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特開2022-191636中継芯およびこの中継芯を備える液体塗布具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191636
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】中継芯およびこの中継芯を備える液体塗布具
(51)【国際特許分類】
   B43K 8/06 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
B43K8/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099972
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000103600
【氏名又は名称】オーベクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002778
【氏名又は名称】弁理士法人IPシーガル
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓之
(72)【発明者】
【氏名】堀内 夏海
【テーマコード(参考)】
2C350
【Fターム(参考)】
2C350GA04
2C350GA05
2C350GA06
2C350HA14
2C350HA15
2C350KA01
2C350KA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】インクの吐出異常を起こすことを抑制又は防止して、ペン先等の塗布部に安定してインクを供給することができる中継芯およびこの中継芯を備える液体塗布具を提供する。
【解決手段】この発明の中継芯1は、長尺棒状の中継芯主体2からなるもので、中継芯主体2は、その先端側に、ペン先等を接続するための先端接続部2aを有し、先端接続部2aよりも後端側に、中継芯主体2の外径よりも小径になるよう形成された小径部2bを有するよう構成され、中継芯主体2の横断面は、中継芯主体2の周壁を構成する外周部と、前記外周部から径方向内側に向かって延設される一又は複数のリブと、を有するものになるよう構成され、前記リブを、中継芯主体2の先端から後端まで、軸線方向に沿って延びるよう形成することによりインク流路となる空間を形成したものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺棒状の中継芯主体からなる中継芯であって、
前記中継芯主体は、
その先端側に、穂先ないしペン先を接続するための先端接続部を有し、前記先端接続部よりも後端側に、前記中継芯主体の外径よりも小径になるよう形成された小径部を有するよう構成され、
前記中継芯主体の横断面は、
前記中継芯主体の周壁を構成する外周部と、前記外周部から径方向内側に向かって延設される一又は複数のリブと、を有するものになるよう構成され、
前記リブを、前記中継芯主体の先端から後端まで、軸線方向に沿って延びるよう形成することによって、前記周壁と各リブとの間、並びに各リブ間に、一又は複数の、所要の大きさの空間が形成されていること
を特徴とする中継芯。
【請求項2】
前記小径部は、
前記中継芯主体の軸線方向に沿って後端縁まで連続して形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の中継芯。
【請求項3】
前記空間は、
少なくとも前記小径部において、前記周壁より径方向内側に存在していることにより、径方向の外部空間に露出していないこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の中継芯。
【請求項4】
前記小径部の外周面と前記空間の径方向最外部を構成する内壁までの厚さは、
0.1mm以上であること
を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の中継芯。
【請求項5】
前記中継芯主体は、
その先端部が、先端側に向かうに従って先細となる先鋭形状を有するよう構成されていること
を特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の中継芯。
【請求項6】
前記リブは、
横断面視で、その内側の端部が径方向中央部で互いに連結されるよう構成されていること
を特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の中継芯。
【請求項7】
前記リブは、
横断面視で、その内側の端部が互いに連結されないよう構成されていること
を特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の中継芯。
【請求項8】
前記中継芯主体は、
少なくともその外径が最大になる部分において、横断面視で、中心から半径の65%の位置に亘る範囲内の部分の気孔率が20~70%、かつ半径の65%の位置から外周面まで周方向に亘って形成されている環状部分の気孔率が0%~20%になるよう構成されていること
を特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の中継芯。
【請求項9】
前記中継芯主体は、
前記先端接続部と嵌脱可能な穂先ないしペン先を備え、前記穂先ないしペン先の先端部と前記中継芯主体の先端部との間の長さが2~6mmの範囲内になるよう構成されていること
を特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の中継芯。
【請求項10】
前記中継芯主体は、
斜め45°の角度で傾いた状態で、その先端部が2mm押し潰されるように該先端部に垂直荷重を負荷したときに生ずる反発力が20gf以下となるよう、しなり具合が調整されたものであること
を特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の中継芯。
【請求項11】
前記中継芯主体は、
エラストマーで構成されていること
を特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の中継芯。
【請求項12】
前記中継芯主体は、
前記中継芯主体を囲繞して外周面と当接する筒状体からなるインク一時保持部材を備え、
前記インク一時保持部材は、
その外周面に、径方向に貫通して形成される一又は複数の貫通口を備え、
前記貫通口は、
外部空間と連通し、かつ前記インク一時保持部材の内表面と前記中継芯主体の小径部との間に形成される空隙とも連通するよう構成されていること
を特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の中継芯。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の中継芯を備えること
を特徴とする液体塗布具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、中継芯と、この中継芯を備える液体塗布具に関するものである。
より詳しくは、インク、特に大径の粒子を含むインクや高い粘度を有するインクの吐出異常を起こすことがないか又は極めて高い確率で抑制して、筆先ないしペン先等の塗布部に安定してインクを供給することができるインク中継芯、およびこのインク中継芯を備え、かつ筆記具や化粧具等の用途に利用可能な液体塗布具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを貯蔵するインク貯蔵部を軸筒に内蔵し、塗布部ないし筆記部としてペン先を軸筒の先端に備える液体塗布具が、マーキングペンやサインペン、筆ペンなどの筆記具や、アイライナーなどの化粧具等の用途として利用されている。
このような液体塗布具においては、インク貯蔵部からペン先にインクを供給するため、インク貯蔵部とペン先との間に中継芯が、連結されるように配設されている。
【0003】
中継芯については、液体塗布具の用途や、インクの種類(特にインクの粘度や、インクに含まれる顔料の粒子径)、軸筒の構造などに応じて、その材質や形状が適宜選択されている。
一般的には、中継芯としては、アクリル繊維やポリエステル繊維、ナイロン繊維等からなる合成繊維束をウレタン樹脂などの接着用樹脂で結着させて形成したものや、プラスチック成型体からなるものがある。
このような中継芯の例が、特許文献1及び2に開示されている。
【0004】
中国実用新案第207544588号明細書(特許文献1)においては、液体または粉末物質を含む液体を円滑に供給することができる化粧筆インク誘導芯が提案されている。
【0005】
この化粧筆インク誘導芯は、その外周壁面に、前記化粧筆インク誘導芯の軸方向の一端面から軸方向の他端面まで延びるインク誘導溝が設けられているものである。
【0006】
さらに、国際公開第2020/116604号(特許文献2)においては、粒子を含有する液体を、中継芯が毛細管力や液体保持力を有した上で、中継芯内で目詰まりすることなく、塗布用の筆先に一定量供給することができる中継芯が提案されている。
【0007】
この中継芯は、粒子を含有する液体を、筆先に供給する中継芯であって、
該中継芯は軸線方向に沿って延在する流路を有し、
前記流路の縦断面は、前記中継芯の後端部分から先端部分まで略直線状であり、
前記流路の横断面は、毛細管力で前記液体を保持可能な形状を有する部分と、前記粒子が通過可能な形状を有する部分とを備えた形状であるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国実用新案第207544588号明細書(実用新案登録請求の範囲,図2及び3)
【特許文献2】国際公開第2020/116604号(請求の範囲,図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の、繊維束で構成されている中継芯において、使用するインクにラメ顔料やパール顔料などの大径の粒子が含まれている場合には、中継芯内のインク流路を通じてペン先にインクを供給する際に、絡み合った繊維束内で粒子が詰まり、ペン先にインクを安定して供給できなくなる、という問題があった。
【0010】
前記特許文献1に開示されている化粧筆インク誘導芯では、そのインク誘導溝は、外周部に凹凸を形成することによって形成されている。
したがって、外周部が凹凸を有するため、外径を精度よく調整することが難しい、という問題や、外径の測定が難しい、という問題があった。
さらに、所定の形状に加工するに際しては、精緻な加工が難しい、という問題もあった。
【0011】
前記特許文献2に開示されている中継芯では、前記中継芯の中央部分の横断面において、流路すべてが中継芯の外郭部に取り囲まれ、該外郭部の内側に配置されているので、このようなものであれば、中継芯の製造は容易で、中継芯の外径を精度よく調整することは可能である。
しかしながら、この中継芯は、使用した際に、インク収容部の内圧が上昇することがあり、その場合には、膨張した空気とともにインクが先端から漏れるなどのインクの吐出異常が生じやすいものである。
【0012】
この発明はかかる現状に鑑み、インク、特に大径の粒子を含むインクや高い粘度を有するインクの吐出異常を起こすことがないか又は極めて高い確率で抑制して、筆先ないしペン先等の塗布部に安定してインクを供給することができるインク中継芯、およびこのインク中継芯を備える液体塗布具を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、この発明にかかる請求項1に記載の発明は、
長尺棒状の中継芯主体からなる中継芯であって、
前記中継芯主体は、
その先端側に、穂先ないしペン先を接続するための先端接続部を有し、前記先端接続部よりも後端側に、前記中継芯主体の外径よりも小径になるよう形成された小径部を有するよう構成され、
前記中継芯主体の横断面は、
前記中継芯主体の周壁を構成する外周部と、前記外周部から径方向内側に向かって延設される一又は複数のリブと、を有するものになるよう構成され、
前記リブを、前記中継芯主体の先端から後端まで、軸線方向に沿って延びるよう形成することによって、前記周壁と各リブとの間、並びに各リブ間に、一又は複数の、所要の大きさの空間が形成されていること
を特徴とする中継芯である。
【0014】
この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の中継芯において、
前記小径部は、
前記中継芯主体の軸線方向に沿って後端縁まで連続して形成されていること
を特徴とするものである。
【0015】
この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の中継芯において、
前記空間は、
少なくとも前記小径部において、前記周壁より径方向内側に存在していることにより、径方向の外部空間に露出していないこと
を特徴とするものである。
【0016】
この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1~3のいずれかに記載の中継芯において、
前記小径部の外周面と前記空間の径方向最外部を構成する内壁までの厚さは、
0.1mm以上であること
を特徴とするものである。
【0017】
この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1~4のいずれかに記載の中継芯において、
前記中継芯主体は、
その先端部が、先端側に向かうに従って先細となる先鋭形状を有するよう構成されていること
を特徴とするものである。
【0018】
この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1~5のいずれかに記載の中継芯において、
前記リブは、
横断面視で、その内側の端部が径方向中央部で互いに連結されるよう構成されていること
を特徴とするものである。
【0019】
この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1~5のいずれかに記載の中継芯において、
前記リブは、
横断面視で、その内側の端部が互いに連結されないよう構成されていること
を特徴とするものである。
【0020】
この発明の請求項8に記載の発明は、
請求項1~7のいずれかに記載の中継芯において、
前記中継芯主体は、
少なくともその外径が最大になる部分において、横断面視で、中心から半径の65%の位置に亘る範囲内の部分の気孔率が20~70%、かつ半径の65%の位置から外周面まで周方向に亘って形成されている環状部分の気孔率が0%~20%になるよう構成されていること
を特徴とするものである。
【0021】
この発明の請求項9に記載の発明は、
請求項1~8のいずれかに記載の中継芯において、
前記中継芯主体は、
前記先端接続部と嵌脱可能な穂先ないしペン先を備え、前記穂先ないしペン先の先端部と前記中継芯主体の先端部との間の長さが2~6mmの範囲内になるよう構成されていること
を特徴とするものである。
【0022】
この発明の請求項10に記載の発明は、
請求項1~9のいずれかに記載の中継芯において、
前記中継芯主体は、
斜め45°の角度で傾いた状態で、その先端部が2mm押し潰されるように該先端部に垂直荷重を負荷したときに生ずる反発力が20gf以下となるよう、しなり具合が調整されたものであること
を特徴とするものである。
【0023】
この発明の請求項11に記載の発明は、
請求項1~10のいずれかに記載の中継芯において、
前記中継芯主体は、
エラストマーで構成されていること
を特徴とするものである。
【0024】
この発明の請求項12に記載の発明は、
請求項1~11のいずれかに記載の中継芯において、
前記中継芯主体は、
前記中継芯主体を囲繞して外周面と当接する筒状体からなるインク一時保持部材を備え、
前記インク一時保持部材は、
その外周面に、径方向に貫通して形成される一又は複数の貫通口を備え、
前記貫通口は、
外部空間と連通し、かつ前記インク一時保持部材の内表面と前記中継芯主体の小径部との間に形成される空隙とも連通するよう構成されていること
を特徴とするものである。
【0025】
この発明の請求項13に記載の発明は、
請求項1~12のいずれかに記載の中継芯を備えること
を特徴とする液体塗布具である。
【発明の効果】
【0026】
この発明の中継芯(インク中継芯)は、長尺棒状の中継芯主体からなるもので、前記中継芯主体は、その先端側に、穂先ないしペン先を接続するための先端接続部を有し、前記先端接続部よりも後端側に、前記中継芯主体の外径よりも小径になるよう形成された小径部を有するよう構成され、前記中継芯主体の横断面は、前記中継芯主体の周壁を構成する外周部と、前記外周部から径方向内側に向かって延設される一又は複数のリブと、を有するものになるよう構成され、前記リブを、前記中継芯主体の先端から後端まで、軸線方向に沿って延びるよう形成することによって、前記周壁と各リブとの間、並びに各リブ間に、一又は複数の、所要の大きさの空間が形成されるよう構成されている。
したがって、前記中継芯において、前記小径部の外周面上には空隙が形成されるので、この空隙を利用して空気の排出と流入が可能となる。
よって、前記中継芯では、その内部において、前記空間で構成されるインク流路とは別に、空気交換用の空隙が形成されているので、液体塗布具が手で握られているときの体温による前記液体塗布具内の温度上昇等によってインク貯蔵体内の空気が膨張して内圧が上昇した場合や、インク貯蔵体にエンドキャップや尾栓を嵌合させるときなど、液体塗布具の製造の際に気密が確保されることによって気圧の変化が生じた場合であっても、インク貯蔵体から押し出された空気は、前記空隙を介して排出され、インク漏れやインクの吐出異常の発生を抑制又は防止しつつ、インクの供給と排出を安定して行うことが可能である。
さらに、インクの吐出異常の発生を抑制又は防止することによって、インクの無駄遣いが抑制又は防止されるので、製品(液体塗布具)の使用可能期間を延長することも可能となる。
なお、この作用効果は、前記インク流路を、大径の粒子を含むインクや高い粘度を有するインクが通過することを可能とすべく、その流路が大きくなるよう構成した場合に、顕著である。
【0027】
さらに、前記中継芯においては、前記小径部を、前記中継芯主体の軸線方向に沿って後端縁まで連続して形成することができる。
このような構成によって、前記小径部の外周面上に形成される空隙は、前記中継芯主体の軸線方向に沿って後端縁まで延びているので、主として前記中継芯主体の後端側から空気の排出と流入が可能となる。
なお、後述するように、前記小径部が、その後端側にインクを貯蔵するインク貯蔵体と接続するための後端接続部を備えるよう構成される場合には、前記後端接続部の後端縁まで連続して小径になるように構成することができる。
【0028】
前記中継芯においては、前記空間を、少なくとも前記小径部において、前記周壁より径方向内側に存在するよう形成することにより、前記空間が径方向の外部空間に露出しないよう構成することができる。
このような構成によって、前記中継芯では、加工時にかかる応力や加工時に発生し得るバリ等によって、前記空間で構成されるインク流路が変形したり、ねじれたりすることで発生するインク流路の機能不全が抑制又は防止され、インクの供給と排出を安定して行うことが可能となる。
【0029】
前記中継芯においては、前記小径部の外周面と前記空間の径方向最外部を構成する内壁までの厚さを、0.1mm以上に設定することができる。
このような構成によって、前記小径部の強度が向上するため、加工時にかかる応力や加工時に発生し得るバリ等によって前記インク流路が変形したり、ねじれたりすることが、より高い確率で防止され、その結果、前記変形やねじれによって発生し得るインク流路の機能不全もより高い確率で防止されるので、インクの供給と排出が阻害されることなく、より安定して行われ得る。
【0030】
前記中継芯においては、前記中継芯主体を、その先端部が、先端側に向かうに従って先細となる先鋭形状を有するよう構成することができる。
このような構成によって、中継芯の先端に柔軟性を付与することが可能となる。
【0031】
前記中継芯においては、前記リブを、その断面視内側の端部が径方向中央部で互いに連結されるよう構成することができる。
このような構成によって、前記中継芯主体を、その先端部が、先端側に向かうに従って先細となる先鋭形状を有するよう構成した場合であっても、前記中継芯主体の先端部においてバラケが生じることなく、前記中継芯主体、特にその先端部に精度の良い加工を施すことが可能となる。
【0032】
一方、前記中継芯においては、前記リブを、その断面視内側の端部が互いに連結されないよう構成することもできる。
このような構成によれば、各リブは、断面視内側の端部が自由端部で、径方向中央部に向かって枝分かれした状態で突設されているので、中継芯の先端部を先鋭形状を有するよう構成した等の場合であっても、各リブがそれぞれ棒状体を形成し、先端側に向かってバラケる。
さらに、中継芯の先端側に接続される穂先ないしペン先が、繊維束や毛束で構成されている場合には、前記穂先ないしペン先を構成する毛の1本1本が前記棒状体と絡み合って、前記中継芯の先端部において、より適度なコシと最適な塗布感が得られる。
【0033】
前記中継芯においては、前記中継芯主体を、少なくともその外径が最大になる部分において、横断面視で、中心から半径の65%の位置に亘る範囲内の部分の気孔率が20~70%となるよう構成することができる。
このような構成によって、インクが大径の粒子を含むものであっても、安定してインクの供給と排出を行うことが可能となる。
さらに、前記中継芯主体を、横断面視において、半径の65%の位置から外周面まで周方向に亘って形成されている環状部分の気孔率が0%~20%になるよう構成することができる。
このような構成によれば、前記小径部を構成する周壁の強度が向上するので、前記小径部に加工を施す場合であっても、インク流路としての前記空間の変形やねじれによって発生し得るインクの詰まりが発生しにくい。その結果、インクが大径の粒子を含む場合であっても、安定してインクの供給と排出を行うことが可能となる。
【0034】
前記中継芯においては、前記中継芯主体の先端接続部と嵌脱可能な穂先ないしペン先を備えさせるとともに、前記穂先ないしペン先の先端部と前記中継芯主体の先端部との間の長さを2~6mmの範囲内に設定することができる。
このような構成によって、前記穂先ないしペン先のしなり具合には、中継芯先端部の固有の硬さをある程度付加することができるため、塗布感に適度な硬さが付与され、前記穂先ないしペン先において適度なコシが得られるので、液体塗布具を構成したときに、紙や肌等の対象に対して塗布や筆記、描画等(以下、「塗布等」という。)がしやすくなる。
さらに、塗布面に近い位置に中継芯の先端部が位置するので、塗布等の対象に付着する顔料ないしインクの量を増大させやすくなり、その結果、発色性を強化することが可能となる。
なお、前記穂先ないしペン先の形態として、繊維束芯、毛束芯又はラバー芯(特に、ポーラスラバー芯)を選択することができる。
【0035】
前記中継芯においては、前記中継芯主体を斜め45°の角度で傾いた状態で、その先端部が2mm押し潰されるように該先端部に垂直荷重を負荷したときに生ずる反発力が20gf以下となるよう構成することができる。
このような構成によって、穂先ないしペン先が本来有する弾力性を損なうことなく、液体塗布具に対して、適度なコシと最適な塗布感ないし書き味を、中継芯と穂先ないしペン先との相乗効果により、付与することが可能となる。
【0036】
前記中継芯においては、前記中継芯主体を、エラストマーで構成することができる。
このような構成によって、液体塗布具を構成したときには、より適度なコシや柔軟性、復元性を得ることができ、最適な塗布感ないし書き味を得ることができる。
【0037】
さらにまた、前記中継芯においては、前記中継芯主体に、前記中継芯主体を囲繞して外周面と当接する筒状体からなるインク一時保持部材を備えさせることができる。
その際、前記インク一時保持部材の外周面には、径方向に貫通して形成される一又は複数の貫通口を設けるとともに、前記貫通口を、外部空間と連通し、かつ前記インク一時保持部材の内表面と前記中継芯主体の小径部との間に形成される空隙とも連通するよう構成することができる。
このような構成によって、インクが大径の粒子を含んでいる場合であっても、より確実にインクの吐出異常を防止しつつ、安定してインクの供給と排出を行うことが可能となる。
【0038】
なお、前記中継芯は、紙や肌等の対象に対して塗布等を行う各種液体供給具の中継芯として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】この発明にかかる中継芯の一例の側面を示す概略説明図である。
図2】この発明にかかる中継芯の他の例の側面を示す概略説明図である。
図3】この発明にかかる中継芯の横断面の例を示す概略説明図である。
図4】この発明にかかる中継芯の横断面の他の例を示す概略説明図である。
図5図1に示す中継芯にインク一時保持部材を組み合わせた状態を示す概略説明図である。
図6図1に示す中継芯を備える液体塗布具の一例を示す概略説明図である
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、この発明にかかる中継芯の実施の形態を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
なお、この発明の中継芯は、図示の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲内で改良を加えることができるものである。
【0041】
この発明にかかるインク中継芯1(以下、「中継芯1」という。)は、図1及び2に示すように、長尺棒状の中継芯主体2で構成されたもので、図6に示すように、ペン先3や、インク貯蔵体4、軸筒5と組み合わされて液体塗布具7を構成するものである。
なお、前記中継芯主体2は、後述するように、その先端から後端まで、軸線方向に沿って延びるよう形成された一又は複数の、所要の大きさの空間からなるインク流路23を有する。
【0042】
前記中継芯主体2の後端部には、図1及び2に示すように、インクを貯蔵するインク貯蔵体4と接続するための後端接続部2cが設けられている。
なお、図1においては、後端接続部2cは、前記小径部2bの後端縁から、後端側に向かうに従って縮径するよう連続的に形成されている。
【0043】
図1及び2において、符号2dは、中継芯主体2と該中継芯主体2よりも小径に形成された先端部との外径の差異によって周方向に沿って形成された段部であり、前記段部2dが穂先(筆先)ないしペン先3の後端部に形成された被嵌入部3aの外側の端縁(開口部)と当接することによって、前記中継芯主体2と穂先(筆先)ないしペン先3とが適切な位置で軸線方向に嵌合される。
【0044】
前記中継芯主体2は、図1及び2に示すように、その先端側に、塗布部(塗布等が行われる部分)としての穂先ないしペン先3を接続するための先端接続部2aを有するもので、前記先端接続部2aよりも後端側に、前記中継芯主体2の外径よりも小径になるよう形成された小径部2bを有する。
【0045】
前記小径部2bは、前記中継芯主体2の大径部分の外径よりも小径になるよう形成され、液体塗布具を構成したときには、前記小径部2bにおいて、その外周面と軸筒5との間(前記小径部2bにインク一時保持部材6が配設される場合には、外周面と後述するインク一時保持部材6の内周面との間)に空隙Gが形成される。
前記空隙Gは、外部空間と連通するよう構成され、空気の流路を構成するので、この空隙Gを利用して空気の排出と流入が可能である。
したがって、この発明においては、中継芯1内部、より詳しくは前記小径部2bの外周上にインク流路23とは別に空気交換用の空隙Gが形成されているので、液体塗布具が手で握られているときの体温による前記液体塗布具内の温度上昇等によってインク貯蔵体4内の空気が膨張して内圧が上昇した場合や、インク貯蔵体にエンドキャップや尾栓を嵌合させるときなど、液体塗布具の製造の際に気密が確保されることによって気圧の変化が生じた場合であっても、インク貯蔵体4から押し出された空気は、前記小径部2bの外周上に形成されている空隙Gを流路として排出される。
その結果、インク貯蔵体4から押し出された空気が中継芯1内のインク流路23を通ることによって中継芯1の先端からインクが排出されることがないので、インク漏れやインクの吐出異常の発生が抑制又は防止される。
しかも、製品(液体塗布具)の不良の発生がないか又は抑制され、インクの無駄遣いが抑制又は防止されるので、製品の使用可能期間を延長することも可能となる。
この作用効果は、前記インク流路を、大径の粒子を含むインクや高い粘度を有するインクが通過可能となるよう、前記インク流路を大きくすることによって毛細管力を意図的に低下させた場合に、特に顕著である。
これは、大径の粒子を含むインクや高い粘度を有するインクを通過させるためには、前記インク流路を構成する空間を広くする必要があるが、この空間を広くするほどインク保持に寄与する毛細管力が低下するため、インクがインク流路内に留まりにくくなり、先端に向かって流れ出やすくなることによるものである。
なお、この実施例において、前記小径部2bは、前記中継芯主体2の大径の部分と同軸に形成されているが、前記小径部2bは、前記インク流路23のインクの供給に影響を与えない限りにおいて、その断面積が前記中継芯主体2の断面積よりも小さくなるように形成されていればよい。
【0046】
前記小径部2bについては、その外周上に形成される空隙(前記小径部2bの外周面と軸筒5又は後述するインク一時保持部材6の内周面との間に形成される空隙)Gが外部空間と連通するよう構成されていることによって、空気の排出と流入が可能に構成されている限りにおいて、中継芯主体2の先端部以外の、任意の位置に形成することができる。
【0047】
例えば、前記中継芯主体2において、前記小径部2bを、軸線方向の中央部から後端縁までの間に所定の長さで形成することができる。
【0048】
図1において、前記小径部2bは、前記中継芯主体2の軸線方向に沿って後端縁まで連続して形成されている。
したがって、空隙Gは、前記中継芯主体2の軸線方向に沿って後端縁まで延びるよう形成される。
この場合には、インク貯蔵体4内部にインクが満たされている状態において、主として前記中継芯主体2の後端側から、空気の排出と流入のみを行うことが可能となる。
【0049】
また、前記小径部2bを、図2に示すように、前記中継芯主体2の軸線方向の中央部近傍に、空気の排出と流入が可能となるよう形成することもできる。
なお、この場合には、前記小径部2b上に形成される空隙Gと、後述するインク一時保持部材6が有する貫通口6cと、を連通させて、前記空隙Gに加えて前記貫通口6cを利用して空気の排出と流入が行われるようにしてもよい。
その際、前記空隙Gについては、筒状体からなるインク一時保持部材6の内部の貫通孔6cを大きくしたり、前記内部の貫通孔6cを円形の筒形状ではなく異形形状にしたり、内部に軸線方向に沿って延びる所要の深さの溝を形成する等によって、前記空隙Gと前記貫通孔6cと前記インク貯蔵体4が連通するよう構成してもよい。
【0050】
前記小径部2bの径方向の大きさについては、前記小径部2bの外周上に空気が通過できる程度の空隙Gが形成されるよう設定されていればよく、特段の制限はないが、前記小径部2bを、例えば、その直径が、前記中継芯主体2の外径(直径)の50%~85%になるよう構成することができる。
【0051】
この発明において、前記中継芯主体2は、所要の厚さの周壁を有するように構成される。
図3及び4において、前記中継芯主体2の横断面(軸線方向に直交する方向の断面)は、所要の径方向長さの環状の外周部21を有するものとされている。
したがって、前記中継芯主体2内に形成されている前記インク流路23は、前記所定の厚さ(径方向長さ)を有する周壁(外壁部)の径方向内側に存在する。
このような構成によって、前記中継芯主体2においては、前記インク流路23が前記周壁(外周部21)に取り囲まれ、径方向外側にむき出しにならない(径方向の外部空間に露出しない)ので、加工時にかかる応力や加工時に発生し得るバリ等によってインク流路が変形したり、ねじれたりすることが抑制又は防止される。その結果、インクの詰まりも抑制又は防止されるため、インクの供給と排出を安定して行うことが可能となる。
なお、前記外周部(周壁)は、少なくとも小径部2bに形成することができる。
【0052】
その際、前記小径部2bの外周面と前記インク流路23の径方向最外部を構成する内壁までの厚さ(径方向長さ)Lについては、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.13mm以上となるよう設定される。
このような構成によって、前記中継芯主体2においては、前記小径部2bの強度が向上するので、加工時にかかる応力や加工時に発生し得るバリ等によってインク流路が変形したり、ねじれたりすることが、より高い確率で防止される。その結果、インクの詰まりも抑制又は防止されるため、インクの供給と排出が阻害されることなく、より安定して行われ得る。
【0053】
前記中継芯主体2は、図3及び4に示すように、横断面(軸線方向に直交する方向の断面)が、前記中継芯主体2の周壁を構成する環状の外周部21と、この外周部21から径方向内側に向かって(好ましくは放射状に)延設される一又は複数のリブ22と、を有するものになるよう構成されている。
前記リブ22は、いずれも前記中継芯主体2の先端から後端まで、軸線方向に沿って延びるよう形成されている。また、前記リブ22が複数延設される場合には、前記リブ22は、互いに所定の間隔をおいて延設される。
このような構成によって、前記中継芯主体2においては、前記周壁(外周部21)と各リブ23との間、並びに各リブ22間に、一又は複数の、所要の大きさの空間が形成され、前記空間が、インクを通過させるためのインク流路23を構成する。
なお、前記空間、すなわちインク流路23の大きさについては、中継芯主体2やその小径部2b、使用するインクに含まれている粒子の最大径などに応じて選択すればよく、特段の制限はない。
例えば、インク流路23の径方向の長さが直径0.1~0.7mmの範囲内になるように設定される。
【0054】
なお、各リブ22は、図3に示すように、その内側の端部が、特に径方向中央部で、互いに連結されるよう構成されていてもよく、図4に示すように、内側の端部が互いに連結されないよう構成されていてもよい。
【0055】
図3において、前記中継芯主体2内の各リブ22は、横断面視で、その内側の端部が径方向中央部で互いに連結されるよう構成されている。
このような構成によって、前記中継芯主体2が、その先端部が、先端側に向かうに従って先細となる先鋭形状を有するよう構成されている場合であっても、前記中継芯主体2の先端部においてバラケが生じることなく、前記中継芯主体2、特にその先端部に精度の良い加工を施すことが可能となる。
【0056】
一方、図4において、前記中継芯主体2内の各リブ22は、横断面視で、その内側の端部が互いに連結されないよう構成されている。
このように構成した場合には、各リブ22は、その先端部(径方向内側の端部)が自由端部であるので、各リブ22が径方向中央部に向かって枝分かれした状態で突設される。
したがって、中継芯1の先端側に接続される穂先ないしペン先3が、繊維束や毛束で構成されている場合には、前記穂先ないしペン先3を構成する毛の1本1本が、各リブ22と絡み合うので、より適度なコシと最適な塗布感が得られる。
なお、この作用効果は、前記中継芯主体2を、その先端部が先端側に向かうに従って先細となる先鋭形状を有するよう構成した場合において、特に顕著である。これは、各リブ22の先端部(径方向内側の端部)の自由端部のそれぞれが、先端側に向かって棒状に突出するためである。
【0057】
前記中継芯主体2を構成する材料としては、少なくとも毛細管現象の発現、すなわち、前記中継芯主体2の後端側に配設されるインク貯蔵体4から前記中継芯主体2の先端側に配設される穂先(筆先)ないしペン先3にインクの供給をすることを可能にするものであれば、如何なるものであっても使用することができ、筆記感や強度、耐久性、耐摩耗性など所望する特性や品質に応じて適宜選択することができる。
【0058】
前記中継芯主体2を構成する材料として、好ましくは、ポリオキシメチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂が選択される。
前記材料は、エラストマーの形態であってもよく、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて、使用することができる。
このような構成によって、前記中継芯主体2を、例えば押出成型などによって、所定の形状になるよう容易に成型することができ、良好な外観が得られ、各リブ22の内側の端部が互いに連結されていない場合であっても良好なリブが形成されるので、インクが大径の粒子(例えば、粒子径10μm~200μm程度の粒子)を含むインクであっても、インクの吐出異常を起こすことがないか又は極めて高い確率で抑制して、安定してインクの供給と排出を行うことが可能である。
【0059】
なお、前記中継芯1を、化粧具用の中継芯として利用する場合には、前記中継芯主体2を構成する材料として、ホルムアルデヒド等を発生させない材料を選択することが好適である。
このような材料として、より好ましくはポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、及びこれらのエラストマーの形態にあるものから選択され、更に好ましくはポリエステルエラストマーから選択される。
なお、これらの材料は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて、使用することができる。
【0060】
前記中継芯主体2は、少なくともその外径が最大になる部分において、好ましくは、前記外周部21以外の部分、特に横断面において中心から半径の65%の位置に亘る範囲内の部分の気孔率が、好ましくは20~70%、より好ましくは25~55%、更に好ましくは30~50%になるように構成される。
このような構成によって、インクが大径の粒子を含むものであっても、安定してインクの供給と排出を行うことが可能となる。
さらに、後述するように、前記中継芯主体2の先端部を、先端側に向かうに従って先細となる先鋭形状を有するよう構成した場合には、反発力を適度に弱くすることができ、この反発力を、気孔率の調整等によっても調整することが可能となる。
なお、この作用効果は、前記各リブ22が、その内側の端部が径方向中央部で互いに連結されるよう構成されている場合において、特に顕著である。
【0061】
また、前記中継芯主体2は、好ましくは、前記外周部21、特に横断面において半径の65%の位置から外周面まで周方向に亘って形成されている環状部分の気孔率が、好ましくは0%~20%(通気性がないか又は気孔率が0より大きく20%以下)、より好ましくは0~10%になるよう構成される。
このような構成によって、前記小径部2bを構成する周壁(外周部21)の強度が向上するので、前記小径部2bに加工を施す場合であっても、インク流路23の変形やねじれが発生しにくいため、前記変形やねじれによって発生するインクの詰まりも発生しにくい。その結果、インクが大径の粒子を含む場合であっても、安定してインクの供給と排出を行うことが可能となる。
なお、この作用効果は、前記各リブ22が、その内側の端部が径方向中央部で互いに連結されるよう構成されている場合において、特に顕著である。
【0062】
図3(A)に示す断面形状においては、中心から半径の65%の位置に亘る範囲内の部分の気孔率は40.9%程度に、半径の65%の位置から外周面まで周方向に亘って形成されている環状部分の気孔率は0.3%程度に、それぞれ設定されている。
また、図3(B)に示す断面形状においては、中心から半径の65%の位置に亘る範囲内の部分の気孔率は36.6%程度に、半径の65%の位置から外周面まで周方向に亘って形成されている環状部分の気孔率は0.3%程度に、それぞれ設定されている。
さらに、図3(C)に示す断面形状においては、中心から半径の65%の位置に亘る範囲内の部分の気孔率は44.4%程度に、半径の65%の位置から外周面まで周方向に亘って形成されている環状部分の気孔率は6.1%程度に、それぞれ設定されている。
【0063】
前記中継芯主体2は、好ましくは、その先端部が、先端側に向かうに従って先細となる先鋭形状を有するよう構成される。
このような構成によって、中継芯の先端に柔軟性を付与することが可能となる。
さらに、中継芯主体2の先端部に穂先を装着する際には、先鋭形状を有する先端部に穂先を構成する繊維が沿うので、穂先の先端がまとまりやすく、バラケにくくなるという作用効果も得られる。
【0064】
前記中継芯主体2は、好ましくは、少なくともその先端部において、所定のしなり具合を有するよう構成される。
前記しなり具合については、例えば、質量計などの秤量装置上に前記中継芯主体2を斜め45°の角度で傾いた状態で配置し、前記中継芯主体2の先端部が2mm押し潰されるように、該先端部に垂直荷重を負荷したときに測定される質量から反発力を求めることによって評価することができる。
好ましくは、前記反発力は、20gf以下である。
20gfを超える場合には、使用時の書き味が硬い傾向にある。
このような構成によって、液体塗布具を構成した場合には、穂先ないしペン先が本来有する弾力性を損なうことなく、中継芯と穂先ないしペン先との相乗効果により、適度なコシと最適な塗布感ないし書き味が得られる。
この作用効果は、中継芯主体2(少なくともその先端部)をエラストマーの形態にある材料で構成した場合において、中継芯主体2の先端が柔軟になり、その復元性が増大し、所望の品質ないし特性を有するものとなるよう適宜調整が可能となるので、より顕著である。
【0065】
なお、前記中継芯主体2については、用途に応じて、軸線方向の長さが所定の値になるように形成することができる。
【0066】
前記中継芯主体2には、図5に示すように、前記中継芯主体2を囲繞して外周面と当接する筒状体からなるインク一時保持部材6を配設することができる。
前記インク一時保持部材6は、例えば、ABS樹脂などによって構成することが可能なもので、前記中継芯主体2の外部に多量のインクが供給されると、インクが溢出した場合であっても、そのインクを一時的に保持し、保持したインクを前記インク貯蔵体4に供給(リターン)するものである。
【0067】
図5において、前記インク一時保持部材6は、蛇腹状に形成され、その外周部に複数の溝からなる櫛歯部6aを有する。
前記櫛歯部6a(特にその溝部6b)が、前記インク貯蔵体4から溢出するインクを保持する。
【0068】
図5において、前記インク一時保持部材6は、その外周面に、径方向に貫通して形成される貫通口6cを備える。
前記貫通口6cは、外部空間と連通し、かつ前記インク一時保持部材6の内表面と前記中継芯主体2の小径部2aとの間に形成される空隙Gとも連通するよう形成されている。
したがって、前記空隙Gと前記貫通口6cとを介して空気の流通ないし交換が可能となるので、液体塗布具が手で握られているときの体温による前記液体塗布具内の温度上昇等によってインク貯蔵体4内の空気が膨張して内圧が上昇した場合や、インク貯蔵体にエンドキャップや尾栓を嵌合させるときなど、液体塗布具の製造の際に気密が確保されることによって気圧の変化が生じた場合であっても、インク貯蔵体4から押し出された空気は、前記櫛歯部6aと前記貫通口6cを流路として排出される。
さらに、空気とともに押し出されたインクは、前記インク一時保持部材6の櫛歯部6aに貯留される。
その結果、大径の粒子を含むインクや高い粘度を有するインクが通過可能となるよう中継芯のインク流路を大きくしたことによって、毛細管力が低くなっている場合であっても、より確実にインクの吐出異常を防止することが可能となる。
【0069】
なお、前記貫通口6cについては、軸線方向及び/又は周方向に沿って連続的に及び/又は断続的に一又は複数設けることができるが、好ましくは、前記小径部2の直上に位置するように形成される。
【0070】
かかる構成の中継芯1は、図6に示すように、その先端側に接続(配設)される、紙や肌等の対象と接触する穂先ないしペン先3と、後端側に接続(配設)される、所望のインクが充填されたインク貯蔵体4と、プラスチックや金属で構成される軸部(軸筒)5と組み合わされて、液体供給具7として使用することができる。
したがって、このような液体供給具もこの発明に含まれる。
なお、前記中継芯1については、マーキングペンやサインペン、筆ペンなどの筆記用の液体供給具や、アイライナーなどの化粧用の液体供給具など、紙や肌等の対象に対して筆記や描画、塗布等を行う各種液体供給具の中継芯として利用することができる。
【0071】
前記中継芯1の先端側に穂先ないしペン先3を配設する方法については、特段の制限はない。
図6において、穂先ないしペン先3の後端部には、前記中継芯1の先端接続部2aと嵌脱可能に形成された所要の深さの凹部ないし穴からなる被嵌入部3aが形成されている。
したがって、前記中継芯主体2の先端接続部2aを前記被嵌入部3aに挿入することによって、前記ペン先3と前記中継芯1とが軸線方向に嵌合する。
【0072】
前記穂先ないしペン先3と前記中継芯1とを軸線方向に嵌合させる際には、前記穂先ないしペン先3の先端部と前記中継芯主体2の先端部との間の長さ(距離)Mは、好ましくは2~6mm程度、より好ましくは3~5mm程度の範囲内になるよう設定される。
このような構成によって、前記中継芯主体2の先端側に装着される穂先ないしペン先3のしなり具合に適度な硬さが付与され、適度なコシが得られるので、塗布等がしやすくなる。
この作用効果は、中継芯主体2(少なくともその先端部)をエラストマーの形態にある材料で構成した場合において、中継芯主体2の先端が柔軟になり、その復元性も増大するので、より顕著である。
また、前記長さMが2mm未満の場合には、ペン先(塗布部)3として穂先を選択すると、穂先の先端部の毛が割れやすい傾向にあり、6mmを超える場合には、通常の化粧筆と塗布感が変わらなくなる傾向にある。
なお、穂先ないしペン先3の先端部と中継芯主体2の先端部との距離Mが短いほど、インク貯蔵体4から供給されるインクが、前記穂先ないしペン先3の先端まで届きやすくなるので、塗布等の対象に付着する顔料ないしインクの量が増大することによって発色性が強化され、かつ良好な排出量で顔料ないしインクが排出される傾向にある。
また、距離Mが短いと、穂先の先端が割れる傾向にあるが、前記中継芯主体2を、その先端部が先端側に向かうに従って先細となる先鋭形状を有するよう構成することによって穂先の先端を割れにくくすることが可能となる。
図6において、ペン先3の先端部と前記中継芯主体2の先端部との間の長さは、4mm程度になるよう設定されている。
【0073】
前記穂先ないしペン先3の先端部と前記中継芯主体2の先端部との間の長さMが前記所定の範囲内になるように構成する方法については、特段の制限はない。
例えば、前記穂先ないしペン先3の後端部に形成される被嵌入部3aの開口部と当接するよう前記中継芯主体2の先端側に形成される段部2dの位置を制御することによって、前記穂先ないしペン先3の先端部と前記中継芯主体2の先端部との間の長さが前記所定の範囲内になるように構成することができる。
【0074】
なお、前記穂先ないしペン先3の形態については、特段の制限はなく、例えば、繊維又は繊維束芯、毛束芯、焼結芯、プラスチック芯などの各種芯を用途に合わせて適宜選択することができる。
前記穂先ないしペン先3の形態としては、好ましくは繊維束芯、毛束芯、ラバー芯が選択される。
従来、ラバー芯として、ポーラスなラバーで構成されたラバー芯(ポーラスなラバー芯)を選択した場合には、ポーラスなラバー芯の強度が弱い傾向にあるため、中継芯として先端部が比較的硬いものを使用すると、塗布等の際にラバー芯が変形したときに中継芯がラバー芯を突き破るおそれがあった。
しかしながら、この発明にかかる中継芯によれば、その先端部が柔軟にしなるよう構成されているので、中継芯がラバー芯を突き破ることがない。
【実施例0075】
以下に、実施例を挙げてこの発明を詳細に説明するが、この発明はこれら実施例により制限されることはない。
【0076】
<実施例1>
下記製造方法により、中継芯を製造した。
【0077】
<製造方法>
(1)ポリエステルエラストマーを押出成型して、外径φ1.5mmの長尺棒状の合成 樹脂成型体を得た。
その際、合成樹脂成型体を、その横断面の形状が、図3(C)に示すように、複 数のリブ22とインク流路23を有するもので、インク流路23から外周部(周 壁)までの厚さLが0.2mmとなるよう形成した。
(2)(1)で得られた合成樹脂成型体を、所定の長さになるよう裁断し、図1に示す 形状であって、その小径部2bの外径がφ1.3mmであるものが形成されるよう 研削加工して、目的とする中継芯を得た。
なお、得られた中継芯の小径部2bにおいて、インク流路23の径方向最外部を 構成する内壁から小径部2bの外周面までの厚さLは、0.1mmであった。
【0078】
<実施例2>
小径部2bの外径がφ1.1mmであること、及び小径部2bにおいて、インク流路23が径方向外側にむき出しにされていること以外は、実施例1と同様の方法により、中継芯を製造した。
【0079】
<比較例1>
小径部2bが形成されないことを除き、図2に示す形状と同様の形状になるよう形成すること以外は、実施例1と同様の方法により、中継芯を製造した。
なお、得られた中継芯において、インク流路23の径方向最外部を構成する内壁から小径部2bの外周面までの厚さLは、0.2mmであった。
【0080】
<比較例2>
下記製造方法により、中継芯を製造した。
【0081】
<製造方法>
(1)繊維太さ5.5dtexのポリエステル繊維を集束させて、集束体を形成した。
(2)(1)で得られた集束体を加熱圧縮成形して、外径φ1.5mmの円柱状の繊維 束を得た。
(3)(2)で得られた繊維束体を、ウレタン樹脂溶液に含侵させ、熱風乾燥させて樹 脂を硬化させ、長尺棒状の中継芯基体を得た。
(4)(3)で得られた中継芯基体を、所定の長さになるよう裁断し、図1に示す形状 であって、その小径部2bの外径がφ1.3mmであるものが形成されるよう研削 加工して、目的とする中継芯を得た。
【0082】
<実施例3>
下記製造方法により、液体塗布具(ペン)を製造した。
【0083】
<製造方法>
(1)上記実施例1において得られた中継芯1を、インク一時保持部材6に組付けた。
なお、中継芯1のインク一時保持部材6への組付けについては、インク一時保持 部材6が備える軸線方向に沿って形成された貫通口に、中継芯1を挿通することに よって行った。
(2)(1)で得られた組付け品の中継芯1の先端接続部2aを、穂先3の後端部に形 成されている穴(被嵌入部)3aに、中継芯1の先端部から穂先3の先端部までの 間の長さMが4.0mmになるよう挿入・固定した。
(3)(2)で得られた組付け品を、その先端部が所要の長さ突出するように、軸部 (軸筒)5の後端部から挿入・固定し、組付け品の後端部にインク貯蔵体4を取り 付けて、目的とする、図6に示す液体塗布具と同様の構成を有する液体塗布具を得 た。
【0084】
<実施例4及び比較例3>
実施例1において得られた中継芯に代えて、実施例2又は比較例1において得られた中継芯を用いること以外は、実施例3と同様の方法により、それぞれ液体塗布具を製造した。
【0085】
[試験例1]大径顔料の排出性の評価
上記実施例3及び4、並びに比較例3において得られた液体塗布具について、大径の顔料(粒子径40μm)を含むインクを用いて、下記評価方法に基づき、筆記の際の線の外観を目視により観察することによって、大径の顔料(大径顔料)の排出性(大径顔料の排出ないし吐出しやすさ)の評価を行った。
さらに、上記実施例3及び4、並びに比較例3において得られた液体塗布具について、下記評価方法に基づき、インク漏れの有無の評価を行った。
その結果を、表1及び2に示す。
【0086】
<評価方法>
液体塗布具のインク貯蔵体4に、粒子径40μmを有する大径のラメ顔料(光を反射する顔料)を含むインクを充填した後、穂先の先端が紙面上に接した状態で、線が描かれるように筆記を行い、この線の外観を目視で確認し、下記の評価基準に従って、外観の評価を行った。
さらに、液体塗布具を手で握り、その穂先を下向きにした状態でインク漏れが発生するか否かを目視により確認し、下記の評価基準に従って、インク漏れの有無の評価を行った。
【0087】
<大径顔料の排出性の評価基準>
〇:ラメ顔料の排出が円滑に行われる
△:ラメ顔料の排出が行われる
×:ラメ顔料の排出が十分に行われない
【0088】
<インク漏れの有無の評価基準>
〇:インク漏れが発生しない
×:インク漏れが発生する
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
<結 果>
表1及び2から、実施例3及び4において得られた液体塗布具では、この液体塗布具を構成している中継芯、すなわち実施例1及び2において得られた中継芯が、いずれも小径部を有しているため、使用するインクが大径の顔料を含むとともに、この大径の顔料が排出されるように中継芯のインク流路の大きさを大きくしたことにより毛細管力が低くなっている場合であっても、インク漏れが発生することなく、正常にインクの排出が行われたことがわかる。
特に、実施例3において得られた液体塗布具では、実施例1において得られた中継芯が、その小径部において、断面視にて所定の厚さの外周部を有するように構成されているので、使用するインクが大径の顔料を含むとともに、この大径の顔料が排出されるようにインク流路の大きさを大きくしたことにより毛細管力が低くなっているにもかかわらず、インク漏れが発生することなく、ラメ顔料の排出が良好に行われていることから、インクの排出が極めて円滑に行われることがわかる。
これらに対して、比較例3において得られた液体塗布具では、ラメ顔料の排出は適当に行われるものの、インク漏れが発生し、将来的にインクの吐出異常が発生するおそれもあった。
以上のことから、この発明にかかる中継芯によれば、小径部外周上に形成される空隙を介して空気の流通ないし交換が可能となっているので、液体塗布具を構成するに際しては、使用するインクが大径の顔料を含むとともに、この大径の顔料が排出されるようにインク流路の大きさを大きくしたことにより毛細管力が低くなっている場合であっても、使用するインクが大径の顔料を含むものであっても、インク漏れが発生することなく、インクないし顔料の排出が正常に行われることは、明らかである。
【0092】
<実施例5>
中継芯1の先端接続部2aを、穂先3の後端部に形成されている穴(被嵌入部)3aに、中継芯1の先端部から穂先3の先端部までの間の長さMが1.9mmになるよう挿入・固定すること以外は、実施例3と同様の方法により、液体塗布具を製造した。
【0093】
<実施例6>
中継芯1の先端接続部2aを、穂先3の後端部に形成された穴3aに、中継芯1の先端部から穂先3の先端部までの間の長さMが6.1mmになるよう挿入・固定すること以外は、実施例3と同様の方法により、液体塗布具を製造した。
【0094】
<比較例4>
実施例1において得られた中継芯に代えて、比較例2において得られた中継芯を用いること以外は、実施例3と同様の方法により、液体塗布具を製造した。
【0095】
[試験例2]書き味の評価
上記実施例3、5及び6並びに比較例4において得られた液体塗布具について、下記評価方法に基づき、書き味の評価を行った。
なお、上記実施例3、5及び6並びに比較例4において得られた液体塗布具について、液体塗布具を構成する中継芯を、質量計上に斜め45°の角度で傾いた状態で配置し、この中継芯の先端部が2mm押し潰されるように、該先端部に垂直荷重を負荷したときに測定される質量から反発力を測定した。
これらの結果を、表3に示す。
【0096】
<評価方法>
液体塗布具について、人肌に塗布を行い、その際の感触を判定してもらうことによって、書き味の評価を行った。
【0097】
【表3】
【0098】
<結 果>
表3から、実施例3、5及び6において得られた液体塗布具を構成する中継芯は、いずれも上記実施例1において得られた中継芯、すなわちこの発明にかかる中継芯であり、本試験例2による評価の結果、反発力は、20gf以下であったことがわかる。
反発力が20gf以下であるということは、この中継芯を用いて液体塗布具を構成した場合には、この液体塗布具が適度な書き味を有することを示すものである。
実施例5において得られた液体塗布具は、この液体塗布具を構成する中継芯の先端部から穂先の先端部までの間の長さが比較的短いものであるが、部分的に穂先のバラケの発生が認められるものの、適度な書き味を有していた。
実施例6において得られた液体塗布具は、この液体塗布具を構成する中継芯の先端部から穂先の先端部までの間の長さが比較的長いものであるが、一般的な筆と同等の書き味を有していた。これは、中継芯の先端部と塗布部(穂先)の先端部との間の距離が長く、塗布面に中継芯の先端部の影響が及びにくくなるように構成されていることによるものである。
特に、実施例3において得られたペンは、バラケの発生がなく、最適な書き味を有していた。
これらに対して、比較例4において得られた液体塗布具では、この液体塗布具を構成する中継芯の先端部から穂先の先端部までの間の長さは、実施例3において得られた液体塗布具のものと同じであるが、繊維束からなる中継芯の反発力は、本試験例2による評価の結果、20gfよりも大きく、液体塗布具の書き味は、硬いものであった。特に、中継芯の先端部全体が塗布対象に当たるように4mm以上踏み込んで塗布すると硬い書き味になった。なお、中継芯の先端部全体が塗布対象に当たらないように先端だけで塗布を行えば一般的な筆と同等の書き味が得られたが、この場合には、穂先のみがたわむ一方、中継芯は硬く、たわまないため、穂先の先端と中継芯の先端が分離し、穂先の先端がバラケてしまう傾向にあった。
したがって、実施例3において得られた液体塗布具では、中継芯はその反発力が20gf以下になるよう構成され、穂先の先端部と中継芯の先端部との間の長さが2~6mm程度の範囲内になるよう設定されているので、穂先の先端がバラケることなく、最適な書き味を有していることがわかる。
以上のことから、この発明にかかる中継芯を使用した液体塗布具は、優れた書き味を有するものになることは、明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0099】
この発明の中継芯は、長尺棒状の中継芯主体からなるもので、前記中継芯主体は、その外径よりも小径となるよう形成された小径部を備え、前記小径部は、その外周上に形成される空隙が外部空間と連通するよう構成されている。
したがって、この中継芯では、前記空隙からなる空気流路を利用して空気の排出と流入(空気交換)が可能であるので、インク貯蔵体から空気が押し出されても、この空気は、前記空隙を介して排出され、その結果、インクが大径の粒子を含むものや高い粘度を有するものであっても、インク漏れやインクの吐出異常の発生を抑制又は防止しつつ、インクの供給と排出を安定して行うことができる。
よって、この中継芯は、筆記や描画などを目的とする液体塗布具の中継芯として使用可能なもので、広い用途での使用が可能なものである。
【符号の説明】
【0100】
1 中継芯
2 中継芯主体
2a 先端接続部
2b 小径部
2c 後端接続部
2d 段部
21 外周部
22 リブ
23 インク流路
3 穂先ないしペン先
3a 被嵌入部
4 インク貯蔵体
5 軸部(軸筒)
6 インク一時保持部材
6a 櫛歯部
6b 溝部
6c 貫通口
7 液体塗布具
G 空隙
L 小径部の外周面とインク流路の径方向最外部を構成する内壁 までの厚さ(径方向長さ)
M 穂先ないしペン先の先端部と中継芯(中継芯主体)の先端部 との間の長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6