(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191810
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】切替バルブ
(51)【国際特許分類】
E21D 11/10 20060101AFI20221221BHJP
E04G 21/04 20060101ALI20221221BHJP
E04G 21/02 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
E21D11/10 B
E04G21/04
E04G21/02 103Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100261
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】梁 俊
【テーマコード(参考)】
2D155
2E172
【Fターム(参考)】
2D155DA08
2D155KA00
2D155KC03
2E172AA05
2E172CA56
2E172DB13
2E172DE01
(57)【要約】
【課題】配管の清掃作業の低減化を可能とし、かつ、残留コンクリートの量を最小限に抑えることを可能とした切替バルブを提案する。
【解決手段】コンクリート打設管3の中間に介設されて、スライドセントル2と地山Gとの間へのコンクリートの注入と、下流側へのコンクリートの流下とを切り替える切替バルブ4であって、スライドセントル2に接続された筒体5と、筒体5内に摺動可能に収納された摺動体6とを備えている。筒体5には、筒体5の先端において開口する注入口51と、筒体5の側面に形成された流入口52および流出口53とが形成されている。流出口53は、流入口52と筒体5の軸方向にオフセットした位置に形成されている。摺動体6には、摺動体6の先端面61をスライドセントル2のコンクリート側の面と一致させた状態で、流入口52と流出口53とを連結する内部流路62が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流管と下流管との間に介設されて、前記上流管から供給されたコンクリートを型枠内に注入可能な状態と前記下流管に流下可能な状態とを切り替える切替バルブであって、
前記型枠に接続された筒体と、
前記筒体内に収納され、前記筒体の軸方向に摺動可能な摺動体と、を備えており、
前記筒体には、前記筒体の先端において開口する注入口と、
前記筒体の側面に形成され、前記上流管が接続される流入口と、
前記筒体の側面に形成され、前記下流管が接続される流出口と、が形成されており、
前記流出口は、前記流入口に対して前記筒体の軸方向にオフセットした位置に形成されていて、
前記摺動体には、前記摺動体の先端面を前記型枠のコンクリート側の面と一致させた状態で、前記流入口と前記流出口とを連結する内部流路が形成されていることを特徴とする、切替バルブ。
【請求項2】
前記筒体の先端面は、前記型枠の表面と面一となる形状を有していることを特徴とする、請求項1に記載の切替バルブ。
【請求項3】
前記内部流路は、前記摺動体の移動方向に対して傾斜した直線状の流路であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の切替バルブ。
【請求項4】
前記流入口は、前記流出口よりも前記注入口側に形成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の切替バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート圧送配管用の切替バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
トンネルの覆工ンクリートの打設方法として、トンネル軸方向に移動する移動式型枠(スライドセントル)を利用して、連続的に施工する場合がある。移動式型枠を利用した覆工コンクリートの施工では、型枠に形成された打設口にコンクリート打設管を挿入した状態でコンクリートを流し込む。型枠には、軸方向および周方向に間隔をあけて複数の打設口が形成されており、コンクリート打設時は、コンクリート打設管を各打設口に適宜移動させる。打設口から他の打設口へのコンクリート打設管の移動は、作業員が手作業により行う。ところが、コンクリート打設管を人力により移動させる作業には労力と時間がかかる。
一方、特許文献1には、手作業による配管の切り替えに代えて、型枠の内空上部に配管されたコンクリート打設管から分流器を介して分岐された分岐管を型枠の頂部と側壁部に接続しておき、分岐管を介して供給されたコンクリートを型枠内に打設する方法が開示されている。コンクリート打設管には、型枠の軸方向に対して、複数の分流器が設けられており、コンクリートの打設カ所を打設状況に応じて制御可能に構成されている。すなわち、特許文献1の打設方法は、分流器においてコンクリートの流れを制御することで、選択された打設口にコンクリートを供給するものである。
ところが、分流器から型枠の打設口までの距離が長く、分流器から延設された分岐管の内部には、コンクリート打設後にコンクリートが残留するため、分岐管毎に管内の清掃作業を行う必要がある。また、分岐管に残留したコンクリートは、産業廃棄物となるため、処分に費用と手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、配管の清掃作業の低減化を可能とし、かつ、残留コンクリートの量を最小限に抑えることを可能とした切替バルブを提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明は、上流管と下流管との間に介設されて、前記上流管から供給されたコンクリートを型枠内に注入可能な状態と前記下流管に流下可能な状態とを切り替える切替バルブである。前記切替バルブは、前記型枠に接続された筒体と、前記筒体内に収納され、前記筒体の軸方向に摺動可能な摺動体とを備えている。前記筒体には、前記筒体の先端において開口する注入口と、前記筒体の側面に形成され、前記上流管が接続される流入口と、前記筒体の側面に形成され、前記下流管が接続される流出口とが形成されている。前記流出口は、前記流入口に対して前記筒体の軸方向にオフセットした位置に形成されている。さらに、前記摺動体には、前記摺動体の先端面を前記型枠のコンクリート側の面と一致させた状態で、前記流入口と前記流出口とを連結する内部流路が形成されている。
かかる切替バルブは、コンクリートを輸送するコンクリート打設管の中間部(上流管と下流管との間)に介設されており、コンクリート打設管を介して輸送されたコンクリートを直接的に型枠内に誘導するため、分岐管を利用する従来の方法に比べて、コンクリート打設管内に残留するコンクリートの量を低減できる。また、コンクリート打設管(上流管および下流管)は、切替バルブを介して連続しているため、複数の分岐管毎に清掃作業を必要とする場合に比べて、コンクリート打設管内の清掃作業が容易である。
【0006】
前記筒隊の先端面は、前記型枠の表面(コンクリート側の面)と面一となる形状を有しているのが望ましい。
また、前記内部流路が前記摺動体の移動方向に対して傾斜した直線状の流路であれば、コンクリート打設管の屈曲部を最小限に抑えることができる。
さらに、前記流入口が前記流出口よりも前記注入口側に形成されていれば、コンクリートの型枠内への供給を下流管へ切り替える際に、筒体内から押し出すコンクリート量を最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の切替バルブによれば、配管の清掃作業の低減化を可能とし、かつ、残留コンクリートの量を最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る覆工コンクリートの施工状況を示す断面図である。
【
図2】スライドセントルの概要を示す斜視図である。
【
図3】切替バルブの概要を示す図であって、(a)は平断面図、(b)は横断面図である。
【
図4】(a)はコンクリート注入時の切替バルブを示す断面図、(b)はコンクリート流下時の切替バルブを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、中流動コンクリートを用いた覆工コンクリート1の自動打設技術について説明する。
図1に覆工コンクリート1の施工状況を示す。
覆工コンクリート1は、
図1に示すように、トンネル坑内に設置された型枠(スライドセントル2)と地山G(吹付けコンクリート11)との間にフレッシュコンクリート10を打ち込むことにより形成する。本実施形態では型枠として、スライドセントル2を使用する。
図2にスライドセントル2の概要を示す。
スライドセントル2は、
図2に示すように、複数の型枠部材21,21,…と、複数のバイブレータ22,22,…と、複数の打設感知センサ23,23,…とを備えている。また、スライドセントル2の内空側には、フレッシュコンクリート(中流動コンクリート)10を供給するためのコンクリート打設管3が配管されている。
【0010】
スライドセントル2は、複数の型枠部材21,21,…を組み合わせることにより、トンネル断面形状に応じた断面円弧状(半円筒状)を呈している。型枠部材21は、周方向に隣接する他の型枠部材21に対して回動可能に連結されていて、トンネル径方向での移動が可能である。すなわち、スライドセントル2は、型枠部材21を移動させることで、縮径可能である。また、スライドセントル2には、開閉扉を備えた確認窓24が形成されており、コンクリートの打設状況の確認が行えるように構成されている。なお、確認窓24の配置や形状寸法等は、適宜設定する。
バイブレータ22は、スライドセントル2の内面(内空側の面)に固定されている。バイブレータ22は、スライドセントル2と地山Gとの間に打ち込まれたコンクリートに振動を与える。本実施形態では、トンネル周方向に間隔をあけて並べられた複数のバイブレータ22の列が、トンネル軸方向に複数列並設されている。本実施形態では、バイブレータ22を型枠部材21に形成された確認窓24に隣接して設置している。こうすることで、確認窓24から作業員がバイブレータ22による締め固め効果を確認できる。
打設感知センサ23は、型枠部材21の外面(地山G側の面)に固定されている。打設感知センサ23は、スライドセントル2と地山Gとの間に打ち込まれたコンクリートを検知する。打設感知センサ23がコンクリートを検知することで、コンクリートの打設状況を把握できる。本実施形態では、トンネル周方向に間隔をあけて並べられた複数の打設感知センサ23の列が、トンネル軸方向に複数列並設されている。
【0011】
コンクリート打設管3は、コンクリートポンプPから延設されて、スライドセントル2の内面に沿って配管されている。本実施形態では、2本のコンクリート打設管3,3が左右にそれぞれ配管されている。本実施形態では、コンクリートポンプPに接続された管路が分岐バルブを介して左右のコンクリート打設管3,3に分岐されているが、コンクリート打設管3はそれぞれ異なるコンクリートポンプPに接続されていてもよい。
各コンクリート打設管3は、スライドセントル2の内面において、横方向(トンネル軸方向)に延設された横管31と、縦方向(トンネル周方向)に延設された縦管32とを備えている。本実施形態では、トンネルの上半と下半との境界部付近(スプリングライン付近)と、トンネル肩部付近と、トンネル頂部付近において、それぞれ横管31がトンネル軸方向に延設されている。上半と下半との境界部付近に配管された横管31とトンネル肩部付近に配管された横管31は、スライドセントル2の先端側の端部において縦管32を介して連結されている。また、トンネル肩部付近に配管された横管31とトンネル頂部付近に配管された横管31は、スライドセントル2の基端側の端部において縦管32を介して連結されている。すなわち、コンクリート打設管3は、縦管32を介して高さ位置を変化させながら、スライドセントル2の内面を往復している。
【0012】
コンクリート打設管3には、複数の切替バルブ4,4,…が間隔をあけて設けられている。切替バルブ4は、コンクリート打設管3(上流管)を介して上流側(コンクリートポンプP側)から供給されたコンクリートを、スライドセントル2と地山の間(型枠内)に注入可能な状態と、下流側(コンプリートポンプP反対側)に接続されたコンクリート打設管3(下流管)に流下可能な状態とを切り替える。本実施形態では、横管31と縦管32との角部や横管31の中間部に切替バルブ4が設けられている。
図3に切替バルブ4の概要を示す。
図3に示すように、切替バルブ4は、スライドセントル(型枠)2に接続された筒体5と、筒体5内に収納された摺動体6とを備えている。
【0013】
筒体5の先端は、スライドセントル2の型枠部材21に固定されている。また、筒体5の先端は、型枠部材21の表面(コンクリート側の面)と面一となる形状を有している。さらに、筒体5の先端は、注入口51として開口している。注入口51は、型枠部材21に形成された貫通孔と連通している。
筒体5の側面には、流入口52と流出口53とが形成されている。流入口52には、コンクリートポンプP側(輸送方向上流側)から延びるコンクリート打設管3(上流管)が接続されている。一方、流出口53には、コンクリートポンプPと反対側(輸送方向下流側)に延びるコンクリート打設管3(下流管)が接続されている。
流出口53は、流入口52に対して筒体5の軸方向にオフセットした位置に形成されている。本実施形態では、流入口52が流出口53よりも注入口51側に形成されている。流出口53は、外側(型枠部材21側)の縁が流入口52の内空側の縁よりも内空側に位置するように、流入口52よりも内空側(型枠部材21と反対側)にオフセットされている。すなわち、流入口52と流出口53は、筒体5の中心軸と平行な面に投影した際に重ならないように配置されている。
【0014】
摺動体6は、筒体5の内部において筒体5の軸方向に摺動可能である。摺動体6の先端面61は、型枠部材21の表面(コンクリート側の面)と面一となるように、側面視円弧状に形成されている。また、摺動体6には、摺動体6の先端面61を型枠部材21のコンクリート側の面と一致させた状態で、流入口52と流出口53とを連結する内部流路62が形成されている。内部流路62は、摺動体6の移動方向に対して傾斜した直線状の流路である。
摺動体6は、制御手段7に接続されていて、制御手段7から送信された信号により筒体5内において前後に摺動する。摺動体6が移動することにより、流入口52と注入口51とが連通した状態と、流入口52と流出口53とが連通した状態とが切り替わる。
【0015】
以下、本実施形態の自動打設技術による覆工コンクリート1の打設方法について説明する。まず、トンネル坑内にスライドセントル2を設置する。スライドセントル2は、型枠部材21を折り畳んで縮径させた状態で、所定の位置まで移動させる。スライドセントル2を所定の位置に配置したら、所定の形状になるように拡径させる(
図1,2参照)。
次に、コンクリート打設管3にコンクリートポンプPを接続し、コンクリートポンプPによりコンクリート(中流動コンクリート)を圧送する。本実施形態では、下段のコンクリートポンプPに最も近い(最も上流側に設けられた)切替バルブ4から順にコンクリートを打ち込むものとする(
図2参照)。
図4(a)および(b)に切替バルブ4の使用状況を示す。
【0016】
コンクリートを打ち込む切替バルブ4には、制御手段7から注入開始の信号が送信されて、摺動体6が後退する。摺動体6が後退すると、摺動体6の先端面61が流入口52よりも後側(内空側)に配置される。こうすることで、流入口52が開口したまま、流出口53が摺動体6の側面によって閉口されるとともに、注入口51が開口される。そのため、コンクリート打設管3を介して圧送されたコンクリートは、注入口51から排出されて、型枠内(スライドセントル2と地山Gとの間)に打ち込まれる。このとき、他の切替バルブ4は、摺動体6の先端面61が型枠部材21の表面と一致した状態で、流入口52と流出口53とが連通した状態となっている。
【0017】
コンクリートの打込みと並行して、当該切替バルブ4の近傍に配設されたバイブレータ22が作動し、型枠部材21を振動させてコンクリートの締固めを行う。また、コンクリート注入中は、コンクリート注入中の切替バルブ4の近傍に配設された打設感知センサ23が作動している。打設感知センサ23により、コンクリートが所定の高さまで打ち込まれたことが検知されたら、制御手段7から切替バルブ4に注入終了の信号が送信されて、摺動体6が前進する。摺動体6が前進すると、注入口51が遮蔽されるとともに、流入口52と流出口53が内部流路62により連通する。
【0018】
制御手段7は、切替バルブ4に注入終了の信号を送信するとともに、当該切替バルブ4(コンクリートの注入を終了する切替バルブ4)の下流側に隣接する切替バルブ4に注入開始の信号を送信する。注入開始の信号を受信した切替バルブ4は、摺動体6が後退して、注入口51を開口する。
このように、コンクリート打設管3の上流側(コンクリートポンプP側)の切替バルブ4から順に、コンクリートを注入することで、スライドセントル2の背面にコンクリートを充填する。
【0019】
以上、本実施形態の切替バルブ4は、コンクリートを輸送するコンクリート打設管3に介設されており、コンクリート打設管3を介して輸送されたコンクリートを直接的にスライドセントル2の背面(スライドセントル2と地山Gの間)に誘導することを可能としている。そのため、コンクリート打設管3から複数の分岐管を延設させる従来の施工方法に比べて、管内に残留するコンクリートの量を低減できる。ゆえに、残留コンクリートの処分に要する手間や費用を低減できる。また、コンクリート打設管3(上流管および下流管)は、切替バルブ4を介して連続しているため、複数の分岐管毎に清掃作業を必要とする場合に比べて、コンクリート打設管3内の清掃作業が容易である。
【0020】
筒体5の先端および摺動体6の先端面61が、スライドセントル2の表面(コンクリート側の面)と面一となる形状を有しているため、コンクリート表面に打設口の痕跡(凹凸)が生じ難い。そのため、スライドセントル2の撤去後(覆工コンクリート1の施工後)に、痕跡の補修作業に要する手間を省略あるいは低減できる。
また、内部流路62が摺動体6の移動方向に対して傾斜した直線状の流路であるため、コンクリート打設管3の屈曲部を最小限に抑えることができる。そのため、圧送中のコンクリートの切替バルブ4通過時の抵抗を最小限におさえることができる。
【0021】
また、切替バルブ4によるコンクリートの注入を終了する際には、摺動体6を注入口51側に先進させるため、筒体5内のコンクリートを押し出した状態で終了するため、注入口51近傍に空気溜りが形成され難い。そのため、覆工コンクリート1をより高品質に施工できる。
さらに、流入口52が流出口53よりも注入口51側に形成されているため、摺動体6を前進させて、コンクリートの打込み状態から、流出口53から流出状態へ切り替える際に、筒体5内から押し出すコンクリート量を最小限に抑えることができる。
【0022】
打設感知センサ23により打設状況を検知して、コンクリートの注入箇所(切替バルブ4)を自動的に移動させるため、目視で打設状況を確認する必要がない。そのため、作業員の手間を低減することができる。また、バイブレータ22による締固めも自動的に行うことで、施工の手間を低減できる。このように、打設状況の確認およびコンクリートの締固めを機械的に行うことで、人力により行う場合に比べて、作業員等の熟練度に関わらず、コンクリートの充填状況にムラが生じ難い。
【0023】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、覆工コンクリート1として、中流動コンクリートを打設する場合について説明したが、覆工コンクリート1として使用されるコンクリートの種類は限定されるものではなく、例えば高強度コンクリート、繊維補強コンクリート、普通コンクリート等、あらゆる種類のコンクリートが採用可能である。
また、前記実施形態では、横管31が上下3段に配管されていたが、コンクリート打設管3の配管は、トンネルの形状に応じて適宜決定すればよい。
【0024】
また、切替バルブ4の数および配置は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
流入口52と流出口53は、中心軸が平行になるように筒体5に形成されていてもよいし、中心軸同士が交差する向きに形成されていてもよい。
筒体5の先端は、必ずしも型枠部材21の表面(地山G側の面)と面一である必要はなく、例えば、型枠部材21の内面(内空側の面)に固定されていてもよい。
また、摺動体6の先端面の形状は限定されるものではなく、例えば、平面であってもよい。
また、内部流路62は、必ずしも直線状である必要はなく、例えば、円弧状に流入口52と流出口53とを連通する形状であっても負い。
流入口52と流出口53との位置関係は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
【符号の説明】
【0025】
1 覆工コンクリート
2 スライドセントル(型枠)
21 型枠部材
3 コンクリート打設管
4 切替バルブ
5 筒体
51 注入口
52 流入口
53 流出口
6 摺動体
61 先端面
62 内部流路