(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191817
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】テーブル用除菌装置、テーブル用除菌装置の使用方法、および、除菌機能付きテーブル
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20221221BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20221221BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20221221BHJP
A47B 37/00 20060101ALI20221221BHJP
A47B 13/08 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
F24F7/06 A
F24F8/22
F24F8/80 210
A47B37/00
A47B13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100271
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】518316114
【氏名又は名称】株式会社アーミス
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 道幸
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100214813
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 幸江
(72)【発明者】
【氏名】生駒 勝啓
(72)【発明者】
【氏名】池戸 孝治
(72)【発明者】
【氏名】武藤 靖
【テーマコード(参考)】
3B053
3L058
【Fターム(参考)】
3B053PA00
3B053PC04
3L058BA01
3L058BB09
3L058BD01
3L058BE08
(57)【要約】
【課題】
人が着座するテーブル端部付近を含むテーブルの周囲に存在する飛沫を含む空気を吸引し、除菌した空気を放出することができるテーブル用除菌装置、テーブル用除菌装置の使用方法、および、除菌機能付きテーブルを提供することにある。
【解決手段】
テーブル用除菌装置は、テーブル天板の裏面側に位置し、空気を吸引する吸気口を含み、吸気口から吸引した空気が通過する通気路を有する吸引部と、吸引部の下部に連設され、吸引部から流入した空気を除菌する除菌器、空気を吸排気するファン、および、除菌された空気を放出する排気口を有する除菌部とを備え、吸引部の通気路の吸気口は、テーブル天板の端部の下方に位置し、略水平方向に開口していることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引した空気を除菌するテーブル用除菌装置であって、
テーブル天板の裏面側に位置し、空気を吸引する吸気口を含み、前記吸気口から吸引した空気が通過する通気路を有する吸引部と、
前記吸引部の下部に連設され、前記吸引部から流入した空気を除菌する除菌器、空気を吸排気するファン、および、除菌された空気を放出する排気口を有する除菌部とを備え、
前記吸引部の前記通気路の前記吸気口は、前記テーブル天板の端部の下方に位置し、略水平方向に開口していることを特徴とするテーブル用除菌装置。
【請求項2】
前記吸引部は、前記通気路の前記吸気口が前記テーブル天板の端部の下方に位置するように、前記吸気口を移動させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載のテーブル用除菌装置。
【請求項3】
前記吸引部は、前記吸気口を有するダクト状の摺動部材が摺動可能に嵌装され、前記摺動部材を摺動させることで前記吸気口が前記テーブル天板の端部の下方に位置させることができることを特徴とする請求項2に記載のテーブル用除菌装置。
【請求項4】
前記除菌部は、その一部または全部が、前記排気口から放出された除菌された空気を所定方向に放出させる放出孔を備えたケーシングで覆われていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のテーブル用除菌装置。
【請求項5】
前記ケーシングの前記放出孔は、前記吸気口が設けられている位置とは異なる方向に除菌された空気を放出することを特徴とする請求項4に記載のテーブル用除菌装置。
【請求項6】
前記除菌部の前記除菌器は、紫外線を照射する少なくとも一つの紫外線照射器であることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のテーブル用除菌装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のテーブル用除菌装置をテーブル天板の裏面側に配置することを特徴とするテーブル用除菌装置の使用方法。
【請求項8】
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のテーブル用除菌装置と、
前記テーブル用除菌装置の上部に配置された板状部材とを備えた除菌機能付きテーブル。
【請求項9】
前記板状部材は、上面と下面とを貫通する複数の貫通孔を有していることを特徴とする請求項8に記載の除菌機能付きテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引した空気を除菌するテーブル用除菌装置、テーブル用除菌装置の使用方法、および、除菌機能付きテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、風邪を引いた際や花粉が飛散する季節にはマスクを着用している。近年、飛沫の飛散を防止するために、対面する人と会話をする際にもマスクやフェイスシールドなどを着用している。食事の場ではマスクを着用するのは難しいので、テーブル上にパーティションを設ける等して対応している。しかし、対面者との間にあるパーティションの存在は不快であり、また、これにより飛沫を完全に遮断することはできない。
【0003】
食事に関して、飛沫ではないが、煙や油を含む空気を吸引するものとして焼き肉などに用いられるロースターがある。例えば、特許文献1には、ロースター本体に吸引作用される外箱と該外箱の内部に所定間隔の吸引流路を有せしめる様にしてガスバーナーが装着される矩形筒状の内箱を取付けると共に、ロースター本体の燃焼部端部下方の排煙口には吸引用のファンを装着せしめた通気管を連繋せしめ、ファンの吹出口を排気口に連繋せしめたことを特徴とするノンダクトロースターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のロースターの技術を、飛沫の吸引を目的としたものに活用しようとすると、まずはテーブルの中央に大きな開口を設けなければならないため、既存のテーブルを使用することができない。また、ロースターは、テーブルの略中央の燃焼部で発生した煙を吸引するものであって、人が着座しているテーブルの端部付近の空気を吸引するものではない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、人が着座するテーブル端部付近を含むテーブルの周囲に存在する飛沫を含む空気を吸引し、除菌した空気を放出することができるテーブル用除菌装置、テーブル用除菌装置の使用方法、および、除菌機能付きテーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のテーブル用除菌装置は、テーブル天板の裏面側に位置し、空気を吸引する吸気口を含み、吸気口から吸引した空気が通過する通気路を有する吸引部と、吸引部の下部に連設され、吸引部から流入した空気を除菌する除菌器、空気を吸排気するファン、および、除菌された空気を放出する排気口を有する除菌部とを備え、吸引部の通気路の吸気口は、テーブル天板の端部の下方に位置し、略水平方向に開口していることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載のテーブル用除菌装置は、吸引部は、通気路の吸気口がテーブル天板の端部の下方に位置するように、吸気口を移動させることが可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載のテーブル用除菌装置は、吸引部は、吸気口を有するダクト状の摺動部材が摺動可能に嵌装され、摺動部材を摺動させることで吸気口が前記テーブル天板の端部の下方に位置させることができることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載のテーブル用除菌装置は、殺菌部は、その一部または全部が、排気口から放出された除菌された空気を所定方向に放出させる放出孔を備えたケーシングで覆われていることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載のテーブル用除菌装置は、ケーシングの放出孔は、吸気口が設けられている位置とは異なる方向に除菌された空気を放出することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載のテーブル用除菌装置は、除菌部の除菌器が、紫外線を照射する少なくとも一つの紫外線照射器であることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載のテーブル用除菌装置の使用方法は、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のテーブル用除菌装置をテーブル天板の裏面側に配置することを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の除菌機能付きテーブルは、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のテーブル用除菌装置と、テーブル用除菌装置の上部に配置された板状部材とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の除菌機能付きテーブルは、板状部材が、上面と下面とを貫通する複数の貫通孔を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本願の発明によれば、吸引部の通気路の吸気口が、テーブル天板の端部の下方に位置し、略水平方向に開口していることにより、人が着座するテーブル端部付近を含むテーブルの周囲に存在する飛沫を含む空気を吸引し、除菌した空気を放出することができるテーブル用除菌装置、テーブル用除菌装置の使用方法、および、除菌機能付きテーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るテーブル用除菌装置の第1の実施例を示す説明図である。
【
図2】
図1に示す第1の実施例の使用状態を示す説明図である。
【
図3】
図1に示す第1の実施例の使用状態を示す説明図である。
【
図4】
図1に示す第1の実施例の使用状態を示す説明図である。
【
図5】本発明に係るテーブル用除菌装置の第2の実施例を示す説明図である。
【
図9】本発明に係るテーブル用除菌装置の第3の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係るテーブル用除菌装置の第1の実施例を示す斜視図である。
図2は
図1に示す第1の実施例の使用状態を示す斜視図である。
図3は、
図2のA-A断面を示す説明図である。
図4は、
図2のB-B断面を底面側から見た説明図である。
図5は、本発明に係るテーブル用除菌装置の第2の実施例を示す斜視図である。
図6は、
図5のC-C断面を示す説明図である。
図7は、
図5のD-D断面を底面側から見た説明図である。
図8は、
図5のE-E断面を示す説明図である。
図9は、本発明に係るテーブル用除菌装置の第3の実施例を示す平面図である。なお、図面の中に記載された細い矢印は空気の流れを、太い矢印は摺動部材36の摺動方向を示している。
【0019】
本発明に係るテーブル用除菌装置1は、吸引した空気を除菌するものであって、
図1に示すように、吸引部10と除菌部20とを備えている。なお、テーブルの形状、大きさは、特に限定されないが、テーブル天板Pの形状は、例えば、略正方形、略長方形、略円形、略楕円形等が挙げられ、テーブルの脚部の数も任意である。また、テーブル用除菌装置1は、据置タイプでもよいが、底部に複数個の車輪、および、車輪のロック機構または固定部材を設けて装置の移動および固定が可能であってもよい。
【0020】
吸引部10は、
図2~4に示すように、テーブル天板Pの裏面側Rに位置し、通気路12を有している。テーブル用除菌装置1は、テーブル天板Pの裏面側Rに配置されるものである。本発明において、テーブル天板Pとは、既存のテーブルの天板だけでなく、
図5に示すように、テーブル用除菌装置2の上部に直接固定された板状部材62も含むものである。
【0021】
吸引部10の通気路12は、空気を吸引する吸気口14を含み、吸気口14から吸引した空気が通過する。通気路12および吸気口14の構造、形状、材質、大きさは、吸気口14から取り込んだ空気が通過することができる空間が形成されていれば、特に限定されない。例えば、通気路12は、ダクト状、円筒状、角筒状等の部材で形成された空間である。吸気口14は、人が着座する位置にそれぞれ設けられることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0022】
除菌部20は、吸引部10の下部に連設され、除菌器22、ファン24、および、排気口26を有している。除菌器22は、吸引部10から流入した空気を除菌する機器である。除菌方法は、特に限定されないが、例えば、紫外線ランプを含む紫外線照射器や、除菌成分を配したフィルターや、薬剤噴霧等による方法が挙げられる。
【0023】
ファン24は、空気を吸排気するものである。気流を発生させるファン24の構造は特に限定されないが、例えば、複数枚の羽根がモータ等の駆動装置により駆動して、空気を吸引、放出する。また、ファン24の配置は、除菌器22の上流側でも下流側でもよく、除菌器22の上流側の場合にはファン24の一部が吸引部10に位置していてもよい。
【0024】
排気口26は、除菌部20の本体の側面または底面に設けられ、除菌器22で除菌された空気をテーブル用除菌装置1から放出する。除菌部20は、吸引部10の下部に連設されているため、吸引部10の吸気口14から吸引した空気が通気路12を通過して除菌部20に流入し、除菌器22で除菌された上で排気口26から放出される。排気口26は、網目状等の排気口カバーなどで覆われていてもよい。
【0025】
吸引部10の通気路12の吸気口14は、テーブル天板Pの端部の下方に位置し、略水平方向に開口している。吸気口14は、テーブル天板Pの端部の下方から空気を吸引することにより、テーブル天板Pの周囲の空気を取り込み、除菌部20に流入させて除菌し、除菌した空気を放出することができる。また、テーブル天板Pの端部上方の空気を取り込みやすくするために、吸気口14から上方に向かって突出するようにガイドGを設けてもよい。
【0026】
本発明のテーブル用除菌装置1は、吸引部10の通気路12の吸気口14が、テーブル天板Pの端部の下方に位置し、略水平方向に開口していることにより、人が着座するテーブル端部付近を含むテーブルの周囲に存在する飛沫を含む空気を吸引し、除菌した空気を放出することができる。
【0027】
また、テーブル用除菌装置2の吸引部30は、
図5~8に示すように、通気路32の吸気口34がテーブル天板Pの端部の下方に位置するように、吸気口34を移動させることが可能であってもよい。その場合、吸引部30は、吸気口34を有するダクト状の摺動部材36が摺動可能に嵌装され、摺動部材36を摺動させることで吸気口34がテーブル天板Pの端部の下方に位置させることができることが好ましい。これにより、テーブル天板Pの大きさが変化しても対応可能である。
【0028】
除菌部40は、
図5、6に示すように、その一部または全部が、ケーシング50で覆われていてもよい。ケーシング50は、排気口46から放出された除菌された空気を所定方向に放出させる放出孔52を備えていることが好ましい。これにより、排気口46から放出された除菌された空気の方向を所定の方向に変えることができる。ケーシング50の放出孔52は、吸気口34が設けられている位置とは異なる方向に除菌された空気を放出することが好ましい。また、ケーシング50は、テーブル用除菌装置2の底部を持ち上げ、上下方向の位置の調整をすることができる機構を備えていてもよい。
【0029】
また、除菌部40の除菌器42は、上述したように特に限定されないが、紫外線を照射する少なくとも一つの紫外線照射器であることが好ましい。紫外線ランプの数を含む除菌器42の構成は任意である。
【0030】
上述したテーブル用除菌装置2は、
図5~9に示すように、その上部に板状部材62、72を配置して、除菌機能付きテーブル60、70として用いるようにしてもよい。板状部材62、72は、既存のテーブルのテーブル天板Pに相当するものである。このため、除菌機能付きテーブル60、70は、テーブルとして使用することもできるが、
図2に示すテーブル用除菌装置1のみの場合と同様に、既存のテーブルのテーブル天板Pの裏面側Rに配置して除菌装置として使用してもよい。
【0031】
また、
図9に示すように、除菌機能付きテーブル70は、板状部材72が、上面と下面とを貫通する複数の貫通孔74を有していてもよい。貫通孔74を有していることにより、除菌機能付きテーブル70は、テーブルとして使用する場合、テーブル天板Pの端部の下方からだけでなく、板状部材72の上面からも飛沫を含む空気を吸引することができる。
【0032】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例0033】
[実施例1]
本実施例では、テーブル用除菌装置1は、
図1に示すように、吸引部10および除菌部20からなる。吸引部10は、縦740mm×横1200mm×厚さ60mmの金属製であって、
図1~4に示すように、正面側および背面側に各2つの吸気口14を設けた略H字状の上壁および下壁、と側壁からなる筒体である。本実施例では、吸引部10を、対面に2人ずつ着席するテーブルに配置することを想定して略H字状としたが、四方に1人ずつ着席するテーブルの場合には略十字状としてもよい。
【0034】
吸引部10の下壁の中央に、縦390mm×横390mmの正方形状の、除菌部20に連通する開口が設けられている。中央開口の周囲の4つの角部には、上壁と下壁をつなぐ略L字状の支柱が設けられている。中央開口の周囲には、
図4に示すように、正面側と背面側とを連結し、高さ60mm×幅390mmの矩形状の吸気口14を有する左右2つの通気路12と、左右の通気路12を結ぶ2つの通気路12が形成されている。これらの通気路12は、いずれも中央開口と連通している。正面側と背面側とを連結する左右2つの通気路12の外側端部である吸気口14は、略水平方向に開口している。
【0035】
吸引部10の下壁の中央開口の下部に除菌部20が連接されている。除菌部20は、直径360mm×高さ670mmの円筒状の筐体内に、回転数を可変に制御することができるファン24、その下に紫外線ランプを含む紫外線照射器である除菌器22を備えている。そして、除菌部20の筐体の下部に複数箇所開口が設けられ、排気口26となっている。
【0036】
次に、テーブル用除菌装置1の使用方法について説明する。
略矩形状のテーブル天板Pおよび4本の脚部を有する縦800mm×横1500mm×高さ750mmの4人掛けのテーブルに対して、吸気口14がテーブル天板Pの端部の下方に位置するように、
図1に示すテーブル用除菌装置1を、
図2に示すように既存のテーブルのテーブル天板Pの裏面側Rに配置する。
【0037】
そして、人が各吸気口14の正面に位置するように、正面側および背面側に各2人着座し、会話や食事を行う。この時、除菌部20のファン24を回動させ、
図2~4の矢印で示すように、テーブル天板Pの端部の下方に位置する吸引部10の吸気口14から、周囲の空気を取り込む。通気路12を通過した空気は、除菌部20に流入し、除菌器22で除菌される。除菌された空気は、排気口26からテーブル用除菌装置1の外部に放出される。
【0038】
[実施例2]
本実施例では、テーブル用除菌装置2は、
図5、6に示すように、吸引部30および除菌部40からなる。吸引部30は、縦670mm×横1040mm×厚さ60mmの金属製であって、
図7に示すような略H字状の下壁、および、側壁からなる断面略U字状に形成されている。
【0039】
正面側と背面側とを連通させ、外側端部に高さ60mm×幅280mmの略U字状の開口を有する吸引部30本体の左右の通気路32に、高さ55mm×幅275mmの略矩形状の吸気口34を有する高さ55mm×幅275mm×奥行き200mmのダクト状の摺動部材36が
図7、8に示すように摺動可能に嵌装されている。摺動可能とする構造は任意であるが、例えば、吸引部30本体と摺動部材36にそれぞれ突起と凹溝を設けてもよい。
【0040】
吸引部30の下壁は、中央に縦390mm×横390mmの正方形状の、除菌部40に連通する開口が設けられ、左右の通気路32と連通している。吸引部30本体と摺動部材36により通気路32が形成され、吸気口34は略水平方向に開口している。そして、各摺動部材36の先端には、吸気口34から上方に向かって突出するように断面略L字状のガイドGが設けてられている。
【0041】
吸引部30の下壁の中央開口の下部に、直径360mm×高さ550mmの円筒状の筐体である除菌部40が連接されている。除菌部40は、回転数を可変に制御することができるファン44、その下に紫外線ランプを含む紫外線照射器である除菌器42を備えている。そして、除菌部40の筐体の底部に排気口46が設けられている。
【0042】
除菌部40は、
図5、6に示すように、その外側の一部が縦450mm×横450mm×高さ400mmの四角柱状のケーシング50で覆われ、ケーシング50の上方から中央に掛けて複数の直径15mmの円形状の放出孔52が設けられている。放出孔52は、人が着座する正面側、背面側とは直交する方向である、左右の側面方向に穿設されている。これにより、排気口46から放出された除菌された空気がなるべく着座している人の足にかからないようにすることができる。また、除菌部40の下端はケーシング50の底部に備える凸部により持ち上げられて、上下方向の位置の調整が可能になっている。ケーシング50の底面の4つの角には、それぞれ直径75mmの車輪と高さ110mmの固定部材が設けられている。
【0043】
これまで説明したテーブル用除菌装置2は、本実施例では、その上部に縦800mm×横1200mm×厚さ20mmの板状部材62を直接固定させて除菌機能付きテーブル60を構成している。
【0044】
次に、テーブル用除菌装置2の使用方法、つまり、除菌機能付きテーブル60の使用方法について説明する。除菌機能付きテーブル60は、板状部材62を備えているため、それ自体でテーブルとして使用することが可能である。その場合には、ケーシング50により、板状部材62がテーブルとして適度な高さになるように調節する。そして、吸気口34が板状部材62の端部の下方に位置するよう、吸引部30本体から摺動部材36を
図7の太い矢印で示すように摺動させる。
【0045】
または、既存のテーブルに対して除菌装置として使用する場合には、除菌部40がテーブル天板Pの略中央になるようにテーブル用除菌装置2をテーブル天板Pの下に移動させ、固定部材により固定する。テーブル用除菌装置2をテーブル天板Pの裏面側に配置したら、吸気口34が既存のテーブルのテーブル天板Pの端部の下方に位置するよう、吸引部30本体から摺動部材36を摺動させる。
【0046】
摺動部材36の吸気口34の正面に位置するように、正面側および背面側に各2人着座し、会話や食事を行う。この時、テーブル用除菌装置2の除菌部40のファン44を回動させ、
図6~8の矢印で示すように、テーブル天板Pの端部の下方に位置する吸引部30の吸気口34から、周囲の空気を取り込む。通気路32を通過した空気は、除菌部40に流入し、除菌器42で除菌される。除菌された空気は、排気口46から放出され、除菌部40を覆うケーシング50の放出孔52から放出される。
【0047】
[実施例3]
本実施例は、板状部材72以外は実施例2と同様であり、テーブル用除菌装置2は、その上部に板状部材72を直接固定させて除菌機能付きテーブル70を構成している。
図9に示すように、板状部材72は、上面と下面とを貫通する複数の貫通孔74を有している。貫通孔74は、5mm×20mmの楕円形状の孔であり、縦方向および横方向にライン状に穿設されている。
【0048】
使用方法も、基本的には実施例2と同様であるが、除菌機能付きテーブル70は、貫通孔74からもテーブルの周囲の空気を吸引することができる。
【0049】
本実施例1~3のテーブル用除菌装置1、2は、吸引部10、30の吸気口14、34が略水平方向に開口し、テーブル天板Pの端部の下方に位置していることにより、人が着座するテーブル端部付近を含むテーブルの周囲に存在する飛沫を含む空気を吸引し、除菌した空気を放出することができる。このため、食事や会議の場で、マスクを着用しない状態で、会話や食事を楽しむことができる。
【0050】
また、テーブル用除菌装置2は、摺動部材36を備えているため、テーブル天板Pの大きさが変化しても対応可能である。また、テーブル用除菌装置2を含む除菌機能付きテーブル60、70は、板状部材62、72を備えていることにより、テーブルとしても、テーブル用の除菌装置としても使用することができる。さらに、除菌機能付きテーブル70は、吸気口34からだけでなく、貫通孔74からもテーブルの周囲の空気を吸引することができる。
【0051】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
以上のように、本発明によれば、吸引部の吸気口が略水平方向に開口し、テーブル天板の端部の下方に位置していることにより、人が着座するテーブル端部付近を含むテーブルの周囲に存在する飛沫を含む空気を吸引し、除菌した空気を放出することができるテーブル用除菌装置、テーブル用除菌装置の使用方法、および、除菌機能付きテーブルを提供することができる。