IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 綜合警備保障株式会社の特許一覧

特開2022-191772移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法
<>
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図1
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図2
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図3
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図4
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図5
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図6
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図7
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図8
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図9
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図10
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図11
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図12
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図13
  • 特開-移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191772
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20221221BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G08B27/00 A
G08B21/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100211
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000202361
【氏名又は名称】綜合警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(72)【発明者】
【氏名】金子 真
(72)【発明者】
【氏名】井下田 吉男
(72)【発明者】
【氏名】工藤 純一
(72)【発明者】
【氏名】大道 寛人
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA11
5C086BA24
5C086CA10
5C086CA16
5C086CA25
5C086CA28
5C086CA30
5C086CB36
5C086DA40
5C086FA02
5C086FA07
5C086FA11
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA11
5C087AA32
5C087AA40
5C087DD02
5C087DD17
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG82
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移動体を用いて災害地域の残留者に効率良く対応することができる、移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法を提供する。
【解決手段】移動体制御装置30は、避難情報を取得し、取得した避難情報に基づいて、巡視経路情報を生成し、移動体40aに通知する。移動体40aは、巡視経路情報にしたがって巡視を行い、残留者が存在する場合は避難誘導を行う。移動体40aは、決められた時間内に避難が完了しない場合に、移動体制御装置30にアラートを通知し、移動体制御装置30で避難誘導の引き継ぎが必要と判定した場合は、別の移動体40bを避難誘導位置へ向かわせ、避難誘導を引き継がせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止画像又は動画像を撮像する撮像装置が搭載され、所定の地域の巡視を行う第1の移動体及び第2の移動体と、前記第1の移動体及び前記第2の移動体の移動制御を行う移動体制御装置とを有する移動体制御システムであって、
前記移動体制御装置は、
所定の地域からの避難に係る避難情報を管理する管理装置から前記避難情報を取得する避難情報取得部と、
少なくとも前記避難情報に基づいて、前記第1の移動体の巡視経路を特定する巡視経路特定部と、
前記第1の移動体の撮像装置により撮像された静止画像又は動画像に人物が含まれる場合に、前記第1の移動体に前記人物の避難誘導を行う避難誘導情報を通知する避難誘導情報通知部と、
前記第2の移動体に対して前記人物の避難誘導を開始した位置から前記巡視経路上の巡視を引き継がせるための引継情報を通知する引継情報通知部と
を備えたことを特徴とする移動体制御システム。
【請求項2】
前記第1の移動体は、
前記移動体制御装置により特定された前記巡視経路に対して自装置である第1の移動体を自律的に移動制御する移動制御部と、
前記巡視経路の移動中に前記撮像装置で撮像した静止画像又は動画像を前記移動体制御装置に送信する画像送信手段と、
前記移動体制御装置から前記避難誘導情報を受け付けた場合に、該避難誘導情報に含まれる避難誘導の対象者となる人物の避難誘導を行う避難誘導部と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の移動体制御システム。
【請求項3】
前記避難誘導部は、
前記移動体制御装置から人物の誘導指示を受け付けた場合に、所定の警報音、所定の警報メッセージ音及び/又は発光により、前記人物の避難誘導を行うことを特徴とする請求項2に記載の移動体制御システム。
【請求項4】
前記移動制御部は、
前記人物の避難誘導を終了したならば、所定の帰還位置に帰還するよう自装置である第1の移動体を自律的に移動制御することを特徴とする請求項2に記載の移動体制御システム。
【請求項5】
前記第1の移動体は、
自装置である移動体の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部により取得された位置情報を前記移動体制御装置に通知する位置情報通知部と
をさらに備え、
前記移動体制御装置は、
前記第1の移動体が前記人物の避難誘導を開始した位置情報及び前記第1の移動体の巡視経路を含む前記引継情報を前記第2の移動体に通知する
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一つに記載の移動体制御システム。
【請求項6】
前記第2の移動体は、
前記移動体制御装置から通知された前記引継情報に基づいて前記第1の移動体が前記人物の避難誘導を開始した位置に自装置である第2の移動体を自律的に移動制御する移動制御部と、
前記第1の移動体が前記人物の避難誘導を開始した位置から前記巡視経路の移動を自律的に制御する移動制御部と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の移動体制御システム。
【請求項7】
前記避難情報取得部は、
災害情報又はダムの放流情報を前記避難情報として前記管理装置から取得することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の移動体制御システム。
【請求項8】
静止画像又は動画像を撮像する撮像装置が搭載され、所定の地域の巡視を行う第1の移動体及び第2の移動体の移動制御を行う移動体制御装置であって、
所定の地域からの避難に係る避難情報を管理する管理装置から前記避難情報を取得する避難情報取得部と、
少なくとも前記避難情報に基づいて、前記第1の移動体の巡視経路を特定する巡視経路特定部と、
前記第1の移動体の撮像装置により撮像された静止画像又は動画像に人物が含まれる場合に、前記第1の移動体に前記人物の避難誘導を行う避難誘導情報を通知する避難誘導情報通知部と、
前記第2の移動体に対して前記人物の避難誘導を開始した位置から前記巡視経路上の巡視を引き継がせるための引継情報を通知する引継情報通知部と
を備えたことを特徴とする移動体制御装置。
【請求項9】
静止画像又は動画像を撮像する撮像装置が搭載され、所定の地域の巡視を行う第1の移動体及び第2の移動体と、前記第1の移動体及び前記第2の移動体の移動制御を行う移動体制御装置とを有する移動体制御システムにおける移動体制御方法であって、
前記移動体制御装置が、所定の地域からの避難に係る避難情報を管理する管理装置から前記避難情報を取得する避難情報取得工程と、
前記移動体制御装置が、少なくとも前記避難情報に基づいて、前記第1の移動体の巡視経路を特定する巡視経路特定工程と、
前記移動体制御装置が、前記第1の移動体の撮像装置により撮像された静止画像又は動画像に人物が含まれる場合に、前記第1の移動体に前記人物の避難誘導を行う避難誘導情報を通知する避難誘導情報通知工程と、
前記移動体制御装置が、前記第2の移動体に対して前記人物の避難誘導を開始した位置から前記巡視経路上の巡視を引き継がせるための引継情報を通知する引継情報通知工程と
を含んだことを特徴とする移動体制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体を用いて災害地域等の残留者に効率良く対応することができる移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダムからの放流を行う場合には、特定多目的ダム法により事前に下流の住民に対してサイレンや電子看板などで警告を行っている。かかる警告を行ったとしてもダムの放流による河川の増水で水没の可能性がある地域に残留者が存在する可能性があるため、自治体においては、災害対策業務で逼迫する状況のなか、危険を顧みず河道の残留者の巡視を行っている。このようなことは、ダムの放流時だけではなく、地震や暴風雨等の自然現象による災害発生の可能性がある場合も同様に行われている。
【0003】
かかる状況を回避するために、複数の無人飛行体(ドローン)を用いて災害が発生する可能性がある地域(以下、「災害地域」という。)を巡回し、残留者に対する誘導などを行うことが考えられる。例えば、特許文献1には、複数の無人飛行体(ドローン)を用いて、容疑者等の追跡対象を追跡する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-061082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものは、基地局間で追跡対象に関する情報を引き継ぐ必要があるため、ダム放流前の下流地域に所在する河道のように、そもそも基地局が存在しない場所では、残留者を追跡することができないという問題がある。また、追跡対象が異なる基地局の通信エリアに移動した場合や、通信エリア内を巡回する無人飛行体のバッテリ残量が所定値以下になった場合に、待機している無人飛行体に追跡や巡回を引き継がせるというものである。このため、巡回中に追跡対象を発見した場合は、巡回を中止し、追跡対象を追跡することになり、災害地域の巡回完了に時間を要することになる。さらに、災害地域に複数の残留者が存在する場合には、ドローンが特定の残留者の追跡を始めた時点で、ドローンの飛行予定経路に所在する他の残留者を追跡できなくなる。加えて、特許文献1を用いて追跡することはできても、残留者を安全な場所まで誘導できるわけではない。
【0006】
これらのことから、いかにしてドローンを用いて災害地域に所在する残留者に効率良く対応するかが重要な課題となっている。かかる課題は、ドローンを用いる場合だけではなく、ロボットなどの移動体を用いる場合、ダム放流ではなく震災などに対応する場合にも同様に生ずる課題である。
【0007】
本発明は、上述した従来技術による問題点(課題)を解決するためになされたものであって、移動体を用いて災害地域等の残留者に効率良く対応することができる移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、静止画像又は動画像を撮像する撮像装置が搭載され、所定の地域の巡視を行う第1の移動体及び第2の移動体と、前記第1の移動体及び前記第2の移動体の移動制御を行う移動体制御装置とを有する移動体制御システムであって、前記移動体制御装置は、所定の地域からの避難に係る避難情報を管理する管理装置から前記避難情報を取得する避難情報取得部と、少なくとも前記避難情報に基づいて、前記第1の移動体の巡視経路を特定する巡視経路特定部と、前記第1の移動体の撮像装置により撮像された静止画像又は動画像に人物が含まれる場合に、前記第1の移動体に前記人物の避難誘導を行う避難誘導情報を通知する避難誘導情報通知部と、前記第2の移動体に対して前記人物の避難誘導を開始した位置から前記巡視経路上の巡視を引き継がせるための引継情報を通知する引継情報通知部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記第1の移動体は、前記移動体制御装置により特定された前記巡視経路に対して自装置である第1の移動体を自律的に移動制御する移動制御部と、前記巡視経路の移動中に前記撮像装置で撮像した静止画像又は動画像を前記移動体制御装置に送信する画像送信手段と、前記移動体制御装置から前記避難誘導情報を受け付けた場合に、該避難誘導情報に含まれる避難誘導の対象者となる人物の避難誘導を行う避難誘導部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記避難誘導部は、前記移動体制御装置から人物の誘導指示を受け付けた場合に、所定の警報音、所定の警報メッセージ音及び/又は発光により、前記人物の避難誘導を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記移動制御部は、前記人物の避難誘導を終了したならば、所定の帰還位置に帰還するよう自装置である第1の移動体を自律的に移動制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記第1の移動体は、自装置である移動体の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部により取得された位置情報を前記移動体制御装置に通知する位置情報通知部とをさらに備え、前記移動体制御装置は、前記第1の移動体が前記人物の避難誘導を開始した位置情報及び前記第1の移動体の巡視経路を含む前記引継情報を前記第2の移動体に通知することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記第2の移動体は、前記移動体制御装置から通知された前記引継情報に基づいて前記第1の移動体が前記人物の避難誘導を開始した位置に自装置である第2の移動体を自律的に移動制御する移動制御部と、前記第1の移動体が前記人物の避難誘導を開始した位置から前記巡視経路の移動を自律的に制御する移動制御部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記避難情報取得部は、災害情報又はダムの放流情報を前記避難情報として前記管理装置から取得することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、静止画像又は動画像を撮像する撮像装置が搭載され、所定の地域の巡視を行う第1の移動体及び第2の移動体の移動制御を行う移動体制御装置であって、所定の地域からの避難に係る避難情報を管理する管理装置から前記避難情報を取得する避難情報取得部と、少なくとも前記避難情報に基づいて、前記第1の移動体の巡視経路を特定する巡視経路特定部と、前記第1の移動体の撮像装置により撮像された静止画像又は動画像に人物が含まれる場合に、前記第1の移動体に前記人物の避難誘導を行う避難誘導情報を通知する避難誘導情報通知部と、前記第2の移動体に対して前記人物の避難誘導を開始した位置から前記巡視経路上の巡視を引き継がせるための引継情報を通知する引継情報通知部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、静止画像又は動画像を撮像する撮像装置が搭載され、所定の地域の巡視を行う第1の移動体及び第2の移動体と、前記第1の移動体及び前記第2の移動体の移動制御を行う移動体制御装置とを有する移動体制御システムにおける移動体制御方法であって、前記移動体制御装置が、所定の地域からの避難に係る避難情報を管理する管理装置から前記避難情報を取得する避難情報取得工程と、前記移動体制御装置が、少なくとも前記避難情報に基づいて、前記第1の移動体の巡視経路を特定する巡視経路特定工程と、前記移動体制御装置が、前記第1の移動体の撮像装置により撮像された静止画像又は動画像に人物が含まれる場合に、前記第1の移動体に前記人物の避難誘導を行う避難誘導情報を通知する避難誘導情報通知工程と、前記移動体制御装置が、前記第2の移動体に対して前記人物の避難誘導を開始した位置から前記巡視経路上の巡視を引き継がせるための引継情報を通知する引継情報通知工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、移動体を用いて災害地域等の残留者に効率良く対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態1に係る移動体制御システムの概要を説明する説明図である。
図2図2は、実施形態1に係る移動体制御システムのシステム構成図を示す図である。
図3図3は、図2に示した移動体制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、図2に示した移動体の構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、図2に示した移動体制御システムの処理手順を示すシーケンス図(その1)である。
図6図6は、図2に示した移動体制御システムの処理手順を示すシーケンス図(その2)である。
図7図7は、図2に示した移動体制御装置の避難誘導を代替する時の処理手順を示すフローチャート図である。
図8図8は、図2に示した移動体制御装置の避難軌道推定の概要を説明する説明図である。
図9図9は、実施形態2に係る移動体制御システムの概要を説明する説明図である。
図10図10は、実施形態2に係る移動体制御システムのシステム構成を示す図である。
図11図11は、図10に示した移動体制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
図12図12は、図10に示した移動体制御システムの処理手順を示すシーケンス図(その1)である。
図13図13は、図10に示した移動体制御システムの処理手順を示すシーケンス図(その2)である。
図14図14は、図11に示した移動体制御装置の巡視を代替する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す各実施形態では、ドローンを移動体とする場合を示すこととする。
【0020】
[実施形態1]
<移動体制御システムの概要>
まず、本実施形態1に係る移動体制御システムの概要について説明する。図1は、実施形態1に係る移動体制御システムの概要を説明するための説明図である。図1に示すように、この移動体制御システムは、移動体を用いてダムの下流地域等の災害が発生する可能性がある地域(以下、「災害地域」と総称する)の残留者に効率良く対応することができるシステムである。ここでは、ドローンと呼ばれる無人飛行体を移動体として用いる場合を中心に説明する。
【0021】
本実施形態1の移動体(ドローン)は、移動体制御装置30の制御の下に自律的に飛行可能な無人飛行体である。つまり、かかる移動体は、操作者による操作によって移動制御されるものではなく、移動体制御装置30の指示に応じて自律的に移動制御する。また、詳しくは後述するが、本実施形態1の移動体(ドローン)は、自己の現在の位置情報を取得する手段と自己の周囲を撮影した撮像画像を取得する手段を備え、取得した位置情報や撮像画像を移動体制御装置30へ送信する。
【0022】
移動体制御装置30は、図示しない災害管理装置から避難情報を受信する(S1)。この避難情報には、地震速報の情報、気象情報、ダムの放流の情報等が含まれる。移動体制御装置30は、避難情報を受信したならば、避難情報に基づいて巡視する移動体40aの巡視経路を算定し、その巡視経路情報及び移動指示を待機中の移動体40aに送信する(S2)。
【0023】
移動体40aは、移動体制御装置30から巡視経路情報と移動指示を受信したならば、受信した情報に含まれる巡視経路情報に基づいて、巡視開始位置に移動する(S3)。ここでは対象となる河川へ移動する場合を示している。移動体40aは、自己の位置情報と周囲を撮影した撮像画像情報を移動体制御装置30へ送信しつつ、巡視経路情報にしたがって巡視する(S4)。移動体制御装置30は、受信した撮像画像に残留者が映っているか否かを判定する。残留者が映っていると判定した場合、移動体40aに巡視の一時中断指示及び避難誘導情報を送信する(S5)。避難誘導情報には、誘導する残留者を示す情報と、災害地域の外や避難所等(以下、「誘導先」という。)に残留者を誘導するための報知内容が含まれている。移動体40aは、移動体制御装置30から巡視の一時中断指示及び避難誘導情報を受信すると巡視を中断し、避難誘導情報に含まれる誘導する残留者を示す情報及び報知内容に基づき、当該残留者を追跡しつつ、所定の警報音、警報メッセージ音及び/又は発光により残留者の避難誘導を開始するとともに、位置情報及び撮像画像情報を移動体制御装置30へ送信する(S6)。移動体40aは、避難誘導を開始した後、あらかじめ決められた標準時間(例えば移動体40aのバッテリによる移動可能時間の1/3)を超えた場合には、移動体制御装置30にバッテリ残量を含むアラートを通知する(S7)。
【0024】
移動体制御装置30は、移動体40aからアラートを受信したならば、避難誘導を継続することが可能であるか否かを判定する。具体的には、移動体制御装置30は、移動体40aからアラートを受信したならば、移動体40aの現在位置及び撮像画像に基づいて残留者が現在位置から誘導先の位置まで移動する経路(避難軌道)を推定し、残留者が現在の位置から誘導先の位置まで移動する移動時間Aを推定し、移動時間Aと、誘導先の位置から離陸場所へ帰還するまでの移動時間Bの和がバッテリ残量から求めた飛行可能時間Cを超える場合(C<A+B)には、移動体40aのみでは避難誘導を継続できないと判定する。
【0025】
かかる場合には、待機中である別の移動体40bに避難誘導を引き継がせるため、移動体制御装置30は、移動体40aの位置情報及び巡視経路情報を含む引継情報を移動体40bに送信する(S8)。移動体40bは、移動体制御装置30から引継情報を受信したならば、この引継情報に含まれる移動体40aの位置に移動し(S9)、移動体40aの避難誘導を引き継ぐ(S10)。具体的には、移動体40bは、移動体40aの所在する位置まで移動すると、自己の位置情報と撮像画像情報を移動体制御装置30に送信する。移動体制御装置30は、移動体40bから受信した撮像画像情報を解析し、残留者が映っていると判定した場合は、移動体40aに送信したものと同じ避難誘導情報を移動体40bに送信し、移動体40aに帰還指示を送信する。移動体40bは、移動体制御装置30からの避難誘導情報を受信すると当該残留者を追跡しつつ警報メッセージ等による残留者の避難誘導を行う。移動体40aは、移動体制御装置30からの帰還指示を受信したならば、離陸場所へ帰還する(S11)。
【0026】
<移動体制御システムのシステム構成>
次に、本実施形態1に係る移動体制御システムのシステム構成について説明する。図2は、図1に示した移動体制御システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、この移動体制御システムでは、災害管理装置10と、移動体制御装置30と、複数の移動体40a、40b、40c(以下、「移動体40」と総称する場合がある)とがネットワークNに接続される。
【0027】
災害管理装置10は、官公庁が運営する災害関連の情報を管理する管理装置である。例えば、国土交通省が運営する防災情報提供センタ、地方自治体が運営するダムの放流情報を管理する管理装置等が該当する。
【0028】
移動体制御装置30は、災害管理装置10から避難情報を取得する処理と、避難情報に基づいて移動体40の巡視経路を算出する処理と、移動体40から受信した撮像画像を解析する処理と、移動体40から受信した撮像画像の解析結果から人物(残留者)が含まれる場合に、該人物(残留者)に対して避難誘導を行う避難誘導情報を通知する処理と、避難誘導情報にしたがって残留者の避難誘導を行っている移動体を別の移動体に引き継ぐかどうか判定する処理と、別の移動体に避難誘導を引き継ぐ場合に、引継情報を通知する処理とを行う。
【0029】
移動体40は、移動体制御装置30から巡視経路情報及び移動指示を受信すると、巡視経路情報にしたがって巡視を行う。この時、移動体40は自己に備わる撮像ユニットで周囲の画像を撮影し、該撮像画像情報を自己の位置情報と共に移動体制御装置30へ送信しながら移動する。移動体制御装置は、移動体40から送信された撮像画像情報を解析することにより残留者が存在するか否かを判定する。残留者が存在する場合には、移動体40に巡視の一時中断指示及び、該残留者を示す情報と残留者に対する報知内容を含む避難誘導情報を送信する。移動体40は、移動体制御装置30から巡視の一時中断指示と避難誘導情報を受信すると、巡視を中断し、避難誘導情報にしたがって残留者に対し避難誘導を行う。また、移動体40は、(1)高度センサやGNSS(Global Navigation Satellite System)ユニットからの信号により移動体自身の位置情報を取得する処理、(2)回転翼を制御して移動する処理、(3)周囲の画像を撮像ユニットで撮影して移動体制御装置30に送信する処理、(4)移動体制御装置30からの避難誘導情報にしたがって残留者に対して避難誘導を行う処理、(5)避難誘導を行っている時間を計測する処理、(6)取得した自装置の位置情報を移動体制御装置30に通知する処理、(7)移動体制御装置30からの引継情報を受信する処理等を行う。
【0030】
<移動体制御装置30の構成>
次に、図2に示した移動体制御装置30の構成について説明する。図3は、図2に示した移動体制御装置30の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、移動体制御装置30は、表示部31と、操作部32と、通信I/F部33と、無線通信部34と、記憶部35と、制御部36とを有する。
【0031】
表示部31は、液晶パネル又はディスプレイ装置などの表示デバイスであり、操作部32は、キーボードやマウスなどの入力デバイスである。通信I/F部33は、災害管理装置10などの他の装置と通信を行うためのインターフェース部である。無線通信部34は、移動体40と無線通信するためのインターフェース部である。
【0032】
記憶部35は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、避難情報35a、巡視経路情報35b、避難誘導情報35c、位置情報35d、撮像画像情報35e及び避難軌道情報35fを記憶する。
【0033】
制御部36は、移動体制御装置30の全体を制御する制御部であり、避難情報取得部36a、巡視経路特定部36b、撮像画像解析部36c、避難誘導情報通知部36d、避難誘導引継判定部36e、位置情報受信部36f、引継情報通知部36g及び避難軌道推定部36h等を有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、避難情報取得部36a、巡視経路特定部36b、撮像画像解析部36c、避難誘導情報通知部36d、避難誘導引継判定部36e、位置情報受信部36f、引継情報通知部36g及び避難軌道推定部36hにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0034】
避難情報取得部36aは、災害管理装置10より地震速報、豪雨や暴風等の気象に関する警報や注意報に基づく災害情報又はダムの放流情報を取得し、避難情報35aとして記憶部35に記憶する。避難情報には、災害の種類と災害地域を示す情報が含まれている。
【0035】
巡視経路特定部36bは、避難情報35aに基づき、移動体40が効率良く災害地域を巡視できる巡視経路を特定し、巡視経路情報35bとして記憶部35に記憶するとともに該巡視経路情報35bを無線通信部34を介して移動体40に送信する。
【0036】
撮像画像解析部36cは、移動体40から受信した災害地域の撮像画像を解析し、残留者の有無を監視し、撮像画像情報35eとして記憶部35に記憶する。かかる撮像画像を解析する場合には、例えば撮像画像に対して、人のテンプレートを用いたテンプレートマッチング処理を行うことにより、残留者を検出することができる。また、深層学習により得られる学習済みモデルに撮像画像を入力し、残留者の有無を検出することもできる。かかる深層学習を用いる場合には、人が含まれる画像とその結果を教師データとした教師有り学習を行って学習済みモデルを生成しておく必要がある。また、深層学習以外の機械学習を用いることもできる。
【0037】
避難誘導情報通知部36dは、移動体40が残留者に向けて報知を行う報知内容及び検出した残留者(誘導する対象者)を示す情報を送信する処理部である。報知内容は、あらかじめ避難誘導情報35cとして記憶部35に記憶されており、避難誘導情報通知部36dは、避難情報35aや撮像画像情報35eに基づいて報知内容を特定する。
【0038】
避難軌道推定部36hは、移動体40aの撮像画像情報と位置情報に基づいて残留者が現在の位置から誘導先の位置まで移動する経路(以下、「避難軌道」という。)を推定し、避難軌道情報35fとして記憶部35に記憶する。避難誘導引継判定部36eは、移動体40aからアラートを受信したならば、避難誘導を継続することが可能であるか否かを判定する。移動体40aからのアラートを受信したならば、移動体40aの現在位置及び避難軌道情報として記憶した避難軌道に基づいて残留者が現在位置から誘導先の位置まで移動する移動時間Aを推定し、移動時間Aと、その誘導先の位置から離陸場所へ帰還するまでの移動時間Bの和がバッテリ残量から求めた飛行可能時間Cを超える場合(C<A+B)には、移動体40aのみでは避難誘導を継続できないと判定する。一方、移動時間Aと移動時間Bの和が飛行可能時間C以内である場合(C≧A+B)には、移動体40aのみで避難誘導を継続できると判定する。
【0039】
位置情報受信部36fは、移動体40aから通知される自装置の位置情報を受信し、位置情報35dとして記憶部35に記憶する。引継情報通知部36gは、別の移動体40bが移動体40aの避難誘導を引き継ぐ場合に、移動体40aの位置情報35d及び移動体40aの巡視経路情報35bを引継情報として移動体40bに送信する。
【0040】
なお、制御部36は、移動体40bから受信した撮像画像情報を解析し、避難誘導が引継完了と判定したならば、移動体40aに帰還指示を通知する。また、制御部36は、移動体40aからアラートを受信したときに、アラートに含まれるバッテリ残量が閾値以下であった場合は、移動体40aにより実施している巡視または避難誘導を待機中の移動体40bに引き継がせるとともに移動体40aに帰還指示を送信し移動体40aを離陸場所へ帰還させるようにしてもよい。
【0041】
<移動体40aの構成>
次に、図2に示した移動体40aの構成について説明する。図4は、図2に示した移動体40aの構成を示す機能ブロック図である。なお、移動体40b及び40cも同様の構成となる。図4に示すように、移動体40aは、撮像ユニット41、高度センサ42、GNSSユニット43、報知部44、無線通信部45、回転翼46、記憶部47及び制御部48を有する。
【0042】
撮像ユニット41は、カメラにより災害地域の状況を撮影する撮像装置である。撮像ユニット41に搭載されるカメラは、同一の撮像範囲の可視光画像及び赤外光画像を同時に撮像可能とすることが望ましい。ただし、可視光画像のみを撮像できるものであってもよい。
【0043】
高度センサ42は、移動体40aの高度を計測するセンサである。この高度センサ42として、例えば気圧センサを用いることができ、気圧センサ及び超音波センサを組み合わせることもできる。これにより、移動体40aは地上に近い場所で安定的に高度を保持することが可能となる。GNSSユニット43は、複数のGNSS衛星から信号を受信して自装置の位置座標を特定するユニットである。
【0044】
報知部44は、後述する避難誘導部48cから受信した避難誘導情報47cを残留者に対して報知する処理部である。例えば、合成音による警報メッセージ音の報知、警報音の報知及び/又は発光による報知を行うことができる。無線通信部45は、移動体制御装置30と無線通信をするためのインターフェース部である。複数の回転翼46は、制御部48からの制御を受けて個別に回転し、移動体40aの姿勢制御及び移動を可能とする。
【0045】
記憶部47は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、巡視経路情報47a、撮像画像情報47b、避難誘導情報47c、避難誘導時間情報47e及び避難誘導標準時間情報47fを記憶する。巡視経路情報47aは、移動体制御装置30により特定された巡視経路情報35bであり、移動体40aはこの巡視経路情報35bにしたがって移動する。
【0046】
制御部48は、移動体40aの全体を制御する制御部であり、移動制御部48a、撮像制御部48b、避難誘導部48c、避難誘導時間計測部48e、アラート通知部48f、位置情報取得部48g、位置情報通知部48h及び引継情報受信部48iを有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、移動制御部48a、撮像制御部48b、避難誘導部48c、避難誘導時間計測部48e、アラート通知部48f、位置情報取得部48g、位置情報通知部48h及び引継情報受信部48iにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。移動制御部48aは、巡視経路情報47aと、高度センサ42が出力する高度情報とGNSSユニット43が出力する位置情報とを用いて複数の回転翼46を制御することで、移動を制御する。
【0047】
撮像制御部48bは、撮像ユニット41に災害地域の画像を撮像させ、得られた赤外光及び可視光の撮像画像を撮像画像情報47bとして記憶部47に記憶する。また、撮像制御部48bは、飛行中に撮像画像情報47bを移動体制御装置30に送信する。
【0048】
避難誘導部48cは、移動体制御装置30から送信される避難誘導情報35cを受信し、避難誘導情報47cとして記憶部47に記憶する。また、記憶した避難誘導情報47cを報知部44に出力する。
【0049】
避難誘導時間計測部48eは、移動体40aが災害地域に到着し、避難誘導を開始した時点から計測を開始し、避難誘導の経過時間を避難誘導時間情報47eとして記憶部47に記憶する。
【0050】
アラート通知部48fは、避難誘導標準時間情報47fと避難誘導時間情報47eを比較し、避難誘導時間が避難誘導標準時間を超過した場合、移動体制御装置30にアラートを送信する。避難誘導標準時間は、例えば移動体40aのバッテリによる移動可能時間の1/3程度とし、あらかじめ避難誘導標準時間情報47fとして記憶部47に記憶されている。
【0051】
位置情報取得部48gは、高度センサ42及びGNSSユニット43から得られる自装置の位置情報を取得する。位置情報通知部48hは、該位置情報取得部48gで取得した自装置の位置情報を移動体制御装置30に送信する。引継情報受信部48iは、例えば、移動体40bが移動体40aの行っている避難誘導を引き継ぐ場合に、移動体40bの引継情報受信部48iが、移動体制御装置30から送信される移動体40aの位置情報及び巡視経路情報を受信し、巡視経路情報47aとして記憶部47に記憶する。
【0052】
移動制御部48aは、図示しないバッテリの残量を常時監視しており、風の影響により想定以上にバッテリを消耗した場合等、バッテリの残量が所定の閾値以下になった場合、アラート通知部48fより移動体制御装置30にアラートを送信させるとともに、移動体40aの経路移動を中断して離陸場所へ帰還させるよう構成してもよい。
【0053】
<移動体制御システムの処理手順>
次に、本実施形態1に係る移動体制御システムの処理手順を説明する。図5及び図6は、図2に示した移動体制御システムの処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0054】
図5及び図6に示すように、移動体制御装置30は、避難情報35aを災害管理装置10より取得する(ステップS101)。そして、移動体制御装置30は、避難情報35aに基づいて、移動体40aの巡視経路情報35bを特定し(ステップS102)、移動指示と特定した巡視経路情報35bを移動体40aに送信する(ステップS103)。別の移動体40bは、移動体制御装置30からの指示を受信するまで待機する(ステップS104)。
【0055】
移動体40aは、移動体制御装置30から移動指示と巡視経路情報35bを受信したならば(ステップS105)、巡視経路情報47aとして記憶すると共に、その巡視経路情報47aにしたがって移動を開始する(ステップS106)。移動体40aは、災害地域へ到着したならば、自装置の位置を含む移動情報及び撮像画像情報47bを移動体制御装置30に送信しながら巡視経路情報47aにしたがって移動する(ステップS107)。
【0056】
移動体制御装置30は、移動体40aから撮像画像情報47bを受信したならば、撮像画像の解析を行う(ステップS108)。画像解析の結果、残留者が存在したならば、移動体制御装置30は、移動体40aに巡視の一時中断指示を送信し、避難誘導情報通知部36dで特定した避難誘導情報35cを送信する(ステップS109)
【0057】
移動体40aは、一時中断指示及び避難誘導情報35cを受信したならば、避難誘導情報47cとして記憶すると共に、巡視を一時中断し(ステップS110)、誘導する残留者を追跡するとともに残留者に向けて避難誘導情報47cを報知する(ステップS111)。また、移動体40aは、自装置の位置を含む移動情報及び撮像画像情報47bを移動体制御装置30に送信する(ステップS112)。移動体制御装置30は、移動体40aから受信した撮像画像情報47bを解析する(ステップS113)。
【0058】
次に、移動体40aは、避難誘導を開始してから一定時間を越えたならば、バッテリ残量を含むアラートを移動体制御装置30に通知する(ステップS114)。
【0059】
移動体制御装置30は、移動体40aからアラートを受信したならば、移動体40aの撮像画像情報と位置情報に基づいて残留者の避難軌道を推定し、推定した避難軌道とアラート内に含まれているバッテリ残量に基づいて、移動体40aが避難誘導を継続可能であるか否かを判定する(ステップS115)。移動体40aが現在位置から誘導先の位置まで移動する移動時間Aと、その誘導先の位置から離陸場所へ帰還するまでの移動時間Bの和がバッテリ残量から求めた飛行可能時間Cを超える場合(C<A+B)には、移動体40aのみでは避難誘導を継続できないと判定する。一方、移動時間Aと移動時間Bの和が飛行可能時間C以内である場合(C≧A+B)には、移動体40aのみで避難誘導を継続できると判定する。
【0060】
移動体制御装置30は、移動体40aによる避難誘導が継続可能であるならば(ステップS115:Yes)、移動体40aからの次のアラートを待ち、避難誘導の継続が可能でないならば(ステップS115:No)、別の移動体40bに移動体40aの位置情報及び巡視経路情報35bを含む引継情報を送信する(ステップS116)。
【0061】
移動体40bは、移動体制御装置30から引継情報を受信したならば(ステップS117)、巡視経路情報47aとして記憶し、引継情報に含まれる移動体40aの位置に移動する(ステップS118)。移動体40bは、移動体40aの位置に到着したならば、自装置の位置を含む移動情報及び撮像画像情報47bを移動体制御装置30に送信する(ステップS119)。
【0062】
移動体制御装置30は、移動体40bから移動情報及び撮像画像情報47bを受信したならば、撮像画像の解析を行う(ステップS120)。画像解析の結果、移動体40aが追跡していた残留者が映っていると判定した場合、移動体40aに送信したのと同じ避難誘導情報を40bに送信する(ステップS121)。移動体40bは、移動体制御装置30から避難誘導情報を受信したならば、残留者に向け避難誘導情報を報知する(ステップS122)。
【0063】
移動体制御装置30は、移動体40bから移動情報及び撮像画像情報47bを受信し、移動体40bによる残留者への避難誘導の開始を確認できたならば、移動体40aに帰還指示を送信する(ステップS123)。移動体40aは、移動体制御装置30より帰還指示を受信したならば、離陸場所へ帰還する(ステップS124)。
【0064】
移動体制御装置30は、移動体40bから送信される移動情報及び撮像画像情報47bを解析し、残留者が災害地域の外に出る、あるいは、避難所等に到着する等避難が完了したと判定したならば、移動体40bに巡視経路情報47aにしたがった巡視の再開指示を送信する(ステップS125)。移動体40bは、巡視の再開指示を受信したならば、巡視経路情報47aにしたがった巡視を再開する(ステップS126)。
【0065】
移動体40bは、巡視を完了した場合、又は、バッテリ残量が閾値を下回った場合、離陸場所に帰還する(ステップS127)。
【0066】
移動体制御装置30は、移動体40bが移動経路をすべて巡視したならば、巡視完了として処理を終了する(ステップS128:Yes)。ただし、バッテリ不足等により帰還し巡視が完了していない場合には(ステップS128:No)、ステップS102に戻り、中断された場所からの新たな巡視経路情報35bを算定し、他の待機中の移動体40へ算定した移動体経路情報と移動指示を送信する。
【0067】
<移動体制御装置30の避難誘導引継判定部36eの処理手順>
次に、移動体制御装置30の避難誘導引継判定部36eの処理手順について説明する。図7図2に示す移動体制御装置30の避難誘導引継判定部36eの処理手順を示すフローチャート図である。図7に示すように、避難誘導引継判定部36eは、移動体40aからの避難誘導標準時間を超過した旨のアラートの受信を監視し(ステップS201:No)、移動体40aからアラートを受信したならば(ステップS201:Yes)、移動体40aの撮像画像情報と位置情報に基づいて避難軌道を推定し、推定した避難軌道と移動体40aから受信したアラートに含まれるバッテリ残量に基づき、移動体40aが現在位置から誘導先の位置まで移動する移動時間Aと、その誘導先から離陸場所へ帰還するまでの移動時間Bの和を算出する(ステップS202)。
【0068】
次に、避難誘導引継判定部36eは、移動体40aから受信したバッテリ残量より移動体40aの飛行可能時間Cを算出する(ステップS203)。そして避難誘導引継判定部36eは、避難及び帰還に必要な移動時間と移動体40aの飛行可能時間に基づいて、避難誘導が完了できるかを判定する。避難誘導引継判定部36eは、避難誘導が完了できると判定した場合(ステップS204:Yes)、ステップS201に戻り、移動体40aからの次のアラート受信を監視する。避難誘導が完了できないと判定した場合(ステップS204:No)、避難誘導を引継がせる別の移動体40bに移動体40aの位置情報及び巡視経路情報35bを含む引継情報を通知する(ステップS205)。
【0069】
そして、避難誘導引継判定部36eは、移動体40bの災害地域への到着を監視し(ステップS206:No)、移動体40bが移動体40aの位置に到着したならば(ステップS206:Yes)、避難誘導を行っていた移動体40aに帰還指示を送信する(ステップS207)。
【0070】
<移動体制御装置30の避難軌道推定の概要>
次に、移動体制御装置30の避難軌道の推定について説明する。図8は、図2に示した移動体制御装置30の避難軌道推定部36hの避難軌道推定の概要を説明する説明図である。図8に示すように、移動体制御装置30は、移動体40aの位置情報と撮像ユニット41で撮像された撮像画像から残留者の避難軌道を算出し、避難軌道情報35fとして記憶部35に記憶する。なお、避難軌道は、移動体40aが自装置の位置情報と撮像画像からを推定してもよい。
【0071】
このように、本実施形態1に係る移動体制御システムは、移動体制御装置30により複数の移動体40を制御することでエリアにとらわれず広範囲にわたる残留者の避難誘導を行うことができる。なお、移動体制御装置30は、移動体40aに巡視の一時中断指示を送信した場合、あるいは、移動体40aからのアラートを受信した場合に、移動体40aが巡視を中断した巡視経路を巡視させるための新たな巡視経路情報を移動指示とともに他の待機中の移動体40に送信するようにしてもよい。これにより、移動体40aが巡視を中断した場合や、避難誘導に時間を要する場合に、移動体制御装置30が、避難誘導の引き継ぎが必要であると判定し、別の移動体40bを避難誘導場所に移動させるため、移動体が残留者の避難誘導に時間を要する場合等に、残りの災害地域の残留者への対応を効率的に行うことができる。
【0072】
なお、上記の実施形態1では、移動体40bの避難誘導の引継完了は、移動体制御装置30で行う構成について説明したが、移動体40bが、移動体40aの位置に到着したことを条件に、移動体制御装置30に引継完了通知を送信するようにしてもよい。
【0073】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、移動体40aが避難誘導に時間を要する場合に、移動体制御装置30にアラートを通知することによって、別の移動体へ避難誘導を引き継ぐ場合を示したが、災害時において、他の災害地域の巡視も所定時間内(例えば2時間以内)に完了する必要がある。そこで、本実施形態2では、巡視についても複数の移動体で引き継ぐ場合を説明する。
【0074】
次に、本実施形態2に係る移動体制御システムの概要を説明する。図9は、実施形態2に係る移動体制御システムの概要を説明するための説明図である。図9に示すように、この移動体制御システムは、移動体が災害地域において、残留者の避難誘導に時間を要する場合に、残りの災害地域の巡視を複数の移動体で引き継ぐことができるシステムである。
【0075】
移動体40aは、移動体制御装置50から巡視経路と移動指示を含む情報を受信したならば、受信した情報に含まれる巡視経路にしたがって移動する。移動体40aは、残留者が存在するか否かを確認するため残留者のチェックを行いつつ、巡視経路にしがたい巡視する。移動体40aは、残留者が存在したならば、避難誘導を開始する。そして、移動体40aは、避難誘導を開始した後、あらかじめ決められた誘導時間(例えば移動体40aのバッテリによる移動可能時間の1/3)内に避難誘導が完了しない場合には、移動体制御装置50にアラートを通知する(S20)
【0076】
移動体制御装置50は、移動体40aからアラートを受信したならば、避難軌道を推定し、移動体40aの巡視経路のうち巡視を行っていない経路の巡視が巡視を完了すべき所定時間に完了するか否かを判定する。移動体40aが現在位置から誘導先の位置まで移動する移動時間Aと、その誘導先の位置から残りの巡視経路を巡視する移動時間D及び巡視を終了して離陸場所に帰還する移動時間Eの和が飛行可能時間Cを越える場合(C<A+D+E)、または、巡視経路の巡視を終了する時間が全ての災害地域の巡視を完了すべき所定時間を超える場合には、移動体40aのみでは巡視が完了できないと判定する。
【0077】
かかる場合には、移動体制御装置50は、待機中である別の移動体40bに巡視を引き継がせるため、新たな巡視経路情報を生成し、移動体40bに巡視引継の移動指示を通知する(S21)。
【0078】
移動体40bは、移動体制御装置50から移動指示を受信したならば、巡視経路情報にしたがって引き継ぎの巡視開始位置へ移動する(S22)。その後、移動体40bは、自装置の位置情報と撮像画像情報を送信しつつ巡視経路情報にしたがって巡視する(S23)。
【0079】
<移動体制御システムのシステム構成>
次に、本実施形態2に係る移動体制御システムのシステム構成について説明する。図10は、図9に示した移動体制御システムのシステム構成を示す図である。図10に示すように、この移動体制御システムでは、災害管理装置10と、移動体制御装置50と、複数の移動体40a、40b、40c(以下、「移動体40」と総称する場合がある)とがネットワークNに接続される。災害管理装置10及び複数の移動体40a、40b、40cは、実施形態1と同様のものである。
【0080】
<移動体制御装置50の構成>
次に、図10に示した移動体制御装置50の構成について説明する。図11は、図10に示した移動体制御装置50の構成を示す機能ブロック図である。なお、図3に示した移動体制御装置30と同様の機能部についての説明は省略する。図10に示すように、移動体制御装置50は、表示部31と、操作部32と、通信I/F部33と、無線通信部34と、記憶部35と、制御部56とを有する。なお、図3と同様の部位については、同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0081】
制御部56は、移動体制御装置50の全体を制御する制御部であり、避難情報取得部36a、巡視経路特定部36b、撮像画像解析部36c、避難誘導情報通知部36d、位置情報受信部36f、避難軌道推定部36h及び巡視引継判定部56aを有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、避難情報取得部36a、巡視経路特定部36b、撮像画像解析部36c、避難誘導情報通知部36d、位置情報受信部36f、避難軌道推定部36h及び巡視引継判定部56aにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0082】
巡視引継判定部56aは、移動体40aからアラートを受信したならば、避難軌道を推定し、移動体40aの巡視経路のうち巡視を行っていない経路の巡視が巡視を完了すべき所定時間内に完了するか否かを判定する。移動体40aが現在位置から誘導先の位置まで移動する移動時間Aと、その誘導先の位置から残りの巡視経路を巡視する移動時間D及び巡視を終了して離陸場所に帰還する移動時間Eの和が飛行可能時間Cを越える場合(C<A+D+E)、または、巡視経路の巡視を終了する時間が全ての災害地域の巡視を完了すべき所定時間を超える場合には、移動体40aのみでは巡視が完了できないと判定する。一方移動時間Aと移動時間D及び移動時間Eの和が飛行可能時間C以内であり(C≧A+D+E)、かつ、巡視経路の巡視を終了する時間が全ての災害地域の巡視を完了すべき所定時間以内である場合には、移動体40aのみで巡視が完了できると判定する。
【0083】
<移動体制御システムの処理手順>
次に、実施形態2に係る移動体制御システムの処理手順を説明する。図12及び図13は、図10に示した移動体制御システムの処理手順を説明するためのシーケンス図である。なお、図5及び図6の実施形態1に係る移動体制御システムの処理手順と同様の処理については、同一符号及びステップ番号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0084】
図13に示すように、移動体制御装置50は、移動体40aから避難誘導を開始してから一定時間を越えた旨のアラート(バッテリ残量を含む)を受信したならば(ステップS301)、移動体40aの撮像画像情報と位置情報に基づいて避難軌道を推定し、アラート内に含まれているバッテリ残量と避難軌道及び残りの巡視経路情報に基づいて、移動体40aが巡視を完了できるか否かを判定する。移動体40aが現在位置から誘導先の位置まで移動する移動時間Aと、その誘導先の位置から残りの巡視経路を巡視する移動時間D及び巡視を終了して離陸場所に帰還する移動時間Eの和がバッテリ残量から求めた飛行可能時間C以内であり(C≧A+D+E)、かつ、巡視経路の巡視を終了する時間が全ての災害地域の巡視を完了すべき所定時間以内である場合には、移動体40aのみで巡視が完了できると判定する。
【0085】
移動体制御装置50は、移動体40aのみによる巡視が時間内に完了可能であるならば(ステップS302:Yes)、移動体40aに引き続き残留者の避難誘導を継続させる。また、移動体制御装置50は、移動体40aのみでは巡視が時間内に完了可能でないならば(ステップS302:No)、巡視を引き継がせる別の移動体40bに巡視引き継ぎの巡視経路情報35bを送信する(ステップS303)。
【0086】
次に、移動体制御装置50は、移動体40bに巡視引き継ぎの巡視経路情報を送信した場合は、移動体40aに避難誘導が完了した後、巡視に復帰せずに帰還するように指示を送信する(ステップS304)。移動体40aは、移動体制御装置50より、避難誘導が完了した後、巡視に復帰せずに帰還する指示を受信したならば(ステップS305)、避難誘導が完了した後、離陸場所に帰還する(ステップS306)。
【0087】
移動体40bは、移動体制御装置50から巡視引き継ぎの巡視経路情報35bを受信したならば(ステップS307)、巡視経路情報にしたがって巡視開始位置に移動する(ステップS308)。移動体40bは、巡視開始位置に到着したならば、自装置の位置を含む移動情報及び撮像画像情報47bを移動体制御装置50に送信する(ステップS309)。
【0088】
移動体制御装置50は、移動体40bから移動情報及び撮像画像情報47bを受信したならば、撮像画像の解析を行う(ステップS310)。画像解析の結果、残留者が存在したならば、移動体制御装置50は、移動体40bに巡視の一時中断指示を送信し、避難誘導情報通知部36dで特定した避難誘導情報35cを送信する(ステップS311)。移動体40bは、巡視の一時中断指示を受信したならば、巡視を一時中断し(ステップS312)、残留者に向けて避難誘導情報47cを報知し(ステップS313)、自装置の位置を含む移動情報及び撮像画像情報47bを移動体制御装置50に送信しつつ残留者を追跡する(ステップS314)。
【0089】
移動体制御装置50は、移動体40bから送信される移動情報及び撮像画像情報47bを解析し(ステップS315)、残留者の避難が完了したと判定したならば、移動体40bに巡視経路情報47aにしたがった巡視の再開指示を送信する(ステップS316)。移動体40bは、巡視の再開指示を受信したならば、巡視が中断された位置から巡視を再開する(ステップS317)。
【0090】
移動体40bは、巡視経路情報47aにしたがった巡視を完了した場合、又は、バッテリ残量が閾値を下回った場合、離陸場所に帰還する(ステップS318)。移動体制御装置50は、移動体40bが移動経路をすべて巡視したならば、巡視完了として処理を終了する(ステップS319:Yes)。ただし、バッテリ不足等により帰還し巡視が完了していない場合には(ステップS319:No)、ステップS102に戻り、中断された場所からの新たな巡視経路情報35bを算定し、他の待機中の移動体40へ巡視を行わせるため、待機中の移動体40へ移動指示と巡視経路情報を送信する。
【0091】
<移動体制御装置50の巡視引継判定部56aの処理手順>
次に、図11に示す移動体制御装置50の巡視引継判定部56aの処理手順について説明する。図14図11に示す移動体制御装置50の巡視引継判定部56aの処理手順を示すフローチャート図である。図14に示すように、巡視引継判定部56aは、移動体40aからの避難誘導標準時間を超過した旨のアラートの受信を監視し(ステップS401:No)、移動体40aからアラートを受信したならば(ステップS401:Yes)、移動体40aが避難誘導を行い災害地域の巡視を完了するまでの残りの所要時間を算出する(ステップS402)。
【0092】
次に、巡視引継判定部56aは、該所要時間に基づいて、移動体40aが巡視を完了できるか否かを判定する。具体的には、移動体40aが現在位置から誘導先の位置まで移動する移動時間Aと、その誘導先の位置から残りの巡視経路を巡視する移動時間D及び巡視を終了して離陸場所に帰還する移動時間Eの和が飛行可能時間Cを越える場合(C<A+D+E)、または、巡視経路の巡視を終了する時間が全ての災害地域の巡視を完了すべき所定時間を超える場合には、移動体40aのみでは巡視が完了できないと判定する。一方移動時間Aと移動時間D及び移動時間Eの和が飛行可能時間C以内であり(C≧A+D+E)、かつ、巡視経路の巡視を終了する時間が全ての災害地域の巡視を完了すべき所定時間以内である場合には、移動体40aのみで巡視が完了できると判定する。
【0093】
巡視引継判定部56aは、移動体40aのみで巡視が完了できると判定した場合(ステップS403:Yes)、ステップS401に戻り、移動体40aからの次のアラート受信を監視する。巡視が完了できないと判定した場合(ステップS403:No)、巡視を引き継がせる別の移動体40bに巡視引き継ぎの巡視経路情報35bを通知する(ステップS404)。そして、巡視引継判定部56aは、避難誘導を行っていた移動体40aに避難誘導が完了した後に帰還する指示を送信して処理を終了する(ステップS405)。
【0094】
上述してきたように、本実施形態2に係る移動体制御システムは、移動体40aから避難誘導に時間を要する場合にアラートを送信し、移動体制御装置50が、残りの災害地域への巡視に引き継ぎが必要かどうかを判定し、引き継ぎが必要な場合、別の移動体40bを残りの災害地域に移動させるように構成したので、移動体が災害地域において、残留者の避難誘導に時間を要する場合に、残りの災害地域の残留者への対応を効率的に行うことができる。
【0095】
なお、上記の各実施形態では、ドローンを移動体40とした場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、地上を走行するロボットに適用することもできる。
【0096】
上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明に係る移動体制御システム、移動体制御装置及び移動体制御方法は、移動体を用いて災害地域の残留者に効率良く対応する場合に適している。
【符号の説明】
【0098】
N ネットワーク
10 災害管理装置
30 移動体制御装置
31 表示部
32 操作部
33 通信I/F部
34 無線通信部
35 記憶部
35a 避難情報
35b 巡視経路情報
35c 避難誘導情報
35d 位置情報
35e 撮像画像情報
35f 避難軌道情報
36 制御部
36a 避難情報取得部
36b 巡視経路特定部
36c 撮像画像解析部
36d 避難誘導情報通知部
36e 避難誘導引継判定部
36f 位置情報受信部
36g 引継情報通知部
36h 避難軌道推定部
40、40a、40b、40c 移動体
41 撮像ユニット
42 高度センサ
43 GNSSユニット
44 報知部
45 無線通信部
46 回転翼
47 記憶部
47a 巡視経路情報
47b 撮像画像情報
47c 避難誘導情報
47e 避難誘導時間情報
47f 避難誘導標準時間情報
48 制御部
48a 移動制御部
48b 撮像制御部
48c 避難誘導部
48e 避難誘導時間計測部
48f アラート通知部
48g 位置情報取得部
48h 位置情報通知部
48i 引継情報受信部
50 移動体制御装置
56 制御部
56a 巡視引継判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14