(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191823
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】案内システム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20221221BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20221221BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20221221BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/0969
G09B29/00 A
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100280
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】谷野 亘
(72)【発明者】
【氏名】神谷 和宏
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC08
2C032HC27
2C032HD07
2C032HD16
2C032HD21
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB22
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD19
2F129DD36
2F129DD40
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE81
2F129EE82
2F129EE90
2F129FF02
2F129FF32
2F129FF60
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF65
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC12
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181FF40
(57)【要約】
【課題】商品の提供タイミングに合わせて到着できるような提供施設を案内する可能性を高める。
【解決手段】商品を提供する提供施設において、ユーザへの商品の提供が可能となる提供時刻を取得する提供時刻取得部と、提供施設へのユーザの到着予定時刻を取得する到着予定時刻取得部と、提供時刻と到着予定時刻の差分が閾値以下の提供施設を案内部に案内させる案内処理部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を提供する提供施設において、ユーザへの前記商品の提供が可能となる提供時刻を取得する提供時刻取得部と、
前記提供施設への前記ユーザの到着予定時刻を取得する到着予定時刻取得部と、
前記提供時刻と前記到着予定時刻の差分が閾値以下の前記提供施設を案内部に案内させる案内処理部と
を備える、案内システム。
【請求項2】
前記提供施設は、前記ユーザにより選択された商品を提供する施設である、請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
前記提供施設は、予め設定された、前記ユーザの移動経路を基準とした範囲に位置する施設である、請求項1又は2に記載の案内システム。
【請求項4】
前記提供施設は、前記移動経路のうち、予め登録された登録時間帯に移動予定の経路を基準とした範囲に位置する施設である、請求項3に記載の案内システム。
【請求項5】
前記閾値は、提供される前記商品に基づいて特定される、請求項1~4の何れか1項に記載の案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体の移動経路付近の飲食店を検索し、表示するシステムが知られている。特許文献1には、食事時間帯に移動体が移動している場所を推定し、推定した場所から第1の距離内にあり、かつ、上記移動体の出発地と目的地の少なくともいずれか一方から第2の距離離れた場所に位置する飲食店を抽出する技術が開示されている。これにより、ユーザは、食事時間帯に移動予定の経路付近の飲食店を探すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、飲食店では、注文を受けてから調理するため、商品を提供するまでに時間がかかる。このため、飲食店への到着前に注文した場合に、商品が完成したタイミングに合わせて到着できない可能性があるという問題があった。注文のタイミングが早すぎた場合には、到着前に商品が完成し、受取時には商品が冷めてしまう。また、注文のタイミングが遅すぎた場合には、ユーザは、到着後、飲食店で商品が提供されるまで待たなければいけない。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みなされたもので、移動体が、商品の提供タイミングに合わせて到着できるような提供施設を案内する可能性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、案内システムであって、商品を提供する提供施設において、ユーザへの前記商品の提供が可能となる提供時刻を取得する提供時刻取得部と、前記提供施設への前記ユーザの到着予定時刻を取得する到着予定時刻取得部と、前記提供時刻と前記到着予定時刻の差分が閾値以下の前記提供施設を案内部に案内させる案内処理部とを備える。
【0007】
上記案内システムは、提供時刻と到着予定時刻の差分が閾値以下の提供施設を案内させる。すなわち、案内システムは、商品の提供タイミングに合わせて到着できるような提供施設を案内する可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】第2の実施形態に係る施設情報のデータ構成例を示す図。
【
図6】第3の実施形態に係る案内処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)第1の実施形態:
(2)第2の実施形態:
(3)第3の実施形態:
(4)他の実施形態:
【0010】
(1)第1の実施形態:
図1は、第1の実施形態に係る案内管理システム1の構成図である。案内管理システム1は、案内システム10、車載システム20及び提供施設システム30を備える。案内システム10、車載システム20及び提供施設システム30は、ネットワーク40を介して通信を行う。車載システム20は、車両に搭載されたシステムである。車載システム20は、ユーザからの指示に従い、車両の現在地から目的地までの経路探索を案内システム10に対して要求し、移動経路を受信する。これにより、車両は移動経路に沿った走行が可能となる。車載システム20は、また、案内システム10から受信した情報に従い、移動経路付近の提供施設の案内を行う。ここで、提供施設は、商品を提供する施設であり、例えば、飲食店が挙げられる。本実施形態においては、提供施設が、飲食物のテイクアウトが可能な飲食店である場合を例に説明する。このような提供施設としては、ファストフード店やテイクアウトが可能な食堂などが挙げられる。
【0011】
案内システム10は、例えば据置型の汎用コンピュータやクラウド型の外部サーバ等である。案内システム10は、車載システム20からの要求に応じて、車載システム20が搭載された車両の移動経路を探索し、移動経路を車載システム20に送信する。案内システム10はまた、移動経路付近における提供施設のうち、検索された(ヒットした)提供施設を案内システム10に送信する。
【0012】
なお、
図1においては、1つの車載システム20のみを示しているが、案内システム10は、複数の車載システム20と通信可能であるものとする。なお、複数の車載システム20はそれぞれ異なる複数の車両に搭載されている。
【0013】
提供施設システム30は、提供施設に設置された情報処理装置である。なお、他の例としては、提供施設システム30は、提供施設で利用される、タブレット等の携帯型のコンピュータであってもよい。提供施設システム30は、車載システム20から商品のオーダー情報を受信する。提供施設システム30がオーダー情報を受信すると、提供施設の従業員は、調理等、商品の提供のための準備を開始する。
【0014】
案内システム10は、通信部11と、制御部12と、記録媒体13とを備える。通信部11は、外部の装置と無線通信を行うための装置である。制御部12は、通信部11を介して車載システム20と通信することができる。すなわち、制御部12による車載システム20との情報の送受信は、通信部11を介して実行される。制御部12は、CPU,RAM,ROM等を備え、記録媒体13やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態の制御部12は、このプログラムの1つとして、第1案内プログラム120を実行することができる。制御部12は、第1案内プログラム120の処理により、移動経路付近の提供施設を車載システム20に案内させる。
【0015】
記録媒体13は、地図情報131、施設情報132、経路情報133及び登録時間帯情報134を記憶する。地図情報131は、道路区間の端点に対応するノードの位置を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士を接続するリンクを示すリンクデータ等を含む。ここで、ノードは、交差点に対応し、リンクは、交差点から交差点までの道路区間に対応する。地図情報131は、車両の位置の特定や目的地までの経路探索、経路案内等に利用される。地図情報131はさらに、施設情報を含む。施設情報は、施設を識別する施設IDと、施設座標、施設属性(ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、ファストフード等)等を含む。
【0016】
施設情報132は、地図情報131に含まれる施設のうち、テイクアウトの飲食物を提供する提供施設に係る情報である。
図2は、施設情報132のデータ構成例を示す図である。施設情報132には、複数の施設それぞれに対応した複数のレコードが含まれている。レコードは、
図2に示す各行に対応する。各レコードにおいて、施設IDと、施設座標と、施設種別と、施設名と、URL(uniform resource locator)と、準備時間と、第1閾値とが対応付けられている。なお、本実施形態においては、地図情報131に含まれる施設属性とは独立して施設種別が設けられているものとする。ここで、施設IDは、施設を識別する情報であり、地図情報131における施設IDに対応する。施設座標は、提供施設の位置座標を示す情報であり、地図情報131に含まれる施設座標に対応する。施設種別は、提供施設が提供する商品種別を示す情報である。本実施形態においては、施設種別には、料理及びドリンクの別を示す情報の他に、料理について、ファストフード、ラーメンというように、料理のジャンルを示す情報が含まれる。なお、施設種別における種別の定義は実施形態に限定されるものではない。他の例としては、ファストフードの中でも、ハンバーガー、デザート、というように、より細かい分類での種別が示されてもよい。施設名は、提供施設の名前である。URLは、提供施設の情報を表示するwebページのURLである。
【0017】
準備時間は、提供施設において商品を提供するまでに要する時間である。例えば、ハンバーガー店では、オーダーを受けてからハンバーガーが完成し、提供可能な状態になるまでに時間を要する。準備時間には、このような、提供施設における調理等、オーダーを受けてから商品が提供可能な状態になるまでに要する施設側準備時間が含まれる。また、本実施形態においては、ユーザによる飲食物の注文は、上述の、施設のwebページ上でのユーザ操作により行われるものとする。これに対応し、準備時間には、施設側準備時間だけでなく、ユーザによるwebページ上での操作時間も含まれるものとする。以下、webページ上での操作時間をオーダー所要時間と称する。例えば、提供施設での調理時間(施設側準備時間)が9分、オーダー所要時間が1分の場合には、合計の10分が準備時間として設定される。ある時点の時刻に対し準備時間を加算することにより、ある時点にオーダーが開始され、商品が準備された場合の提供時刻を予測することが可能となる。ここで、提供時刻とは、商品が提供可能となる時刻である。
【0018】
準備時間は、予め設定されているものとする。例えば、各提供施設が、各提供施設の調理時間とオーダー所要時間を予測し、予測結果に基づいて準備時間を決定する。そして、決定された準備時間が各提供施設の準備時間として設定される。また、他の例としては、各提供施設が調理時間を予測し、各提供施設の調理時間それぞれに、提供施設によらず一律に設定されたオーダー所要時間が加算された値が、各提供施設の準備時間として設定されてもよい。
【0019】
第1閾値は、提供時刻を基準として、実際にユーザが商品を受け取ることができるタイミングと商品の提供時刻との差分として許容される時間の最大値である。例えば、ハンバーガーが完成してから30分後にユーザが商品を受け取ったのでは、ハンバーガーが冷めてしまい、販売者が意図した品質の商品を提供することができない。このような観点から、施設毎に商品の提供時刻に対する第1閾値が予め設定されている。例えば、AAバーガー東町店に対しては、第1閾値として5分が設定されている。これは、提供時刻から後の5分間が提供希望期間であることを意味する。また、ラーメン店に対しては、麺がのびてしまわないよう、比較的短い1分が第1閾値として設定されている。なお、第1閾値には、提供施設毎に、販売者の希望に添った値が設定されるものとする。ただし、他の例としては、案内システム10の管理者等が適切な値が決定、設定されてもよい。
【0020】
経路情報133は、各車載システム20に対して設定された移動経路を示す情報である。経路情報133において、車載システム20に対して案内される移動経路として設定された移動経路と、車載システム20が搭載された車両を識別する車両IDとが対応付けられている。なお、車載システム20は、車両に搭載されることから、車両IDは、車載システム20を識別する情報でもある。
【0021】
登録時間帯情報134は、各車載システム20に対して予め登録された登録時間帯を示す情報である。登録時間帯情報134において、登録時間帯と、車両IDとが対応付けられている。登録時間帯は、飲食を行う時間帯として、車載システム20のユーザが、車載システム20を操作することで登録される。より詳しくは、車載システム20において登録された登録時間帯が案内システム10に送信されることで、登録時間帯情報134に登録される。このように、登録時間帯は、ユーザ(車両)毎に設定されているものとする。
【0022】
なお、他の例としては、登録時間帯は、車両の走行履歴に基づいて設定されてもよい。この場合には、車両はプローブ車両であるものとする。また、案内システム10には、一般的な食事時間帯が基準時間帯として設定されているものとする。そして、案内システム10は、車載システム20から定期的にプローブ情報を取得し、基準時間帯に近い時間帯で、かつ走行が中断(停止)される時間帯を抽出する。案内システム10は、例えば基準時間帯に近い時間帯でかつ走行が中断される時間帯を、異なる日において複数回抽出し、その平均値を登録時間帯として設定する。なお、登録時間帯は、基準時間帯に近い時間帯として抽出した時間帯に基づいて設定される値であればよく、平均値に限定されるものではない。また、他の例としては、案内システム10は、飲食施設に停車された時間帯に基づいて、登録時間帯を設定してもよい。
【0023】
また、他の例としては、登録時間帯は、車両(ユーザ)に依存しない値であってもよい。すなわち、この場合には、登録時間帯情報134には、1つの登録時間帯のみが登録され、車両IDは不要である。
【0024】
説明を
図1に戻す。案内システム10の制御部12が実行する第1案内プログラム120は、案内システム10のコンピュータを、経路探索部121、提供時刻取得部122、到着予定時刻取得部123及び第1案内処理部124として実行させるためのプログラムである。すなわち、以下において、経路探索部121、提供時刻取得部122、到着予定時刻取得部123及び第1案内処理部124が行うものとして記載する処理は、制御部12(CPU)が実行する処理である。
【0025】
経路探索部121は、車載システム20から車両の位置と、目的地と、を含む探索指示を受信すると、地図情報131を参照し、車両の位置を出発地とし、出発地と目的地とを結ぶ走行経路を探索する。走行経路は、出発地から目的地までを結ぶノードの配列である。移動経路は、車載システム20に送信される。提供時刻取得部122は、経路情報133に格納されている走行経路を参照し、走行経路を基準とした範囲に含まれる提供施設を検出する。そして、提供時刻取得部122は、現在時刻を基準とした場合の、提供施設における商品の提供時刻を取得する。
【0026】
到着予定時刻取得部123は、地図情報131及び走行経路に基づいて、提供時刻取得部122により検出された各提供施設への到着予定時刻を取得する。第1案内処理部124は、到着予定時刻と提供時刻の差分が閾値未満となる提供施設を抽出し、抽出した提供施設を車載システム20に案内させる。具体的には、第1案内処理部124は、抽出した提供施設を示す案内情報を車載システム20へ送信する。ここで、案内情報は、到着予定時刻と提供時刻の差分が閾値未満となる提供施設を示す情報であり、提供施設の施設名及びURLを含む。提供時刻取得部122、到着予定時刻取得部123及び第1案内処理部124の処理については、
図3及び
図4を参照しつつ後に詳述する。第1案内処理部124は、案内処理部の一例である。
【0027】
車載システム20は、通信部21と、制御部22と、ユーザI/F部23と、記録媒体24と、GNSS受信部25と、車速センサ26と、ジャイロセンサ27とを備えている。通信部21は、外部の装置と無線通信を行うための装置である。制御部22は、通信部21を介して案内システム10及び提供施設システム30と通信することができる。すなわち、制御部22による案内システム10及び提供施設システム30との情報の送受信は、通信部21を介して実行される。制御部22は、CPU,RAM,ROM等を備え、記録媒体24やROMに記憶された種々のプログラムを実行することで、各種処理を行う。本実施形態の制御部22は、このプログラムの1つとして第2案内プログラム220を実行することができる。制御部22は、第2案内プログラム220の処理により、提供施設を案内させる。
【0028】
ユーザI/F部23は、ユーザが指示を入力し、また、ユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部である。ユーザI/F部23は、図示しないタッチパネル式のディスプレイやスイッチ、スピーカー等を備えている。すなわち、ユーザI/F部23は、画像や音声の出力部およびユーザによる指示の入力部を備えている。
【0029】
GNSS受信部25は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置である。GNSS受信部25は、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して、車両の位置を算出するための信号を出力する。制御部22は、この信号を取得して車両の位置を取得する。車速センサ26は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部22は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ27は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部22は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ26およびジャイロセンサ27等は、車両の走行軌道を特定するために利用される。本実施形態においては、制御部22は、車両の出発地と走行軌道とに基づいて車両の位置を特定し、出発地と走行軌道とに基づいて特定された車両の位置をGNSS受信部111の出力信号に基づいて補正する。
【0030】
車載システム20の制御部22が実行する第2案内プログラム220は、車載システム20のコンピュータを、第2案内処理部221として実行させるためのプログラムである。すなわち、以下において、第2案内処理部221が行うものとして記載する処理は、制御部22(CPU)が実行する処理である。
【0031】
第2案内処理部221は、案内情報の送信要求を案内システム10に送信し、その応答として案内システム10から案内情報を受信する。そして、第2案内処理部221は、案内部としてのユーザI/F部23の出力部に、案内情報に示される提供施設を案内させる。ここで、送信要求には、車載システム20が搭載された車両の車両IDと、車両の位置と、車両の位置が検出された時刻と、が含まれるものとする。以下では、適宜、車両の位置を車両の現在地、車両の位置が検出された時刻を現在時刻と称する。第2案内処理部221は、ユーザI/F部23に対し、提供施設の案内を要求するユーザ操作が行われた場合に送信要求を送信する。
【0032】
また、ユーザは、提供施設の施設種別を指定することもできる。この場合には、第2案内処理部221は、ユーザ操作に応じて指定された施設種別を指定した送信要求を生成、送信する。この場合の送信要求には、車両ID及び車両の現在地及び現在時刻に加えて、施設種別が含まれる。なお、施設種別は、例えば、料理、ドリンクといった大まかな分類における種類でもよく、ファストフード、ラーメン、というように料理をより細分化した分類における種類でもよい。施設種別は、施設情報132において定義され得る施設種別に対応していればよい。
【0033】
図3は、第1案内プログラム120の機能により実行される案内処理を示すフローチャートである。案内処理は、車載システム20から案内情報の送信要求を受信した場合に、案内システム10が実行する処理である。案内処理により、案内情報が生成され、案内情報が送信要求の送信元の車載システム20へ送信される。なお、案内処理が実行される前に、送信要求の送信元の車載システム20においては、案内すべき走行経路が設定され、案内システム10においては、車載システム20において設定された走行経路が経路情報133に設定されているものとする。
【0034】
案内システム10は、車載システム20から送信要求を受信した場合に、送信要求の送信元の車載システム20を処理対象として以下の処理を行う。以下、処理対象の車載システム20を対象車載システムと称し、対象車載システムが搭載された車両を対象車両と称する。まず、案内システム10の提供時刻取得部122は、対象車両の走行経路上の案内点の通過時刻を取得する(ステップS100)。ここで、案内点は、走行経路に沿って走行する場合に非直線方向へ進むべき交差点等である。ステップS100の処理において、提供時刻取得部122は、まず経路情報133を参照し、送信要求に含まれる車両IDに基づいて、対象車両に対して設定されている走行経路を特定する。提供時刻取得部122は、さらに地図情報131を参照し、対象車両の走行経路に含まれる案内点を抽出する。提供時刻取得部122は、現在時刻と、車両の現在地とを基準とし、各案内点を通過する通過時刻を取得する。
【0035】
現在時刻までに、対象車両が既に移動経路を途中まで走行済みの場合には、提供時刻取得部122は、現在時刻以降に通過予定の案内点のみを処理対象として、通過時刻を取得する。
【0036】
次に、提供時刻取得部122は、登録時間帯情報134を参照し、送信要求に含まれる車両IDに対応付けられている登録時間帯を、対象車両の登録時間帯として取得する(ステップS102)。次に、提供時刻取得部122は、ステップS100において取得した移動経路通過時刻に基づいて、移動経路中に、登録時間帯に走行予定の区間が含まれるか否かを判定する(ステップS104)。提供時刻取得部122は、ステップS100において得られた通過時刻の中に、登録時間帯に含まれる時刻が存在する場合に、登録時間帯に走行予定の区間が含まれると判定する。提供時刻取得部122は、ステップS100において得られた通過時刻の中に、登録時間帯に含まれる時刻が存在しない場合には、登録時間帯に走行予定の区間が含まれないと判定する。提供時刻取得部122は、走行予定の区間が含まれない場合には(ステップS104でN)、案内処理を終了する。
【0037】
提供時刻取得部122は、移動経路中に、登録時間帯に走行予定の区間が含まれる場合には(ステップS104でY)、第1検索範囲内に位置する提供施設を抽出する(ステップS106)。ここで、ステップS106の処理について説明する。
【0038】
提供時刻取得部122は、S104において登録時間帯に含まれると判定された通過時刻に対応した案内点のうち最も早い通過時刻に対応する案内点と、最も遅い通過時刻に対応する案内点を抽出する。そして、提供時刻取得部122は、最も早い通過時刻に対応した案内点から最も遅い時通過刻に対応した案内点まで区間を登録時間帯区間として設定する。ここで、登録時間帯区間は、登録時間帯に走行予定の区間である。なお、他の例としては、提供時刻取得部122は、案内時間帯の開始時刻と終了時刻におけるより詳細な通過地点を求め、これら2つの通過地点の間の区間を登録時間帯区間として設定してもよい。
【0039】
続いて、提供時刻取得部122は、地図情報131を参照し、登録時間帯区間からの走行距離が閾値未満の範囲を第1範囲として設定する。なお、第1検索範囲は、登録時間帯区間を基準として定まる範囲であればよく、実施形態に限定されるものではない。他の例としては、登録時間帯区間に含まれる複数の案内点それぞれを基準とした複数の範囲のすべてを含む範囲が第1検索範囲として設定されてもよい。また、登録時間帯区間からの直線距離が閾値未満の範囲が第1検索範囲として設定されてもよい。また他の例としては、登録時間帯区間沿いの範囲が第1検索範囲として設定されてもよい。また他の例としては、登録時間帯区間からの走行時間が所定の値未満の範囲が第1検索範囲として設定されてもよい。ここで、登録時間帯区間は、登録時間帯に移動予定の経路の一例である。また、第1検索範囲は、登録時間帯に移動予定の経路を基準とした範囲の一例である。そして、提供時刻取得部122は、第1検索範囲を設定すると、地図情報131及び施設情報132を参照し、第1検索範囲内に位置する提供施設を抽出する。
【0040】
また、上述の通り、送信要求に施設種別が含まれている場合がある。この場合には、ステップS106において、提供時刻取得部122は、第1検索範囲内に位置し、かつ送信要求に含まれる施設種別に一致する種別の提供施設を抽出する。例えば、送信要求において、料理が指定されている場合には、ステップS106における抽出対象は、料理に対応付けられた提供施設に制限される。また、送信要求において、ラーメンが指定されている場合には、ステップS106における抽出対象は、ラーメンに対応付けられた提供施設に制限される。
【0041】
ステップS106の処理の後、提供時刻取得部122は、第1検索範囲内に提供施設が存在するか否かを判定する(ステップS108)。提供時刻取得部122は、ステップS106において提供施設が抽出された場合に、第1検索範囲内に提供施設が存在すると判定し、ステップS106において提供施設が抽出されなかった場合には、第1検索範囲内に提供施設が存在しないと判定する。提供時刻取得部122は、第1検索範囲内に提供施設が存在しない場合には(ステップS108でN)、案内処理を終了する。
【0042】
提供時刻取得部122は、第1検索範囲内に提供施設が存在する場合には(ステップS108でY)、第1検索範囲内に存在する各提供施設の商品の提供時刻を取得する(ステップS110)。具体的には、提供時刻取得部122は、施設情報132から、第1検索範囲内に存在する各提供施設の準備時間を取得する。そして、提供時刻取得部122は、現在時刻に各提供施設の準備時間を加算した時刻を各提供施設の提供時刻として取得する。
【0043】
次に、経路探索部121は、第1検索範囲に含まれる各提供施設までの経路を探索する(ステップS112)。具体的には、経路探索部121は、地図情報131を参照し、対象車両の現在地を出発地、各提供施設の位置を目的地とした経路探索を行う。次に、到着予定時刻取得部123は、経路探索により得られた、各提供施設への移動経路を走行した場合の各提供施設への到着予定時刻を、地図情報131を参照することにより取得する(ステップS114)。
【0044】
次に、第1案内処理部124は、同一の提供施設に対して得られた到着予定時刻と提供時刻の差分と閾値とを比較し、差分が閾値以下の提供施設を案内対象として抽出する(ステップS116)。ステップS116の処理において、第1案内処理部124は、到着予定時刻が提供時刻よりも遅い場合は、閾値として第1閾値を利用する。ここで、第1閾値は、施設情報132において、提供施設に対応付けられた値である。第1案内処理部124は、到着予定時刻が提供時刻よりも遅く、かつその差分が第1閾値以下の場合に、差分が閾値以下と判定し、提供施設を案内対象として抽出する。これにより、提供時刻に対し、第1閾値よりも長い時間が経過した後で到着予定の提供施設を案内対象から除くことができる。
【0045】
一方で、第1案内処理部124は、到着予定時刻が提供時刻よりも早い場合は、閾値として第2閾値を利用する。ここで、第2閾値は、提供施設によらず一律の値であり、記録媒体13に予め設定されているものとする。第1案内処理部124は、到着予定時刻が提供時刻よりも早く、かつその差分が第2閾値以下の場合に、差分が閾値以下と判定し、提供施設を案内対象として抽出する。
【0046】
到着予定時刻が提供時刻よりも早くなる場合、ユーザは、商品を受け取るには、提供時刻まで提供施設にて待つ必要がある。このようなユーザの待ち時間を考慮したのが第2閾値である。このような待ち時間は、商品の種類に応じて定まるものではないため、第1閾値と異なり、第2閾値としては、提供施設によらず一律の値が設定される。第2閾値以下の提供施設を案内対象として抽出することにより、提供時刻に対し、第2閾値よりも長い時間前に到着予定の提供施設を案内対象から除くことができる。
【0047】
なお、車両が提供時刻よりも前に到着した場合に、提供施設で待つことが許容される時間はユーザによって異なることが想定される。そこで、他の例としては、車両ID毎に異なる第2閾値が予め記録媒体13に設定されていることとしてもよい。この場合、第1案内処理部124は、対象車両の車両IDの第2閾値を利用する。これにより、第1案内処理部124は、ユーザに適した第2閾値が考慮された提供施設を案内対象として抽出することができる。
【0048】
また、他の例としては、差分と比較される閾値は、到着予定時刻と提供時刻のいずれが遅いかによらず一律の値としてもよい。また、この場合の閾値は、提供施設に応じて設定される値であってもよく、提供施設によらず一律の値であってもよい。
【0049】
ステップS116の処理の後、第1案内処理部124は、ステップS116において抽出した提供施設を案内する案内情報を生成し、案内情報を車載システム20に送信する(ステップS118)。以上で、案内処理が完了する。なお、案内情報を受信した車載システム20は、案内情報をユーザI/F部23に表示する。これにより、ユーザは、案内情報を閲覧することができる。案内情報には、抽出された提供施設の店舗名、位置等が表示される。ユーザが提供施設を選択すると、選択された提供施設のwebページが表示され、ユーザは、webページにおいてオーダーを行うことができる。webページでのオーダーが完了すると、オーダー内容を示すオーダー情報が、提供施設システム30に送信される。提供施設では、提供施設システム30に届いたオーダー情報に従い、商品の準備が開始される。一方で、ユーザは、オーダーを完了した後、提供施設に向けて車両を走行させ、提供施設に到着すると、商品提供時刻から大きくずれることなく、注文した商品を受け取ることができる。さらに、この場合には、案内システム10は、提供施設を経由して目的地に到着するような経路を再探索し、車載システム20に送信してもよい。
【0050】
なお、案内処理においては、上述の通り、登録時間帯に走行予定の経路が移動経路に含まれない場合には(ステップS104でN)、案内情報が送信されることなく案内処理が終了する。すなわち、車載システム20における提供施設の案内も、提供時刻が登録時間帯に含まれない場合には行われない。このように、本実施形態の案内管理システム1においては、案内情報による提供施設の案内を、ユーザが食事をする時間帯に制限することができる。したがって、ユーザが食事を希望していない時間帯に無駄に案内が行われるのを防ぐことができる。
【0051】
また、第1検索範囲に提供施設が存在しない場合にも(ステップS108でN)、案内情報の送信は行われない。移動経路を移動中のユーザは、移動経路から大きく外れてまで飲食物を購入しようと思わない可能性が高い。これに対し、本実施形態においては、車載システム20は、案内対象を、登録時間帯区間を基準とした第1検索範囲内の提供施設に制限する。これにより、ユーザが希望する可能性の高い提供施設に限定することにより、よりユーザに適した案内を行うことができる。
【0052】
また、送信要求に施設種別が含まれている場合には、ステップS106において抽出される提供施設は、ユーザにより選択された種類の提供施設に制限される。したがって、案内対象を、ユーザにより選択された種類の提供施設に制限することができる。
【0053】
ここで、
図2及び
図4を参照しつつ、案内処理をさらに説明する。
図2に示すAAバーガー東町店、BBバーガー駅前店及びCCコーヒーの3つが第1検索範囲内に位置する提供施設としてステップS106において抽出されたとする。さらに、
図4に示すように、現在時刻が「11:50」であり、移動経路A沿いに、AAバーガー東町店、BBバーガー駅前店及びCCコーヒーが位置しているものとする。
【0054】
この場合、AAバーガー東町店の提供時刻は、現在時刻「11:50」に、AAバーガー東町店の準備時間「20分」を加算した時刻、すなわち「12:10」となる。これに対し、ステップS110において、AAバーガー東町店への到着予定時刻として「12:10」が得られたとする。この場合には、AAバーガー東町店は、ステップS116において、案内対象として抽出される。
【0055】
同様に、CCコーヒーの提供時刻は、現在時刻「11:50」に、CCコーヒーの準備時間「5分」を加算した時刻、すなわち「11:55」となる。これに対し、ステップS110において、CCコーヒーへの到着予定時刻として「11:55」が得られたとする。この場合には、CCコーヒーは、ステップS116において、案内対象として抽出される。
【0056】
一方で、BBバーガー駅前店の提供時刻は、現在時刻「11:50」に、BBバーガー駅前店の準備時間「10分」を加算した時刻、すなわち「12:00」である。これに対し、ステップS110において、BBバーガー駅前店への到着予定時刻として「12:15」が得られたとする。この場合には、BBバーガー駅前店の到着予定時刻は、提供時刻よりも遅く、両時刻の差分は15分である。すなわち差分はBBバーガー駅前店の第1閾値(5分)よりも大きい。このため、BBバーガー駅前店は、案内対象として抽出されることはない。
【0057】
以上のように、本実施形態の案内システム10は、提供時刻と到着予定時刻の差分が閾値以下の提供施設を案内させることができる。すなわち、案内システム10は、商品の提供タイミングに合わせてユーザが到着できる提供施設を案内する可能性を高めることができる。
【0058】
第1の実施形態の変形例としては、案内システム10は、例えば登録時間帯の所定時間前から定期的に案内処理を実行してもよい。これにより、ユーザは、ユーザ操作を要することなく、登録時間帯が近くなると、提供施設の案内を受けることができる。
【0059】
(2)第2の実施形態:
次に、第2の実施形態に係る案内管理システム1について、第1の実施形態に係る案内管理システム1と異なる点を主に説明する。第2の実施形態においては、案内システム10の記録媒体13に格納される施設情報のデータ構成が第1の実施形態における施設情報132と異なる。
【0060】
図5は、第2の実施形態に係る施設情報200のデータ構成例を示す図である。施設情報200においては、準備時間及び第1閾値は、提供施設で提供される商品種毎に設定されている。例えば、「AAバーガー東町店」に対し、商品種「料理」と「ドリンク」が設定され、「料理」と「ドリンク」に対し、準備時間としてそれぞれ「20分」と「5分」が設定されている。同様に、「料理」と「ドリンク」に対し、第1閾値としてそれぞれ「5分」と「7分」が設定されている。
【0061】
また、第2の実施形態においては、ユーザは、提供施設で提供される商品を指定することができ、この場合には、送信要求には商品種が含まれる。案内システム10は、送信要求に商品種が含まれる場合は、送信要求に示される商品種に対応付けられた準備時間と第1閾値とを参照することで、提供施設に替えて、提供施設の商品の単位で、案内対象とするか否かを判定する。これにより、例えば、ユーザがハンバーガーを希望する場合には、AAバーガー東町店のドリンクの提供時刻については考慮されず、料理の提供時刻のみが考慮されるため、料理のみが案内対象として抽出され得る。一方で、ユーザがドリンクのみを希望する場合には、AAバーガー東町店のハンバーガーはステップS106での抽出対象から除外され、AAバーガー東町店のドリンクのみがステップs106での抽出対象となる。このように、商品種の単位で案内させることができる。
【0062】
なお、第2の実施形態の案内管理システム1のこれ以外の構成及び処理は、第1の実施形態に係る案内管理システム1の構成及び処理と同様である。
【0063】
第2の実施形態の案内システム10によれば、提供施設単位ではなく、提供施設の商品種単位で案内対象とするか否かを判定できるので、ユーザの希望に、より適合した提供施設を案内する可能性を高めることができる。
【0064】
第2の実施形態の変形例について説明する。送信要求には、商品種が複数含まれていてもよい。例えば、送信要求に、料理とドリンクが含まれていてもよい。この場合、案内システム10は、ステップS106において、第1検索範囲内の提供施設で、かつ施設情報200において、商品種として料理とドリンクが対応付けられている提供施設を抽出するものとする。また、この場合、案内システム10は、ステップS110において、1つの提供施設の複数の商品種それぞれの準備時間のうち、最も長い準備時間を参照する。同様に、案内システム10は、ステップS116において、1つの提供施設の複数の商品種それぞれの第1閾値のうち、最も短い第1閾値を参照する。
【0065】
(3)第3の実施形態:
次に、第3の実施形態の係る案内管理システム1について、第1の実施形態に係る案内管理システム1と異なる点を主に説明する。第3の実施形態においては、案内管理システム1は、送信要求を受信した場合には、登録時間帯に走行予定の登録時間帯区間であるか否かに関わらず、現在地からの走行により商品提供時刻に到着できる提供施設を示す案内させる。
【0066】
図6は、第3の実施形態に係る案内システム10が実行する案内処理を示すフローチャートである。本実施形態の案内処理も、第1の実施形態の案内処理と同様に、車載システム20から案内情報の送信要求を受信した場合に実行される。
【0067】
案内処理においては、まず案内システム10の提供時刻取得部122は、対象車両の移動経路上の案内点の通過時刻を取得する(ステップS200)。本処理は、第1の実施形態におけるステップS100の処理と同様である。次に、提供時刻取得部122は、地図情報131を参照し、第2検索範囲内に位置する提供施設を抽出する(ステップS202)。
【0068】
ここで、
図7を参照しつつ、第2検索範囲について説明する。第2検索範囲は、車両が現在地を現在時刻に出発した場合に、提供時刻に到達可能な提供施設を抽出するために設定する範囲である。したがって、第2検索範囲には、車両が準備時間の間走行することで、到着可能な提供施設が含まれることが好ましい。このような観点から、本実施形態においては、提供時刻取得部122は、施設情報132に含まれるすべての準備時間の最大値を、第2検索範囲を定める際に参照する基準時間として設定する。そして、提供時刻取得部122は、移動経路Aのうち、基準時間内に到達可能な一部区間Bを特定し、この一部区間Bからの直線距離が閾値未満の範囲を第2検索範囲Cとして設定する。
【0069】
なお、第2検索範囲は、一部区間を基準として定まる範囲であればよく、実施形態に限定されるものではない。他の例としては、一部区間に含まれる複数の案内点それぞれを基準とした複数の範囲のすべてを含む範囲が第2検索範囲として設定されてもよい。また、一部区間からの走行距離が閾値未満の範囲が第2検索範囲として設定されてもよい。また他の例としては、一部区間沿いや一部区間からの走行時間が所定の値未満の範囲が第2検索範囲として設定されてもよい。ここで、第2検索範囲は、移動経路を基準とした範囲の一例である。
【0070】
図6のステップS202の処理の後、提供時刻取得部122は、第2検索範囲内に提供施設が存在するか否かを判定する(ステップS204)。提供時刻取得部122は、第2検索範囲内に提供施設が存在する場合には(ステップS204でY)、第2検索範囲内に存在する各提供施設の商品の提供時刻を取得する(ステップS206)。一方、提供時刻取得部122は、第2検索範囲内に提供施設が存在しない場合には(ステップS204でN)、案内処理を終了する。
【0071】
車載システム20は、ステップS206の処理の後、処理をステップS208へ進める。ステップS208~ステップS214の処理は、それぞれ第1の実施形態におけるステップS110~ステップS118の処理と同様である。なお、第3の実施形態の案内管理システム1のこれ以外の構成及び処理は、それぞれ第1の実施形態に係る案内管理システム1の構成及び処理と同様である。
【0072】
第3の実施形態の案内システム10によれば、登録時間帯に関わらず、車両の現在地と移動経路とに基づいて、提供時刻に到着可能な提供施設を案内させることができる。すなわち、案内システム10は、商品の提供タイミングに合わせてユーザが到着できる提供施設を案内する可能性を高めることができる。
【0073】
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、案内システム10は、複数の装置(例えば、サーバとクライアント、実施形態に係る案内システム10と車載システム20等)によって実現されるシステムであってもよい。案内システム10を構成する経路探索部121、提供時刻取得部122、到着予定時刻取得部123、及び第1案内処理部124のうち一部の機能が第1の装置の制御部により実現され、残りの機能が第1の装置と異なる第2の装置の制御部により実現されてもよい。
【0074】
例えば、車載システム20の記録媒体24は、地図情報を格納し、車載システム20の制御部22は、経路探索部121として機能してもよい。この場合には、探索された移動経路は、案内システム10に送信される。また、他の例としては、車載システム20の制御部22は、提供時刻取得部122、到着予定時刻取得部123及び第1案内処理部124のうち少なくとも1つとして機能してもよい。
【0075】
また、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。例えば、第1の実施形態の案内処理において、制御部12は、第1検索範囲内の各提供施設を抽出した後で、各提供施設への到着予定時刻を取得し、その後で提供施設の提供時刻を取得してもよい。
【0076】
また、案内管理システム1は、提供施設管理システムをさらに備えてもよい。この場合には、車載システム20のユーザが、案内情報を確認し、希望の提供施設のwebページにおいてオーダーを完了すると、オーダー情報は、提供施設管理システムを介して提供施設システム30へ送信される。
【0077】
商品は、飲食物に限らず、提供までに時間を要するものであればよい。ここで、提供までに要する時間は、提供のための店舗における準備時間及びユーザがオーダーするためのオーダー所要時間の少なくとも一方を含めばよい。
【0078】
提供施設は、提供までに時間を要する商品を提供する施設であればよく、実施形態において説明したような、テイクアウト用の飲食物を提供する施設に限定されるものではない。他の例としては、飲食物の店内での飲食のみを目的とするような店舗も提供施設に含まれる。
【0079】
登録時間帯は、所定の商品の提供を受ける時間帯として予め登録された時間帯であればよい。すなわち、登録時間帯は、飲食を行う時間帯に限定されるものではない。
【0080】
本実施形態においては、車両での移動を対象とした案内システムについて説明したが、移動手段は、車両に限定されるものではない。すなわち、移動手段には、車両の他、自転車やバイクなど広く移動体に乗った状態での移動を含み、さらには、ユーザの徒歩による移動も含まれる。また、徒歩の場合には、徒歩での移動の場合には、案内システム10は、徒歩での移動経路を探索する。
【0081】
また、案内情報を表示する案内部としてのユーザI/F部を備えたシステムは、ユーザと共に移動可能なシステムであればよく、車載システム20に限定されるものではない。他の例としては、本システムは、スマートフォンやタブレットなど、ユーザにより所持される携帯端末により実現されてもよい。なお、この場合には、現在地としては、携帯端末の位置が利用される。携帯端末の位置は、携帯端末に搭載されたGNSS受信部が受信した信号により特定される。
【0082】
また、案内システム10は、車載システム20が移動経路に沿った移動を行わない場合に、提供施設を案内させてもよい。すなわち、案内システム10は、移動経路によらない移動において、商品の提供のタイミングに合わせてユーザが到着できる提供施設を案内する。なお、この場合には、案内システム10は、送信要求を受信した場合には、現在地からの走行により、商品の提供時刻に到着できる提供施設を示す案内情報を生成する。具体的には、案内システム10は、現在地を基準として定まる第3検索範囲を設定し、第3検索範囲内に存在する提供施設を処理対象とし、提供時刻と到着予定時刻の差分が閾値以下の提供施設を案内対象として抽出すればよい。ここで、第3検索範囲は、現在地を基準として定まる範囲である。例えば、現在地を基準として走行距離が閾値以下の範囲、現在地を基準として走行時間が閾値以下の範囲、現在地を基準として直線距離が閾値以下の範囲等が第3検出範囲として設定される。
【0083】
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、第3の実施形態の案内管理システム1において、第2の実施形態において説明した施設情報200が利用されてもよい。
【0084】
さらに、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置で共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0085】
1…案内管理システム、10…管理システム、11…通信部、12…制御部、13…記録媒体、20…車載システム、21…通信部、22…制御部、23…ユーザI/F部、24…記録媒体、121…経路探索部、122…提供時刻取得部、123…到着予定時刻取得部、124…第1案内処理部、131…地図情報、132…施設情報、133…経路情報、134…登録時間帯情報、221…第2処理案内部、
【手続補正書】
【提出日】2022-01-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を提供する提供施設において、ユーザの注文から準備する時間を考慮したユーザへの前記商品の提供が可能となる提供時刻を取得する提供時刻取得部と、
前記提供施設への前記ユーザの到着予定時刻を取得する到着予定時刻取得部と、
前記提供時刻と前記到着予定時刻の差分が閾値以下の前記提供施設を案内部に案内させる案内処理部と
を備える、案内システム。
【請求項2】
前記提供施設は、前記ユーザにより選択された商品を提供する施設である、請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
前記提供施設は、予め設定された、前記ユーザの移動経路を基準とした範囲に位置する施設である、請求項1又は2に記載の案内システム。
【請求項4】
前記提供施設は、前記移動経路のうち、ユーザが設定する予め登録された登録時間帯に移動予定の経路を基準とした範囲に位置する施設である、請求項3に記載の案内システム。
【請求項5】
前記閾値は、提供される前記商品に基づいて特定される、請求項1~4の何れか1項に記載の案内システム。