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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191812
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】防振装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/073 20060101AFI20221221BHJP
   F16F 15/06 20060101ALI20221221BHJP
   F16F 1/18 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
F16F15/073
F16F15/06 C
F16F1/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100263
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 和宏
(72)【発明者】
【氏名】山嵜 泰正
(72)【発明者】
【氏名】上田 元彦
【テーマコード(参考)】
3J048
3J059
【Fターム(参考)】
3J048AA01
3J048AC01
3J048BC04
3J048BE12
3J048CB22
3J048EA09
3J059BA18
3J059BB05
3J059CA12
3J059CB03
3J059DA25
3J059GA20
(57)【要約】
【課題】防振装置1は、コンプレッサ2に生じる振動が走行用エンジン3に伝わることを抑制する。
【解決手段】板バネ30A、40Aは、板バネ領域21に対してX方向に重ね合うように配置され、かつ板バネ領域20Aに支持され、板バネ領域21に対して振動により滑り摩擦を生じる摩擦接触部33a、43aを備える。板バネ30B、40Bは、板バネ領域22に対してX方向に重ね合うように配置され、かつ板バネ領域22に支持され、板バネ領域22に対して振動により滑り摩擦を生じる摩擦接触部33b、43bを備える。板バネ30C、40Cは、板バネ領域23に対してY方向に重ね合うように配置され、かつ板バネ領域23に支持され、板バネ領域23に対して振動により滑り摩擦を生じる摩擦接触部33c、43cを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動発生源(2)に生じる振動が被振動伝達部(3)に伝わることを抑制する防振装置であって、
第1板バネ領域(21)、第2板バネ領域(22)、および第3板バネ領域(23)を有し、前記第1板バネ領域、前記第2板バネ領域、前記第3板バネ領域を介して前記振動発生源と前記被振動伝達部との間を連結するように形成されている連結用板バネ(20)と、
前記第1板バネ領域に対して第1方向に重ね合うように配置され、かつ前記第1板バネ領域に固定され、前記第1板バネ領域に対して振動により滑り摩擦を生じる第1摩擦接触部(33a、43a)を備える第1板バネ(30A、40A)と、
前記第1方向と異なる方向を第2方向としたとき、前記第2板バネ領域に対して前記第2方向に重ね合うように配置され、かつ前記第2板バネ領域に固定され、前記第2板バネ領域に対して振動により滑り摩擦を生じる第2摩擦接触部(33b、43b)とを備える第2板バネ(30B、40B)と、
前記第1方向と異なり、かつ前記第2方向と異なる方向を第3方向としたとき、前記第2板バネ領域に対して前記第3方向に重ね合うように配置され、かつ前記第3板バネ領域に固定され、前記第3板バネ領域に対して振動により滑り摩擦を生じる第3摩擦接触部(33c、43c)を備える第3板バネ(30C、40C)と、
を備える防振装置。
【請求項2】
振動発生源(2)に生じる振動が被振動伝達部(3)に伝わることを抑制する防振装置であって、
前記振動発生源と前記被振動伝達部との間を連結するように形成されている連結用板バネ(20)と、
前記連結用板バネに固定されている固定部(36、46)と、前記固定部以外の領域において前記連結用板バネに対して重ね合うように配置され、前記連結用板バネに対して振動により滑り摩擦を生じる複数の摩擦接触部(33a、43a)と、を有する板バネ(30A、40A)と、
を備える防振装置。
【請求項3】
振動発生源(2)に生じる振動が被振動伝達部(3)に伝わることを抑制する防振装置であって、
前記振動発生源と前記被振動伝達部との間を連結するように形成されている連結用板バネ(20)と、
前記連結用板バネに固定されている固定部(36)と、前記固定部以外の領域において前記連結用板バネに対して重ね合うように配置され、弾性変形して弾性力を前記連結用板バネに与えた状態で前記連結用板バネに対して振動により滑り摩擦を生じる摩擦接触部(33a)とを備える板バネ(30A)と、
を備える防振装置。
【請求項4】
振動発生源(2)に生じる振動が被振動伝達部(3)に伝わることを抑制する防振装置であって、
板バネ領域(33a、43a)を有し、前記板バネ領域を介して前記振動発生源と前記被振動伝達部との間を連結するように形成されている連結用板バネ(20)と、
前記板バネ領域に固定されている固定部(36、46、110)と、前記固定部以外の領域において前記板バネ領域に対して重なるように配置され、前記板バネ領域に対して振動により前記板バネ領域に対して滑り摩擦を生じる摩擦接触部(33a、43a)と、振動によって弾性変形して前記板バネ領域に対して前記摩擦接触部を変位させる変位許容部(70、71)とを備える板バネ(30A、40A)と、
を備える防振装置。
【請求項5】
前記板バネ領域は、所定方向(Z)に延びるように形成されており、
前記変位許容部は、振動によって弾性変形して前記板バネ領域に対して前記摩擦接触部を前記所定方向に変位させる請求項4に記載の防振装置。
【請求項6】
前記板バネ領域は、所定方向(Z)に延びるように形成されており、
前記変位許容部は、振動によって弾性変形して前記板バネ領域に対して前記摩擦接触部を前記所定方向に対して交差する方向に変位させる請求項4に記載の防振装置。
【請求項7】
前記変位許容部は、連結用板バネに対して間隔を開けるように形成されている請求項4ないし6のいずれか1つに記載の防振装置。
【請求項8】
前記連結用板バネは、前記振動発生源と前記被振動伝達部との間を延出する長板状に形成されており、
前記連結用板バネのうち前記延出する方向を長手方向とし、前記連結用板バネのうち前記長手方向に直交する方向を厚み方向とし、前記連結用板バネのうち前記長手方向に直交し、かつ前記厚み方向に直交する方向を幅方向としたとき、
前記連結用板バネは、前記第1板バネ領域、前記第2板バネ領域、前記第3板バネ領域のうちいずれの板バネ領域も重なり合っていない第4板バネ領域(27,26、24)を有し、
前記第4板バネ領域は、前記第1板バネ領域、前記第2板バネ領域、および前記第3板バネ領域よりも前記幅方向の寸法、或いは前記厚み方向の寸法が大きくなるように設定されている請求項1に記載の防振装置。
【請求項9】
前記第1板バネ、前記第2板バネ、前記第3板バネのうちいずれか1つは、前記連結用板バネに対して2つ以上のボルト(50a、51a、52a、50b、51b、52b)によって固定されている請求項1に記載の防振装置。
【請求項10】
前記板バネは、前記連結用板バネに対して2つ以上のボルト(50a、50b、55、56)によって固定されている請求項2ないし7のいずれか1つに記載の防振装置。
【請求項11】
前記連結用板バネは、前記第1板バネ領域、前記第2板バネ領域、および前記第3板バネ領域が一体に成形されている一体成形物を構成する請求項1に記載の防振装置。
【請求項12】
前記第1板バネ、前記第2板バネ、前記第3板バネは、一体に成形されている一体成形物(300)を構成する請求項1に記載の防振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、防振装置では、長さの異なる細長い板材板バネを上下方向に複数枚重ね合わせた状態に配置されている重ね板バネが提案されている(例えば、特許文献1参照)。重ね板バネは、複数の板バネがしなることにより、複数の板バネのうち隣り合う2枚の板バネの間の滑り摩擦により上下方向の振動を減衰させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-126405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の防振装置では、複数の板バネがしなることにより、複数の板バネのうち隣り合う2枚の板バネの間の滑り摩擦により上下方向の振動を減衰させることができる。しかし、上下方向以外の方向の振動を減衰させることができない。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、振動発生源から被振動伝達部に伝わる振動をより一層減衰させる防振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、振動発生源(2)に生じる振動が被振動伝達部(3)に伝わることを抑制する防振装置であって、
第1板バネ領域(21)、第2板バネ領域(22)、および第3板バネ領域(23)を有し、第1板バネ領域、第2板バネ領域、第3板バネ領域を介して振動発生源と被振動伝達部との間を連結するように形成されている連結用板バネ(20)と、
第1板バネ領域に対して第1方向に重ね合うように配置され、かつ第1板バネ領域に固定され、第1板バネ領域に対して振動により滑り摩擦を生じる第1摩擦接触部(33a、43a)を備える第1板バネ(30A、40A)と、
第1方向と異なる方向を第2方向としたとき、第2板バネ領域に対して第2方向に重ね合うように配置され、かつ第2板バネ領域に固定され、第2板バネ領域に対して振動により滑り摩擦を生じる第2摩擦接触部(33b、43b)とを備える第2板バネ(30B、40B)と、
第1方向と異なり、かつ第2方向と異なる方向を第3方向としたとき、第2板バネ領域に対して第3方向に重ね合うように配置され、かつ第3板バネ領域に固定され、第3板バネ領域に対して振動により滑り摩擦を生じる第3摩擦接触部(33c、43c)を備える第3板バネ(30C、40C)と、を備える。
【0007】
したがって、第1方向の振動、第2方向の振動、および第3方向の振動を減衰することができる。このため、振動発生源から被振動伝達部に伝わる振動をより一層減衰させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、振動発生源(2)に生じる振動が被振動伝達部(3)に伝わることを抑制する防振装置であって、
振動発生源と被振動伝達部との間を連結するように形成されている連結用板バネ(20)と、
連結用板バネに固定されている固定部(36、46)と、固定部以外の領域において連結用板バネに対して重ね合うように配置され、連結用板バネに対して振動により滑り摩擦を生じる複数の摩擦接触部(33a、43a)と、を有する板バネ(30A、40A)と、を備える。
【0009】
したがって、複数の摩擦接触部を板バネに設けることにより、複数の周波数で滑り摩擦を生じることができる。このため、複数の周波数の振動を減衰させることができる。これにより、振動発生源から被振動伝達部に伝わる振動をより一層減衰させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、振動発生源(2)に生じる振動が被振動伝達部(3)に伝わることを抑制する防振装置であって、
振動発生源と被振動伝達部との間を連結するように形成されている連結用板バネ(20)と、
連結用板バネに固定されている固定部(36)と、固定部以外の領域において連結用板バネに対して重ね合うように配置され、弾性変形して弾性力を連結用板バネに与えた状態で連結用板バネに対して振動により滑り摩擦を生じる摩擦接触部(33a)とを備える板バネ(30A)と、を備える。
【0011】
したがって、板バネの摩擦接触部は、弾性変形して弾性力を連結用板バネに与えた状態で連結用板バネに対して振動により滑り摩擦を生じる。このため、振動発生源から被振動伝達部に伝わる振動をより一層減衰させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、振動発生源(2)に生じる振動が被振動伝達部(3)に伝わることを抑制する防振装置であって、
板バネ領域(33a、43a)を有し、板バネ領域を介して振動発生源と被振動伝達部との間を連結するように形成されている連結用板バネ(20)と、
板バネ領域に固定されている固定部(36、46、110)と、固定部以外の領域において板バネ領域に対して重なるように配置され、板バネ領域に対して振動により板バネ領域に対して滑り摩擦を生じる摩擦接触部(33a、43a)と、振動によって弾性変形して板バネ領域に対して摩擦接触部を変位させる変位許容部(70、71)とを備える板バネ(30A、40A)と、を備える。
【0013】
したがって、連結用板バネの板バネ領域に対する摩擦接触部の滑り摩擦によって生じる摩耗紛を板バネ領域および摩擦接触部の間から排出することができる。このため、板バネ領域および摩擦接触部の摩耗が促進することを抑制することができる。
【0014】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す正面図である。
図2図1の第1実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す上面図である。
図3図1の第1実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す側面図である。
図4図1の第1実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す斜視図である。
図5図1の第1実施形態における車両用防振装置のバネユニットにおいて、連結用板バネ、および板バネの構造の説明の補助するための図である。
図6図1の第1実施形態における車両用防振装置のバネユニットにおいて、連結用板バネの製造の説明を補助するための図である。
図7図1の第1実施形態における車両用防振装置のバネユニットにおいて、連結用板バネの説明を補助するための図である。
図8図1の第1実施形態における車両用防振装置の防振効果の説明を補助するための図である。
図9図1の第1実施形態における車両用防振装置の防振効果の測定するための実験の説明を補助するための図である。
図10図1の第1実施形態における車両用防振装置の防振効果の測定結果の説明を補助するための図である。
図11図1の第1実施形態における車両用防振装置の防振効果の測定結果の説明を補助するための図である。
図12図1の第1実施形態における車両用防振装置の防振効果の測定結果の説明を補助するための図である。
図13図1の第1実施形態における車両用防振装置の防振効果の測定するための実験の説明を補助するための図である。
図14図1の第1実施形態における車両用防振装置の防振効果の測定結果の説明を補助するための図である。
図15図1の第1実施形態における車両用防振装置の防振効果の測定結果の説明を補助するための図である。
図16図1の第1実施形態における車両用防振装置の防振効果の測定結果の説明を補助するための図である。
図17】第1実施形態の変形例における車両用防振装置のバネユニットにおいて、連結用板バネ、および板バネの構造の説明の補助するための図である。
図18】本発明の第2実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す正面図である。
図19図18の第2実施形態における車両用防振装置の部分Xaの拡大した部分拡大図である。
図20図18の第2実施形態における車両用防振装置の防振効果の説明を補助するための図である。
図21図18の第2実施形態における車両用防振装置の防振効果の説明を補助するための図である。
図22図18の第2実施形態における車両用防振装置の防振効果の説明を補助するための図である。
図23】本発明の第3実施形態における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図24】本発明の第3実施形態の第1変形例における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図25】本発明の第3実施形態の第2変形例における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図26】本発明の第3実施形態の第3変形例における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図27】本発明の第3実施形態の第4変形例における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図28】本発明の第4実施形態における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図29】本発明の第4実施形態の第1変形例における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図30図29の第4実施形態の第1変形例における車両用防振装置の部分拡大図である。
図31図29の第4実施形態の第1変形例における車両用防振装置の効果の説明を補助するための図である。
図32図29の第4実施形態の第1変形例における車両用防振装置の効果の説明を補助するための図である。
図33図29の第4実施形態の第1変形例における車両用防振装置の効果の説明を補助するための図である。
図34】本発明の第4実施形態の第2変形例における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図35】本発明の第4実施形態の第3変形例における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図36】本発明の第4実施形態の第4変形例における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図37】本発明の第4実施形態の第5変形例における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図38】本発明の第5実施形態における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図39】本発明の第6実施形態における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図40】本発明の第7実施形態における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図41】本発明の第8実施形態における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図42】本発明の第9実施形態における車両用防振装置の一部を示す正面図である。
図43】本発明の第10実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す正面図である。
図44図43の第10実施形態における車両用防振装置のバネユニットの製造工程の説明を補助するための図である。
図45図43の第10実施形態における車両用防振装置のバネユニットの製造工程の説明を補助するための図である。
図46図43の第10実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図47図43の第10実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図48図43の第10実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図49図43の第10実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図50】本発明の第11実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す正面図である。
図51図50の第11実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図52図50の第11実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図53】本発明の第12実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す正面図である。
図54】本発明の第13実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す正面図である。
図55】本発明の第14実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す斜視図である。
図56図55の第14実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す正面図である。
図57図55の第14実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図58図55の第14実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図59図55の第14実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図60図55の第14実施形態における車両用防振装置のバネユニットの防振効果の説明を補助するための図である。
図61】本発明の第15実施形態における車両用防振装置の一部を拡大した部分拡大図である。
図62】本発明の第16実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す図である。
図63】本発明の他の実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す図である。
図64】本発明の他の実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す図である。
図65】本発明の他の実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す図である。
図66】本発明の他の実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す図である。
図67】本発明の他の実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す図である。
図68】本発明の他の実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す図である。
図69】本発明の他の実施形態における車両用防振装置の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0017】
(第1実施形態)
本発明に係る車両用防振装置1の第1実施形態について図1図4を参照して説明する。以下、説明の便宜上、それぞれ直交するX方向、Y方向、Z方向を有する直交座標が設定され、X方向を中心とする揺動方向をθ方向として、Y方向を中心とする揺動方向をφ方向として、Z方向を中心とする揺動方向をΨ方向とする。
【0018】
本実施形態の車両用防振装置1は、コンプレッサ2と走行用エンジン3との間に接続されてコンプレッサ2で生じた振動が走行用エンジン3に伝わることを抑える。
【0019】
本実施形態では、コンプレッサ2は、電動モータおよび圧縮機構を備え、振動を発生する振動発生源を構成する。走行用エンジン3は、コンプレッサ2を支える被振動伝達部である。 なお、コンプレッサ2を支える被振動伝達部としては、走行用エンジン3以外に、車体、車載走行用モータ、トランスアクスルを採用してもよい。
【0020】
具体的には、車両用防振装置1は、バネユニット10A、10B、10C、10Dを備える。
【0021】
図1図2に示すように、バネユニット10A、10Bは、X方向の中心線を含む仮想面Txを中心とする面対称になるように形成されている。バネユニット10C、10Dは、X方向の中心線を含む仮想面Txを中心とする面対称になるように形成されている。バネユニット10A、10Cは、Z方向の中心線を含む仮想面Tzを中心とする面対称になるように形成されている。バネユニット10B、10Dは、Z方向の中心線を含む仮想面Tzを中心とする面対称になるように形成されている。
【0022】
そこで、本実施形態では、バネユニット10A、10B、10C、10Dのうち代表例としてバネユニット10Aについて図1図7を参照して説明する。バネユニット10Aは、連結用板バネ20、および板バネ30A、30B、30C、40A、40B、40Cを備える。
【0023】
連結用板バネ20は、図5に示すように、板バネ領域21、22、23を有し、板バネ領域21、22、23を介してコンプレッサ2と走行用エンジン3との間を連結するように形成されている。連結用板バネ20は、図6図7に示すように、細長く延びるように形成されている。
【0024】
板バネ領域21は、その長手方向がY方向となる長板状に形成されている第1板バネ領域である。板バネ領域21は、厚み方向がX方向となり、かつ幅方向がZ方向になっている。板バネ領域21のうち長手方向一方側には、貫通穴21a、21bが設けられている。
【0025】
貫通穴21a、21bは、ボルト50a、50bを貫通させるために設けられている。ボルト50a、50bは、連結用板バネ20の板バネ領域21と板バネ30A、40Aとを締結によって固定する。
【0026】
このことにより、板バネ30A、40Aが連結用板バネ20の板バネ領域21に対して固定されることになる。板バネ領域21のうち長手方向他方側には、板バネ30Aの摩擦接触部33aや板バネ40Aの摩擦接触部43aに接触する摩擦接触部21cが設けられている。
【0027】
板バネ30Aは、板バネ領域21に対してX方向(すなわち、第1方向)に重なり合うように配置されている第1板バネである。板バネ30Aは、板バネ領域21に対してその厚み方向一方側に配置されている。板バネ30Aは、その長手方向がY方向となる長板状に形成されている。板バネ30Aは、その厚み方向がX方向となり、かつ幅方向がZ方向になっている。板バネ30Aのうち長手方向一方側には、ボルト50a、50bを貫通させるための貫通穴31a、32aが設けられている。
【0028】
ここで、板バネ30Aと連結用板バネ20の板バネ領域21との間には、スペーサ60a、60bが配置されている。スペーサ60aには、ボルト50aを貫通させる貫通穴が設けられている。スペーサ60bには、ボルト50bを貫通させる貫通穴が設けられている。
【0029】
このことにより、板バネ領域21のうち長手方向一方側と板バネ30Aとの間に間隔を設けることになる。
【0030】
板バネ30Aのうち長手方向他方側には、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに接触する摩擦接触部33a(すなわち、第1摩擦接触部)が設けられている。さらに、板バネ30Aのうち長手方向他方側の端部には、連結用板バネ20の板バネ領域21に対して間隔を形成する屈曲部34aが設けられている。
【0031】
板バネ40Aは、板バネ領域21に対してX方向(すなわち、第1方向)に重なり合うように配置されている第1板バネである。板バネ40Aは、板バネ領域21に対してその厚み方向他方側に配置されている。板バネ40Aは、その長手方向がY方向となる長板状に形成されている。板バネ30Aは、その厚み方向がX方向となり、かつ幅方向がZ方向になっている。板バネ40Aのうち長手方向一方側には、ボルト50a、50bを貫通させるための貫通穴41a、42aが設けられている。
【0032】
ここで、板バネ40Aと連結用板バネ20の板バネ領域21との間には、スペーサ60c、60dが配置されている。スペーサ60cには、ボルト50aを貫通させる貫通穴が設けられている。スペーサ60dには、ボルト50bを貫通させる貫通穴が設けられている。
【0033】
このことにより、板バネ領域21のうち長手方向一方側と板バネ40Aとの間に間隔を設けることになる。
【0034】
板バネ40Aのうち長手方向他方側には、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに接触する摩擦接触部43a(すなわち、第1摩擦接触部)が設けられている。さらに、板バネ40Aのうち長手方向他方側の端部には、連結用板バネ20の板バネ領域21に対して間隔を形成する屈曲部44aが設けられている。
【0035】
板バネ領域22は、その長手方向がX方向に交差し、かつZ方向に交差する方向になる長板状に形成されている第2板バネ領域である。板バネ領域22は、厚み方向がY方向となり、かつ幅方向がZ方向に交差し、かつX方向に交差する方向になっている。
【0036】
板バネ領域22のうち長手方向一方側には、貫通穴22a、22bが設けられている。貫通穴22a、22bは、ボルト51a、51bを貫通させるために設けられている。ボルト51a、51bは、連結用板バネ20の板バネ領域22と板バネ30B、40Bとをコンプレッサ2の固定部2aに対して締結によって固定する。
【0037】
このことにより、板バネ30B、40Bが連結用板バネ20の板バネ領域22に対して固定されることになる。板バネ領域22のうち長手方向他方側には、板バネ30Bの摩擦接触部33bや板バネ40Bの摩擦接触部43bに接触する摩擦接触部22cが設けられている。
【0038】
板バネ30Bは、板バネ領域22に対してY方向(すなわち、第2方向)に重なり合うように配置されている第2板バネである。板バネ30Bは、板バネ領域22に対してその厚み方向一方側に配置されている。板バネ30Bは、その長手方向がZ方向に交差し、かつX方向に交差する方向となる長板状に形成されている。板バネ30Bは、その厚み方向がY方向となり、かつ幅方向がZ方向に交差し、かつX方向に交差する方向になっている。
【0039】
板バネ30Bのうち長手方向一方側には、貫通穴31b、32bが設けられている。貫通穴31b、32bは、ボルト51a、51bを貫通させるために設けられている。
【0040】
ここで、板バネ30Bと連結用板バネ20の板バネ領域22との間には、スペーサ61a、61bが配置されている。スペーサ61aには、ボルト51aを貫通させる貫通穴が設けられている。スペーサ61bには、ボルト51bを貫通させる貫通穴が設けられている。
【0041】
このことにより、板バネ領域22のうち長手方向一方側と板バネ30Bとの間に間隔を設けることになる。
【0042】
板バネ30Bのうち長手方向他方側には、連結用板バネ20の板バネ領域22の摩擦接触部22cに接触する摩擦接触部33b(すなわち、第2摩擦接触部)が設けられている。さらに、板バネ30Bのうち長手方向他方側の端部には、連結用板バネ20の板バネ領域22に対して間隔を形成する屈曲部34bが設けられている。
【0043】
板バネ40Bは、板バネ領域22に対してY方向(すなわち、第2方向)に重なり合うように配置されている第2板バネである。板バネ40Bは、板バネ領域22に対してその厚み方向他方側に配置されている。
【0044】
板バネ40Bは、その長手方向がZ方向に交差し、かつX方向に交差する方向となる長板状に形成されている。板バネ30Bは、その厚み方向がY方向になっている。板バネ40Bのうち長手方向一方側には、貫通穴41b、42bが設けられている。貫通穴41b、42bは、ボルト51c、51dを貫通させるために設けられている。
【0045】
ここで、板バネ40Bと連結用板バネ20の板バネ領域22との間には、スペーサ61c、61dが配置されている。スペーサ61cには、ボルト51aを貫通させる貫通穴が設けられている。スペーサ61dには、ボルト51bを貫通させる貫通穴が設けられている。
【0046】
このことにより、板バネ領域22のうち長手方向一方側と板バネ40Bとの間に間隔を設けることになる。
【0047】
板バネ40Bのうち長手方向他方側には、連結用板バネ20の板バネ領域22の摩擦接触部22cに接触する摩擦接触部43b(すなわち、第2摩擦接触部)が設けられている。さらに、板バネ40Bのうち長手方向他方側の端部には、連結用板バネ20の板バネ領域22に対して間隔を形成する屈曲部44bが設けられている。
【0048】
板バネ領域23は、長手方向がX方向に交差し、かつY方向に交差する長板状に形成されている第3板バネ領域である。板バネ領域23は、その厚み方向がZ方向となり、かつ幅方向がX方向に交差し、かつY方向に交差する方向になっている。板バネ領域23のうち長手方向一方側には、貫通穴23a、23bが設けられている。
【0049】
貫通穴23a、23bは、ボルト52a、52bを貫通させるために設けられている。ボルト52a、52bは、連結用板バネ20の板バネ領域23と板バネ30C、40Cを締結によって固定する。このことにより、板バネ30C、40Cが連結用板バネ20の板バネ領域23に対して固定されることになる。板バネ領域23のうち長手方向他方側には、板バネ30Cの摩擦接触部33cや板バネ40Cの摩擦接触部43cに接触する摩擦接触部23cが設けられている。
【0050】
板バネ30Cは、板バネ領域23に対してZ方向(すなわち、第3方向)に重なり合うように配置されている第3板バネである。板バネ30Cは、板バネ領域23に対してその厚み方向一方側に配置されている。
【0051】
板バネ30Cは、その長手方向がX方向に交差し、かつY方向に交差する方向となる長板状に形成されている。板バネ30Cは、その厚み方向がZ方向となり、かつ幅方向がX方向に交差し、かつY方向に交差する方向になっている。板バネ30Cのうち長手方向一方側には、貫通穴31a、32aが設けられている。貫通穴31a、32aは、ボルト52a、52bを貫通させるために設けられている。
【0052】
ここで、板バネ30Cと連結用板バネ20の板バネ領域23との間には、スペーサ62a、62bが配置されている。スペーサ62aには、ボルト52aを貫通させる貫通穴が設けられている。スペーサ62bには、ボルト52bを貫通させる貫通穴が設けられている。
【0053】
このことにより、板バネ領域23のうち長手方向一方側と板バネ30Cとの間に間隔を設けることになる。
【0054】
板バネ30Cのうち長手方向他方側には、連結用板バネ20の板バネ領域23の摩擦接触部23cに接触する摩擦接触部33c(すなわち、第3摩擦接触部)が設けられている。さらに、板バネ30Cのうち長手方向他方側の端部には、連結用板バネ20の板バネ領域23に対して間隔を形成する屈曲部34cが設けられている。
【0055】
板バネ40Cは、板バネ領域23に対してZ方向(すなわち、第3方向)に重なり合うように配置されている第3板バネである。板バネ40Cは、板バネ領域23に対してその厚み方向他方側に配置されている。板バネ40Cは、その長手方向がX方向に交差し、かつY方向に交差する方向となる長板状に形成されている。
【0056】
板バネ30Cは、その厚み方向がZ方向となり、かつ幅方向がX方向に交差し、かつY方向に交差する方向となっている。板バネ40Cのうち長手方向一方側には、貫通穴41c、42cが設けられている。貫通穴41c、42cは、ボルト52a、52bを貫通させるために設けられている。
【0057】
ここで、板バネ40Cと連結用板バネ20の板バネ領域23との間には、スペーサ60c、60dが配置されている。スペーサ60cには、ボルト52aを貫通させる貫通穴が設けられている。スペーサ60dには、ボルト52bを貫通させる貫通穴が設けられている。
【0058】
このことにより、板バネ領域23のうち長手方向一方側と板バネ40Cとの間に間隔を設けることになる。
【0059】
板バネ40Cのうち長手方向他方側には、連結用板バネ20の板バネ領域23の摩擦接触部23cに接触する摩擦接触部43c(すなわち、第3摩擦接触部)が設けられている。さらに、板バネ40Cのうち長手方向他方側の端部には、連結用板バネ20の板バネ領域23に対して間隔を形成する屈曲部44cが設けられている。
【0060】
さらに、板バネ領域23のうち長手方向他方側の端部24には、貫通穴25a、25bが設けられている。貫通穴25a、25bは、ボルト53a、53bを貫通させるために設けられている。ボルト53a、53bは、連結用板バネ20の板バネ領域23とコンプレッサ2とを締結によって固定する。
【0061】
本実施形態では、板バネ領域21、22の間に、曲げ部26が設けられている。板バネ領域21、23の間に、曲げ部27が設けられている。
【0062】
ここで、連結用板バネ20は、板バネ領域21、22、23、曲げ部26、27が一体に成形されている一体成形物を構成する。板バネ領域21、22、23は、それぞれの長手方向が異なる方向になっている。板バネ領域21、22、23は、それぞれの厚み方向が異なる方向になっている。
【0063】
連結用板バネ20のうち端部24、曲げ部26、27は、板バネ30A、40A、30B、40B、30C、40Cのうちいずれの板バネも厚み方向において重ならない第4板バネ領域なっている。連結用板バネ20のうち板バネ30A、40A、30B、40B、30C、40Cが重ならる領域に比べて、幅方向寸法、厚み方向寸法が大きくなっている。
【0064】
連結用板バネ20は、コンプレッサ2と走行用エンジン3との間で延出する方向を長手方向とする。厚み方法は、連結用板バネ20のうち長手方向に直交する方向であり、幅方向は、連結用板バネ20のうち長手方向に直交し、かつ厚み方法に直交する方向である。
【0065】
バネユニット10B、10C、10Dは、バネユニット10Aと同様に構成されている。
【0066】
次に、本実施形態の車両用防振装置1の作動について説明する。
【0067】
まず、車両用防振装置1は、コンプレッサ2が作動を開始して振動を発生する。この振動がバネユニット10A、10B、10C、10Dに伝わる。
【0068】
このとき、板バネ30Aの摩擦接触部33a、板バネ40Aの摩擦接触部43aが、バネユニット10Aに伝わる振動によって、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに対して滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、X方向の振動を減衰させることができる。
【0069】
また、板バネ30Bの摩擦接触部33b、板バネ40Bの摩擦接触部43bが、バネユニット10Aに伝わる振動によって、連結用板バネ20の板バネ領域22の摩擦接触部22cに対して滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、Y方向の振動を減衰させることができる。
【0070】
さらに、板バネ30Cの摩擦接触部33c、板バネ40Cの摩擦接触部43cが、バネユニット10Aに伝わる振動によって、連結用板バネ20の板バネ領域23の摩擦接触部22cに対して滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、Y方向の振動を減衰させることができる。
【0071】
このようにコンプレッサ2からバネユニット10Aに伝わる振動うちX方向の振動、Y方向の振動、Z方向の振動が減衰させることができる。
【0072】
同様に、バネユニット10B、10C、10Dは、それぞれ、コンプレッサ2から伝わる振動うちX方向の振動、Y方向の振動、Z方向の振動が減衰させることができる。
【0073】
このことにより、コンプレッサ2から走行用エンジン3に振動が伝わることを抑えることができる。
【0074】
以上説明した本実施形態によれば、車両用防振装置1は、コンプレッサ2に生じる振動が走行用エンジン3に伝わることを抑制する。連結用板バネ20は、板バネ領域21、22、23を有し、板バネ領域21、22、23を介してコンプレッサ2と走行用エンジン3との間を連結するように形成されている。
【0075】
板バネ30A、40Aは、それぞれ、板バネ領域21に対してX方向に重ね合うように配置され、かつ板バネ領域20Aに支持され、板バネ領域21の摩擦接触部21cに対して振動により滑り摩擦を生じる摩擦接触部33a、43aを備える。このことにより、コンプレッサ2から連結用板バネ20に伝わる振動のうち、X方向の振動を減衰させることができる。これに加えて、X方向を中心とする揺動方向であるθ方向の振動を減衰させることができる。
【0076】
板バネ30B、40Bは、それぞれ、板バネ領域22に対してY方向に重ね合うように配置され、かつ板バネ領域22に支持され、板バネ領域22の摩擦接触部22cに対して振動により滑り摩擦を生じる摩擦接触部33b、43bを備える。このことにより、コンプレッサ2から連結用板バネ20に伝わる振動のうち、Y方向の振動を減衰させることができる。これに加えて、Y方向を中心とする揺動方向であるをφ方向の振動を減衰させることができる。
【0077】
板バネ30C、40Cは、それぞれ、板バネ領域23に対してZ方向に重ね合うように配置され、かつ板バネ領域23に支持され、板バネ領域23の摩擦接触部23cに対して振動により滑り摩擦を生じる摩擦接触部33c、43cを備える。このことにより、コンプレッサ2から連結用板バネ20に伝わる振動のうち、Z方向の振動を減衰させることができる。これに加えて、Z方向を中心とする揺動方向であるΨ方向の振動を減衰させることができる。
【0078】
以上により、コンプレッサ2から伝わる振動うちX方向の振動、Y方向の振動、Z方向の振動、θ方向の振動、Φ方向の振動、Ψ方向の振動のそれぞれを減衰させることができる。したがって、コンプレッサ2から走行用エンジン3に振動が伝わることを抑えることができる。
【0079】
ここで、図8において、グラフZaは、車両用防振装置1を設けない場合のコンプレッサ2から走行用エンジン3に伝わる振動の伝達関数の周波数特性を示している。グラフZbは、車両用防振装置1を設けた場合のコンプレッサ2から走行用エンジン3に伝わる振動の伝達関数の周波数特性を示す。
【0080】
車両用防振装置1は、コンプレッサ2と車両用防振装置1とにより決定される共振周波数32Hz以降の周波数において防振効果を良くするこができる。このため、防振効果を良くするためには共振周波数が低周波帯域に設定されることが望ましい。
【0081】
一方、共振周波数が低周波帯域の場合、コンプレッサ2から車両用防振装置1を経由して走行用エンジン3材へ、逆に走行用エンジン3から車両用防振装置1を経由してコンプレッサ2へ振動が伝達される場合に、低周波帯域にピークP1、P2が生じる。
【0082】
このため、振動によって車両用防振装置1およびコンプレッサ2の変位が大きくなる。これに伴い、コンプレッサ2および車両用防振装置1の耐久性が悪化する。またコンプレッサ2および車両用防振装置1がコンプレッサ2および車両用防振装置1の周辺に配置されている他部品との干渉する。
【0083】
そこで、共振周波数を防振と耐久性を満足できる範囲に集める必要がある。また、共振周波数を集めた背反で共振周波数における防振効果が悪化するが、本実施形態の車両用防振装置1の滑り摩擦減衰により抑制することができる。
【0084】
次に、本実施形態において振動試験として、ハンマーによりコンプレッサ2へ振動を加えた場合の振動の減衰について図9図11を参照して説明する。
【0085】
図9中の矢印A1は、コンプレッサ2のうちハンマーによりX方向の振動を加える加振する方向であり、矢印A2は、X方向の振動を加える際にハンマーによりコンプレッサ2へ加振する加振点である。矢印A3は、コンプレッサ2のうちハンマーによりY方向の振動を加える加振点、矢印A4は、Y方向の振動を加える際にハンマーによりコンプレッサ2へ加振する方向である。矢印A5は、コンプレッサ2のうちハンマーによりZ方向の振動を加える加振点、矢印A6は、Z方向の振動を加える際にハンマーによりコンプレッサ2へ加振する方向である。
【0086】
図10中Dzは、Z方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いた場合の伝達関数を示し、Dcは、Z方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いない場合の伝達関数を示している。
図10中Dz、Dcから分かるように、重ね板バネによりZ方向の振動の減衰が生じることができることが分かる。
【0087】
図11中Dxは、X方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いた場合の伝達関数を示し、Daは、X方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いない場合の伝達関数を示している。
【0088】
図11中Dx、Daから分かるように、重ね板バネによりX方向の振動の減衰が生じることができることが分かる。
【0089】
図12中Dyは、Y方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いた場合の伝達関数を示し、Dbは、Y方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いない場合の伝達関数を示している。図12中Dy、Dbから分かるように、重ね板バネによりY方向の振動の減衰が生じることができることが分かる。
【0090】
図13中の矢印A7は、コンプレッサ2のうちハンマーによりθ方向の振動を加える加振点、矢印A8は、コンプレッサ2のうちハンマーによりφ方向の振動を加える加振点、矢印A9は、コンプレッサ2のうちハンマーによりΨ方向の振動を加える加振点である。
【0091】
図14中Dθは、X方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いた場合の伝達関数を示し、Deは、X方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いない場合の伝達関数を示している。
【0092】
図14中Dθ、Deから分かるように、重ね板バネによりθ方向の振動の減衰が生じることが分かる。
【0093】
図15中Dφは、Y方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いた場合の伝達関数を示し、Dφは、Y方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いない場合の伝達関数を示している。図15中Dφ、Dfから分かるように、重ね板バネによりφ方向の振動の減衰が生じることが分かる。
【0094】
図16中DΨは、Z方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いた場合の伝達関数を示し、Dgは、Z方向の滑り摩擦を生じる重ね板バネを用いない場合の伝達関数を示している。
図16中DΨ、Dgから分かるように、重ね板バネによりΨ方向の振動の減衰が生じることが分かる。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態では、バネユニット10Aにおいて、板バネ30A、40Aのうち長手方向他方側の端部には、屈曲部34a、44aを設けた例について説明した。しかし、これに代えて、図17に示すように、バネユニット10Aにおいて、板バネ30A、40Aのうち長手方向他方側の端部には、屈曲部34a、44aを削除してもよい。
【0095】
また、板バネ30B、40B、30C、40Cにおいても、板バネ30A、40Aと同様に構成してもよい。
【0096】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、連結用板バネ20に接触する1つの摩擦接触部33aを板バネ30Aに設けた例について説明した。しかし、これに代えて、板バネ30Aにおいて、複数の摩擦接触部33aを設けた本第2実施形態について図18図19を参照して説明する。
【0097】
図18は、本実施形態の車両用防振装置1の全体構成を示す図であり、図19は、図19中のバネユニット10AのXa部分の拡大図である。図19図18において、図1、2、5中の同一符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0098】
本実施形態のバネユニット10Aでは、板バネ30Aのうち固定部36以外の領域において、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに接触する複数の摩擦接触部33aが設けられている。固定部36は、板バネ30Aのうち連結用板バネ20に対してボルト50a、50bによって固定されている領域である。
【0099】
板バネ30Aには、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに非接触状態になる複数の非接触部35が設けられている。板バネ30Aにおいて、複数の摩擦接触部33aおよび複数の非接触部35は、1つずつ交互に並べられている。
【0100】
板バネ40Aのうち固定部46以外の領域において、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに接触する複数の摩擦接触部43aが設けられている。固定部46は、板バネ40Aのうち連結用板バネ20に対してボルト50a、50bによって固定されている領域である。
【0101】
板バネ40Aには、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに非接触状態になる複数の非接触部45が設けられている。板バネ40Aにおいて、複数の摩擦接触部43aおよび複数の非接触部45は、1つずつ交互に並べられている。バネユニット10Bにおいても、バネユニット10Aと同様に構成されている。
【0102】
以上説明した本実施形態によれば、バネユニット10Aでは、板バネ30Aは、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに接触する複数の摩擦接触部33aを備える。板バネ40Aは、連結用板バネ20の板バネ領域21のの摩擦接触部21cに接触する複数の摩擦接触部43aを備える。
【0103】
ここで、図20図21図22には、コンプレッサ2と走行用エンジン3との間に接続されているバネユニット150A、150B、150C、150Dがそれぞれ異なる周波数で振動した状態を示す。図20の部分Wa、Wb、図21の部分Wc、Wd、図22中の部分Weは、それぞれ大きく振動した箇所を示す。
【0104】
図20図21図22から分かるように、バネユニット150A、150B、150C、150Dが、振動の周波数によって震動モードが異なることが分かる。振動の周波数が異なると、バネユニット150A、150B、150C、150Dは、それぞれ異なる部位が大きく変位する。
【0105】
これに対して、本実施形態では、上述の如く、板バネ30A、40Aは、それぞれ、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに接触する複数の摩擦接触部33a、43aを備える。このため、複数の周波数のそれぞれにおいて、板バネ30A、40Aは、それぞれ、異なる周波数で、滑り摩擦を生じることができる。したがって、板バネ30A、40Aは、複数の周波数において、振動を減衰させることができる。
【0106】
(第3実施形態)
本第3実施形態では、上記第1実施形態において、バネユニット10Aの板バネ30Aが振動によって連結用板バネ20に対して長手方向に変位する例について図23を参照して説明する。
【0107】
本実施形態の板バネ30Aは、その長手方向が、上記第1実施形態と同様に、連結用板バネ20の長手方向と同一になっている。板バネ30Aの厚み方向は、連結用板バネ20の厚み方向と同一になっている。板バネ30の幅方向は、連結用板バネ20の幅方向と同一になっている。板バネ30Aは、連結用板バネ20に対して厚み方向に重なるように配置されている。
【0108】
板バネ30Aのうち長手方向の一方側の固定部36は、ボルト50aによって連結用板バネ20に対して締結により固定されている。板バネ30Aのうち長手方向の他方側は、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに接触する摩擦接触部33aを構成する。板バネ30Aのうち長手方向の中間部は、変位許容部70が設けられている。
【0109】
変位許容部70は、半円弧状に形成されて連結用板バネ20に対して離れるように形成されている。変位許容部70は、振動によって弾性変形によって長手方向に変形することが可能に構成されている。変位許容部70は、連結用板バネ20の板バネ領域21に対して間隔を開けるように形成されている。
【0110】
このように構成されている本実施形態では、コンプレッサ2からの振動がバネユニット10Aに伝わると、板バネ30Aの摩擦接触部43aが、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに対して滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、X方向の振動を減衰させることができる。
【0111】
このとき、板バネ30Aに伝わる振動によって変位許容部70が弾性変形して摩擦接触部33aを連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに対して長手方向に変位させることができる。
【0112】
ここで、摩擦接触部33aと連結用板バネ20の板バネ領域21との間の滑り摩擦により摩耗粉が生じるものの、変位許容部70が弾性変形して摩擦接触部33aを連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに対して長手方向に変位させる。このため、摩擦接触部33aと連結用板バネ20の板バネ領域21との間から摩耗粉を排出することができる。
【0113】
したがって、摩擦接触部33a、21cが摩耗粉によって傷つけられることを未然に防ぐことができる。これにより、摩擦接触部33a、21cの摩耗が促進することを抑制することができる。
板バネ30B、30Cは、板バネ30Aと同様に、摩擦接触部33b、33cを変位させる変位許容部70を備える。
【0114】
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態では、半円弧状の変位許容部70を板バネ30Aに設けた例について説明したが、これに代えて、次の(a)(b)(c)(d)のようにしてもよい。
【0115】
(a)図24に示すように、矩形状に形成されている変位許容部70を板バネ30Aに設けてもよい。
【0116】
(b)図25に示すように、三角形状に形成されている変位許容部70を板バネ30Aに設けてもよい。
【0117】
(c)図26に示すように、板バネ30Aのうち摩擦接触部33aとボルト50aとの間に亘って矩形状の変位許容部70を設けるようにしてもよい。この場合、板バネ30Aの変位許容部70のうち長手方向一方側は、ボルト50aによって連結用板バネ20に固定されている。
【0118】
板バネ30Aの変位許容部70のうち長手方向一方側と連結用板バネ20との間には、ボルト50a貫通されるスペーサ60aが配置されている。このため、変位許容部70は、摩擦接触部33aとボルト50aとの間に亘って間隔をあけるように配置されている。
【0119】
(d)図27に示すように、2つの円弧部を繋げた形状に変位許容部70を板バネ30Aに設けてもよい。
【0120】
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、バネユニット10Aにおいて、板バネ30Aのうち長手方向中央部に円弧状の変位許容部70を設けた例について説明した。しかし、これに加えて、バネユニット10Aにおいて、長手方向中央部に円弧状の変位許容部71を設けた板バネ40Aを追加した本第4実施形態について図28を参照して説明した。
【0121】
図28において図23と同一符号のものは、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0122】
本実施形態のバネユニット10Aにおいて、板バネ30Aの変位許容部70と板バネ40Aの変位許容部71とが連結用板バネ20の板バネ領域21を挟んで対向するように構成されている。板バネ30Aの変位許容部70と板バネ40Aの変位許容部71とは、それぞれ、半円弧状に形成されている。
【0123】
本実施形態の板バネ40Aのうち変位許容部71に対して長手方向他方側には、連結用板バネ20の板バネ領域21に接触する摩擦接触部43aが設けられている。板バネ40Aのうち変位許容部71に対して長手方向一方側の固定部46と連結用板バネ20の板バネ領域21と板バネ30Aのうち変位許容部71に対して長手方向一方側の固定部36とがボルト50aによって締結によって固定されている。
【0124】
このように構成されている本実施形態では、コンプレッサ2からのバネユニット10Aに振動が伝わる。すると、板バネ30Aの摩擦接触部33aおよび板バネ40Aの摩擦接触部43aが、振動によって、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに対して滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、X方向の振動を減衰させることができる。
【0125】
このとき、板バネ30A、40Aの摩擦接触部33a、43aと連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cとの間の滑り摩擦によって摩擦粉を生じる。
【0126】
コンプレッサ2からの振動がバネユニット10Aの板バネ30Aに伝わる振動によって変位許容部70が弾性変形して摩擦接触部33aを長手方向に連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに対して変位させる。このため、摩擦接触部33aと摩擦接触部21cとの間から摩耗粉を排出することができる。
【0127】
コンプレッサ2からの板バネ40Aに伝わる振動によって、変位許容部71が弾性変形して摩擦接触部43aを長手方向に変位させることができる。このため、摩擦接触部43aと摩擦接触部21cとの間から摩耗粉を排出することができる。
【0128】
したがって、摩擦接触部33a、43a、21cが摩耗粉によって傷つけられることを未然に防ぐことができる。これにより、摩擦接触部33a、43a、21cの摩耗が促進することを抑制することができる。
また、板バネ40B、40Cは、板バネ40Aと同様に、摩擦接触部43b、43cを変位させる変位許容部71を備える。
【0129】
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態では、バネユニット10Aにおいて、板バネ30A、40Aが半円弧状に形成した変位許容部70、71を備える例について説明したが、これに代えて、次の(a)(b)(c)(d)のようにしてもよい。
【0130】
(a)図29図30に示すように、バネユニット10A、10Bにおいて、板バネ30A、40Aが三角形状に形成した変位許容部70、71を備えるようにしてもよい。図29は、図28中のバネユニット10Aの部分拡大図である。
【0131】
この場合、上記第4実施形態と同様に、変位許容部70、71が振動によって弾性変形して摩擦接触部33a、43aを長手方向に変位させることができる。このため、摩擦接触部33a、43aと摩擦接触部21cとの間から摩耗粉を排出することができる。
【0132】
この場合、ボルト50a、50bによって連結用板バネ20の板バネ領域21と板バネ30A、40Aとがコンプレッサ2の固定部2aに対して締結によって固定されている。
【0133】
次に、バネユニット10Aにおいて摩擦接触部33a、43aを長手方向に変位させるメカニズムについて図31図32図33を参照して明する。
【0134】
図31図32図33は、バネユニット10Aを下方向STに250μm強制的に変位させた実験結果を示す。図31は、長手方向寸法が65mmである連結用板バネ20を下方向STに250μm強制的に変位させた場合を示している。図32は、長手方向寸法が55mmである変位許容部70を設けていない板バネ30Aを下方向STに250μm強制的に変位させた場合を示している。図33は、長手方向寸法が60mmである変位許容部70を備える板バネ30Aを下方向STに250μm強制的に変位させた場合を示している。
【0135】
図31に示すように、連結用板バネ20を下方向STに250μm強制的に変位させた場合には、下面が長手方向他方側Naに5.9μm変位する。
【0136】
図32に示すように、板バネ30Aを下方向STに250μm強制的に変位させた場合には、上面が長手方向一方側Nbに7.0μm変位する。この場合、板バネ30Aが連結用板バネ20に対して13μm滑り変位する。
【0137】
図33は、板バネ30Aを下方向STに250μm強制的に変位させた場合には、上面が長手方向一方側Nbに33μm変位する。この場合、板バネ30Aが連結用板バネ20に対して39μm滑り変位する。
【0138】
以上により、変位許容部70を板バネ30Aに設けることにより連結用板バネ20に対して板バネ30Aの滑り変位が大きくなることが分かる。
【0139】
(b)図34に示すように、1つのボルト50aによって連結用板バネ20の板バネ領域21と板バネ30A、40Aと締結によって固定してもよい。
【0140】
(c)図35に示すように、2つの半円弧部を繋げた形状に変位許容部70、71を板バネ30A、40Aに設けてもよい。
【0141】
(d)図36に示すように、矩形状の変位許容部70、71を板バネ30A、40Aに設けてもよい。
【0142】
(e)図37に示すように、板バネ30A、40Aにおいて、矩形状の変位許容部70、71を摩擦接触部33a、43aおよびボルト50aとの間に亘って設けるようにしてもよい。
【0143】
この場合、板バネ30Aと連結用板バネ20との間には、スペーサ60aが配置されている。板バネ40Aと連結用板バネ20との間には、スペーサ60cが配置されている。
【0144】
ボルト50aは、連結用板バネ20の貫通穴、スペーサ60a、60cそれぞれの貫通穴を通して板バネ30A、40Aと連結用板バネ20とを締結により固定している。
【0145】
(第5実施形態)
上記第3実施形態では、バネユニット10Aにおいて、1つの摩擦接触部43aおよび1つの変位許容部70によって板バネ30Aを構成した例について説明した。しかし、これに代えて、バネユニット10Aにおいて、2つの摩擦接触部43aおよび2つの変位許容部70によって板バネ30Aを構成した図38を参照して本第5実施形態について説明する。
【0146】
図38は、本実施形態のバネユニット10Aの一部を示す側面図である。
【0147】
バネユニット10Aにおいて、板バネ30Aの長手方向中央部と連結用板バネ20とがボルト50aによって締結により固定されている。
【0148】
2つの摩擦接触部33aは、ボルト50aの軸線を含む仮想面Caを中心とする面対象になるように配置されている。仮想面Caは、板バネ30Aの長手方向に直交し、かつ連結用板バネ20の長手方向に直交している面である。2つの変位許容部70は、仮想面Caを中心とする面対象になるように配置されている。連結用板バネ20には、2つの摩擦接触部33aのそれぞれに接触する2つの摩擦接触部21cが設けられている。
【0149】
このように構成されている本実施形態では、コンプレッサ2からの振動がバネユニット10Aに伝わると、この振動によって2つの変位許容部70がそれぞれ弾性変形する。
【0150】
このとき、2つの変位許容部70のうち図38中右側の変位許容部70は、2つの摩擦接触部43aのうち図37中右側の摩擦接触部43aを長手方向に変位させる。2つの変位許容部70のうち図37中左側側の変位許容部70は、2つの摩擦接触部43aのうち図38中左側の摩擦接触部43aを長手方向に変位させる。
【0151】
このため、2つの摩擦接触部33aのそれぞれと連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cとの間から摩耗粉を排出することができる。したがって、2つの摩擦接触部33aと連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cが摩耗粉によって傷つけることを未然に防ぐことができる。これにより、2つの摩擦接触部33aおよび摩擦接触部21cの摩耗が促進することを抑制することができる。
【0152】
(第6実施形態)
上記第4実施形態では、バネユニット10Aでは、板バネ30A、40Aの間に連結用板バネ20を配置した例について説明した。しかし、これに代えて、連結用板バネ20に対して厚み方向一方側に板バネ30A、40Aを配置した本第6実施形態について図39を参照して説明した。
【0153】
図39は、本実施形態のバネユニット10Aの一部を示す側面図である。
【0154】
バネユニット10Aにおいて、板バネ40Aの変位許容部71が板バネ30Aの変位許容部70よりも小さくなっている。板バネ40Aの変位許容部71が板バネ30Aの変位許容部70の内側に配置されている。
【0155】
板バネ30Aのうち変位許容部70に対して長手方向一方側は、板バネ40Aの摩擦接触部43aに接触する摩擦接触部33aを構成する。板バネ40Aのうち変位許容部71に対して長手方向他方側は、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに接触する摩擦接触部43aを構成する。
【0156】
このように構成されている本実施形態では、コンプレッサ2からの振動がバネユニット10Aに伝わると、この振動によって板バネ30Bの摩擦接触部33bが、板バネ40Bの摩擦接触部43bに対して滑り摩擦を生じる。このため、コンプレッサ2からバネユニット10Aに伝わる振動のうちX方向の振動を摩擦接触部33b、43bの間の滑り摩擦によって減衰させることができる。
【0157】
コンプレッサ2からの振動がバネユニット10Aに伝わる振動によって板バネ40Bの摩擦接触部43bが連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに対して滑り摩擦を生じる。このため、コンプレッサ2からバネユニット10Aに伝わる振動のうちX方向の振動を摩擦接触部43、21cの間の滑り摩擦によって減衰させることができる。
【0158】
ここで、板バネ30A、40aの摩擦接触部33a、43aの間の滑り摩擦により摩耗粉が生じるものの、変位許容部70が弾性変形して摩擦接触部33aを摩擦接触部43bに対して長手方向に変位させる。
【0159】
このため、摩擦接触部33a、43aの間から摩耗粉を排出することができる。したがって、摩擦接触部33a、43aが摩耗粉によって傷つけられることを未然に防ぐことができる。これにより、摩擦接触部33a、43aの摩耗が促進することを抑制することができる。
【0160】
コンプレッサ2からの振動が板バネ40Aに伝わる振動によって変位許容部71が弾性変形して摩擦接触部43aを摩擦接触部21cに対して長手方向に変位させることができる。このため、摩擦接触部43a、21cの間から摩耗粉を排出することができる。したがって、摩擦接触部43a、21cが摩耗粉によって傷つけられることを未然に防ぐことができる。これにより、摩擦接触部43a、21cの摩耗が促進することを抑制することができる。
【0161】
(第7実施形態)
本第7実施形態では、上記第3実施形態において、連結用板バネ20の板バネ領域21において、変位許容部を追加した例について図40を参照して説明する。
【0162】
図40は、本実施形態のバネユニット10Aの一部を示す側面図である。図40において、図7と同一符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0163】
連結用板バネ20の板バネ領域21には、半円弧状に形成されている変位許容部73が設けられている。変位許容部73は、連結用板バネ20の板バネ領域21のうち摩擦接触部21cに対して長手方向他方側に配置されている。変位許容部73は、板バネ30Aの変位許容部70に対して厚み方向に重なるように配置されている。
【0164】
変位許容部73は、変位許容部70と異なる形状に形成されている。具体的には、変位許容部73の径方向寸法は、変位許容部70の径方向寸法よりも小さくなっている。
【0165】
このように構成されている本実施形態では、コンプレッサ2からの振動がバネユニット10Aの連結用板バネ20を介して板バネ30Aに伝わる。このとき、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cと板バネ30Aの摩擦接触部33aとの間で滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、X方向の振動を減衰させることができる。
【0166】
このとき、板バネ30Aの変位許容部70が弾性変形して摩擦接触部33aを長手方向に変位させることができる。一方、連結用板バネ20に伝わる振動によって、変位許容部73が弾性変形して摩擦接触部21cを長手方向に変位させることができる。
【0167】
ここで、摩擦接触部21c、33aの間の滑り摩擦により摩耗粉が生じるものの、上述の如く、変位許容部70、72が弾性変形して摩擦接触部33a、21cを長手方向に変位させる。
【0168】
このため、摩擦接触部33a、21cの間から摩耗粉を排出することができる。したがって、摩擦接触部33a、21cが摩耗粉によって傷つけられることを未然に防ぐことができる。これにより、摩擦接触部33a、21cの摩耗が促進することを抑制することができる。
【0169】
本実施形態では、変位許容部73、70は、上述の如く、互いに異なる形状に形成されている。このため、変位許容部73、70は、剛性が異なる。このため、変位許容部73、70が摩擦接触部21c、33aに異なる振動を発生させる。したがって、このため、摩擦接触部33a、21cの間から摩耗粉をより良好に排出することができる。
【0170】
(第8実施形態)
本第8実施形態では、上記第3実施形態のバネユニット10Aにおいて、板バネ30Aの摩擦接触部33aと連結用板バネ20の摩擦接触部21cとの間に薄板状弾性部材80を配置した例について図41を参照して説明する。
【0171】
図41は、本実施形態のバネユニット10Aの一部を示す側面図である。図41において、図23と同一符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0172】
本第8実施形態のバネユニット10Aは、上記第3実施形態のバネユニット10Aに、薄板状弾性部材80を追加したものである。薄板状弾性部材80は、ゴム等の弾性部材によって構成されている。薄板状弾性部材80は、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cと板バネ30Aの摩擦接触部33aとの間で滑り摩擦の効果を向上させることができる。
【0173】
(第9実施形態)
本第9実施形態では、上記第3実施形態のバネユニット10Aにおいて、板バネ30Aの摩擦接触部33aに複数の突起部81を配置した例について図42を参照して説明する。
【0174】
図42は、本実施形態のバネユニット10Aの一部を示す側面図である。図42において、図23と同一符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0175】
板バネ30Aの摩擦接触部33aの複数の突起部81は、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに対してそれぞれ接触する。このため、バネユニット10Aが異なる周波数の振動が生じても、板バネ30Aの複数の突起部81のうちいずれかの突起部81と板バネ領域21の摩擦接触部21cとの間で滑り摩擦を生じさせることができる。このため、複数の周波数をバネユニット10Aで減衰させることができる。
【0176】
(第10実施形態)
本第10実施形態では、上記第4実施形態のバネユニット10Aにおいて、板バネ30Aが弾性力を連結用板バネ20の板バネ領域21に対して連結用板バネ20の厚み方向に与えるようにした例について図43図44図45を参照して説明する。
【0177】
図43は、本実施形態のバネユニット10Aの一部を示す側面図である。図43において、図23と同一符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0178】
本実施形態のバネユニット10Aでは、連結用板バネ20に対してボルト50aで板バネ30Aを固定する際に、板バネ30Aを弾性変形させる。このため、図44図45に示すように、板バネ30Aが弾性変形した状態で連結用板バネ20の摩擦接触部21cに対して弾性力を与えた状態で板バネ30Aと連結用板バネ20とがボルト50aで固定されることになる。図44図45において、板バネ40Aの図示が省略されている。
【0179】
よって、板バネ30Aの摩擦接触部33aが連結用板バネ20の摩擦接触部21cに対して弾性力(すなわち、与圧)を与えることになる。このとき、連結用板バネ20の摩擦接触部21cと板バネ30Aの摩擦接触部33aとの間に生じる滑り摩擦の振動減衰効果を向上させることができる。
【0180】
さらに、バネユニット10Aでは、連結用板バネ20に対してボルト50aで板バネ40Aを固定する際に、板バネ40を弾性変形させる。このため、板バネ40Aが弾性変形した状態で板バネ40Aと連結用板バネ20とがボルト50aで固定されることになる。
【0181】
なお、バネユニット10Aにおいて、板バネ30B、30C、40B、40Cは、板バネ30A、40Aと同様である。バネユニット10B、10Cは、バネユニット10Aと同様である。
【0182】
次に、本第10実施形態のバネユニット10A、10B、10Cの振動減衰効果について図46図49を参照して説明する。
【0183】
図46は、振動の減衰を調べる測定結果を調べるために、固定ブラケット4にバネユニット10A、10B、10Cを介してコンプレッサ2を固定した状態を示す。図47図48図49は、コンプレッサ2に対して0.1Hz~1Hzの振動を加えた場合のバネユニット10A、10B、10Cによる振動の減衰を示す。図47中のEa、Eb、Ecは、横軸を周波数として、縦軸をコンプレッサ2から固定ブラケット4に伝わるX方向の伝達荷重「N」とするグラフである。図48中のEa、Eb、Ecは、横軸を周波数として、縦軸をコンプレッサ2から固定ブラケット4に伝わるY方向の伝達荷重「N」とするグラフである。図49中のEa、Eb、Ecは、横軸を周波数として、縦軸をコンプレッサ2から固定ブラケット4に伝わるZ方向の伝達荷重「N」とするグラフである。
【0184】
図47図48図49中のグラフEaは、バネユニット10A、10B、10Cを設けない場合のグラフである。
【0185】
図47中のグラフEbは、バネユニット10A、10B、10Cにおいて、X方向の振動を減衰させる板バネ30A、40Aへの予圧を微少にした場合のグラフである。図47中のグラフEcは、バネユニット10A、10B、10Cにおいて、X方向の振動を減衰させる板バネ30A、40Aへの予圧を与えた場合のグラフである。
【0186】
図48中のグラフEbは、バネユニット10A、10B、10Cにおいて、Y方向の振動を減衰させる板バネ30B、40Bへの予圧を微少にした場合のグラフである。図48中のグラフEcは、バネユニット10A、10B、10Cにおいて、Y方向の振動を減衰させる板バネ30B、40Bへの予圧を与えた場合のグラフである。
【0187】
図49中のグラフEbは、バネユニット10A、10B、10Cにおいて、Z方向の振動を減衰させる板バネ30C、40Cへの予圧を微少にした場合のグラフである。図49中のグラフEcは、バネユニット10A、10B、10Cにおいて、Z方向の振動を減衰させる板バネ30C、40Cへの予圧を与えた場合のグラフである。
【0188】
図47図48図49のグラフEb、Ecから分かるように、板バネ30A、30B、30C、40A、40B、40Cへの予圧を設定した場合には、X方向、Y方向、Z方向の振動を減衰させることが分かる。
【0189】
(第11実施形態)
上記第3実施形態では、変位許容部70の弾性変形によって摩擦接触部33aを連結用板バネ20の摩擦接触部21cに対して長手方向に変位させるようにした例について説明した。
【0190】
しかし、これに代えて、変位許容部70の弾性変形によって摩擦接触部33aを連結用板バネ20の摩擦接触部21cに対して幅方向に変位させるようにした本第11実施形態について図50を参照して説明する。
【0191】
図50は、本実施形態のバネユニット10Aの全体を示す側面図である。図50において、図23と同一符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0192】
連結用板バネ20は、長板バネ部100、101、102、103、104、105、連結部106、107、108、109を備える。
【0193】
長板バネ部100は、長手方向がX方向になるように形成されている。長板バネ部100は、その厚み方向がY方向になり、かつ幅方向がZ方向に形成されている。
【0194】
長板バネ部101は、長手方向がY方向になるように形成されている。長板バネ部101は、その厚み方向がX方向になり、かつ幅方向がZ方向に形成されている。連結部106は、長板バネ部100のうち長手方向の一端部と長板バネ部101のうち長手方向の一端部とを接続している。
【0195】
長板バネ部102は、長手方向がZ方向になるように形成されている。長板バネ部102は、その厚み方向がX方向になり、かつ幅方向がY方向に形成されている。本実施形態の長板バネ部102は、板バネ30Aに接触する摩擦接触部21cを構成する。連結部107は、長板バネ部101のうち長手方向の他端部と長板バネ部102のうち長手方向の一端部とを接続している。
【0196】
長板バネ部103は、長手方向がX方向になるように形成されている。長板バネ部103は、その厚み方向がZ方向になり、かつ幅方向がY方向に形成されている。連結部108は、長板バネ部102のうち長手方向の他端部と長板バネ部103のうち長手方向の一端部とを接続している。
【0197】
長板バネ部104は、長手方向がY方向になるように形成されている。長板バネ部101は、その厚み方向がZ方向になり、かつ幅方向がX方向に形成されている。連結部109は、長板バネ部103のうち長手方向の他端部と長板バネ部104のうち長手方向の一端部とを接続している。
【0198】
長板バネ部105は、長手方向がX方向になるように形成されている。長板バネ部105は、ボルト50a、50bによって走行用エンジン3(すなわち、振動伝達部)に対して締結により固定されている。
【0199】
長板バネ部105は、その厚み方向がZ方向になり、かつ幅方向がY方向に形成されている。長板バネ部105は、長板バネ部104のうち長手方向の他端部からX方向に延びるように形成されている。
【0200】
板バネ30Aは、長板バネ部110、111、112、113、連結部114を備える。長板バネ部110は、長手方向がZ方向になるように形成されている。長板バネ部101は、その厚み方向がY方向になり、かつ幅方向がX方向に形成されている。
【0201】
長板バネ部111は、長手方向がX方向になるように形成されている。長板バネ部111は、その厚み方向がY方向になり、かつ幅方向がZ方向に形成されている。
【0202】
長板バネ部111の長手方向の一端部は、長板バネ部110の長手方向の一端部に連結されている。
【0203】
長板バネ部112は、長手方向がY方向になるように形成されている。長板バネ部102は、その厚み方向がX方向になり、かつ幅方向がZ方向に形成されている。
【0204】
連結部114は、長板バネ部111の長手方向の他端部と長板バネ部112の長手方向の一端部とを接続している。
【0205】
長板バネ部113は、長手方向がZ方向になるように形成されている。長板バネ部113は、その厚み方向がX方向になり、かつ幅方向がY方向に形成されている。長板バネ部113のうち長手方向一端部は、長板バネ部112のうち長手方向の他端部に接続されている。
【0206】
本実施形態の長板バネ部113は、連結用板バネ20に接触する摩擦接触部33aを構成する。摩擦接触部33aは、板バネ30Aのうち連結用板バネ20に対してボルト55、56によって固定される長板バネ部100(すなわち、固定部)以外の領域に形成されている。
【0207】
本実施形態では、板バネ30Aの長板バネ部110は、連結用板バネ20の長板バネ部110およびコンプレッサ2(すなわち、振動発生部)に対してボルト55、56によって締結により固定されている。
【0208】
このため、板バネ30Aの長板バネ部110は、連結用板バネ20の長板バネ部100とコンプレッサ2とに固定されている固定部を構成する。すなわち、連結用板バネ20は、コンプレッサ2と走行用エンジン3との間を延出してコンプレッサ2と走行用エンジン3との間を連結するように形成されている。
【0209】
長板バネ部113は、連結用板バネ20の長板バネ部102に対してX方向(すなわち、厚み方向)に重なるように配置されている。
【0210】
板バネ30Aのうち長板バネ部110、111、112、および連結部114は、振動により弾性変形して摩擦接触部113aを変位させる変位許容部70を構成する。変位許容部70は、連結用板バネ20の長板バネ部100、101、および連結部106に対してZ方向の一方側(すなわち、幅方向の一方側)にずれている。換言すれば、変位許容部70は、連結用板バネ20の長板バネ部100、101、および連結部106に対して間隔を開けて沿うように形成されている。
【0211】
このように構成されている本実施形態では、コンプレッサ2からの振動がバネユニット10Aの連結用板バネ20を介して板バネ30Aに伝わる。このとき、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cと板バネ30Aの摩擦接触部33aとの間で滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、X方向の振動を減衰させることができる。
【0212】
板バネ30Aの摩擦接触部33aは、Z方向(すなわち、所定方向)に延びるように形成されている。連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cは、Z方向(すなわち、所定方向)に延びてコンプレッサ2と走行用エンジン3との間を連結している。摩擦接触部33aは、摩擦接触部21cに対してX方向に重なるように配置されている。
【0213】
このとき、板バネ30Aの変位許容部70が振動によって弾性変形して摩擦接触部33aをY方向(すなわち、幅方向)に変位させることができる。ここで、図51に示すように、板バネ30Aの変位許容部70を設けないバネユニット10Aの場合には、摩擦接触部33aのY方向(すなわち、幅方向)の滑り変位が小さい。
【0214】
一方、図52に示すように、板バネ30Aの変位許容部70を設けた本実施形態のバネユニット10Aの場合には、摩擦接触部33aのY方向(すなわち、幅方向)の滑り変位が大きくなる。
【0215】
ここで、摩擦接触部21c、33aの間の滑り摩擦により摩耗粉が生じるものの、上述の如く、変位許容部70が弾性変形して摩擦接触部33aを幅方向に変位させる。このため、摩擦接触部33a、21cの間から摩耗粉を排出することができる。したがって、摩擦接触部33a、21cが摩耗粉によって傷つけられることを未然に防ぐことができる。これにより、摩擦接触部33a、21cの摩耗が促進することを抑制することができる。
【0216】
本実施形態では、摩擦接触部33aが摩擦接触部21cに対して滑り変位するY方向は、摩擦接触部33a、21cの長手方向(すなわち、Z方向)に交差(詳細には直交)する方向である。
【0217】
なお、図51図52は、長板バネ部105に加重を加えて強制的に250μm変化させたとき、板バネ30Aの摩擦接触部33aが連結用板バネ20の摩擦接触部21cに対してY方向に滑り変化した例を示している。
【0218】
図51は、板バネ30Aの摩擦接触部33aが連結用板バネ20の摩擦接触部21cに対してY方向に26μm滑り変化した例を示している。図52は、板バネ30Aの摩擦接触部33aが連結用板バネ20の摩擦接触部21cに対してY方向に131μm滑り変化した例を示している。
【0219】
(第12実施形態)
上記第11実施形態では、板バネ30Aの変位許容部70が、連結用板バネ20の長板バネ部100、101、および連結部106に対してZ方向の一方側にずれている例について説明した。
【0220】
しかし、これに代えて、本第12実施形態では、板バネ30Aの変位許容部70が、連結用板バネ20の長板バネ部100、101、および連結部106に対してZ方向の他方側にずれている例について図53を参照して説明する。
【0221】
図53において、図50と同一符号のものは、同一或いは実質的に同一のものを示し、その説明を省略する。
【0222】
本実施形態の板バネ30Aと上記第11実施形態の板バネ30Aとは、変位許容部70の位置が相違するだけで、その他の構成は同一である。
【0223】
このように構成されている本実施形態では、上記第11実施形態と同様に、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cと板バネ30Aの摩擦接触部33aとの間で滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、X方向の振動を減衰させることができる。
【0224】
このとき、板バネ30Aの変位許容部70が振動によって弾性変形して摩擦接触部33aをY方向(すなわち、幅方向)に変位させることができる。このため、摩擦接触部33a、21cの間から摩耗粉を排出することができる。したがって、摩擦接触部33a、21cが摩耗粉によって傷つけられることを未然に防ぐことができる。これにより、摩擦接触部33a、21cの摩耗が促進すること抑制することができる。
【0225】
(第13実施形態)
上記第11実施形態では、板バネ30Aの変位許容部70が、連結用板バネ20の長板バネ部100、101、および連結部106に対してZ方向の一方側にずれている例について説明した。
【0226】
しかし、これに代えて、本第13実施形態では、板バネ30Aの変位許容部70が、連結用板バネ20の長板バネ部100、101に対してY方向にずれている例について図54を参照して説明する。
【0227】
図54において、図50と同一符号のものは、同一或いは実質的に同一のものを示し、その説明を省略する。
【0228】
本実施形態の板バネ30Aと上記第11実施形態の板バネ30Aとは、変位許容部70の位置が相違するだけで、その他の構成は同一である。
【0229】
このように構成されている本実施形態では、上記第11実施形態と同様に、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cと板バネ30Aの摩擦接触部33aとの間で滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、X方向の振動を減衰させることができる。
【0230】
このとき、板バネ30Aの変位許容部70が振動によって弾性変形して摩擦接触部33aをY方向(すなわち、幅方向)に変位させることができる。このため、摩擦接触部33a、21cの間から摩耗粉を排出することができる。したがって、摩擦接触部33a、21cが摩耗粉によって傷つけられることを未然に防ぐことができる。これにより、摩擦接触部33a、21cの摩耗が促進することを抑制することができる。
【0231】
(第14実施形態)
上記第4実施形態では、バネユニット10Aにおいて、連結用板バネ20の板バネ領域21がZ方向に延びるように形成されている例について説明した。
【0232】
しかし、上記第4実施形態のバネユニット10Aにおいて、連結用板バネ20の板バネ領域21が曲がるように形成されている本第14実施形態について図55図56を参照して説明する。
【0233】
図55図56において、図24と同一符号のものは、同一或いは実質的に同一のものを示し、その説明を省略する。
【0234】
本実施形態のバネユニット10Aは、連結用板バネ20とともに、板バネ30A、40Aを備える。板バネ30Aは、連結用板バネ20に厚み方向に重なるように配置されている。板バネ40Aは、連結用板バネ20に厚み方向に重なるように配置されている。
【0235】
板バネ30Aは、連結用板バネ20に対してその厚み方向一方側に配置されている。板バネ40Aは、連結用板バネ20に対してその厚み方向他方側に配置されている。板バネ30A、40Aは、それぞれ、連結用板バネ20と同様に、曲がるように形成されている。
【0236】
板バネ30Aの曲がり部130が連結用板バネ20の曲がり部120に対して間隔を開けて配置されている。板バネ40Aの曲がり部140が連結用板バネ20の曲がり部120に対して間隔を開けて配置されている。
【0237】
板バネ30Aのうち曲がり部130に対して長手方向一方側と板バネ40Aのうち曲がり部140に対して長手方向一方側とが連結用板バネ20に対してボルト50aにより締結により固定されている。
【0238】
板バネ30Aのうち曲がり部130に対して長手方向他方側は、摩擦接触部33aを形成している。板バネ40Aのうち曲がり部140に対して長手方向他方側は、摩擦接触部43aを形成している。連結用板バネ20のうち曲がり部120に対して長手方向他方側は、摩擦接触部21cを形成している。
【0239】
本実施形態では、板バネ30Aのうち曲がり部130は、弾性変形によって摩擦接触部33aを長手方向に変位させる変位許容部70を構成する。板バネ40Aのうち曲がり部140は、弾性変形によって摩擦接触部43aを長手方向に変位させる変位許容部71を構成する。
【0240】
このように構成されている本実施形態では、コンプレッサ2からのバネユニット10Aに振動が伝わる。すると、板バネ30Aの摩擦接触部33aおよび板バネ40Aの摩擦接触部43aが、振動によって、連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cに対して滑り摩擦を生じる。このことにより、バネユニット10Aに伝わる振動のうち、X方向の振動成分を減衰させることができる。
【0241】
このとき、板バネ30A、40Aの摩擦接触部33a、43aと連結用板バネ20の板バネ領域21の摩擦接触部21cとの間の滑り摩擦によって摩擦粉を生じる。
【0242】
コンプレッサ2からの振動がバネユニット10Aの板バネ30Aに伝わる振動によって変位許容部70が弾性変形して摩擦接触部33aを摩擦接触部21cに対して長手方向(すなわち、Z方向に)に変位させることができる。このため、摩擦接触部33aと摩擦接触部21cとの間から摩耗粉を排出することができる。これにより、摩擦接触部33a、21cの摩耗が促進することを抑制することができる。
【0243】
コンプレッサ2からの板バネ40Aに伝わる振動によって、変位許容部71が弾性変形して摩擦接触部43aを摩擦接触部21cに対して長手方向(すなわち、Z方向に)に変位させることができる。このため、摩擦接触部43aと摩擦接触部21cとの間から摩耗粉を排出することができる。
【0244】
したがって、摩擦接触部33a、43a、21cが摩耗粉によって傷つけられることを未然に防ぐことができる。これにより、摩擦接触部33a、43a、21cの摩耗が促進することを抑制することができる。
【0245】
以下、図57図58図59、60は、バネユニット10AをX方向に250μm強制的に変位させた実験結果を示す。
【0246】
図57は、変位許容部71を備えない板バネ40Aと連結用板バネ20とをX方向一方側に250μm強制的に変位させた場合を示している。図58は、変位許容部71を備える本実施形態の板バネ40Aと連結用板バネ20とをX方向一方側に250μm強制的に変位させた場合を示している。
【0247】
変位許容部71を備えない板バネ40Aと連結用板バネ20とをX方向一方側に250μm強制的に変位させた場合には、板バネ40Aが50μmZ方向一方側に変位し、連結用板バネ20が60μmZ方向一方側に変位する。この場合、摩擦接触部43aが摩擦接触部21cに対して10μm滑り変位する。
【0248】
変位許容部71を備える板バネ40Aと連結用板バネ20とをX方向一方側に250μm強制的に変位させた場合には、板バネ40Aが165μmZ方向一方側に変位し、連結用板バネ20が84μmZ方向一方側に変位する。この場合、摩擦接触部43aが摩擦接触部21cに対して81μm滑り変位する。
【0249】
このため、変位許容部71を備える板バネ40Aは、変位許容部71を備えない板バネ40Aに比べて、摩擦接触部21cに対する摩擦接触部43aの滑り変位を大きくすることができる。
【0250】
図59は、変位許容部70を備えない板バネ30Aと連結用板バネ20とをX方向他方側に250μm強制的に変位させた場合を示している。図60は、変位許容部70を備える本実施形態の板バネ30Aと連結用板バネ20とをX方向他方側に250μm強制的に変位させた場合を示している。
【0251】
変位許容部70を備えない板バネ30Aと連結用板バネ20とをX方向一方側に250μm強制的に変位させた場合には、板バネ30Aが55μmZ方向一方側に変位し、連結用板バネ20が64μmZ方向一方側に変位する。この場合、摩擦接触部33aが摩擦接触部21cに対して9μm滑り変位する。
【0252】
変位許容部70を備える板バネ30Aと連結用板バネ20とをX方向他方側に250μm強制的に変位させた場合には、板バネ30Aが63μmZ方向一方側に変位し、連結用板バネ20が125μmZ方向一方側に変位する。この場合、摩擦接触部33aが摩擦接触部21cに対して62μm滑り変位する。
【0253】
このため、変位許容部70を備える板バネ30Aは、変位許容部70を備えない板バネ30Aに比べて、摩擦接触部21cに対する摩擦接触部33aの滑り変位を大きくすることができる。
【0254】
(第15実施形態)
上記第14実施形態では、連結用板バネ20の曲がり部120と板バネ30Aの曲がり部130との間に三角形状の隙間を形成したバネユニット10Aについて説明した。
【0255】
しかし、本第15実施形態では、図61に示すように、連結用板バネ20の曲がり部120と板バネ30Aの曲がり部130との間に矩形状の隙間135を形成したバネユニット10Aを用いてもよい。
【0256】
(第16実施形態)
上記第1実施形態では、バネユニット10Aにおいて独立した板バネ30A、30B、30Cを設けた例について説明した。
【0257】
しかし、バネユニット10Aにおいて板バネ30A、30B、30Cが一体に成形されている一体成形物を構成する本第16実施形態について図62を参照して説明する。
【0258】
図62は、本実施形態の車両用防振装置1の全体構成を示す。図62において、図28と同一符号のものは、同一或いは実質的に同一のものを示し、その説明を省略する。
【0259】
本実施形態のバネユニット10Aにおいて、板バネ30A、30B、30Cが一体に成形されている一体成形物300を構成する。
【0260】
本実施形態では、一体成形物300は、ボルト50a、50bによって連結用板バネ20と走行用エンジン3とに対して締結により固定されている。
【0261】
例えば、一体成形物300は、1つのボルト50aによって連結用板バネ20に対して締結する歳に、一体成形物300(すなわち、板バネ30A、30B、30C)が連結用板バネ20に対して回転してしまう。このため、例えば、摩擦接触部33aが摩擦接触部21cに対してずれてしまう。このため、摩擦接触部33aが摩擦接触部21cに対して全面に接触した状態にならなくなる。
【0262】
これに対して、一体成形物300は、ボルト50a、50bによって連結用板バネ20とコンプレッサ2とに対して締結により固定されている。このため、摩擦接触部33aが摩擦接触部21cに対して全面に接触した状態に保持することができる。
【0263】
本実施形態では、バネユニット10Aにおいて、板バネ30A、30B、30Cが一体に成形されている一体成形物300を構成する。このため、部品点数を減らすことができる。したがって、製造コストを低減するとができる。
【0264】
また、連結用板バネ20は、ボルト55、56によってコンプレッサ2に対して締結により固定されている。
なお、上記第16実施形態では、一体成形物300は、ボルト50a、50bによって連結用板バネ20とコンプレッサ2とに対して締結により固定されている例について説明した。
しかし、これに代えて、板バネ30A、30B、30Cがそれぞれ独立して形成されている場合には、次のようにしてもよい。
すなわち、板バネ30A、30B、30Cのうちいずれの板バネが、ボルト50a、50bによって連結用板バネ20とコンプレッサ2とに対して締結により固定してもよい。
【0265】
(他の実施形態)
(1)上記第1~第16実施形態では、コンプレッサ2に対して上側に配置されている走行用エンジン3とコンプレッサ2とをバネユニット10A、10B、10C、10Dによって連結した例について説明した。しかし、これに限らず、次の(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)のようにバネユニット10A、10B、10C、10Dを配置してもよい。
【0266】
(a)図63に示すように、コンプレッサ2に対して右側面側に配置されている走行用エンジン3とコンプレッサ2とをバネユニット10A、10B、10C、10Dによって連結してもよい。
【0267】
ここで、バネユニット10A、10Bは、コンプレッサ2の上面12aに接続されている。バネユニット10C、10Dは、コンプレッサ2の下面12bに接続されている。コンプレッサ2に対する右側面側とは、コンプレッサ2の軸線Gaに対して径方向の一方側である。
【0268】
(b)図64に示すように、コンプレッサ2に対して軸線方向Gb一方側の車載機器とコンプレッサ2とをバネユニット10A、10Cによって連結してもよい。コンプレッサ2に対して軸線方向Gb他方側の車載機器とコンプレッサ2とをバネユニット10B、10Dによって連結してもよい。
【0269】
ここで、バネユニット10A、10Bは、コンプレッサ2の上面12aに接続されている。バネユニット10C、10Dは、コンプレッサ2の下面12bに接続されている。
【0270】
(c)図65に示すように、コンプレッサ2に対して軸線方向Gb一方側の車載機器とコンプレッサ2とをバネユニット10A、10Cによって連結してもよい。コンプレッサ2に対して軸線方向Gb他方側の車載機器とコンプレッサ2とをバネユニット10Bによって連結してもよい。
【0271】
ここで、バネユニット10A、10Bは、コンプレッサ2の上面12aに接続されている。バネユニット10Cは、コンプレッサ2の下面12bに接続されている。
【0272】
(d)図66に示すように、コンプレッサ2に対して右側面側に配置されている走行用エンジン3とコンプレッサ2とをバネユニット10A、10B、10C、10Dによって連結してもよい。コンプレッサ2に対する右側面側とは、コンプレッサ2の軸線Gaに対して径方向の一方側である。
【0273】
この場合、バネユニット10A、10Cは、コンプレッサ2のうち軸線方向Gb一方側側面12cに接続されている。バネユニット10B、10Dは、コンプレッサ2のうち軸線方向Gb他方側側面12dに接続されている。
【0274】
(e)図67に示すように、走行用エンジン3に対して下側に配置されているコンプレッサ2と走行用エンジン3とをバネユニット10A、10B、10C、10Dによって連結してもよい。
【0275】
この場合、バネユニット10A、10Cは、コンプレッサ2のうち軸線方向Gb一方側側面12cに接続されている。バネユニット10B、10Dは、コンプレッサ2のうち軸線方向Gb他方側側面12dに接続されている。
【0276】
(f)図68に示すように、コンプレッサ2に対して軸線方向Gb一方側の車載機器とコンプレッサ2とをバネユニット10A、10Cによって連結してもよい。コンプレッサ2に対して軸線方向Gb他方側の車載機器とコンプレッサ2とをバネユニット10Bによって連結してもよい。
【0277】
この場合、バネユニット10C、10Dは、コンプレッサ2のうち軸線Gaを中心とする径方向の一方側kaに接続されている。バネユニット10A、10Bは、コンプレッサ2のうち軸線Gaを中心とする径方向の他方側kbに接続されている。
【0278】
(g)図69に示すように、コンプレッサ2に対して上側に配置されている走行用エンジン3とコンプレッサ2とをバネユニット10A、10B、10C、10Dによって連結してもよい。
【0279】
この場合、バネユニット10C、10Dは、コンプレッサ2のうち軸線Gaを中心とする径方向の一方側kaに接続されている。バネユニット10A、10Bは、コンプレッサ2のうち軸線Gaを中心とする径方向の他方側kbに接続されている。
(2)上記第1~第16実施形態では、本発明の防振装置を自動車に適用した例について説明した。しかし、これに限らず、車両以外の飛行機、列車、電車等の移動体、工作機械等の各種の機器に本発明の防振装置を適用してもよい。
(3)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(4)本特許は車両走行時において、路面からの振動により走行用エンジン3が振動発生部材になり、コンプレッサ2が振動伝達材になった場合でも、同様の防振,減衰効果が得られる。
【符号の説明】
【0280】
20 連結用板バネ
21 板バネ領域
30A 板バネ
40A 板バネ
33a 摩擦接触部
43a 摩擦接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
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図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
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図37
図38
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図42
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図44
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図50
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図55
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図57
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図60
図61
図62
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