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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191652
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ローラコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/02 20060101AFI20221221BHJP
   B65G 13/02 20060101ALI20221221BHJP
   B65G 39/00 20060101ALI20221221BHJP
   B65G 13/11 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B65G39/02 Z
B65G13/02
B65G39/00 A
B65G13/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099995
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】391019289
【氏名又は名称】マルヤス機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】内川 大樹
【テーマコード(参考)】
3F033
【Fターム(参考)】
3F033BC02
3F033BC07
3F033BC08
3F033GA06
3F033GB08
3F033GC05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】モータローラの取付け作業及びモータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業の容易性を向上する。
【解決手段】ローラコンベヤは、複数のローラと、ローラの支軸を支持する支軸受け1と、支軸受けを支持するフレーム100とを備え、支軸受けは、フレームに支持される被支持部10と、ローラの支軸を軸支する軸支部11とを備え、フレームは、被支持部を支持する支持部を複数有し、支持部は、被支持部の支持位置を規定する複数の支持位置を有し、被支持部は、複数の支持位置のうちいずれか一つの任意の位置で支持されていると共に、支持位置を変更自在に支持され、複数の支持位置は、一つの支持位置に被支持部があるときの軸支部の位置と、他の支持位置に被支持部があるときの軸支部の位置との間に、高低差が生じる位置に設定されていることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローラと、ローラの支軸を支持する支軸受けと、支軸受けを支持するフレームとを備え、
支軸受けは、フレームに支持される被支持部と、ローラの支軸を軸支する軸支部とを備え、
フレームは、被支持部を支持する支持部を複数有し、
支持部は、被支持部の支持位置を規定する複数の支持位置を有し、
被支持部は、複数の支持位置のうちいずれか一つの任意の位置で支持されていると共に、支持位置を変更自在に支持され、
複数の支持位置は、一つの支持位置に被支持部があるときの軸支部の位置と、他の支持位置に被支持部があるときの軸支部の位置との間に、高低差が生じる位置に設定されていることを特徴とするローラコンベヤ。
【請求項2】
ローラは、モータローラ及び/又はフリーローラであることを特徴とする請求項1に記載のローラコンベヤ。
【請求項3】
被支持部は、複数の被支持部位を有し、複数の被支持部位のうちの一つが、複数の支持位置のうちいずれか一つの支持位置に支持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のローラコンベヤ。
【請求項4】
被支持部は、複数の被支持部位を有し、複数の被支持部位は、軸支部の軸芯を中心とする被支持部の回転により、被支持部の被支持部位を複数の支持位置のうちいずれか一つの支持位置に変更するようにされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のローラコンベヤ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4いずれ1項に記載のローラコンベヤに備えられる支軸受けであって、フレームの支持部に支持される被支持部と、ローラの支軸を軸支する軸支部とを備え、被支持部は、支持部における複数の支持位置の夫々に支持される被支持部位を有していることを特徴とする支軸受け。
【請求項6】
被支持部位が複数備えられており、複数の被支持部位は、軸支部の軸芯を中心とする被支持部の回転により、一つの支持位置から他の一つの支持位置へ変更するようにされていることを特徴とする請求項5に記載の支軸受け。
【請求項7】
被支持部は、ローラコンベヤのフレームの支持部への支持状態を保持する保持手段を備えていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の支軸受け。
【請求項8】
保持手段が、被支持部の外周面に設けられた係合部であり、係合部は、被支持部がフレームの支持部に支持された状態において該支持部に係合するようにされていることを特徴とする請求項7に記載の支軸受け。
【請求項9】
係合部は、弾性を有する弾性片部に設けられており、弾性片部は被支持部の径方向に弾性変形自在であることを特徴とする請求項8に記載の支軸受け。
【請求項10】
係合部は、フレームの厚みに応じて係合する複数の部位を備えていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の支軸受け。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリーローラとモータローラを備えたローラコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ローラコンベヤは、下記特許文献1に記載されているように、フリーローラの間にモータローラが配置されたものが知られている。
このローラコンベヤは、フリーローラ及びモータローラが支軸と、支軸を中心に回転するローラを有しており、支軸をフレームに対して固定することでフリーローラ及びモータローラのローラが回転するようになっている。
また、モータローラには、ローラ内にモータが内蔵されており、このモータでローラを駆動回転させ、この駆動回転を搬送力として搬送物を搬送するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4175491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のモータローラは、材質別に一定の質量の搬送物を搬送するために必要な必要接線力に応じて本数が算出されるが、搬送物の形状によっては、搬送物が必要本数のモータローラに接触せず、正常な搬送ができない場合がある。
このため、モータローラの本数を増やして算出した本数以上に搬送物を接触させることで、正常な搬送が行えるようにしている。
また、搬送物が軽量物である場合、搬送物がフリーローラの抵抗によりスリップして正常な搬送ができないことがあり、このような場合には、モータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定してモータローラを搬送物に確実に接触させるようにすることで、正常な搬送が行えるようにしている。
【0005】
しかしながら、モータローラの本数を増やすための作業やモータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業に相当の時間を要していた。
特に、モータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業については、フリーローラ及びモータローラの軸孔の夫々の位置を設計しなければならないという問題があった。
このため、モータローラの取付け作業及びモータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業の容易性向上が望まれている。
フリーローラの抵抗を減らすことで、正常な搬送が行えるようにしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために請求項1記載によるローラコンベヤは、複数のローラと、ローラの支軸を支持する支軸受けと、支軸受けを支持するフレームとを備え、支軸受けは、フレームに支持される被支持部と、ローラの支軸を軸支する軸支部とを備え、フレームは、被支持部を支持する支持部を複数有し、支持部は、被支持部の支持位置を規定する複数の支持位置を有し、被支持部は、複数の支持位置のうちいずれか一つの任意の位置で支持されていると共に、支持位置を変更自在に支持され、複数の支持位置は、一つの支持位置に被支持部があるときの軸支部の位置と、他の支持位置に被支持部があるときの軸支部の位置との間に、高低差が生じる位置に設定されていることを特徴とする。
【0007】
ローラは、モータローラ及び/又はフリーローラであることを特徴とする。
【0008】
被支持部は、複数の被支持部位を有し、複数の被支持部位のうちの一つが、複数の支持位置のうちいずれか一つの支持位置に支持されることを特徴とする。
【0009】
被支持部は、複数の被支持部位を有し、複数の被支持部位は、軸支部の軸芯を中心とする被支持部の回転により、被支持部の被支持部位を複数の支持位置のうちいずれか一つの支持位置に変更するようにされていることを特徴とする。
【0010】
請求項5による支軸受けは、フレームの支持部に支持される被支持部と、ローラの支軸を軸支する軸支部とを備え、被支持部は、支持部における複数の支持位置の夫々に支持される被支持部位を有していることを特徴とする。
【0011】
被支持部位が複数備えられており、複数の被支持部位は、軸支部の軸芯を中心とする被支持部の回転により、一つの支持位置から他の一つの支持位置へ変更するようにされていることを特徴とする。
【0012】
被支持部は、ローラコンベヤのフレームの支持部への支持状態を保持する保持手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
保持手段が、被支持部の外周面に設けられた係合部であり、係合部は、被支持部がフレームの支持部に支持された状態において該支持部に係合するようにされていることを特徴とする。
【0014】
係合部は、弾性を有する弾性片部に設けられており、弾性片部は被支持部の径方向に弾性変形自在であることを特徴とする。
【0015】
係合部は、フレームの厚みに応じて係合する複数の部位を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、前述の構成により、ローラの取付け作業及びモータローラのレベルをフリーローラよりも高めに設定する作業の容易性向上を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る実施形態のローラコンベヤの正面図である。
図2】支持部に対する支軸受けの支持構造を拡大した概略正面図である。
図3】支持部と支軸受けの分離状態を示し、(a)は支持部及び頂点を上向きとした被支持部の形状を表し、(b)は支持部及び頂点を下向きとした被支持部の形状を表す。
図4図2の(4)-(4)線断面図である。
図5図2の(5)-(5)線断面図である。
図6図2の(6)-(6)線断面図である。
図7】支持部に対する支軸受けの支持構造の変形例1を示す正面側概略図である。
図8】(a)は図7の(8)-(8)線断面図であり、(b)は係合部の係合動作を示す断面図である。
図9】第2の当接面部で係合させた状態を示す。
図10】支持部に対する支軸受けの支持構造の変形例2を示す正面側概略図である。
図11】支持部に対する支軸受けの支持構造の変形例3を示す正面側概略図である。
図12】(a)は支持部に対する支軸受けの支持構造の変形例4を示す正面側概略図であり、(b)は支持部に対する支軸受けの支持構造の変形例5を示す正面側概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1図6を参照して本発明に係る実施形態のローラコンベヤA及び支軸受け1を説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0019】
また、図1において矢印で示す搬送方向bの上流側を「右」、下流側を「左」とする。
また、搬送方向bに対してローラコンベヤAの高さ方向で直交する方向を「上下」とする。
また、搬送方向bに対して平面方向で直交する方向を「前後」とする。
【0020】
[ローラコンベヤの構成]
ローラコンベヤAは、図1示すように、架台101上に固定されたフレーム100に複数のモータローラ(ローラ)20(平行斜線で示す)及び複数のフリーローラ(ローラ)30が支持され、モータローラ20の駆動回転を搬送力として搬送物(図示せず)を搬送するものである。
フレーム100は、図4及び図5に示すように、モータローラ20及びフリーローラ30の両端部側に配置されている。
モータローラ20及びフリーローラ30は、互いの軸芯c1、c2を平行として前後方向に沿って配置され、フレーム100に取付けられた支軸受け1に支持されている。
【0021】
モータローラ20は、図4に示すように、ローラ本体201と、ローラ本体201を回転自在に支持する前後2本の支軸202と、ローラ本体201に内蔵されたモータ203とを備えており、後側の支軸202が支軸受け1に支持され、前側の支軸202が取付金具200を介してフレーム100に支持されている。
ローラ本体201と支軸202とは、同じ軸芯c1を有している。
取付金具200は、前述のモータを駆動させるための電気回路(図示せず)が内蔵されており、この電気回路に電気配線することでモータの駆動に必要な電力の供給を可能としている。
モータローラ20は、図1において2個のフリーローラ30毎に1個配置されているが、モータローラ20の配置位置や本数は、搬送物に応じて調整される。
【0022】
フリーローラ30は、図5に示すように、モータローラ20のローラ本体201と同径とするローラ本体301と、ローラ本体301を回転自在に支持する支軸302とを備えており、両端側の支軸302が支軸受け1に支持されている。
ローラ本体301と支軸302とは、同じ軸芯c2を有している。
モータローラ20は、図4に示すように、ローラ本体201と、ローラ本体201を回転自在に支持する支軸202と、ローラ本体201に内蔵されたモータ(図示せず)とを備えており、一端側の支軸202が支軸受け1に支持され、他端側の支軸202が取付金具200を介してフレーム100に支持されている。
ローラ本体201と支軸202とは、同じ軸芯c1を有している。
取付金具200は、前述のモータを駆動させるための電気回路(図示せず)が内蔵されており、この電気回路に電気配線することでモータの駆動に必要な電力の供給を可能としている。
モータローラ20は、図1において2個のフリーローラ30毎に1個配置されているが、モータローラ20の配置位置や本数は、搬送物に応じて調整される。
【0023】
フリーローラ30は、図5に示すように、モータローラ20のローラ本体201と同径とするローラ本体301と、ローラ本体201を回転自在に支持する支軸302とを備えており、両端側の支軸302が支軸受け1に支持されている。
ローラ本体301と支軸302とは、同じ軸芯c2を有している。
【0024】
フレーム100には、図1に示すように、支軸受け1を支持する支持部4がモータローラ20及びフリーローラ30の本数分設けられている。
また、フレーム100には、すべての支持部4の下方側に取付金具200の取付け用のボルト孔102が設けられており、図2に示すように、いずれの支持部4においても同じ位置に取付金具200を、ボルト・ナット103を介して取付けることができるようにされている。
【0025】
支持部4は、図2及び図3に示すように、すべて同じ形状及び同じ大きさとし、フレーム100の上方を開放して形成された凹部である。
支持部4の凹部形状は、フレーム100の上端から下方に向かう直線部分40の下端に、頂点tを下向きとした三角形部分41を連設してなり、三角形部分の頂点tを通過する上下方向の中心線c3を軸として左右対称形となる形状である。
すべての支持部4は、頂点tが左右方向で同じ高さとして配置されている。
【0026】
支持部4には、図2及び図3に示すように、支軸受け1の被支持部10(後述)の支持位置を規定する複数の支持位置p1、p2が設定されている。
複数の支持位置p1,p2は、第1の支持位置p1と第2の支持位置p2である。
第1の支持位置p1は、直線部分40の下端であり三角形部分41の上端と交わる部分に設定され、第2の支持位置p2は、三角形部分41の傾斜面に設定されており、これにより、両位置p1、p2が左右方向に対して三角形部分の頂点tを通過する上下方向の中心線c3に沿って異なる高さ位置となっている。
【0027】
[支軸受けの構成]
支軸受け1は、図2図6に示すように、フレーム100の支持部4に支持された被支持部10と、モータローラ20の支軸202及びフリーローラ30の支軸302を軸支する軸支部11と、被支持部10の外周に設けられた当接板12とを備えている。
【0028】
[被支持部の構成]
被支持部10は、図2及び図3に示すように、正面視において支持部4の三角形部分41に適合する三角形状として形成されている。
このような被支持部10は、複数の被支持部位p10、p20を有している。
複数の被支持部位p10、p20は、支持部4における第1の支持位置p1で支持される第1の被支持部位p10と、支持部4における第2の被支持位置p2で支持される第2の被支持部位p20である。
第1の被支持部位p10は、第1の支持位置p1に対応する角部に設定され、第2の被支持部位p20は第2の被支持部位p2に対応する傾斜面に設置されており、これにより、両部位p10、p20が、軸支部11を境に左右方向に対して高さ方向で直交する方向で異なる高さ位置となっている。
被支持部10の前後外方に突出する部分の左右側面には、図6に示すように、軸支部11に支持された支軸302に抜け止めピン400を挿通させるための挿通孔500が設けられている。
【0029】
このような被支持部10を支持部4に取付ける場合、図2及び図3(a)に示すように、モータローラ20の支軸201をフリーローラ30の支軸301よりも高い位置にする場合、モータローラ20側の被支持部10の三角形状の頂点t1を上向きとして第1の被支持部位p10を第1の支持位置p1に載置する。
一方、フリーローラ30側では、被支持部10の三角形状の頂点t1を下向きとして第2の被支持部位p20を第2の支持位置p2に載置する。
これにより、モータローラ20の支軸201の軸芯c1の高さ位置h1をフリーローラ30の支軸301の軸心c2の高さ位置h2よりも高い位置となる高低差h12を付けることができる。
そして、高低差h12に対応して、モータローラ20のローラ本体202の高さ位置h10がフリーローラ30のローラ本体302の高さ位置h20よりも高い位置となる高低差h120を付けることができる。
【0030】
この被支持部10によれば、すなわち、被支持部10を三角形状の頂点t1を上下に反転することで、被支持部10の支持位置を第1の支持位置p1と第2の支持位置p2に変更することができる。
【0031】
[軸支部の構成]
軸支部11は、図4及び図5に示すように、被支持部10の内周を構成するように、モータローラ20及びフリーローラ30側の端部側から被支持部10の外周の軸芯c5と同軸の軸芯c6を有してフレーム100の前後外方に向かって凹設されている。
軸支部11の軸芯C6は、図2及び図4に示すように、モータローラ20の前後の支軸202の軸芯c1及びフリーローラ30の支軸302の軸芯c2と同軸である。
軸支部11は、支軸202及び支軸302の先端側に形成された回り止め部2011、3011が適合して嵌合される形状に形成されており、軸支部11に対する支軸202、302の回転を阻止している。
【0032】
取付金具200には、モータローラ20の前側の支軸202の回り止め部2011が適合して嵌合される形状の支持孔が形成されており、この支持孔にモータローラ20の他端側の支軸202が貫通支持されることで、この支軸202が回り止めされる。
【0033】
[当接板の構成]
当接板12は、支軸受け1をフレーム100に固定するための保持手段であり、図2及び図6に示すように、被支持部10の左右の外周面から左右径方向に突設され、前後のフレーム100の外面と対面するようにされている。
当接板12には、左右それぞれに上下に並ぶ二つのビス孔120が設けられており、図6に示すように、このビス孔120とフレーム100に設けられたビス孔104を合わせてビス止めすることで、支軸受け1をフレーム100に保持することができる。
フレーム100のビス孔104は、図2に示すように、被支持部10の頂点t1の方向が上向き又は下向きのいずれの方向であっても、当接板12のビス孔120が同軸となる位置に上下4つ設けられている。
【0034】
この当接板12を利用した保持手段により、図6に示すように、被支持部10が支持部4に支持された状態で、前後のフレーム100の外面に当接すると共に、当接板12をフレーム100にビス止めすることで、被支持部10の貫通量を規制して支軸受け1を正常な位置に設定することができる。
そして、当接板12と係合部5とで支持部4の縁を挟持することで、支軸受け1を抜け止めすると共に、不動状態とし、且つがたつきを防ぐことができる。
したがって、支軸受け1をフレーム100に対して不動状態及び抜け止めされた状態で取付けることができるため、モータローラ20の支軸202及びフリーローラ30の支軸302の支持状態を確実に保持できる。
【0035】
[支軸受けによる支軸の支持構成]
次に、前述した構成の支軸受け1によるモータローラ20の支軸202及びフリーローラ30の支軸302の支持構成を説明する。
本実施形態では、モータローラ20のローラ本体201の高さh10をフリーローラ30のローラ本体301の高さh20よりも高い位置に設置した場合の支持構成を説明する。
【0036】
先ず、モータローラ20側の支持部4に対して支軸受け1を取付けする際には、図2及び図3(a)に示すように、被支持部10の頂点t1を上向きとして、第1の被支持部位p10を第1の設定位置p1に載置して、軸支部11にモータローラ20の支軸201を挿通すると共に、当接板12をフレーム100にビス止めする。
一方、フリーローラ30側の支持部4に対して支軸受け1を取付けする際には、図2及び図3(b)に示すように、被支持部10の頂点t1を下向きとして、第2の被支持部位p20を第2の設定位置p2に載置して、軸支部11にフリーローラ30の支軸301を挿通すると共に、当接板12をフレーム100にビス止めする。
このようにすることで、モータローラ20の支軸201の軸芯c1の高さh1と、フリーローラ30の支軸301の軸芯c2の高さh2との間に高低差h12が生じ、これにより、モータローラ20のローラ本体201の高さh10がフリーローラ30のローラ本体301の高さh20よりも高くすることができる。
【0037】
モータローラ20のローラ本体201の高さh10とフリーローラ30のローラ本体301の高さh20とが同じ高さの場合もあり、この場合には、すべての支軸受け1の頂点の方向を上下いずれかに統一すればよい。
【0038】
前述の構成による支軸受け1は、図2及び図3に示すように、モータローラ20側とフリーローラ30側とで被支持部10の頂点t1の方向を、被支持部10を反転させて上下逆向きにするという簡単な方法により、モータローラ20の支軸202の軸芯c1の高さh1とフリーローラ30の支軸302の軸芯c2の高さh2とに高低差h12を付けることができる。
そして、軸芯c1の高さh1と軸芯c2の高さh2とに高低差h12を付けることによって、モータローラ20のローラ本体201の高さh10と、フリーローラ30のローラ本体301の高さh20とに高低差h12と同じ高低差h120を付けることができる。
【0039】
この支軸受け1を備えたローラコンベヤAは、前述したモータローラ20のローラ本体201の高さh10と、フリーローラ30のローラ本体301の高さh20とに高低差h120を簡単に付けることができるため、搬送物に応じて、モータローラ20及びフリーローラの配置位置や本数の調整を容易、且つ迅速に行うことができる。
また、支軸受け1は、図6に示すように、当接板12をビス止めによって保持しているので、取付け及び取外しが簡単に行え、これにより、モータローラ20及びフリーローラ30の配置位置や本数を変更する際の作業を容易、且つ迅速に行うことができる。
【0040】
[支軸受けの支持構造の変形例1]
次に、図7及び図8を参照して支軸受け1の支持構造の変形例1を説明する。
被支持部10は、図8に示すように、左右の直線面部110に、支持部4に支持された被支持部10の支持状態を保持する保持手段(以下、係合部)5が備えられている。
この係合部5は、図8(a)に示すように、係合部5が支持部4の縁周りに係合することで支軸受け1が、支持部4に対して抜け止めされた状態でフレーム100に取付けできるようになっている。
【0041】
[係合部の構成]
係合部5は、図8に示すように、被支持部10の左右の直線面部110側に配置され、図8(a)に示すように、被支持部10が支持部4に支持された状態において、前後のフレーム100の内面における支持部4に係合するようにされている。
係合部5は、図8(a)(b)に示すように、支持部4の左右縁周りに対面して当接する当接面部501と、当接面部501の端部から被支持部10の直線面部110に至る傾斜面部502とを備えおり、被支持部10の直線面部110に設けられた弾性片部50に設けられている。
弾性片部50は、傾斜面部502の直線面部110側の端部を基端51とし、この基端51を除いて被支持部10の壁面にスリットを確保して形成されたものであり、基端51を支点として被支持部10の左右径方向に弾性変形自在にされている。
当接面部501は、当接板12と対面しており、係合部5がフレーム100の支軸受け1に係合した状態において、当接面部501と当接板12とでフレーム100を挟持するようにされている。
【0042】
このような係合部5は、図8(b)に示すように、傾斜面部502の傾斜方向が、被支持部10の直線面部110から当接面部501に向かって拡がる方向であるため、被支持部10の支持部4への挿入時に、傾斜面部502が支持部4の縁に当接する。
傾斜面部502の支持部4の縁に当接した状態での挿入力は、傾斜面部502の傾斜によって支持部4を拡開させる方向の力として作用するが、この力は、支持部4の縁で傾斜面部502を押す力として反作用し、この押す力が弾性片部50を軸支部11の軸芯c6方向へ弾性変形させる。
そして、弾性片部50が軸支部11の軸芯c6方向へ弾性変形することで、係合部5が支持部4を通過する。
係合部5の通過後には、図8(a)に示すように、弾性片部502が弾性変形から戻り、当接面部501が支持部4の左右縁周りに対面して当接することで、係合部5が支持部4に係合する。
すなわち、被支持部10を支持部4に挿入することによって、支軸受け1をフレーム100に抜け止め状態で簡単に取付けることができる。
【0043】
係合部5は、図9に示すように、第2の当接面部503を備えている。
第2の当接面部503は、弾性片部50の最前部の当接面部501と平行な面であり、第2の当接面部503と当接板12との距離が、当接面部501と当接板12との距離よりも短い距離にされている。
すなわち、この係合部5は、フレーム100を挟持するための係合部5の部位を複数(二つ)備えているため、フレーム100の厚みに応じて、フレーム100を挟持するための係合部5の部位を図8(a)に示す当接面部501とし、あるいは図9に示す第2の当接面部503とすることができる。
本発明では、第2の当接面部503に加えて、さらに一つ以上の当接面部を備えた構成とした係合部5としてもよいし、第2の当接面部503を備えていない係合部5としてもよい。
【0044】
支軸受け1の取外しは、係合部5を軸支部11の軸芯c6方向へ押すことで行われる(図示せず)。
すなわち、係合部5を軸支部11の軸芯c6方向へ押すと、この押す力によって弾性片部50が同方向に弾性変形し、この弾性変形により係合部5が軸支部11の軸芯c6方向へ移動する。
そして、係合部5の移動に伴って当接面部501の全部が支持部4の孔内に移動することで係合部5の係合が解除され、係合部5の係合解除状態で支軸受け1を支持部4から引き抜くことによって簡単に取り外すことができる。
【0045】
[支軸受けの支持構造の変形例2]
次に、図10を参照して支軸受け1の支持構造の変形例2を説明する。
支持部4は、正面視において下向き凸形状に形成されており、段部を第1の支持位置p1とし、下端を第2の支持位置p2としている。
支軸受け1は、被支持部10が正面視において凸形状に形成されており、この形状は、下向き凸形状としたときに支持部4に適合する形状である。
支軸受け1を上向き凸形状にしたときの下端が第1の支持位置p1に支持される第1の被支持部位p10とし、下向き凸形状にしたときの下端が第2の支持位置p2に支持される第2の被支持部位p20としている。
変形例2の支軸受け1の支持構造は、被支持部10を上下に反転するように回転させることで、被支持部10の支持位置を第1の支持位置p1又は第2の支持位置p2に変更することができる。
したがって、モータローラ20側とフリーローラ30側とで被支持部10を反転させて上下逆向きにするという簡単な方法により、モータローラ20の支軸202の軸芯c1の高さh1とフリーローラ30の支軸302の軸芯c2の高さh2とに高低差h12を付けることができる。
【0046】
[支軸受けの支持構造の変形例3]
次に、図11を参照して支軸受け1の支持構造の変形例3を説明する。
支持部4は、縦長の長方形状に形成された凹部の両側縁42から内側中央に向かって突出する突起43が形成され、この突起43の上面を第1の支持位置p1とし、支持部4の下端を第2の支持位置p2としている。
支軸受け1は、被支持部10が正面視において横長の長方形状に形成されており、この形状は、突起43を境として分割された上側支持部4a及び下側支持部4bに適合する形状である。
被支持部10の下端及び上端は、第1の支持位置p1及び第2の支持位置p2に支持される被支持部位p30であり、被支持部10を上側支持部4aに挿入した際に被支持部位p30が第1の支持位置p1に支持され、被支持部10を下側支持部4bに挿入した際に被支持部位p30が第2の支持位置p2に支持される。
変形例3の支軸受け1の支持構造は、支持部4に対して支軸受け1を上下に入れ替えることで、被支持部10の支持位置を第1の支持位置p1又は第2の支持位置p2に変更することができる。
したがって、モータローラ20側とフリーローラ30側とで被支持部10を上下入れ替えるという簡単な方法により、モータローラ20の支軸202の軸芯c1の高さh1とフリーローラ30の支軸302の軸芯c2の高さh2とに高低差h12を付けることができる。
変形例3による被支持部10は、下端及び上端に被支持部位p30が設定されているため、被支持部10自体を反転させて上下逆向きにしても、被支持部位p30が第1の支持位置p1又は第2の支持位置p2に支持される。
【0047】
[支軸受けの支持構造の変形例4]
次に、図12(a)を参照して支軸受け1の支持構造の変形例4を説明する。
本変形例の説明では、モータローラ側のみを図示する。
支持部4は、変形例3の支持部4と略同形状のものであり、突起43の上面に確保された第1の支持位置p1と、支持部4の下端に確保された第2の支持位置p2と、支持部4の下端と両突起43の端部とにわたり確保された第3の支持位置p3とを有している。
第3の支持位置p3における支持部4の下端は、第2の支持位置p2と同じ面にある。
第3の支持位置p3における両突起43の端部同士の間隔は、図示するように支軸受け1を第3の支持位置p3で支持したときに、縦長となる支軸受け1の横幅が適合する間隔である。
【0048】
支軸受け1は、変形例3の支軸受け1と略同形状のものであり、4辺に係合部5が設けられている。
この支軸受け1は、横長長方形状態において、被支持部10の下端又は上端が第1の被支持部位p10である。
この被支持部10の下端及び上端は、支軸受け1の縦長長方形状態においては、被支持部10の左端及び右端となり、この左端及び右端が第2の被支持部位p20となる。
第2の被支持部位p20は、支軸受け1の縦長長方形状態において、被支持部10の上端又は下端にもある。
【0049】
変形例4の支持構造は、支軸受け1を第1の支持位置p1又は第2の支持位置p2で支持するとき、仮想線で示すように、支軸受け1を横長長方形状態として第1の被支持部位p10を第1の支持位置p1又は第2の支持位置p2に位置させる。
これは、図11に示す変形例3の支持構造と同じものであり、モータローラ20の支軸202の軸芯c1の高さh1とフリーローラ30の支軸302の軸芯c2の高さh2とに高低差h12を付けることができる。
また、高低差h12を小さくする場合には、支軸受け1を軸支部11の軸芯c5を中心として回転させて縦長長方形状態とする。
この状態において、被支持部10の下端における第2の被支持部位p20を、支持部4の下端の第3の支持位置p3に位置させると、被支持部10の左端及び右端における第2の被支持部位p20が支持部4の両突起43の端部の間に位置する。
被支持部10の第2の被支持部位p20が支持部4の第3の支持位置p3に位置した状態では、支軸受け1の軸芯c5の高さ位置が、支軸受け1が第1の支持位置p1に支持された状態の軸芯c5高さ位置と、支軸受け1が第2の支持位置p2に支持された状態の軸芯c5の高さ位置との間の中間の高さ位置となる。
すなわち、変形例4の支持構造は、支軸受け1の支持位置が第1の支持位置p1、第2の支持位置p2、第3の支持位置p3の3つであるため、支軸受け1の軸芯c5の高さ位置を細かく変更することができ、これにより高低差h12を細かく調節することができる。
【0050】
[支軸受けの支持構造の変形例5]
次に、図12(b)を参照して支軸受け1の支持構造の変形例5を説明する。
本変形例の説明では、モータローラ側のみを図示する。
変形例5の支持構造は、変形例4の支持構造において、縦長長方形状態の支軸受け1の左右端に両突起43が適合して嵌合する凹部を設け、この凹部を第2の被支持部位p20とするものである。
変形例5の支持構造は、支軸受け1が第3の支持位置p3に支持された状態で、両突起43が凹部とした第2の被支持部位p20に嵌合されるため、支軸受け1の上方への移動が阻止され、これによって、支持部4に支持された状態の支軸受け1の上方への抜けを防止することができる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
A:ローラコンベヤ
100:フレーム
1:支軸受け
10:被支持部
11:軸支部
12:当接板(保持手段)
b:搬送方向
20:モータローラ
202:支軸
30:フリーローラ
302:支軸
c1:軸芯
c2:軸芯
c3:軸芯
c6:軸芯
4:支持部
5:係合部(保持手段)
50:弾性片部
p1:第1の支持位置
p2:第2の支持位置
p3:第3の支持位置
p10:第1の被支持部位
p20:第2の被支持部位
p30:被支持部位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12