(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191719
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランク
(51)【国際特許分類】
B65D 5/355 20060101AFI20221221BHJP
B65D 5/20 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B65D5/355
B65D5/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100111
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】水島 健人
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB16
3E060BA03
3E060BB03
3E060BC02
3E060BC04
3E060DA25
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】ラップラウンド方式の自動製函機への適性を有し、カートンの高さの変更を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの提供を課題とする。
【解決手段】ブランクは、正方形の中央部に、カートンの底面の矩形を配置してあり、底面の矩形の4辺からは、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップが、折り罫線を介して連続して形成されており、4枚の矩形のフラップからさらに連続して、4方から内側に向けて折込んで、天面を形成可能なフラップが連続しており、底面の矩形の短辺の長さをbとして、底面の矩形の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、底面の矩形の長辺に一番近い折り罫線から、前記台形の上辺までの距離をaとしたとき、a≦bであることを特徴とする、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランク。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップラウンド方式の自動製函機で組み立てて形成されるカートンのブランクであって、
形成されるカートンは6面体であって、
6面は、底面、胴部の4面、天面の合計6面であり、
ブランクは、平坦な材料からなり、正方形を最外周として形成されており、
ブランクは、前記正方形の中央部に、カートンの底面の矩形を配置してあり、
底面の矩形の4辺は、それぞれ前記正方形の4隅に正対しており、
底面の矩形の4辺からは、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップが、折り罫線を介して連続して形成されており、
前記4枚の矩形のフラップからさらに連続して、4方から内側に向けて折込んで、天面を形成可能なフラップが連続しており、
天面を形成可能なフラップは、底面の矩形の短辺側の2枚では、前記正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形であり、底面の矩形の長辺側の2枚では、前記正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形の、直角の頂点を切り取った台形であって、
6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップには、接続する底面の矩形の4辺の折り罫線から、この4辺の折り罫線に平行、かつこの4辺の折り罫線から等距離の、複数の折り罫線がそれぞれのフラップに設けてあり、
6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、対向する一対のフラップの、平行な折り罫線とフラップの側部で囲まれた四角形の両側端部に、各々小フラップが、折り罫線を介して連続して設けてあり、
小フラップのうち、一番外側の小フラップの先端部は、前記正方形の外周と同一線上、もしくはそれより内側になるように設けてあり、
底面の矩形の短辺の長さをbとして、底面の矩形の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、底面の矩形の長辺に一番近い折り罫線から、前記台形の上辺までの距離をaとしたとき、
a≦b
であって、
このブランクを、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップに設けられた、底面の矩形の4辺に平行、かつ等距離の、複数の折り罫線のうちいずれかを内側に折り込んで天面を形成し、高さが異なる複数の種類の6面体のカートンの製函が可能なことを特徴とする、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラップラウンド方式の自動製函機に対応したカートンに係るものである。特に、包装サイズを、型替え、品種切り替えなしで変更することが可能な、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にカートンは、紙製の容器であって、例えば板紙や段ボールなどからなるブランクを、立体の箱型に組み立てて、内容物を収納可能とするものが、広く普及している。
【0003】
特にラップラウンド方式は生産性がよく、カートンの自動製函機として一般的なものである。中でもヤッコ型(タトウ式)と呼ばれるブランクを用いる場合には、特に厚さの薄い商品を梱包する用途、あるいはその入数が異なる場合の商品の包装材料として適している。
【0004】
特許文献1には、サイズ変更が可能なカートンの提案がある。しかしながら、ここに提案された内容においては、サイズ変更は可能であるものの、サイズの制限があり、またフラップがないために強度不足の恐れがあり、ラップラウンド方式の自動製函機に対応できるものではなく、その用途は限られたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、ラップラウンド方式の自動製函機への適性を有し、カートンの高さの変更を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
ラップラウンド方式の自動製函機で組み立てて形成されるカートンのブランクであって、
形成されるカートンは6面体であって、
6面は、底面、胴部の4面、天面の合計6面であり、
ブランクは、平坦な材料からなり、正方形を最外周として形成されており、
ブランクは、前記正方形の中央部に、カートンの底面の矩形を配置してあり、
底面の矩形の4辺は、それぞれ前記正方形の4隅に正対しており、
底面の矩形の4辺からは、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップが、折り罫線を介して連続して形成されており、
前記4枚の矩形のフラップからさらに連続して、4方から内側に向けて折込んで、天面を形成可能なフラップが連続しており、
天面を形成可能なフラップは、底面の矩形の短辺側の2枚では、前記正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形であり、底面の矩形の長辺側の2枚では、前記正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形の、直角の頂点を切り取った台形であって、
6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップには、接続する底面の矩形の4辺の折り罫線から、この4辺の折り罫線に平行、かつこの4辺の折り罫線から等距離の、複
数の折り罫線がそれぞれのフラップに設けてあり、
6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、対向する一対のフラップの、平行な折り罫線とフラップの側部で囲まれた四角形の両側端部に、各々小フラップが、折り罫線を介して連続して設けてあり、
小フラップのうち、一番外側の小フラップの先端部は、前記正方形の外周と同一線上、もしくはそれより内側になるように設けてあり、
底面の矩形の短辺の長さをbとして、底面の矩形の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、底面の矩形の長辺に一番近い折り罫線から、前記台形の上辺までの距離をaとしたとき、
a≦b
であって、
このブランクを、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップに設けられた、底面の矩形の4辺に平行、かつ等距離の、複数の折り罫線のうちいずれかを内側に折り込んで天面を形成し、高さが異なる複数の種類の6面体のカートンの製函が可能なことを特徴とする、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ラップラウンド方式の自動製函機への適性を有し、カートンの高さの変更を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの提供が可能である。
【0009】
すなわち、ブランクが平坦な材料からなり、正方形を最外周として形成されており、ブランクは、前記正方形の中央部に、カートンの底面の矩形を配置してあり、底面の矩形の4辺は、それぞれ正方形の4隅に正対していることによって、ヤッコ型のブランクを製函した際に、天面を形成することができるフラップを折り込む際にも、正方形の四隅が相対して折込まれ、意匠的にも好ましいものとすることができる。
【0010】
また、正方形を最外周とするブランクの形態は、ブランクを形成する材料のロスをより少なくすることが可能である。
【0011】
また、天面を形成可能なフラップは、底面の矩形の短辺側の2枚では、前記正方形の隅を直角の頂点とする二等辺三角形であり、底面の矩形の長辺側の2枚では、前記正方形の隅を直角の頂点とする、二等辺三角形の頂点を切り取った台形であって、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップに、接続する底面の矩形の4辺の折り罫線から、この4辺の折り罫線に平行、かつこの4辺の折り罫線から等距離の、複数の折り罫線がそれぞれのフラップにあらかじめ設けてあることによって、製函においてカートンの天面を形成するためにフラップを折り込む際に、複数の折り罫線のうち、いずれかの折り罫線を選択して折り込んで、製函されるカートンの高さを選択的に決定することができる。
【0012】
すなわちラップラウンド方式の自動製函機において、型替えや品種切り替えなしでサイズ替えを行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクとすることができる。
【0013】
これは例えば、同じ大きさの枚葉の内容物を、入り数を変えて収納する場合に用いることが可能である。すなわち、本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクを用いることによって、小ロット、多品種化への対応が可能となる。
【0014】
また、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、対向する一対のフラップの、平行な折り罫線とフラップの側部で囲まれた四角形の両側端部に、各々小フラップが、折り罫線を介して連続して設けてあることによって、製函された6面体のカートンは、胴部の稜線部分を密閉することが可能であり、また6面体の強度を高めることにも効果的である。
【0015】
また、小フラップのうち、一番外側の小フラップの先端部は、前記正方形の外周と同一線上、もしくはそれより内側に設けてあることによって、ラップラウンド方式において自動製函を妨げることなく円滑に行うことができる。加えて、ブランクの最外周が正方形であることにより、ブランクを打ち抜く際においても、ブランクの材料のロスをより少なくすることが可能となる。
【0016】
底面の矩形の短辺の長さをbとして、底面の矩形の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、底面の矩形の長辺に一番近い折り罫線から、前記台形の上辺までの距離をaとしたとき、
a≦b
であることによって、カートンの天面を形成する際に、天面を形成可能なフラップを内側に折込んだ際にも、それらのフラップの先端が、天面の対向する稜線からはみ出すことなく製函が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【
図2】
図2は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、ブランクを構成する各部分を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【
図3】
図3は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、ブランクを構成するフラップの詳細を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【
図4】
図4は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、本発明の特徴部分及び寸法をより詳細に説明するための、ブランクの平面模式図である。
【
図5】
図5は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、カートンの高さを高く、折り罫線の3段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【
図6】
図6は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、カートンの高さを中位に、折り罫線の2段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【
図7】
図7は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、カートンの高さを低く、折り罫線の1段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を
図1~
図7を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例によってのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0019】
図1は本発明に係る、ラップラウンドカートンの一実施態様を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【0020】
本発明は、ラップラウンド方式による自動製函機で組み立てて形成されるカートンのブランク(100)であって、これによって形成されるカートンは6面体である。6面は、底面、胴部の4面、天面の合計6面であり、ブランク(100)は、板紙や段ボール原紙
などの平坦な材料からなる。本明細書において、板紙、段ボール原紙からなる箱を含めてカートンと呼ぶこととする。
【0021】
ラップラウンド方式で組み立てられたカートンは、たとえば飲料や加工食品をはじめとする様々な分野で、商品の包装容器として広く使われており、シート状態の板紙や段ボールを専用の自動製函機で、ブランク(100)を用いて、折り罫線での折曲げやフラップを折り込むなどして立体に組み立て、糊付けを行い自動製函することができるものである。
【0022】
本発明においては、このラップラウンド方式の自動製函機に用いるためのブランク(100)を提案しようとするものであり、高さの異なるカートンの製函を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクを提供しようとするものである。
【0023】
図1に示すブランクの例は、正方形(90)を最外周として形成され、中心から四方に向かってフラップが形成されているものであって、ヤッコ型とも呼ばれる形態のものである。ブランク(100)の材料は段ボール、板紙等を用いることができる。
【0024】
ブランク(100)は、正方形(90)の中央部に、カートンの底面の矩形(10)を配置してあり、底面の矩形(10)の4辺は、それぞれ正方形(90)の4隅に正対している。
【0025】
底面の矩形(10)は、折り罫線(50)、折り罫線(51)、折り罫線(52)及び折り罫線(53)で囲まれた部分である。なお、
図1に示す例から見て取れる通り、矩形の短辺は折り罫線(50)、及び折り罫線(51)であり、矩形の長辺は折り罫線(52)、及び折り罫線(53)である。
【0026】
底面の矩形(10)の4辺からは、6面体の胴部の4面のフラップ、及び天面を形成可能なフラップが連続して形成されており、折り罫線(50)、折り罫線(51)、折り罫線(52)、及び折り罫線(53)を介して連続している。
【0027】
なお、
図1に示す例において、6面体の胴部の4面のフラップは、網点を入れた矩形の部分である。本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクは、この6面体の胴部の4面のフラップに、複数の折り罫線をあらかじめ設けておくことで、ラップラウンド方式の自動製函機において、高さの異なるカートンの製函を、品種替え、型替えなしで行うことを可能にしようとするものである。
【0028】
図2は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、ブランクを構成する各部分を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【0029】
前述のようにブランク(100)は、正方形(90)の中央部に、カートンの底面の矩形(10)を配置してあり、底面の矩形(10)の4辺は、それぞれ正方形(90)の4隅に正対している。なお、
図2に示す例において、正方形(90)の4隅は、上下左右に配置されて示されている。
【0030】
底面の矩形(10)の4辺からは、6面体の胴部の4面を形成する、矩形のフラップ(20)、矩形のフラップ(21)、矩形のフラップ(22)、及び矩形のフラップ(23)の4枚が、折り罫線を介して連続して形成されている。
【0031】
なお、
図2に示す例において、6面体の胴部の4面のフラップは、網点を入れた4箇所
の矩形の部分である。
【0032】
すなわち、矩形のフラップ(20)は、底面の矩形(10)と折り罫線(50)を介して連続している。
【0033】
同様に、矩形のフラップ(21)は、底面の矩形(10)と折り罫線(51)を介して連続している。
【0034】
同様に、矩形のフラップ(22)は、底面の矩形(10)と折り罫線(52)を介して連続している。
【0035】
同様に、矩形のフラップ(23)は、底面の矩形(10)と折り罫線(53)を介して連続している。
【0036】
さらに、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップから連続して、4方から内側に向けて折込んで、天面を形成可能なフラップが連続している。
【0037】
すなわち、矩形のフラップ(20)に連続して天面を形成可能なフラップ(30)が、連続している。
【0038】
同様に、矩形のフラップ(21)には連続して天面を形成可能なフラップ(31)が、折連続している。
【0039】
同様に、矩形のフラップ(22)には連続して天面を形成可能なフラップ(32)が、連続している。
【0040】
同様に、矩形のフラップ(23)に連続して天面を形成可能なフラップ(33)が、連続している。
【0041】
これら天面を形成可能な4枚のフラップは、ラップラウンド方式の自動製函機による製函において、4方から内側に向けて折込んで、矩形の天面を形成することができる。
【0042】
天面を形成可能なフラップは、底面の矩形(10)の短辺側の、天面を形成可能なフラップ(30)、及び天面を形成可能なフラップ(31)の2枚では、正方形(90)の隅を直角の頂点とする二等辺三角形である。
【0043】
また、底面の矩形(10)の長辺側の、天面を形成可能なフラップ(32)、及び天面を形成可能なフラップ(33)の2枚では、正方形(90)の隅を直角の頂点とする、二等辺三角形の頂点を切り取った台形となっている。
【0044】
この頂点の切り取りは、ブランク(100)が製函されて天面を形成する際に、正方形(90)の隅の直角の頂点が、天面の矩形からはみ出ないようにするために効果的であって、その寸法の規定については、
図4の説明において後述する。
【0045】
6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、対向する一対のフラップの、折り罫線とフラップの側部で囲まれた四角形の両端部に、各々小フラップ(40)が、折り罫線を介して連続して設けてある。
【0046】
図2に示す例においては、底面の矩形(10)の短辺側に接続する、矩形のフラップ(20)、及びそれに対向する矩形のフラップ(21)に小フラップ(40)が設けてある例である。
【0047】
また、
図2に示す例では、小フラップ(40)は、一辺に3枚づつ設けてある例である。小フラップ(40)は製函において、6面体の胴部の稜線部分を密閉することに効果的であり、また6面体の機械的強度を高めることにも効果的である。
【0048】
図3は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、ブランクを構成するフラップの詳細を説明するための、ブランクの平面模式図である。
【0049】
6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップには、接続する底面の矩形(10)を形成する4辺の折り罫線から、この4辺の折り罫線に平行、かつこの4辺の折り罫線から等距離の、複数の折り罫線がそれぞれのフラップに設けてある。
図3に示す例においては、各フラップに設けられた複数の折り罫線は3本の例である。
【0050】
なお、
図3に示す例において、6面体の胴部の4面のフラップは、網点を入れた4箇所の矩形の部分である。
【0051】
接続する底面の矩形(10)の4辺の折り罫線は、各フラップとの境界線であって、折り罫線(50)、折り罫線(51)、折り罫線(52)、及び折り罫線(53)の4本である。
【0052】
すなわち、短辺側の矩形のフラップ(20)には、底面の矩形(10)に近い側から順に、折り罫線(60)、折り罫線(70)、折り罫線(80)の3本が設けてある。
【0053】
同様に対向する短辺側の、矩形のフラップ(21)には、底面の矩形(10)に近い側から順に、折り罫線(61)、折り罫線(71)、折り罫線(81)の3本が設けてある。
【0054】
長辺側の矩形のフラップ(22)には、底面の矩形(10)に近い側から順に、折り罫線(62)、折り罫線(72)、折り罫線(82)の3本が設けてある。
【0055】
同様に対向する短辺側の、矩形のフラップ(23)には、底面の矩形(10)に近い側から順に、折り罫線(63)、折り罫線(73)、折り罫線(83)の3本が設けてある。
【0056】
これらのフラップに設けた複数の折り罫線は、天面を形成するためにフラップを折り込む際に、いずれかの折り罫線を選択して折込むのであって、製函されるカートンの高さを選択的に決定することができる。
【0057】
したがって、
図3に示す例においては、各矩形のフラップに設けた折り罫線は3本であるから、選択して折込む折り罫線によって、高さが3種類のカートンを製函することができる。
【0058】
本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクは、この6面体の胴部の4面のフラップに、複数の折り罫線をあらかじめ設けておくことで、ラップラウンド方式の自動製函機において、高さの異なるカートンの製函を、型替えなしで行うことを可能にしようとするものである。
【0059】
図4は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様にお
いて、本発明の特徴部分及び寸法をより詳細に説明するための、ブランクの平面模式図である。
【0060】
図4に示す例において、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップのうち、対向する一対のフラップの、平行な折り罫線とフラップの側部で囲まれた四角形の両側端部に、各々小フラップ(40)が、折り罫線を介して連続して設けてある。
【0061】
なお、
図4に示す例において、6面体の胴部の4面を形成する4枚の矩形のフラップは、網点を入れた矩形の部分である。
【0062】
また、
図4に示す例においては、底面の矩形(10)の短辺側に接続する、矩形のフラップ(20)、及びそれに対向する矩形のフラップ(21)にそれぞれ小フラップ(40)が設けてある例である。
【0063】
また、
図4に示す例においては、小フラップ(40)は、一辺に3枚づつ設けてある例である。小フラップ(40)は製函において、6面体の胴部の稜線部分を密閉することに効果的であり、また6面体の機械的強度を高めることにも効果的である。
【0064】
本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクにおいては、ラップラウンド方式の自動製函機への適性が必要であるから、
図4に示すように、小フラップ(40)のうち、一番外側の小フラップ(40)の先端部は、正方形の外周と同一線上、もしくはそれより内側にあって、ラップラウンド方式において自動製函を妨げることなく円滑に行うことができる。
【0065】
加えて、ブランク(100)の最外周が正方形(90)であることにより、ブランク(100)を形成する際においても、ブランク(100)の材料のロスをより少なくすることが可能となる。
【0066】
また、本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクにおいては、
図4に示すように、底面の矩形(10)の短辺の長さをbとして、底面の矩形(10)の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、底面の矩形(10)の長辺に一番近い折り罫線から、台形の上辺までの距離をaとしたとき、
a≦b
である。
【0067】
図4に示す例において見て取れるように、底面の矩形(10)の短辺の長さ(b)は、折り罫線(52)と折り罫線(53)との距離であり、台形の上辺までの距離(a)は、折り罫線(63)と、天面を形成可能なフラップ(33)の台形の上辺までの距離である。
【0068】
台形の上辺までの距離(a)、及び底面の矩形(10)の短辺の長さ(b)が、この関係であることによって、カートンの天面を形成する際に、天面を形成可能なフラップ(32)、及び天面を形成可能なフラップ(33)を内側に折込んだ際にも、それらのフラップの先端が、天面の対向する稜線からはみ出すことなく矩形の天面が形成され、ラップラウンド方式の自動製函機によるカートンの製函が可能となる。
【0069】
これは、それらのフラップを折り罫線(63)、及び折り罫線(62)で折り込んで、台形の上辺までの距離(a)が最大となる場合にも、天面の対向する稜線からはみ出すことなく矩形の天面の形成が可能である。
【0070】
図5は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、カートンの高さを高く、折り罫線の3段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【0071】
図5に示す例は、カートンの組み立てにおいて、カートンの可変の高さを高く組み立てる例である。すなわち、折り罫線(80)で、三角形の、天面を形成可能なフラップ(30)を折り込み、折り罫線(81)で三角形の、天面を形成可能なフラップ(31)を折り込む。
【0072】
さらに、折り罫線(82)で、台形の、天面を形成可能なフラップ(32)を折り込み、折り罫線(83)で天面を形成可能なフラップ(33)を折り込む。このように4枚のフラップを内側に折込んで、カートンの矩形の天面を形成することができる。
【0073】
したがって、この場合にはサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、3段階の内、高さ(h)が最も高いカートンを形成することが可能である。
【0074】
図6は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、カートンの高さを中位に、折り罫線の2段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【0075】
図6に示す例は、カートンの組み立てにおいて、カートンの可変の高さを中くらいに組み立てる例である。すなわち、折り罫線(70)で、三角形の、天面を形成可能なフラップ(30)を折り込み、折り罫線(71)で三角形の、天面を形成可能なフラップ(31)を折り込む。
【0076】
さらに、折り罫線(72)で、台形の、天面を形成可能なフラップ(32)を折り込み、折り罫線(73)で天面を形成可能なフラップ(33)を折り込む。このように4枚のフラップを内側に折込んで、カートンの矩形の天面を形成することができる。
【0077】
したがって、この場合にはサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、3段階の内、高さ(h)が中くらいのカートンを形成することが可能である。
【0078】
図7は本発明に係る、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、カートンの高さを低く、折り罫線の1段目で折って組み立てる様子を説明するための、斜視模式図である。
【0079】
図7に示す例は、カートンの組み立てにおいて、カートンの可変の高さを高く組み立てる例である。すなわち、折り罫線(60)で、三角形の、天面を形成可能なフラップ(30)を折り込み、折り罫線(61)で三角形の、天面を形成可能なフラップ(31)を折り込む。
【0080】
さらに、折り罫線(62)で、台形の、天面を形成可能なフラップ(32)を折り込み、折り罫線(63)で天面を形成可能なフラップ(33)を折り込む。このように4枚のフラップを内側に折込んで、カートンの矩形の天面を形成することができる。
【0081】
本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクにおいては、前述のように、底面の矩形(10)の短辺の長さをbとして、底面の矩形(10)の長辺に連続するフラップの、長辺に平行な複数の折り罫線のうち、底面の矩形(10)の長辺に一番近い折り罫線から、台形の上辺までの距離をaとしたとき、
a≦b
である。
【0082】
台形の上辺までの距離(a)、及び底面の矩形(10)の短辺の長さ(b)が、この関係であることによって、カートンの天面を形成する際に、天面を形成可能なフラップ(32)、及び天面を形成可能なフラップ(33)を内側に折込んだ際にも、それらのフラップの先端が、天面の対向する稜線からはみ出すことなく矩形の天面が形成され、ラップラウンド方式の自動製函機によるカートンの製函が可能となる。
【0083】
これは、それらのフラップを折り罫線(63)、及び折り罫線(62)で折り込んで、台形の上辺までの距離(a)が最大となる場合にも、天面の対向する稜線からはみ出すことなく矩形の天面の形成が可能であることが、
図7に示す例において見て取れる。
【0084】
このように、この場合にはサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの一実施態様において、3段階の内、高さ(h)が最も低いカートンを形成することが可能である。
【0085】
サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクを用いて形成されるカートンは、例えば、同じ大きさの枚葉の内容物を入り数を変えて収納する場合に用いることが可能である。すなわち、従来は品種切り替え、型替えを必要とし、切り替えロスが発生していたものを、本発明によるサイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクを用いることによって、改善が可能であり、小ロット、多品種化への対応が可能となる。
【0086】
このようにして、本発明によれば、ラップラウンド方式の自動製函機への適性を有し、カートンの高さの変更を、型替えなしで行うことができる、サイズ可変ラップラウンドカートン用ブランクの提供が可能である。
【符号の説明】
【0087】
10・・・底面の矩形
20・・・矩形のフラップ
21・・・矩形のフラップ
22・・・矩形のフラップ
23・・・矩形のフラップ
30・・・天面を形成可能なフラップ
31・・・天面を形成可能なフラップ
32・・・天面を形成可能なフラップ
33・・・天面を形成可能なフラップ
50・・・折り罫線
51・・・折り罫線
52・・・折り罫線
53・・・折り罫線
60・・・折り罫線
61・・・折り罫線
62・・・折り罫線
63・・・折り罫線
70・・・折り罫線
71・・・折り罫線
72・・・折り罫線
73・・・折り罫線
80・・・折り罫線
81・・・折り罫線
82・・・折り罫線
83・・・折り罫線
90・・・四角形
100・・・ブランク
a・・・台形の上辺までの距離
b・・・短辺の長さ
h・・・高さ