(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191700
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
G03G21/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100083
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田代 祐己
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270SA09
2H270SB14
2H270SB15
2H270SB16
2H270SC02
2H270SC06
(57)【要約】
【課題】装置の大型化を抑制し且つ十分な送風量を確保して、吸気ファンにより吸気される外気をダクトを介して複数のユニットに向けて案内可能な画像形成装置の提供。
【解決手段】左側吸気ユニット124において、現像用吸気ファン180aと帯電用吸気ファン177a、177bとが左側本体ダクト174の左側面部に配設される。左側本体ダクト174の右側面部1742には現像用吸気ファン180b、180c、180dが配設される。左側吸気ユニット124では、現像用吸気ファン180a~180dと帯電用吸気ファン177a、177bの動作に応じて吸気口から吸気される外気が、連通口1741a~1741cと連通口1742a~1742cとに分岐して現像装置や帯電装置へ送風される。これにより、装置が大型化されることなく且つ十分な送風量を確保して案内することが簡易な構成で実現できる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
第一感光体と、
第二感光体と、
前記第一感光体へトナーを供給しトナー像を形成する第一現像ユニットと、
前記第二感光体へトナーを供給しトナー像を形成する第二現像ユニットと、
第一ファンと、第二ファンと、前記第一ファンに連通する第一連通口と前記第二ファンに連通する第二連通口が形成された吸気ダクトを有する吸気ユニットと、を備え、
前記第一ファンは、前記第一連通口が形成された第一側面部に設けられ、
前記第二ファンは、前記第一側面部に対向し前記第二連通口が形成された第二側面部に設けられ、
前記吸気ユニットは、前記第一ファンと前記第二ファンの動作に応じて吸気される外気を、前記第一連通口と前記第二連通口とに分岐して前記第一現像ユニットと前記第二現像ユニットの各々に送風する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第一連通口と前記第二連通口は、前記第一ファンを通過する外気の通過向きに前記第二側面部側から前記第一側面部側を見て、互いに重ならないように形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第一側面部と前記第二側面部の間隔は、20mm以上50mm以下である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第一ファンは、シロッコファン又は軸流ファンであり、
前記第二ファンは、シロッコファン又は軸流ファンである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第一現像ユニット及び前記第二現像ユニットを支持する筐体と、
前記筐体の正面に開閉可能に設けられた外装カバーと、
前記筐体に、閉じた状態の前記外装カバーの内面に対向して配置された内カバーユニットと、を備え、
前記吸気ユニットは、前記第一連通口を通過した外気を通す第一ダクトと、前記第二連通口を通過した外気を通す第二ダクトとを有し、
前記内カバーユニットは、前記第一ダクトに接続されて前記第一連通口を通過した外気を前記第一現像ユニットへ向けて案内する第一中継ダクトと、前記第二ダクトに接続されて前記第二連通口を通過した外気を前記第二現像ユニットへ向けて案内する第二中継ダクトを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
第一感光体と、
第二感光体と、
前記第一感光体の表面をコロナ放電により帯電する第一帯電ユニットと、
前記第二感光体の表面をコロナ放電により帯電する第二帯電ユニットと、
第一ファンと、第二ファンと、前記第一ファンに連通する第一連通口と前記第二ファンに連通する第二連通口が形成された吸気ダクトを有する吸気ユニットと、を備え、
前記第一ファンは、前記第一連通口が形成された第一側面部に設けられ、
前記第二ファンは、前記第一側面部に対向し前記第二連通口が形成された第二側面部に設けられ、
前記吸気ユニットは、前記第一ファンと前記第二ファンの動作に応じて吸気される外気を、前記第一連通口と前記第二連通口とに分岐して前記第一帯電ユニットと前記第二帯電ユニットの各々に送風する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記第一連通口と前記第二連通口は、前記第一ファンを通過する外気の通過向きに前記第二側面部側から前記第一側面部側を見て、互いに重ならないように形成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第一側面部と前記第二側面部の間隔は、20mm以上50mm以下である、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第一ファンは、シロッコファン又は軸流ファンであり、
前記第二ファンは、シロッコファン又は軸流ファンである、
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第一帯電ユニット及び前記第二帯電ユニットを支持する筐体と、
前記筐体の正面に開閉可能に設けられた外装カバーと、
前記筐体に、閉じた状態の前記外装カバーの内面に対向して配置された内カバーユニットと、を備え、
前記吸気ユニットは、前記第一連通口を通過した外気を通す第一ダクトと、前記第二連通口を通過した外気を通す第二ダクトとを有し、
前記内カバーユニットは、前記第一ダクトに接続されて前記第一連通口を通過した外気を前記第一帯電ユニットへ向けて案内する第一中継ダクトと、前記第二ダクトに接続されて前記第二連通口を通過した外気を前記第二帯電ユニットへ向けて案内する第二中継ダクトを有する、
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリあるいは複合機などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、感光ドラムや中間転写ベルトなどの像担持体にトナー像を形成し、像担持体から記録材へトナー像を転写し、その後、定着ユニットにより熱と圧力が加えられてトナー像が記録材に定着される。このようなトナーを用いて記録材へ画像を形成する画像形成装置では、トナーを用いて像担持体の静電潜像を現像する現像ユニットが設けられている。現像ユニットは内部にトナーを収容し、現像ユニット内において搬送スクリューによってトナーを撹拌しながら循環搬送している。それ故、現像ユニットはトナーの撹拌動作に応じて熱が生じる。このように、画像形成装置の内部には、定着ユニットや現像ユニット等、熱を発生するユニットが複数設けられている。
【0003】
そこで、従来から吸気ファンにより吸気口から吸気される外気によって、定着ユニットや現像ユニットなどの複数の冷却対象を冷却する構成が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の装置では、複数の冷却対象それぞれに効率よく送風を行うために、複数のファンを設けると共に、吸気口からファンをつなぐダクトをファンの個数分設けている。この場合、複数の冷却対象それぞれを効率よく冷却し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数色のトナーを用いて記録材に画像を形成する画像形成装置は、感光ドラムに各色のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット(画像形成ステーションとも呼ばれる)を色毎に備えている。複数の画像形成ユニットを有する場合、各画像形成ユニットが有する冷却対象それぞれを冷却する必要が生じる。この場合、特許文献1に記載の装置のように、複数の冷却対象毎に吸気口からファンをつなぐために複数のダクトを設けると、各冷却対象への十分な送風量を確保できるものの画像形成装置内部においてそれらダクトが占有する面積が増加してしまう。そこで、従来では、複数のユニット毎にファンとダクトとを個別に配設するスペースを確保するために、装置をより大型化する必要が生じるが、これは最近の装置の小型化の要望に反するので採用が難しかった。
【0006】
本発明は上記問題に鑑み、吸気ファンにより吸気される外気をダクトを介して複数のユニットに向けて案内する場合に、装置の大型化を抑制し且つ十分な送風量を確保して案内することが可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成装置であって、第一感光体と、第二感光体と、前記第一感光体へトナーを供給しトナー像を形成する第一現像ユニットと、前記第二感光体へトナーを供給しトナー像を形成する第二現像ユニットと、第一ファンと、第二ファンと、前記第一ファンに連通する第一連通口と前記第二ファンに連通する第二連通口が形成された吸気ダクトを有する吸気ユニットと、を備え、前記第一ファンは、前記第一連通口が形成された第一側面部に設けられ、前記第二ファンは、前記第一側面部に対向し前記第二連通口が形成された第二側面部に設けられ、前記吸気ユニットは、前記第一ファンと前記第二ファンの動作に応じて吸気される外気を、前記第一連通口と前記第二連通口とに分岐して前記第一現像ユニットと前記第二現像ユニットの各々に送風する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成装置であって、第一感光体と、第二感光体と、前記第一感光体の表面をコロナ放電により帯電する第一帯電ユニットと、前記第二感光体の表面をコロナ放電により帯電する第二帯電ユニットと、第一ファンと、第二ファンと、前記第一ファンに連通する第一連通口と前記第二ファンに連通する第二連通口が形成された吸気ダクトを有する吸気ユニットと、を備え、前記第一ファンは、前記第一連通口が形成された第一側面部に設けられ、前記第二ファンは、前記第一側面部に対向し前記第二連通口が形成された第二側面部に設けられ、前記吸気ユニットは、前記第一ファンと前記第二ファンの動作に応じて吸気される外気を、前記第一連通口と前記第二連通口とに分岐して前記第一帯電ユニットと前記第二帯電ユニットの各々に送風する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、吸気ファンにより吸気される外気をダクトを介して複数のユニットに向けて案内する場合に、装置の大型化を抑制し且つ十分な送風量を確保して案内することが簡易な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態の画像形成装置を備えた画像形成システムを示す概略図。
【
図2】画像形成装置の前扉が開いた状態を示す左側斜視図。
【
図3】画像形成装置の前扉が閉じた状態を示す(a)左側斜視図、(b)右側斜視図。
【
図4】(a)現像装置のエアフロー構成について説明する模式図、(b)帯電装置のエアフロー構成について説明する模式図。
【
図5】(a)左側吸気ユニットを示す右側面図、(b)左側吸気ユニットを示す右側斜視図。
【
図6】(a)左側吸気ユニットを示す左側面図、(b)左側吸気ユニットを示す左側斜視図。
【
図7】左側吸気ユニットにおける各吸気ファンの配置位置を示す概略図。
【
図8】(a)右側吸気ユニットを示す斜視図、(b)右側吸気ユニットを示す左側面図。
【
図10】軸流ファンを用いた場合を示す(a)左側吸気ユニットを示す右側斜視図、(b)左側吸気ユニットを示す左側斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<画像形成システム>
本実施形態の画像形成装置を備えた画像形成システムの概略構成について、
図1を用いて説明する。
図1に示す画像形成システム1Xは、画像形成装置100と、フィニッシャ装置300とを有している。画像形成装置100とフィニッシャ装置300は、記録材Sを受け渡し可能に連結されている。本実施形態において、フィニッシャ装置300は、機能拡張のために画像形成装置100に後付け自在な後工程ユニットであって、画像形成装置100によりトナー像が定着された記録材Sに対し後述する後工程を行い得る。画像形成装置100とフィニッシャ装置300は、シリアル通信やパラレル通信が可能な通信インタフェースを通じてそれぞれの間でデータ送受信可能に接続されている。
【0012】
<画像形成装置>
画像形成装置100は電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタであり、第一筐体101aと第二筐体101bとを有する。第一筐体101aには、記録材Sを搬送してトナー像を転写するまでの工程を実現する画像形成ユニット700などの各種機器や各種部材等が配設されている。
【0013】
他方、第二筐体101bには、記録材Sを搬送してトナー像を定着する工程を実現する定着ユニット800などの各種機器や各種部材等が配設されている。また、第二筐体101bには、正面側に各種情報を表示可能な表示部やユーザ操作に応じて各種情報を入力可能なキー等を有する操作部200が配設されている。なお、これら第一筐体101aや第二筐体101bの背面側には、電源基板を有する電装ユニット(不図示)が配設されていてもよい。本明細書において、ユーザが画像形成装置100を動作させるために、操作部200を操作する際に立つ側を「正面」と呼び、その反対側を「背面」と呼ぶ。また、正面から見た場合に左側の側面を「左側面」と称し、正面から見た場合に右側の側面を「右側面」と称する。
【0014】
画像形成装置100は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成する画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを備えている。画像形成装置100は、原稿から画像信号を読み取る原稿読取装置190あるいはパーソナルコンピュータ等の外部機器(不図示)から受信した画像信号に応じてトナー像を記録材Sに形成する。
【0015】
なお、本実施形態の場合、画像形成部Pa~Pd、一次転写ローラ24a~24d、中間転写ベルト130、複数のローラ13~15、二次転写外ローラ11により、記録材Sにトナー像を形成する画像形成ユニット700が構成されている。また、記録材Sとしては、普通紙、厚紙、ラフ紙、凹凸紙、コート紙等の用紙、プラスチックフィルムや布などが挙げられる。
【0016】
図1に示すように、画像形成部Pa~Pdは、中間転写ベルト130の移動方向に沿って並べて配置されている。中間転写ベルト130は複数のローラ(13、14、15)に張架されて、矢印R2方向に移動される。そして、中間転写ベルト130は後述のようにして一次転写されるトナー像を担持して搬送する。中間転写ベルト130を張架する二次転写内ローラ14と中間転写ベルト130を挟んで対向する位置には、二次転写外ローラ11が配置され、中間転写ベルト130上のトナー像を記録材Sに転写する二次転写部T2を形成している。二次転写部T2の記録材搬送方向の下流には、定着ユニット800が配置されている。
【0017】
画像形成装置100の下方側には、記録材Sが収容された複数(ここでは二台)のカセット10が配置されている。これらカセット10にはサイズや厚さの異なる記録材Sが収容されており、カセット10のいずれかから選択的に記録材Sが搬送される。記録材Sは、搬送ローラ16によりカセット10から搬送経路を通じてレジストレーションローラ12へ向けて搬送される。その後、レジストレーションローラ12が中間転写ベルト130上に形成されたトナー像と同期して回転することにより、記録材Sは二次転写部T2へ向けて搬送される。なお、カセット10に収容された記録材Sに限らず、手差し給送部(不図示)に載置された記録材Sが搬送されるようにしてもよい。
【0018】
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、トナー像の現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成である。したがって、ここでは代表してイエローの画像形成部Paについて説明し、その他の画像形成部Pb、Pc、Pdについては説明を省略する。
【0019】
画像形成部Paには、感光体として円筒型の感光ドラム3aが配設されている。感光ドラム3aは、不図示のモータにより回転駆動される。感光ドラム3aの周囲には、帯電装置2a、露光装置La、現像装置1a、一次転写ローラ24a、ドラムクリーニング装置4aが配置されている。
【0020】
画像形成装置100により、例えばフルカラーの画像を形成するプロセスについて説明する。まず、画像形成動作が開始されると、回転する感光ドラム3aの表面が帯電装置2aによって一様に帯電される。帯電装置2aは、例えばコロナ放電に伴う荷電粒子を照射して感光ドラム3aの表面を一様な電位に帯電させるコロナ帯電器などである。次いで、感光ドラム3aは、露光装置Laから発せられる画像信号に対応したレーザ光により走査露光される。これにより、感光ドラム3aの表面に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム3aに形成された静電潜像は、現像装置1a内に収容されているトナーとキャリアを含む現像剤によって可視像であるトナー像に現像される。言い換えれば、感光ドラム3aは現像装置1aによってトナーが供給されることによりトナー像が現像される。なお、現像装置1a~1d内では、現像剤が搬送スクリュー(不図示)によって撹拌されながら循環搬送されている。
【0021】
感光ドラム3aに形成されたトナー像は、中間転写ベルト130を挟んで配置される一次転写ローラ24aとの間で構成される一次転写部T1にて、中間転写ベルト130に一次転写される。この際、一次転写ローラ24aには一次転写電圧が印加される。一次転写後に感光ドラム3aの表面に残ったトナーは、ドラムクリーニング装置4aによって除去される。
【0022】
このような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部Pa~Pdで順次に行い、中間転写ベルト130上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングにあわせてカセット10に収容された記録材Sが二次転写部T2へ搬送される。そして、二次転写外ローラ11に二次転写電圧を印加することにより、中間転写ベルト130上に形成されたフルカラーのトナー像が記録材Sに一括して二次転写される。なお、二次転写後に中間転写ベルト130上に残ったトナーは、不図示のベルトクリーニング装置によって除去される。
【0023】
なお、本実施形態では、感光ドラム3aが第一感光体に相当し、感光ドラム3b、3c、3dが第二感光体に相当する。また、現像装置1aが第一現像ユニットに相当し、現像装置1b、1c、1dが第二現像ユニットに相当する。
【0024】
トナー像が転写された記録材Sは、定着ユニット800へ搬送される。定着ユニット800は、トナー像が転写された記録材Sに熱と圧力を加えることで記録材Sにトナー像を定着する。本実施形態の場合、記録材Sに対し第一定着器81により熱と圧力を加えたのちに、さらに第二定着器91により熱と圧力を加えることが選択的に実施できるようにしている。定着ユニット800は記録材Sを、第一定着器81の通過後に第二定着器91へ向けて搬送させるか、第一定着器81の通過後に第二定着器91を回避して搬送させるかを、定着切替フラッパ95により切り替えられる。
【0025】
第二定着器91は、第一定着器81よりも記録材Sの搬送方向下流側に配置されている。第二定着器91は、第一定着器81により定着された記録材S上のトナー像にさらに光沢を付与するなどの目的のため選択的に使用される。例えば、記録材Sが光沢紙や合成紙などのコート紙である場合、第一定着器81及び第二定着器91の両方にて定着が行われるように、第一定着器81を通過した記録材Sは定着ルート30aを搬送される。これに対し、記録材Sが普通紙などの非コート紙である場合、第一定着器81にて定着が行われる一方で第二定着器91にて定着が行われないように、第一定着器81を通過した記録材Sは第二定着器91を回避する定着バイバスルート30bを搬送される。
【0026】
上記の第一定着器81と第二定着器91は同じ構成であってよいので、ここでは第一定着器81を例に挙げて説明する。第一定着器81は、記録材Sのトナー像が定着された面に接触して回転可能な定着ローラ82(あるいは定着ベルト)と、定着ローラ82に圧接して定着ニップ部を形成する加圧ベルト83(あるいは加圧ローラ)とを有する。定着ローラ82及び加圧ベルト83の少なくとも一方は、不図示のヒータによって加熱される。第一定着器81は、定着ローラ82と加圧ベルト83とによって形成される定着ニップ部において、トナー像が形成された記録材Sを挟持搬送する際に記録材Sに熱及び圧力を加えて、トナー像を記録材Sに定着させる。
【0027】
本実施形態の場合、画像形成装置100は両面印刷可能である。片面印刷の場合、トナー像が定着された記録材Sは、排出搬送路150へ搬送されて画像形成装置100の外部へ排出される。両面印刷の場合、トナー像が定着された記録材Sは、両面反転搬送路600へ搬送される。両面反転搬送路600は、第一筐体101aと第二筐体101bに亘って形成されている。両面反転搬送路600では、スイッチバック動作によって記録材Sが反転され、記録材Sの表面と裏面とが入れ替えられる。反転された記録材Sは、レジストレーションローラ12に向けて搬送され、レジストレーションローラ12により印刷されていない裏面側を中間転写ベルト130側に向けた状態で二次転写部T2へ搬送される。二次転写部T2では、中間転写ベルト130上に形成されたフルカラーのトナー像が記録材S(裏面側)に一括して二次転写される。その後、記録材Sは定着ユニット800によるトナー像の定着が行われて画像形成装置100の外部へ、直前に画像形成された面(画像形成面)を上側に向けた状態で排出される。なお、上記した排出搬送路150と両面反転搬送路600の切り替えは、搬送切替フラッパ160により行われる。なお、本実施形態では、定着ユニット800として定着器を2つ備える構成としたが、定着器を1つのみ備える構成であってもよい。また、定着ユニット800によってトナー像が定着された記録材Sを冷却する冷却装置を第二筐体101bに備える構成であってもよい。
【0028】
画像形成装置100にはフィニッシャ装置300が記録材Sを受け渡し可能に連結され、画像形成装置100から排出された記録材Sはフィニッシャ装置300に搬送される。フィニッシャ装置300へ搬送された記録材Sは、フィニッシャ装置300によって記録材Sに孔をあけるパンチ処理、あるいは複数枚の記録材Sを束ねて針閉じするステイプル処理などの後工程処理が行われる。フィニッシャ装置300において、孔あけされた記録材Sは上排出トレイ301へ、針閉じされた記録材Sの束は下排出トレイ302へとそれぞれ分けて排出される。
【0029】
以下、画像形成装置100における外気のエアフロー構成について、
図1を参照しながら
図2乃至
図9を用いて説明する。
図2は、前扉が開いた状態の画像形成装置100を示す左側斜視図である。
図3(a)は画像形成装置100の前扉が閉じた状態を示す左側斜視図、
図3(b)は画像形成装置100の前扉が閉じた状態を示す右側斜視図である。
【0030】
図2に示すように、第一筐体101aの正面には、外装カバーとしての左前扉170a及び右前扉170bが図示のような観音開きに開閉可能に設けられている。また、第一筐体101aの正面には、左前扉170a、右前扉170bの内側に、内カバー173が設けられている。内カバー173は、ユーザが前扉(170a、170b)を開けた場合に、第一筐体101a内の可動部や電気配線等に誤って触れないようにするためのものである。ただし、サービスマンがメンテナンス作業を行えるように、内カバー173は螺子等によって第一筐体101aに着脱可能に設けられている。この内カバー173には、画像形成部Pa~Pd(点線で図示)を第一筐体101aに対して個別に挿抜可能な開口部が形成されており、内カバーユニット125が画像形成部Pa~Pdを覆い隠すように内カバー173に着脱可能に設けられている。
【0031】
図2及び3(a)に示すように、左前扉170aの上方には吸気カバー171が設けられ、吸気カバー171には吸気口171aが形成されている。そして、第一筐体101aの左側面側には、吸気口171aから外気を吸気するファン(後述の
図4(a)、
図4(b)参照)を有する左側吸気ユニット124が設けられている。本実施形態の場合、吸気口171aから吸気された外気は、左側吸気ユニット124と内カバーユニット125を経由して、画像形成部Pa~Pdと帯電装置2a、2bへ向け案内される。
【0032】
また、
図3(b)に示すように、第一筐体101aの右側面には右カバー172が設けられ、右カバー172には吸気口172aが形成されている。そして、第一筐体101aの右側面側には、外気を吸気するファン(後述の
図4(b)参照)を有する右側吸気ユニット126が設けられており、ファンの動作に応じて吸気口172aから外気を吸気する。本実施形態の場合、吸気口172aから吸気された外気は、右側吸気ユニット126と内カバーユニット125を経由して帯電装置2c、2dへ案内される。
【0033】
帯電装置2a~2dでは、コロナ放電により空気を電離してイオンを発生させることにより、感光ドラム3a~3dの表面を帯電する。また、帯電装置2a~2dはコロナ放電の際にイオンだけでなくオゾンをも発生させる。ただし、オゾンは、帯電装置2a~2dが有する例えばステンレス製のグリッド(不図示)等を腐食させやすいために回収する必要がある。そこで、オゾンを外気によってオゾン回収フィルタ(不図示)へ送って回収させるために、帯電装置2a~2dの近傍には図示を省略したが、帯電装置2a~2dへ外気を送風する一次吸気ダクトと、オゾン回収フィルタを介して画像形成装置100の外部へ空気を排気する一次排気ダクトが配設されている。
【0034】
<左側吸気ユニット>
左側吸気ユニット124について、
図1を参照しながら
図4(a)乃至
図7を用いて説明する。ただし、説明を理解しやすくするために、
図4(a)と
図4(b)では、現像装置1a~1dのエアフロー構成と、帯電装置2a~2dのエアフロー構成とをわけて図示した。
【0035】
図4(a)、
図4(b)に示すように、左側吸気ユニット124は、左側本体ダクト174と、現像用吸気ファン180a、180b、180c、180dと、帯電用吸気ファン177a、177bと、後述する側面ダクト174a、174bを有する。現像用吸気ファン180a~180dは、第一筐体101aに支持された現像装置1a~1dを冷却するためのシロッコファンである。帯電用吸気ファン177a、177bは、第一筐体101aに支持された帯電装置2a、2bへ外気を送るためのシロッコファンである。左側本体ダクト174は、上記の吸気口171aと連通する空間が内部に形成されたダクトである。
【0036】
図5(a)、
図5(b)に示すように、吸気ダクトとしての左側本体ダクト174の右側面部1742には、第二ファンとしての現像用吸気ファン180b、180c、180dと、側面ダクト174bが配設されている。即ち、第二側面部としての右側面部1742には現像用吸気ファン180b、180c、180dと連通する連通口が形成され、現像用吸気ファン180b、180c、180dの動作に応じて吸気口171aから吸気される外気が左側本体ダクト174の内部を通過する。側面ダクト174bには、内部に第二ダクトとしての現像用ダクト(181b、181c、181d)が形成されている。現像用吸気ファン180b、180c、180dを通過した外気が分岐して各現像用ダクト(181b、181c、181d)を通るように、側面ダクト174bと現像用吸気ファン180b、180c、180dとは接続されている。
【0037】
他方、
図6(a)、
図6(b)に示すように、左側本体ダクト174において右側面部1742に間隔を空けて対向する左側面部1741には、現像用吸気ファン180aと、帯電用吸気ファン177a、177bと、側面ダクト174aが配設されている。即ち、第一側面部としての左側面部1741には、第一ファンとしての現像用吸気ファン180a、帯電用吸気ファン177a、177bと連通する連通口が形成され、現像用吸気ファン180a、帯電用吸気ファン177a、177bの動作に応じて吸気口171aから吸気される外気が左側本体ダクト174の内部を通過する。側面ダクト174aには、内部に第一ダクトとしての現像用ダクト181aと、帯電用ダクト178a、178bが形成されている。現像用吸気ファン180a、帯電用吸気ファン177a、177bを通過した外気が分岐して各ダクト(181a、178a、178b)を通るように、側面ダクト174aと現像用吸気ファン180a、帯電用吸気ファン177a、177bとは接続されている。
【0038】
そして、吸気口171aから吸気された外気は、
図4(a)に示すように、左側本体ダクト174、現像用吸気ファン180a~180d、現像用ダクト181a~181d、内カバーユニット125を経由して、現像装置1a~1dへ送られる。また、吸気口171aから吸気された外気は、
図4(b)に示すように、左側本体ダクト174、帯電用吸気ファン177a、177b、帯電用ダクト178a、178b、内カバーユニット125を経由して、帯電装置2a、2bへ送られる。なお、吸気口171aから吸気された外気から塵等を除去するために、吸気口171aから左側本体ダクト174に至る流路にフィルタ(不図示)を配置するのが好ましい。
【0039】
本実施形態では、左側本体ダクト174の左側面部1741と右側面部1742とに、左側本体ダクト174に対して吸気側を向けて、シロッコファンである現像用吸気ファン180a~180dと帯電用吸気ファン177a、177bとが配設される。上述したように、左側本体ダクト174では、現像用吸気ファン180aと帯電用吸気ファン177a、177bとが左側面部1741に配設され、現像用吸気ファン180b、180c、180dが右側面部1742に配設されている。このように、吸気口171aから現像用吸気ファン180a~180dと帯電用吸気ファン177a、177bまでのダクトを共通のダクトとすることで、ファンと吸気口とをつなぐダクトを複数のファンの数だけ設ける構成よりも、ダクトの占有する面積を小さくすることができ、ダクトの大型化に起因する画像形成装置自体の大型化を抑制することができる。また、ダクトの配置を簡略化することができるため、他のユニットの配置に影響を与えず設計の自由度を向上させることができる。
【0040】
発明者らは、現像用吸気ファン180a~180dと帯電用吸気ファン177a、177bを左側本体ダクト174に配設するにあたり、それぞれの吸気ファンが他の吸気ファンによる吸気の影響を受け難い配置位置を気流シミュレーションにより検討した。
図7に、左側吸気ユニット124における現像用吸気ファン180a~180dと帯電用吸気ファン177a、177bの配置位置を示す。
【0041】
図7に示すように、現像用吸気ファン180a~180dと帯電用吸気ファン177a、177bは、吸気方向に対して重ならない位置に配設される。そうするために、左側本体ダクト174において、連通口1741a~1741c(第一連通口)と連通口1742a~1742c(第二連通口)とが、現像用吸気ファン180a(第一ファン)を通過する外気の通過向き(ファンの回転軸線方向)に右側面部1742側(第二側面部側)から左側面部1741側(第一側面部側)を見て、互いに重ならないように形成されている。
【0042】
このように、左側本体ダクト174における連通口1741a~1741cと1742a~1742cとを互いに対向しない位置に配置することで、左側本体ダクト174内において偏流が生じるのを抑制することができる。また、本実施形態では、左側本体ダクト174の左側面部1741と右側面部1742との間隔が、20mm以上50mm以下に設定される。こうして左側面部1741と右側面部1742との間隔を20mm以上とすることで、連通口1741a~1741c及び連通口1742a~1742cから吸気する際に、左側本体ダクト174の内部で発生するエアフローに偏流が生じることを抑制できる。
【0043】
例えば、仮に左側面部1741と右側面部1742との間隔が20mmよりも狭いとすると、現像用吸気ファン180a~180dや帯電用吸気ファン177a、177bによって吸気されることによって生じるエアフローが、左側面部1741や右側面部1742に当たることで偏流が生じてしまう。エアフローに偏流が生じると、吸気口171aから左側本体ダクト174に流入した空気を連通口1741a~1741c及び連通口1742a~1742cから排出する際の風量の損失が大きくなってしまう。
【0044】
そこで、本実施形態では、左側本体ダクト174の左側面部1741と右側面部1742との間隔を20mm以上とすることで、左側本体ダクト174の内部で偏流が生じることを抑制する。これによって、吸気口171aから左側本体ダクト174に流入した空気を連通口1741a~1741c及び連通口1742a~1742cから排出する際の損失が抑制され得る。したがって、複数のユニットへ十分な送風量を確保することができる。
【0045】
また、左側面部1741と右側面部1742との間隔が50mmより広いと、左側本体ダクト174内において偏流は生じ難くなる。しかし、左側本体ダクト174の外形が大きくなり、外形の大きなダクトを収容するために画像形成装置自体のサイズが大型化してしまう恐れがある。そこで、本実施形態では、左側面部1741と右側面部1742との間隔は、各吸気ファンの吸気の影響を考慮して40mmに設定した。この場合、左側本体ダクト174内において偏流が生じず、また圧力損失が大きくなるのを抑制できる。
【0046】
<右側吸気ユニット>
次に、右側吸気ユニット126について、
図4(b)、
図8(a)及び
図8(b)を用いて説明する。
図4(b)に示すように、右側吸気ユニット126は、右側本体ダクト176と、帯電用吸気ファン177c、177dと、後述する通過ダクト179とを有する。帯電用吸気ファン177c、177dは、第一筐体101aに支持された帯電装置2c、2dへ外気を送風するためのファンである。右側本体ダクト176は、上記の吸気口172a(
図3(b)参照)と連通する空間が内部に形成されたダクトである。なお、吸気口172aから吸気された外気から塵等を除去するために、吸気口172aから右側本体ダクト176に至る流路にフィルタ(不図示)を配置するのが好ましい。
【0047】
右側本体ダクト176には、
図8(a)に示すように、帯電装置2c、2dへ外気を送風するための帯電用吸気ファン177c、177dが設けられている。即ち、右側本体ダクト176には、帯電用吸気ファン177c、177dと連通する連通口が形成されており、帯電用吸気ファン177c、177dの動作に応じて吸気口172aから吸気される外気が右側本体ダクト176の内部を通過する。そして、通過ダクト179には、
図8(b)に示すように、内部に帯電用ダクト178c、178dが形成されている。帯電用吸気ファン177c、177dを通過した外気が帯電用ダクト178c、178dを通るように、通過ダクト179は帯電用吸気ファン177c、177dに接続されている。
【0048】
そして、吸気口172aから吸気された外気は、
図4(b)に示すように、右側本体ダクト176、帯電用吸気ファン177c、177d、帯電用ダクト178c、178d、内カバーユニット125を経由して、帯電装置2c、2dへ送られる。他方、帯電装置2a、2bに対しては、上述したように、吸気口171a(
図3(b)参照)から吸気された外気が、左側本体ダクト174、帯電用吸気ファン177a、177b、内カバーユニット125を経由して送られる。このように、本実施形態では、帯電装置2a~2dへ外気を送風するために、左側吸気ユニット124と右側吸気ユニット126とが用いられる。
【0049】
なお、現像装置1a~1dのエアフロー構成と帯電装置2a~2dのエアフロー構成とは上記した構成に限られない。例えば、左側吸気ユニット124の右側面部1742に現像用吸気ファン180a~180dを配設し、左側面部1741に帯電用吸気ファン177a、177bを配設するようにしてもよい。つまり、左側吸気ユニット124の左側面部1741と右側面部1742とに配設する吸気ファンの数は、同数でなくてもよい。
【0050】
また、例えば、左側面部1741に1つの帯電用吸気ファン177aと2つの現像用吸気ファン180a、180bを配設し、右側面部1742に3つの帯電用吸気ファン177b、177c、177dを配設するようにしてもよい。この際には、右側吸気ユニット126に現像用吸気ファン180c、180dが配設される。この場合、帯電装置2aが第一帯電ユニット相当し、帯電装置2b、2c、2dが第二帯電ユニットに相当する。
【0051】
<内カバーユニット>
内カバーユニット125について、
図9を用いて説明する。
図9は、内カバーユニット125の内面側を示す概略図である。本実施形態では、
図9に示すように、現像装置1a~1dを冷却するための外気を通す中継ダクトとして、第一中継ダクトとしてのフレキシブルチューブ183a、第二中継ダクトとしてのフレキシブルチューブ183b、183c、183dが、内カバーユニット125の内面側に配設されている。また、帯電装置2a~2dへ送風するための外気を通す中継ダクトとして、フレキシブルチューブ222a、222b、222c、222dが、内カバーユニット125の内面側に配設されている。これらフレキシブルチューブ183a~183d、222a~222dは、例えばワイヤーサドルを用いて内カバーユニット125の内面に取り付けられている。
【0052】
フレキシブルチューブ183a~183d、222a~222dは例えばPA6(ポリアミド)等の樹脂や金属を用いて内部が空洞の筒状に形成され、外周面には多数の凸部が所定の間隔を開けて連続して形成された蛇腹形状の筒状部材であり、湾曲自在である。これらフレキシブルチューブ183a~183d、222a~222dは、湾曲された場合に、湾曲の内側(圧縮側)において凸部により湾曲が制限されて折り曲げられ難い。そのため、フレキシブルチューブ183a~183d、222a~222dは湾曲されても、湾曲前と比べて断面積の大きさが維持され、単位時間当たりの風量が変わることなく外気を案内することができる。
【0053】
現像用吸気ファン180a~180dの動作に伴い吸気口171aから吸気された外気は、左側本体ダクト174、現像用ダクト181a~181d、フレキシブルチューブ183a~183dを通過して現像装置1a~1dへ向けて流れる。また、帯電用吸気ファン177a、177bの動作に伴い吸気口171aから吸気された外気は、左側本体ダクト174、帯電用ダクト178a、178b、フレキシブルチューブ222a、222bを通過して帯電装置2a、2bへ向けて流れる。さらに、帯電用吸気ファン177c、177dの動作に伴い吸気口172aから吸気された外気は、右側本体ダクト176、帯電用ダクト178c、178d、フレキシブルチューブ222c、222dを通過して帯電装置2c、2dへ向けて流れる。
【0054】
本実施形態では、内カバーユニット125の内面側において、例えば帯電装置2a~2dへ外気を案内するフレキシブルチューブ222a~222d等を避けた隙間に、フレキシブルチューブ183a~183dを適宜に湾曲させて張り巡らせることができる。つまり、フレキシブルチューブ183a~183d、222a~222dを用いることで、限られた空間内におけるダクト配置の自由度が高くなる。なお、ここで示すフレキシブルチューブ183a~183d、222a~222dの取り回しは一例であって、これに限られない。
【0055】
以上のように、本実施形態では、左側吸気ユニット124において、現像用吸気ファン180aと帯電用吸気ファン177a、177bとが左側本体ダクト174の左側面部に配設される。他方、左側本体ダクト174の右側面部1742には現像用吸気ファン180b、180c、180dが配設される。左側吸気ユニット124では、現像用吸気ファン180a~180dと帯電用吸気ファン177a、177bの動作に応じて吸気口171aから吸気される外気が、連通口1741a~1741cと連通口1742a~1742cとに分岐して現像装置1a~1dと帯電装置2a、2bに送風される。これにより、吸気ファンにより吸気される外気を、ダクトを介して複数のユニットに向けて案内する場合に、装置の大型化を抑止し且つ十分な送風量を確保して案内することが簡易な構成で実現できる。
【0056】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態では、吸気ファンとしてシロッコファンを用いた場合を例に説明したが、これに限らない。吸気ファンとして軸流ファンを用いてもよい。左側本体ダクト174において、現像用吸気ファン180b、180c、180dと帯電用吸気ファン177a、177bに、上記したシロッコファンの代わりに軸流ファンを用いた場合を、
図10(a)及び
図10(b)に示す。
【0057】
図10(a)、
図10(b)に示すように、現像用吸気ファン180a~180dと帯電用吸気ファン177a、177bに軸流ファンを用いた場合、それぞれに対し個別に側面ダクト201a~201fが設けられる。ここでは、現像用吸気ファン180aに対し側面ダクト201e、現像用吸気ファン180bに対し側面ダクト201a、現像用吸気ファン180cに対し側面ダクト201b、現像用吸気ファン180dに対し側面ダクト201cが設けられている。また、帯電用吸気ファン177aに対し側面ダクト201d、帯電用吸気ファン177bに対し側面ダクト201fが設けられている。これら側面ダクト201a~201fは、図示のように、現像用吸気ファン180a~180dと帯電用吸気ファン177a、177bの排気側を覆うように設けられている。なお、軸流ファンを用いた場合におけるその他の構成は、上記したシロッコファンを用いた場合の構成と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0058】
なお、上述した実施形態では、現像装置1a~1dや帯電装置2a~2dへ外気を送風する場合を例に説明したが、これに限らない。例えば、第一定着器81や第二定着器91(
図1参照)を通過した後の記録材Sを搬送する搬送部材を外気により冷却する場合にも、上述した実施形態を適用してよい。
【0059】
なお、上述した実施形態では、電子写真方式の画像形成装置100を例に説明したが、これに限らない。例えば、インクジェットプリンタや昇華型プリンタなどの熱乾燥方式の画像形成装置にも、上述した各実施形態を適用してよい。
【符号の説明】
【0060】
1a…第一現像ユニット(現像装置)、1b(1c、1d)…第二現像ユニット(現像装置)、2a(2b、2c、2d)…第一帯電ユニット(第二帯電ユニット、帯電装置)、3a…第一感光体(感光ドラム)、3b(3c、3d)…第二感光体(感光ドラム)、100…画像形成装置、101a…筐体(第一筐体)、124…吸気ユニット(左側吸気ユニット)、125…内カバーユニット、170a、170b…外装カバー(左前扉、右前扉)、174…吸気ダクト(左側本体ダクト)、180a…第一ファン(現像用吸気ファン)、180b(180c、180d)…第二ファン(現像用吸気ファン)、181a…第一ダクト(現像用ダクト)、181b(181c、181d)…第二ダクト(現像用ダクト)、183a…第一中継ダクト(フレキシブルチューブ)、183b(183c、183d)…第二中継ダクト(フレキシブルチューブ)、1741…第一側面部(左側面部)、1741a(1741b、1741c)…第一連通口(連通口)、1742…第二側面部(右側面部)、1742a(1742b、1742c)…第二連通口(連通口)、S…記録材