(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191748
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ファクシミリ装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221221BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20221221BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
G06K19/06 037
G06K7/14 017
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100175
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】吉村 薫子
(72)【発明者】
【氏名】前田 良太
(72)【発明者】
【氏名】池田 優汰
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 秀行
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼村 春菜
(72)【発明者】
【氏名】神田 睦月
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA30
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC35
5C062AE02
5C062AE07
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF13
5C062AF14
5C062BC06
(57)【要約】
【課題】返信されてきた原稿の確認に適したファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】ファクシミリ装置100は、記録部71と、解析部12と、表示部60とを備える。記録部71は、原稿Gの送信時に原稿Gのタイトル及び同一タイトル中のページ番号を示す二次元バーコードを原稿Gの余白部分に記録する。解析部12は、返信されてきた原稿Gの受信時に二次元バーコードを解析する。表示部60は、解析により二次元バーコードから得られたタイトル及びページ番号を表示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の送信時に前記原稿のタイトル及び同一タイトル中のページ番号を示す二次元バーコードを前記原稿の余白部分に記録する記録部と、
返信されてきた前記原稿の受信時に前記二次元バーコードを解析する解析部と、
前記解析により前記二次元バーコードから得られた前記タイトル及び前記ページ番号を表示する表示部と、
を備えたファクシミリ装置。
【請求項2】
前記原稿の送信時に前記タイトル及び返信を要するページの前記ページ番号を記憶する記憶部と、
前記解析により前記二次元バーコードから得られた前記タイトル及び前記ページ番号が前記記憶部に記憶された前記タイトル及び前記ページ番号と一致するか否かを判定する判定部と、
を更に備え、
前記表示部は、前記判定部の判定結果を更に表示する、請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記原稿の送信時に前記原稿の各ページが返信を要するページであるか否かを決定する決定部を更に備えた、請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記原稿中の返信を要するページが未返信である場合に、前記未返信のページについて返信元に再送を依頼するように管理する管理部を更に備えた、請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
受信した前記原稿中の返信を要するページが所定の条件を満たすか否かを検査する検査部と、
前記所定の条件を満たさないページについて返信元に再送を依頼するように管理する管理部と、
を更に備えた、請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項6】
前記原稿の全ページが返信されてきた場合、前記全ページの出力を実行するか、前記返信を要するページのうち前記所定の条件を満たすページのみの出力を実行するか、前記全ページのうち再送を依頼しない全てのページの出力を実行するかを選択する選択部を更に備えた、請求項5に記載のファクシミリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のファクシミリ装置は、同一原稿の再送信時に有効活用できるように、送信時に、送信先及び原稿枚数を含む送信情報を示す二次元バーコードを原稿の余白部分に記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
送信側は、送信原稿のうち特定のページのみ捺印のうえ返信されることを希望する場合がある。ところが、特許文献1に記載のファクシミリ装置では、捺印後に返信されてきた原稿を送信側で容易には確認できなかった。
【0005】
本発明は、返信されてきた原稿の確認に適したファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のファクシミリ装置は、記録部と、解析部と、表示部とを備える。前記記録部は、原稿の送信時に前記原稿のタイトル及び同一タイトル中のページ番号を示す二次元バーコードを前記原稿の余白部分に記録する。前記解析部は、返信されてきた前記原稿の受信時に前記二次元バーコードを解析する。前記表示部は、前記解析により前記二次元バーコードから得られた前記タイトル及び前記ページ番号を表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、返信されてきた原稿の確認に適したファクシミリ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るファクシミリ装置の構造の一例を示す概略図である。
【
図2】ファクシミリ装置の回路構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】ファクシミリ装置の送信動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】ファクシミリ装置の受信動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】受信動作における情報表示の一例を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、実施形態に係るファクシミリ装置100の構造について説明する。
図1は、ファクシミリ装置100の構造の一例を示す概略図である。ファクシミリ装置100は、例えば、ファクシミリ機能を有する複合機のような画像形成装置、又はファクシミリ機能を有する電話機である。以下では、一例として、ファクシミリ装置100が画像形成装置(デスク上に載置可能な小型の複合機)である場合について説明する。
【0011】
図1に示されるように、ファクシミリ装置100は、読取部70、画像形成ユニット80、給送部90、搬送部91、及び排出部92を備える。
【0012】
読取部70は、原稿Gに形成された画像(例えば、ファクシミリ送信の対象となる画像)を読み取る。給送部90は、複数のシートSを収容し、搬送部91へシートSを給送する。シートSは、例えば、紙製又は合成樹脂製のA4サイズのシートである。搬送部91は、複数の搬送ローラー対を含み、画像形成ユニット80にシートSを搬送する。
【0013】
読取部70は、記録部71を有する。記録部71は、送信時に原稿Gの画像が読み取られる際に、原稿Gの余白部分に二次元バーコードを記録する。二次元バーコードは、原稿Gのタイトル及び同一タイトル中のページ番号を示す。
【0014】
画像形成ユニット80は、電子写真方式によってシートSに画像(例えば、外部ファクシミリ装置から受信した画像データに対応する画像)を形成し、画像を加熱及び加圧してシートSに画像を定着させる。具体的には、画像形成ユニット80は、感光体ドラムと、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、転写装置と、クリーニング装置と、除電装置と、定着装置とを含む。搬送部91は、画像の定着されたシートSを排出部92に搬送する。排出部92はファクシミリ装置100の外部にシートSを排出する。
【0015】
図1に示されるように、ファクシミリ装置100は、音声通話部40、入力部20、及び表示部60を更に備える。
【0016】
音声通話部40は、例えば、オプションで接続可能なハンドセットである。音声通話部40は、電話機本体41と、受話器42と、報知用スピーカー(図示せず)とを含む。入力部20は、例えば、タッチパネル機能と種々のハードウェアボタンとを有する操作パネルである。ハードウェアボタンは、送信ボタンを含む。表示部60は、ソフトウェアボタンを表示可能なタッチパネル機能を有するディスプレーであり、操作パネルに配置される。このような表示部60は、入力部20を兼ね得る。
【0017】
次に、
図1及び
図2を参照して、ファクシミリ装置100の回路構成について説明する。
図2は、ファクシミリ装置100の回路構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図2に示されるように、ファクシミリ装置100は、通信部30、記憶部50、及び制御部10を更に備える。
【0019】
通信部30は、公衆回線網を介して、外部ファクシミリ装置と互いに通信可能に接続されている。通信部30は、例えば、NCU(Network Control Unit)と、モデムと、符号化/復号化部とを有する。
【0020】
記憶部50は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。記憶部50は、半導体メモリーのような主記憶装置と、ハードディスクドライブ(HDD)のような補助記憶装置とを含む。
【0021】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含み、記憶部50に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、ファクシミリ装置100の各構成を制御する。
【0022】
特に、制御部10は、記憶部50に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、決定部11、解析部12、判定部13、管理部14、検査部15、及び選択部16として機能する。
【0023】
決定部11は、原稿Gの送信時に、原稿Gから得られた画像データの文字認識の結果に基づいて、原稿Gの各ページが捺印のうえ返信を要するページ(要返信ページ)であるか否かを決定する。例えば、「捺印」に関連する文字が検出されたページや、見積書、作業標準書のような書類名がタイトル部分に記載されたページが要返信ページとして決定される。
【0024】
解析部12は、返信されてきた原稿Gの受信時に、二次元バーコードを解析する。二次元バーコードは、原稿Gの送信時に、記録部71によって原稿Gの余白部分に記録されたものである。解析部12が実行した解析により二次元バーコードから得られたタイトル及びページ番号は、表示部60に表示される。
【0025】
記憶部50は、原稿Gの送信時に、原稿Gのタイトル及び要返信ページのページ番号を記憶することができる。判定部13は、解析部12が実行した解析により二次元バーコードから得られたタイトル及びページ番号が、記憶部50に記憶されたタイトル及びページ番号と一致するか否かを判定する。表示部60は、判定部13の判定結果を更に表示する。
【0026】
管理部14は、原稿G中の要返信ページが未返信である場合に、未返信のページについて返信元に再送を依頼するように管理する。
【0027】
検査部15は、受信した原稿G中の要返信ページが所定の条件を満たすか否かを検査する。所定の条件は、例えば、所定の位置に捺印が存在することである。管理部14は、未返信のページに加えて、返信を受けたページのうち所定の条件を満たさないページについても、返信元に再送を依頼するように管理する。
【0028】
選択部16は、原稿Gの全ページが返信されてきた場合、受信した全ページの出力を実行するか、要返信ページのうち所定の条件を満たすページのみの出力を実行するか、受信した全ページのうち再送を依頼しない全てのページの出力を実行するかを選択する。出力は、印刷又は送信を含む。
【0029】
次に、
図3を参照して、ファクシミリ装置100の送信動作について説明する。
図3は、ファクシミリ装置100の送信動作の一例を示すフローチャートである。
【0030】
ステップS101:
図3に示されるように、原稿Gが読取部70にセットされる。原稿Gは、同一タイトル下に複数のページを含み得る。
【0031】
ステップS103:制御部10は、入力部20を介して、読取部70にセットされた原稿Gに関する情報の入力を受ける。入力情報は、原稿Gのタイトル及び枚数を含む。入力情報は、要返信ページのページ番号を更に含み得る。
【0032】
ステップS105:入力部20の送信ボタンが押下される。原稿Gは、1枚ずつ読取部70の画像読取にかけられる。決定部11は、入力情報が要返信ページの情報を含まない場合、原稿Gから得られた画像データの文字認識の結果に基づいて、要返信ページを決定する。
【0033】
ステップS107:記録部71は、原稿Gの余白部分に二次元バーコードを記録する。二次元バーコードは、原稿Gのタイトル及び同一タイトル中のページ番号を示す。
【0034】
ステップS109:二次元バーコードを含む原稿Gの画像データは、通信部30によって外部ファクシミリ装置へ送信される。
【0035】
次に、
図4を参照して、ファクシミリ装置100の受信動作について説明する。
図4は、ファクシミリ装置100の受信動作の一例を示すフローチャートである。
【0036】
ステップS201:
図4に示されるように、通信部30は、外部ファクシミリ装置から返信されてきた原稿Gの画像データを受信する。
【0037】
ステップS203:解析部12は、原稿Gの余白部分に記録された二次元バーコードを解析する。
【0038】
ステップS205:表示部60は、解析部12が実行した解析により二次元バーコードから得られた情報を表示する。表示される情報は、返信されてきた原稿Gのタイトル及びページ番号を含む。表示される情報は、返信されてきた原稿Gのタイトル及びページ番号が、返信を要する原稿Gのタイトル及びページ番号と一致するか否かに関する判定部13の判定結果を更に含み得る。ユーザーは、特定ページの未返信を容易に確認することができ、相手にメール、電話等で早期に再送を依頼することができる。
【0039】
ステップS207:制御部10は、入力部20を介したユーザー指示に従って、受信データを出力すべきか否かを判定する。受信データを出力すべきであると制御部10が判定した場合(ステップS207でYes)には、ファクシミリ装置100の動作がステップS209へ進む。受信データを出力すべきでないと制御部10が判定した場合(ステップS207でNo)には、ファクシミリ装置100の動作が終了する。
【0040】
ステップS209:受信データの印刷又は送信が実行される。受信データの印刷は、画像形成ユニット80により実行される。ファクシミリ装置100は、例えばLAN(Local Area Network)を介してパーソナルコンピューターへ受信データを送信することも可能である。
【0041】
次に、
図4及び
図5を参照して、受信動作における情報表示について説明する。
図5は、受信動作における情報表示の一例を示す画面図である。
【0042】
図5に示されるように、入力部20を兼ねる表示部60は、
図4のステップS205において、「xx-xxxx-xxxxからタイトル:○○○、ページ番号:1、8の返信を受けました」のような、解析部12による解析結果を表示する。要返信ページがページ1、5、及び8であった場合、表示部60は、「ただし、タイトル:○○○、ページ番号:5が未返信です」のような、判定部13による判定結果を更に表示する。表示部60は、「再送を依頼しますか?」とのメッセージとともに、「する」ボタン61と、「しない」ボタン62とを更に表示する。「する」ボタン61がユーザーによってタッチされた場合、管理部14は、未返信のページについて、通信部30を介して返信元への再送依頼が実行されるように管理する。
【0043】
検査部15は、受信ページ中の捺印漏れを検査することができる。未返信ページに加えて捺印漏れページについても、管理部14による再送依頼の対象となる。
【0044】
10ページで構成された原稿Gのうち要返信ページであるページ1、5、及び8を含む原稿Gの全ページが返信されてきた場合、選択部16は、次の動作(1)~動作(3)のうちのいずれかを選択することができる。すなわち、動作(1)が選択された場合、無条件で全ページ(ページ1~10)が出力される。動作(2)が選択された場合、要返信ページのうち捺印付きで返信を受けたページ(ページ1及び8)のみが出力され、要返信ページ以外のページ(ページ2~4、6、7、9、及び10)は出力されず、再送依頼の対象とされるページ(ページ5)も出力されない。動作(3)が選択された場合、要返信ページ以外のページを含む再送依頼の対象でないページ(ページ1~4、6~10)が全て出力され、再送依頼の対象とされるページ(ページ5)は出力されない。
【0045】
実施形態によれば、返信されてきた原稿Gの確認に適したファクシミリ装置100が提供される。
【0046】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、ファクシミリ装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 制御部
11 決定部
12 解析部
13 判定部
14 管理部
15 検査部
16 選択部
50 記憶部
60 表示部
70 読取部
71 記録部
100 ファクシミリ装置
G 原稿