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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191639
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/80 20210101AFI20221221BHJP
   F24F 11/50 20180101ALN20221221BHJP
【FI】
F24F8/80 165
F24F8/80 145
F24F8/80 150
F24F11/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099975
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康昌
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB18
3L260BA09
3L260BA42
3L260CA17
3L260CB67
3L260FA12
3L260FC25
3L260FC33
3L260GA23
3L260JA20
(57)【要約】
【課題】本体から離れた位置において発生する空気の汚れを効果的に浄化することができる送風装置を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る送風装置は、本体と、前記本体に着脱可能に設けられた汚れセンサユニットと、を備え、前記汚れセンサユニットは、バッテリと、空気の汚れを検知する汚れセンサと、前記汚れセンサの検知結果を前記本体に送信する通信部と、前記汚れセンサユニットの前記本体に対する着脱状態に基づいて、前記汚れセンサによる検知処理及び前記汚れセンサの検知結果を前記本体に送信する送信処理の少なくとも一方のタイミングを変更する制御部と、を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に着脱可能に設けられた汚れセンサユニットと、を備え、
前記汚れセンサユニットは、
バッテリと、
空気の汚れを検知する汚れセンサと、
前記汚れセンサの検知結果を前記本体に送信する通信部と、
前記汚れセンサユニットの前記本体に対する着脱状態に基づいて、前記汚れセンサによる検知処理及び前記汚れセンサの検知結果を前記本体に送信する送信処理の少なくとも一方のタイミングを変更する制御部と、を含むことを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記汚れセンサユニットが前記本体から外された状態では、前記本体に取り付けられた状態よりも前記汚れセンサによる単位時間当たりの検知処理の時間を短くする、請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記汚れセンサユニットが前記本体から外された状態では、前記汚れセンサによる検知処理を間欠的に実行する、請求項2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記汚れセンサユニットが前記本体から外された状態では、前記本体に取り付けられた状態よりも、前記汚れセンサの検知結果を前記本体に送信する送信処理の単位時間当たりの回数を少なくする、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の送風装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記汚れセンサユニットが前記本体から外された状態では、前記汚れセンサの検知結果が所定の閾値を上回った場合に、前記本体に送信する、請求項4に記載の送風装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記バッテリの残量に応じて、前記汚れセンサによる検知処理及び前記汚れセンサの検知結果を前記本体に送信する送信処理の少なくとも一方のタイミングを変更する、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ニオイセンサ及びホコリセンサが検知する汚れ度に基づいて、送風機の風量を制御する空気清浄機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-68803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような空気清浄機(送風装置)では、ニオイセンサやホコリセンサ等の汚れセンサが本体に固定されているので、汚れセンサによって空気の汚れを検知できる範囲が限られていた。そのため、本体から離れた箇所において、空気中の汚れ成分(例えば、臭気成分や集塵等)が発生していたとしても、空気の汚れを浄化することが困難な場合があった。
【0005】
そこで、本発明の一態様は、例えば、本体から離れた位置において発生する空気の汚れを効果的に浄化することができる送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る送風装置は、本体と、前記本体に着脱可能に設けられた汚れセンサユニットと、を備え、前記汚れセンサユニットは、バッテリと、空気の汚れを検知する汚れセンサと、前記汚れセンサの検知結果を前記本体に送信する通信部と、前記汚れセンサユニットの前記本体に対する着脱状態に基づいて、前記汚れセンサによる検知処理及び前記汚れセンサの検知結果を前記本体に送信する送信処理の少なくとも一方のタイミングを変更する制御部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】送風装置の概要を示す前面図である。
図2】送風装置の概要を示す断面図である。
図3】送風装置の概要を示す断面図である。
図4】送風装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】ユニット側の制御部による省電力モードでの第1の汚れセンサの検知処理の一例を示す図である。
図6】ユニット側の制御部による省電力モードでの第1の汚れセンサの検知処理の変形例を示す図である。
図7】送風装置の動作モードの切換制御を示すフローである。
図8】ユニット側の制御による省電力モードでの汚れセンサユニットの動作制御を示すフローである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、同一又は同等の要素には同一の符号を付することにより重複する説明は省略し、また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する場合がある。さらに、かかる実施の形態に示す構成要素の形態はあくまでも例示であって、これらの形態に限定されるものではない。
【0009】
以下、図1から図3までを用いて、本発明の一態様に係る送風装置100について説明する。送風装置100は、周囲の空気を吸い込むとともに、空気に含まれる塵埃や臭気成分等を除去する空気清浄機能を備えている。すなわち、送風装置100は、例えば、空気清浄機である。図1は、送風装置100の概要を示す前面図である。図2は、送風装置100の概要を示す断面図である。図2は、図3のA-A線断面図である。図2は、送風装置100を、左右方向に沿った鉛直面で切った場合の断面図である。図3は、送風装置100の概要を示す断面図である。図3は、送風装置100を、前後方向に沿った鉛直面で切った場合の断面図である。以下の説明では、吹出口130が設けられる側を前側と規定し、吹出口130が設けられる側と反対側を後側と規定し、操作部150が設けられる側を上側と規定し、操作部150が設けられる側と反対側を下側と規定して説明する。ただし、これらの方向は、説明のために便宜上規定した方向であって、使用時の方向を規定する趣旨ではない。
【0010】
送風装置100は、各種の構造物を収容する本体110を有する。本体110は、例えば、上下方向を長手方向とする縦長状に形成される。本体110は、例えば、左右方向の幅が、上方に向かうにつれて、狭まるように形成されている。本体110の左右の両側面には、吸込口120がそれぞれ形成されている。本体110の前面側には、吸込口120よりも上側に、上下方向を長手方向とする略矩形の吹出口130が設けられている。吹出口130には、第1の風向変更手段として、吹き出される空気の方向を変更するルーバ140が設けられている。ルーバ140は、駆動モータ140a(図4参照)によって、左右方向に延びる駆動軸を回転させることで、吹き出される方向を上下に変更可能としている。本体110の上面には、操作部150が設けられている。操作部150は、ユーザからの送風装置100への操作指示を受け付けている。操作部150は、例えば、各種の操作のための操作パネルを有する。操作部150は、各種の画像等を表示する表示パネルを備えていてもよい。
【0011】
本体110の内部には、吸込口120と吹出口130とを連通する流路110aが形成されている。流路110aには、空気の流れる方向の上流側から順に、フィルタ160と、ファン170と、が配置されている。フィルタ160は、例えば、塵埃を捕集する集塵フィルタと、臭気成分を吸着する脱臭フィルタと、が組み合わされたフィルタである。集塵フィルタは、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタである。脱臭フィルタは、例えば、対向する一対のポリエステル製の不織布の間に活性炭を均一に分散配置したフィルタである。フィルタ160は、各吸込口120の内側にそれぞれ配置されている。
【0012】
ファン170は、例えば、遠心ファンである。ファン170は、左右方向に延びる回転軸の軸方向の両端部にそれぞれ接続されている。ファン170は、駆動モータ170a(図4参照)によって、回転軸を中心に回転可能に構成される。ファン170は、本体110の内部に配置されたファンケーシング170bに取り付けられている。
【0013】
以上の構成において、送風装置100は、駆動モータ170aによってファン170を回転させることによって、吸込口120から空気を吸い込んで、フィルタ160、ファン170を通過させたのち、吹出口130から空気を吹き出すように構成されている。
【0014】
送風装置100は、本体110を回転可能に支持する台座部180を有する。台座部180は、本体110の下方に配置される。台座部180は、駆動モータ180a(図4参照)によって、本体110を、鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転可能に構成される。送風装置100は、台座部180を回転させることによって、本体110に対する吹出口130の方向を変更している。すなわち、送風装置100は、第2の風向変更手段として、台座部180を有する。
【0015】
なお、送風装置100は、フィルタとして、集塵フィルタと脱臭フィルタとを有しているが、これに限らず、例えば、脱臭フィルタのみであってもよいし、集塵フィルタと脱臭フィルタとに加えて、粗い塵埃を捕集するプレフィルタを有していてもよい。
【0016】
また、送風装置100は、第1の風向変更手段(ルーバ140)と、第2の風向変更手段(台座部180)とを有しているが、これに限らず、本体110から吹き出される空気の方向を、上下、左右に変更できればよく、例えば、吹出口130に上下、左右に傾動可能なルーバを備えていてもよい。
【0017】
また、送風装置100は、本体110に対して着脱可能に設けられた汚れセンサユニット200を備える。汚れセンサユニット200は、第1の汚れセンサ200a(図4参照)を含むユニットである。第1の汚れセンサ200aは、例えば、空気中の臭気成分濃度を検知するニオイセンサである。ニオイセンサは、臭気成分濃度に応じて抵抗値が変化するセンサである。汚れセンサユニット200は、第1の汚れセンサ200aが吸込口120近傍の空気中の臭気成分を検知することができるように、吸込口120近傍に、本体110に対して着脱可能に設けられている。
【0018】
汚れセンサユニット200は、本体110に設けられた開口部に着脱可能に設けられる。汚れセンサユニット200は、本体110に取り付けて、本体側の接続端子に接続されることで、通電可能に構成されている。汚れセンサユニット200は、本体側の接続端子との接続が解除されると、後述する汚れセンサユニット200のバッテリ200bを用いて駆動される。
【0019】
また、送風装置100は、本体110に設けられた第2の汚れセンサ210を備える。第2の汚れセンサ210は、例えば、空気中の塵埃濃度を検知するホコリセンサである。ホコリセンサは、例えば、発光素子及び受光素子を有する光学センサである。ホコリセンサは、受光素子から出力される出力パルス幅に基づいて空気中の塵埃濃度を検知する。第2の汚れセンサ210は、吸込口120近傍の空気中の塵埃濃度を検知することができるように、吸込口120近傍の本体110に収容されている。
【0020】
また、送風装置100は、本体110に汚れセンサユニット200が取り付けられているか否かを検知する着脱センサ220(図4参照)を備える。着脱センサ220は、例えば、ホールIC等の近接センサである。着脱センサ220は、近接センサに限らず、本体110に汚れセンサユニット200が取り付けられているか否かを検知できればよく、例えば、リミットスイッチであってもよい。
【0021】
また、送風装置100は、本体110に対する汚れセンサユニット200の位置を検知する位置検知部230(図4参照)を備える。位置検知部230は、例えば、画像認識により汚れセンサユニット200を特定して、本体110に対する汚れセンサユニット200の相対位置を検知することができるカメラである。
【0022】
なお、位置検知部230は、カメラに限らず、例えば、赤外線センサ等の距離センサを利用したり、GPS(Global Positioning System)を利用したりすることで、汚れセンサユニット200の位置を検知してもよい。
【0023】
図4を用いて、送風装置100のハードウェア構成について説明する。図4は、送風装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0024】
本体110は、制御部300、記憶部310、通信部320、駆動モータ140a、操作部150、駆動モータ170a、駆動モータ180a、第2の汚れセンサ210、着脱センサ220、位置検知部230を含む。
【0025】
制御部300は、例えば、CPU(Central Processing Unit)からなる。制御部300は、記憶部310に記録されるプログラム及びデータを読みだして実行することにより、本体110の制御を司る。
【0026】
記憶部310は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等であって、制御部300によって実行されるプログラムや、制御部300にて使用される各種パラメータ等を記録する。
【0027】
通信部320は、例えば、ネットワークに接続して通信するためのインターフェースである。通信部320は、本体110から離れて設けられた汚れセンサユニット200との無線通信を制御する。また、通信部320は、スマートフォンなどの外部端末との無線通信を制御する。
【0028】
汚れセンサユニット200は、制御部400、記憶部410、通信部420、第1の汚れセンサ200a、バッテリ200b、バッテリ残量検知部200c、表示部200d、報知部200eを含む。
【0029】
制御部400は、例えば、CPU(Central Processing Unit)からなる。制御部400は、記憶部410に記録されるプログラム及びデータを読みだして実行することにより、汚れセンサユニット200の制御を司る。
【0030】
記憶部410は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等であって、制御部400によって実行されるプログラムや、制御部400にて使用される各種パラメータ等を記録する。
【0031】
通信部420は、例えば、ネットワークに接続して通信するためのインターフェースである。通信部420は、本体110との無線通信を制御する。
【0032】
バッテリ200bは、汚れセンサユニット200の各部に電力を供給する部分である。バッテリ200bは、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの充電池である。バッテリ200bの充電は、汚れセンサユニット200が本体側の接続端子と接続されると行われる。
【0033】
バッテリ残量検知部200cは、バッテリ200bの残りの容量(電池容量)を検知する部分である。バッテリ残量検知部200cは、例えば、バッテリ200bのフル充電状態に対して、現在の残容量をパーセントで表した数値を出力する。
【0034】
表示部200dは、例えば、第1の汚れセンサ200aの検知結果(抵抗値)や後述のニオイレベル等を表示する。表示部200dは、例えば、表示パネルである。
【0035】
報知部200eは、例えば、音を出力するスピーカである。報知部200eは、本体110の操作部150や、外部端末からの汚れセンサユニット200の探索指示を受け付けると、音を出力する。
【0036】
本体側の制御部300は、汚れセンサユニット200が本体110に取り付けられている場合、通信部320を介することなく、第1の汚れセンサ200aの検知結果を取得している。この場合、第1の汚れセンサ200aは、本体側の制御部300に接続されており、本体110を介して給電を行っている。
【0037】
本体側の制御部300は、汚れセンサユニット200が本体110から外されている場合、通信部320を介して、第1の汚れセンサ200aの検知結果を取得(受信)する。この場合、ユニット側の制御部400は、第1の汚れセンサ200aの検知結果を取得して、通信部420を介して、本体側の制御部300に送信している。
【0038】
本体側の制御部300は、第1の汚れセンサ200aの検知結果、もしくは第1の汚れセンサ200aの検知結果および第2の汚れセンサ210の検知結果を用いて、ファン170の回転数(風量)を制御している。より具体的には、第1の汚れセンサ200aの検知結果から判定されるニオイレベルや、第2の汚れセンサ210の検知結果から判定されるホコリレベル等に基づいて、ファン170の回転数を制御している。また、本体側の制御部300は、第1の汚れセンサ200aが本体110から外されている場合、位置検知部230の検知結果、すなわち、本体110に対する汚れセンサユニット200の位置(距離及び方向を含む)に基づいて、ルーバ140や台座部180の向き(風向)を制御している。例えば、本体側の制御部300は、本体110に対する汚れセンサユニット200の方向に、空気が吹き出されるように台座部180を回転させたり、本体110に対する汚れセンサユニット200の距離に基づいて、ルーバ140の向きを変更させたりしている。
【0039】
本体側の制御部300は、汚れセンサユニット200が本体110から外されている場合、汚れセンサユニット200が本体110に取り付けられている場合と比較して、第1の汚れセンサ200aの感度を敏感にしている。これにより、感度が通常の場合と比較して、臭気成分濃度が同じ値であっても、風量を大きくすることができる。したがって、本体110から離れた位置において検出された汚れを効果的に浄化することが可能となる。
【0040】
送風装置100は、通常モードと、省電力モードとの2つの動作モードを有する。
【0041】
通常モードとは、汚れセンサユニット200が本体110に取り付けられている状態での汚れセンサユニット200の動作モードである。通常モードでは、本体側の制御部300が、第1の汚れセンサ200aの検知結果を取得している。
【0042】
省電力モードとは、汚れセンサユニット200が本体110から外されている状態での汚れセンサユニット200の動作モードである。省電力モードでは、ユニット側の制御部400が、第1の汚れセンサ200aの検知結果を取得して、通信部420を介して本体110に送信している。
【0043】
通常モードと、省電力モードとの切り換えは、例えば、着脱センサ220の検知結果に基づいて、行われてもよいし、汚れセンサユニット200が本体110からの給電が行われなくなる、すなわち、バッテリ200bによる駆動に切り換わったことを検知して、行われてもよい。
【0044】
通常モードでは、第1の汚れセンサ200aは、抵抗値を随時検知している。また、通常モードでは、第1の汚れセンサ200aは、検知した抵抗値(検知結果)を本体側の制御部300に随時送信している。
【0045】
省電力モードでは、通常モードと比較して、第1の汚れセンサ200aの検知処理のタイミングを変更している。省電力モードでは、通常モードと比較して、第1の汚れセンサ200aによる単位時間当たりの検知処理の時間が短くなるように設定されている。
【0046】
図5及び図6を用いて、省電力モードでの第1の汚れセンサ200aの検知処理について説明する。図5は、ユニット側の制御部400による省電力モードでの第1の汚れセンサ200aの検知処理の一例を示す図である。図6は、ユニット側の制御部400による省電力モードでの第1の汚れセンサ200aの検知処理の変形例を示す図である。
【0047】
図5に示すように、省電力モードでは、ユニット側の制御部400は、第1の汚れセンサ200aによる単位時間当たりの検知処理の時間が短くしている。ここでは、単位時間とは、例えば、60秒である。例えば、ユニット側の制御部400は、第1の汚れセンサ200aの検知処理を間欠的に実行することで、単位時間当たりの検知処理の時間を短くしている。より具体的には、ユニット側の制御部400は、第1の汚れセンサ200aの検知処理の時間と、第1の汚れセンサ200aの非検知処理の時間とを、それぞれ30秒に設定して、検知処理と非検知処理とが交互に行われるように設定している。
【0048】
なお、第1の汚れセンサ200aの検知処理の時間と、第1の汚れセンサ200aの非検知処理の時間とを、それぞれ同一の時間となるように設定しているが、これに限らず、互いの時間が異なる時間となるように設定してもよい。例えば、図6に示すように、第1の汚れセンサ200aの検知処理の時間を30秒とし、第1の汚れセンサ200aの非検知処理の時間を15秒としてもよい。この他にも、例えば、第1の汚れセンサ200aの検知処理の時間を30秒とし、第1の汚れセンサ200aの非検知処理の時間を45秒としてもよい。
【0049】
また、省電力モードでは、通常モードと比較して、第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信する送信処理の単位時間当たりの回数が少なくなるように設定されている。ここでの単位時間とは、例えば、60秒である。
【0050】
例えば、省電力モードでは、第1の汚れセンサ200aの検知結果が、第1の閾値T1を上回った場合に、通信部420を介して本体110に検知結果を送信している。第1の閾値T1とは、例えば、風量制御や風向制御に及ぼす影響が小さい、もしくは無視できる程度の第1の汚れセンサ200aの検知結果に基づいて予め設定される値である。これにより、第1の汚れセンサ200aの検知結果が、第1の閾値T1を上回った場合にのみ、本体110に送信されるため、送信処理の単位時間当たりの回数を少なくすることができる。
【0051】
以上の構成において、省電力モードでは、通常モードと比較して、第1の汚れセンサ200aによる単位時間当たりの検知処理の時間を短くすることができるため、汚れセンサユニット200の省電力化を図ることができる。したがって、汚れセンサユニット200が本体110から外されている状態、すなわち、汚れセンサユニット200がバッテリ200bにより駆動されている状態において、汚れセンサユニット200の駆動時間を長くすることができる。
【0052】
また、省電力モードでは、通常モードと比較して、汚れセンサユニット200の送信処理の単位時間当たりの回数を少なくすることができるため、汚れセンサユニット200の省電力化を図ることができる。したがって、汚れセンサユニット200が本体110から外されている状態、すなわち、汚れセンサユニット200がバッテリ200bにより駆動されている状態において、汚れセンサユニット200の駆動時間を長くすることができる。
【0053】
なお、省電力モードにおいて、第1の汚れセンサ200aを用いた検知処理及び第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信する送信処理のタイミングをそれぞれ変更しているが、これに限らず、第1の汚れセンサ200aを用いた検知処理及び第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信する送信処理の少なくとも一方のタイミングを変更していればよい。
【0054】
また、送風装置100は、本体110に対する汚れセンサユニット200の着脱状態に基づいて、通常モードと省電力モードとの切り換えを行っているが、これに限らず、例えば、本体110に汚れセンサユニット200が取り付けられている状態であっても、省電力モードを実行してもよい。この場合、本体側の制御部300が、省電力モードの動作制御を行ってもよいし、ユニット側の制御部400が、省電力モードの動作制御を行ってもよい。また、送風装置100は、本体110から汚れセンサユニット200が外された状態で、かつ、バッテリ残量検知部200cによって検知されたバッテリ残量が、所定の閾値(例えば、40%)を下回った場合に、通常モードから省電力モードに切り換えてもよい。
【0055】
図7を用いて、送風装置100の動作モードの切換制御について説明する。図7は、送風装置100の動作モードの切換制御の一例を示すフローである。
【0056】
S101において、本体110から汚れセンサユニット200が外されているか否かを判定する。ここでは、本体側の制御部300が、着脱センサ220の検知結果に基づいて、本体110から汚れセンサユニット200が外されているか否かを判定してもよいし、ユニット側の制御部400が、バッテリ駆動されているか否かを検出して、判定してもよい。例えば、ユニット側の制御部400は、本体110から汚れセンサユニット200が外されていることを検出する、すなわち、S101においてYesの場合、S102に進む。ユニット側の制御部400は、本体110から汚れセンサユニット200が外されていないことを検出する、すなわち、S101においてNoの場合、S104に進む。
【0057】
S102において、ユニット側の制御部400は、バッテリ残量検知部200cによって検知されたバッテリ残量が、所定の閾値(例えば、40%)を下回っているか否かを判定する。ユニット側の制御部400は、バッテリ残量が所定の閾値を下回っていると判定した場合、すなわち、S102においてYesの場合、S103に進む。ユニット側の制御部400は、バッテリ残量が所定の閾値を下回っていないと判定した場合、すなわち、S102においてNoの場合、S104に進む。
【0058】
S103において、ユニット側の制御部400は、省電力モードとして汚れセンサユニット200の動作を制御して、S101に戻る。
【0059】
S104において、本体側の制御部300は、通常モードとして汚れセンサユニット200の動作を制御して、S101に戻る。
【0060】
なお、ユニット側の制御部400は、S101においてYesの場合で、かつS102においてYesの場合に、省電力モードとしているが、これに限らず、例えば、S101においてYesの場合に、省電力モードとしてもよい。
【0061】
図8を用いて、ユニット側の制御部400による省電力モードでの汚れセンサユニット200の動作制御について説明する。図8は、ユニット側の制御部400による省電力モードでの汚れセンサユニット200の動作制御の一例を示すフローである。ここでは、図5又は図6に示す汚れセンサユニット200の動作制御を行っているものとする。なお、図8に示される処理は、例えば、図5又は図6に示す第1の汚れセンサ200aの1回当たりの検知処理の時間(例えば、30秒)の期間内に行われる。
【0062】
S201において、ユニット側の制御部400は、タイマカウントを開始して、S202に進む。
【0063】
S202において、ユニット側の制御部400は、第1の汚れセンサ200aの検知結果を取得して、S203に進む。
【0064】
S203において、ユニット側の制御部400は、タイマカウントを開始してから第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信したか否かを判定する。タイマカウントを開始してから第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信したと判定した場合、すなわち、S203においてYesの場合、S204に進む。タイマカウントを開始してから、第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信したことがないと判定した場合、すなわち、S203においてNoの場合、S205に進む。
【0065】
S204において、ユニット側の制御部400は、第1の汚れセンサ200aの検知結果が、第1の閾値T1以下であるか否かを判定する。S204において、ユニット側の制御部400が、第1の汚れセンサ200aの検知結果が、第1の閾値T1以下であると判定した場合、すなわち、S204においてYesの場合、S206に進む。S204において、ユニット側の制御部400が、第1の汚れセンサ200aの検知結果が、第1の閾値T1以下でないと判定した場合、すなわち、S204においてNoの場合、S205に進む。
【0066】
S205において、ユニット側の制御部400は、通信部420を介して、第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信して、S206に進む。
【0067】
S206において、ユニット側の制御部400は、タイマカウントが所定時間に到達したか否かを判定する。S206において、タイマカウントが所定時間に到達したと判定した場合、すなわち、S206においてYesの場合、S201に戻る。S206において、タイマカウントが所定時間に到達していないと判定した場合、すなわち、S206においてNoの場合、S202に戻り、再度S202からS206までの処理を実行する。
【0068】
なお、ユニット側の制御部400は、省電力モードにおいて、図5又は図6に示す検知処理を行っているが、これに限らず、例えば、通常モードと同様の検知処理、すなわち、検知処理を随時行ってもよい。例えば、ユニット側の制御部400は、汚れセンサユニット200が本体110から外され、かつバッテリ残量が所定の閾値を下回っている場合、図5に示す検知処理及び図8に示す送信処理を行い、汚れセンサユニット200が本体110から外され、かつバッテリ残量が所定の閾値以上である場合、通常モードと同様の検知処理を行い、図8に示す送信処理を行ってもよい。
【0069】
以上の構成において、ユニット側の制御部400は、タイマをカウントしている所定時間において、検知結果を本体110に既に送信している場合に限って、検知結果と第1の閾値T1とを比較して、検知結果を本体110に送信するか否かを判定している。これにより、所定時間の間に、少なくとも1回は、検知結果を本体110に送信することができる。一方、汚れセンサユニット200にバッテリ切れ等の不具合が生じた場合、所定時間の間に、検知結果を本体110に送信することができない。ゆえに、汚れセンサユニット200のバッテリ切れ等の不具合により検知結果を本体110に送信できない状態と、検知結果が第1の閾値T1を上回らないため、検知結果を本体110に送信していない状態と、を区別することができる。したがって、汚れセンサユニット200の省電力化を図りながら、汚れセンサユニット200の不具合を検知することができる。例えば、汚れセンサユニット200の不具合を検知した場合、本体側の制御部300は表示部に汚れセンサユニット200の不具合を表示したり、スマートフォンなどの外部端末に汚れセンサユニット200の不具合を報知したりすることで、ユーザに不具合を知らせることができる。
【0070】
なお、ユニット側の制御部400が、タイマをカウントしている所定時間の間に、少なくとも1回は、検知結果を本体110に送信しているが、これに限らず、例えば、本体側の制御部300が、通信部320を介して、ユニット側の制御部400に対して、検知結果の送信要求を定期的に実行してもよい。
【0071】
また、ユニット側の制御部400は、省電力モードにおいて、第1の汚れセンサ200aの検知結果が第1の閾値T1を上回る場合に、本体110に検知結果を送信しているが、これに限らず、例えば、第1の汚れセンサ200aの検知結果が、直前に検出された検知結果よりも上回る場合に、本体110に送信してもよい。この場合、例えば、1回目の検知結果よりも2回目の検知結果が上回り、かつ、2回目の検知結果よりも3回目の検知結果が上回った場合、つまり、徐々に空気の汚れが悪化している場合には、例えば、第1の汚れセンサ200aの非検知時間を短くした図6に示す検知処理に変更してもよい。一方、例えば、1回目の検知結果よりも2回目の検知結果が下回り、かつ、2回目の検知結果よりも3回目の検知結果が下回った場合、つまり、徐々に空気の汚れが浄化されている場合には、例えば、第1の汚れセンサ200aの非検知時間を長くするように検知処理を変更してもよい。以上のように、経時的な空気の汚れの変化に応じて、検知間隔を広げたり狭くしたりすることで、適切な間隔をあけて検知処理を行うことができる。
【0072】
また、汚れセンサユニット200は、ニオイセンサである第1の汚れセンサ200aを有しているが、これに限らず、空気の汚れを検知できるものであればよく、例えば、ホコリセンサであってもよい。
【0073】
以上の構成において、送風装置100は、本体110と、本体110に着脱可能に設けられた汚れセンサユニット200と、を備え、汚れセンサユニット200は、バッテリ200bと、空気の汚れを検知する第1の汚れセンサ200aと、第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信する通信部420と、を含む。これにより、汚れセンサユニット200を本体110から独立して駆動させることができる。ゆえに、第1の汚れセンサ200aの検知結果を用いて、風量や風向を制御することで、本体110から離れた位置において発生する空気中の汚れ成分を効果的に浄化することができる。また、送風装置100は、汚れセンサユニット200の本体110に対する着脱状態に基づいて、第1の汚れセンサ200aによる検知処理及び第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信する送信処理の少なくとも一方のタイミングを変更するユニット側の制御部400と、を含む。これにより、例えば、第1の汚れセンサ200aによる単位時間当たりの検知処理の時間を短くしたり、第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信する送信処理の単位時間当たりの回数を減らしたりすることができるため、汚れセンサユニット200の省電力化を図ることができる。したがって、汚れセンサユニット200がバッテリ200bにより駆動されている状態において、汚れセンサユニット200の駆動時間を長くすることができる。
【0074】
ユニット側の制御部400は、汚れセンサユニット200が本体110から外された状態では、本体110に取り付けられた状態よりも第1の汚れセンサ200aによる単位時間当たりの検知処理の時間を短くする。これにより、汚れセンサユニット200の省電力化を図ることができる。
【0075】
ユニット側の制御部400は、汚れセンサユニット200が本体110から外された状態では、第1の汚れセンサ200aによる検知処理を間欠的に実行する。これにより、第1の汚れセンサ200aによる単位時間当たりの検知処理の時間を短くすることができる。
【0076】
ユニット側の制御部400は、汚れセンサユニット200が本体110から外された状態では、本体110に取り付けられた状態よりも、第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信する送信処理の単位時間当たりの回数を少なくする。これにより、汚れセンサユニット200の省電力化を図ることができる。
【0077】
ユニット側の制御部400は、汚れセンサユニット200が本体110から外された状態では、第1の汚れセンサ200aの検知結果が第1の閾値T1を上回った場合に、本体110に送信する。これにより、第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信する送信処理の単位時間当たりの回数を少なくすることができる。
【0078】
ユニット側の制御部400は、バッテリ200bの残量に応じて、第1の汚れセンサ200aによる検知処理及び第1の汚れセンサ200aの検知結果を本体110に送信する送信処理の少なくとも一方のタイミングを変更する。これにより、バッテリ残量が少ない状況において、汚れセンサユニット200を長時間駆動させることが可能となる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0080】
100 送風装置、110 本体、200 汚れセンサユニット、200a 第1の汚れセンサ、200b バッテリ、400 制御部、420 通信部
図1
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図8