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特開2022-191756端子保護用電圧検出回路及び電源装置
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  • 特開-端子保護用電圧検出回路及び電源装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191756
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】端子保護用電圧検出回路及び電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/20 20060101AFI20221221BHJP
   H02H 3/08 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
H02H7/20 A
H02H3/08 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100187
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(72)【発明者】
【氏名】長野 昌明
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 智紀
(72)【発明者】
【氏名】谷野 光平
【テーマコード(参考)】
5G004
5G053
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004AB02
5G004BA03
5G004DA02
5G053AA02
5G053BA01
5G053CA01
5G053EB01
5G053EB05
(57)【要約】
【課題】各出力端子の電流を検出し、上記のような焼損リスクを無くすことができる端子保護用電圧検出回路等を提供する。
【解決手段】端子保護用電圧検出回路は、電源装置における複数の出力端子を有する端子台を保護するために、前記電源装置から複数の出力端子を介してそれぞれ複数の負荷に流れる複数の出力電流を検出する電流検出部と、前記検出された複数の出力電流の和を所定の第1のしきい値と比較し、前記複数の出力電流の和が前記第1のしきい値以上のときに、第1の比較結果信号を出力する第1の比較器と、前記検出された複数の出力電流のうちの最大値を所定の第2のしきい値と比較し、前記最大値が前記第2のしきい値以上のときに、第2の比較結果信号を出力する第2の比較器と、前記第1の比較結果信号又は前記第2の比較結果信号に基づいて、前記電源装置から前記複数の出力端子に電流が流れることを停止させる電流停止部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置における複数の出力端子を有する端子台を保護するための端子保護用電圧検出回路であって、
前記電源装置から複数の出力端子を介してそれぞれ複数の負荷に流れる複数の出力電流を検出する電流検出部と、
前記検出された複数の出力電流の和を所定の第1のしきい値と比較し、前記複数の出力電流の和が前記第1のしきい値以上のときに、第1の比較結果信号を出力する第1の比較器と、
前記検出された複数の出力電流のうちの最大値を所定の第2のしきい値と比較し、前記最大値が前記第2のしきい値以上のときに、第2の比較結果信号を出力する第2の比較器と、
前記第1の比較結果信号又は前記第2の比較結果信号に基づいて、前記電源装置から前記複数の出力端子に電流が流れることを停止させる電流停止部と、
を備える端子保護用電圧検出回路。
【請求項2】
前記電流検出部は、前記検出された複数の出力電流をそれぞれ複数の電圧値に変換し、
前記第1の比較器は、前記変換された複数の電圧値の和を所定の第3のしきい値と比較し、前記複数の電圧値の和が前記第3のしきい値以上のときに、前記第1の比較結果信号を出力し、
前記第2の比較器は、前記変換された複数の電圧値のうちの最大値を所定の第4のしきい値と比較し、前記最大値が前記第4のしきい値以上のときに、前記第2の比較結果信号を出力する、
請求項1に記載の端子保護用電圧検出回路。
【請求項3】
前記電流検出部は、前記検出された複数の出力電流をそれぞれ複数の電圧値に変換した後、増幅する、
請求項2に記載の端子保護用電圧検出回路。
【請求項4】
前記第1のしきい値は、前記端子台全体の定格電流値であり、
前記第2のしきい値は、前記複数の出力端子の各定格電流値である、
請求項1~3のうちのいずれか1つに記載の端子保護用電圧検出回路。
【請求項5】
請求項1~4のうちのいずれか1つに記載の端子保護用電圧検出回路を備える電源装置であって、
前記電源装置は、
直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
前記インバータ回路からの交流電力を直流電力に変換する整流回路とを備え、
前記電流停止部は、前記インバータ回路の動作を停止させる、
電源装置。
【請求項6】
前記インバータ回路は、
前記直流電力をスイッチングして交流電力に変換するスイッチング素子と、
駆動制御信号を発生してスイッチング素子に出力する駆動制御回路とを備え、
前記電流停止部は、前記駆動制御回路における駆動制御信号の発生を停止させる、
請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
前記駆動制御信号は、PWMゲート信号又はFMゲート信号である、
請求項6に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置の複数の端子を保護するための端子保護用電圧検出回路及び、前記端子保護用電圧検出回路を備える電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術に係る電源装置は、複数の負荷を接続するために複数の出力端子を有する端子台を備えている(例えば、特許文献1参照)。ここで、一般的に、例えば大電流が出力できる電源装置の場合、複数の出力端子を有する端子台を出力電流に応じて大きくする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-116366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電源装置における実際の端子台を大きくすると、配線が太くなり、加工が困難となる。また、出力電流を分割するために、それぞれの負荷に配線を分けたとしても、負荷がショートして破壊してしまうと、そこに出力電流が集中してしまい、対応する出力端子の配線が焼損する可能性がある。
【0005】
また、ユーザが2本の配線を並列に接続したつもりが、誤接続により1本の配線が非接触になり、片方の配線に出力電流が集中した場合も、当該配線が焼損する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、各出力端子の電流を検出し、上記のような焼損リスクを無くすことができる端子保護用電圧検出回路及び、前記端子保護用電圧検出回路を備える電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る端子保護用電圧検出回路は、
電源装置における複数の出力端子を有する端子台を保護するための端子保護用電圧検出回路であって、
前記電源装置から複数の出力端子を介してそれぞれ複数の負荷に流れる複数の出力電流を検出する電流検出部と、
前記検出された複数の出力電流の和を所定の第1のしきい値と比較し、前記複数の出力電流の和が前記第1のしきい値以上のときに、第1の比較結果信号を出力する第1の比較器と、
前記検出された複数の出力電流のうちの最大値を所定の第2のしきい値と比較し、前記最大値が前記第2のしきい値以上のときに、第2の比較結果信号を出力する第2の比較器と、
前記第1の比較結果信号又は前記第2の比較結果信号に基づいて、前記電源装置から前記複数の出力端子に電流が流れることを停止させる電流停止部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
従って、本発明に係る端子保護用電圧検出回路によれば、各出力端子の電流を検出し、上記のような焼損リスクを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る端子保護用電圧検出回路20を備える電源装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、同一又は同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0011】
(発明者の知見)
上述のように、複数の負荷を接続するために複数の出力端子を有する端子台を備える、従来技術に係る電源装置では、例えば大電流が出力できる電源装置の場合、複数の出力端子を有する端子台を出力電流に応じて大きくする必要がある。しかし、電源装置における実際の端子台を大きくすると、配線が太くなり、加工が困難となる。また、出力電流を分割するために、それぞれの負荷に配線を分けたとしても、負荷がショートして破壊してしまうと、そこに出力電流が集中してしまい、対応する出力端子の配線が焼損する可能性があるため、それを防ぐ必要がある。
【0012】
そのため、本発明者は、各出力端子において過電流監視を行い、それぞれの出力端子が定格を超えないように構成することを考案した。具体的には、各差動増幅器で各出力端子の出力電流を増幅させた後に、各端子保護用の電流制御と電流の総合計の電流制御を同時に行うことで、実装面積に大きく影響を与えず、各出力端子の電流制御を行うことができるように構成した。
【0013】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る端子保護用電圧検出回路20を備える電源装置の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1において、本実施形態に係る電源装置は、直流電源1と、平滑用電解キャパシタC1と、インバータ回路2と、整流回路3と、平滑用電解キャパシタC2と、抵抗Rdと、PWM制御回路10と、4個の出力端子41~44を有する端子台4と、4個の出力端子51~54を有する端子台5と、電流検出抵抗R1~R4と、端子保護用電圧検出回路20とを備えて構成される。インバータ回路2は、MOSトランジスタQ1と、インダクタL1とを備え、整流回路3は2個のダイオードD1,D2を備え、単相全波整流回路を構成する。ここで、インダクタL1,L2は結合度kで電磁的に結合されたトランスTR1を構成する。
【0015】
PWM制御回路10はインバータ回路2の駆動制御回路であって、端子保護用電圧検出回路20からの帰還制御信号FBに基づいて、所定の周期を有するPWMゲート信号(駆動制御信号)を発生して抵抗Rdを介してMOSトランジスタQ1のゲートに印加する。これにより、インバータ回路2は、直流電源1からの直流電圧をスイッチングすることで、交流電圧を発生して整流回路3に出力する。PWM制御回路10は、ローレベルの帰還制御信号FBに基づいて、PWMゲート信号を発生し、ハイレベルの帰還制御信号FBに基づいてその発生を停止する。整流回路3は入力される交流電圧を直流電圧に変換して、電流検出抵抗R1~R4(マイナス側のみ)及び端子台4,5の各出力端子(41,51;42,52;43,53;44,54)を介して負荷61~64に出力する。
【0016】
端子保護用電圧検出回路20は、
(1)帰還抵抗R21と、出力抵抗R11と、出力ダイオードD11とを有する差動増幅器21と、
(2)帰還抵抗R22と、出力抵抗R12と、出力ダイオードD12とを有する差動増幅器22と、
(3)帰還抵抗R23と、出力抵抗R13と、出力ダイオードD13とを有する差動増幅器23と、
(4)帰還抵抗R24と、出力抵抗R14と、出力ダイオードD14とを有する差動増幅器24と、
(5)抵抗R15と、
(6)分圧抵抗R31,R32と、
(7)可変抵抗VR1,VR2と、
(8)出力抵抗R33と、
(9)コンパレータ31,32と、
(10)出力ダイオードD21,D22と、
(11)バイポーラトランジスタQ11と、
(12)発光ダイオードD31と、フォトトランジスタQ31とを有するフォトカップラ25と、
を備えて構成される。
【0017】
差動増幅器21~24はいわゆるオペアンプであり、非反転入力端子に印加される電圧から反転入力端子に印加される電圧を減算した差の電圧を増幅して出力する。
【0018】
差動増幅器21の反転入力端子には電流検出抵抗R11の両端電圧(当該両端電圧は出力端子51又は負荷61に流れる出力電流I1に比例する)が印加され、その反転入力端子と出力端子との間には帰還抵抗R21が接続される。差動増幅器21の出力電圧V1は抵抗R11及び接続点P1を介してコンパレータ31の非反転入力端子に出力されるとともに、出力ダイオードD11及び接続点P2を介してコンパレータ32の非反転入力端子に出力される。
【0019】
差動増幅器22の非反転入力端子には電流検出抵抗R12の両端電圧(当該両端電圧は出力端子52又は負荷62に流れる出力電流I2に比例する)が印加され、その反転入力端子と出力端子との間には帰還抵抗R22が接続される。差動増幅器22の出力電圧V2は抵抗R12及び接続点P1を介してコンパレータ31の非反転入力端子に出力されるとともに、出力ダイオードD12及び接続点P2を介してコンパレータ32の非反転入力端子に出力される。
【0020】
差動増幅器23の非反転入力端子には電流検出抵抗R13の両端電圧(当該両端電圧は出力端子53又は負荷63に流れる出力電流I3に比例する)が印加され、その反転入力端子と出力端子との間には帰還抵抗R23が接続される。差動増幅器23の出力電圧V3は抵抗R13及び接続点P1を介してコンパレータ31の非反転入力端子に出力されるとともに、出力ダイオードD13及び接続点P2を介してコンパレータ32の非反転入力端子に出力される。
【0021】
差動増幅器24の非反転入力端子には電流検出抵抗R14の両端電圧(当該両端電圧は出力端子54又は負荷64に流れる出力電流I4に比例する)が印加され、その反転入力端子と出力端子との間には帰還抵抗R24が接続される。差動増幅器24の出力電圧V24は抵抗R14及び接続点P1を介してコンパレータ31の非反転入力端子に出力されるとともに、出力ダイオードD14及び接続点P2を介してコンパレータ32の非反転入力端子に出力される。
【0022】
ここで、接続点P1は抵抗R15を介して負の電源電圧-VCCに接続される。正の電源電圧+VCCは分圧抵抗R31及び可変抵抗VR1を介して接地されるとともに、分圧抵抗R32及び可変抵抗VR2を介して接地される。また、正の電源電圧+VCCは抵抗R33を介してフォトカップラ25の発光ダイオードD31のアノードに接続され、そのカソードはバイポーラトランジスタQ11のコレクタ及びエミッタを介して接地される。
【0023】
分圧抵抗R31と可変抵抗VR1との接続点P11の電圧V11thは、例えば出力端子51~54の全体電流の定格電流に対応するように、可変抵抗VR1を調整することで設定され、当該電圧は第1のしきい値電圧V11としてコンパレータ31の反転入力端子に印加される。また、分圧抵抗R32と可変抵抗VR2との接続点P12の電圧V12thは、例えば出力端子51~54の各電流の定格電流に対応するように、可変抵抗VR2を調整することで設定され、当該電圧は第2のしきい値電圧V12としてコンパレータ32の反転入力端子に印加される。
【0024】
ここで、接続点P1の電圧V11は、出力端子51~54に流れる各電流の和(全体電流)に比例するように対応する。また、接続点P2の電圧V12は、出力端子51~54に流れる各電流の最大値に比例するように対応する。
【0025】
コンパレータ31は、V11≧V11thのときにハイレベルの比較結果信号SC1を、ダイオードD21を介してバイポーラトランジスタQ11のベースに印加する一方、V11<V11thのときにローレベルの比較結果信号SC1を、ダイオードD21を介してバイポーラトランジスタQ11のベースに印加する。また、コンパレータ32は、V12≧V12thのときにハイレベルの比較結果信号SC2を、ダイオードD22を介してバイポーラトランジスタQ11のベースに印加する一方、V12<V12thのときにローレベルの比較結果信号SC2を、ダイオードD22を介してバイポーラトランジスタQ11のベースに印加する。
【0026】
ここで、電流検出抵抗R1~R4(さらに差動増幅器21~24を含んでもよい)は電流検出部の一例であり、コンパレータ31,32は比較器の一例である。
【0027】
比較結果信号SC1,SC2のいずれか1つがハイレベルであるときに、バイポーラトランジスタQ11がオンされ、その結果、発光ダイオードD31が発光し、その発光光がフォトトランジスタQ31に入射し、ハイレベルの帰還制御信号FBがPWM制御回路10に出力される。一方、比較結果信号SC1,SC2のいずれもがローレベルであるときに、バイポーラトランジスタQ11がオフされ、その結果、発光ダイオードD31が消灯し、フォトカップラ25からローレベルの帰還制御信号FBがPWM制御回路10に出力される。
【0028】
以上のように構成された端子保護用電圧検出回路20を備える電源装置の動作について以下に説明する。
【0029】
電源装置の出力電流I1~I4は、プラス側の端子台4の各出力端子41~44からそれぞれ、負荷61~64を介して、マイナス側の端子台5の各出力端子51~54に戻ってくる。ここで、出力端子51に流れる電流I1は抵抗R1に流れ、抵抗R1の両端電圧は差動増幅器21により増幅された後、電圧V1となる。また、出力端子52に流れる電流I2は抵抗R2に流れ、抵抗R2の両端電圧は差動増幅器22により増幅された後、電圧V2となる。さらに、出力端子53に流れる電流I3は抵抗R3に流れ、抵抗R3の両端電圧は差動増幅器23により増幅された後、電圧V3となる。またさらに、出力端子54に流れる電流I4は抵抗R4に流れ、抵抗R4の両端電圧は差動増幅器24により増幅された後、電圧V4となる。
【0030】
ここで、一般的に端子台4,5の各出力端子41~44,51,54は同形状のため、例えば、次式のように設定される。
【0031】
R1=R2=R3=R4
R11=R12=R13=R14
【0032】
(ケース1)出力端子41~44のうちのいずれかの出力端子において、その定格電流(第2のしきい値電圧V12thに対応する)以上の電流が流れた場合(出力端子41~44に流れる各電流の最大値が当該定格電流以上になった場合)は、
(1)V1≧V12th、又は
(2)V2≧V12th、又は
(3)V3≧V12th、又は
(4)V4≧V12th
となり、比較結果信号SC2がハイレベルとなる。このとき、フォトカップラ25のフォトダイオードD31を点灯させて、ハイレベルの帰還制御信号FBを発生し、PWM制御回路10によるPWMゲート信号の発生を停止させる。
【0033】
(ケース2)電源装置全体の出力電流がその定格電流(第1のしきい値電圧V11thに対応する)を超えた場合、
(1)出力抵抗R11に流れる電流はV1/R11となり、
(2)出力抵抗R12に流れる電流はV1/R12となり、
(3)出力抵抗R13に流れる電流はV1/R13となり、
(4)出力抵抗R14に流れる電流はV1/R14となり、
合成された電流が負の電源電圧-VCCから流れる-VCC/R15の電流値より大きくなるため、比較結果信号SC1がハイレベルとなる。このとき、フォトカップラ25のフォトダイオードD31を点灯させて、ハイレベルの帰還制御信号FBを発生し、PWM制御回路10によるPWMゲート信号の発生を停止させる。
【0034】
以上のケース1又は2の場合において、電源装置全体の電流が定格電流量(第1のしきい値電流)を超えたとき、もしくは、各出力端子の電流のうちのいずれかが定格電流(第2のしきい値電流)を超えたときに、ハイレベルの帰還制御信号FBを発生し、PWM制御回路10によるPWMゲート信号の発生を停止させる。これにより、端子台4,5の各出力端子41~44,51~54又はそれらの配線が焼損により破壊されることを防止し、電源装置において過電流が流れることを防止できる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、大電流を流すために、複数の出力端子から配線した場合において、負荷破損や端子非接触時の出力端子への電流集中を防ぐことが出来、出力端子や配線が焼損するリスクを無くすことが出来る。
【0036】
(変形例)
以上の実施形態において、PWM制御回路10は、帰還制御信号FBに基づいてPWMゲート信号を発生してインバータ回路2を駆動制御しているが、本発明はこれに限らず、FMゲート信号を用いて周波数で制御する方式などの他の方式を用いたFM制御回路等の駆動制御回路により、インバータ回路2を駆動制御してもよい。
【0037】
以上の実施形態においては、それぞれ4個の出力端子41~44,51~54を有する端子台4,5を備えているが、本発明はこれに限らず、複数個の端子台を用いてもよい。
【0038】
以上の実施形態においては、電流検出抵抗R1~R4を出力端子のマイナス側に挿入しているが、本発明はこれに限らず、出力端子のプラス側に挿入してもよい。
【0039】
以上の実施形態においては、インバータ回路2は、直流電圧を交流電圧に変換する回路で構成したが、本発明はこれに限らず、直流電力を交流電力に変換する回路で構成してもよい。
【0040】
以上の実施形態においては、整流回路3は、交流電圧を直流電圧に変換する回路で構成したが、本発明はこれに限らず、交流電力を直流電力に変換する回路で構成してもよい。
【0041】
以上の実施形態においては、インバータ回路2はスイッチング素子としてMOSトランジスタQ1を用いて構成したが、本発明はこれに限らず、例えばサイリスタ等のスイッチング素子を用いて構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上詳述したように、本発明に係る端子保護用電圧検出回路によれば、各出力端子の電流を検出し、上記のような焼損リスクを無くすことができる。
【符号の説明】
【0043】
1 直流電源
2 インバータ回路
3 整流回路
4,5 端子台
10 PWM制御回路
20 端子保護用電圧検出回路
21~24 差動増幅器
25 フォトカップラ
31~32 コンパレータ
41~44,51~54 出力端子
61~64 負荷
C1~C2 電解キャパシタ
D1~D22 ダイオード
D31 発光ダイオード
L1~L2 インダクタ
P1~P12 接続点
Q1 MOSトランジスタ
Q11 バイポーラトランジスタ
Q31 フォトトランジスタ
Rd,R11~R33 抵抗
R1~R4 電流検出抵抗
TR1 トランス
VR1~VR2 可変抵抗
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
差動増幅器24の非反転入力端子には電流検出抵抗R14の両端電圧(当該両端電圧は出力端子54又は負荷64に流れる出力電流I4に比例する)が印加され、その反転入力端子と出力端子との間には帰還抵抗R24が接続される。差動増幅器24の出力電圧V4は抵抗R14及び接続点P1を介してコンパレータ31の非反転入力端子に出力されるとともに、出力ダイオードD14及び接続点P2を介してコンパレータ32の非反転入力端子に出力される。