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特開2022-191718把持具、およびそれを具備したパウチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191718
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】把持具、およびそれを具備したパウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20221221BHJP
   B65D 33/02 20060101ALI20221221BHJP
   B65D 33/06 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B65D33/00 Z
B65D33/02
B65D33/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100110
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】的場 智加
(72)【発明者】
【氏名】和田 潔
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BA17
3E064BA27
3E064BA28
3E064BA29
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA12
3E064EA23
3E064EA30
3E064FA03
3E064HF03
3E064HG03
3E064HJ10
3E064HN06
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】容量が大きなパウチで、内容物が少なくなって来ても、最後まで容易に注出し易く、かつ、安価に製造可能とする把持具を得る。
【解決手段】シーラント面を向かい合わせ、天シール部、左側シール部、右側シール部、および底部に中間フィルムを有するガゼット状の底シール部、からなる収納部(20)を形成し、天シール部と一方の側シール部との間に注出口(24)を有するパウチに使用する把持具(10)であって、他方の側シール部を巻き付ける支持部材(3)と、支持部材の外側に挿嵌し外側に溝部を有する挟持枠(4)と、挟持枠に表裏から掛止し係合部を有する係止板(51)と、収納部を外側から押圧する押圧板(52)と、持ち手部(53)と、を有する把持部材(5)と、から構成され、前記把持部材が必要に応じて上下に位置を可変可能としたことを特徴とする把持具。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前フィルムと後フィルムとのシーラント面を向かい合わせ、周囲に天シール部、左側シール部、右側シール部、および底部に中間フィルムを有するガゼット状の底シール部からなる収納部を形成し、
上記天シール部と左右いずれかの一方の側シール部との間に注出口を有するパウチに使用する把持具であって、
前記パウチで注出口の無い左右いずれかの他方の側シール部を巻き付ける支持部材と、
側シール部を巻き付けた支持部材の外側に挿嵌し、外側に溝部を有する挟持枠と、
表裏から挟みこむようにして前記挟持枠に表裏から掛止して前記溝部に係止する係合部を有する係止板と、収納部を外側から押圧する押圧板と、係止板外縁よりも外側に設けた持ち手部と、を有する把持部材と、
から構成され、
前記把持部材が必要に応じて上下に位置を可変可能としたことを特徴とする把持具。
【請求項2】
支持部材の上方、あるいは上方と下方に係止爪を設け、挟持枠に係止して、挟持枠に支持部材を保持可能としたことを特徴とする請求項1に記載の把持具。
【請求項3】
把持部材の押圧板が、取り付け側から注出口のある側に向かって斜め上方に傾斜した下辺を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の把持具。
【請求項4】
支持部材が、下端にパウチのガゼットを広げて底部の形状を保つ底保持部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の把持具。
【請求項5】
前フィルムと後フィルムとのシーラント面を向かい合わせ、周囲に天シール部、左側シール部、右側シール部、および底部に中間フィルムを有するガゼットの底シール部、を有する収納部を形成し、
上記天シール部と左右いずれかの一方の側シール部との間に注出口を有するパウチであって、
上記請求項1~4のいずれかに記載の把持具を具備したことを特徴とする把持具付きパウチ。
【請求項6】
左右いずれか一方、あるいは、左右両方の側シール部が、ガゼットを形成する下方に形成したことを特徴とする請求項5に記載の把持具付きパウチ。
【請求項7】
注出口の無い左右いずれか他方の側シール部を支持部材に巻き付けて、該注出口の無い側シール部内側端部が、前後の係止板51の中に入る支持部材3と挟持枠4との隙間を越えて巻き付けたことを特徴とする請求項5又は6に記載の把持具付きパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体状の薬剤や、液体洗剤、柔軟剤、などのトイレタリー用品、あるいは、濃縮コーヒーのような液体食品などを収納する大型のパウチで、持ちやすく、内容量が減少しても注ぎ性に優れたパウチに使用する把持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農薬などの液体状の薬剤や液体肥料、液体洗剤、柔軟剤、漂白剤、などのトイレタリー用品や、濃縮コーヒーやジュースのような液体食品などの液体は、従来、ガラス瓶やブローボトル、チューブ容器などの硬質容器に入れて流通されていた。
しかし、これら液体を、詰め替え用として、大容量の容器に入れて供給するようになると、注出しにくく、かつ、大きくなった容器の廃棄にも問題が生じている。
そこで、安価で使用する素材の重量を少なく抑え、かつ、環境にやさしく、しかも、内容物が少なくなっても注出したり、詰め替えたりし易いようにすることが求められている。
【0003】
その方法として、例えば、特許文献1では、
包装袋のホルダーであって、
前記包装袋が、両側部にサイドシール部を有し、該両サイドシール部の間に内容物を収納する収納室を有するとともに、一方のサイドシール部に流体が充填された独立充填室を有し、かつ、二つ折りされた底テープが折り部を上にして下端部分に差し込まれ、船底型にシールされた底シール部を有する包装袋である前記ホルダーにおいて、
前記独立充填室の周囲を前側サイド保持部材及び後側サイド保持部材とで表裏から挟み込んで保持する独立充填室保持部と、手で持つための取っ手部とを有し、かつ、前記ホルダーの下端に前記底シール部を下から保持する底部保持部を有しており、
前記前側サイド保持部材の下端部分が2つに別れ、包装袋の底部が動いてはずれないように水平方向に曲線を描いて広がって前記底部保持部を構成していることを特徴とするホルダーを提案している。
【0004】
しかしながら、このホルダーは、独立充填室を有する包装袋にしか対応していなかった。
また、取っ手部が上部に固定されているので、注出して内容物が少なくなって来ると、包装袋全体を傾けると、包装体が折れ曲がってしまい、注出することができなくなる問題があった。
この為、内容物が少なくなった場合、天部保持部や斜め保持部、口栓保持部が一体となったへの字状の保持部材で前後から挟んで形状を保持させる方法を提案しているが、形状を保持する為の部材が多くなり、高価になるなどの問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6379613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、容量が大きなパウチに使用する把持具で、内容物が少なくなって来
ても、最後まで容易に注出し易く、かつ、安価に製造可能な把持具を得ることが、本発
明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパウチは、
前フィルムと後フィルムとのシーラント面を向かい合わせ、周囲に天シール部、左側シール部、右側シール部、および底部に中間フィルムを有するガゼット状の底シール部からなる収納部を形成し、
上記天シール部と左右いずれかの一方の側シール部との間に注出口を有するパウチに使用する把持具であって、
前記パウチで注出口の無い左右いずれかの他方の側シール部を巻き付ける支持部材と、
側シール部を巻き付けた支持部材の外側に挿嵌し、外側に溝部を有する挟持枠と、
表裏から挟みこむようにして前記挟持枠に表裏から掛止して前記溝部に係止する係合部を有する係止板と、収納部を外側から押圧する押圧板と、係止板外縁よりも外側に設けた持ち手と、を有する把持部材と、
から構成され、
前記把持部材が必要に応じて上下に位置を可変可能としたことを特徴とする把持具である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の把持具は、単にパウチ本体の側シール部を支持部材に巻き付けて、これに挟持枠を挿嵌して固定し、さらにその外側に上下に移動可能な把持部材を取り付けているので、内容物の残量によって把持部材の位置を移動することができるので、最後まで注出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る把持具および把持具付きパウチの実施形態の一例を示す図と、パウチ本体に支持部材と挟持棒と把持部材とが係合した状態を示す部分断面図、およびその部分拡大図である。
図2】本発明の把持具付きパウチに使用するパウチ本体の形態を示す図である。
図3】本発明の把持具に使用する支持部材の側面図と正面図、平面図、およびその部分拡大図と、支持部材の形態例を示す部分平面図である。
図4】本発明の把持具に使用する挟持枠の正面図とその部分拡大図、およびその側面図と平面図である。
図5】本発明の把持具に使用する把持部材の成形時取り出し状態を示す正面図と、底面図と、背面図と、C-C断面でヒンジを軸に回動した状態を示す断面図である。
図6】本発明の把持具に使用する把持部材の横部分断面図とその部分拡大図、およびその把持部材の位置をパウチの下方に取り付けて、内容物を注出している状態を示す図である。
図7】本発明の把持具付きパウチで、パウチ本体の周縁一端に融着する注出口の形状を示す正面図と、平面図、および右側面図である。
図8】本発明の把持具付きパウチに使用するパウチ本体の形態例で、インフレーションのフィルムを使用したパウチ本体の形態例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の把持具、およびそれを具備したパウチの実施形態について、図を用いて説明する。
図1は、本発明に係る把持具付きパウチ1の実施形態例を示す図である。
本発明の把持具付きパウチ1は、パウチ本体2に、支持部材3と挟持枠4および把持部材5とから構成される把持具10を具備して出来ている。
パウチ本体2の注出口の無い方の側シール部を巻き付けた支持部材3の外側に、溝部を有する挟持枠4と、該挟持枠の前後から把持部材5が覆っている。
A-A断面は、そのパウチ本体2を巻き付けた支持部材3の外側に、挟持枠4が覆い、その挟持枠4の溝部41に、把持部材5の係合部51が咬合している状態を示している。
B-B断面は、支持部材3の支持体31先端近傍の側面に係止爪34があって、挟持枠4の上端を抑え込んだ状態を示している。
【0011】
図2は、パウチ本体2で、前フィルム21と後フィルム22とのシーラント面を向かい合わせ、周囲に天シール部212、左側シール部213、右側シール部214、および底部に中間フィルム23を有するガゼット状の底シール部215、を有する収納部20を形成している。
上記天シール部212と左右いずれかの一方の側シール部との間には、注出口24を有している。
【0012】
注出口24は、図7に示すように、中央に注出管路241が上端から下端まで貫通し、パウチ本体内部から外部へ内容物を注出可能としている。
注出口24先端にはキャップに螺合するネジ部242を有する。打栓式キャップを使用する場合には、リング状の突起がネジの代わりに使用される。
ネジ部242の下方には、フランジ243が設けられ、この下にU字状の治具を当ててパウチ本体を支え、充填やキャッピングをすることができる。
【0013】
フランジ243の下方には、断面が注出管路241を確保しながらそれを包み込むような舟形をした断面からなる融着部244を有している。
融着部244では、中央に注出管路241の断面を確保し、その前後には前フィルムと後フィルムで覆い融着される。この時、注出管路241の左右では徐々に前と後ろの間隔を狭くなって断面が舟形になっている。さらに、端部では容易に融着時に溶融して前フィルムと後フィルムとの隙間が発生しないように薄肉部2441を設けても良い。
また、融着部244内側の肉厚がヒケを生じやすいので、その対応として、肉盗み部2442が設けられている。
さらに、融着部244の下方には、注出管路241を前フィルム21や後フィルム22が塞いで、内容物の流出を阻止しないように、内側突起245を設けて、流路を確保するようにしても良い。
【0014】
また、図2に示すように、パウチ本体2は、前記注出口24の無い左右いずれかの他方の側シール部(図2では左側シール部214)で、中間フィルム23の先を、さらに伸ばしたような形にして、巻き付けやすくしている。
この部分は、中間フィルムを途中で無くし、前フィルム21と後フィルム22が直接融着させても良いし、中間フィルムもそのまま横に伸ばして広幅にしても良いし、広幅の側シール部にしても良い。
例えば、インフレーション成形で筒状に成形されたフィルムをパウチに使用する場合には、図8に示すように、左右いずれか一方、あるいは、左側端2130、右側端2140の両側が、ガゼットを形成する下方にだけシールして、その側シール部を支持体に巻き付けるようにして、巻き付けるようにすることができる。
【0015】
図3は、支持部材3の形態例を示す図で、図3-1に側面図、図3-2に正面図、図3-3に平面図、図3-4に支持体近傍の肉盗み形状例を示した。
支持部材3は、パウチ本体高さ方向の長さの縦方向に長い支持体31と、を有し、該支持体31の周囲にパウチ本体の側シール部を巻き付けて使用される。
支持体31は、単なる棒状では、パウチ本体が抜け、外れてしまう恐れが生じるので、巻き付ける円柱状の柱部311と、板状の板部312と、幅狭でそれらを繋げる細幅部313とから構成される。柱部311の形状は、図3-4の図イに示すように、断面が円形であっても、図ロのように円形先端に平面を付けたり、図ハのようにコの字状であっても良い。特に肉厚部分があると、支持体の成形時にヒケたり、成形後に変形するおそれがあるので、図3-4に示すように、肉盗み314を設けても良い。
パウチを巻き付けた支持体31の外側には、挟持枠が、該パウチが抜けてしまわないように、余分な隙間が無いように嵌合させる。
挟持枠を支持体31の外側に嵌合させ、抜けないようにするのに、下方には外側へわずかに広げた台座32を設け、上方には係止爪34を設けている。
支持体31から滑ってパウチ本体2の側シール部が抜けてしまわないように、支持体31の射出成形金型表面に細かい爪状の突起や凹凸を付けて、引っ掛かり易くしても良い。
【0016】
さらに、図3-1、図3-2に示すように、支持部材3の下方には、底部の中間フィルムを下方から保持する底保持部33を有している。
底保持部33は、その先端が前側と後側に分かれ、底部の中間フィルムの前後に設けた底シール部215の根元(下端)に当接し、中間フィルムを広げた状態で保持し、パウチを立てた状態で置くことが可能になっている。
【0017】
図4は、挟持枠4の形態例を示す図で、図4-1に側面図、図4-2に正面図、図4-3に平面図を示した。
挟持枠4は、断面がコの字状で、その内面は支持体外面形状よりもパウチの厚み分大きく作られ、周囲の一辺のない形状になっている。
又、外側の左右には、挟持部材の係合部が掛止する溝部41が等ピッチで形成されている。
【0018】
図5図5-1~3は、把持部材5の成形直後の形状を示す図で、図5-1は外側面の図、図5-2は図5-1のC-C断面図、図5-3は内側面の図、図5-4は図5-3のD-D断面とその部分拡大図で、図5-5は中央のヒンジ50を軸に回動した状態を示すC-C断面図である。
【0019】
この把持部材5は、図5に示すように係止板51と、押圧板52と、持ち手部53とからなり、それぞれ、前側、後側の二つに分けて広げた状態で成形されるが、図5-4に示すように、中央のヒンジ50で折り畳んで使用される。
この折り畳む時に、図6-1に示すように、前後の係止板51の中に入る支持部材3と挟持枠4との隙間にパウチ本体2の側シール部を挟んだ状態で折り畳まれる。
このパウチ側面を支持体31に巻き付ける時に、巻き付け先端側シール部2142を越えて、パウチの側シール部の内側端部2141が、挟持枠4と細幅部313との隙間を越えた、その先の板部312の位置まで巻き込むようにする。このようにすると、側シール部の内側端部2141はその内側よりも厚みが厚くなるので、支持部材の隙間からパウチ側シール部が抜けにくくなる。
【0020】
このようにしてヒンジ50を軸に180度回動して折り畳む時に、係止板51は、支持部材3と挟持枠4とを表裏から覆い、挟持枠4の前後に等間隔で形成されている溝部41に係合部511を咬合させる。
ここで、係合部511は、上方に水平で、下方に傾斜した爪を有するので、下方には移動し易く、かつ、上方に上げると、係合部511が溝部の段に面で当たってパウチの重量を受けることが可能となり、パウチ本体2を持ち上げることができる。
回動して、前側と後ろ側の半身同士が当接すると、繋止爪541と繋止孔542とからなる繋止部54によって、繋止し、折り畳まれた状態に固定される。もちろん、上記繋止部54の代わりに、ねじ止めなど、他の方法で固定しても良い。
【0021】
ここで、係止板51は、挟持枠4に対して短く、その短い分、上下に把持部材5の取り付け位置を移動可能になる。
この為、内容物6が多い時は図1-1のように、一番高い位置に把持部材5を取り付けるが、内容物6が減少した場合には、図6-2のように、下方に把持部材5を取り付ける。
内容物6が減少した場合、重心が下方に下がるので、下方に把持部材5を取り付けることによって、パウチ本体自体が中折れしにくくなる。このように、下方に把持部材5を取り付けると、注出口24の直ぐ下で、前フィルムと後フィルムとが密着して、内容物6の流れを阻害し、注出できないなどということが起きない。
【0022】
また、押圧板52で表裏から押さえ、内容物6を下方や注出口24近傍に移動(誘導)できるので、最後まで注出できない残量を少なくすることができる。
特に、把持部材の押圧板52が、下辺521を取り付け側から注出口24のある側に向かって斜め上方に傾斜させる事によって、残った内容物6を注出口24に移動(誘導)し易くすると、最後までより注出し易くなる。
さらに、図5図6に記載したように、押圧板52の外側周囲に押圧板リブ522を設けることによって、押圧の力で押圧板52が変形しないで、確実に強く押圧できるので、より内容物を注出口24側に誘導することができる。
【0023】
持ち手部53は、パウチ全体を持ち上げ、その状態で傾けることによって、注出を容易にする部分である。この為、係止板51端部から持ち手部を充分に離して、その間に手を差し込めるだけの間隔が必要になる。また、持ち手部53の幅や厚みが、つかみやすい大きさになっていることが好ましい。
特にヒンジ50の上下では、端部が掴む手に当たっても痛くならないように、突起を設けて、端部が手に強く当たらないようにすることが望ましい。
なお、図5では、持ち手部53の形状が、上方のみ係止板51と繋がった形状となっているが、下端も係止板51と繋がった輪の形状であっても良い。
【0024】
本発明の支持部材や挟持枠の製造は、通常の射出成形金型を使用し、汎用の射出成形機によって製造することができる。
特に、支持部材は板部などがあるので、剛性と共に、バネ性や柔軟性もある材料が好ましい。そこで、成形材料としては、直鎖状低密度ポリエチレンや、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂などの他、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどのエラストマー系樹脂も使用することができる。
【0025】
本発明の把持部材の製造も、通常の射出成形金型を使用し、汎用の射出成形機によって製造することができる。
特に、ヒンジがあるので、成形材料としては、ポリプロピレンやエチレン・プロピレン共重合体などが好ましいが、ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、なども使用できる。
【0026】
本発明のパウチを構成する積層フィルムの基本的な構成としては、外側に基材層、内側にシーラント層からなるフィルムでかまわないが、中間層として、内容物の保存性を向上させるバリア層や、落下等に破袋しにくいような柔軟性を付与する層を設けることが好ましい。
【0027】
基材層としては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、特に限定されない。特に二軸延伸されたフィルムが好ましい。また、これらのフィルムにアルミニウム蒸着層を設けたものでもよい。
【0028】
また、基材層には、必要に応じて適宜印刷層を設けることができる。印刷層は、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系などのバインダー樹脂に各種顔料、体質
顔料および可塑剤、乾燥剤、安定剤などを添加されてなるインキにより印刷された層である。印刷方法としては、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷方法を用いることができる。また基材層の表面を、予め前処理としてコロナ処理またはオゾン処理を施すことにより、印刷層の密着性を向上させることができる。
【0029】
シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が使用できる。これらの樹脂をTダイ、あるいはインフレーションなどの押出し機により製膜可能である。単層または複層でもよい。フィルムの厚みとしては、50~200μmの範囲であることが好ましい。
【0030】
接着層としては、ドライラミネート用接着剤が使用できる。例えば、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤などを使用することができる。貼り合わせ方法としては、ドライラミネート法にて可能であるが、エキストルーダーラミネーション機で、シーラント層側を製膜しながら貼り合せてもかまわないし、サンドポリエチレン加工してもかまわない。
【0031】
また、積層シートの物性を向上する必要があれば、例えば、積層シートの剛性や落下強度、突き刺し強度などを向上させる場合、水蒸気や酸素ガスなどのバリア性を向上させる場合、などには中間層を設けることも可能である。
【0032】
中間層としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、無機酸化物蒸着ポリエステルフィルム、ポリアミド樹脂などを使用することができる。また、中間層を積層するには、接着層を介してドライラミネート法にて貼り合わせることができる。
【0033】
無機酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシュウム、酸化カリウム、酸化錫、酸化ナトリウム、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムなどの金属の酸化物が使用できる。中でも生産性、価格面から酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが好ましい。
【0034】
本発明のパウチに使用される注出口の製造は、通常の射出成形金型を使用し、汎用の射出成形機によって製造することができる。
成形材料としては、シーラントに融着しやすい低密度ポリエチレン、その中でも直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。その他、ポリプロピレンやエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、なども、内容物によって使用できる。
【0035】
本発明の把持具付きパウチは、以上のようなもので、単にパウチ本体の側シール部を支持部材に巻き付けて、その外側に挟持枠を挿嵌して固定し、さらにその外側に上下に移動可能な把持部材を取り付けているので、内容物の残量によって把持部材の位置を移動することができるので、内容物が少なくなっても、把持具の高さを変更できるので、注出時に折れ曲がってしまうなどのようなことが発生せず、最後までスムーズに注出することができる。
また、パウチ本体と支持部材、挟持枠と把持部材だけで、部材が少なく、射出成形で容易に製造できるので、生産性が高く、安価で、供給し易いなど、本発明のメリットは大きい。
【符号の説明】
【0036】
1・・・・・・・・把持具付きパウチ
10・・・・・・・把持具
2・・・・・・・・パウチ本体
20・・・・・・・収納部
21・・・・・・・前フィルム
212・・・・・・天シール部
213・・・・・・左側シール部
2130・・・・・左側端
214・・・・・・右側シール部
2140・・・・・右側端
2141・・・・・側シール部の内側端部
2142・・・・・巻き付け先端側シール部
215・・・・・・底シール部
22・・・・・・・後フィルム
23・・・・・・・中間フィルム
24・・・・・・・注出口
241・・・・・・注出管路
242・・・・・・ネジ部
243・・・・・・フランジ
244・・・・・・融着部
2441・・・・・薄肉部(融着部)
2442・・・・・肉盗み部(融着部)
245・・・・・・内側突起(注出口)
25・・・・・・・キャップ
3・・・・・・・・支持部材
31・・・・・・・支持体
311・・・・・・柱部
312・・・・・・板部
313・・・・・・細幅部
314・・・・・・肉盗み
32・・・・・・・台座
33・・・・・・・底保持部
34・・・・・・・係止爪
4・・・・・・・・挟持枠
41・・・・・・・溝部
5・・・・・・・・把持部材
50・・・・・・・ヒンジ
51・・・・・・・係止板
511・・・・・・係合部
52・・・・・・・押圧板
521・・・・・・下辺(押圧板)
522・・・・・・押圧板リブ
53・・・・・・・持ち手部
6・・・・・・・・内容物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8