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特開2022-191605医療情報連携システム、医療情報連携方法、および、医療情報連携用コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191605
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】医療情報連携システム、医療情報連携方法、および、医療情報連携用コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20221221BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099920
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】521263272
【氏名又は名称】山城 恒雄
(74)【代理人】
【識別番号】100193389
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 智利
(72)【発明者】
【氏名】山城 恒雄
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込み可能なデータ統合部を有することにより、従来煩雑であった、医療情報の連携を自動化する医療連携システムを提供する。
【解決手段】医療情報連携システムは、2以上の施設間で患者についての医療情報を共有するものであり、1の施設での医療情報を画像データとする画像処理部、画像データの少なくとも一部をテキストデータとするテキスト化部、および、画像データ、テキストデータの少なくとも一部を、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込み可能な、データ統合部を有する。

【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の施設間で患者についての医療情報を共有する医療情報連携システムであって、
1の施設での医療情報を画像データとする画像処理部、
前記画像データの少なくとも一部をテキストデータとするテキスト化部、および、
前記画像データまたは前記テキストデータの少なくとも一部を、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込み可能な、データ統合部を有することを特徴とする、医療情報連携システム。
【請求項2】
前記テキスト化部においてテキスト化されたテキストデータを表示する表示部、および、前記テキストデータに問題があると操作者が判断した場合に前記テキストデータを修正する手動修正部を有することを特徴とする、請求項1に記載の医療情報連携システム。
【請求項3】
前記2以上の項目は、検査結果の項目を含むことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の医療情報連携システム。
【請求項4】
前記2以上の項目は、服薬情報の項目を含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の医療情報連携システム。
【請求項5】
前記テキスト化部は、薬剤情報が予め登録される薬剤情報記録部を有することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の医療情報連携システム。
【請求項6】
前記テキスト化部は、
テキストデータを作成する情報処理部、および、
前記情報処理部で作成した前記テキストデータを、電子カルテまたは電子薬歴システムの画像データ上に貼り付ける画像情報統合部、
を有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の医療情報連携システム。
【請求項7】
前記データ統合部は、組み込み先の電子カルテまたは電子薬歴システムの項目を解析する解析部、および、前記解析部での解析結果に合わせて組み込むデータ入力部を有することを特徴とする、請求項1ない6のいずれかに記載の医療情報連携システム。
【請求項8】
前記医療情報は、病院内で用いられる病院内情報、病院間で共有される病院間連携情報、および、病院および薬局間が共有する服薬情報のうち2つ以上を含むことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の医療情報連携システム。
【請求項9】
前記医療情報は、患者に開示される患者開示部分を含むことを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の医療情報連携システム。
【請求項10】
病院ごとの医療情報とは別に、医療情報連携システムが病院間連携情報を有し、前記病院間連携情報の有する各項目は、病院ごとの医療情報の有する各項目に対応づけられていることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の医療情報連携システム。
【請求項11】
2以上の施設間で患者についての医療情報を共有する医療情報連携方法であって、
1の施設での医療情報を画像データとする画像処理ステップ
前記画像データの少なくとも一部をテキストデータとするテキスト化ステップ、および、
前記画像データまたは前記テキストデータの少なくとも一部を、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込む、データ統合ステップを有することを特徴とする、医療情報連携方法。
【請求項12】
前記テキスト化ステップの後に実施され、前記テキストデータを表示する表示ステップ、
表示された前記テキストデータを操作者に確認させる確認ステップ、および、
前記確認ステップの後に実施され、前記テキストデータに問題がある場合に操作者が修正を行う手動修正ステップ、を有し、
前記確認ステップおよび前記手動修正ステップの後に、前記データ統合ステップが実施されることを特徴とする、請求項11に記載の医療情報連携方法。
【請求項13】
前記テキスト化ステップは、前記情報処理ステップで作成したテキストデータを、電子カルテまたは電子薬歴システムの画像データ上に貼り付ける画像情報統合ステップを有することを特徴とする、請求項11または請求項12のいずれかに記載の医療情報連携方法。
【請求項14】
前記データ統合ステップは、組み込み先の電子カルテまたは電子薬歴システムの項目を解析する解析ステップ、および、前記解析ステップでの解析結果に合わせて組み込むデータ入力ステップを有することを特徴とする、請求項11ないし13のいずれかに記載の医療情報連携方法。
【請求項15】
前記画像処理部、前記テキスト化部、および、前記データ統合部において、請求項1に記載の各動作を実施させることを特徴とする、医療情報連携用コンピュータプログラム。
【請求項16】
前記表示部、および、前記手動修正部において、請求項2に記載の各動作を実施させることを特徴とする、請求項15に記載の医療情報連携用コンピュータプログラム。
【請求項17】
前記情報処理部、および、前記画像情報統合部において、請求項6に記載の各動作を実施させることを特徴とする、請求項15または16のいずれかに記載の医療情報連携用コンピュータプログラム。
【請求項18】
前記解析部、および、前記データ入力部において、請求項7に記載の各動作を実施させることを特徴とする請求項15ないし17のいずれかに記載の医療情報連携用コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報連携システム、医療情報連携方法、および、医療情報連携用コンピュータプログラムに関し、特に、複数の施設において、医療情報を共有するための連携システム、医療情報連携方法、および、医療情報連携用コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
かつて、医療機関や調剤薬局等で患者個人の医療情報は、紙カルテや紙媒体の薬歴で記載されていた。
昨今では、主に電子カルテや電子薬歴システムが使用されており、一の医療機関、あるいは、同系列のグループ医療機関・調剤薬局グループ内では、電子カルテや電子薬歴システムとして、医療情報が電子データにより共有されていることがある。しかし、例えば、ある病院から系列外の他の病院に医療情報を提供する場合には、依然として、紹介状や紙にプリントアウトした検査結果データ等紙媒体が利用されることが多い。
また、特別養護老人ホームなどの施設では、電子化が遅れ、現在でも紙媒体により入所者情報を管理している場合が大半であり、長期にわたる入所では医療的な情報の管理自体が困難となっている場合がある。
特許文献1には、紙カルテを電子データ化する医療情報の連携システムが記載されている。また、特許文献2には、医療文書の作成の負担を軽減させる情報処理装置が、特許文献3には、医療機関から受け取った紹介状に対する返書を電子して作成する情報処理装置が、それぞれ記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5214277号
【特許文献2】特開2015-138459号公報
【特許文献3】特許第6772814号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のシステムでは、紙カルテが、予め規定された所定の形式で記載されている必要があり、汎用性に乏しく、一般的な紙カルテに対応できるものではない。
現在、病院など個々の医療機関では、電子カルテシステム等高度に電子化された院内システムを個別に有する場合が多い。そのため複数の施設間で、医療情報を共有する場合には、一の施設においていったん紙媒体に記載された情報は、他の施設においてその施設の電子カルテシステム等に直接連結できず、特許文献2や特許文献3に記載の情報処理装置においても、一般的な紙媒体に記載された情報を、他の施設で有効に利用するためには、最終的には人手による入力が必要となったり、あるいは、そもそも紙媒体に記載された医療情報は有効には活用できていない。
【0005】
例えば、ふだん、ある医院(以下、自院と呼ぶ)で診療を受けており、血液検査値などの検査結果を自院で管理している患者が、12月1日に容体が急変し、他院に入院したとする。他院でも検査を行い血液検査値などの検査結果を取得しながら、治療を行った結果、翌年1月1日に退院し、再び自院で診療を受けるようになった場合、実際には、図20のように、ある血液検査値(y)において変動があるのに対し、自院の情報では図21のように見えてしまい、後日同様の症状が出た場合には、過去(12月)に一度あったことであるにもかかわらず、自院のシステム上では黒丸の2点を結んだデータが表示されるため、前年12月は血液検査値(y)も安定していたかのように見えてしまう。通常、血液検査では1回の採血でこのような検査値が数十項目提供されるが、他院での血圧データなどは、紙で通知される程度で、医師などが自発的にスキャンされた画像を確認することができるという程度の活用状況であり、自院のデータに組み込むことができないため、せっかくの検査結果が活用されていない。
【0006】
そこで本発明は、他の医療機関からの紹介状に添付された血液検査結果や、他の調剤薬局で患者に交付された服薬指導箋など、紙媒体に記載された医療情報を、人による手入力の負担を最小化しつつ、紙媒体の情報を受領した医療機関や調剤薬局等が有する高度に電子化された機関内システムなどで有効に活用できる形式で取り込むことができる、医療情報連携システムを提供することを目的とする。
また、院内システムと外部システムを直接連携したり電子媒体を用いたりすると、コンピュータ・ウィルス等の悪意のあるプログラムなどが入り込むおそれがあるが、紙媒体等を用いると逆に情報セキュリティ上は安全となることから、システムそのものを直接連携することなく、紙媒体等を介することにより、コンピュータ・ウィルス等の悪意のあるプログラムからシステムを守ることができるという利点を活かしながら、既存の高度な医療システムを十分に活用することができる、医療情報連携システムを提供することを目的とする。
さらに、医療情報においては、患者のプライバシーや、患者に開示すべき部分、そうでない部分などもあり得るが、患者のプライバシーや患者の意志にも配慮しつつ、必要な範囲で医療情報を共有することにより、適切な医療情報の連携を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る医療情報連携システムは、
2以上の施設間で患者についての医療情報を共有する医療情報連携システムであって、
1の施設での医療情報を画像データとする画像処理部、
画像データの少なくとも一部をテキストデータとするテキスト化部、および、
画像データ、テキストデータの少なくとも一部を、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込み可能な、データ統合部を有することを特徴とする、医療情報連携システムである。
本構成により、一度画像データを介することにより、悪意のあるプログラムが組み込み先のシステムに侵入することを防ぎつつ、同時に、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込み可能なデータ統合部を有することにより、従来煩雑であった、医療情報の連携が自動化できる。

本発明の請求項2に係る医療情報連携システムは、
テキスト化部においてテキスト化されたテキストデータを表示する表示部、および、テキストデータに問題があると操作者が判断した場合にテキストデータを修正する手動修正部を有することを特徴とする、請求項1に記載の医療情報連携システムである。

本発明の請求項3に係る医療情報連携システムは、
2以上の項目は、検査結果の項目を含むことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の医療情報連携システムである。

本発明の請求項4に係る医療情報連携システムは、
2以上の項目は、服薬情報の項目を含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の医療情報連携システムである。

本発明の請求項5に係る医療情報連携システムは、
テキスト化部は、薬剤情報が予め登録される薬剤情報記録部を有することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の医療情報連携システムである。

本発明の請求項6に係る医療情報連携システムは、
テキスト化部は、
テキストデータを作成する情報処理部、および、
情報処理部で作成したテキストデータを、電子カルテまたは電子薬歴システムの画像データ上に貼り付ける画像情報統合部、
を有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の医療情報連携システムである。

本発明の請求項7に係る医療情報連携システムは、
データ統合部は、組み込み先の電子カルテまたは電子薬歴システムの項目を解析する解析部、および、解析部での解析結果に合わせて組み込むデータ入力部を有することを特徴とする、請求項1ない6のいずれかに記載の医療情報連携システムである。

本発明の請求項8に係る医療情報連携システムは、
医療情報は、病院内で用いられる病院内情報、病院間で共有される病院間連携情報、および、病院および薬局間が共有する服薬情報のうち2つ以上を含むことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の医療情報連携システムである。

本発明の請求項9に係る医療情報連携システムは、
医療情報は、患者に開示される患者開示部分を含むことを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の医療情報連携システムである。

本発明の請求項10に係る医療情報連携システムは、
病院ごとの医療情報とは別に、医療情報連携システムが病院間連携情報を有し、病院間連携情報の有する各項目は、病院ごとの医療情報の有する各項目に対応づけられていることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の医療情報連携システムである。

本発明の請求項11に係る医療情報連携方法は、
2以上の施設間で患者についての医療情報を共有する医療情報連携方法であって、
1の施設での医療情報を画像データとする画像処理ステップ
画像データの少なくとも一部をテキストデータとするテキスト化ステップ、および、
画像データまたはテキストデータの少なくとも一部を、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込む、データ統合ステップを有することを特徴とする、医療情報連携方法である。
本構成により、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込み可能なデータ統合ステップを有することにより、従来煩雑であった、医療情報の連携が自動化できる。

本発明の請求項12に係る医療情報連携方法は、
テキスト化ステップの後に実施され、テキストデータを表示する表示ステップ、
表示されたテキストデータを操作者に確認させる確認ステップ、および、
確認ステップの後に実施され、テキストデータに問題がある場合に操作者が修正を行う手動修正ステップ、を有し、
確認ステップおよび手動修正ステップの後に、データ統合ステップが実施されることを特徴とする、請求項11に記載の医療情報連携方法である。

本発明の請求項13に係る医療情報連携方法は、
テキスト化ステップは、情報処理ステップで作成したテキストデータを、電子カルテまたは電子薬歴システムの画像データ上に貼り付ける画像情報統合ステップを有することを特徴とする、請求項11または請求項12のいずれかに記載の医療情報連携方法である。

本発明の請求項14に係る医療情報連携方法は、
データ統合ステップは、組み込み先の電子カルテまたは電子薬歴システムの項目を解析する解析ステップ、および、解析ステップでの解析結果に合わせて組み込むデータ入力ステップを有することを特徴とする、請求項11ないし13のいずれかに記載の医療情報連携方法である。

本発明の請求項15に係る医療情報連携用コンピュータプログラムは、
画像処理部、テキスト化部、および、データ統合部において、請求項1に記載の各動作を実施させることを特徴とする、医療情報連携用コンピュータプログラムである。
本構成により、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込み可能なデータ統合ステップを有することにより、従来煩雑であった、医療情報の連携が自動化できる。

本発明の請求項16に係る医療情報連携用コンピュータプログラムは、
表示部および手動修正部において、請求項2に記載の各動作を実施させることを特徴とする、請求項15に記載の医療情報連携用コンピュータプログラムである。

本発明の請求項17に係る医療情報連携用コンピュータプログラムは、
情報処理部および画像情報統合部において、請求項6に記載の各動作を実施させることを特徴とする、請求項15または16のいずれかに記載の医療情報連携用コンピュータプログラムである。

本発明の請求項18に係る医療情報連携用コンピュータプログラムは、
解析部およびデータ入力部において、請求項7に記載の各動作を実施させることを特徴とする請求項15ないし17のいずれかに記載の医療情報連携用コンピュータプログラムである。

【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例における、医療情報連携システムの構成例を示す。
図2】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図3】本発明の一実施例における、医療情報連携システムの構成例を示す。
図4】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図5】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図6】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図7】本発明の一実施例における、医療情報連携システムの構成例を示す。
図8】本発明の一実施例における、医療情報連携システムの構成例を示す。
図9】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図10】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図11】本発明の一実施例における、医療情報連携システムの構成例を示す。
図12】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図13】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図14】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図15】本発明の一実施例における、医療情報の構成例を示す。
図16】本発明の一実施例における、医療情報連携方法の構成例を示す。
図17】本発明の一実施例における、医療情報連携方法の構成例を示す。
図18】本発明の一実施例における、医療情報連携方法の構成例を示す。
図19】本発明の一実施例における、医療情報連携方法の構成例を示す。
図20】データの例を示す。
図21】データの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施例における医療情報連携システム1の構成を示す。
医療情報連携システム1は、2以上の施設間で患者についての医療情報を共有する医療情報連携システム1である。
医療情報連携システム1は、画像処理部20、テキスト化部30、および、データ統合部40を有する。
画像処理部20は、紙カルテや服薬指導箋などを撮像部21で撮像することにより、1の施設での医療情報を画像データとする。
テキスト化部30は、画像データの中からテキスト部分を認識し、少なくとも一部をテキストデータとする。
なお、上述の画像データは、紙カルテや服薬指導箋などに記載された医療情報など、あくまで情報の形式が画像であることを意味し、テキスト、つまり、文字のみから成る情報であってもよく、グラフなどを含むものでもよい。また、電子的に直接接続されるものでさえなければ、点字など他の読み取り形式によるものも画像データおよび画像処理部20に含まれる。
画像処理部20およびテキスト化部30は、OCRにより構成してもよい。
【0010】
図2に示されるように、院内情報は第一項目、第二項目など2以上の項目を有する。
データ統合部40は、画像データ、テキストデータの少なくとも一部を、他の施設の院内情報など、医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込む。
組み込まれたデータは、医療情報連携システム1が接続されている院内情報部2に送られる。
このように、院内情報部2に直接接続することなく、撮像部21を介することにより、電子データに含まれるウィルスが院内情報部2など他のシステムに侵入することを防ぐことができると同時に、取り込んだ情報を単にPDFなどで保存するのではなく、院内情報部2の電子カルテや電子薬歴システムなど、医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込むため、医療情報を有効に活用することができる。
【0011】
また、医療情報連携システム1には制御部10が設けられている。制御部10は、CPU11、主記憶装置12、補助記憶装置13を有する。
主記憶装置12には、画像処理部20、テキスト化部30、および、データ統合部40を含む各部を動作させるための医療情報連携用コンピュータプログラムが格納されている。CPUは、この画像処理部20、テキスト化部30、および、データ統合部40を、補助記憶装置13上に展開することにより、各部の動作を制御する。
なお、すでに電子化されている血液検査値などの電子データと、電子カルテ、薬歴システムなどのデータシステムは異なる概念である。また本実施例において、医療情報連携システム1は、他院などの紙媒体のデータを画像データにまず変換し、変換したものをOCR等で電子データ化し、自院などのデータシステムに組み込む、などの動作を実施するものであり、医療情報連携用コンピュータプログラムは、医療情報連携システム1の各部にこれらの動作を実施させるものである。
【0012】
一実施例において、図3に示されるように、医療情報連携システム1は、さらに、表示部14および手動修正部37を備える。
表示部14は、テキスト化部30においてテキスト化されたテキストデータを表示する。医療情報連携システム1の操作者は、表示部14に表示されたテキストデータを確認し、問題があると判断した場合には、手動修正部37においてテキストデータを修正する。
本構成により、一文字違いの誤記が患者の命にかかわり得る医療情報を、医師などの目を通して確認することにより、確実に組み込み先のシステムに正確に組み込むことが可能となる。
【0013】
一実施例において、図4に示されるように、2以上の項目は、検査結果の項目を含む。
検査結果は、診療に関する情報の中でも客観的な事実として利用でき、単独で活用できることも多く、また、検査結果のみを参照したい場合が多い。さらに、検査結果の情報に用いられる用語には特徴的な語句が多いため、抽出が容易である。このため、検査結果に関する情報を正確に判別し抽出できる。
【0014】
一実施例において、図5に示されるように、2以上の項目は、服薬情報の項目を含む。図6に示されるように、検査結果と服薬情報の双方を含んでもよい。
なお、服薬情報は、処方箋とは異なる。処方箋は、医療機関が発行し調剤薬局が回収するものであり、患者本人の手元には残らない。これに対し、服薬情報は、お薬手帳に添付されているもの含み、処方箋を元に調剤薬局が患者に薬を渡す際に手渡す平易な説明書であり、患者の手元に残るものである。院内情報など、自機関システムに組み入れて情報を反映させることにより、病院などの施設で活用できる。
【0015】
一実施例において、図7に示されるように、テキスト化部30は、薬剤情報が予め登録される薬剤情報記録部32を有する。
忙しい医療現場では薬剤名が走り書きされ通常のOCRなどでは正確に判別できないことも多いが、薬剤情報は、認可されている薬剤名が予め分かっているため、予め登録しておくことにより、正確な判別が可能となる。
【0016】
一実施例において、図8に示されるように、テキスト化部30は、情報処理部31と画像情報統合部33を有する。そして、情報処理部31で作成したテキストデータを、図10に示されるように、電子カルテまたは電子薬歴システムの画像データ上に貼り付ける画像情報統合部33を有する。つまり、テキストデータ化したテキストデータを組み込むだけでなく、元の画像情報のうち少なくともテキストデータ化した画像情報、言い換えるとテキストデータ化の対象となった元の画像情報も組み込まれる。
具体的には、まず、医療情報を、図9に示されるように取り込み画像として取り込む。取り込み画像はテキスト部分と画像部分を有するが、いずれも画像情報であり、テキスト部分もまだテキスト化されていない。情報処理部31は、取り込み画像に対して、テキスト部分をテキスト化、つまり言語情報に変換して、テキスト情報にする。続いて、画像情報統合部33は、言語情報に変換されたテキスト情報を、元の取り込み画像のうち、テキスト部分の上に貼り付ける。貼り付けたテキスト情報は、マウス等の操作により移動でき、必要に応じて元の取り込み画像のうちのテキスト部分を参照することができる。
本構成により、例えば電子カルテの例として図10に示されるように、忙しい医療現場で走り書きされた文字情報を清書したカルテや電子薬歴を読むことができる。さらに、医師などが、貼り付けたテキストデータにテキスト化の際のご判読があると思った場合は、元のカルテや服薬指導箋の画像データを確認することで、正しい情報を参照できる。
【0017】
一実施例において、図11に示されるように、データ統合部40は、解析部41、および、データ入力部42を有する。解析部41は、組み込み先の電子カルテまたは電子薬歴システムの項目を解析する。そして、データ入力部42は、解析部41での解析結果に合わせて、組み込み先の電子カルテまたは電子薬歴システムに、組み込む。
例えば、組み込み先のカルテまたは電子薬歴システムの項目ごとの特徴語を抽出し、組み込み元のカルテの項目との相関が一定値以上のものを、組み込み先のカルテまたは電子薬歴システムの項目に入力するなど、自動で組み込み先のカルテまたは電子薬歴システムに合わせて組み込むことにより、煩雑な入力作業の負担が軽減できる。
【0018】
一実施例において、図12に示されるように、医療情報は、病院内で用いられる病院内情報、病院間で共有される病院間連携情報、および、病院および薬局間が共有する服薬情報のうち2つ以上を含む。
医療情報においては、患者が他院に公開されたくないと感じる医療情報などや、患者自身が公開を欲さない場合などもあり得るが、本構成によれば、病院内情報、病院間連携情報、服薬情報を別に構成することにより、患者のプライバシーや患者の意志にも配慮しつつ、必要な範囲で医療情報を共有することにより、適切な医療情報の連携が可能となる。
一実施例において、図13に示されるように、医療情報は、患者に開示される患者開示部分を含む。
医療情報においては、少なくともある時点では、医師が患者に開示することが不適切と考えられる情報などもあり得るが、本構成によれば、患者に開示される患者開示部分を別に構成することにより、適切な医療情報の連携が可能となる。
一実施例において、図14に示されるように、医療情報は、服薬情報、病院間連携情報、院内情報のそれぞれについて、非開示部分と開示部分とを有する。
本構成によれば、必要な範囲で医療情報を共有でき、かつ、患者にも適切な範囲で医療情報を開示できる。
【0019】
一実施例において、図15に示されるように、病院ごとの医療情報とは別に、医療情報連携システム1が病院間連携情報を有する。
病院間連携情報の有する各項目は、病院ごとの医療情報の有する各項目に対応づけられている。
【0020】
図16は、本発明の一実施例における、医療情報連携方法の構成を示す。
医療情報連携方法は、2以上の施設間で患者についての医療情報を共有する医療情報連携方法であり、画像処理ステップ、テキスト化ステップ、および、データ統合ステップを有する。
画像処理ステップ(S20)では、1の施設での医療情報を画像データとする。
テキスト化ステップ(S30)では、画像データの少なくとも一部をテキストデータとする。
そして、データ統合ステップ(S40)では、画像データ、テキストデータの少なくとも一部を、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込む。
【0021】
図17は、本発明の一実施例における、医療情報連携方法の構成を示す。
本実施例では、テキスト化ステップの後に実施され、テキストデータを表示する表示ステップ(S35)、表示されたテキストデータを操作者に確認させる確認ステップ(S36)、および、 確認ステップの後に実施され、テキストデータに問題がある場合に操作者が修正を行う手動修正ステップ(S37)を有する。
具体的には、表示ステップ(S35)では、テキスト化されたデータを医療情報連携システム1の操作者に対して表示する。これにより、操作者はテキスト化されたデータが正しいか確認できる。確認ステップ(S36)において操作者が確認した結果、問題がなければ、データ統合ステップ(S40)に進む。問題があれば、手動修正ステップ(S37)に進み、テキスト化されたデータを手動で修正した後、データ統合ステップ(S40)に進む。
【0022】
一実施例において、図18に示されるように、テキスト化ステップ(S30)は、テキスト化本ステップ(S31)においてテキストデータを作成した後に、情報処理ステップで作成したテキストデータを、上述の図10に例示されるように電子カルテまたは電子薬歴の画像データ上に貼り付ける、画像情報統合ステップ(S33)を有する。つまり、テキストデータ化したテキストデータを組み込むだけでなく、元の画像情報のうち少なくともテキストデータ化した画像情報も組み込まれる。
忙しい医療現場で走り書きされた文字情報を清書したカルテまたは電子薬歴を読むことができる。さらに、医師が、貼り付けたテキストデータにテキスト化の際の誤判読があると思った場合は、元のカルテの画像データを確認することで、正しい情報を参照できる。
【0023】
一実施例において、図19に示されるように、データ統合ステップ(S40)は、組み込み先の電子カルテまたは電子薬歴システムの項目を解析する解析ステップ(S41)、および、解析ステップ(S41)での解析結果に合わせて組み込むデータ入力ステップ(S41)を有する。
例えば、院内情報部2など組み込み先のカルテまたは電子薬歴システムの項目ごとの特徴語を抽出し、組み込み元のカルテまたは電子薬歴システムの項目との相関が一定値以上のものを、組み込み先のカルテまたは電子薬歴システムの項目に入力するなど、自動で組み込み先のカルテまたは電子薬歴システムに合わせて組み込むことにより、煩雑な入力作業の負担が軽減できる。
【0024】
本発明の一実施例における医療情報連携用コンピュータプログラムは、画像処理部20、テキスト化部30、および、データ統合部40において、上述の各動作を実施させる。
具体的なプログラムの構造は、図16と同様であるので説明は省略する。
本構成により、他の施設の医療情報の有する2以上の項目に合わせて組み込み可能なデータ統合ステップを有することにより、従来煩雑であった、医療情報の連携が自動化できる。
【0025】
本発明の一実施例における係る医療情報連携用コンピュータプログラムは、さらに、表示部14および手動修正部37において、上述の各動作を実施させる。
具体的なプログラムの構造は、図17と同様であるので説明は省略する。
【0026】
本発明の一実施例における医療情報連携用コンピュータプログラムは、さらに、情報処理部31においてテキストデータを作成する動作、および画像情報統合部33において情報処理部31で作成したテキストデータを、電子カルテまたは電子薬歴システムの画像データ上に貼り付ける動作を実施させる。
具体的なプログラムの構造は、図18と同様であるので説明は省略する。
【0027】
本発明の一実施例における医療情報連携用コンピュータプログラムは、さらに、解析部41において組み込み先の電子カルテまたは電子薬歴システムの項目を解析する動作、およびデータ入力部42において解析部41での解析結果に合わせて医療情報組み込む動作を実施させる。
具体的なプログラムの構造は、図16と同様であるので説明は省略する。
【0028】
一実施例において、医療情報連携用コンピュータプログラムは、上述のいずれかの方法における、各ステップを、各部に実行させる。各構成は、すでに記載された方法と重複するため、説明を省略する。
【0029】
本発明は以上の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な実施例を含むことは言うまでもない。
例えば、医療情報連携装置は、各部が機能するものであれば、各部が他の部に含まれていても、通信などを利用し外部に設置されるものを利用するものも含まれる。また、例えば、医療情報連携方法および医療情報連携プログラムは、各ステップが機能するものであれば、その順番を変更したり、複数回実施するものも含まれる。
【符号の説明】
【0030】
1 医療情報連携システム
2 院内情報部
10 制御部
11 CPU
12 主記憶装置
13 補助記憶装置
14 表示部
20 画像処理部
21 撮像部
30 テキスト化部
31 情報処理部
32 薬剤情報記録部
33 画像情報統合部
37 手動修正部
40 データ統合部
41 解析部
42 データ入力部
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