(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191701
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】通信システム及び中継装置
(51)【国際特許分類】
H04W 92/18 20090101AFI20221221BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20221221BHJP
H04W 28/24 20090101ALI20221221BHJP
【FI】
H04W92/18
H04W88/04
H04W28/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100084
(22)【出願日】2021-06-16
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北川 幸一郎
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】移動端末と中継装置との間でのスライスの不整合の発生を抑制する。
【解決手段】通信システムは、移動端末と、コアネットワークと通信することが可能な中継装置と、前記移動端末に設定される第1スライス、及び、前記中継装置に設定される第2スライスを決定するスライス決定部と、を備え、前記スライス決定部は、前記移動端末が前記中継装置を中継して前記コアネットワークと通信する場合に、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末と、
コアネットワークと通信することが可能な中継装置と、
前記移動端末に設定される第1スライス、及び、前記中継装置に設定される第2スライスを決定するスライス決定部と、
を備え、
前記スライス決定部は、前記移動端末が前記中継装置を中継して前記コアネットワークと通信する場合に、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定する、
通信システム。
【請求項2】
前記移動端末は、前記中継装置を中継して前記コアネットワークと通信する場合に、要求通信品質に関する品質関連情報を送信し、
前記スライス決定部は、前記移動端末から送信された前記品質関連情報と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記品質関連情報は、前記移動端末が要求する通信性能、前記移動端末が要求するスライス、前記移動端末が使用する通信プロトコル、及び前記移動端末において実行されるアプリケーションプログラムのうちの少なくとも1つを示す情報である、
請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記中継装置は、前記中継装置によって中継される前記移動端末の通信を監視することにより、前記移動端末の通信品質を検出する通信品質検出部を含み、
前記スライス決定部は、前記通信品質検出部によって検出された前記通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記スライス決定部は、前記第1スライスと、前記第2スライスとを同一のスライスに決定する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記スライス決定部は、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスに対応する通信品質との両方を満たすスライスを、前記第1スライス及び前記第2スライスとして決定する、
請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記スライス決定部は、前記移動端末の要求通信品質を満たすスライスを特定し、特定された前記スライスに対応する通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスに対応する通信品質との比較結果に基づいて、特定された前記スライス又は前記中継装置に設定されているスライスを、前記第1スライス及び前記第2スライスとして決定する、
請求項5に記載の通信システム。
【請求項8】
前記スライス決定部は、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスに対応する通信品質とを足し合わせた通信品質を満たすスライスを、前記第1スライス及び前記第2スライスとして決定する、
請求項5に記載の通信システム。
【請求項9】
前記スライス決定部は、前記移動端末の要求通信品質を満たすスライスを特定し、特定されたスライスに設定された優先度と、前記中継装置に設定されているスライスの優先度とを比較し、優先度が高いスライスを、前記第1スライス及び前記第2スライスとして決定する、
請求項5に記載の通信システム。
【請求項10】
前記中継装置は、前記スライス決定部を含む、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項11】
前記コアネットワークは、前記スライス決定部を含む、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項12】
コアネットワークと通信することが可能な中継装置であって、
移動端末に設定される第1スライス、及び、前記中継装置に設定される第2スライスを決定するスライス決定部を備え、
前記スライス決定部は、前記移動端末が前記中継装置を中継して前記コアネットワークと通信する場合に、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定する、
中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システム及び中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、第5世代移動通信システム(5G)において移動局の要求に応じた論理ネットワーク(ネットワークスライス。以下、「スライス」ともいう)を割り当てるアクセス制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS 23.501 V16.7.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動通信では、移動端末と他の端末がUE to NW Relay(Sidelink)等によって接続され、移動端末とコアネットワークとの間の通信が他の端末(中継装置)によって中継される場合がある。この場合、移動端末と中継装置との間でスライスの不整合が生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る通信システムは、移動端末と、コアネットワークと通信することが可能な中継装置と、前記移動端末に設定される第1スライス、及び、前記中継装置に設定される第2スライスを決定するスライス決定部と、を備え、前記スライス決定部は、前記移動端末が前記中継装置を中継して前記コアネットワークと通信する場合に、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定する。
【0006】
本開示の一態様に係る中継装置は、コアネットワークと通信することが可能な中継装置であって、移動端末に設定される第1スライス、及び、前記中継装置に設定される第2スライスを決定するスライス決定部を備え、前記スライス決定部は、前記移動端末が前記中継装置を中継して前記コアネットワークと通信する場合に、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、移動端末と中継装置との間でのスライスの不整合の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る移動端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る通信端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る通信システムの機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】S-NSSAIのフォーマットを説明するための図である。
【
図6】SSTの値とスライスの種別の対応関係を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】第1実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の変形例を示すシーケンス図である。
【
図9】第2実施形態に係る通信システムの機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図10】第2実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図11】第3実施形態に係る通信システムの機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図12】第3実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図13】第4実施形態に係る通信システムの機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図14】第4実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の概要>
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
【0010】
(1) 本実施形態に係る通信システムは、移動端末と、コアネットワークと通信することが可能な中継装置と、前記移動端末に設定される第1スライス、及び、前記中継装置に設定される第2スライスを決定するスライス決定部と、を備え、前記スライス決定部は、前記移動端末が前記中継装置を中継して前記コアネットワークと通信する場合に、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定する。これにより、移動端末が中継装置を中継してコアネットワークと通信する場合に、移動端末の要求通信品質と、中継装置に設定されているスライスとに応じた第1スライス及び第2スライスを決定することができる。したがって、移動端末と中継装置との間でのスライスの不整合の発生を抑制することができる。
【0011】
(2) 前記移動端末は、前記中継装置を中継して前記コアネットワークと通信する場合に、要求通信品質に関する品質関連情報を送信し、前記スライス決定部は、前記移動端末から送信された前記品質関連情報と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定してもよい。これにより、品質関連情報によって移動端末の要求通信品質をスライス決定部に通知することができる。
【0012】
(3) 前記品質関連情報は、前記移動端末が要求する通信性能、前記移動端末が要求するスライス、前記移動端末が使用する通信プロトコル、及び前記移動端末において実行されるアプリケーションプログラムのうちの少なくとも1つを示す情報であってもよい。品質関連情報が、移動端末が要求する通信性能を示す情報である場合、スライス決定部に移動端末が要求する通信性能を通知することができる。品質関連情報が、移動端末が要求するスライスを示す情報である場合、スライス決定部に移動端末が要求するスライスを通知することができる。品質関連情報が、移動端末が使用する通信プロトコルを示す情報である場合、スライス決定部に移動端末が使用する通信プロトコルを通知することができる。スライス決定部は通信プロトコルに必要となる通信品質を特定することができる。品質関連情報が、移動端末において実行されるアプリケーションプログラムを示す情報である場合、スライス決定部に移動端末において実行されるアプリケーションプログラムを通知することができる。スライス決定部はアプリケーションプログラムの実行に必要となる通信品質を特定することができる。
【0013】
(4) 前記中継装置は、前記中継装置によって中継される前記移動端末の通信を監視することにより、前記移動端末の通信品質を検出する通信品質検出部を含み、前記スライス決定部は、前記通信品質検出部によって検出された前記通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定してもよい。これにより、検出された移動端末の通信品質と、中継装置に設定されているスライスとに基づいて、適切な第1スライス及び第2スライスを決定することができる。
【0014】
(5) 前記スライス決定部は、前記第1スライスと、前記第2スライスとを同一のスライスに決定してもよい。これにより、第1スライスと第2スライスとの不整合の発生を抑制することができる。
【0015】
(6) 前記スライス決定部は、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスに対応する通信品質との両方を満たすスライスを、前記第1スライス及び前記第2スライスとして決定してもよい。これにより、移動端末と中継装置の両方に要求される通信品質を満たすスライスを決定することができる。
【0016】
(7) 前記スライス決定部は、前記移動端末の要求通信品質を満たすスライスを特定し、特定された前記スライスに対応する通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスに対応する通信品質との比較結果に基づいて、特定された前記スライス又は前記中継装置に設定されているスライスを、前記第1スライス及び前記第2スライスとして決定してもよい。これにより、移動端末と中継装置の両方に要求される通信品質を満たすスライスを決定することができる。
【0017】
(8) 前記スライス決定部は、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスに対応する通信品質とを足し合わせた通信品質を満たすスライスを、前記第1スライス及び前記第2スライスとして決定してもよい。これにより、移動端末と中継装置とが同時に通信した場合でも、移動端末と中継装置とによって要求される通信品質を満たすスライスを決定することができる。
【0018】
(9) 前記スライス決定部は、前記移動端末の要求通信品質を満たすスライスを特定し、特定されたスライスに設定された優先度と、前記中継装置に設定されているスライスの優先度とを比較し、優先度が高いスライスを、前記第1スライス及び前記第2スライスとして決定してもよい。これにより、スライスに設定された優先度にしたがって適切に第1スライス及び第2スライスを決定することができる。
【0019】
(10) 前記中継装置は、前記スライス決定部を含んでもよい。これにより、中継装置によって第1スライス及び第2スライスを決定することができる。
【0020】
(11) 前記コアネットワークは、前記スライス決定部を含んでもよい。これにより、コアネットワークによって第1スライス及び第2スライスを決定することができる。
【0021】
(12) 本実施形態に係る中継装置は、コアネットワークと通信することが可能な中継装置であって、移動端末に設定される第1スライス、及び、前記中継装置に設定される第2スライスを決定するスライス決定部を備え、前記スライス決定部は、前記移動端末が前記中継装置を中継して前記コアネットワークと通信する場合に、前記移動端末の要求通信品質と、前記中継装置に設定されているスライスとに基づいて、前記第1スライス及び前記第2スライスを決定する。これにより、移動端末が中継装置を中継してコアネットワークと通信する場合に、移動端末の要求通信品質と、中継装置に設定されているスライスとに応じた第1スライス及び第2スライスを決定することができる。したがって、移動端末と中継装置との間でのスライスの不整合の発生を抑制することができる。
【0022】
<本開示の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0023】
[1.第1実施形態]
[1-1.通信システム]
図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。第1実施形態に係る通信システム10は、コアネットワーク100と、移動端末200A,200Bと、通信端末300とを含む。コアネットワーク100は、RAN(Radio Access Network)110に接続されている。RAN110は、RANコントローラ(RNC)111と、無線基地局112とを含む。RNC111は、複数の無線基地局112を制御する。移動端末200A,200Bは、例えばスマートフォン、タブレット、ポータブルコンピュータ、工場又は商業施設に設置された固定端末等である。移動端末200A,200Bは、無線基地局112を経由してコアネットワーク100と通信することができる。なお、以下では、移動端末200A,200Bを総称して「移動端末200」ともいう。
【0024】
通信端末300は、例えばパーソナルコンピュータ又はルータ、ハブ等のネットワーク装置である。通信端末300は、インターネット400を介してコアネットワーク100に接続されている。通信端末300は、コアネットワーク100と通信することができる。通信端末300は、3GPP(Third Generation Partnership Project)によって規定されていないアクセス網、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Bluetooth(登録商標)等によって移動端末200と通信可能に接続することができる。
【0025】
コアネットワーク100は、UDM(Unified Data Management)101、NSSF(Network Slice Selection Function)102、NRF(Network Repository Function)103、AMF(Access and Mobility Management Function)104、N3IWF(Non-3GPP InterWorking Function)105等の移動通信のための複数の機能を有する。コアネットワーク100は、1又は複数のコンピュータによって構成され、コンピュータに搭載されたプロセッサがコンピュータプログラムを実行することにより上記の各種機能が実現される。通信端末300は、N3IWF105を介して3GPP LAN-type serviceによりコアネットワーク100と接続される。
【0026】
[1-2.移動端末の構成]
図2は、第1実施形態に係る移動端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。移動端末200は、プロセッサ201と、不揮発性メモリ202と、揮発性メモリ203と、入力装置204と、表示装置205と、第1通信インタフェース(I/F)206と、第2通信インタフェース(I/F)207とを含む。
【0027】
揮発性メモリ203は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリである。不揮発性メモリ202は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)等である。不揮発性メモリ202には、コンピュータプログラムであるUE(User Equipment)プログラム208、中継プログラム209、並びにUEプログラム208及び中継プログラム209の実行に使用されるデータが格納される。移動端末200は、コンピュータを備えて構成され、移動端末200の各機能は、前記コンピュータの記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムであるUEプログラム208及び中継プログラム209がプロセッサ201によって実行されることで発揮される。UEプログラム208及び中継プログラム209は、フラッシュメモリ、ROM、CD-ROMなどの記録媒体に記憶させることができる。プロセッサ201がUEプログラム208を実行することにより、移動端末200はコアネットワーク100のユーザ機器(UE)として機能する。プロセッサ201が中継プログラム209を実行することにより、移動端末200は他の移動端末200とコアネットワーク100との通信を中継する中継装置として機能する。具体的な一例では、中継プログラム209は、UE to NW relay(Sidelink)の機能を提供する。
【0028】
プロセッサ201は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。ただし、プロセッサ201は、CPUに限られない。プロセッサ201は、GPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。プロセッサ201は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよいし、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスであってもよい。この場合、ASIC又はプログラマブルロジックデバイスは、UEプログラム208及び中継プログラム209と同様の処理を実行可能に構成される。
【0029】
表示装置205は、例えば液晶パネル又はOEL(有機エレクトロルミネッセンス)パネルを含む。表示装置205は、文字又は図形の情報を表示することができる。入力装置204は、例えば、表示装置205に重ねられた静電容量式又は感圧式のタッチパッドを含む。入力装置204は、キーボード及びマウス等のポインティングデバイスであってもよい。入力装置204は、移動端末200への情報の入力に用いられる。
【0030】
第1通信I/F206は、例えば5Gに準拠した無線通信インタフェースである。第1通信I/F206は、無線アンテナを含み、無線基地局112と無線通信することが可能である。
【0031】
第2通信I/F207は、例えば、他の移動端末200とコアネットワーク100との通信を中継するために、他の移動端末200との通信に用いられる。第2通信I/F207は、例えば5Gに準拠した無線通信インタフェースであり、他の移動端末200との通信に用いられる。つまり、第2通信I/F207は、例えばSidelinkによって他の移動端末200と接続される。第2通信I/F207は、例えばイーサネットインタフェース(「ETHERNET\イーサネット」は登録商標)、無線LANインタフェース、又はBluetoothインタフェース等の5Gに準拠しない通信I/Fであり、中継装置として機能する通信端末300との通信に用いられてもよい。
【0032】
[1-3.通信端末の構成]
図3は、第1実施形態に係る通信端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。通信端末300は、プロセッサ301と、不揮発性メモリ302と、揮発性メモリ303と、入力装置304と、表示装置305と、第1通信I/F306と、第2通信I/F307とを含む。
【0033】
揮発性メモリ203は、例えばSRAM、DRAM等の半導体メモリである。不揮発性メモリ202は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク、ROM等である。不揮発性メモリ202には、コンピュータプログラムである通信プログラム308、中継プログラム309、並びに通信プログラム308及び中継プログラム309の実行に使用されるデータが格納される。通信端末300は、コンピュータを備えて構成され、通信端末300の各機能は、前記コンピュータの記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムである通信プログラム308及び中継プログラム309がプロセッサ301によって実行されることで発揮される。通信プログラム308及び中継プログラム309は、フラッシュメモリ、ROM、CD-ROMなどの記録媒体に記憶させることができる。プロセッサ301が通信プログラム308を実行することにより、通信端末300はコアネットワーク100と通信することができる。プロセッサ301が中継プログラム309を実行することにより、通信端末300は移動端末200とコアネットワーク100との通信を中継する中継装置として機能する。中継プログラム309は、有線LAN、無線LAN、Bluetooth等によって移動端末200と通信し、移動端末200とコアネットワーク100との通信を中継するための機能を提供する。
【0034】
プロセッサ301は、例えばCPUである。ただし、プロセッサ301は、CPUに限られない。プロセッサ301は、GPUであってもよい。プロセッサ301は、例えば、ASICであってもよいし、ゲートアレイ、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスであってもよい。この場合、ASIC又はプログラマブルロジックデバイスは、通信プログラム308及び中継プログラム309と同様の処理を実行可能に構成される。
【0035】
表示装置305は、例えば液晶パネル又はOELパネルを含む。表示装置305は、文字又は図形の情報を表示することができる。入力装置304は、例えば、キーボード及びマウス等のポインティングデバイスである。入力装置304は、通信端末300への情報の入力に用いられる。
【0036】
第1通信I/F306は、例えばイーサネットインタフェースである。第1通信I/F306は、インターネット400に接続可能である。通信端末300は、第1通信I/F306によってコアネットワーク100と通信することができる。
【0037】
第2通信I/F207は、例えばイーサネットインタフェース、無線LANインタフェース、又はBluetoothインタフェース等の5Gに準拠しない通信I/Fである。第2通信I/F207は、通信端末300が移動端末200とコアネットワーク100との通信を中継する機能を提供する場合に、移動端末200との通信に用いられる。
【0038】
[1-4.通信システムの機能]
図4は、第1実施形態に係る通信システムの機能の一例を示す機能ブロック図である。第1実施形態では、移動端末200Bが移動端末200Aとコアネットワーク100との通信を中継する。第1実施形態では、移動端末200Aのプロセッサ201がUEプログラム208を実行することにより、移動端末200Aにおいてコネクション管理部211、セッション管理部212、及び品質関連情報通知部213の機能を実現する。移動端末200Bのプロセッサ201が中継プログラム209を実行することにより、移動端末200Bにおいてセッション管理部221、コネクション管理部222、及びコネクション情報通知部223の機能を実現する。コアネットワーク100は、セッション管理部121,122、及びスライス決定部123の機能を有する。
【0039】
コネクション管理部211,222は、移動端末200A及び200Bの間におけるコネクションの確立及び管理を行う。ここでいうコネクションとは、Sidelinkによる論理リンクを意味する。通信中継機能を提供する中継装置として機能する移動端末200Bのコネクション管理部222は、移動端末200Aとのコネクションが確立されると、コネクション情報を取得する。コネクション情報は、移動端末200Bの端末IDと、接続対象の移動端末200Aの端末IDとを含む。
【0040】
コネクション管理部222によって取得されたコネクション情報は、コネクション情報通知部223に与えられる。コネクション情報通知部223は、コネクション情報をコアネットワーク100に通知する。
【0041】
セッション管理部122,212は、移動端末200A及びコアネットワーク100の間のコネクションの確立及び管理を行う。セッション管理部121,221は、移動端末200B及びコアネットワーク100の間のセッションの確立及び管理を行う。ここでいうセッションとは、5G通信による論理リンクを意味する。セッション管理部121,122は、移動端末200A,200Bに対するスライスの割り当てを行う。
【0042】
品質関連情報通知部213は、品質関連情報をコアネットワーク100へ通知する。第1実施形態における品質関連情報は、NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)である。移動端末200とコアネットワーク100との間のセッションの確立において、コアネットワーク100において設定可能なスライスの情報(以下、「スライス設定情報」という)がコアネットワーク100からから移動端末200に送信され、移動端末200はスライス設定情報に基づいて要求するスライスを選択する。移動端末200は、選択されたスライスを指定したNSSAIを作成し、スライス割当要求であるNSSAIをコアネットワーク100に送信する。
図5は、S-NSSAIのフォーマットを説明するための図である。NSSAIは、複数のS-NSSAI(Single-NSSAI)を含む。S-NSSAIは、SST(Slice /Service Type)とSD(Slice Differentiator)とを含む。SSTは、スライスの種別を示す番号である。
図6は、SSTの値とスライスの種別の対応関係を示す図である。SST値「1」は、eMBB(enhanced Mobile Broadband)を示す。eMBBは高速大容量通信のスライスである。SST値「2」は、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)を示す。URLLCは、高信頼低遅延通信のスライスである。SST値「3」は、mMTC(massive Machine Type Communications)を示す。mMTCは多数同時接続通信のスライスである。再び
図5を参照する。SDはSSTによって示されるスライス種別をさらに細分化したスライスの定義情報である。割り当て要求のスライスは、移動端末200の要求通信品質に応じて選択される。したがって、NSSAIは、移動端末200の要求通信品質を反映する。
【0043】
再び
図4を参照する。スライス決定部123は、移動端末200Aに設定されるスライス(第1スライス)と、中継装置として機能する移動端末200Bに設定されるスライス(第2スライス)とを決定する。具体的な一例では、スライス決定部123は、移動端末200Aから送信された品質関連情報と、移動端末200Bに設定されているスライスとに基づいて、移動端末200Aに設定される第1スライスと、移動端末200Bに設定される第2スライスとを決定する。
【0044】
スライス決定部123は、品質関連情報であるNSSAIによって要求されるスライスに対応する通信品質に基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定することができる。スライスに対応する通信品質とは、例えば、スライスが保証する通信品質である。ただし、スライスに対応する通信品質は、スライスが保証する通信品質には限られない。例えば、スライスによって期待される通信品質であってもよい。なお、品質関連情報はNSSAIに限られない。例えば、品質関連情報を移動端末200Aが要求するスループット等の通信性能を示す情報としてもよい。スライス決定部123は、通信性能に応じたスライスを決定することができる。
【0045】
例えば、移動端末200Aが一定の通信性能を要求する通信プロトコルを使用する場合、品質関連情報は通信プロトコルを示す情報であってもよい。具体的な一例として、移動端末200Aが機器間同期プロトコルであるTSN(Time Synchronized Network)を使用する場合、品質関連情報はTSNを示す情報であってもよい。スライス決定部123は、TSNを示す品質関連情報を受信した場合、URLLCスライスを第1スライスとして決定することができる。
【0046】
例えば、移動端末200Aが一定の通信性能を要求するアプリケーションプログラムを使用する場合、品質関連情報はアプリケーションプログラムを示す情報(例えば、アプリケーションID)であってもよい。例えば、移動端末200Aが監視カメラによって撮像された映像を継続的にサーバにアップロードするアプリケーションプログラムを使用する場合、又は、移動端末200Aが工場に多数配置されたセンサによって得られたデータをサーバにアップロードするアプリケーションプログラムを使用する場合、品質関連情報はアプリケーションプログラムのアプリケーションIDであってもよい。品質関連情報が、監視カメラによって撮像された映像を継続的にサーバにアップロードするアプリケーションプログラムのアプリケーションIDである場合、スライス決定部123は、eMBBスライスを第1スライスとして決定することができる。品質関連情報が、工場に多数配置されたセンサによって得られたデータをサーバにアップロードするアプリケーションプログラムのアプリケーションIDである場合、スライス決定部123は、mMTCスライスを第1スライスとして決定することができる。
【0047】
例えば、スライス決定部123は、第1スライスと、第2スライスとを同一のスライスに決定することができる。さらに具体的には、スライス決定部123は、移動端末200Aからコアネットワーク100に送信されたNSSAIによって割当が要求されるスライスに対応する通信品質と、移動端末200Bに設定されているスライスに対応する通信品質との両方を満たすスライスを、第1スライス及び第2スライスとして決定することができる。例えば、スライス決定部123は、移動端末200Aから送信されたNSSAIによって、移動端末200Aの要求通信品質を満たすスライスを特定する。スライス決定部123は、特定されたスライスが移動端末200Bに設定されているスライスよりも高い通信品質を保証する場合、特定されたスライスを、第1スライス及び第2スライスとして決定する。スライス決定部123は、移動端末200Bに設定されているスライスが、特定されたスライスよりも高い通信品質を保証する場合、移動端末200Bに設定されているスライスを、第1スライス及び第2スライスとして決定する。例えば、移動端末200Aから送信されたNSSAIによって、eMBBスライスの割当が要求されており、移動端末200BにeMBBスライスが設定されている場合、スライス決定部123は、NSSAIのSDによって指定されるeMBBスライスの通信性能と、移動端末200Bに設定されているeMBBスライスの通信性能とを比較する。スライス決定部123は、NSSAIによって指定されるeMBBスライスの通信性能の方が、移動端末200Bに設定されているeMBBスライスの通信性能よりも高い場合、NSSAIによって指定されるeMBBスライスを第1スライス及び第2スライスとして決定する。スライス決定部123は、移動端末200Bに設定されているeMBBスライスの通信性能の方が、NSSAIによって指定されるeMBBスライスの通信性能よりも高い場合、移動端末200Bに設定されているeMBBスライスを第1スライス及び第2スライスとして決定する。
【0048】
スライス決定部123は、移動端末200Aの要求通信品質と、移動端末200Bに設定されているスライスに対応する通信品質とを足し合わせた通信品質を満たすスライスを、第1スライス及び第2スライスとして決定してもよい。つまり、スライス決定部123は、NSSAIによって指定されるeMBBスライスの通信性能と、移動端末200Bに設定されているeMBBスライスの通信性能とを足し合わせ、得られた通信性能を満たすスライスを第1スライス及び第2スライスとして決定することができる。
【0049】
スライス決定部123は、移動端末200Aの要求通信品質を満たすスライスを特定し、特定されたスライスに設定された優先度と、移動端末200Bに設定されているスライスの優先度とを比較し、優先度が高いスライスを、第1スライス及び第2スライスとして決定することができる。例えば、URLLCスライスの優先度が「1」、eMBBスライスの優先度が「2」、mMTCスライスの優先度が「3」に設定されているとする。ここで、優先度の数字が小さいほど優先度が高いものとする。移動端末200Aから送信されたNSSAIによって要求されるスライスがURLLCスライスであり、移動端末200Bに設定されているスライスがeMBBスライスである場合、スライス決定部123は、第1スライス及び第2スライスとしてURLLCスライスを決定する。
【0050】
スライス決定部123は、スライスの決定結果をセッション管理部121,122に通知する。セッション管理部121は、移動端末200Bに、スライス決定部123によって決定されたスライスを割り当てる。セッション管理部122は、移動端末200Aに、スライス決定部123によって決定されたスライスを割り当てる。
【0051】
[1-5.通信システムのスライス割当処理]
次に、第1実施形態に係る通信システムのスライス割当処理について説明する。
図7は、第1実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【0052】
まず、移動端末200Bの起動時等に、移動端末200Bとコアネットワーク100とはセッション確立処理を実行する(ステップS101)。移動端末200Bのプロセッサ201は、NSSAIをコアネットワーク100へ送信し、スライスの割当を要求する(ステップS102)。コアネットワーク100は、受信されたNSSAIに基づいてスライスを選択し、選択されたスライスを移動端末200Bに割り当てる(ステップS103)。コアネットワーク100は、スライスの割当結果を移動端末200Bに送信する(ステップS104)。スライスの割当結果には、移動端末200Bに割り当てられたスライスの情報が含まれる。
【0053】
例えば、移動端末200Aとコアネットワーク100との通信に異常が発生し、移動端末200Aとコアネットワーク100とのセッションが切断された場合、移動端末200Aは移動端末200BとのSidelinkによる接続を試みる。移動端末200Aと移動端末200Bとはコネクション確立処理を実行する(ステップS105)。移動端末200A及び200Bの間でコネクションが確立すると、移動端末200Bのプロセッサ201はコネクション情報を取得し、取得されたコネクション情報をコアネットワーク100へ送信する(ステップS106)。
【0054】
コネクション情報には、コネクションが確立された移動端末200A,200Bの端末IDが含まれる。コアネットワーク100は、コネクション情報によって、Sidelinkのコネクションが確立された移動端末200A,200Bを特定する(ステップS107)。
【0055】
移動端末200Aと移動端末200Bとの間においてSidelinkによるコネクションが確立すると、移動端末200Aとコアネットワーク100とがセッション確立処理を実行する(ステップS108)。移動端末200Aのプロセッサ201は、NSSAIをコアネットワーク100へ送信し、スライスの割当を要求する(ステップS109)。
【0056】
コアネットワーク100は、移動端末200Aから送信されたNSSAIによって要求されるスライスに対応する通信品質と、移動端末200Bに設定されているスライスとに基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定する(ステップS110)。コアネットワーク100は、決定された第1スライスを移動端末200Aに設定し、決定された第2スライスを移動端末200Bに設定する。コアネットワーク100は、スライス決定結果を移動端末200Bへ通知し(ステップS111)、スライス決定結果を移動端末200Aへ通知する(ステップS112)。移動端末200Bに通知されたスライス決定結果には、移動端末200Bに設定された第2スライスの情報が含まれる。移動端末200Aに通知されたスライス決定結果には、移動端末200Aに設定された第1スライスの情報が含まれる。以上で、通信システム10によるスライス割当処理が終了する。
【0057】
[1-6.変形例]
図8は、第1実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の変形例を示すシーケンス図である。本変形例では、移動端末200Aと移動端末200Bとの間におけるSidelinkによるコネクションが確立した後に、移動端末200Aのスライス割当を行い、さらに移動端末200Aから送信された品質関連情報と移動端末200Bに割り当てられたスライスに基づいて、移動端末200A,200Bのスライスを変更する。
【0058】
移動端末200Bの起動時等において、移動端末200Bとコアネットワーク100とがセッションを確立し、コアネットワーク100は移動端末200Bへのスライス割当を行う(ステップS101~S104)。
【0059】
例えば、移動端末200Aとコアネットワーク100との通信に異常が発生し、移動端末200Aとコアネットワーク100とのセッションが切断された場合、移動端末200A及び200Bがコネクションを確立し(ステップS105)、移動端末200Bがコネクション情報をコアネットワーク100へ通知する(ステップS106)。
【0060】
移動端末200Aと移動端末200Bとの間においてSidelinkによるコネクションが確立すると、移動端末200Aとコアネットワーク100とがセッション確立処理を実行する(ステップS108)。移動端末200Aのプロセッサ201は、NSSAIをコアネットワーク100へ送信し、スライスの割当を要求する(ステップS109)。コアネットワーク100は、受信されたNSSAIに基づいてスライスを選択し、選択されたスライスを移動端末200Aに割り当てる(ステップS121)。コアネットワーク100は、スライスの割当結果を移動端末200Aに送信する(ステップS122)。スライスの割当結果には、移動端末200Aに割り当てられたスライスの情報が含まれる。
【0061】
移動端末200Aは、スライスが割り当てられた後に、品質関連情報であるNSSAIをコアネットワーク100へ再送する(ステップS123)。コアネットワーク100は、コネクション情報によって、Sidelinkのコネクションが確立された移動端末200A,200Bを特定する(ステップS107)。さらにコアネットワーク100は、移動端末200Aから送信されたNSSAIによって要求されるスライスに対応する通信品質と、移動端末200Bに設定されているスライスとに基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定する(ステップS110)。コアネットワーク100は、移動端末200Aのスライスを、決定された第1スライスへ変更し、移動端末200Bのスライスを、決定された第2スライスへ変更する。コアネットワーク100は、スライス決定結果を移動端末200Bへ通知し(ステップS111)、スライス決定結果を移動端末200Aへ通知する(ステップS112)。
【0062】
[2.第2実施形態]
第2実施形態では、通信端末300が中継装置として機能する。移動端末200Aは通信端末300とコネクションを確立し、通信端末300を中継してコアネットワーク100と通信する。コアネットワーク100は、移動端末200Aに設定される第1スライスと、通信端末300に設定される第2スライスとを決定する。
【0063】
[2-1.通信システムの機能]
図9は、第2実施形態に係る通信システムの機能の一例を示す機能ブロック図である。第2実施形態では、移動端末200Aは、コネクション管理部211、セッション管理部212、及び品質関連情報通知部213に加え、照合情報通知部214の機能を有する。通信端末300のプロセッサ301が中継プログラム309を実行することにより、通信端末300においてセッション管理部311、コネクション管理部312、及び特定情報通知部313の機能を実現する。コアネットワーク100は、セッション管理部122,124、及びスライス決定部123の機能を有する。
【0064】
コネクション管理部211,312は、移動端末200A及び通信端末300の間におけるコネクションの確立及び管理を行う。第2実施形態でのコネクションとは、有線LAN、無線LAN、Bluetooth等の3GPPによって規定されない通信方式(以下、「非3GPP準拠通信方式」という)による論理リンクを意味する。通信中継機能を提供する中継装置として機能する通信端末300のコネクション管理部312は、移動端末200Aとのコネクションが確立されると、コネクション確立先の移動端末200Aの特定に用いられる情報である特定情報を取得する。特定情報は、例えば、移動端末200Aの端末ID、移動端末200Aとの通信での通信端末300における受信強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)、移動端末200Aの位置情報等である。
【0065】
コネクション管理部312によって取得された特定情報は、特定情報通知部313に与えられる。特定情報通知部313は、特定情報をコアネットワーク100に通知する。
【0066】
セッション管理部122,212は、移動端末200A及びコアネットワーク100の間のコネクションの確立及び管理を行う。セッション管理部124,311は、通信端末300及びコアネットワーク100の間のコネクションの確立及び管理を行う。セッション管理部122,124は、移動端末200A及び通信端末300に対するスライスの割り当てを行う。
【0067】
照合情報通知部214は、特定情報の照合に用いられる照合情報をコアネットワーク100に通知する。例えば、特定情報が通信端末300のRSSIである場合、照合情報は、通信端末300との通信での移動端末200Aにおける受信強度を示すRSSIである。特定情報が、移動端末200Aの端末ID又は移動端末200Aの位置情報である場合、照合情報は必要とされない。
【0068】
スライス決定部123は、通信端末300から送信された特定情報に基づいて、通信端末300とコネクションが確立された移動端末200Aを特定する。特定情報が端末IDである例では、移動端末200Aがコアネットワーク100とのセッション切断後に通信端末300とのコネクションを確立した場合、スライス決定部123は、セッション切断前に移動端末200Aから通知された移動端末200Aの端末IDと、特定情報である端末IDとを照合する。セッション切断前に通知された移動端末200Aの端末IDと特定情報の端末IDとが一致する場合、スライス決定部123は、通信端末300のコネクション確立の相手を移動端末200Aに特定する。特定情報がRSSIである例では、スライス決定部123は、特定情報のRSSIと、照合情報のRSSIとを照合する。特定情報のRSSIと照合情報のRSSIとの差が一定の閾値以下である場合、スライス決定部123は、通信端末300のコネクション確立の相手を移動端末200Aに特定する。特定情報が位置情報である例では、移動端末200Aがコアネットワーク100とのセッション切断後に通信端末300とのコネクションを確立した場合、スライス決定部123は、セッション切断前に移動端末200Aから通知された移動端末200Aの位置情報と、特定情報である位置情報とを照合する。セッション切断前に通知された移動端末200Aの位置と特定情報によって示される位置とが一定の範囲内で近似する場合、スライス決定部123は、通信端末300のコネクション確立の相手を移動端末200Aに特定する。
【0069】
スライス決定部123は、移動端末200Aに設定されるスライス(第1スライス)と、中継装置として機能する通信端末300に設定されるスライス(第2スライス)とを決定する。第1スライス及び第2スライスの決定は、第1実施形態と同様である。
【0070】
スライス決定部123は、スライスの決定結果をセッション管理部122,124に通知する。セッション管理部124は、通信端末300に、スライス決定部123によって決定されたスライス(第2スライス)を割り当てる。セッション管理部122は、移動端末200Aに、スライス決定部123によって決定されたスライス(第1スライス)を割り当てる。
【0071】
[2-2.通信システムのスライス割当処理]
次に、第2実施形態に係る通信システムのスライス割当処理について説明する。
図10は、第2実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【0072】
通信端末300とコアネットワーク100とはセッション確立処理を実行する(ステップS201)。通信端末300のプロセッサ301は、NSSAIをコアネットワーク100へ送信し、スライスの割当を要求する(ステップS202)。コアネットワーク100は、受信されたNSSAIに基づいてスライスを選択し、選択されたスライスを通信端末300に割り当てる(ステップS203)。コアネットワーク100は、スライスの割当結果を通信端末300に送信する(ステップS204)。スライスの割当結果には、通信端末300に割り当てられたスライスの情報が含まれる。
【0073】
例えば、移動端末200Aとコアネットワーク100との通信に異常が発生し、移動端末200Aとコアネットワーク100とのセッションが切断された場合、移動端末200Aは通信端末300との非3GPP準拠方式による接続を試みる。移動端末200Aと通信端末300とはコネクション確立処理を実行する(ステップS205)。移動端末200A及び通信端末300の間でコネクションが確立すると、通信端末300のプロセッサ301は特定情報を取得し、取得された特定情報をコアネットワーク100へ送信する(ステップS206)。
【0074】
移動端末200Aと通信端末300との間において非3GPP準拠方式によるコネクションが確立すると、移動端末200Aとコアネットワーク100とがセッション確立処理を実行する(ステップS207)。移動端末200Aのプロセッサ201は、NSSAIをコアネットワーク100へ送信し、スライスの割当を要求する(ステップS208)。コアネットワーク100は、受信されたNSSAIに基づいてスライスを選択し、選択されたスライスを移動端末200Aに割り当てる(ステップS209)。コアネットワーク100は、スライスの割当結果を移動端末200Aに送信する(ステップS210)。スライスの割当結果には、移動端末200Aに割り当てられたスライスの情報が含まれる。
【0075】
特定情報がRSSIである場合、移動端末200Aは、通信端末300とのコネクション確立処理において取得されたRSSIを、照合情報としてコアネットワーク100へ通知する(ステップS211)。特定情報が端末ID又は位置情報である場合、ステップS211は省略される。コアネットワーク100は、ステップS206において受信された特定情報に基づいて、通信端末300のコネクション確立の相手を移動端末200Aに特定する(ステップS212)。
【0076】
移動端末200Aは、品質関連情報であるNSSAIをコアネットワーク100へ再送する(ステップS213)。コアネットワーク100は、移動端末200Aから送信されたNSSAIによって要求されるスライスに対応する通信品質と、通信端末300に設定されているスライスとに基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定する(ステップS214)。コアネットワーク100は、移動端末200Aのスライスを、決定された第1スライスへ変更し、通信端末300のスライスを、決定された第2スライスへ変更する。コアネットワーク100は、スライス決定結果を通信端末300へ通知し(ステップS215)、スライス決定結果を移動端末200Aへ通知する(ステップS216)。以上で、通信システム10によるスライス割当処理が終了する。
【0077】
なお、品質関連情報はNSSAIに限られない。品質関連情報は、スループット等の通信性能を示す情報であってもよいし、通信プロトコルを示す情報であってもよいし、アプリケーションIDであってもよい。
【0078】
[3.第3実施形態]
第3実施形態では、中継装置が、品質関連情報に基づいて第1スライス及び第2スライスの決定を実行する。
【0079】
[3-1.通信システムの機能]
図11は、第3実施形態に係る通信システムの機能の一例を示す機能ブロック図である。第3実施形態では、移動端末200Aは、コネクション管理部211、セッション管理部212、及び品質関連情報通知部213の機能を有する。移動端末200Bは、セッション管理部221、コネクション管理部222、及びスライス決定部230の機能を有する。コアネットワーク100は、セッション管理部121,122の機能を有する。
【0080】
コネクション管理部211,222は、移動端末200A及び200Bの間におけるSidelinkによるコネクションの確立及び管理を行う。
【0081】
セッション管理部122,212は、移動端末200A及びコアネットワーク100の間のコネクションの確立及び管理を行う。セッション管理部121,221は、移動端末200B及びコアネットワーク100の間のコネクションの確立及び管理を行う。セッション管理部121,122は、移動端末200A,200Bに対するスライスの割り当てを行う。
【0082】
品質関連情報通知部213は、品質関連情報を移動端末200Bへ通知する。品質関連情報は、NSSAIであってもよいし、スループット等の通信性能を示す情報であってもよいし、通信プロトコルを示す情報であってもよいし、アプリケーションIDであってもよい。
【0083】
スライス決定部230は、移動端末200Aに設定される第1スライスと、中継装置として機能する移動端末200Bに設定される第2スライスとを決定する。例えば、スライス決定部230は、移動端末200Aから送信された品質関連情報と、移動端末200Bに設定されているスライスとに基づいて、移動端末200Aに設定される第1スライスと、移動端末200Bに設定される第2スライスとを決定する。スライス決定部230は、第1スライス及び第2スライスを同一のスライスに決定してもよい。具体的な一例では、スライス決定部230は、品質関連情報に基づいて移動端末200Aに設定されると推定される第1スライスを決定し、例えば、推定された第1スライスが移動端末200Bに設定されているスライスに対応する通信品質を満たす場合、第2スライスを、推定された第1スライスと同じスライスに決定することができる。
【0084】
なお、スライス決定部230による第1スライス及び第2スライスの決定方法は、第1実施形態で説明されたスライス決定部123による第1スライス及び第2スライスの決定方法と同様であってもよい。
【0085】
スライス決定部230によるスライスの決定結果は、セッション管理部221に与えられる。セッション管理部221は、スライス決定部230によるスライスの決定結果に基づいて、スライスの変更要求をセッション管理部121へ送信する。セッション管理部121は、スライスの変更要求に応じて、移動端末200Bに設定されたスライスを変更する。
【0086】
[3-2.通信システムのスライス割当処理]
次に、第3実施形態に係る通信システムのスライス割当処理について説明する。
図12は、第3実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【0087】
移動端末200Bの起動時等において、移動端末200Bとコアネットワーク100とがセッションを確立し、コアネットワーク100は移動端末200Bへのスライス割当を行う(ステップS101~S104)。
【0088】
例えば、移動端末200Aとコアネットワーク100との通信に異常が発生し、移動端末200Aとコアネットワーク100とのセッションが切断された場合、移動端末200A及び200Bがコネクションを確立する(ステップS105)。コネクションが確立すると、移動端末200Aのプロセッサ201は品質関連情報を移動端末200Bへ通知する(ステップS301)。移動端末200Bのプロセッサ201は、受信された品質関連情報に基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定する(ステップS302)。移動端末200Bのプロセッサ201は、移動端末200Bに設定されているスライスを、決定された第2スライスに変更することをコアネットワーク100へ要求する(ステップS303)。スライス変更要求は、第2スライスを指定したNSSAIを送信することで行われる。コアネットワーク100は、移動端末200Bに設定されているスライスを第2スライスへ変更する(ステップS304)。コアネットワーク100は、スライスの変更結果を移動端末200Bに送信する(ステップS305)。スライスの変更結果には、移動端末200Bに新たに設定されたスライスの情報が含まれる。
【0089】
移動端末200Aとコアネットワーク100とがセッション確立処理を実行する(ステップS108)。移動端末200Aのプロセッサ201は、NSSAIをコアネットワーク100へ送信し、スライスの割当を要求する(ステップS109)。ここで要求されるスライスは、通常、第1スライスである。コアネットワーク100は、受信されたNSSAIに基づいてスライスを選択し、選択されたスライスを移動端末200Aに割り当てる(ステップS110)。コアネットワーク100は、スライスの割当結果を移動端末200Aに送信する(ステップS111)。スライスの割当結果には、移動端末200Aに割り当てられたスライスの情報が含まれる。以上で、通信システム10によるスライス割当処理が終了する。
【0090】
[4.第4実施形態]
第3実施形態では、中継装置が移動端末200Aの通信品質を検出し、検出された通信品質に基づいて第1スライス及び第2スライスの決定を実行する。
【0091】
[4-1.通信システムの機能]
図13は、第4実施形態に係る通信システムの機能の一例を示す機能ブロック図である。第4実施形態では、移動端末200Aは、コネクション管理部211及びセッション管理部212の機能を有する。移動端末200Bは、セッション管理部221、コネクション管理部222、中継部231、通信品質検出部232、及びスライス決定部233の機能を有する。コアネットワーク100は、セッション管理部121,122及び要求受信部130の機能を有する。
【0092】
コネクション管理部211,222は、移動端末200A及び200Bの間におけるSidelinkによるコネクションの確立及び管理を行う。
【0093】
セッション管理部122,212は、移動端末200A及びコアネットワーク100の間のコネクションの確立及び管理を行う。セッション管理部121,221は、移動端末200B及びコアネットワーク100の間のコネクションの確立及び管理を行う。セッション管理部121,122は、移動端末200A,200Bに対するスライスの割り当てを行う。
【0094】
中継部231は、移動端末200Aと5G移動通信ネットワークに接続された外部装置との間の通信を中継する。即ち、移動端末200A及び200Bの間でコネクションが確立し、且つ、移動端末200B及びコアネットワーク100の間でセッションが確立した状態で、中継部231は、移動端末200Aから送信されたデータを外部装置へ転送し、外部装置から送信されたデータを移動端末200Aへ転送する。
【0095】
通信品質検出部232は、中継部231によって中継されるデータの通信量を監視し、移動端末200Aの通信品質を検出する。検出される通信品質は、例えば実効スループットの移動平均値、ジッター値の移動平均値等である。
【0096】
スライス決定部233は、通信品質検出部232によって検出された通信品質と、移動端末200Bに設定されているスライスとに基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定する。スライス決定部233は、第1スライス及び第2スライスを同一のスライスに決定してもよい。具体的な一例では、スライス決定部233は、検出された通信品質に基づいて移動端末200Aに設定されると推定される第1スライスを決定し、例えば、推定された第1スライスが移動端末200Bに設定されているスライスに対応する通信品質を満たす場合、第2スライスを、推定された第1スライスと同じスライスに決定することができる。具体的には、実効スループットの移動平均値が閾値以上である場合、スライス決定部233は、推定される第1スライスをeMBBスライスに決定する。さらにスライス決定部233は、第2スライスを第1スライスと同じeMBBスライスに決定することができる。他の例では、ジッター値の移動平均値が閾値以下である場合、スライス決定部233は、推定される第1スライスをURLLCスライスに決定する。さらにスライス決定部233は、第2スライスを第1スライスと同じURLLCスライスに決定することができる。
【0097】
なお、スライス決定部233による第1スライス及び第2スライスの決定方法は、第1実施形態で説明されたスライス決定部123による第1スライス及び第2スライスの決定方法と同様であってもよい。
【0098】
スライス決定部233は、移動端末200Aに第1スライスを設定し、移動端末200Bに第2スライスを設定することを要求するスライス変更要求(NSSAI)をコアネットワーク100へ送信する。スライス変更要求は、要求受信部130に与えられる。要求受信部130は、受信されたスライス変更要求は、セッション管理部121,122に与えられる。セッション管理部121は、スライス変更要求にしたがい、移動端末200Bに割り当てられたスライスを、第2スライスに変更する。セッション管理部122は、スライス変更要求にしたがい、移動端末200Aに割り当てられたスライスを、第1スライスに変更する。
【0099】
[4-2.通信システムのスライス割当処理]
次に、第4実施形態に係る通信システムのスライス割当処理について説明する。
図14は、第4実施形態に係る通信システムのスライス割当処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【0100】
移動端末200Bの起動時等において、移動端末200Bとコアネットワーク100とがセッションを確立し、コアネットワーク100は移動端末200Bへのスライス割当を行う(ステップS101~S104)。
【0101】
例えば、移動端末200Aとコアネットワーク100との通信に異常が発生し、移動端末200Aとコアネットワーク100とのセッションが切断された場合、移動端末200A及び200Bがコネクションを確立する(ステップS105)。移動端末200Aと移動端末200Bとの間においてSidelinkによるコネクションが確立すると、移動端末200Aとコアネットワーク100とがセッション確立処理を実行する(ステップS108)。移動端末200Aのプロセッサ201は、NSSAIをコアネットワーク100へ送信し、スライスの割当を要求する(ステップS109)。コアネットワーク100は、受信されたNSSAIに基づいてスライスを選択し、選択されたスライスを移動端末200Aに割り当てる(ステップS110)。コアネットワーク100は、スライスの割当結果を移動端末200Aに送信する(ステップS112)。スライスの割当結果には、移動端末200Aに割り当てられたスライスの情報が含まれる。
【0102】
移動端末200A及び200Bの間でコネクションが確立し、且つ、移動端末200A及びコアネットワーク100の間でセッションが確立した場合、移動端末200Bは、移動端末200Aと、5G移動通信ネットワークに接続された外部装置との間での通信を中継する中継処理を実行する(ステップS401)。
【0103】
移動端末200Bのプロセッサ201は、中継されるデータの通信量を監視し、移動端末200Aの通信品質を検出する(ステップS402)。プロセッサ201は、検出された通信品質と、移動端末200Bに設定されているスライスとに基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定する(ステップS403)。移動端末200Bのプロセッサ201は、移動端末200Aに設定された第1スライスに変更すること、及び、移動端末200Bに設定されているスライスを、決定された第2スライスに変更することをコアネットワーク100へ要求する(ステップS404)。スライス変更要求は、第1スライスを指定したNSSAI及び第2スライスを指定したNSSAIを送信することで行われる。コアネットワーク100は、移動端末200Aに設定されているスライスを第1スライスへ変更し、移動端末200Bに設定されているスライスを第2スライスへ変更する(ステップS405)。コアネットワーク100は、スライスの変更結果を移動端末200B及び200Aに送信する(ステップS405,S406)。移動端末200Bへ送信されたスライスの変更結果には、移動端末200Bに新たに設定されたスライスの情報が含まれる。移動端末200Aへ送信されたスライスの変更結果には、移動端末200Aに新たに設定されたスライスの情報が含まれる。以上で、通信システム10によるスライス割当処理が終了する。
【0104】
[5.効果]
実施形態に係る通信システム10は、移動端末200Aと、移動端末200B(通信端末300)(中継装置)と、スライス決定部123,230,233とを含む。移動端末200B(通信端末300)は、コアネットワーク100と通信することが可能である。スライス決定部123,230,233は、移動端末200Aに設定される第1スライス、及び、中継装置に設定される第2スライスを決定する。スライス決定部123,230,233は、移動端末200Aが中継装置を中継してコアネットワーク100と通信する場合に、移動端末200Aの要求通信品質と、中継装置に設定されているスライスとに基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定する。これにより、移動端末200Aが中継装置を中継してコアネットワーク100と通信する場合に、移動端末200Aの要求通信品質と、中継装置に設定されているスライスとに応じた第1スライス及び第2スライスを決定することができる。したがって、移動端末200Aと中継装置との間でのスライスの不整合の発生を抑制することができる。
【0105】
移動端末200Aは、中継装置を中継してコアネットワーク100と通信する場合に、要求通信品質に関する品質関連情報を送信してもよい。スライス決定部123,230,233は、移動端末200Aから送信された品質関連情報と、中継装置に設定されているスライスとに基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定してもよい。これにより、品質関連情報によって移動端末200Aの要求通信品質をスライス決定部123,230,233に通知することができる。
【0106】
品質関連情報は、移動端末200Aが要求する通信性能、移動端末200Aが要求するスライス、移動端末200Aが使用する通信プロトコル、及び移動端末200Aにおいて実行されるアプリケーションプログラムのうちの少なくとも1つを示す情報であってもよい。品質関連情報が、移動端末200Aが要求する通信性能を示す情報である場合、スライス決定部123,230,233に移動端末200Aが要求する通信性能を通知することができる。品質関連情報が、移動端末200Aが要求するスライスを示す情報である場合、スライス決定部123,230,233に移動端末200Aが要求するスライスを通知することができる。品質関連情報が、移動端末200Aが使用する通信プロトコルを示す情報である場合、スライス決定部123,230,233に移動端末200Aが使用する通信プロトコルを通知することができる。スライス決定部123,230,233は通信プロトコルに必要となる通信品質を特定することができる。品質関連情報が、移動端末200Aにおいて実行されるアプリケーションプログラムを示す情報である場合、スライス決定部123,230,233に移動端末200Aにおいて実行されるアプリケーションプログラムを通知することができる。スライス決定部123,230,233はアプリケーションプログラムの実行に必要となる通信品質を特定することができる。
【0107】
中継装置は、中継装置によって中継される移動端末200Aの通信を監視することにより、移動端末200Aの通信品質を検出する通信品質検出部232を含んでもよい。スライス決定部123,230,233は、通信品質検出部232によって検出された通信品質と、中継装置に設定されているスライスとに基づいて、第1スライス及び第2スライスを決定してもよい。これにより、検出された移動端末200Aの通信品質と、中継装置に設定されているスライスとに基づいて、適切な第1スライス及び第2スライスを決定することができる。
【0108】
スライス決定部123,230,233は、第1スライスと、第2スライスとを同一のスライスに決定してもよい。これにより、第1スライスと第2スライスとの不整合の発生を抑制することができる。
【0109】
スライス決定部123,230,233は、移動端末200Aの要求通信品質と、中継装置に設定されているスライスに対応する通信品質との両方を満たすスライスを、第1スライス及び第2スライスとして決定してもよい。これにより、移動端末200Aと中継装置の両方に要求される通信品質を満たすスライスを決定することができる。
【0110】
スライス決定部123,230,233は、移動端末200Aの要求通信品質を満たすスライスを特定し、特定されたスライスに対応する通信品質と、中継装置に設定されているスライスに対応する通信品質との比較結果に基づいて、特定されたスライス又は中継装置に設定されているスライスを、第1スライス及び第2スライスとして決定してもよい。これにより、移動端末200Aと中継装置の両方に要求される通信品質を満たすスライスを決定することができる。
【0111】
スライス決定部123,230,233は、移動端末200Aの要求通信品質と、中継装置に設定されているスライスに対応する通信品質とを足し合わせた通信品質を満たすスライスを、第1スライス及び第2スライスとして決定してもよい。これにより、移動端末200Aと中継装置とが同時に通信した場合でも、移動端末200Aと中継装置とによって要求される通信品質を満たすスライスを決定することができる。
【0112】
スライス決定部123,230,233は、移動端末200Aの要求通信品質を満たすスライスを特定し、特定されたスライスに設定された優先度と、中継装置に設定されているスライスの優先度とを比較し、優先度が高いスライスを、第1スライス及び第2スライスとして決定してもよい。これにより、スライスに設定された優先度にしたがって適切に第1スライス及び第2スライスを決定することができる。
【0113】
中継装置は、スライス決定部230,233を含んでもよい。これにより、中継装置によって第1スライス及び第2スライスを決定することができる。
【0114】
コアネットワーク100は、スライス決定部123を含んでもよい。これにより、コアネットワークによって第1スライス及び第2スライスを決定することができる。
【0115】
[6.補記]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的ではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及びその範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0116】
10 通信システム
100 コアネットワーク
101 UDM(Unified Data Management)
102 NSSF(Network Slice Selection Function)
103 NRF(Network Repository Function)
104 AMF(Access and Mobility Management Function)
105 N3IWF(Non-3GPP InterWorking Function)
110 RAN(Radio Access Network)
111 RNC(RANコントローラ)
112 無線基地局
121,122,124,212,221,311 セッション管理部
123,230,233 スライス決定部
130 要求受信部
200,200A,200B 移動端末
201,301 プロセッサ
202,302 不揮発性メモリ
203,303 揮発性メモリ
204,304 入力装置
205,305 表示装置
206,306 第1通信インタフェース(第1通信I/F)
207,307 第2通信インタフェース(第2通信I/F)
208 UE(User Equipment)プログラム
209,309 中継プログラム
211,222,312 コネクション管理部
212 セッション管理部
213 品質関連情報通知部
214 照合情報通知部
221 セッション管理部
223 コネクション情報通知部
231 中継部
232 通信品質検出部
300 通信端末
308 通信プログラム
311 セッション管理部
312 コネクション管理部
313 特定情報通知部
400 インターネット