(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191632
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】紙製捕獲容器
(51)【国際特許分類】
A01M 1/02 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
A01M1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099968
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000223193
【氏名又は名称】東罐興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 咲江
(72)【発明者】
【氏名】並木 邦裕
(72)【発明者】
【氏名】橋本 基城
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA12
2B121BA12
2B121BA13
2B121BA42
2B121BA44
2B121BA47
2B121BA52
2B121BA53
2B121EA06
2B121FA03
2B121FA15
(57)【要約】
【課題】ユーザーの使用環境に応じた変形を許容しつつ更に環境問題にも対応する。
【解決手段】本発明の紙製捕獲容器は、開閉可能な窓部を形成するための破断部と、前記破断部の両端と連続して破断後における側壁が折り返される基点となる折返部と、を備えた周壁部材と、前記周壁部材の下縁開口を閉塞する底面部材と、を含み、前記折り返された側壁が前記飛翔害虫を誘引する止まり木を構成するとともに、破断した前記破断部により前記飛翔害虫が前記容器内に侵入するための前記窓部を構成することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛翔害虫を薬剤で誘引して容器内に捕獲する紙製捕獲容器であって、
開閉可能な窓部を形成するための破断部と、前記破断部の両端と連続して破断後における側壁が折り返される基点となる折返部と、を備えた周壁部材と、
前記周壁部材の下縁開口を閉塞する底面部材と、を含み、
前記折り返された側壁が前記飛翔害虫を誘引する止まり木を構成するとともに、破断した前記破断部により前記飛翔害虫が前記容器内に侵入するための前記窓部を構成する、
ことを特徴とする紙製捕獲容器。
【請求項2】
前記周壁部材のうち少なくとも前記容器内の側には、当該容器内に侵入した前記飛翔害虫が前記薬剤に移動することをガイドする誘引ガイドが施されてなる、請求項1に記載の紙製捕獲容器。
【請求項3】
前記底面部材には、前記飛翔害虫が前記容器内に侵入するための1又は複数の天面開口が形成される、請求項1又は2に記載の紙製捕獲容器。
【請求項4】
前記底面部材は、前記周壁部材の下縁開口から中心に向けて前記容器内に向けて凸となるドーム状底面を含み、
前記ドーム状底面の底部に前記天面開口が配置されてなる、請求項3に記載の紙製捕獲容器。
【請求項5】
前記底面部材のうち前記容器の外側面には、前記飛翔害虫が前記天面開口に移動するための1又は複数の誘引ガイドが形成されてなる、請求項3又は4に記載の紙製捕獲容器。
【請求項6】
前記側壁は、前記折返部を介して前記容器内に折り倒し可能であり、
前記容器内に侵入した前記飛翔害虫は、前記容器内に折返された前記側壁に誘導される、請求項1~5のいずれか一項に記載の紙製捕獲容器。
【請求項7】
前記側壁には、前記飛翔害虫を誘引するための誘引ガイドが形成されてなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の紙製捕獲容器。
【請求項8】
前記周壁部材の外周面に沿って軸周りに回転可能な回転翼部および回転枠部を備えた補助容器をさらに含み、
前記補助容器が前記軸周りに回転することで前記回転翼部が前記窓部を閉塞する、請求項1~7のいずれか一項に記載の紙製捕獲容器。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の紙製捕獲容器と、
前記薬剤が載置可能な薬剤設置部が形成されて、前記周壁部材の上縁開口に嵌合可能な蓋部材と、
を備えた紙製捕獲容器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショウジョウバエなどの飛翔害虫を紙製の容器内に誘引して捕獲するための紙製捕獲容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば家屋内やベランダなどに発生する飛翔害虫を捕獲する補虫器が知られている。かような補虫器としては、例えばプラスチック製容器に飛翔害虫の進入口を設けるとともに容器内部に殺虫成分や誘引成分を含んだ薬剤を設置する形態が採用されている。
【0003】
また、容器の形状としても、例えば特許文献1や特許文献2に例示されるように、暖色系の色に着色された容器に飛翔害虫が集まってくる傾向を利用してプラスチック製容器を暖色系の色に着色したり、飛翔害虫の止まり木を与える構造や食虫植物を模倣したエッジ構造などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-142643号公報
【特許文献2】特許第4450858号公報
【特許文献3】特開2018-102262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献を含む従来構造の補虫器においては未だに改善すべき点が次のとおり存在する。すなわち上記したプラスチック製容器においては、たしかに飛翔害虫を誘引する種々の工夫が施されているものの、これらは樹脂などを用いて形状が予め固定された硬質の構造であって、例えば使用(購入)者の使用する環境に応じた変形を許容するものではない。
【0006】
また、特に近年ではペットボトルなどプラスチックによる環境問題が世界中で強く指摘されている。従って、今後の環境保護対策として、かような樹脂材料を可能な限り削減し、持続可能な社会環境を維持していくこともメーカーに希求されてきている。
【0007】
本発明は、上記した課題を一例に鑑みて為されたものであり、使用者の使用環境に応じた変形を許容しつつ更に環境問題にも対応可能な、飛翔害虫を捕獲するための捕獲容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態における紙製捕獲容器は、(1)飛翔害虫を薬剤で誘引して容器内に捕獲する紙製捕獲容器であって、開閉可能な窓部を形成するための破断部と、前記破断部の両端と連続して破断後における側壁が折り返される基点となる折返部と、を備えた周壁部材と、前記周壁部材の下縁開口を閉塞する底面部材と、を含み、前記折り返された側壁が前記飛翔害虫を誘引する止まり木を構成するとともに、破断した前記破断部により前記飛翔害虫が前記容器内に侵入するための前記窓部を構成することを特徴とする。
【0009】
また、上記(1)に記載の紙製捕獲容器においては、(2)前記周壁部材のうち少なくとも前記容器内の側には、当該容器内に侵入した前記飛翔害虫が前記薬剤に移動することをガイドする誘引ガイドが施されてなることが好ましい。
【0010】
また、上記(1)又は(2)に記載の紙製捕獲容器においては、(3)前記底面部材には、前記飛翔害虫が前記容器内に侵入するための1又は複数の天面開口が形成されることが好ましい。
【0011】
また、上記(3)に記載の紙製捕獲容器においては、(4)前記底面部材は、前記周壁部材の下縁開口から中心に向けて前記容器内に向けて凸となるドーム状底面を含み、
前記ドーム状底面の底部に前記天面開口が配置されてなることが好ましい。
【0012】
また、上記(3)又は(4)に記載の紙製捕獲容器においては、(5)前記底面部材のうち前記容器の外側面には、前記飛翔害虫が前記天面開口に移動するための1又は複数の誘引ガイドが形成されてなることが好ましい。
【0013】
また、上記(1)~(5)のいずれかに記載の紙製捕獲容器においては、(6)前記側壁は、前記折返部を介して前記容器内に折り倒し可能であり、前記容器内に侵入した前記飛翔害虫は、前記容器内に折返された前記側壁に誘導されることが好ましい。
【0014】
また、上記(1)~(6)のいずれかに記載の紙製捕獲容器においては、(7)前記側壁には、前記飛翔害虫を誘引するための誘引ガイドが形成されてなることが好ましい。
【0015】
また、上記(1)~(7)のいずれかに記載の紙製捕獲容器においては、(8)前記周壁部材の外周面に沿って軸周りに回転可能な回転翼部および回転枠部を備えた補助容器をさらに含み、前記補助容器が前記軸周りに回転することで前記回転翼部が前記窓部を閉塞することが好ましい。
【0016】
また上記課題を解決するため、本発明の紙製捕獲容器ユニットは、上記した(1)~(8)のいずれかに記載の紙製捕獲容器と、前記薬剤が載置可能な薬剤設置部が形成されて、前記周壁部材の上縁開口に嵌合可能な蓋部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザーの使用環境に応じた止まり木の形態を許容しつつ、さらには紙材を活用することでプラスチックの使用量を削減して環境問題にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る紙製捕獲容器を示す模式図
【
図2】第1実施形態に係る紙製捕獲容器の使用時における状態例を示す模式図
【
図3】第1実施形態に係る紙製捕獲容器ユニットのうち蓋部材を示す模式図
【
図4】第1実施形態に係る紙製捕獲容器のうち、飛翔害虫を誘引等するための薬剤(誘引剤など)の設置形態例を示す模式図
【
図5】第1実施形態における紙製捕獲容器のうち底面部材の変形例を示す模式図
【
図6】第2実施形態に係る紙製捕獲容器ユニットの一部を示す模式図
【
図7】第2実施形態に係る紙製捕獲容器ユニットの分解図(一部)
【
図8】第2実施形態に係る紙製捕獲容器ユニットの使用時における状態遷移を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、適宜図面を参照しつつ、本実施形態に係る紙製捕獲容器について具体的に説明する。なお、以下の実施形態は本発明の一例を説明するものであり、本発明を意図せず限定するものではなく、さらには上記特許文献を含む他の公知の構成を適宜補完して実施してもよい。また、以下では紙製捕獲容器100の中心軸を通って当該軸方向に延びる方向をZ方向、このZ方向とそれぞれ交差する紙製捕獲容器100の周壁部材10に平行な方向をそれぞれX方向およびY方向として便宜的に設定する。
【0020】
≪第1実施形態≫
[紙製捕獲容器ユニット300]
まず
図1~4を参照しつつ、本実施形態における紙製捕獲容器ユニット300について説明する。
すなわち
図4に示すように、本実施形態における紙製捕獲容器ユニット300は、飛翔害虫を捕獲するための枝部と窓部とを形成可能な紙製捕獲容器100と、この飛翔害虫を誘引及び殺虫可能な薬剤AIが配置可能でこの紙製捕獲容器100の上端開口(開口縁部15)に装着可能な蓋部材30と、を含んで構成されている。
かような紙製捕獲容器ユニット300は、例えば一般家屋、飲食店、図書館などの公共建造物、学校、工場やオフィス等の様々な住環境で設置可能である。
【0021】
ここで本実施形態における「飛翔害虫」とは、主として人間の住環境に対して害を及ぼし得る飛翔性の虫を言い、一例としてショウジョウバエ、ノミバエ、クロバネキノコバエ、キノコバエ、チョウバエ等のコバエが例示できる。
また、本実施形態に好適な薬剤AIとしては、上記した飛翔害虫を誘引し又は殺虫することが可能な、固形又は半固形(ゼリー状やゲル状など)あるいは液体状など公知の種々の薬剤が適用できる。なお、本実施形態に適用可能な薬剤AIとしては、少なくとも誘引成分が含有されていればよく、上記した殺虫成分は必須とせずともよい。
【0022】
かような誘引成分としては、特に制限はなく、例えば紹興酒、ビール、ワイン、アセトイン、黒酢、赤酢、食酢、各種果実エキス、野菜や果実の発酵物、味噌、酵母、蜂蜜、液糖、黒糖、砂糖、各種の植物性又は動物性の食餌等の公知の誘引成分が例示できる。
また、上記した殺虫成分としては、特に制限はなく、例えばそれぞれ公知のカーバメート系化合物、オキサジアゾール系化合物、フェニルピラゾール系化合物、スルホンアミド系化合物、ニコチノイド系化合物や、オレンジ油に例示される天然系の殺虫性精油等が例示できる。
【0023】
[紙製捕獲容器100]
次に上記した紙製捕獲容器ユニット300のうち本実施形態における紙製捕獲容器100の詳細構造について説明する。
本実施形態の紙製捕獲容器100は、上記した飛翔害虫を薬剤AIで誘引して容器内に捕獲する機能を有している。より具体的に、
図1及び
図2から理解されるとおり、紙製捕獲容器100は、周壁部材10および底面部材20Aを含んで構成されている。
なお紙製捕獲容器100の形状としては、本発明の趣旨が実現可能な容器である限り本実施形態の形状には限定されないが、例えば公知の紙コップが好適である。
【0024】
したがって紙製捕獲容器100の材質としては、例えば紙コップに適用が可能な公知の紙材が好ましく、さらには当該紙材の表面に対して飛翔害虫を容器内に留め置くための表面処理が施されていてもよい。かような潤滑作用を付与可能な表面処理としては、例えばジメチルシロキサンなどのシリコンオイルなど公知の潤滑剤を塗布する処理や、公知のドライ潤滑フィルムを貼合したり、ポリエチレン樹脂層を溶着する処理などが例示できる。
また、後述するとおり、上記した紙製捕獲容器100の少なくとも一部には、飛翔害虫が薬剤AIに移動することをガイドする誘引ガイド加工が施されていることが好ましい。
【0025】
周壁部材10は、いわゆる紙コップの側面に相当する部位であり、
図1に示すように、開閉可能な窓部11を形成するためのミシン目などの第1破断部12aと、この第1破断部12aの両端と連続して破断後における可動側壁14aが折り返される基点となる折返部13と、を備えてなる。このように本実施形態における窓部11は、上記した第1破断部12aと折返部13とから構成される。
なお、
図2に示すように、周壁部材10に形成された窓部11は、上記した飛翔害虫が出入りするための誘引口としても機能する。
【0026】
また、
図2を用いて説明するように、本実施形態では周壁部材10の側壁14bに複数の可動側壁14aが形成されていることが好ましいが、必ずしも複数である必要はなく周壁部材10の側壁14bにおいて1つの可動側壁14aが形成されて単一の窓部11を形成可能であってもよい。
この可動側壁14aの寸法としては、意図せず破れてしまうことがない限りにおいて特に制限はないが、例えば枝部としての全長(側壁14bからの径方向長さ)が10~50mm程度以上が好ましく、枝部としての全幅(周方向長さ)が8mm以上であることが好ましい。
【0027】
また、
図1に示すように、本実施形態の紙製捕獲容器100は、未使用時には第1破断部12aは破断されておらず、窓部11が未形成の状態となっていることが好ましい。これにより、例えば販売店舗への流通時には紙製捕獲容器100を重ねて搬送することができて搬送コストを抑制することや、使用(購入)者の実際における使用環境(例えば部屋の四隅に配置したり、全ての窓部11を形成できない程度の狭小場所に設置するなど)に応じて任意の窓部11を形成することができる。
【0028】
従って、使用(購入)者は、紙製捕獲容器100における複数の第1破断部12aのうち任意の箇所を指などで破断することで、
図2に示すように、折返部13を基点に可動側壁14aを外側に向けて折り倒すことができる。
このようにして折り返された可動側壁14aは、前記した飛翔害虫を誘引する枝部(止まり木)を構成することになる。また、周壁部材10には可動側壁14aが離脱した後で第1破断部12a及び折返部13を外縁とする開口が形成される。上述のとおり、かような第1破断部12a及び折返部13で区画される開口が、破断した第1破断部12aによって飛翔害虫が容器内に侵入するための窓部11を構成することになる。
【0029】
底面部材20Aは、いわゆる紙コップの底部に相当する部位であり、本実施形態の周壁部材10の下縁開口を閉塞する機能を有している。
図1及び
図2から理解されるとおり、本実施形態の底面部材20Aは、一例として、底面21と、この底面21の周縁であって周壁部材10の下縁と接続される外縁面22とを含んで構成されている。
【0030】
なお本実施形態の紙製捕獲容器100は、底面部材20Aが使用時には天井となるように倒立して使用することが好ましい。このとき、底面部材20Aには、上記した第1破断部12aと折返部13で構成される組が1又は複数だけ形成されていてもよい。これにより、上記周壁部材10のみならず、底面部材20Aに対しても飛翔害虫が出入り可能な開口(窓部)を形成することが可能となる。
【0031】
[蓋部材30]
次に
図3及び
図4も参照しつつ、本実施形態の周壁部材10の上縁開口(開口縁部15)に対して組み合わせ(嵌合など)可能な蓋部材30について詳述する。これらの図から理解されるとおり、本実施形態の蓋部材30は、底面部31、周縁部32および薬剤設置部33を含んで構成されている。
なお、蓋部材30の材質としては、特に制限はないが、例えば公知の紙材の他、環境負荷が低減されたバイオマスプラスチック(バイオポリエチレンなど)が適用できる。
【0032】
図3に示すように、蓋部材30における底面部31は、上記した薬剤AIが収容可能なようにその中央付近が窪んだ(容器の内側に対して凹部となる)薬剤設置部33が形成されている。なお、蓋部材30の底面部31に薬剤AIを定置可能であれば、薬剤設置部33は、
図3のごとき凹部となっている必要は必ずしもなく、底面部31に対して中央付近が盛り上がった台状(凸部)となっていてもよい。
【0033】
なお、本実施形態では、
図3や
図4(a)に示すとおり、蓋部材30の底面部31における中央付近に薬剤設置部33および薬剤AIが配置される例を説明したが、この形態には限られない。
すなわち、
図4(b)に示すとおり、薬剤設置部33を省略して蓋部材30の底面部31に薬剤AIを配置してもよい。この場合、例えば薬剤AIを半固形(ゲル状またはゼリー状)として周縁部32まで行き渡るように底面部31上に敷設することができる。
【0034】
以上説明した第1実施形態における紙製捕獲容器ユニット300によれば、周壁部材10において任意の可動側壁14aを折り倒して窓部11を形成可能であることから、ユーザー(使用者、購入者)の使用環境に応じた枝部(止まり木)の形態を実現することができる。これに加え、紙製捕獲容器100は紙材によって構成可能であるため、世界的にも喫緊の課題となっているプラスチック使用量を削減して環境問題にも寄与することができる。
【0035】
なお、本実施形態の紙製捕獲容器100における底面部材20Aは、
図4に示すように、
使用時に鉛直方向と直交する水平面に平行な底面21とされていた。しかしながら本実施形態の底面部材20を構成する底面21は、上記形態に限られず、非水平状となっていてもよい。すなわち、
図5に示すように、底面部材20Bは、ドーム状底面24と、このドーム状底面24の周縁で周壁部材10と接続する周縁接続部25とを含んで構成される。
【0036】
また、底面部材20Bは、ドーム状底面24の中心付近に設けられて飛翔害虫が容器内に侵入するための天面開口23を有していることが好ましい。なお、
図5では1つの天面開口23が底面部材20Bに形成されているが、この形態に限られず複数の天面開口23が底面部材20Bに形成されていてもよい。これにより、底面側からも飛翔害虫を捕獲することが可能となり、補虫性能が大きく向上することになる。
【0037】
ドーム状底面24は、前記した周壁部材10の下縁開口から容器の中心(例えば重心位置など)に向けて凸となるように設けられていてもよい。換言すれば、上記した上端開口(開口縁部15)を底にして紙製捕獲容器100を設置した場合に、ドーム状底面24は、
図5に示すように鉛直下方に向けて凸となる形状が好ましい。
また、同図に示すように、上記したドーム状底面24の中央(すなわちドーム状底面24の底部)に上記した天面開口23が配置されていることが好ましいが、必ずしも天面開口23がドーム状底面24の中央に配置されておらずともよい。
【0038】
≪第2実施形態≫
次に
図6~8を用いて、第2実施形態に係る紙製捕獲容器ユニット300について説明する。なお、説明の便宜上、上記した蓋部材30および薬剤AIの図示を省略している。また、既述した第1実施形態における紙製捕獲容器ユニット300と同じ構成については、同じ参照番号を付してその説明は適宜省略する。
【0039】
本実施形態の紙製捕獲容器ユニット300は、第1実施形態で説明した第1紙コップとしての紙製捕獲容器100、および蓋部材30に加え、さらに第2紙コップとしての補助容器200を含んで構成されている。
より具体的には、
図6および
図7に示すように、補助容器200は、前記した周壁部材10の外周面に沿って軸周り(例えば
図6ではZ軸周り)に回転可能な回転枠部210および回転翼部220と、これら回転枠部210と回転翼部220の上端に接続される上面部230を備えている。
【0040】
かような補助容器200の形成方法としては、例えば上記した紙製捕獲容器100と外形がほぼ同じである公知の紙コップを利用することができる。すなわち、底部同士を近接させるように補助容器200を紙製捕獲容器100に積み重ねた際に、回転翼部220が窓部11を閉塞可能なように上記紙コップにおける周壁の形状を切り抜くことが考えられる。同様に回転枠部210についても、補助容器200を紙製捕獲容器100に積み重ねた際に、回転枠部210が窓部11の枠に沿って解放可能となるように上記紙コップの周壁を切り抜くことが考えられる。
【0041】
以上のように構成された補助容器200を紙製捕獲容器100に重ねることで、
図8に示すように、補助容器200が容器の軸周りに回転することで、(α)補助容器200の回転翼部220が紙製捕獲容器100の窓部11を閉塞する状態と、(β)補助容器200における回転枠部210の位置が紙製捕獲容器100の窓部11と一致して窓部11が解放される状態と、を適宜切り換え可能に創出することが可能となっている。
【0042】
なお、
図8では、窓部11が完全に開放された状態と完全に閉塞された状態の2つを示しているが、本発明はこれらの形態には限定されない。すなわち、補助容器200の紙製捕獲容器100に対する上記した軸周りの回転角を調整することで、窓部11の開度を任意に調整してもよい。これにより、例えば薬剤AIの芳香が強過ぎる場合や一時的に薬剤AIの効用を抑制したい場合などに、窓部11の開度を減少させることで対応することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、窓部11の数、回転枠部210の数、および回転翼部220の数を互いに一致させているが、本発明はこの形態には限定されない。すなわち、補助容器200における回転枠部210と回転翼部220の組数を、紙製捕獲容器100の窓部11の数に対して一致させず、例えば一方に対して他方を少なくしてもよいし多くしてもよい。
【0044】
この第2実施形態における紙製捕獲容器ユニット300においても、上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに本実施形態によれば、窓部11の開度を任意の状態に調整可能であることから、例えば使用者が長期不在の場合などで薬剤AIの効用を一時的に抑制することもできる。また、薬剤AIが揮発性である場合には、薬効成分の揮発量を抑制することで使用期間を相対的に長くすることも可能となる。
【0045】
以上説明した各実施形態は本発明の趣旨を具現化した一例であり、本発明の上記趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。さらには本発明の上記趣旨を逸脱しない範囲で公知の構造や手法を適宜追加して変形してもよい。
【0046】
以下、本発明の上記した各実施形態に対して適用が可能な変形例について、図を用いて説明する。なお、これらの変形例についても、既述した各実施形態と同じ構成については同じ参照番号を付してその説明は適宜省略する。
【0047】
≪変形例1≫
図9に変形例1に係る紙製捕獲容器100を示す。
まず上記した各実施形態では、例えば
図2や
図6などに示されるように、紙製捕獲容器100における周壁部材10の側壁14bから折り返された可動側壁14aは、そのまま飛翔害虫に対する止まり木としてほぼ二次元(平面)的な枝部を構成していた。
これに対して変形例1における紙製捕獲容器100では、2段階で折り曲げられて造成される立体的な枝部を構成する可動側壁14cを有する構成となっている。
【0048】
すなわち、
図9に示すように、本変形例1における可動側壁14cは、容器の周方向(θz)に関して可動側壁14cの半分(傾斜領域VA)が二次折曲部fdを基点として残りの半分(水平領域HA)に対して90°程度立たせた状態となっている。従ってこの二次的な折り曲げに対応するように、本変形例1の周壁部材10には、傾斜領域VAに対応する折返部13に第2破断部12bが形成されている。
これにより、折返部13を基点に可動側壁14cをまず折返し(この時点では上記した可動側壁14aと同様の形状となっている)、その後に上記第2破断部12bを破断させながら水平領域HAに対して傾斜領域VAを二次折曲部fdを基点に折り曲げることが可能となっている。
【0049】
以上説明した変形例1における紙製捕獲容器100によれば、上記した実施形態の効果に加え、立体(三次元)的な枝部として機能する可動側壁14cのうち傾斜領域VAは飛翔害虫に対して止まり木効果を有するだけでなく、この傾斜領域VAが容器内へのガイド通路となって飛翔害虫を薬剤AIへ容易に導くことが可能となる。
なお、上記した水平領域HAに対する傾斜領域VAの角度は概ね鉛直(90°程度)が好ましいが、必ずしも90°である必要はなく、二次折曲部fdを基点に傾斜領域VAが水平領域HAに対して傾斜していればよい。
【0050】
また、本変形例1では、可動側壁14cのうちそれぞれ半分を水平領域HA及び傾斜領域VAとしたが、必ずしも等分である必要はなく、傾斜領域VAが水平領域HAに対して小さくなるように設定されていてもよい。さらには、可動側壁14cにおいて水平領域HAと傾斜領域VAをそれぞれ1つとしたが、必ずしも同じ数である必要はなく、水平領域HAの両端が傾斜領域VAとなるなど、水平領域HAの数よりも傾斜領域VAの数が多くなるように設定されていてもよい。
【0051】
≪変形例2≫
図10に変形例2に係る紙製捕獲容器100を示す。
この変形例2における紙製捕獲容器100では、(a)可動側壁14aには飛翔害虫を誘引するための誘引ガイド(第1誘引ガイド16A~16C)が形成され、(b)周壁部材10のうち少なくとも容器内の側には当該容器内に侵入した飛翔害虫が薬剤AIに移動することをガイドする誘引ガイド(第2誘引ガイド10G)が施され、さらに(c)底面部材20のうち容器の外側面(底面21のうち容器外側)には飛翔害虫が天面開口23に移動するための1又は複数の誘引ガイド(第3誘引ガイド26)が形成された構成となっている。
【0052】
なお変形例2における紙製捕獲容器100において、上記した(a)~(c)は必ずしもすべて具備している必要はなく、上記(a)~(c)の少なくとも1つの構成を紙製捕獲容器100が有していてもよい。また、周壁部材10における側壁14bのうち容器外面側にも、上記した第1誘引ガイド16A~16Cや第2誘引ガイド10Gが設けられていてもよい。また、変形例2では、ドーム状底面24を有する底面部材20Bを用いているが、水平面の底面21を有する底面部材20Aを適用してもよい。
【0053】
より具体的に同図から理解されるとおり、枝部として折返部13を基点に折り返された可動側壁14aの上面(折返し前は容器内面側に位置する面)には、飛翔害虫を誘引するための誘引ガイド(第1誘引ガイド16A~16C)が形成されている。
【0054】
第1誘引ガイド16Aは、可動側壁14aの上面に対して上方に盛り上がった1又は複数の段部である。かような段部は、例えば公知の飲料用カップで用いられる断熱スリーブを応用して可動側壁14aの上面が凹凸構造となるように凹凸形状の紙材を貼合することで形成できる。また、第1誘引ガイド16Aを構成する段部は、上記のように予め容器内面側に凹凸形状の紙材を貼合していてもよいし、折返部13を基点に可動側壁14aが折り返された後で上記凹凸形状の紙材を使用者が貼合してもよい。
【0055】
第1誘引ガイド16Bは、飛翔害虫を誘引するために可動側壁14aの上面に対して着色が施された領域である。かような第1誘引ガイド16Bとしては、同図に示すように、例えばキイロショウジョウバエの色選好性に合わせて黒と赤と橙(オレンジ)の3色で色分けがなされていてもよい。なお、着色の態様は上記3色に限られず誘引したい飛翔害虫の種類に応じて変更可能であり、公知の飛翔害虫の色選好性に基づいて適宜選定できる。
なお、第1誘引ガイド16Bとしては、上記3色で塗り分けられる態様の他、例えば可動側壁14aの上面に対して上記3色の罫線が枝部の先端側から折返部13まで引かれた態様であってもよい。
【0056】
第1誘引ガイド16Cは、飛翔害虫を誘引するための上記薬剤AIが可動側壁14aの上面に塗布又は接着された領域である。かような第1誘引ガイド16Cに塗布又は接着される薬剤AIとしては、上記した公知の成分を有する粒状の誘引剤が適用できる。なお、図示では粒状の薬剤AIが接着される例を示したが、この態様に限られずゼリー又はゲル状の薬剤AIを第1誘引ガイド16Cとして塗布する態様であってもよい。
なお、図示では、第1誘引ガイド16A~16Cがそれぞれ設けられているが、これらのうち少なくとも1種類が第1誘引ガイド16として可動側壁14aの上面に形成されていればよい。
【0057】
また、
図10に示すように、上記凹凸形状の紙材を周壁部材10のうち内周面側(容器内面側)に貼合してもよい。これにより、周壁部材10のうち折返部13を基点に可動側壁14aが折り返された後で、周壁部材10の内周面側にも凹凸構造が形成されることになる。かような周壁部材10の内周面側に形成された凹凸構造が、上記した第2誘引ガイド10Gとして機能する。
【0058】
また、同図に示すように、底面21のうち容器の外側に位置する側には、飛翔害虫が天面開口23に移動するための1又は複数の第3誘引ガイド26が形成されている。かような第3誘引ガイド26としては、例えば上記した第1誘引ガイド16Aと同様の凹凸形状の紙材などが適用できる。
【0059】
また、図示では第3誘引ガイド26は底面21の天面開口23を中心として放射状に形成された1又は段部の段部が例示されているが、必ずしも段部である必要はなく底面21に対して凹状の溝部となっていてもよい。かような溝部の形成手法は、特に制限はなく公知の種々の手法が適用でき、例えば底面21自体を凹凸形状の紙材で構成することなどで実現できる。
【0060】
以上説明した変形例2における紙製捕獲容器100によれば、上記した実施形態の効果に加え、可動側壁14aや天面開口23の飛翔害虫に対する誘引性をさらに向上させることが可能となり飛翔害虫を薬剤AIへ容易に導くことが可能となる。
【0061】
≪変形例3≫
図11に変形例3に係る紙製捕獲容器100を示す。
上記した各実施形態では、例えば
図2や
図6などに示されるように、紙製捕獲容器100における周壁部材10の可動側壁14aは、側壁14bから容器の外側(外周面側)に折り返されるようにして枝部を構成していた。これに対して変形例3における紙製捕獲容器100では、周壁部材10の可動側壁14dは、折返部13を介して容器の内側(内周面側)に折り返し可能である点に主とした特徴がある。
【0062】
すなわち、同図から理解されるとおり、使用者は、紙製捕獲容器100における複数の第1破断部12aのうち任意の箇所を指などで破断することで、折返部13を基点に可動側壁14dを容器の内側に向けて折り返すことができる。このとき、
図11に示すように、少なくとも1つの可動側壁14dの上面(折り返された際に鉛直上方を向く面)には上記したいずれかの第1誘引ガイド16が設けられていてもよい。
【0063】
また、本変形例3では、可動側壁14のうちのいくつかが容器の内面側に折り返された可動側壁14dを構成するとともに、他のいくつかが容器の外面側に折り返される可動側壁14aを構成している。しかしながら本発明は、上記形態に限定されず、各実施形態で既述したようにすべての可動側壁14が容器の外側に折り返されていてもよいし、すべての可動側壁が容器の内側に折り返されている形態であってもよい。
【0064】
このようにして可動側壁14dが容器の内側に折り返されることで、容器内に侵入した飛翔害虫は容器内に折返された可動側壁14dに誘導されて薬剤AIまで到達しやすくなる。なお、本変形例3のように、底面部材20Aの底面21には少なくとも1つの天面開口23が設けられていてもよい。
以上説明した変形例3における紙製捕獲容器100によれば、上記した実施形態の効果に加え、容器内に侵入した飛翔害虫が容器外へ逃げ出すことを抑制することが可能となっている。
【0065】
≪変形例4≫
図12に変形例4に係る紙製捕獲容器ユニットの蓋部材30を示す。
この変形例4における蓋部材30では、蓋部材30の底面部31には外縁部から薬剤設置部33への続く少なくとも1つの蓋側誘引ガイド34を備えている点に主とした特徴がある。
【0066】
同図から理解されるように、本変形例4における蓋部材30は、薬剤設置部33の形状に対応して凹状又は凸状の蓋側誘引ガイド34が底面部31上に形成されていてもよい。換言すれば、薬剤設置部33が底面部31に対して凹状となるように設けられている場合には、この蓋側誘引ガイド34も底面部31に対して凹状となるように設けられていることが好ましい。
【0067】
かような凹状または凸状の蓋側誘引ガイド34の形成手法については、特に制限はなく、例えば蓋部材30が上記したバイオポリエチレンなどの樹脂材で形成されている場合には射出成形型で当該蓋側誘引ガイド34も予め形成しておけばよい。このように、紙製捕獲容器100と同様に蓋部材30も紙製であることが好ましいが、蓋部材30に関しては成形の容易さと環境への負荷を考慮して環境負荷が低減された公知のバイオマスプラスチックで形成されていることが好ましい。
以上説明した変形例4における紙製捕獲容器ユニット300によれば、上記した実施形態の効果に加え、容器内に侵入した飛翔害虫が蓋部材30に配置された薬剤AIへ移動することを促進可能となっている。
【0068】
≪変形例5≫
図13に変形例5に係る紙製捕獲容器100に適用可能な可動側壁14の例を示す。
すなわち上記した各実施形態や変形例における可動側壁14は、
図14(a)に示すような、平面視が半円と長方形が組み合わされた一方が折返部13となって他方(片側のみ)が半円(角丸)である形状が用いられていた。しかしながら本発明は、このような形態に限られず、周壁部材10の側面に設けられる可動側壁は、例えば
図14(b)に示すような折返部13を底辺とした平面視が台形状の可動側壁14eや、
図14(c)に示すような折返部13を一方の短辺とした平面視が長方形の可動側壁14fで構成されていてもよい。
【0069】
このとき、周壁部材10に複数の可動側壁14が設けられる場合には、これらが同一形状の可動側壁14であってもよいし、少なくとも1つが他の可動側壁と異なる形状を有するように構成されていてもよい。
以上説明した変形例5における紙製捕獲容器ユニット300によれば、上記した実施形態の効果に加え、容器の周囲を飛散する飛翔害虫の特性などを鑑みて枝部の形状を選定することができる。
【0070】
≪変形例6≫
図14に変形例6に係る紙製捕獲容器100及び補助容器200の例を示す。
同図に示すように、上記した第2実施形態においては、底面21と上面部230とで互い違いになるように、底面21及び上面部230に対してそれぞれ飛翔害虫が通過可能な誘引開口27A及び27Bをそれぞれ形成してもよい。
【0071】
このとき、紙製捕獲容器100においては、誘引開口27Aの周方向(θz)における設置位置と、窓部11の周方向における設置位置と、回転枠部210の周方向における設置位置が、互いに一致していることが好ましい。
これにより、紙製捕獲容器100における窓部11の開閉に応じて、例えば窓部11と回転枠部210の位置が一致して窓部11が解放されるときには、底面21と上面部230の開口が一致した解放状態に切り替わることができる。他方で、窓部11と回転翼部220の位置が一致して窓部11が閉塞されるときには、底面21と上面部230の開口が互い違い(周方向θzにおいて重ならない状態)となって底面21が閉塞状態に切り替わることになる。
【0072】
≪その他の変形例≫
例えば上記した各実施形態や変形例において、紙製捕獲容器100は公知の紙材で形成されていたが、上記第1破断部12aなどを使用者が破断可能な限り、例えば環境負荷が低減されたバイオポリエチレンなど比較的に軟質な公知のバイオマスプラスチックでこれを形成してもよい。
【0073】
また、各実施形態および各変形例における紙製捕獲容器100と蓋部材30を含む紙製捕獲容器ユニットは、薬剤AIの1回使用を前提とした使い捨てタイプであってもよいし、紙製捕獲容器100を再利用するタイプであってもよい。
以上で説明した各実施形態および各変形例は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者が適宜組み合わせて実施することを妨げるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、例えばコバエなどの飛翔害虫を効率的に捕獲可能な捕獲容器とその蓋部材を製造することなどに利用できる。
【符号の説明】
【0075】
100 紙製捕獲容器
10 周壁部材
20 底面部材
30 蓋部材