の遊技情報表示装置は、遊技機島に取り付けられた状態で、遊技場の客に対して遊技情報を表示する通常の動作の他、遊技機島で生じた異常、又は遊技機島の外部に連結された設備で生じた異常に関する情報である異常情報の表示が可能となっている。
このため、遊技機島で異常が発生したとき、遊技場の従業員は、異常が発生した場所に直接駆けつけ、近くの遊技情報表示装置で異常に関する情報を確認できる。つまり、取扱説明書等を保管場所に取りに行ったりする必要がなく、異常への対応作業を迅速且つ簡単に行うことができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記異常情報には、前記異常を解消する作業の作業内容を示す情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置である。
【0017】
かかる構成では、遊技場の従業員が異常を解消する作業を行うとき、表示される内容を参照しつつ作業ができるので、経験の浅い従業員であっても異常への対応作業が容易である。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記異常情報は、前記遊技機で使用可能な遊技媒体の搬送、貯留、研磨、清掃、又は紙幣の搬送の少なくともいずれかで使用する設備で生じた異常に関する情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置である。
【0019】
かかる構成では、遊技媒体の搬送、貯留、研磨、清掃をするための設備に異常が生じたとき、迅速に異常の解消が可能である。
【0020】
請求項4に記載の発明は、認証操作を受け付ける認証受付手段を有し、認証操作が受け付けられたことを条件として、前記異常対応モードに移行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技情報表示装置である。
【0021】
かかる構成よると、例えばパスワード入力のような認証操作を行った者が、遊技情報表示装置を異常対応モードに移行させることができる。このため、遊技場に来場した客のいいかげんな操作により、偶発的に異常対応モードに移行してしまうといった、意図しない異常対応モードへの移行を防止できる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、前記異常対応モードの実行前及び/又は実行中に、前記遊技機島又は前記外部設備に配された制御機器から発信された信号を受信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技情報表示装置である。
【0023】
かかる構成では、外部のコンピュータ等を使用することなく、前記遊技機島内の設備から異常対応モードで表示する異常に関する情報を取得できる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、遊技情報表示装置と、遊技機を設置する遊技機島とを備えた遊技場用システムであって、前記遊技情報表示装置は、前記遊技機島に取り付けられ、対応付けられた前記遊技機の遊技に関する遊技情報を表示するものであり、前記遊技情報表示装置は、前記遊技情報を表示する通常モードと、異常対応モードを実行可能であり、前記異常対応モードでは、前記遊技機島と、前記遊技機島に取り付けられた外部設備の少なくともいずれかで生じた異常に関する異常情報を表示することを特徴とする遊技場用システムである。
【0025】
本発明の遊技場用システムにおいても、遊技場の従業員が異常の発生場所に直接駆けつけ、近くの遊技情報表示装置で異常に関する情報を確認しつつ対応作業が可能であるので、異常への対応作業を迅速且つ簡単に行うことができる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、前記遊技機島の外部に設置される制御装置を有し、前記遊技情報表示装置は、前記制御装置による移行許可動作が実行されることで、前記異常対応モードへの移行が可能となるものであり、前記異常が発生したとき、前記制御装置は、前記異常の発生場所に近接する前記遊技情報表示装置を特定する特定動作を実施し、特定した前記遊技情報表示装置に対して前記移行許可動作を実行することを特徴とする請求項6に記載の遊技場用システムである。
【0027】
かかる構成によると、遊技場用システムが異常の発生場所に近接する遊技情報表示装置を特定し、特定した遊技情報表示装置に異常対応モードへの移行を許可する。このため、従業員が駆けつけたとき、どの遊技情報表示装置を使用して作業を行えばよいか簡単に把握できるので、好ましい。
【0028】
本発明に関連する発明は、上記した遊技情報表示装置において、複数の発光パターンで発光動作が可能な発光手段を有し、前記異常対応モードの実行前及び/又は実行中に、複数の発光パターンの一つであって他とは異なる発光パターンで前記発光動作を実行することである。
【0029】
この関連発明は、異常対応モードの実行前や実行中に、他の動作等で実行される発光動作とは異なる独自の発光動作を実行する。このことにより、遊技場の従業員は、遠く離れた位置から異常対応モードの実行前や実行中であることを確認できる。
すなわち、遊技場の従業員が異常対応モードの実行前であることを確認した場合、従業員は、独自の発光動作が実行されている遊技情報表示装置の近くにすぐに向かえばよいことが分かる。
また、遊技場の従業員が異常対応モードの実行中であることを確認した場合、従業員は、異常報知動作が実施されている遊技情報表示装置の近くで他の従業員による異常対応の作業が行われていることが分かる。すなわち、自身が異常の発生場所に向かわなくてもよいことが分かる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、遊技場で行われる異常時の対応作業を簡易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係るデータランプを遊技機島に取り付けた様子を示す説明図である。
図2図1のデータランプを示す正面図であり、通常モードを実行している様子を示す。
図3図1のデータランプのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図1の遊技機島の主要な内部設備を示す説明図である。
図5図1の遊技機島の要部を模式的に示す説明図であり、内部設備及び通信用配線を透過して示す。
図6図1のデータランプを異常対応モードに移行させる様子を示す説明図であり、従業員用リモコンを操作してメンテナンス画面を表示させる様子を示す。
図7図1とは別の遊技機島を示す図であり、内部設備の一部を示す説明図である。
図8図1の遊技機島と他の遊技機島との間に、島間搬送流路を設けた状態を示す説明図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る遊技場用システムを模式的に示す説明図である。
図10図9とは異なる実施形態に係る遊技場用システムを模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態に係るデータランプ1(遊技情報表示装置)について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0033】
本実施形態のデータランプ1は、図1で示されるように、遊技機2を設置した遊技機島3に取り付けて使用するものである。
なお、遊技機2は、ぱちんこ機であり、遊技球(遊技媒体)を使用した遊技が可能な弾球遊技機である。
【0034】
データランプ1は、図2で示されるように、表示部10と、ランプ部11(発光手段)と、呼出ボタン12、操作ボタン13とを有する。
【0035】
表示部10は、各種情報を所定のレイアウトでフルカラー表示が可能な液晶パネルと、使用者の指が触れた位置を検出するタッチパネルとを備えており、これらが重なった状態で配置された構造となっている。
すなわち、文字、数字、記号、図形、グラフ、表、絵柄又はその他の符号を適宜な位置に多種の表示色で表示可能なものである。そして、情報入力手段として機能するタッチパネルにより、各種操作が可能となっている。
【0036】
ランプ部11は、LEDや電球等の発光源の周囲にカバーを配して形成され、各発光源の点灯、消灯、点滅が可能となっていることから、複数種類の発光パターンで発光動作を実行可能となっている。
【0037】
例を挙げると、第一の発光パターンでは、全ての発光源を同一の点灯周期で点滅させ、第二の発光パターンでは、一部の発光源を消灯させたまま残りの発光源を点灯させる。そして、第三の発光パターンでは、一部の発光源と他の発光源がそれぞれ異なる点灯周期で点滅する、といった具合である。
【0038】
呼出ボタン12は、従業員の呼出動作を実行させる際に、所定の発光パターンでランプ部11を発光させる発光動作を伴う動作に使用する。
操作ボタン13は、情報表示動作(詳しくは後述する)を実行させる際に、押下するボタンである。
【0039】
続いて、このデータランプ1の構成について、さらに詳細に説明する。
【0040】
データランプ1は、図3で示されるように、制御部として、CPU23、ROM24、RAM25、I/O26を有するマイクロコンピュータを備えている。加えて、使用者の操作を受け付ける入力部として、上記した呼出ボタン12、操作ボタン13と、表示部10のタッチパネル部分を有している。また、制御部での処理の結果を出力する出力部として、上記した表示部10(液晶パネル部分)と、ランプ部11に加えて、スピーカ部28を有する。
また、データランプ1は、外部機器との間で信号(情報)の送受信を行うインターフェースである外部入出力部31を有している。
そして、これらがシステムバスのようなデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を実施することが可能となっている。
【0041】
CPU23は、各種演算処理を実行する中央演算装置である。
ROM24は、主メモリとして機能する情報記憶媒体(情報記憶手段)であり、RAM25は、データランプ1が各種動作(詳しくは後述する)を実行するための各種データを一時記憶する情報記憶媒体である。
すなわち、本実施形態のデータランプ1は、ROM24に記憶されたプログラムに基づいて、各種動作を実行する。
【0042】
外部入出力部31には、信号を送受信可能に接続する外部機器のそれぞれと信号を送受信するためのポートが含まれる。
なお、ここでいう外部機器としては、遊技機2、外部の管理コンピュータ(所謂ホールコンピュータ)、外部の管理コンピュータとの間に介在する中継器(所謂島コンピュータ等)、遊技機島3に取り付けられる付属機器(所謂島端ランプ等、図示しない)である。
【0043】
この外部入出力部31には、従業員が携帯する従業員用リモコン61(図6参照)から送信される信号を受信可能なリモコン受信部32(認証受付手段)と、異常対応モード(詳しくは後述する)の実行時に使用する配線接続部33が含まれる。
この配線接続部33は、データランプ1の筐体に形成される配線の差込口(図示しない)含んで形成されている。
【0044】
データランプ1は、下方に位置する遊技機2(図1参照)と対応付けられており、対応付けられた遊技機2から出力される信号を受信可能となっている。
そして、データランプ1では、対応付けられた遊技機2から出力される外部出力信号を集計しつつ、集計によって得られた遊技の履歴に関する情報(遊技情報)を履歴データとしてRAM25に記憶することが可能となっている。
【0045】
遊技機島3は、図1で示されるように、一部が外部に露出する設備である台間機器7を有する。
本実施形態では、台間機器7として、遊技媒体貸出機(本実施形態では玉貸機)を採用し、隣接配置される遊技機2に対応付けている。この遊技媒体貸出機は、遊技機島3の内部設備である紙幣搬送装置35(現金搬送手段、図4等参照)と連結される装置である。なお、作図の都合上、紙幣搬送装置35は模式的に示す。
【0046】
紙幣搬送装置35は、遊技機島3の長手方向に沿って延設され、長手方向の一端側が外付け金庫36の内部に位置している。すなわち、紙幣搬送装置35は、遊技機島3の内部空間から妻板に形成された貫通孔(図示しない)内を経て、外付け金庫36の内部に至るように設けられている。
この紙幣搬送装置35は、台間機器7から送られた紙幣が導入される導入部と、搬送コンベアや、搬送管及び送風機を有する空気流式の搬送装置によって構成される搬送部を有する。そして、台間機器7から導入された紙幣を外付け金庫36まで搬送する紙幣搬送動作が可能である。
なお、外付け金庫36は、遊技機島3の2つの妻板の一方に取り付けられ、内部に紙幣を収容する紙幣収容部(図示しない)を備えた金庫である。
【0047】
遊技機島3は、遊技機2に対して遊技球の供給、回収が可能であり、図4で示されるように、遊技機2を経て遊技球を循環させる循環流路40が形成されている。
【0048】
具体的には、遊技球の搬送用の内部設備として、図4で示されるように、補給レール42、オーバーフローレール44、球抜きホース45、オーバーフローホース46、アウトレール47を有する。
また、遊技球の貯留用の内部設備として、島中タンク48と島上タンク49を有する。
さらに、遊技球の研磨及び揚送用(搬送用)の内部設備として、研磨機ユニット50を有する。
【0049】
補給レール42は、遊技球を自重によって流下させる樋部材であり、遊技機2に供給する遊技球の供給流路(搬送路)を形成する。この補給レール42は、上流側が島上タンク49と連結されると共に、下流側に球抜きホース45が連結されている。そして、下流側が低位置となるように傾斜した姿勢で、島の長手方向に沿って延びている。
なお、補給レール42には、延び方向の中途部分に補給シュート43が取り付けられている。補給シュート43は、補給レール42から枝分かれして延びる搬送路を形成する部材である。すなわち、それぞれの遊技機2や、遊技機2に対応付けられた台間機器7(遊技媒体貸出機であり、図1参照)に遊技球を供給する分岐流路を形成する。
【0050】
オーバーフローレール44は、遊技球を自重によって流下させる樋部材であり、島上タンク49から流出する遊技球の搬送路を形成し、下流側にオーバーフローホース46が連結され、下流側が低位置となるように傾斜した姿勢で、島の長手方向に延びている。
【0051】
球抜きホース45とオーバーフローホース46は、いずれも遊技球を下方へ向かって搬送させる搬送路を形成する。これらは、補給レール42、オーバーフローレール44との連結部分から垂下され、上下方向に延びており、アウトレール47や島中タンク48に対して遊技球を流出させる。
【0052】
アウトレール47は、遊技機2からアウトボックス(図示しない)を介して排出される遊技球(所謂アウト球)や、島中タンク48から流出する遊技球を自重によって流下させる樋部材である。このアウトレール47は、遊技機2よりも低位置に配されており、研磨機ユニット50に向かって遊技球を流動させる回収流路を形成する。
また、上記したアウトボックス(図示しない)は、遊技機島3の内部設備であり、遊技機2から排出された遊技球を一時的に滞留させ、その後にアウトレール47に排出する箱状(皿状)の部材である。
【0053】
島中タンク48は、導入された遊技球の一時貯留手段として機能する箱状の部材であり、遊技機2(図4で図示しない)の下方側であって、研磨機ユニット50の本体部分から水平方向に離れた位置に配される。この島中タンク48には、遊技機2からアウトボックス(図示しない)を介して排出される遊技球や、球抜きホース45、オーバーフローホース46から流出する遊技球が導入される。また、島中タンク48は、内部の遊技球をアウトレール47に対して流出させる。
【0054】
島上タンク49もまた、導入された遊技球の一時貯留手段として機能する箱状の部材である。そして、遊技機2(図4で図示しない)よりも上側であり、研磨機ユニット50の本体部分から上方に離れた位置に配されている。
この島上タンク49には、揚送流路50b(詳しくは後述する)の下流側部分が連結され、揚送流路50bを通過した遊技球が内部に導入される。また、補給レール42、オーバーフローレール44のそれぞれに対して内部の遊技球を流出させるものであり、補給レール42に優先的に遊技球を流出させる。具体的には、島上タンク49の内部に一定以上の遊技球が貯留され、補給レール42に遊技球を流出させることができない状態であるとき、オーバーフローレール44に遊技球が流出される。
【0055】
研磨機ユニット50は、外郭部材の内部に研磨揚送装置50aを収容して形成される本体部分と、外郭部材の上側に固定されて上下方向に延びる柱状部材と、この柱状部材に支持される揚送流路50bを有している。
【0056】
研磨揚送装置50aは、外部から導入された遊技球を布部材で磨く動作を実施する研磨装置と、磨かれた遊技球を上方へ揚送する揚送装置とが一体に形成された(又はそれぞれ別に形成されて連結された)装置である。
揚送流路50bは、研磨揚送装置50aによって揚送される遊技球が通過する流路であり、下方に位置する上流側部分が研磨揚送装置50aに連結され、上方に位置する下流側部分が島上タンク49に連結される。
【0057】
ここで、本実施形態の研磨機ユニット50は、研磨機ユニット50の各種動作を制御する制御基板55を有している。この制御基板55は、マイクロコンピュータを有しており、各種演算、情報の記憶、外部機器との信号の送受信が可能となっている。
【0058】
また、本実施形態では、上記した循環流路40のうち、島中タンク48と島上タンク49、補給レール42、研磨揚送装置50aが図示しないセンサ部材(検知手段)を備えており、それぞれ遊技球の貯留量と、遊技球の流出口近傍における遊技球の流量(球詰まりの有無)を検知可能となっている。
【0059】
そして、循環流路40に設けられた各センサ部材は、制御基板55に対して信号の送信が可能であり、制御基板55は、各部における遊技球の循環に係る情報を取得可能となっている。
【0060】
続いて、本実施形態のデータランプ1が実行可能な動作について説明する。
【0061】
本実施形態のデータランプ1は、動作モードの切り替えが可能であり、通常モードと異常対応モードのそれぞれを選択的に実行する。
【0062】
通常モードでは、遊技情報表示動作、上記した呼出動作、不正報知動作、遊技状態報知動作が実行可能となっている。
【0063】
遊技情報表示動作は、対応付けられた遊技機2の遊技情報(遊技の履歴に関する情報)を表示部10に表示させる動作であり、操作ボタン13が押下されるごとに表示内容の切り替えが実行される。例えば、当日の稼働状況に関する情報が表示されている状態で操作ボタン13を押下すると、前日の稼働状況に関する情報が表示されるといった具合である。
【0064】
不正報知動作は、対応する遊技機2で使用者による不正行為が行われたことを報知する動作であり、遊技機2から発信された信号に基いて自動的に実行される動作である。この不正報知動作は、所定の発光パターンでランプ部11を発光させる動作を伴う。
【0065】
遊技状態報知動作は、対応する遊技機2で所定の遊技状態(例えば、大当たり状態や時短状態)となったことを報知する動作であり、遊技機2から発信された信号に基いて自動的に実行される動作である。この遊技状態報知動作もまた、不正報知動作とは別の、所定の発光パターンでランプ部11を発光させる動作を伴う。
【0066】
ここで、図5で示されるように、遊技機島3に取り付けられた複数のデータランプ1の少なくとも一つと、研磨機ユニット50の制御基板55とが通信用配線60を介して接続され、相互に信号の送受信が可能な状態となっている。
詳細には、本実施形態では、制御基板55に最も近い位置に取り付けられたデータランプ1a(図1図5参照)の配線接続部33(図3参照)に通信用配線60の一端側が接続され、制御基板55のコネクタに通信用配線60の他端側が接続されている。
【0067】
そして、データランプ1が通常モードであるとき、図6で示されるように、従業員用リモコン61で所定の操作(認証操作)を実行することで、データランプ1のリモコン受信部32(図3参照)が信号を受信し、表示部10で表示される画面が切り替わり、異常対応モードとしてメンテナンス画面70が表示される。
【0068】
メンテナンス画面70は、遊技機島3で発生した異常に関する情報を表示する画面であり、本実施形態では、循環流路40を構成する複数の内部設備の各部で発生した異常に関する情報(異常情報)を表示する。
すなわち、制御基板55は、上記したように、循環流路40の各部における遊技球の循環に係る情報を取得可能となっている。このことから、データランプ1は、制御基板55から取得した情報(受信した信号)に基づいて、メンテナンス画面70の表示を実行する。
【0069】
メンテナンス画面70では、異常が発生した設備を特定する情報(設備名等)、設備の設置位置を示す情報、異常が発生した設備の異常個所を示す情報が適宜表示される。
例えば、島中タンク48の流出口(遊技球の流出口)で球詰まりが発生したとする。この場合、図6で示されるように、遊技機島3の内部構造を示す図と、遊技機島3の内部構造を示す図において異常個所を示す矢印と、「島中タンク出口を確認してください」というメッセージを表示するといった具合である。
【0070】
また、図6で示される状態で適宜な操作(タッチパネル操作等)を行うと、メンテナンス画面70の表示内容を切り替える動作が実行される。そして、メンテナンス画面70では、発生した異常を解消する作業(以下、メンテナンス作業とも称す)の作業内容を示す情報が表示される。
【0071】
この場合、上記した球詰まりを解消するために、設備のどの部分をどのように扱えばよいかを指示する情報が表示される。例えば、「島中タンク出口のカバーを外してください」、「球ならしを行ってください」、「島中タンク出口のカバーを取り付けてください」といった具合に、メンテナンス作業の各工程を示す情報が、図、記号、メッセージ等によって適宜表示される。
つまり、メンテナンス作業で実行する各工程の内容を示す情報と、それら各工程の実行順を示す情報とが適宜表示される。なお、当然のことながら、これらの情報は、全工程を一画面表示してもよく、表示内容の異なる複数画面を切り替えて表示してもよい。すなわち、メンテナンス画面70の表示内容を切り替えていくと、各工程が実行順に表示されていくものでもよい。
【0072】
ここで、データランプ1が異常対応モードであるとき、従業員用リモコン61で所定の操作(認証操作)を実行するか、表示部10に対して所定のタッチパネル操作を実行することで、動作モードの切り替えが実行され、通常モードに移行する。なお、所定のタッチパネル操作とは、「終了」と表示された領域(図6参照)をタッチする操作等である。
【0073】
本実施形態の異常対応モードは、上記したメンテナンス画面70を表示する動作を実行すると共に、所定の発光パターンでランプ部11を発光させる動作を実行する。
すなわち、異常対応モードに移行したこと条件として、ランプ部11の発光動作を開始し、通常モードに移行したことを条件として、ランプ部11の発光動作を終了している。
【0074】
このランプ部11の発光動作は、上記した基本発光動作と、基本発光動作とは異なる発光動作を伴う各動作(呼出動作、不正報知動作、遊技状態報知動作)とは、いずれとも異なる独自の発光パターンで実行される発光動作である。すなわち、ランプ部11で実行可能な発光パターンのうち、異常対応モードのみで実行される発光パターンで発光動作を実行している。
【0075】
上記した実施形態では、下流側に向かうにつれて徐々に低くなるように傾斜した補給レール42を備えた遊技機島3(図4参照)に対し、データランプ1を取り付けた例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、データランプ1が取り付けられる遊技機島103は、図7で示されるように、長手方向の中途部分にリフタ装置100を有する補給レール142を採用したものであってもよい。
【0076】
この補給レール142は、複数の小レール部材142a,142bと、隣接する2つの小レール部材142a,142bの間に介在するリフタ装置100とを有する設備であり、遊技球の供給流路(搬送路)を形成する設備である。
【0077】
小レール部材142a,142bは、遊技球を自重によって流下させる樋部材であり、いずれも下流側が低位置となるように傾斜した姿勢で取り付けられている。また、隣接する2つの小レール部材142a,142bのうち、一方の小レール部材142aの下流端は、他方の小レール部材142bの上流端よりも低位置に配されている。
リフタ装置100は、一方の小レール部材142aの下流側部分と、他方の小レール部材142bの上流側部分とを連結し、遊技球を上方へ揚送する。
【0078】
そして、上記したデータランプ1の異常対応モードでは、このような補給レール142の小レール部材142a,142bや、リフタ装置100で生じた異常に関する情報を表示してもよい。
すなわち、小レール部材142a,142bの各部や、リフタ装置100の内部等にセンサ部材を設け、このセンサ部材から制御基板55に対して信号の送信が可能な構造としてもよい。
【0079】
また、上記した遊技機島3は、図8で示されるように、島間搬送流路105(外部設備)を設けたものであってもよい。この島間搬送流路105は、遊技機2で使用可能な遊技球を搬送する流路であり、遊技機島3から外側へ向かって延びる流路である。
【0080】
具体的には、島間搬送流路105は、2つの遊技機島3のうち、一の遊技機島3aから他の遊技機島3bに遊技球を搬送する第一搬送流路105aと、他の遊技機島3bから一の遊技機島3aに遊技球を搬送する第二搬送流路105bによって構成されている。そして、第一搬送流路105a、第二搬送流路105bは、それぞれが下流側に向かうにつれて高さが低くなるように傾斜した姿勢で取り付けられている。
【0081】
また、この島間搬送流路105は、上記した循環流路40(図4参照)の一部を形成する島上タンク49に連結されている。すなわち、循環流路40に連なる流路となっている。
このことから、遊技機島3aの循環流路40は、他の遊技機島3bの循環流路40と共に、遊技球を循環させる一連の流路を形成する。
【0082】
そして、上記したデータランプ1の異常対応モードでは、このような島間搬送流路105で発生した異常に関する情報を表示してもよい。
すなわち、島間搬送流路105の内部等にセンサ部材を設け、このセンサ部材から制御基板55に対して信号の送信が可能な構造としてもよい。また、このセンサ部材は、島間搬送流路105の内部の遊技球の流量(球詰まりの有無)を検知可能なものでもよい。
【0083】
この他、上記したデータランプ1の異常対応モードでは、上記した紙幣搬送装置35による紙幣搬送動作で発生した異常に関する情報を表示してもよい。すなわち、紙幣搬送装置35の導入部や搬送部にセンサ部材を設け、このセンサ部材から制御基板55に対して信号の送信が可能な構造としてもよい。例えば、複数のセンサ部材を紙幣搬送装置35の各部に設け、紙幣搬送装置35のいずれの部分で紙幣が詰まる等したのかを検知可能としてもよい。すなわち、導入部で詰まる等したのか、あるいは、搬送部のうちのどの領域で詰まる等したのかを検知可能としてもよい。
【0084】
上記した遊技機島3は、遊技機2としてぱちんこ機を採用した、所謂ぱちんこ島と称される形態とした。しかしながら、データランプ1を取り付ける遊技機島は、メダルを遊技媒体としたパチスロ機(回胴式遊技機)を設置する所謂スロット島と称される形態としてもよい。
【0085】
また、上記した実施形態では、異常対応モードにおいてメンテナンス画面70の表示内容を切り替える等の操作を実行する際、タッチパネル操作によって行う例を示した。しかしながら、これに替わって、データランプ1にさらに別の操作ボタンを設け、これを操作して行ってもよい。
【0086】
また、上記した実施形態では、従業員用リモコン61の操作を利用者認証のための認証操作とした例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
異常対応モードへの移行に先立って、所定の操作によって表示部10にパスワード入力画面を表示させる操作を実行し、正しいパスワードが入力された後、異常対応モードに移行する構造としてもよい。
【0087】
上記した実施形態では、データランプと制御基板55とを通信用配線60で接続した例について説明したが、本発明はこれに限るものでない。
データランプ1と制御基板55は、無線通信によって、互いに信号の送受信が可能な状態に接続されてもよい。例えば、データランプ1又は従業員用リモコン61に対して所定の操作を実行することで、データランプ1と制御基板55とが無線通信で接続される構成としてもよい。
【0088】
続いて、上記したデータランプ1を採用した遊技場用システム200について説明する。なお、上記した実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0089】
本実施形態の遊技場用システム200は、図9で示されるように、管理コンピュータ201(制御装置)と、遊技機島3と、遊技機島3に取り付けられた複数のデータランプ1を備えている。
この遊技場用システム200では、管理コンピュータ201と遊技機島3の内部の制御基板55とが、有線又は無線通信によって信号の送受信が可能な状態で電気的に接続されている。さらに、管理コンピュータ201と複数のデータランプ1のそれぞれとが、有線又は無線通信によって信号の送受信が可能な状態で電気的に接続されている。
【0090】
管理コンピュータ201は、所謂ホールコンピュータとしての使用可能なコンピュータである。すなわち、各種演算処理を行うCPU、主メモリであるROM、各種データを一時記憶するためのRAM、通信I/F、記憶手段として機能するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を備えている。
そして、管理コンピュータ201は、記憶手段に記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行可能となっている。
【0091】
この遊技場用システム200は、遊技機島3の各設備、又は、遊技機島3に取り付けられた島間搬送流路105(図8参照)等の外部設備で異常が発生したとき、異常対応動作を実行可能となっている。この異常対応動作について、以下、詳細に説明する。
【0092】
遊技機島3、又は、遊技機島3に取り付けられた外部設備で異常が発生し、センサ部材が異常を検知すると、センサ部材から制御基板55に信号が発信され、制御基板55から管理コンピュータ201に信号が発信される。
【0093】
管理コンピュータ201が制御基板55からの信号を受信すると、この信号に基づいて、異常が発生した設備と、異常が発生した設備の異常個所を特定する異常特定動作が実行される。
ここで、上記と同様に、島中タンク48の流出口(遊技球の流出口)で球詰まりが発生したとする。この場合、異常が発生した設備として、島中タンク48が特定され、異常個所として流出口が特定される。すなわち、信号を発信したセンサ部材(又はセンサ部材の制御機器)と、発信された信号の種別を特定することで、異常特定動作を実行する。
【0094】
そして、異常特定動作による特定結果と、管理コンピュータ201の記憶手段に予め記憶された各データランプ1の設置位置に係る情報に基づいて、異常の発生個所に最も近い位置に配されたデータランプ1を特定する表示装置特定動作が実行される。
上記した場合であれば、島中タンク48の流出口の上方に位置するデータランプ1bが、異常個所に最も近いデータランプ1として特定される。
【0095】
続いて、管理コンピュータ201は、表示装置特定動作によって特定されたデータランプ1bに対して移行許可信号を発信する。
本実施形態のデータランプ1は、移行許可信号を受信した後、従業員用リモコン61(図6参照)で所定の操作を実行することで、動作モードの切り替えが実行される。
つまり、通信用配線60を介して制御基板55と接続することなく、異常対応モード時の動作を実行できる点において、上記した実施形態と異なっている。また、移行許可信号を受信していないデータランプ1に対して従業員用リモコン61で同様の操作を実行しても、動作モードの切り替えが実行されない点が、上記した実施形態と異なっている。
【0096】
なお、データランプ1は、移行許可信号を受信したことを条件として、所定の発光パターンでランプ部11を発光させる発光動作を実行する。
すなわち、表示装置特定動作で特定されたデータランプ1bが、異常対応モードへの移行前に、この発光動作を実行する。
本実施形態では、この発光動作は、上記した基本発光動作と、基本発光動作とは異なる発光動作を伴う各動作(呼出動作、不正報知動作、遊技状態報知動作)と、異常対応モード時に実行する発光動作のいずれとも異なる独自の発光パターンで実行される。このことにより、遊技場の従業員は、どのデータランプ1を異常対応モードに移行すればよいか、遠目で確認可能となっている。
【0097】
なお、移行許可信号を受信したことを条件として実行する発光動作は、独自の発光パターンで発光する発光動作としたが、異常対応モード時に実行する発光動作と同じ発光パターンの発光動作でもよい。しかしながら、異常対応モードの実行前と実行中を識別可能とするという観点から、異なる発光パターンで発光させる動作であることが好ましい。
また、異常対応モードにおける動作は、上記した実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。また、異常対応モードの実行前や実行中には、発光動作と共にスピーカ部28から音声を発する報知動作を実行してもよい。
【0098】
なお、上記した遊技場用システム200の異常対応動作は、表示装置特定動作を実行し、異常個所に最も近いデータランプ1bを特定した後、特定したデータランプ1bを使用可能な否かを判別する使用判別動作を実行してもよい。
【0099】
すなわち、特定したデータランプ1bに対応付けられた遊技機2で遊技がなされている最中である場合、このデータランプ1bは、遊技機2を使用している客が操作する可能性が高い。このような場合、このデータランプ1bを異常対応のために使用すると、客がデータランプ1bを使用できず、楽しく遊技ができない可能性がある。
【0100】
そこで、使用判別動作では、特定したデータランプ1bに対応付けられた遊技機2で遊技がされているか否かを判別する。すなわち、遊技機2から発信される信号を有線又は無線通信によって管理コンピュータ201が受信可能な構成とし、この信号に基づいて、特定したデータランプ1bに対応付けられた遊技機2が使用中であるか否かを判別する。
そして、対応づけられた遊技機2が使用中であると判別された場合、データランプ1bを使用不可能であると判別し、使用中でないと判別された場合、データランプ1bを使用可能であると判別する。
【0101】
データランプ1bが使用可能であると判別された場合、上記と同様に、このデータランプ1bに移行許可信号を発信する。
対して、データランプ1bが使用不可能であると判別された場合、このデータランプ1bと近接する位置にあるデータランプ1cに対して、使用判別動作を実施する。以下同様に、このデータランプ1cが使用可能である場合、このデータランプ1cに対して移行許可信号を発信する。対して、このデータランプ1cが使用不可能である場合、このデータランプ1cと近接する位置にあるデータランプ1dに対して、使用判別動作を実施する。
すなわち、使用可能なデータランプのうち、異常個所に最も近い位置に配されたデータランプ1に対し、移行許可信号を発信する構成としてもよい。
【0102】
続いて、図10で示されるように、他の実施形態に係る遊技場用システム300について説明する。
この遊技場用システム300は、管理コンピュータ201を介さずに上記した異常対応動作を実行可能な点が、上記した実施形態とは異なっている。
【0103】
本実施形態では、遊技機島3に取り付けられる複数のデータランプ1のうち、一以上のデータランプ1(図10では一つ)と、制御基板55とが有線又は無線通信によって信号の送受信が可能となっている。
【0104】
また、並列配置されたデータランプ1のそれぞれは、隣接するデータランプ1と有線又は無線通信によって信号の送受信が可能となっている。
したがって、制御基板55と信号の送受信が可能なデータランプ1eは、他の全てのデータランプ1に対し、直接又は他のデータランプ1を経由して間接的に、信号の送受信が可能となっている。
【0105】
そして、制御基板55からの信号を受信したデータランプ1eが上記した管理コンピュータ201と同様に、異常対応動作における各動作(異常特定動作、表示装置特定動作、使用判別動作、移行許可信号の発信動作)を実行する。
【符号の説明】
【0106】
1 データランプ(遊技情報表示装置)
2 遊技機
3,103 遊技機島
11 ランプ部(発光手段)
32 リモコン受信部(認証受付手段)
42,142 補給レール(内部設備)
43 補給シュート(内部設備)
44 オーバーフローレール(内部設備)
45 球抜きホース(内部設備)
46 オーバーフローホース(内部設備)
47 アウトレール(内部設備)
48 島中タンク(内部設備)
49 島上タンク(内部設備)
50 研磨機ユニット(内部設備)
55 制御基板(制御機器)
100 リフタ装置(内部設備)
105 島間搬送流路(外部設備)
200,300 遊技場用システム
201 管理コンピュータ(制御装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10