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特開2022-191651支軸受け及びこの支軸受けを備えたローラコンベヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191651
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】支軸受け及びこの支軸受けを備えたローラコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/02 20060101AFI20221221BHJP
   B65G 39/00 20060101ALI20221221BHJP
   B65G 13/02 20060101ALI20221221BHJP
   B65G 13/11 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B65G39/02 Z
B65G39/00 A
B65G13/02
B65G13/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099994
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】391019289
【氏名又は名称】マルヤス機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】内川 大樹
【テーマコード(参考)】
3F033
【Fターム(参考)】
3F033BC04
3F033BC07
3F033BC08
3F033GA06
3F033GB08
3F033GC05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】モータローラの取付け作業及びモータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業の容易性を向上する。
【解決手段】支軸受け1は、ローラコンベヤのフレームに支持される被支持部10と、ローラの支軸を軸支する軸支部11とを備え、被支持部の軸芯c5と軸支部の軸芯c6とが偏心し、軸支部の軸芯の偏心方向が、ローラコンベヤの搬送方向に対して高さ方向で直交する方向であり、被支持部は、ローラコンベヤのフレームの支持部への支持状態を保持する保持手段を備え、保持手段が、被支持部の外周面に設けられた係合部5であり、係合部は、被支持部がフレームの支持部に支持された状態において該支持部に係合され、係合部は、弾性を有する弾性片部に設けられており、弾性片部は被支持部の径方向に弾性変形自在であることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラコンベヤのフレームに支持される被支持部と、被支持部の内周を構成し、ローラコンベヤのローラの支軸を軸支する軸支部とを備え、
被支持部の外周の軸芯に対して軸支部の軸芯が偏心していることを特徴とする支軸受け。
【請求項2】
軸支部の軸芯の偏心方向が、ローラコンベヤの搬送方向に対して高さ方向で直交する方向であることを特徴とする請求項1に記載の支軸受け。
【請求項3】
被支持部は、ローラコンベヤのフレームの支持部への支持状態を保持する保持手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支軸受け。
【請求項4】
保持手段が、被支持部の外周面に設けられた係合部であり、係合部は、被支持部がフレームの支持部に支持された状態において該支持部に係合するようにされていることを特徴とする請求項3に記載の支軸受け。
【請求項5】
係合部は、弾性を有する弾性片部に設けられており、弾性片部は被支持部の径方向に弾性変形自在であることを特徴とする請求項4に記載の支軸受け。
【請求項6】
係合部は、フレームの厚みに応じて係合する複数の部位を備えていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の支軸受け。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6いずれか1項に記載の支軸受けを備えたローラコンベヤであ
って、
複数の支持部を有するフレームと、支持部に取付けられた支軸受けを介してフレーム
に支持された複数のローラとを備え、
フレームは、ローラの両端部側に配置され、
複数の支持部は、ローラの支軸の軸芯と平行な軸芯を有しており、すべての支持部の軸芯が同じ高さに配置され、
支軸受けは、被支持部が支持部に支持されていると共に、軸支部の軸芯の偏心方向をローラコンベヤの搬送方向に対して高さ方向で直交する方向で逆転自在に支持されていることを特徴とするローラコンベヤ。
【請求項8】
ローラは、モータローラ及び/又はフリーローラであることを特徴とする請求項7に記載のローラコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリーローラとモータローラの支軸を回転不能に支持する支軸受け及びこの支軸受けを備えたローラコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ローラコンベヤは、下記特許文献1に記載されているように、フリーローラの間にモータローラが配置されたものが知られている。
このローラコンベヤは、フリーローラ及びモータローラが支軸と、支軸を中心に回転するローラを有しており、支軸をフレームに対して固定することでフリーローラ及びモータローラのローラが回転するようになっている。
また、モータローラには、ローラ内にモータが内蔵されており、このモータでローラを駆動回転させ、この駆動回転を搬送力として搬送物を搬送するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4175491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のモータローラは、材質別に一定の質量の搬送物を搬送するために必要な必要接線力に応じて本数が算出されるが、搬送物の形状によっては、搬送物が必要本数のモータローラに接触せず、正常な搬送ができない場合がある。
このため、モータローラの本数を増やして算出した本数以上に搬送物を接触させることで、正常な搬送が行えるようにしている。
また、搬送物が軽量物である場合、搬送物がフリーローラの抵抗によりスリップして正常な搬送ができないことがあり、このような場合には、モータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定してモータローラを搬送物に確実に接触させるようにすることで、正常な搬送が行えるようにしている。
【0005】
しかしながら、モータローラの本数を増やすための作業やモータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業に相当の時間を要していた。
特に、モータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業については、フリーローラ及びモータローラの軸孔の夫々の位置を設計しなければならないという問題があった。
このため、モータローラの取付け作業及びモータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業の容易性向上が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために請求項1記載による支軸受けは、ローラコンベヤのフレームに支持される被支持部と、被支持部の内周を構成し、ローラコンベヤのローラの支軸を軸支する軸支部とを備え、被支持部の外周の軸芯に対して軸支部の軸芯が偏心していることを特徴とする。
【0007】
軸支部の軸芯の偏心方向が、ローラコンベヤの搬送方向に対して高さ方向で直交する方向であることを特徴とする。
【0008】
被支持部は、ローラコンベヤのフレームの支持部への支持状態を保持する保持手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
保持手段が、被支持部の外周面に設けられた係合部であり、係合部は、被支持部がフレームの支持部に支持された状態において該支持部に係合するようにされていることを特徴とする。
【0010】
係合部は、弾性を有する弾性片部に設けられており、弾性片部は被支持部の径方向に弾性変形自在であることを特徴とする。
【0011】
前述の支軸受けを備えたローラコンベヤであって、複数の支持部を有するフレームと、
支持部に取付けられた支軸受けを介してフレームに支持された複数のローラとを備え、フレームは、ローラの両端部側に配置され、複数の支持部は、ローラの支軸の軸芯と平行な軸芯を有しており、すべての支持部の軸芯が同じ高さに配置され、支軸受けは、被支持部が支持部に支持されていると共に、軸支部の軸芯の偏心方向をローラコンベヤの搬送方向に対して高さ方向で直交する方向で逆転自在に支持されていることを特徴とする。
【0012】
ローラは、モータローラ及び/又はフリーローラであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、前述の構成により、ローラの取付け作業及びモータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業の容易性向上を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る実施形態のローラコンベヤの正面図である。
図2】支持部に対する支軸受けの支持構造の正面側概略図である。
図3】支持部と支持受けの分離状態を示し、(a)は支持部の形状を表す正面図であり、(b)は支持受けにおける被支持部の形状を表す正面図である。
図4図2の(4)-(4)線断面図である。
図5図2の(5)-(5)線断面図である。
図6】(a)は図2の(6)-(6)線断面図であり、(b)は係合部の係合動作を示す断面図である。
図7】第2の当接面部で係合させた状態を示す。
図8】支持部と支持受けの変形例を示し、(a)は支持部の形状を表す正面図であり、(b)は支持受けにおける被支持部の形状を表す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1図6を参照して本発明に係る実施形態の支軸受け1及びローラコンベヤAを説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
また、図1において矢印で示す搬送方向bの上流側を「右」、下流側を「左」とする。
また、搬送方向bに対してローラコンベヤAの高さ方向で直交する方向を「上下」とする。
また、搬送方向bに対して平面方向で直交する方向を「前後」とする。
【0016】
[ローラコンベヤの構成]
ローラコンベヤAは、図1示すように、架台101上に固定されたフレーム100に複数のモータローラ(ローラ)20(平行斜線で示す)及び複数のフリーローラ(ローラ)30が支持され、モータローラ20の駆動回転を搬送力として搬送物(図示せず)を搬送するものである。
フレーム100は、図3及び図4に示すように、モータローラ20及びフリーローラ30の両端部側に配置されている。
モータローラ20及びフリーローラ30は、互いの軸芯c1、c2を平行として前後方向に沿って配置され、フレーム100に取付けられた支軸受け1に支持されている。
【0017】
モータローラ20は、図4に示すように、ローラ本体201と、ローラ本体201を回転自在に支持する前後2本の支軸202と、ローラ本体201に内蔵されたモータ203とを備えており、後側の支軸202が支軸受け1に支持され、前側の支軸202が取付金具200を介してフレーム100に支持されている。
ローラ本体201と支軸202とは、同じ軸芯c1を有している。
取付金具200は、前述のモータを駆動させるための電気回路(図示せず)が内蔵されており、この電気回路に電気配線することでモータの駆動に必要な電力の供給を可能としている。
モータローラ20は、図1において2個のフリーローラ30毎に1個配置されているが、モータローラ20の配置位置や本数は、搬送物に応じて調整される。
【0018】
フリーローラ30は、図5に示すように、モータローラ20のローラ本体201と同径とするローラ本体301と、ローラ本体301を回転自在に支持する支軸302とを備えており、両端側の支軸302が支軸受け1に支持されている。
ローラ本体301と支軸302とは、同じ軸芯c2を有している。
【0019】
フレーム100には、図1に示すように、支軸受け1を支持する支持部4がモータローラ20及びフリーローラ30の本数分設けられている。
また、フレーム100には、すべての支持部4の下方側に取付金具200の取付け用のボルト孔102が設けられており、図2に示すように、いずれの支持部4においても同じ位置に取付金具200をボルト・ナット103を介して取付けることができるようにされている。
【0020】
支持部4は、図2に示すようにすべて同じ形状及び同じ大きさに形成された貫通孔(図4図5参照)である。
支持部4は、図1に示すように、支持部4の軸芯c3を左右方向に通過する中心線c4上に位置させることで、支持部4の高さをすべて同じとし、且つ左右方向に同じ間隔として配置されている。
支持部4の軸芯c3は、モータローラ20及びフリーローラ30の軸芯c1、c2と平行である。
支持部4の形状は、図3(a)に示すように、正面視において左右方向に長い略楕円形の左右端側を上下直線状とした形状であり、中心線c4を軸として上下対称形となるように形成されている。
【0021】
[支軸受けの構成]
支軸受け1は、図2図6に示すように、フレーム100の支持部4に前後方向に貫通支持された被支持部10と、モータローラ20の支軸202及びフリーローラ30の支軸302を軸支する軸支部11と、被支持部10の外周に設けられた当接板12とを備えている。
【0022】
[被支持部の構成]
被支持部10は、図2及び図3(b)に示すように、正面視において支持部4の内周に適合する外周形状として形成されていると共に、外周の軸芯c5が支持部4の軸芯c3と同軸にされている。
すなわち、被支持部10の外周形状は、正面視において左右方向に長い略楕円形の左右端側を上下直線状とした形状であると共に、軸芯c3を左右に通過する中心線c4を軸として上下対称形である。
【0023】
このような被支持部10を支持部4に適合させて貫通取付けすることで、支持部4に対して被支持部10の外周の軸芯c5を中心とする回転を阻止できる共に、上下・左右方向の動きを阻止できる。
また、被支持部10の貫通取付け時において、被支持部10の外周の軸芯c5を中心として回転させて被支持部10の向きを上下逆転しても、支持部4に適合して貫通取付けできる。
また、被支持部10の向きが上下いずれであっても、被支持部10の外周の軸芯c5が、支持部4の軸芯c3と常に同軸となる。
【0024】
被支持部10の左右の直線面部110には、図2及び図3(a)に示すように、支持部4に支持された被支持部10の支持状態を保持する保持手段(以下、係合部)5が備えられている。
この係合部5は、図6(a)に示すように、係合部5が支持部4の縁周りに係合することで支持受け1が、支持部4に対して抜け止めされた状態でフレーム100に取付けできるようになっている。
被支持部10の前後外方に突出する部分の左右側面には、図6(a)に示すように、軸支部11に支持された支軸302に抜け止めピン400を挿通させるための挿通孔500が設けられている。
【0025】
この被支持部10によれば、支軸受け1をフレーム100に対して不動状態及び抜け止めされた状態で取付けることができるため、フリーローラ30の支軸302の支持状態を確実に保持できる。
【0026】
[軸支部の構成]
軸支部11は、図4及び図5に示すように、被支持部10の内周を構成するように、モータローラ20及びフリーローラ30側の端部側から被支持部10の外周の軸芯c5と平行な軸芯c6を有してフレーム100の前後外方に向かって凹設されている。
軸支部11の軸芯C6は、図2図4及び図5に示すように、モータローラ20の支軸202の軸芯c1及びフリーローラ30の支軸302の軸芯c2と同軸である。
軸支部11は、支軸202及び支軸302の先端側に形成された回り止め部2011、3011が適合して嵌合される形状に形成されており、軸支部11に対する支軸202、302の回転を阻止している。
【0027】
軸支部11の軸芯c6は、図2及び図3(b)に示すように、被支持部10の外周の軸芯c5に対して偏心している。
軸支部11の軸芯c6の偏心方向は、左右方向に対して上下方向で直交する方向である。
すなわち、モータローラ20側とフリーローラ30側とで軸支部11の軸芯c6の偏心方向を上下逆向きとすることで、モータローラ20の支軸202の軸芯c1の高さh1とフリーローラ30の支軸302の軸芯c2の高さh2とに高低差h12を付けることができるようになっている。
【0028】
取付金具200には、モータローラ20の前側の支軸202の回り止め部2011が適合して嵌合される形状の支持孔(図示せず)が形成されており、この支持孔にモータローラ20の前側の支軸202が貫通支持されることで、この支軸202が回り止めされる。
【0029】
[当接板の構成]
当接板12は、図6に示すように、被支持部10の左右の外周面から左右径方向に突設され、前後のフレーム100の外面と対面するようにされている。
当接板12は、図6(a)に示すように、被支持部10が支持部4に支持された状態で、前後のフレーム100の外面に当接することで、被支持部10の貫通量を規制して支持受け1を正常な位置に設定するものである。
また、被支持部10が支持部4に支持された状態において、当接板12と係合部5とで支持部4の縁を挟持することで、支持受け1の抜け止め及びがたつきを防いでいる。
【0030】
[係合部の構成]
係合部5は、図6に示すように、被支持部10の左右の直線面部110側に配置され、図6(a)に示すように、被支持部10が支持部4に支持された状態において、前後のフレーム100の内面における支持部4に係合するようにされている。
係合部5は、図6(a)(b)に示すように、支持部4の左右縁周りに対面して当接する当接面部501と、当接面部501の端部から被支持部10の直線面部110に至る傾斜面部502とを備えおり、被支持部10の直線面部110に設けられた弾性片部50に設けられている。
【0031】
弾性片部50は、図6(a)(b)に示すように、傾斜面部502の直線面部110側の端部を基端51とし、この基端51を除いて被支持部10の壁面にスリットを確保して形成されたものであり、基端51を支点として被支持部10の左右径方向に弾性変形自在にされている。
当接面部501は、当接板12と対面しており、係合部5がフレーム100の支軸受け1に係合した状態において、当接面部501と当接板12とでフレーム100を挟持するようにされている。
【0032】
このような係合部5は、図6(b)に示すように、傾斜面部502の傾斜方向が、被支持部10の直線面部110から当接面部501に向かって拡がる方向であるため、被支持部10の支持部4への挿入時に、傾斜面部502が支持部4の縁に当接する。
傾斜面部502の支持部4の縁に当接した状態での挿入力は、傾斜面部502の傾斜によって支持部4を拡開させる方向の力として作用するが、この力は、支持部4の縁で傾斜面部502を押す力として反作用し、この押す力が弾性片部50を軸支部11の軸芯c6方向へ弾性変形させる。
そして、弾性片部50が軸支部11の軸芯c6方向へ弾性変形することで、係合部5が支持部4を通過する。
係合部5の通過後には、図6(a)に示すように、弾性片部502が弾性変形から戻り、当接面部501が支持部4の左右縁周りに対面して当接することで、係合部5が支持部4に係合する。
すなわち、被支持部10を支持部4に挿入することによって、支軸受け1をフレーム100に抜け止め状態で簡単に取付けることができる。
【0033】
支軸受け1の取外しは、係合部5を軸支部11の軸芯c6方向へ押すことで行われる(図示せず)。
すなわち、係合部5を軸支部11の軸芯c6方向へ押すと、この押す力によって弾性片部50が同方向に弾性変形し、この弾性変形により係合部5が軸支部11の軸芯c6方向へ移動する。
そして、係合部5の移動に伴って当接面部501の全部が支持部4の孔内に移動することで係合部5の係合が解除され、係合部5の係合解除状態で支持受け1を支持部4から引き抜くことによって簡単に取り外すことができる。
【0034】
係合部5は、図7に示すように、第2の当接面部503を備えている。
第2の当接面部503は、弾性片部50の最前部の当接面部501と平行な面であり、第2の当接面部503と当接板12との距離が、当接面部501と当接板12との距離よりも短い距離にされている。
すなわち、この係合部5は、フレーム100を挟持するための係合部5の部位を複数(二つ)備えているため、フレーム100の厚みに応じて、フレーム100を挟持するための係合部5の部位を図6(a)に示す当接面部501とし、あるいは図7に示す第2の当接面部503とすることができる。
本発明では、第2の当接面部503に加えて、さらに一つ以上の当接面部を備えた構成とした係合部5としてもよいし、第2の当接面部503を備えていない係合部5としてもよい。
【0035】
本実施形態では、前述した構成の係合部5を保持手段として例示したが、本発明では、係合部5に限らず、ビス止め等の手段とすることもできる(図示せず)。
【0036】
[支持受けによる支軸の支持構成]
次に、前述した構成の支軸受け1によるモータローラ20の支軸202及びフリーローラ30の支軸302の支持構成を説明する。
本実施形態では、モータローラ20のローラ本体201の高さh10をフリーローラ20のローラ本体301の高さh20よりも高い位置に設置した場合の支持構成を説明する。
【0037】
先ず、モータローラ20側の支持部4に対して支持受け1を貫通取付けする際には、図2に示すように、軸支部11の軸芯c6の高さh1が支持部4の軸芯c3よりも高くなる向きとする。
一方、フリーローラ30側の支持部4に対して支持受け1を貫通取付けする際には、図2に示すように、軸支部11の軸芯c6の高さh2が支持部4の軸芯c3よりも低くなる向きとする。
このようにすることで、モータローラ20側の軸支部11の軸芯c6の高さh1と、フリーローラ30側の軸支部11の軸芯c6の高さh2との間に高低差h12が生じ、これに対応してモータローラ20のローラ本体201の高さh10をフリーローラ20のローラ本体301の高さh20よりも高くすることができる。
【0038】
モータローラ20のローラ本体201の高さh10とフリーローラ30のローラ本体301の高さh20とが同じ高さの場合もあり、この場合には、すべての支持受け1の支持部11の軸芯c6の高さを同じとすればよい。
【0039】
前述の構成による支持受け1は、図2に示すように、モータローラ20側とフリーローラ30側とで軸支部11の軸芯c6の偏心方向を上下逆向きとするという簡単な方法により、モータローラ20の支軸202の軸芯c1の高さh1とフリーローラ30の支軸302の軸芯c2の高さh2とに高低差h12を付けることができる。
そして、軸芯c1の高さh1と軸芯c2の高さh2とに高低差h12を付けることによって、モータローラ20のローラ本体201の高さh10と、フリーローラ30のローラ本体301の高さh20とに高低差h12と同じ高低差h120を付けることができる。
また、支持受け1は、図6(a)(b)に示すように、係合部5によって取付け及び取外しが簡単に行えるため、モータローラ20及びフリーローラ30の配置位置や本数を変更する際の作業を容易、且つ迅速に行うことができる。
【0040】
この支持受け1を備えたローラコンベヤAは、前述したモータローラ20のローラ本体201の高さh10と、フリーローラ30のローラ本体301の高さh20とに高低差h120を簡単に付けることができるため、搬送物に応じて、モータローラ20及びフリーローラの配置位置や本数の調整を容易、且つ迅速に行うことができる。
【0041】
[支持部及び支持受けの変形例]
次に、図8を参照して支持部4及び支持受け1の変形例を説明する。
支持部4は、図8(a)に示すように、正面視において四角形状に形成されており、支持部4の軸芯c3を左右方向に通過する中心線c4を軸として上下対称形となるように形成されている。
支持受け1は、図8(b)に示すように、被支持部10が正面視において支持部4の内周に適合する四角形状の外周形状として形成されており、被支持部10の外周の軸芯c5を左右方向に通過する中心線c4を軸として上下対称形である。
このような支持部4及び支持受け1においても、前述した実施形態と同じ作用・効果を得ることができる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0043】
A:ローラコンベヤ
100:フレーム
1:支軸受け
10:被支持部
11:軸支部
b:搬送方向
20:モータローラ
202:支軸
30:フリーローラ
302:支軸
c1:軸芯
c2:軸芯
c3:軸芯
c5:軸芯
c6:軸芯
4:支持部
5:係合部(保持手段)
50:弾性片部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8