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特開2022-191711プレー履歴表示システム及びプレー履歴表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191711
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】プレー履歴表示システム及びプレー履歴表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20221221BHJP
   G16Y 10/65 20200101ALI20221221BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20221221BHJP
【FI】
A63B71/06 F
G16Y10/65
G16Y20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100102
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】395023118
【氏名又は名称】株式会社テクノクラフト
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栂坂 昌業
(57)【要約】
【課題】過去のプレー履歴と現在プレー中のプレー履歴を同時に表示するプレー履歴表示システム及びプレー履歴表示プログラムを提供する。
【解決手段】ゴルフプレーヤーが所持する携帯端末と、携帯端末と通信が可能なクラウドサーバーと、により構成され、携帯端末は、ゴルフのプレー履歴情報を入力する操作部12と、プレー履歴情報を各ショットごとのショットステータスとして表示する表示部11と、を有し、クラウドサーバーは、プレー履歴情報を記憶する記憶部を有し、携帯端末の操作入力により、複数のプレー履歴情報を複数のショットステータスとして表示部11に同時に表示させる。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフプレーヤーが所持する携帯端末と、
前記携帯端末と通信が可能な情報処理装置と、により構成され、
前記携帯端末は、ゴルフのプレー履歴情報を入力する入力手段と、前記プレー履歴情報を各ショットのショットステータスとして表示する表示手段と、を有し、
前記情報処理装置は、前記プレー履歴情報を記憶する記憶手段を有し、
前記携帯端末の操作入力により、複数の前記プレー履歴情報を複数の前記ショットステータスとして前記表示手段に同時に表示可能であることを特徴とするプレー履歴表示システム。
【請求項2】
前記複数のプレー履歴情報が、過去のプレー履歴情報と、現在プレー中のプレー履歴情報であることを特徴とする請求項1に記載のプレー履歴表示システム。
【請求項3】
前記ショットステータスが、ショットの位置、使用ゴルフクラブの種類、ボールの軌道、前記ボールの飛距離、又は、前記ボールの着地点の状況の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレー履歴表示システム。
【請求項4】
前記ショットステータスを1打ごとに分割して表示可能であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のプレー履歴表示システム。
【請求項5】
複数の前記過去のプレー履歴情報を複数の前記ショットステータスとして表示可能であることを特徴とする請求項2に記載のプレー履歴表示システム。
【請求項6】
ゴルフプレーヤーが所持する携帯端末からの入力信号を受けてゴルフのプレー履歴情報を情報処理装置の記憶手段に記憶させる機能と、
前記携帯端末からの入力信号を受けて過去の前記プレー履歴情報と現在プレー中の前記プレー履歴情報を前記記憶手段から読み出して前記携帯端末に送信する機能と、
前記プレー履歴情報をショットステータスとして前記携帯端末の表示手段に表示させる機能と、を実現させることを特徴とするプレー履歴表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフの過去のプレー履歴とプレー中のプレー履歴を携帯端末等に表示し、過去のプレー履歴とプレー中のプレー履歴を比較しながらゴルフをプレー可能なプレー履歴表示システム及びプレー履歴表示プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフをプレー中のプレーヤーが、自身で保有する端末装置により、ホール毎にスコアを入力することで、インターネットなどの通信手段により相互に接続されるサーバーにプレー結果がリアルタイムで記憶登録され、当該プレー結果が端末装置にリーダーズ・ボードとして表示されるゴルフコンペ支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のゴルフコンペ支援システムによれば、プレーヤーは、他のプレーヤーのプレー結果を自身のプレー結果と比較しながらゴルフをプレーすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-047377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のゴルフコンペ支援システムが端末装置に表示するプレー結果は、各プレーヤーのスコアを表示するリーダーズ・ボードであり、各プレーヤーのショットの軌道や飛距離、各ショットで使用したゴルフクラブの番手の情報、ボールの着地点の状況等(ショットステータス情報)を表示するものではなかった。
【0006】
また、同じゴルフ場の同じホールでプレーした過去のショットステータス情報と、現在プレー中のショットステータス情報を端末装置に同時に表示することで、過去のショットステータス情報と現在プレー中のショットステータス情報を比較しながらゴルフをプレーするものではなかった。
【0007】
そこで、本発明は以上の問題点を解決し、過去のプレー履歴と現在プレー中のプレー履歴を同時に表示するプレー履歴表示システム及びプレー履歴表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るプレー履歴表示システムは、ゴルフプレーヤーが所持する携帯端末と、前記携帯端末と通信が可能な情報処理装置と、により構成され、前記携帯端末は、ゴルフのプレー履歴情報を入力する入力手段と、前記プレー履歴情報を各ショットのショットステータスとして表示する表示手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記プレー履歴情報を記憶する記憶手段を有し、前記携帯端末の操作入力により、複数の前記プレー履歴情報を複数の前記ショットステータスとして前記表示手段に同時に表示可能であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプレー履歴表示システムは、前記複数のプレー履歴情報が、過去のプレー履歴情報と、現在プレー中のプレー履歴情報である場合がある。
【0010】
また、本発明に係るプレー履歴表示システムは、前記ショットステータスが、ショットの位置、使用ゴルフクラブの種類、ボールの軌道、前記ボールの飛距離、又は、前記ボールの着地点の状況の少なくとも1つである場合がある。
【0011】
また、本発明に係るプレー履歴表示プログラムは、前記ショットステータスを1打ごとに分割して表示可能である場合がある。
【0012】
また、本発明に係るプレー履歴表示プログラムは、ゴルフプレーヤーが所持する携帯端末からの入力信号を受けてゴルフのプレー履歴情報を情報処理装置の記憶手段に記憶させる機能と、前記携帯端末からの入力信号を受けて過去の前記プレー履歴情報と現在プレー中の前記プレー履歴情報を前記記憶手段から読み出して前記携帯端末に送信する機能と、前記プレー履歴情報をショットステータスとして前記携帯端末の表示手段に表示させる機能と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るプレー履歴表示システム及びプレー履歴表示プログラムによれば、過去のプレー履歴と現在プレー中のプレー履歴を比較しながらプレーをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態となるプレー履歴表示システムの概要を示す説明図である。
図2】同、携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
図3】同、クラウドサーバーの電気的構成を示すブロック図である。
図4】同、ゴルフ場のホールのレイアウト図を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図5】同、支援情報表示窓部を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図6】同、使用ゴルフクラブを選択した状態の支援情報表示窓部を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図7】同、状態入力窓部を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図8】同、グリーンのセンターから40ヤード以内での状態入力窓部を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図9】同、ショットステータスを選択した状態の状態入力窓部を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図10】同、過去のプレー履歴のプレー軌跡を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図11】同、計測ボタンが表示されたレイアウト図を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図12】同、過去のプレー履歴の第1打のプレー軌跡を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図13】同、現在プレー中のプレー履歴の第1打のプレー軌跡と過去のプレー履歴の第1打および第2打のプレー軌跡を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
図14】同、3つの過去のプレー履歴のプレー軌跡を表示した携帯端末の表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0016】
図1は、本実施形態のプレー履歴表示システム200に関するシステム構成の概要を図で示している。同図において、プレー履歴表示システム200は、ゴルフ場でプレーヤーPが実際のラウンド中に所持する端末装置としての携帯端末1と、携帯端末1との間に通信手段2を経由して各種データのやり取りを可能にする情報処理装置としてのクラウドサーバー3と、を主な構成要素とする。
【0017】
図2は、携帯端末1の電気的構成を示している。同図において、携帯端末1は、表示部11や操作部12の他に、制御手段13と、GPS受信部14と、送受信部15と、記憶部16と、を備えている。
【0018】
表示手段としての表示部11は、携帯端末1の本体正面に露出して設けられる液晶モジュールや液晶パネルにより構成され、これらの液晶モジュールや液晶パネルは周知のように、多数のサブ画素を格子状に配列したドットマトリクスによる表示を行なうものである。
【0019】
入力手段としての操作部12は、プレーヤーPによる操作を受けて、電気的な操作信号を制御手段13に送出するものである。本実施形態の携帯端末1では、表示部11がタッチパネルとなっており、表示部11の表面部がタッチ(タップ)操作可能な操作部12として機能する。
【0020】
制御手段13は、CPUを含んで構成され、記憶部16に記憶されたプログラム17に基づいて携帯端末1の全体を制御する。このCPUがプログラム17にしたがって演算処理を実行することにより、携帯端末1の各機能が実現される。プログラム17には、クラウドサーバー3と連携して、プレーヤーPの携帯端末1に向けて、プレー履歴情報を必要に応じて提供し、携帯端末1の表示部11にプレー軌跡として表示させるプレー履歴表示プログラムが含まれる。
【0021】
GPS受信部14は、携帯端末1の現在位置を取得する位置計測手段を構成し、複数の人工衛星4からの電波を無線で受信することで、携帯端末1の三次元位置(経度、緯度及び高度)を計測し、その位置情報を制御手段13に送出するものである。なお、携帯端末1の現在位置を検出できるものであれば、GPS受信部14以外の位置検出装置を利用してもよい。
【0022】
送受信部15は、ネットワークによる通信手段2を介して、例えばインターネット上に設置されるクラウドサーバー3と携帯端末1との双方向通信を可能にするものである。そのため携帯端末1は、クラウドサーバー3と各種情報を含むデータを送受信することができる。
【0023】
記憶部16は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの各種記憶装置を用いて構成され、GPS受信部14が受信した携帯端末1の位置情報等の各種情報を書き込み及び読み出し可能となっている。また、記憶部16には、携帯端末1の表示部11に表示可能な二次元平面的なレイアウト図18A図4参照)のデータを含む地図情報18が記憶保持される。
【0024】
制御手段13は、前述のプログラム17を記録媒体となる記憶部16から読み取ることで、プレー記録情報生成部19と、表示制御部20として機能する。こうした制御手段13の各機能が、クラウドサーバー3に組み込まれた制御手段31(図3参照)の各機能と連携して、本実施形態のプレー履歴表示システム200を構成する。
【0025】
プレー記録情報生成部19は、操作部12からの操作入力を受けて、プレーヤーPにおける一つのプレー、すなわち一つのショットごとのプレー結果となるプレー記録情報を生成し、このプレー記録情報を送受信部15からクラウドサーバー3にアップロードさせる機能を有する。プレー記録情報生成部19によりプレーヤーPの各ショットごとに記録されるプレー記録情報には、例えば飛距離算出部20で算出される実際の飛距離(キャリー+ラン)や、各ホールにおけるボール6(図1参照)の最終的な到達地点となるピンまでの残距離や、プレーヤーPの使用したゴルフクラブ5(図1参照)の種類(番手情報)や、GPS受信部14により測位されたボール6の開始地点と到達地点(着地点)の高低差を含む位置情報や、ボール6の着地点の状況を示すショットステータス情報などが、プレーを行なったプレー日時と共に含まれる。
【0026】
プレー記録情報生成部19は、ショット後におけるボール6の着地点の位置情報と、予め記憶部16に記憶されるピンの位置情報とをそれぞれ読み出し、ボール6の着地点からピンの位置までの直線距離を、プレー記録情報に含まれる残距離として算出する。また、プレーヤーPの使用したゴルフクラブ5の種類や、ボール6の着地点の状況を示すショットステータス情報は、プレーヤーPによる操作部12への操作入力を受けてプレー記録情報生成部19が決定する。
【0027】
ショットステータス情報は、具体的には、ボール6の着地点における区域(例えば、フェアウェイ、ラフ、林、バンカー、池・ハザード、OB(アウトオブバウンズ)等)と、その区域のセンター(中央)からの左右方向のずれを、プレーヤーPが操作部12への操作入力により判定したもので、プレー記録情報生成部19によりその判定結果は、ショットごとにボール6の飛んだ飛距離や、ピンまでの残距離や、使用クラブ情報や、ボール6の位置情報と紐付けされ、これらがプレー記録情報としてクラウドサーバー3に送出され、記憶手段としての記憶部32(図3参照)に記憶されると共に、記憶部16にも記憶される。
【0028】
表示制御部20は、表示部11の表示形態を制御する機能を有すると共に、プレー記録情報生成部19と連携して、プレーヤーPが表示部11上の操作部12へのタッチ操作で必要な入力が行われるように、表示部11の表示形態を制御するGUI(Graphical User Interface)としての機能を有する。
【0029】
図3は、クラウドサーバー3の電気的構成を示している。同図において、クラウドサーバー3は、制御手段31と記憶部32とを主な構成要素として備えている。制御手段31はCPUを含んで構成され、一乃至複数のアクセスされた携帯端末1と通信手段2により双方向の通信が可能であると共に、記憶部32に記憶されたプログラム33に基づいて、クラウドサーバー3の全体を制御する。プログラム33には、携帯端末1と連携したプレー記録情報提供プログラムが含まれる。このプレー記録情報提供プログラムを記録媒体となる記憶部32から読み取ることで、制御手段31は、プレー状況取得部34と、プレー履歴配信部35と、として機能する。こうした制御手段31の各機能が、携帯端末1に組み込まれた制御手段13の各機能と連携して、本実施形態のプレー履歴表示システム200を構成する。
【0030】
記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの各種記憶装置を用いて構成され、予め国土地理院の発行するゴルフ場Xに対応した基盤地図情報36が記憶保存される。その他に記憶部32には、各携帯端末1から取得したプレーヤーPの全てのプレー記録情報の履歴となる全プレー履歴情報37が記憶保存される。
【0031】
プレー状況取得部34は、プレーヤーPによる携帯端末1の操作部12からの操作入力により、プレー記録情報生成部19で生成した一つのプレーごとのプレー結果となるプレー記録情報が、携帯端末1からクラウドサーバー3に送出されると、そのプレー記録情報を取得して記憶部32に記憶保存させるものである。記憶部32には、クラウドサーバー3と通信が可能な携帯端末1のプレー記録情報生成部19で生成された過去の全てのプレー記録情報が、全プレー履歴情報37として一元的に記憶登録される。
【0032】
プレー履歴配信部35は、記憶部32に記憶される全プレー履歴情報37の中から、特定されたプレー記録情報を選択して読み出し、そのプレー記録情報を特定されたプレーヤーPの携帯端末1に配信可能にするものである。
【0033】
次に、上記構成におけるプレーデータ提供システム200を利用した一連の動作手順を詳しく説明する。
【0034】
プレー履歴表示システム200を動作させるには、事前に過去のプレー記録情報が必要となる。そのため、プレーヤーPは、ゴルフ場Xでゴルフをプレーする際に自身のプレー記録情報を蓄積する必要がある。プレー記録情報の蓄積方法は以下のとおりである。
【0035】
まず、専用アプリケーション(アプリ)を起動させ、携帯端末1の表示部11に表示された「PLAY」ボタン(図示せず)をタップ操作すると、GPS受信部14が携帯端末1の現在位置を取得し、その位置情報に該当するゴルフ場Xのホールのレイアウト図18Aが記憶部16から読み出されて表示部11に表示される。図4に示すように、このときレイアウト図18A上には、GPS受信部14で測位された携帯端末1ひいてはプレーヤーP自身の現在位置を示す計測ボタン41が表示される。この計測ボタン41をタップ操作すると、図5に示すようなコース画面42に切り替わる。表示制御部20により表示部11に表示されるコース画面42は、レイアウト図18Aに重ね合わせて、番手ボタン43、戻るボタン44、進むボタン45等を設けた支援情報表示窓部46がその下側に配置され、その他に残距離表記部47が配置される。
【0036】
戻るボタン44と進むボタン45は、番手ボタン43に表示されるゴルフクラブ5の番手を、推奨する番手以外の別なものに切り替えるためのものである。表示制御部20は、戻るボタン44や進むボタン45の上で、操作部12がタッチ操作されるたびに、それまで表示部11に表示されていた番手ボタン43の番手を別なものに切り替えさせる。
【0037】
プレーヤーPは、ゴルフ場Xの各ホールでショットを行なう前に、携帯端末1の表示部11に表示されるコース画面42を参照して、実際に使用するゴルフクラブ5を決定する。ここで、最初にコース画面42で番手ボタン43に表示される推奨する番手と同じ番手のゴルフクラブ5を使用する場合は、そのまま番手ボタン43上で操作部12をタッチ操作し、その位置でショットを行なう。一方、別な番手のゴルフクラブ5を使用する場合は、戻るボタン44や進むボタン45上で操作部12をタッチ操作して、番手ボタン43に使用するゴルフクラブ5と同じ番手を表示させた後に、番手ボタン43上で操作部12をタッチ操作し、その位置でショットを行なう。いずれの場合もプレー記録情報生成部19は、プレーヤーPが番手ボタン43上で操作部12をタッチ操作すると、GPS受信部14で測位されたショット開始地点の位置情報と、番手ボタン43に表示されるプレーヤーPが使用するゴルフクラブ5の番手を、ショット開始時のプレー記録情報として記憶部16に記憶保存する。図6に示すように、プレーヤーPが番手ボタン43上で操作部12をタッチ操作すると、番手ボタン43がゴルフボールを模したプレーヤー位置ボタン48に切り替わる。
【0038】
ショット後、プレーヤーPがボール6の着地点まで移動し、プレーヤーPがプレーヤー位置ボタン48上で操作部12をタップ操作すると、プレー記録情報生成部19はその地点がボール6の着地点であると判断し、GPS受信部14により測位されたボール6の着地点の位置情報と、ショット開始地点からボール6の着地点までの飛距離と、プレー記録情報生成部19で算出されるボール6の着地点から設定地点である例えばピンまでの残距離を、ボール着地点のプレー記録情報として記憶部16に記憶保存する。また図7に示すように、プレー記録情報生成部19は表示制御部20と連携して、前述したショットステータス情報の操作入力を可能にする状態入力窓部49を、コース画面42上で表示部11に表示させる。
【0039】
状態入力窓部49には、プレーヤーPが使用したゴルフクラブ5の番手を示す使用クラブ表記部50と、ショット開始地点からボール6の着地点までの飛距離を示すGPS飛距離表記部51と、ショットステータス表記部52が配置される。ショットステータス表記部52には、ボール6の着地点の区域とその区域のセンター(中央)からの左右方向のずれを選択する複数のステータス選択ボタン53と、1つ前の画面に切り替える戻るボタン54と、次の画面に切り替える次へボタン55と、がそれぞれ配置される。ステータス選択ボタン53は、図7に示す、フェアウェイ、ラフ、林、バンカー、池・ハザード、OB以外にも、例えば、カラー、グリーン手前、グリーン中央、グリーン手前等がある。選択項目の数が多いため、表示部11に同時に表示されないが、次へボタン55をタップ操作することで、残りの項目を表示させることができる。なお、ボール6の着地点がグリーンGのセンターから40ヤード以内であって、その位置でショットステータスを入力操作する画面は、図8に示すように、ステータス選択ボタン53がグリーンオン、グリーン周辺、バンカー、池・ハザードとなる。
【0040】
ユーザが操作部12をタップ操作してショットステータスを選択すると、図9に示すように、ステータス選択ボタン53の表示が消え、選択したショットステータスが文字で表示される(本実施例では、「フェアウェイ/中央」)。また、ショットライン表記部56が表示される。ショットライン表記部56には、プレーヤーPのショットしたボール6の軌道を選択する複数のライン選択ボタン57と、1つ前の画面に切り替える戻るボタン58と、次の画面に切り替える次へボタン59と、がそれぞれ配置される。
【0041】
ユーザが操作部12をタップ操作してショットラインを選択すると、プレー記録情報生成部19は、ショットステータスとショットラインをプレー記録情報として記憶部16に記憶保存する。「ショットステータス」と「ショットライン」を合わせて「ショットステータス情報」という。また、単に「ショットステータス」と記載した場合に「ショットライン」を含む場合がある。こうした一連の手順で、記憶部16に記録されたショット開始地点からボール6の着地点までの飛距離と、ボール6の着地点からピンまでの残距離と、使用するゴルフクラブ5と、GPS受信部14で測位されたショット開始地点の位置情報およびボール6の着地点の位置情報と、ショットステータス情報がプレー記録情報生成部19から読み出されて、これらがプレーヤーPの1打目のプレー記録情報としてクラウドサーバー3へアップロードされる。その後、2打目以降についても同様の手順で記憶部16にプレー記録情報が記録されるたびに、プレー記録情報生成部19からクラウドサーバー3へプレーヤーPの各打ごとのプレー記録情報がアップロードされる。これにより、プレーヤーPの過去のプレー記録情報が携帯端末1とクラウドサーバー3に蓄積される。クラウドサーバー3には、他のプレーヤーの過去のプレー記録情報も蓄積される。
【0042】
クラウドサーバー3側では、プレーヤーPの一つのプレーとなる1打ごとのプレー結果が、プレー記録情報として携帯端末1からプレー状況取得部34に取り込まれると、そのプレー記録情報がプレー状況取得部34によりクラウドサーバー3の記憶部32に記憶保持される。プレー状況取得部34は、同一のプレーヤーPのプレー記録情報だけでなく、クラウドサーバー3にアクセス可能な全ての携帯端末1を対象として、その携帯端末1を所持する全てのプレーヤーPのプレー記録情報を、全プレー履歴情報37として記憶部32に蓄積記憶できる。
【0043】
次に、携帯端末1を利用したプレー履歴表示システム200の使用方法について説明する。まず、専用アプリケーション(アプリ)を起動させ、携帯端末1の表示部11に表示された「PLAY」ボタン(図示せず)をタップ操作すると、GPS受信部14が携帯端末1の現在位置を取得し、その位置情報に該当するゴルフ場Xのホールのプレー記録情報が、クラウドサーバー3の記憶部32から携帯端末1にダウンロードされ、表示部11にプレー履歴選択画面(図示せず)として表示される。このプレー記録情報は、プレーヤーP自身の過去のプレー記録情報に限らず、プロゴルファーを含む他のプレーヤーの過去のプレー記録情報である。プレーヤーPは、操作部12をタップ操作し、表示部11に過去のプレー履歴として表示させるプレー記録情報を選択する。
【0044】
プレーヤーPが所望のプレー記録情報を選択すると、図10に示すように、選択したプレー記録情報のホールのレイアウト図18Aが携帯端末1の表示部11に表示される。このときレイアウト図18A上には、プレーヤーPが選択した過去のプレー履歴であるプレー軌跡K1が表示される。プレー軌跡K1は、第1打をショットした位置と使用したゴルフクラブ5の番手を示すボールアイコンB1と、第1打のボール6の軌道を示す軌道線L1と、第2打をショットした位置と使用したゴルフクラブ5の番手を示すボールアイコンB2と、第2打のボール6の軌道を示す軌道線L2と、第2打のボール6の着地点を示す白抜き丸アイコンB3と、を有する。また、ボールアイコンB1の近傍には、第1打をショットする前のグリーンGまでの残距離(「残:459Y」)と、第1打のボール6の飛距離(「287Y」)が表示される。また、ボールアイコンB2の近傍には、第1打の着地点がフェアウェイであることを示す表示(「FW」)と、第2打をショットする前のグリーンGまでの残距離(「残:172Y」)と、第2打のボール6の飛距離(「114Y」)が表示される。また、プレーヤーP自身の現在位置を示す計測ボタン41も表示される。プレーヤーPは、プレー軌跡K1を確認することで、リスク回避等のホール戦略を立てることができる。
【0045】
プレーヤーPがティーイングエリアで第1打のショット前に、計測ボタン41をタップ操作すると、図5に示す支援情報表示窓部46が表示されたコース画面42に切り替わる。プレーヤーPが番手ボタン43をタップ操作し、使用するゴルフクラブ5の番手を決定すると、図11に示すように、計測ボタン41が表示されたレイアウト図18Aが表示される。プレーヤーPが計測ボタン41をタップ操作すると、GPS受信部14で測位されたショット開始地点の位置情報が決定され、図12に示すように、計測ボタン41がプレーヤー位置ボタン48に切り替わる。プレーヤー位置ボタン48には、選択したゴルフクラブ5の番手(「1W」)と、計測ボタン41をタップ操作した位置から現在の携帯端末1までの距離がヤード表示される。また、選択した過去のプレー履歴のプレー軌跡K1のうち、第1打のボールアイコンB1とボール6の軌道を示す軌道線L1と、第1打のボール6の着地点を示す白抜き丸アイコンB4が表示される。そのため、プレーヤーPは第1打をショットする前に、選択した過去のプレー履歴のプレー軌跡K1のうち、第1打部分のみを確認することができる。
【0046】
プレーヤーPが第1打をショットし、ボール6の着地点まで移動し、プレーヤー位置ボタン48をタップ操作すると、図7に示すような状態入力窓部49が表示される。上述のように、プレーヤーPがショットステータス情報を選択入力して第1打目を確定させると、図13に示すように、プレー中のプレー履歴であるプレー軌跡K2が表示される。この時点でのプレー軌跡K2は、第1打をショットした位置と使用したゴルフクラブ5の番手を示すボールアイコンB5と、第1打のボール6の軌道を示す軌道線L5と、第1打のボール6の着地点を示す白抜き丸アイコンB6である。また、ボールアイコンB5の近傍には、第1打をショットする前のグリーンGまでの残距離(「残:399Y」)が表示される。そのため、プレーヤーPは、選択した過去のプレー履歴と現在プレー中のプレー履歴を比較することができる。
【0047】
第1打目が確定されると、プレーヤー位置ボタン48が計測ボタン41に切り替わり、プレーヤーPが計測ボタン41上で操作部12をタップ操作すると、図5に示す支援情報表示窓部46が表示されたコース画面42に切り替わる。プレーヤーPが番手ボタン43をタップ操作して使用するゴルフクラブ5を選択すると、計測ボタン41がプレーヤー位置ボタン48に切り替わると共に、プレー軌跡K1のボールアイコンB2と、軌道線L2と、白抜き丸アイコンB3と、第1打の着地点のショットステータスの表示(「FW」)と、第2打をショットする前のグリーンGまでの残距離(「残:172Y」)と、第2打のボール6の飛距離(「114Y」)が追加表示される。そのため、プレーヤーPは第2打をショットする前に、選択した過去のプレー履歴のプレー軌跡K1のうち、第2打部分を確認することができる。
【0048】
その後、3打目以降についても同様の手順でプレー軌跡K1とプレー軌跡K2を表示させることができる。このように、プレー履歴表示システム200を使用中もプレー中のプレー記録情報が蓄積され、当該プレー記録情報は、次回以降のプレー履歴表示システム200使用時に過去のプレー履歴として使用することができる。
【0049】
本実施形態のプレー軌跡K1の軌道線は赤色で表示され、プレー軌跡K2の軌道線は黒色で表示され、両者が視覚的に比較し易くなっている。なお、プレー軌跡K1とプレー軌跡K2を異なる色で表示する以外にも、軌道線を異なるの種類(例えば、実線と点線等)で表示するようにしてもよい。
【0050】
選択する過去のプレー履歴は、複数を選択して表示させることもできる。図14は、3つの過去のプレー履歴のプレー軌跡K1、K3、K4を表示した状態を示している。この場合も、プレー軌跡K1、K3、K4はそれぞれ異なる色で表示される。プレー軌跡K1はプロゴルファーの過去のプレー履歴、プレー軌跡K3はプレーヤーP自身の先月のプレー履歴、プレー軌跡K4はライバルの過去のプレー履歴である。プレー軌跡K1、K3、K4は、上述のプレー軌跡K1のように、第1打、第2打、・・・のように、1打ずつ追加的に表示させることもでき、また、例えば、第3打等の特定のショットのみを表示させることもできる。また、途中でプレー軌跡K3のみ等の特定のプレー軌跡を表示させないようにすることもできる。すなわち、プレーヤーPは携帯端末1の操作部12を操作することで、所望のプレー軌跡を所望の状態で表示させることができる。
【0051】
以上のように、本実施形態のプレー履歴表示システム200は、ゴルフプレーヤーPが所持する携帯端末1と、携帯端末1と通信が可能なクラウドサーバー3と、により構成され、携帯端末1は、ゴルフのプレー履歴情報を入力する操作部12と、プレー履歴情報を各ショットのショットステータスとして表示する表示部11と、を有し、クラウドサーバー3は、プレー履歴情報を記憶する記憶部32を有し、携帯端末1の操作入力により、複数のプレー履歴情報を複数のショットステータスとして表示部11に同時に表示可能であることにより、プレー履歴情報をスコアではなく各ショットのショットステータスとして携帯端末1の表示部11に表示することができる。そのため、複数のショットステータスを比較することができる。
【0052】
また、本実施形態のプレー履歴表示システム200は、複数のプレー履歴情報が、過去のプレー履歴情報と、現在プレー中のプレー履歴情報であることにより、過去のプレー履歴と現在プレー中のプレー履歴を各ショットのショットステータスとして携帯端末1の表示部11に同時に表示することができる。そのため、プレーヤーPは、現在プレー中のプレーステータスと過去のショットステータスとを比較することができる。
【0053】
また、本実施形態のプレー履歴表示システム200は、ショットステータスが、ショットの位置、使用ゴルフクラブの種類、ボールの軌道、ボールの飛距離、又は、ボールの着地点の状況の少なくとも1つであることにより、各ショットの具体的なショットステータスを確認することができる。
【0054】
また、本実施形態のプレー履歴表示システム200は、ショットステータスを1打ごとに分割して表示可能であることにより、所望のショットのショットステータスを確認することができる。
【0055】
また、本実施形態のプレー履歴表示システム200は、複数の過去のプレー履歴情報を複数のショットステータスとして表示可能であることにより、複数のショットステータスを同時に確認することができる。
【0056】
本実施形態のプレー履歴表示プログラムは、ゴルフプレーヤーPが所持する携帯端末1からの入力信号を受けてゴルフのプレー履歴情報をクラウドサーバー3の記憶部32に記憶させる機能と、携帯端末1からの入力信号を受けて過去のプレー履歴情報と現在プレー中のプレー履歴情報を記憶部32から読み出して携帯端末1に送信する機能と、プレー履歴情報をショットステータスとして携帯端末1の表示部32に表示させる機能と、を実現させることにより、プレー履歴情報をスコアではなく各ショットのショットステータスとして携帯端末1の表示部11に表示させることができる。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。上記実施形態では、携帯端末1は、スマートフォンを想定したものであるが、専用アプリケーション(アプリ)をインストール可能であり、同様の機能を有するものであれば、例えば、スマートウォッチ、携帯型パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機等を使用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 携帯端末
3 クラウドサーバー(情報処理装置)
5 ゴルフクラブ
6 ボール
11 表示部(表示手段)
12 操作部(入力手段)
32 記憶部(記憶手段)
P プレーヤー
図1
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